JP2001113225A - 建築板のカラークリヤー塗装方法,装置,及び建築板 - Google Patents

建築板のカラークリヤー塗装方法,装置,及び建築板

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JP2001113225A
JP2001113225A JP29644699A JP29644699A JP2001113225A JP 2001113225 A JP2001113225 A JP 2001113225A JP 29644699 A JP29644699 A JP 29644699A JP 29644699 A JP29644699 A JP 29644699A JP 2001113225 A JP2001113225 A JP 2001113225A
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color clear
building board
coating
clear paint
color
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Yasuhiro Ido
康博 井戸
Hiroshi Owada
弘 大和田
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RUBUTEC KK
Nichiha Corp
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RUBUTEC KK
Nichiha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布ムラがなく,かつ塗布効率が高い建築板
のカラークリヤー塗装方法,装置,及び建築板を提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも上塗り塗装をした建築板5
に,色彩を有するカラークリヤー塗料4を静電塗装する
方法。静電塗装に当っては,カラークリヤー塗料4に,
噴出ノズル22に至るまでの間に,マイナス電荷を付与
する。このカラークリヤー塗料4の帯電粒子41を,噴
出ノズル22から,プラス電荷を付与された建築板5に
向けて噴出する。そして,噴出ノズル22と建築板5と
の間に設けた一対のインダクターバー3により帯電粒子
41の流れ方向を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,上塗り塗装をした建築板にカラ
ークリヤー塗料を静電塗装する,建築板のカラークリヤ
ー塗装方法,装置,及び建築板に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,建築板の塗装に当っては,一般
にスプレー塗装が行われている。即ち,上記建築板をコ
ンベアで搬送させながら,その上方に配設された扇形パ
ターンのスプレーノズルから塗料を噴出して,上記建築
板の表面を塗装する。上記スプレー塗装によれば,上記
建築板が表面に凹凸形状を有している場合であっても,
その凹部にも充分に塗料が塗布されるという利点があ
る。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の建
築板の塗装方法には,以下の問題がある。即ち,上記ス
プレー塗装によると,塗料が飛散し易く,実際に建築板
に到達する塗料が噴出量の2〜3割程度にしかならず塗
布効率が悪いという問題がある。また,上記扇形パター
ンノズルは,噴出孔の両端部に異常噴出部分が形成され
易いという問題もある。これにより,異常噴出(いわゆ
るテーリング現象)が発生し,塗布ムラや塗料の飛散ロ
スの原因となる。
【0004】また,上記建築板に上塗り塗装をした後に
は,耐候性などを向上させるためにクリヤー塗装が行わ
れるが,その際,無色透明のクリヤー塗料に代えて有色
透明のカラークリヤー塗料をスプレー塗装する方法が提
案されている。これにより,上記建築板の外観意匠性を
向上させている。
【0005】しかし,上記カラークリヤー塗料は,無色
透明のクリヤー塗料とは異なり,塗布ムラが発生すると
それによって顕著に色彩ムラが発生し,外観を損ねる。
そのため,一層均一な塗装が要求され,上記従来のスプ
レー塗装では,その要求に充分に応えることができな
い。また,塗料をスリット孔から自然落下させるカーテ
ンフローコート法により,カラークリヤー塗料を塗装す
