JP2001116753A - 外因性内分泌撹乱物質の検出方法および検出装置 - Google Patents

外因性内分泌撹乱物質の検出方法および検出装置

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JP2001116753A JP29303799A JP29303799A JP2001116753A JP 2001116753 A JP2001116753 A JP 2001116753A JP 29303799 A JP29303799 A JP 29303799A JP 29303799 A JP29303799 A JP 29303799A JP 2001116753 A JP2001116753 A JP 2001116753A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極く低濃度で環境中に存在する外因性内分泌撹
乱物質(環境ホルモン)を高感度かつ簡便に検出できるよ
うにする。 【構成】固定化女性ホルモン受容体(固定化エストロゲ
ン受容体等)2を充填した検出容器(微小セル等)1、
該容器内を励起する光源3、励起後の検出容器内の蛍光
強度を検出する検出器4からなり、ある濃度の蛍光標識
された女性ホルモンを上記検出容器に導入した場合の蛍
光強度Fと、試験すべき試料を混合した上記と同濃度
の蛍光標識された女性ホルモンを上記検出容器に導入し
た場合の蛍光強度Fとを比較し、F<Fであれ
ば、上記試験すべき試料中に環境ホルモンが存在すると
する環境ホルモンの検出装置。上記FとFとを測定
し、両者を比較し、F<Fであれば試料中に環境ホ
ルモンが存在するとする環境ホルモンの検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外因性内分泌撹乱物
質の検出方法および検出装置に関し、より詳しくはいわ
ゆる環境ホルモンと呼ばれる外因性内分泌撹乱物質を高
感度で、かつ簡便に検出する方法および装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年社会的な問題となっている外因性内
分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンは、体内の天然ホ
ルモンの作用を撹乱することで生体に悪影響を及ぼすと
考えられている。その撹乱作用は現在未だ十分には解明
されていないが、以下に示すような、ある種の女性ホル
モン作用の撹乱メカニズムが提案されている。女性ホル
モン作用は通常生体内で女性ホルモンが対応するホルモ
ン受容体に結合することにより誘発される。ホルモンと
その受容体の結合体は二量体化し、さらにDNAの特定
の配列に結合する。これによりホルモン作用に必要な遺
伝子の転写が始まり、結果として生理作用が起こる。こ
こで外因性内分泌撹乱物質は、天然の女性ホルモンの代
わりに受容体に結合することによって、上記のホルモン
作用を撹乱する。
【0003】このような外因性内分泌撹乱物質は環境中
への拡散を防止し、かつ環境中から除去する必要がある
が、そのためにはまず該撹乱物質の存在を検出しなけれ
ばならない。しかしながら、ナノモルないしピコモル単
位という極めて希薄な濃度で環境中に存在するだけで、
生体への悪影響が危惧されている上記撹乱物質を検出す
る必要があるため、検出にはできるだけ感度の高い特殊
な方法を採用する必要があった。
【0004】外因性内分泌撹乱物質を検出するための従
来の方法には、放射受容体検定法(ラジオレセプタ−ア
ッセイ)〔Endocrine, 138(3);863-870(1997)〕、免疫検
定法(イムノアッセイ)〔"Reproductive Toxicology", d
el Mazo eds., Plenum Press, New York(1998)〕、蛍光
偏向解消法〔Environmental Health Respectives., 106
(9);551-557(1998)〕の他、組換え酵母を使用する方法
や受容体との複合体と遺伝子との結合を指標として放射
活性を用いて使用する方法等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の方法は、放射性物質や組換え酵母を利用するため
操作が煩雑であったり、しかもいずれの方法も環境中の
外因性内分泌撹乱物質の検出のためには感度が十分では
なかった。このため、上記外因性内分泌撹乱物質の簡便
で高感度の検出系の開発が望まれている。
【0006】本発明はこのような状況を考慮してなされ
たものであり、極く低濃度で環境中に存在する環境ホル
モンと呼ばれる外因性内分泌撹乱物質を高感度で、かつ
簡便に検出できる方法および装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明者は、環境ホルモンの疑いのある化学物質の
多くが女性ホルモンに類似の作用を有することに着眼
し、女性ホルモン受容体と蛍光標識した女性ホルモンと
を組み合わせ、該女性ホルモンと環境ホルモンとの上記
受容体への競合的結合の結果を蛍光強度の差で検出する
ことにより、被試試料中の環境ホルモンの存在の有無が
高感度で、かつ簡便に検出し得ることを鋭意研究の結果
見出し、さらに検討を加え、本発明を完成させた。
【0008】本発明者はさらに同様の着眼点から、固定
化女性ホルモンと、該女性ホルモンに対する抗ホルモン
抗体とを組み合わせ、試験すべき試料中に上記抗ホルモ
ン抗体を導入して環境ホルモンと抗ホルモン抗体との抗
原抗体反応を生じさせ、その後この反応混合物を固定化
女性ホルモンに接触させて反応混合物中に存在する未反
応の抗ホルモン抗体を固定化女性ホルモンに結合させ、
その結果を当該抗ホルモン抗体に結合させた標識蛍光の
蛍光強度の差で検出することにより、被試試料中の環境
ホルモンの存在の有無が高感度で、かつ簡便に検出し得
ることを鋭意研究の結果見出し、さらに検討を加え、本
発明を完成させた。
【0009】本発明は以下のような外因性内分泌撹乱物
質の検出方法および検出装置に関する。 (1)試料中における外因性内分泌撹乱物質の存在を検
出する方法であって、固定化された女性ホルモン受容体
と蛍光標識された女性ホルモンとを用い、既知量の前記
固定化女性ホルモン受容体に対する既知量の前記蛍光標
識女性ホルモンと前記試料中の存在未知なる外因性内分
泌撹乱物質との競争的結合反応を行い、固定化女性ホル
モン受容体に結合した蛍光標識女性ホルモンの標識蛍光
の蛍光強度を測定することを特徴とする外因性内分泌撹
乱物質の検出方法。 (2) 固定化女性ホルモン受容体を充填した検出容器
にある濃度の蛍光標識された女性ホルモンを導入した場
合に検出される蛍光強度を検出値Fとし、試験すべき
試料を混合した上記と同濃度の蛍光標識された女性ホル
モンを上記検出容器に導入した場合に検出される蛍光強
度を検出値Fとし、検出値Fが検出値Fに比べ小
さいならば、上記試験すべき試料中に外因性内分泌撹乱
物質が存在するものとすることを特徴とする上記(1)
に記載の検出方法。 (3) 固定化女性ホルモン受容体を充填した検出容器
にある濃度の蛍光標識された女性ホルモンを導入した場
合に検出される蛍光強度を検出値Fとし、試験すべき
試料を混合した上記と同濃度の蛍光標識された女性ホル
モンを上記検出容器に導入した場合に検出される蛍光強
度を検出値Fとし、検出値Fと検出値Fとの比を
算出し、予め作製しておいた検量線によって、上記試験
すべき試料中に存在する外因性内分泌撹乱物質の量を求
めることを特徴とする上記(1)に記載の検出方法。 (4) 女性ホルモン受容体がエストロゲン受容体であ
る上記(1)〜(3)のいずれかに記載の検出方法。 (5) 検出容器が容積100mm以下のセルである
上記(2)〜(4)のいずれかに記載の検出方法。 (6) 試料が固定化女性ホルモン受容体に連続的に接
触しうるように検出容器がフロー式である上記(2)〜
(5)のいずれかに記載の検出方法。 (7) 固定化女性ホルモン受容体を充填した検出容
器、該検出容器内を励起する光源、および励起後の検出
容器内の蛍光強度を検出する検出器とからなり、蛍光標
識された女性ホルモンと組み合わせて用いるものである
ことを特徴とする外因性内分泌撹乱物質の検出装置。 (8) 女性ホルモン受容体がエストロゲン受容体であ
る上記(7)に記載の検出装置。 (9) 検出容器が100mm以下のセルである上記
(7)または(8)に記載の検出装置。 (10) 試料が固定化女性ホルモン受容体に連続的に
接触しうるように検出容器がフロー式である上記(7)
〜(9)のいずれかに記載の検出装置。 (11)試料中における外因性内分泌撹乱物質の存在を
検出する方法であって、固定化された女性ホルモンと、
当該女性ホルモンに対する抗ホルモン抗体とを用い、既
知量の抗ホルモン抗体を前記試料に導入して存在未知な
る外因性内分泌撹乱物質と抗原抗体反応に供し、その
後、この抗ホルモン抗体と試料との反応混合液を、既知
量の前記固定化女性ホルモンと接触させ、固定化女性ホ
ルモンに結合した抗体量を、当該抗ホルモン抗体に結合
させた標識蛍光の蛍光強度を測定することを特徴とする
外因性内分泌撹乱物質の検出方法。 (12) 前記抗ホルモン抗体が蛍光標識抗ホルモン抗
体であり、固定化女性ホルモンに結合した抗体量を、当
該蛍光標識抗ホルモン抗体の標識蛍光の蛍光強度を測定
することを特徴とする(11)に記載の外因性内分泌撹
乱物質の検出方法。 (13) 前記抗ホルモン抗体を無標識一次抗体とし、
固定化女性ホルモンに結合した抗体量は、二次抗体とし
て当該一次抗体に特異的に結合する蛍光標識抗一次抗体
抗体を用い、固定化女性ホルモンに結合した一次抗体に
該二次抗体を特異的に結合させ、この結合二次抗体の標
識蛍光の蛍光強度を測定することを特徴とする(11)
に記載の外因性内分泌撹乱物質の検出方法。 (14) 前記固定化女性ホルモンを充填した検出容器
にある濃度の前記抗ホルモン抗体を導入した場合に検出
される蛍光強度を検出値Fとし、試験すべき試料を混
合した上記と同濃度の抗ホルモン抗体を上記検出容器に
導入した場合に検出される蛍光強度を検出値Fとし、
検出値Fが検出値Fに比べ小さいならば、上記試験
すべき試料中に外因性内分泌撹乱物質が存在するものと
することを特徴とする(11)〜(13)のいずれかに
記載の検出方法。 (15) 固定化女性ホルモンを充填した検出容器にあ
る濃度の抗ホルモン抗体を導入した場合に検出される蛍
光強度を検出値Fとし、試験すべき試料を混合した上
記と同濃度の抗ホルモン抗体を上記検出容器に導入した
場合に検出される蛍光強度を検出値Fとし、検出値F
と検出値Fとの比を算出し、予め作製しておいた検
量線によって、上記試験すべき試料中に存在する外因性
内分泌撹乱物質の量を求めることを特徴とする(11)
〜(13)のいずれかに記載の検出方法。 (16) 検出容器が容積100mm以下のセルであ
る(14)または(15)に記載の検出方法。 (17) 試料が固定化女性ホルモンに連続的に接触し
うるように検出容器がフロー式である(12)〜(1
6)のいずれかに記載の検出方法。 (18) 固定化女性ホルモンを充填した検出容器、該
検出容器内を励起する光源、および励起後の検出容器内
の蛍光強度を検出する検出器とからなり、蛍光標識され
た前記女性ホルモンに対する抗ホルモン抗体と組み合わ
せて用いるものであることを特徴とする外因性内分泌撹
乱物質の検出装置。 (19) 固定化女性ホルモンを充填した検出容器、該
検出容器内を励起する光源、および励起後の検出容器内
の蛍光強度を検出する検出器とからなり、前記女性ホル
モンに対する抗ホルモン一次抗体およびこの抗ホルモン
抗体と特異的に結合する蛍光標識された二次抗体と組み
合わせて用いるものであることを特徴とする外因性内分
泌撹乱物質の検出装置。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施態様に基づき
より詳細に説明する。
【0011】本発明において固定化女性ホルモン受容体
とは、不溶性担体に女性ホルモン受容体を固定化したも
のを意味する。
【0012】女性ホルモン受容体としては、例えばエス
トロゲン受容体、ゲスターゲン受容体等を用いることが
できる。多種多様の外因性内分泌撹乱物質を結合しうる
点でエストロゲン受容体が好ましい。ここでエストロゲ
ン受容体とは卵胞ホルモン受容体とも呼ばれ、生体内で
はエストロゲンの標的細胞核に存在し、エストロゲンと
結合して特異的な遺伝子に依存するタンパク質合成の活
性化を媒介するものである。
【0013】一方、このような女性ホルモン受容体を固
定化するための不溶性担体としては、例えばポリメチル
メタクリル酸、ガラス等からなる固定化用ビーズ、アル
ギン酸カルシウム粒子等の微細粒子などを用いることが
できるが、特にこれらに限定されるものではなく、種々
の形状、材質のものを使用することができる。このう
ち、ビーズないし微粒子形状、特に平均粒径50〜10
0μm程度のビーズないし微粒子形状のものであること
が好まれる。
【0014】このような不溶性担体に対する女性ホルモ
ン受容体の固定化方法としては、特に限定されるもので
はなく、例えば、自然吸着法、イオン結合法、共有結合
法などを用いて結合させることができ、また直接結合さ
せる方法のみならず、適当な化学物質あるいはタンパク
質などのスペーサーを介して間接的に結合させることも
可能である。
【0015】本発明において蛍光強度の基準を得るため
に使用される女性ホルモンは、発情作用を有するもので
あれば、あらゆるものが使用でき、エストラジオール、