る方法も考えられるが,塗布量が必要以上に多くなり,
コスト面でも不利である。また,この方法によると,上
記建築板が表面に凹凸形状を有している場合に,凸部の
側面に充分に塗装することが困難である。
【0006】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,塗布ムラがなく,かつ塗布効率が高い建
築板のカラークリヤー塗装方法,装置,及び建築板を提
供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,少なくと
も上塗り塗装をした建築板に,色彩を有するカラークリ
ヤー塗料を静電塗装する方法であって,上記静電塗装に
当っては,上記カラークリヤー塗料に,噴出ノズルに至
るまでの間に,マイナス電荷を付与すると共に,上記カ
ラークリヤー塗料の帯電粒子を,上記噴出ノズルから,
建築板に向けて噴出し,かつ上記噴出ノズルと建築板と
の間に設けた一対のインダクターバーにより上記帯電粒
子の流れ方向を制御することを特徴とする建築板のカラ
ークリヤー塗装方法にある。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,マ
イナス電荷を付与した上記カラークリヤー塗料の帯電粒
子を,上記噴出ノズルから,建築板に向けて噴出し,上
記一対のインダクターバーにより上記帯電粒子の流れ方
向を制御して静電塗装を行なうことである。なお,上記
インダクターバーとは,誘電棒からなり,静電気の力に
より,上記帯電粒子の流れを偏向させるものである。
【0009】次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記静電塗装においては,上記カラークリヤー塗料の帯
電粒子は,略一直線状になって上記建築板に向かう。そ
して,上記一対のインダクターバーの間において,上記
帯電粒子の流れは,その下方において末広がり形状の流
れとなると共に微粒化し,建築板に塗布される(図1参
照)。
【0010】上記カラークリヤー塗料には,噴出ノズル
に至るまでの間においてマイナス電荷を付与するため,
略同じ電荷,大きさの帯電粒子が形成される。そのた
め,上記噴出ノズルから噴出した帯電粒子は,互いに反
発し合って表面張力を打ち消し,略一直線状になって上
記建築板に向かう。そして,マイナス電荷が付与された
上記帯電粒子は上記建築板の表面に静電引力により引き
寄せられて付着する(図8参照)。それ故,上記カラー
クリヤー塗料は飛散することがなく,塗布効率が向上す
る。
【0011】また,カラークリヤー塗料の帯電粒子と,
上記建築板との間には静電引力が働くため,一旦上記建
築板上に付着した上記帯電粒子は,流出し難く,塗料の
無駄が少ない。また,上記帯電粒子と建築板との間の静
電引力は,上記カラークリヤー塗料が多く塗布されて膜
厚が増加した部分においては弱まる。そのため,上記カ
ラークリヤー塗料の塗布膜厚の小さい部分に,上記帯電
粒子が移動して付着する。それ故,塗布膜厚が平均化
し,塗布ムラが発生しない。
【0012】また,上記カラークリヤー塗料は,上記イ
ンダクターバーによりその流れを拡げられると共に微粒
化される。そのため,上記カラークリヤー塗料は,上記
建築板に軟塗着され,一層均一に塗布される。
【0013】以上のごとく,本発明によれば,塗布ムラ
がなく,かつ塗布効率が高い建築板のカラークリヤー塗
装方法,装置,及び建築板を提供することができる。
【0014】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記静電塗装は,建築板をコンベアにより搬送しながら行
なうと共に,上記建築板の搬送方向の複数箇所におい
て,前回に塗布されたカラークリヤー塗料が未乾燥の状
態で行なうことが好ましい。上記建築板を上記コンベア
により搬送しながら静電塗装を行なうため,効率的な連
続処理を行なうことができる。また,上記静電塗装は,
上記のごとく複数箇所において,前回に塗布されたカラ
ークリヤー塗料が未乾燥の状態で行なうため,より一層
均一な塗布を行なうことができる。
【0015】次に,請求項3に記載の発明のように,少
なくとも上塗り塗装をした建築板に,色彩を有するカラ
ークリヤー塗料を静電塗装するための塗装装置であっ
て,該塗装装置は,カラークリヤー塗料にマイナス電荷
を付与する帯電用電極板を有する帯電部とマイナス電荷
を付与されたカラークリヤー塗料の帯電粒子を建築板に
向けて噴出させる噴出ノズルとを具備するアプリケータ