エストロン、エストリオール、エキリン、エレキニン等
のステロイドホルモンまたはその代謝物、これらの化学
誘導体、例えばホモエストロン、エチニルエストラジオ
ール、ドワシノール酸、または合成エストロゲン等を挙
げることができる。これら女性ホルモンの蛍光標識は慣
用の手段により行い得、標識のための蛍光色素には、C
Y5、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチ
ルローダミンイソチオシアネート等がある。
【0016】本発明は、外因性内分泌撹乱物質の存在を
試験すべき環境中の種々の試料、すなわち試験すべき試
料中に該撹乱物質が存在する場合に、それが上記女性ホ
ルモン受容体に結合する現象を利用して、該撹乱物質を
検出しようとするものである。そのためにまず、ある濃
度の蛍光標識された女性ホルモンを上記女性ホルモン受
容体に結合させた場合の蛍光強度を測定する(この値を
検出値Fとする)。次に試験すべき試料を混合した上
記と同濃度の蛍光標識された女性ホルモンを上記女性ホ
ルモン受容体に結合させた場合の蛍光強度を測定する
(この値を検出値F とする)。ここで、上記試料中に外
因性内分泌撹乱物質が存在するならば、女性ホルモンの
上記エストロゲン受容体への結合が阻害されるため、そ
の結果が検出値Fにおける蛍光強度の低下となって示
される。従って、検出値Fが検出値Fに比べ小さい
場合(F<F)、上記試験すべき試料中に外因性内分
泌撹乱物質が存在すると判断できる。
【0017】このように本発明においては、固定化女性
ホルモン受容体に結合した蛍光標識女性ホルモンの標識
蛍光を測定するために、固定化女性ホルモンを内部に保
持してなる検出容器を用いることが、迅速な測定を行う
上で好ましい。
【0018】検出容器は固定化女性ホルモン受容体を内
部に保持し、かつ該受容体に結合された蛍光標識女性ホ
ルモンからの蛍光の検出を阻害しないことが必要であ
り、例えば透明ガラスまたは透明プラスチック等からな
る。検出容器は底部が閉じられ、導入される試料が流出
しないような形状であってもよいが(この場合、蛍光強
度の各々の測定はバッチ形式で行われる)、解放された
底部に、固定化受容体は通さないが導入される試料は通
すスクリーン等の保持材を設置するといった手法によ
り、解放容器内の所定部位に固定化受容体を通液可能な
状態で保持拘束した形態(いわゆるフロー式の検出容器
とすると)、該試料を検出容器に連続的に導入すること
ができ、それにより、受容体に結合する目的物質を極く
微量含む試料であっても、目的物質が検出容器中に蓄積
・濃縮され、結果的に目的物質の検出限界濃度が向上す
ることとなるので好ましい。なお、フロー式の検出容器
内における固定化受容体の保持方法としては、上記した
ようなスクリーンのような保持材を用いる方法に限定さ
れるものではなく、これ以外にも例えば、受容体を固定
化する担体として通液性を有する塊状物を用い、この塊
状物で検出容器の流路断面を塞ぐように配置するといっ
た方法も採択し得る。
【0019】また、検出容器は少量の試料間でも極くわ
ずかの蛍光強度の差を検知しうるように、微小セルの形
状であることが好ましい。微小セルは例えば100mm
以下、特に20〜70mmの容積を有することが望
ましい。
【0020】蛍光強度は、上記受容体に捕捉された女性
ホルモン上の標識蛍光を適当な光源からのレーザ光、水
銀灯等の照射により励起した際に発生する蛍光を検出器
により検出される。
【0021】本発明は、外因性内分泌撹乱物質の女性ホ
ルモン受容体への結合能力を直接利用しているため、該
撹乱物質と結合しなかった受容体の抗体を間接的に測定
する免疫検定法等に比較して、検出感度は格段に向上
し、しかも、蛍光強度の測定により検出が行われるた
め、放射線や組換え酵母等を利用する従来法に比較して
操作が極めて容易である。このため、本発明によれば、
天然の女性ホルモンの代わりにホルモン受容体に結合し
て体内のホルモン作用を撹乱することが知られている外
因性内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンを高感度
で、かつ容易に検出することができる。
【0022】本発明は、蛍光標識された女性ホルモンの
みの場合の蛍光強度Fと被試試料と上記女性ホルモン
との混合物の場合の蛍光強度Fとを比較し、FがF
より小さい、すなわち数式1で表される差が正である
ならば被試試料中には外因性内分泌撹乱物質が存在する
と判断する、いわゆる定性試験を主とするものである。
【数1】F−F しかし、FのFに比べた低下の割合が、被試試料中
に含まれる外因性内分泌撹乱物質の量にある程度比例す
ることから、既知の濃度の外因性内分泌撹乱物質を用い
て予め検量線を作成することにより、Fの低下の割合
に応じて被試試料中に含まれる外因性内分泌撹乱物質の
定量を行うこともできる。
【0023】次に第2の発明に関して説明する。
【0024】第2の発明においては、上記に説明した第
1の発明とは異なり、女性ホルモンを不溶性担体へと固
定化する。使用される不溶性担体および女性ホルモンと
しては、上記したようなものと同様なものが例示でき
る。また担体への女性ホルモンの固定化方法としては、
ホルモンを失活化させない方法であれば特に限定される
ものではない。例えば、ホルモンを直接自然吸着法、イ
オン結合法、共有結合法などを用いて担体に結合させる
ことができ、また直接結合させる方法のみならず、適当
な化学物質あるいはタンパク質などのスペーサーを介し
て間接的に結合させることも可能である。例えば、ホル
モンの活性に影響のない部位に官能基を導入し共有結合
を介して結合させること、長鎖のスペーサーを配すると
いった態様を取ることが望ましい。具体的には例えば、
芳香族アミノ基を持つ担体をジアゾ化し、ホルモンなど
の抗原となる化学物質をジアゾカップリングする方法、
あるいは、セファロースなどの多糖類をBrCNで活性化し
てアミノ基を持つホルモンなどの化学物質のアミノ基と
共有結合させる方法などを例示できる。また、ホルモン
をタンパク質に化学結合により結合させ、この結合体を
さらに担体に固定化することもできる。この固定化法に
ついても、ホルモンとタンパク質の結合体を直接自然吸
着法、イオン結合法、共有結合法などを用いて担体に結
合させることができ、また直接固定させる方法のみなら
ず、適当な化学物質、例えばグルタルアルデヒド架橋な
どのスペーサーを介して固定させることも可能である。
【0025】そして使用した女性ホルモンに対する抗ホ
ルモン抗体に蛍光標識したものを別途調製する。抗体と
しては、各種動物を起源とする免疫グロブリンのどのク
ラスに属するものであってもよく、一般に市販されるも
のを用いることも、あるいは適当な免疫系を該女性ホル
モンで刺激し産生される該女性ホルモンに対する特異性
の高い抗体を別途調製したものを用いてもよい。またモ
ノクローナル抗体を用いることも可能である。例えば、
抗エストラジオール抗体は、バイオデザイン (Biodesig
n) 社、バイオスペシフィック(BiospeciFic)社、フィ
ツァーアルド(Fitzgerald)社、コーテックス バイオ
ケミストリー(Cortex Biochemistry)社(いずれも米
国)などから、また抗エストリオール抗体はバイオスト
ライド(Biostride)社などから入手可能である。このよ
うな抗体の蛍光標識化は、慣用の手段により行い得、ま
た使用される蛍光色素としても上記したものと同様のも
のが例示できる。
【0026】あるいはまた、女性ホルモンに対する抗ホ
ルモン抗体には蛍光標識付けせず、これを一次抗体とし
て使用するとともに、別途この一次抗体に対して特異的
に結合する抗体(抗一次抗体抗体)を用意し、これを蛍
光標識したものを二次抗体として用いることも可能であ
る。この場合、固定化女性ホルモンに結合した抗ホルモ
ン抗体(一次抗体)に蛍光標識された二次抗体が特異的
に結合するため、蛍光標識した抗ホルモン抗体を用いる
上記態様と同様に、固定化女性ホルモンに結合した抗ホ
ルモン抗体を蛍光標識により識別化できるものである。
【0027】本第2発明は、外因性内分泌撹乱物質の存
在を試験すべき環境中の種々の試料、すなわち試験すべ
き試料中に該撹乱物質が存在する場合に、それが上記女
性ホルモンに対する抗ホルモン抗体に結合する現象を利
用して、該撹乱物質を検出しようとするものである。そ
のためにまず、ある濃度の抗ホルモン抗体を上記固定化
女性ホルモンに結合させた場合の蛍光強度を測定する
(この値を検出値Fとする)。次に試験すべき試料を上
記と同濃度の抗ホルモン抗体と接触させ、その後、この
接触混合物を上記固定化女性ホルモンに接触させ、固定
化女性ホルモンに結合した抗ホルモン抗体の蛍光強度を
測定する(この値を検出値Fとする)。ここで、上記試
料中に外因性内分泌撹乱物質が存在するならば、上記抗
ホルモン抗体の一部は上記試料との最初の接触におい
て、外因性内分泌撹乱物質と結合し、この外因性内分泌
撹乱物質と結合した抗ホルモン抗体は、続く固定化女性
ホルモンとの接触において、もはや固定化女性ホルモン
と結合しようとはせず、反応混合物中に遊離状態で残る
こととなるため、その結果が検出値Fにおける蛍光強
度の低下となって示される。従って、検出値Fが検出
値Fに比べ小さい場合(F<F)、上記試験すべき
試料中に外因性内分泌撹乱物質が存在すると判断でき
る。
【0028】なお、本第2発明においても、前記した第
1発明と同様に、迅速な測定を行う上で、固定化女性ホ
ルモンを内部に保持してなる検出容器を用いることが好
ましい。検出容器の構成等に関しては、その内部に保持
されるものが固定化女性ホルモンと固定化女性ホルモン
受容体という相違以外は、前記第1発明において説明し
たものと同様のものを好ましく例示できる。また蛍光の
検出方法についても前記と同様である。
【0029】本第2発明は、外因性内分泌撹乱物質と結
合しなかった抗体量を検定することで間接的に外因性内
分泌撹乱物質を測定する方法ではあるが、当該未結合の
抗体を、担体上に固定化されたことにより高密度で存在
する抗原(女性ホルモン)に結合させることで、該固定
化担体上に蓄積することができるために、検出感度は格
段に向上し、しかも、蛍光強度の測定により検出が行わ
れるため、放射線や組換え酵母等を利用する従来法に比
較して操作が極めて容易である。このため、本発明によ
れば、天然の女性ホルモンの代わりにホルモン受容体に
結合して体内のホルモン作用を撹乱することが知られて
いる外因性内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンを高
感度で、かつ容易に検出することができる。
【0030】本第2発明も前記第1発明と同様に、定性
試験を主とするものであるが、前記したように既知の濃
度の外因性内分泌撹乱物質を用いて予め検量線を作成す
ることにより、被試試料中に含まれる外因性内分泌撹乱
物質の定量を行うこともできる。
【0031】上記したような第1および第2の発明に係
る外因性内分泌撹乱物質の検出方法および検出装置は、
原理的に受容体あるいは抗体の種類に関われず、これら
に結合性を持つ物質を検出ならびに定量できるものであ
り、その検出可能な外因性内分泌撹乱物質としては特に
限定されるわけではなく多種多様な物質が含まれ得る。
例えば、タモキシフェン、ノニルフェノール、ビスフェ
ノールA、ジエチルスチルベストロール、エストラジオ
ール−3−スルフェート、エストラジオール−17−グ
ルクロニド、エストラジオール−3−グルクロニド、エ
ストリオール−3−スルフェート、エストリオール−1
7−グルクロニド、エストリオール−3−グルクロニド
など化学物質が例示できるが、もちろん、これら数種の
化学物質に限定されるものではない。
【0032】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明するが、これらは本発明をより詳細に説明するた
めのものであり、限定するためのものではない。
【0033】実験I A.材料と方法
【0034】(1)受容体、ホルモンおよび化学物質 エストロゲン受容体としてヒトエストロゲン受容体α
〔米国ウイスコンシン州ドライブ・マジソンのパンベラ
(PanVera)社製〕を使用した。天然ホルモンの標準品と
して17β−エストラジオール(和光純薬工業社製)、エス
トリオール(和光純薬工業社製)およびテストステロン
(和光純薬工業社製)を使用した。また、測定対象として
ホルモン作用を有する可能性が示唆されている数種の化
学物質:タモキシフェン、ノニルフェノール、ビスフェ
ノールAおよびジエチルスチルベストロール、エストラ
ジオール−3−スルフェート、エストラジオール−17
−グルクロニド、エストラジオール−3−グルクロニ
ド、エストリオール−3−スルフェート、エストリオー
ル−17−グルクロニド、エストリオール−3−グルク
ロニド〔以上、いずれも米国ミズーリ州のシグマ(Sigm
a)社製〕を使用した。
【0035】(2)固定化エストロゲン受容体の調製 エストロゲン受容体の担体(ビーズ)への固定は自然吸着
により行った。固定化用ビーズは平均粒径95μmのポ
リメチルメタクリル酸の粒子(ガンツ化成社製)を使用し
た。ビーズ0.2gを小型の試験管に入れ、結合用緩衝
液(50mMトリスHCl,500mM KCl,2m
M DDT,1mM EDTA,10%グリセロール,
pH7.8)1mlに懸濁した。この懸濁液に70pm
olのエストロゲン受容体を投入し、30分間室温で混
和した。この後、終濃度1mg/mlになるようにウシ
血清アルブミン100μlを添加した。添加後、さらに