ヘッドと,上記噴出ノズルと建築板との間に配設され,
上記帯電粒子の流れ方向を制御する一対のインダクター
バーと,上記帯電用電極板にマイナス電流の高電圧を与
える高電圧発生装置と,上記アプリケータヘッドにカラ
ークリヤー塗料を供給する塗料供給ヘッダーとを有する
ことを特徴とする建築板のカラークリヤー塗装装置があ
る。
【0016】上記カラークリヤー塗装装置によれば,上
記請求項1の発明の説明で述べたと同様の作用効果によ
り,塗布ムラがなく,かつ塗布効率が高い建築板を得る
ことのできるカラークリヤー塗装装置を提供することが
できる。
【0017】次に,請求項4に記載の発明のように,上
記建築板はアース(接地)されたコンベアにより搬送さ
れ,かつ上記アプリケータヘッドは建築板の搬送方向の
複数箇所に配置されていることが好ましい。これによ
り,複数箇所で重ね塗装をするので,より一層均一で厚
みの大きい塗布を行なうことができるカラークリヤー塗
装装置を得ることができる。また,複数箇所において異
なる色彩のカラークリヤー塗料を塗布することもでき,
変化のある色彩のカラークリヤー塗料層を有する建築板
を得ることができる。
【0018】次に,請求項5に記載の発明のように,上
記コンベア及びアプリケータヘッドは複数列配設されて
いることが好ましい。これにより,併行して複数の建築
板のカラークリヤー塗装を行なうことができる。そのた
め,生産効率の高いカラークリヤー塗装装置を提供する
ことができる。
【0019】次に,請求項6に記載の発明のように,上
記アプリケータヘッドは昇降可能に配設されていること
が好ましい。これにより,建築板の大きさ,形状,種類
等,或いは塗料の種類等に応じて上記アプリケータヘッ
ドの高さを変え,適切な静電塗装を行なうことができ
る。
【0020】次に,請求項7に記載の発明のように,上
記インダクターバーは,上記噴出ノズルと建築板との間
において帯電粒子の噴出方向の両側に配設され,かつ上
記噴出ノズルと建築板との間における位置が調整可能に
設けられていることが好ましい。上記インダクターバー
が,帯電粒子の噴出方向の両側に配設されているため,
上記カラークリヤー塗料の流れを両側に拡げることがで
きる(図1参照)。
【0021】また,上記インダクターバーは,上記噴出
ノズルと建築板との間における位置が調整可能に設けて
あるため,上記カラークリヤー塗料の拡がりや微粒化の
程度を容易に調整することができる。例えば,上記イン
ダクターバーを上記噴出ノズルに近い位置に配置すると
上記カラークリヤー塗料が大きく拡がり,上記インダク
ターバーを上記建築板に近い位置に配置するとカラーク
リヤー塗料の拡がりは小さくなる。なお,上記帯電粒子
の噴出方向の両側とは,噴出方向に対して,建築板の搬
送方向の左右又は前後等から上記帯電粒子の流れを挟む
ような位置をいう(図1参照)。
【0022】次に,請求項8に記載の発明のように,少
なくとも下塗り塗料層及び上塗り塗料層を有すると共
に,該上塗り塗料層の上には色彩を有するカラークリヤ
ー塗料層を設けてなる建築板であって,上記カラークリ
ヤー塗料層は,カラークリヤー塗料にマイナス電荷を付
与した帯電粒子を静電塗装することにより形成したもの
であることを特徴とするカラークリヤー塗料層を有する
建築板がある。
【0023】これにより,帯電粒子が均一に塗布され
て,塗布ムラのないカラークリヤー塗料層を有する建築
板を得ることができる。また,本発明によれば,意匠面
に深みのある,外観性に優れた建築板を得ることができ
る。
【0024】次に,請求項9に記載の発明のように,上
記カラークリヤー塗料層は,カラークリヤー塗料の帯電
粒子が均一に分散塗布されて,形成されていることが好
ましい(図9(A)参照)。これにより,塗布ムラがな
いカラークリヤー塗料層を有する建築板を得ることがで
きる。
【0025】次に,請求項10に記載の発明のように,
上記建築板は窯業系建築板であることが好ましい。これ
により,塗布ムラのないカラークリヤー塗料層を有する
窯業系建築板を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる建築板のカラークリヤー塗
装方法につき,図1〜図9を用いて説明する。本例の建
築板のカラークリヤー塗装方法は,図1,図2に示すカ
ラークリヤー塗装装置1を用いて上塗り塗装をした建築
板5に,色彩を有するカラークリヤー塗料4を,窯業系
の建築板5に静電塗装する方法である。
【0027】上記カラークリヤー塗装装置1は,図1,
図2に示すごとく,アプリケータヘッド2を有する。該