30分間室温で混和した。この後、同じ緩衝液で粒子を
洗浄し、次いで同じ緩衝液30ml中に再懸濁して測定
に使用した。なお、エストロゲン受容体を固定化してい
ない比較のためのビーズとしてビーズにウシ血清アルブ
ミンのみを添加したものも同様の操作で調製した。
【0036】(3)蛍光標識された女性ホルモンの調製 17β−エストラジオール−ウシ血清アルブミンの粉末試
料〔シグマ社(上掲)製〕を1mg/mlになるように結
合用緩衝液に溶解した。蛍光色素には、ステロイドホル
モン等の吸収波長を考慮して650nmに吸収波長を有
するCY5を使用した。この蛍光色素の付与にはCY5
ラベリングキット〔米国イリノイ州アーリントンハイト
のアマルシャム・ライフサイエンス(Amersham LiFe Sc
ience)社製〕を使用した。蛍光色素の付与された17β−
エストラジオール−ウシ血清アルブミンと遊離の蛍光色
素とはゲル濾過クロマトグラフィーにより分画した。結
果として、17β−エストラジオール−ウシ血清アルブミ
ン1分子に対し約10個の蛍光色素が付与された蛍光標
識女性ホルモンを得た。
【0037】(4)蛍光検出装置 蛍光強度の測定には、フロー式蛍光光度計〔米国アイダ
ホ州ボイシのサピダイン・インストルメント(Sapidyne
Instrument)社製〕を組み込んだ検出装置を使用した。
この検出装置を模式的に図1に示すが、該装置は液相反
応における分子間相互作用を蛍光強度の測定により解析
できる。直径1.5mm、長さ30mmのガラスセル1
を挟んで配置された励起光源3と検出器4により、蛍光
強度は電気信号単位で測定される。ビーズ形状の固定化
エストロゲン受容体2はガラスセル1内に設置された5
0μmのナイロンメッシュからなるスクリーンSにより
せき止めて積層することによりガラスセル1中に充填し
た。該積層は6.7mg/mlの固定化エストロゲン受
容体懸濁液0.7mlを1.5ml/分の速度で送液し
て行った。
【0038】17β−エストラジオール−ウシ血清アルブ
ミン−CY5(以下、E2−BSA−CY5と略記する)
単独、またはE2−BSA−CY5と化学物質もしくは
天然ホルモンとの混合試料の送液は吸引ポンプにより制
御され、矢印aの方向から0.5ml/分の速度で連続
的にガラスセル中に導入される。この時、物質はガラス
セル1内の固定化エストロゲン受容体2との結合により
蛍光強度として測定される。受容体2と結合していない
ビーズ間に残留する物質は、緩衝液のみを1.5ml/
分の速度で導入することにより、矢印bの方向から排出
される。この後、残留する蛍光強度を結合量として評価
した。具体的には、約400ng/mlとなるように結
合用緩衝液にE2−BSA−CY5を希釈した。なお、
この濃度はE2−BSA−CY5の蛍光の付与率に応じ
て適宜調節した。希釈液に既知の濃度の天然ホルモンま
たは化学物質を溶解した結合用緩衝液を等量添加して室
温で30分間放置した。なお、難水溶性物質の場合はジ
メチルスルホキシドに完全に溶解させた後、適宜希釈
し、放置後、測定に供した。
【0039】B.結果 (1)標識女性ホルモンの固定化受容体への結合 固定化エストロゲン受容体を充填したガラスセル中にE
2−BSA−CY5のみを含有する試料を連続的に導入
した場合、経時的に蛍光強度の増加が観察された。ま
た、対照として行った受容体を固定していないビーズを
充填したガラスセル中に同様の試料を連続的に導入した
場合も、同様に蛍光強度の増加が見られたが、強度は受
容体を固定したビーズの場合に比べ、明らかに低かっ
た。結果を図2に示すが、この結果からE2−BSA−
CY5がエストロゲン受容体に結合していることが判明
した。また、蛍光強度が試料流量に伴って経時的に増加
することから、検出には標識女性ホルモンの蓄積効果が
反映されることも判明した。
【0040】(2)天然ホルモンによる標識女性ホルモ
ンの固定化受容体への結合阻害 次に、上記測定系をエストロゲン受容体に結合できる天
然の女性ホルモンである17β−エストラジオールおよ
びエストリオールを使用して検証した。まず、一定濃度
のE2−BSA−CY5に17β−エストラジオールを種
々の濃度で添加して蛍光強度を同様に測定した。その結
果、図3(A)に示すように、共存する17β−エストラ
ジオールの濃度が高くなるに従って蛍光強度が低下し
た。また、一定の濃度以上の17β−エストラジオールを
含有する場合、蛍光強度の一定以上の低下は観察されな
くなり、この時の蛍光強度は対照として行った受容体を
固定化していないビーズの場合と同等であった(図3
(A)の最も下側の曲線参照)。なお、図3(A)中、
グラフ曲線上から、17β−エストラジオール添加量が0
pM、0.05pM、0.5pM、5pM、50pM、
500pM、および受容体も17β−エストラジオール添
加もない場合の結果を示す。このことから、受容体に結
合できる17β−エストラジオールはE2−BSA−CY
5の受容体への結合を競合的に阻害することが確認され
た。
【0041】そこで、同様の検討をエストリオールにつ
いても行ったところ、図3(B)に示すように、エスト
リオールもE2−BSA−CY5の受容体への結合を競
合的に阻害することが確認された(図中、グラフ曲線上
から、エストリオール添加量が0pM、0.5pM、5
pM、50pM、500pM、および受容体もエストリ
オール添加もなし)。これらに対し、男性ホルモンであ
るテストステロンの場合、図3(C)に示すように、測
定を行った濃度ではE2−BSA−CY5の受容体への
結合を阻害しなかった(図中、グラフ曲線上から、テス
トステロン添加量が0pM、50pM、500pM、5
000pM、500000pM、および受容体もテスト
ステロン添加もなし)。
【0042】上述の天然ホルモンの添加濃度と蛍光強度
の低下率との関係を図4に示す。ここで、蛍光強度の低
下率は、天然ホルモンを添加していない場合を100%
とし、ホルモンの添加によりE2−BSA−CY5の受
容体への結合が阻害された割合(結合阻害率,単位%)と
して表した。その結果、17β−エストラジオールの場合
10−13〜10−9Mの濃度範囲で、そしてエストリ
オールの場合10−1 〜10−9Mの濃度範囲で蛍光
強度の低下が確認できることがわかる。従って、上記測
定系において、17β−エストラジオールは10−13
10−9Mの濃度範囲で、そしてエストリオールは10
−12〜10−9Mの濃度範囲で検出され得る。
【0043】(3)化学物質による標識女性ホルモンの
固定化受容体への結合阻害 前項と同様の検討を化学物質について行った。化学物質
として外因性内分泌撹乱作用を有することが疑われてい
るタモキシフェン、ビスフェノールA、ジエチルスチル
ベストロール(DES)およびノニルフェノールを選択
した。これらの物質を一定濃度のE2−BSA−CY5
に種々の濃度で添加し、蛍光強度の低下を測定した。そ
の結果、いずれの場合も共存する化学物質の濃度が高く
なるに従って蛍光強度が低下した〔図5:共存する化学
物質は(A)がタモキシフェン、(B)がビスフェノー
ルA、(C)がDES、(D)がノニルフェノールであ
り、それぞれの添加量はグラフ曲線上から、(A)が添
加なし、0.5pM、5pM、50pM、500pM、
5000pM、50000pM、そして受容体もタモキ
シフェン添加もなし、(B)が添加なし、5pM、50
pM、500pM、5000pM、50000pM、5
00000pM、そして受容体もビスフェノールA添加
もなし、(C)が添加なし、0.05pM、0.5p
M、5pM、500pM、5000pM、そして受容体
もDES添加もなし、(D)が添加なし、0.5pM、
5pM、50pM、5000pM、50000pM、そ
して受容体もノニルフェノール添加もなし〕。また、一
定の濃度以上の化学物質の添加では一定以上の蛍光強度
の低下は観察されなくなり、この時の蛍光強度は対照と
して行った受容体を固定化していないビーズの場合と同
等であった。
【0044】以上の結果から、これらの化学物質はE2
−BSA−CY5の受容体への結合を競合的に阻害する
ことが認められた。また、蛍光強度の低下率をE2−B
SA−CY5の受容体への結合阻害率とし、その時の各
化学物質の添加濃度との関係を図6に示した。
【0045】その結果、E2−BSA−CY5の受容体
への結合阻害を蛍光強度の変化として測定することによ
り、タモキシフェン、DES、ノニルフェノール、ビス
フェノールAをそれぞれ10−12〜10−9M、10
−12〜10−9M、10 〜10−5M、10−8
〜10−6Mの濃度範囲で検出することができる。この
ように、本発明の検出方法に従って女性ホルモン受容体
結合性を有する化学物質を簡便かつ高感度に検出するこ
とができる。
【0046】また別途、エストラジオール−3−スルフ
ェート、エストラジオール−17−グルクロニド、エス
トラジオール−3−グルクロニド、エストリオール−3
−スルフェート、エストリオール−17−グルクロニド
およびエストリオール−3−グルクロニドに対しても同
様な操作を行ったところ、いずれの化学物質に対しても
前記と同様に高感度に検出することが可能であった。
【0047】(4)従来法との比較 外因性内分泌撹乱物質を検出するための従来の方法に
は、上記したように放射受容体検定法、免疫検定法、蛍
光偏向解消法、組換え酵母を使用する方法、受容体との
複合体と遺伝子との結合を指標として放射活性を用いて
使用する方法等が知られている。これらの方法および本
発明の方法に従い、エストラジオールを検出物質とした
場合の検出範囲を下の表1にまとめて示す。この結果か
ら、従来の方法による化学物質(エストラジオール)の検
出範囲は50〜10000pMであるのに対し、本発明
の方法では1〜100pMであり、外因性内分泌撹乱物
質検出感度における本発明の有効性が明白である。
【0048】
【表1】 方 法 検出範囲(pM) 放射受容体検定法 50〜1000 免疫検定法 370〜37000 蛍光偏向解消法 1000〜100000 組換え酵母を使用する方法 100 本発明の方法 1〜100
【0049】実験II A.材料と方法
【0050】(1)ホルモン、抗ホルモン抗体 固定化するおよび試料中に添加するホルモンとして17β
−エストラジオール(和光純薬工業社製)およびエストリ
オール(和光純薬工業社製)を使用した。また、抗エスト
ラジオール抗体としては、バイオデザイン (Biodesign)
社、バイオスパシフィック(BiospaciFic)社、フィツ
ァーアルド (Fitzgerald)社、およびコーテックス
バイオケミストリー(Cortex Biochemistry)社(いずれ
も米国)のものを、また抗エストリオール抗体はバイオ
ストライド(Biostride)社のものを使用した。さらに二
次抗体を用いる場合は、前記抗女性ホルモン抗体に対す
る特異的抗体(Jackson Immuno Research Laboratorie
s, Inc., ペンシルバニア州, 米国)を準備した。
【0051】(2)ホルモン固定化担体の調製 エストラジオールおよびエストリオールの担体(ビーズ)
への固定は自然吸着法により行った。具体的には、エス
トラジオールあるいはエストリオールを結合させた牛血
清アルブミン(米国、シグマ社製)を用いた。100マ
イクログラムのエストリオール結合牛血清アルブミンを
1mlの生理食塩水に溶解し、溶解液に200ミリグラ
ムの平均粒径95μmのポリメチルメタクリル酸の粒子
(ガンツ化成社製)を加えた。この後、1時間震盪して自
然吸着を促した。自然吸着後、さらに100マイクロリ
ットルの牛血清アルブミン(100ミリグラム/ml)
を添加し、震盪した。最後に、生理食塩水で担体を洗浄
し、ホルモン固定化担体とした。
【0052】(3)蛍光標識抗体の調製 前記抗エストラジオール抗体、あるいは抗エストリオー
ル抗体の蛍光標識付けは、CY5ラベリングキット〔米
国イリノイ州アーリントンハイトのアマルシャム・ライ
フサイエンス(Amersham LiFe Science)社製〕を用いて
行った。またこれら抗女性ホルモン抗体に対する蛍光標
識二次抗体は、(Jackson Immuno Research Laboratori
es, Inc., ペンシルバニア州, 米国)から購入した。
【0053】(4)蛍光検出装置 蛍光強度の測定は、蛍光標識された抗ホルモン抗体を用
いる場合、実験Iと同様にフロー式蛍光光度計〔米国ア
イダホ州ボイシのサピダイン・インストルメント(Sapid
yne Instrument)社製〕を組み込んだ検出装置を使用し
ほぼ同様の手順にて行った。
【0054】一方、抗ホルモン抗体は無標識のもの(一
次抗体)とし、抗ホルモン抗体に特異的に結合する抗体
を蛍光標識したものを二次抗体として用いる場合の検出
方法の概要を図7に示す。検出装置としては図7(A)
に示すように、実験Iと同様にフロー式蛍光光度計〔米
国アイダホ州ボイシのサピダイン・インストルメント(S
apidyne Instrument)社製〕を組み込んだ検出装置を使
用し、ガラスセル11の前面に配置された集束光学レン
ズ16により励起光源(図示せず)からの励起光をガラ
スセル11内に充填された女性ホルモン固定化ビーズ
(抗原固定化ビーズ)12に入射し、当該入射光により
励起されて発光した蛍光を前記光学レンズ16により検
出器(図示せず)へ向かわせ、検出器により、蛍光強度
を電気信号単位で測定する。女性ホルモン固定化ビーズ
12はガラスセル11内に設置されたスクリーンSによ
りせき止めて積層することによりガラスセル11中に充