アプリケータヘッド2は,図3,図4に示すごとく,カ
ラークリヤー塗料4にマイナス電荷を付与する帯電用電
極板211を有する帯電部21とマイナス電荷を付与さ
れたカラークリヤー塗料4の帯電粒子41を建築板5に
向けて噴出させる噴出ノズル22とを具備する。
【0028】また,図1に示すごとく,上記噴出ノズル
22とその直下位置を通過走行する建築板5との間に
は,上記帯電粒子41の流れ方向を制御する一対のイン
ダクターバー3が配設されている。該インダクターバー
3は,図1,図5に示すごとく,噴出ノズル22から噴
出されたカラークリヤー塗料4の線状流れを挟むよう
に,建築板5の移動方向の前後方向に配設されている。
【0029】また,図2に示すごとく,上記カラークリ
ヤー塗装装置1は,上記帯電用電極板211にマイナス
の高電圧(直流70kV)を与える高電圧発生装置11
と,上記アプリケータヘッド2にカラークリヤー塗料4
を供給する塗料供給ヘッダー12とを有する。なお,図
3に示すように,上記帯電用電極板211は,接続端子
212において,上記高電圧発生装置11と電気的に接
続されている。
【0030】また,図2,図5に示すごとく,上記建築
板5はアースされたコンベア13により搬送される。ま
た,ここでは上記コンベア13及びアプリケータヘッド
2は2列併設されている。更に,上記コンベア13の上
方には,図5に示すごとく,上記アプリケータヘッド
2,及びこれと同様のアプリケータヘッド20が建築板
5の搬送方向の前後に所定間隔をおいて配置されてい
る。
【0031】また,上記アプリケータヘッド2(以下2
0も同様)は,カラークリヤー塗料4の噴射距離を調節
するため,ホルダー18に固定されていると共に,図2
に示す弾性部材141を利用した昇降アジャスタ14に
よって,フレーム19に対して昇降可能に配設されてい
る。そして,図1に示すごとく,上記インダクターバー
3は,上記噴出ノズル22と建築板5との間において帯
電粒子41の噴出方向の両側に配設され,かつ上記噴出
ノズル22と建築板5との間における所定位置に調整可
能に設けられている。なお,上記アプリケータへッド2
の塗料供給口23には,塗料供給管15が連結してあ
る。
【0032】また,上記カラークリヤー塗装装置1は,
図2に示すごとく,電磁バルブを配設した電磁バルブア
レイ16を有する。上記電磁バルブは,上記塗料供給ヘ
ッダー12からのアプリケータヘッド2へのカラークリ
ヤー塗料4の供給を制御する。また,上記カラークリヤ
ー塗料4は,塗料タンク171から定量ポンプ172,
送りパイプ177によって,上記塗料供給ヘッダー12
に送り込まれる。
【0033】なお,上記定量ポンプ172の吐出側に
は,カラークリヤー塗料4が逆流することを防止するた
めの逆止弁173が設けてある。その上方には,上記塗
料供給ヘッダー12へ送るカラークリヤー塗料4の異常
送りを防止するためのリデュースバルブ174が配設さ
れている。また,上記塗料供給ヘッダー12内の圧力
は,背圧バルブ175によって所定圧に調整することが
できる。そして,上記塗料供給ヘッダー12に供給さ
れ,使用されずにそのまま上記背圧バルブ175から排
出されたカラークリヤー塗料4は,戻りパイプ178か
ら塗料タンク171に戻される。該塗料タンク171内
のカラークリヤー塗料4は,攪拌機176によって攪拌
されている。また,上記コンベア13の下方には,アプ
リケータヘッド2から噴出され建築板5に塗布されなか
った上記カラークリヤー塗料4を回収するための受け皿
179が配置されている。該受け皿179に流れ落ちた
カラークリヤー塗料4は回収桶180に回収される。
【0034】以下に,本例のカラークリヤー塗料層55
を有する建築板5の製造方法につき,図6,図7を用い
て説明する。まず,図6に示すごとく表側面に凸部50
1を有する窯業系建築板の基板50を,塗装工程に投入
する(図7のステップS1)。なお,上記凸部501の
間には目地状の凹部502が形成されている。次いで,
上記基板50の裏側面の全面にロールコータによって裏
塗りシーラ塗装を行ない(ステップS2),乾燥させる
ことによりバックシーラ層51を形成する(ステップS
3)。
【0035】次いで,基板50の表側面の全面に下塗り
塗装を通常のスプレー法によって行ない(ステップS
4),乾燥させることにより下塗り塗料層52を形成す
る(ステップS5)。次いで,該下塗り塗料層52の上
から全面に,凹部502の色となる中塗り塗装を同じく