填した。また、このガラスセル11の上流側には、ビー
ズ、試料、洗浄液および蛍光標識二次抗体の供給源に接
続されたロータリーバルブ17が配してあり、下流側に
配されたシリンジポンプ(図示せず)と共働して操作す
ることにより、ガラスセル内にこれらの物質を順次供給
した。
【0055】測定操作は、図7(C)に示すように、予
めある既知量の一次抗体と混合した試料を、抗原(女性
ホルモン)固定化ビーズに接触させる(ステップ1)。
ここで、試料中に含まれる遊離女性ホルモンと反応して
いない余剰の未反応一次抗体がビーズ上の固定化抗原と
反応し、捕捉される。セル内に洗浄液を流し前記試料を
セル内から除去した後、セル内に十分な量の蛍光標識二
次抗体を流す(ステップ2)。この操作において、蛍光
標識二次抗体は、固定化抗原に捕捉された一次抗体に特
異的に反応し、結合一次抗体の量に応じた量のみが固定
化ビーズ上に結合する。最後に、洗浄液を流して未結合
の蛍光標識二次抗体をセル内から除去すると(ステップ
3)、抗原固定化ビーズに結合した一次抗体に二次抗体
を介して結合した標識蛍光物質のみがセル内に残り、そ
の蛍光強度を測定することで抗原固定化ビーズに結合し
た一次抗体量を検知し、試料中に存在していた遊離抗原
量を知ることができる。なお、図7(B)は、これら一
連のステップにおいて検出される蛍光強度の変化の典型
例を示すものである。
【0056】B.結果 図8は、抗ホルモン抗体を蛍光標識した系において測定
したエストリオールの定量結果を示すものであり、また
図9は蛍光標識二次抗体を用いた系において測定したエ
ストリオールおよびエストラジオールの定量結果を示す
ものである。
【0057】一定濃度の蛍光標識抗体にエストリオール
を種々の濃度で添加した場合に、検出容器で検出される
蛍光強度の低下率を固定化ホルモンへの結合阻害率と
し、その時の遊離エストリオールの添加濃度との関係を
図7に示した。いずれにおいても、このように固定化ホ
ルモンへの結合阻害を蛍光強度の変化として測定するこ
とにより、従来の酵素結合イムノソルベント法(ELI
SA)で同様にエストリオールおよびエストラジオール
を検出した場合と比べて、50〜100倍程度の検出限
界が達成でき、本発明の検出方法が高感度であることが
示された。
【0058】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の外
因性内分泌撹乱物質の検出方法および検出装置は、原理
的に受容体あるいは抗体の種類に関われず、これらに結
合性を持つ物質を検出ならびに定量できるものであり、
外因性内分泌撹乱物質を従来の最高感度の方法に比べ数
十倍の高い感度で検出することができるものである。し
かも本発明における外因性内分泌撹乱物質の検出は蛍光
強度の測定により行い得、操作が極めて簡便である。
【0059】外因性内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホル
モンはナノモルないしはピコモル程度の極めて低濃度で
存在する場合でも、生体に悪影響を及ぼすとされている
が、本発明は上記のように極めて低濃度で含有する試料
でも環境ホルモンを高い感度で検出し得、しかもその操
作が極めて容易であるため、環境保護の分野、ひいては
生態系の維持に対する寄与は多大である。
【0060】本発明において固定化されて使用される女
性ホルモン受容体をエストロゲン受容体とすることによ
り環境中に存在する多種多用な女性ホルモン様作用を持
つ化学物質を検出することができる。
【0061】また、抗体を用いて環境ホルモンを検出す
る場合には、抗体が結合しうる全ての環境ホルモンを特
定すると共にその濃度を定量的に検出できる。
【0062】また、本発明において検出容器として容積
が100mm以下といった微小セルを使用することに
より、少量の固定化女性ホルモン受容体でより迅速に検
出を行うことができる。さらに、この検出容器をフロー
式のものとすると、試料を連続的に通過させることがで
き、試料中に外因性内分泌撹乱物質が極く微量しか存在
しない場合でも、該撹乱物質が検出容器中の固定化女性
ホルモン受容体ないし固定化女性ホルモンに蓄積され、
検出限界をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外因性内分泌撹乱物質の検出装置を模
式的に示す図面である。
【図2】エストロゲン受容体に女性ホルモン試料が結合
した際の蛍光蓄積検出を示すグラフである。
【図3】天然ホルモンの共存による蛍光強度の変化を示
すグラフである。天然ホルモンは(A)が17β−エストラ
ジオール、(B)がエストリオール、(C)がテストステロ
ンである。
【図4】各種ホルモンの濃度による結合阻害率の変化を
示すグラフである。
【図5】化学物質の共存により蛍光強度の変化を示すグ
ラフである。化学物質は(A)がタモキシフェン、(B)が
ビスフェノールA、(C)がDES、(D)がノニルフェノ
ールである。
【図6】各種化学物質の濃度による結合阻害率の変化を
示すグラフである。
【図7】本発明の別の外因性内分泌撹乱物質の検出方法
および装置を模式的に示す図面であり、(A)は用いら
れる装置構成の一例、(B)は検出操作の一連のステッ
プにおいて検出される蛍光強度の変化の典型例、(C)
は検出操作の一連のステップにおける抗原固定化ビーズ
表面近傍での変化の模式図である。
【図8】抗ホルモン抗体を蛍光標識した系において測定
したエストリオールの定量結果を示すグラフ。
【図9】蛍光標識二次抗体を用いた系において測定した
エストリオールおよびエストラジオールの定量結果を示
すグラフ。
【符号の説明】
1 検出容器 2 固定化エストロゲン受容体 3 励起光源 4 検出器 11 ガラスセル 12 女性ホルモン固定化ビーズ(抗原固定化ビーズ) 16 集束光学レンズ 17 ロータリーバルブ S スクリーン
フロントページの続き (71)出願人 599145122 967 E.Park Center Bl vd. #445,Boise ID 83706 −6700,USA (72)発明者 大村 直也 千葉県我孫子市我孫子1646番地 財団法人 電力中央研究所 我孫子研究所内 (72)発明者 スティーヴ ラッキー アメリカ合衆国 アイダホ州 83706− 6700 ボイシ, イー.パーク センター ブールバード #445 967 サピダイン インストルメント インコーポレイテッ ド内 Fターム(参考) 2G043 AA04 BA16 CA06 EA01 FA07 HA01 KA09 LA01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中における外因性内分泌撹乱物質の
    存在を検出する方法であって、固定化された女性ホルモ
    ン受容体と蛍光標識された女性ホルモンとを用い、既知
    量の前記固定化女性ホルモン受容体に対する既知量の前
    記蛍光標識女性ホルモンと前記試料中の存在未知なる外
    因性内分泌撹乱物質との競争的結合反応を行い、固定化
    女性ホルモン受容体に結合した蛍光標識女性ホルモンの
    標識蛍光の蛍光強度を測定することを特徴とする外因性
    内分泌撹乱物質の検出方法。
  2. 【請求項2】 固定化女性ホルモン受容体を充填した検
    出容器にある濃度の蛍光標識された女性ホルモンを導入
    した場合に検出される蛍光強度を検出値Fとし、試験
    すべき試料を混合した上記と同濃度の蛍光標識された女
    性ホルモンを上記検出容器に導入した場合に検出される
    蛍光強度を検出値Fとし、検出値F が検出値F
    比べ小さいならば、上記試験すべき試料中に外因性内分
    泌撹乱物質が存在するものとすることを特徴とする請求
    項1に記載の検出方法。
  3. 【請求項3】 固定化女性ホルモン受容体を充填した検
    出容器にある濃度の蛍光標識された女性ホルモンを導入
    した場合に検出される蛍光強度を検出値Fとし、試験
    すべき試料を混合した上記と同濃度の蛍光標識された女
    性ホルモンを上記検出容器に導入した場合に検出される
    蛍光強度を検出値Fとし、検出値F と検出値F
    の比を算出し、予め作製しておいた検量線によって、上
    記試験すべき試料中に存在する外因性内分泌撹乱物質の
    量を求めることを特徴とする請求項1に記載の検出方
    法。
  4. 【請求項4】 女性ホルモン受容体がエストロゲン受容
    体である請求項1〜3のいずれかに記載の検出方法。
  5. 【請求項5】 検出容器が容積100mm以下のセル
    である請求項2〜4のいずれかに記載の検出方法。
  6. 【請求項6】 試料が固定化女性ホルモン受容体に連続
    的に接触しうるように検出容器がフロー式である請求項
    2〜5のいずれかに記載の検出方法。
  7. 【請求項7】 固定化女性ホルモン受容体を充填した検
    出容器、該検出容器内を励起する光源、および励起後の
    検出容器内の蛍光強度を検出する検出器とからなり、蛍
    光標識された女性ホルモンと組み合わせて用いるもので
    あることを特徴とする外因性内分泌撹乱物質の検出装
    置。
  8. 【請求項8】 女性ホルモン受容体がエストロゲン受容
    体である請求項7に記載の検出装置。
  9. 【請求項9】 検出容器が容積100mm以下のセル
    である請求項7または8に記載の検出装置。
  10. 【請求項10】 試料が固定化女性ホルモン受容体に連
    続的に接触しうるように検出容器がフロー式である請求
    項7〜9の記載のいずれかに記載の検出装置。
  11. 【請求項11】 試料中における外因性内分泌撹乱物質
    の存在を検出する方法であって、固定化された女性ホル
    モンと、当該女性ホルモンに対する抗ホルモン抗体とを
    用い、既知量の抗ホルモン抗体を前記試料に導入して存
    在未知なる外因性内分泌撹乱物質と抗原抗体反応に供
    し、その後、この抗ホルモン抗体と試料との反応混合液
    を、既知量の前記固定化女性ホルモンと接触させ、固定
    化女性ホルモンに結合した抗体量を、当該抗ホルモン抗
    体に結合させた標識蛍光の蛍光強度を測定することを特
    徴とする外因性内分泌撹乱物質の検出方法。
  12. 【請求項12】 前記抗ホルモン抗体が蛍光標識抗ホル
    モン抗体であり、固定化女性ホルモンに結合した抗体量
    を、当該蛍光標識抗ホルモン抗体の標識蛍光の蛍光強度
    を測定することを特徴とする請求項11に記載の外因性
    内分泌撹乱物質の検出方法。
  13. 【請求項13】 前記抗ホルモン抗体を無標識一次抗体
    とし、固定化女性ホルモンに結合した抗体量は、二次抗
    体として当該一次抗体に特異的に結合する蛍光標識抗一
    次抗体抗体を用い、固定化女性ホルモンに結合した一次
    抗体に該二次抗体を特異的に結合させ、この結合二次抗
    体の標識蛍光の蛍光強度を測定することを特徴とする請
    求項11に記載の外因性内分泌撹乱物質の検出方法。
  14. 【請求項14】 前記固定化女性ホルモンを充填した検
    出容器にある濃度の前記抗ホルモン抗体を導入した場合
    に検出される蛍光強度を検出値Fとし、試験すべき試
    料を混合した上記と同濃度の抗ホルモン抗体を上記検出
    容器に導入した場合に検出される蛍光強度を検出値F
    とし、検出値Fが検出値Fに比べ小さいならば、上
    記試験すべき試料中に外因性内分泌撹乱物質が存在する
    ものとすることを特徴とする請求項11〜13のいずれ
    かに記載の検出方法。
  15. 【請求項15】 固定化女性ホルモンを充填した検出容
    器にある濃度の抗ホルモン抗体を導入した場合に検出さ
    れる蛍光強度を検出値Fとし、試験すべき試料を混合
    した上記と同濃度の抗ホルモン抗体を上記検出容器に導
    入した場合に検出される蛍光強度を検出値Fとし、検
    出値Fと検出値Fとの比を算出し、予め作製してお
    いた検量線によって、上記試験すべき試料中に存在する
    外因性内分泌撹乱物質の量を求めることを特徴とする請
    求項11〜13のいずれかに記載の検出方法。
  16. 【請求項16】 検出容器が容積100mm以下のセ
    ルである請求項14または15に記載の検出方法。
  17. 【請求項17】 試料が固定化女性ホルモンに連続的に
    接触しうるように検出容器がフロー式である請求項12
    〜16のいずれかに記載の検出方法。
  18. 【請求項18】 固定化女性ホルモンを充填した検出容
    器、該検出容器内を励起する光源、および励起後の検出
    容器内の蛍光強度を検出する検出器とからなり、蛍光標
    識された前記女性ホルモンに対する抗ホルモン抗体と組
    み合わせて用いるものであることを特徴とする外因性内
    分泌撹乱物質の検出装置。
  19. 【請求項19】 固定化女性ホルモンを充填した検出容
    器、該検出容器内を励起する光源、および励起後の検出
    容器内の蛍光強度を検出する検出器とからなり、前記女
    性ホルモンに対する抗ホルモン一次抗体およびこの抗ホ
    ルモン抗体と特異的に結合する蛍光標識された二次抗体
    と組み合わせて用いるものであることを特徴とする外因
    性内分泌撹乱物質の検出装置。
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