スプレーによって行ない(ステップS6),乾燥させる
ことにより中塗り塗料層53を形成する(ステップS
7)。次いで,ロールコータを用いて,上記基板50の
凸部501のみに上塗り塗装を行ない(ステップS
8),乾燥させることにより上塗り塗料層54を形成す
る(ステップS9)。この結果,ツートンの色相を有す
る塗装の施された建築板5が得られる。
【0036】このようにして,上記基板50に,バック
シーラ層51,下塗り塗料層52,中塗り塗料層53,
及び上塗り塗料層54を形成した建築板5を,上記カラ
ークリヤー塗装装置1に投入し,上記建築板5の表側面
の全面にカラークリヤー塗装を行なう(ステップS1
0)。これを乾燥させることにより,カラークリヤー塗
料層55を形成する(ステップS11)。次いで,建築
板5をクーリングし(ステップS12),梱包して出荷
する(ステップS13)。
【0037】上記ステップS10における,カラークリ
ヤー塗装に当っては,図1に示すごとく,上記カラーク
リヤー塗料4に,噴出ノズル22に至るまでの間に,マ
イナス電荷を付与する。これにより得られるカラークリ
ヤー塗料4の帯電粒子41を,上記噴出ノズル22か
ら,アースされた建築板5に向けて噴出する。更に,上
記帯電粒子41の流れ方向を,上記一対のインダクター
バー3により制御する。
【0038】以下,このカラークリヤー塗装方法につ
き,図1〜図6を用いて詳説する。まず,上記のごと
く,バックシーラ層51,下塗り塗料層52,中塗り塗
料層53,及び上塗り塗料層54を形成した建築板5
を,図5に示すカラークリヤー塗装装置1のコンベア1
3に載置して搬送する。上記建築板5の先端51が第1
の上記アプリケータヘッド2の略真下に到達したとき,
上記第1のアプリケータヘッド2からのカラークリヤー
塗料4の噴出を開始する。
【0039】このときカラークリヤー塗料4は,以下の
ようにして噴出ノズル22からの噴出前に高電圧のマイ
ナス電荷が付与されている。即ち,上記塗料供給ヘッダ
ー12から上記アプリケータヘッド2に供給されたカラ
ークリヤー塗料4は,上記アプリケータヘッド2の帯電
部21を通過する。該帯電部21には,図3,図4に示
すごとく,上記高電圧発生装置11によって直流電圧7
0kVを印加した帯電用電極板211が配設されてい
る。上記帯電部21を通過する上記カラークリヤー塗料
4は,上記帯電用電極板211によってマイナス電荷を
付与される。
【0040】なお,上記高電圧発生装置11は,図2に
示す制御盤111を操作することにより制御する。マイ
ナス電荷を付与されたカラークリヤー塗料4の帯電粒子
41を,上記噴出ノズル22から噴出する。マイナスに
帯電した帯電粒子41は,アースされた上記建築板5に
向って略一直線状になって噴出される(図1)。そし
て,上記一対のインダクターバー3の間に到達するまで
は,上記帯電粒子41は,一直線状の粒子流を形成す
る。
【0041】上記一対のインダクターバー3の間を通過
した帯電粒子41は,図1に示すごとく,コンベア5の
搬送方向の前後に設けた上記インダクターバー3によっ
て,その流れを前後に拡げられる。そして,その下方に
おいて上記カラークリヤー塗料4は末広がり形状の流れ
となると共に微粒化し,建築板5に塗布される。
【0042】次いで,上記建築板5の先端51が搬送方
向の下流側に設けた第2のアプリケータヘッド20の略
真下に到達したとき,上記第2のアプリケータヘッド2
0からのカラークリヤー塗料4の噴出を開始する。これ
により,上記第1のアプリケータヘッド2により塗装さ
れた未乾燥状態のカラークリヤー塗料4の上から,更に
第2のアプリケータヘッド20によりカラークリヤー塗
料4を塗装する。上記第2のアプリケータヘッド20に
よる塗装は,上記第1のアプリケータヘッド2による塗
装と同様にして行なう。
【0043】このようにして,図6に示す,上塗り塗料
層54の上に色彩を有するカラークリヤー塗料層55を
設けた建築板5を得る。上記建築板5における上記カラ
ークリヤー塗料層55は,図9(A)に示すごとく,カ
ラークリヤー塗料4の帯電粒子41が均一に分散塗布さ
れて,形成されている。即ち,通常の静電塗装によると
図9(B)に示すごとく,大きさの異なる塗布粒子91
が不均一に散在するが,本例のカラークリヤー塗装方法
によれば,粒径の揃った帯電粒子41が,均一に塗布さ
れる(図9(A))。
【0044】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記静電塗装において,カラークリヤー塗料4には,噴出
ノズル22に至るまでの間において,マイナス電荷を付
与する。これにより,略同じ大きさの帯電粒子41が形
成される。そのため,上記噴出ノズル22から噴出した
帯電粒子41は,互いに反発し合って表面張力を打ち消
し,略一直線状になって上記建築板5に向かう(図
1)。
【0045】そして,上記建築板5はアースされている
ため,マイナス電荷が付与された上記帯電粒子41は上
記建築板5の表面に引き寄せられて付着する(図8)。
それ故,上記カラークリヤー塗料4は飛散することがな
く,塗布効率が向上する。
【0046】また,カラークリヤー塗料4の帯電粒子4
1と,上記建築板5との間には静電引力があるため,一
旦上記建築板5上に付着した上記帯電粒子41は,流出
し難く,塗料の無駄が少ない。また,上記帯電粒子41
と建築板5との間の静電引力は,上記カラークリヤー塗
料4が多く塗布されて膜厚が増加した部分においては弱
まる。そのため,上記カラークリヤー塗料4の塗布膜厚
の小さい部分に,上記帯電粒子41が移動して付着す
る。それ故,塗布膜厚が平均化し,塗布ムラが発生しな
い。
【0047】また,上記カラークリヤー塗料4は,上記
インダクターバー3によりその流れが拡げられると共に
微粒化される。そのため,上記カラークリヤー塗料4
は,上記建築板5に軟塗着され,一層均一に塗布され
る。
【0048】また,上記静電塗装は,上記のごとく2箇
所において,前回に塗布されたカラークリヤー塗料4が
未乾燥の状態で行なうため(図5),より一層均一な塗
布を行なうことができる。また,上記アプリケータヘッ
ド2,20は昇降可能に配設されているため,建築板5
の大きさ,形状,種類等,或いは塗料の種類等に応じて
上記アプリケータヘッド2,20の高さを変え,適切な
静電塗装を行なうことができる。
【0049】また,上記インダクターバー3は,帯電粒
子41の噴出方向の両側に配設されているため,上記カ
ラークリヤー塗料4の流れを両側に拡げることができる
(図1)。また,上記インダクターバー3は,上記噴出
ノズル22と建築板5との間における位置を調整可能に
設けてあるため,上記カラークリヤー塗料4の拡がりや
微粒化の程度を容易に調整することができる。
【0050】また,上記カラークリヤー塗料層55は,
図9(A)に示すごとく,カラークリヤー塗料4の帯電
粒子41が均一に分散塗布されて,形成されているた
め,塗布ムラが生じない。また,上記カラークリヤー塗
料層5を形成することにより,意匠面に深みのある,外
観性に優れた建築板5を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,塗布ム
ラがなく,かつ塗布効率が高い建築板のカラークリヤー
塗装方法,装置,及び建築板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,カラークリヤー塗装装置
の説明図。
【図2】実施形態例における,カラークリヤー塗装装置
の全体図。
【図3】実施形態例における,アプリケータヘッドの断
面説明図。
【図4】実施形態例における,アプリケータヘッドの正
面図。
【図5】実施形態例における,カラークリヤー塗装方法
を表す側面からの説明図。
【図6】実施形態例における,カラークリヤー塗料層を
有する建築板の断面説明図。
【図7】実施形態例における,建築板の製造方法を表す
フロー図。
【図8】実施形態例における,帯電粒子が建築板に付着
する様子を表す説明図。
【図9】(A)実施形態例における,建築板の表面に塗
布された帯電粒子の状態,及び(B)通常の静電塗装に
よる塗布粒子の状態をそれぞれ表す説明図。
【符号の説明】
1...カラークリヤー塗装装置, 13...コンベア, 2...アプリケータヘッド, 21...帯電部, 22...噴出ノズル, 3...インダクターバー, 4...カラークリヤー塗料, 41...帯電粒子, 5...建築板, 50...基板, 55...カラークリヤー塗料層,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和田 弘 東京都世田谷区上野毛3丁目19番18号 ル ブテック株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AA09 AA26 AA85 AB33 CA47 CB11 DA06 DB12 DC02 EA43 EC11 4J038 EA011 NA01 NA23 PA03 PA06 PB05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上塗り塗装をした建築板に,
    色彩を有するカラークリヤー塗料を静電塗装する方法で
    あって,上記静電塗装に当っては,上記カラークリヤー
    塗料に,噴出ノズルに至るまでの間に,マイナス電荷を
    付与すると共に,上記カラークリヤー塗料の帯電粒子
    を,上記噴出ノズルから,建築板に向けて噴出し,かつ
    上記噴出ノズルと建築板との間に設けた一対のインダク
    ターバーにより上記帯電粒子の流れ方向を制御すること
    を特徴とする建築板のカラークリヤー塗装方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記静電塗装は,建
    築板をコンベアにより搬送しながら行なうと共に,上記
    建築板の搬送方向の複数箇所において,前回に塗布され
    たカラークリヤー塗料が未乾燥の状態で行なうことを特
    徴とする建築板のカラークリヤー塗装方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも上塗り塗装をした建築板に,
    色彩を有するカラークリヤー塗料を静電塗装するための
    塗装装置であって,該塗装装置は,カラークリヤー塗料
    にマイナス電荷を付与する帯電用電極板を有する帯電部
    とマイナス電荷を付与されたカラークリヤー塗料の帯電
    粒子を建築板に向けて噴出させる噴出ノズルとを具備す
    るアプリケータヘッドと,上記噴出ノズルと建築板との
    間に配設され,上記帯電粒子の流れ方向を制御する一対
    のインダクターバーと,上記帯電用電極板にマイナス電
    流の高電圧を与える高電圧発生装置と,上記アプリケー
    タヘッドにカラークリヤー塗料を供給する塗料供給ヘッ
    ダーとを有することを特徴とする建築板のカラークリヤ
    ー塗装装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記建築板はアースされたコンベアにより搬送され,か
    つ上記アプリケータヘッドは建築板の搬送方向の複数箇
    所に配置されていることを特徴とする建築板のカラーク
    リヤー塗装装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4において,上記コンベア
    及びアプリケータヘッドは複数列配設されていることを
    特徴とする建築板のカラークリヤー塗装装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一項において,
    上記アプリケータヘッドは昇降可能に配設されているこ
    とを特徴とする建築板のカラークリヤー塗装装置。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか一項において,
    上記インダクターバーは,上記噴出ノズルと建築板との
    間において帯電粒子の噴出方向の両側に配設され,かつ
    上記噴出ノズルと建築板との間における位置が調整可能
    に設けられていることを特徴とする建築板のカラークリ
    ヤー塗装装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも下塗り塗料層及び上塗り塗料
    層を有すると共に,該上塗り塗料層の上には色彩を有す
    るカラークリヤー塗料層を設けてなる建築板であって,
    上記カラークリヤー塗料層は,カラークリヤー塗料にマ
    イナス電荷を付与した帯電粒子を静電塗装することによ
    り形成したものであることを特徴とするカラークリヤー
    塗料層を有する建築板。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記カラークリヤー
    塗料層は,カラークリヤー塗料の帯電粒子が均一に分散
    塗布されて,形成されていることを特徴とするカラーク
    リヤー塗料層を有する建築板。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9において,上記建築板
    は窯業系建築板であることを特徴とするカラークリヤー
    塗料層を有する建築板。
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