JP2001110746A - 炭化珪素への電極形成法および半導体素子 - Google Patents

炭化珪素への電極形成法および半導体素子

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JP2001110746A
JP2001110746A JP28953099A JP28953099A JP2001110746A JP 2001110746 A JP2001110746 A JP 2001110746A JP 28953099 A JP28953099 A JP 28953099A JP 28953099 A JP28953099 A JP 28953099A JP 2001110746 A JP2001110746 A JP 2001110746A
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silicon carbide
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back surface
forming
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Masao Uchida
正雄 内田
Makoto Kitahata
真 北畠
Kunimasa Takahashi
邦方 高橋
Takeshi Uenoyama
雄 上野山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面に成長した炭化珪素にイオン注入し、ま
たは裏面に成長した炭化珪素を除去することにより、裏
面に良好なオーミック接触を得る。 【解決手段】 基板21に対して炭化珪素22を表面に
成長させる際に同時に成長する裏面炭化珪素23に対し
て窒素イオン注入を行い、イオン注入層24にオーミッ
ク電極26を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化珪素への電極形
成法および半導体素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素(シリコンカーバイド、Si
C)は珪素(Si)に比べて高硬度でワイドバンドギャ
ップを有する半導体であり、パワーデバイスや耐環境デ
バイス、高温動作デバイス、高周波デバイス等へ応用さ
れる材料である。
【0003】一般的に炭化珪素は化学的気相成長法(C
VD法)により結晶成長される。珪素基板表面には立方
晶の炭化珪素が形成され、基板として炭化珪素を選択し
た場合は、成長温度を適切に選択することにより、基板
のポリタイプと同じポリタイプの炭化珪素が成長する。
例えば六方晶である6H−SiC基板上には成長温度1
500℃程度で6H−SiCが成長する。
【0004】図8は、一般的なショットキーダイオード
を示している。21は基板であり、22は表面に成長し
た炭化珪素である。23はショットキー障壁を形成する
ショットキー電極であり、24はオーミック電極であ
る。電極23と電極24間に電圧を印加することにより
整流性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CVD
法による炭化珪素の結晶成長の場合、基板裏面側にも反
応ガスの回り込みが起こり、基板裏面にも予期せぬ結晶
成長が起こる。つまり図9(a)に示すように、基板2
1の裏面に不要な炭化珪素23が成長してしまうため、
基板裏面にオーミック電極を形成しようとしても、基板
裏面に成長した炭化珪素23が存在する故に、基板21
に直接オーミック電極26を形成することができず、図
9(b)のようになり、より高温、またはより長時間の
電極アニール工程を必要とし、十分なオーミック接触を
得ることができない。この場合、パワーデバイス等を形
成した際のオン状態での抵抗値が増大し、エネルギー損
失の原因となる。
【0006】基板裏面側への反応ガスの回り込みが起こ
らないようにするための一手段として、結晶成長装置内
部で基板裏面側にCVDガスとは異なるガスを流した
り、基板を固定して基板とサセプタを密着させる等の方
法が考えられるが、炭化珪素の結晶成長の場合1300
℃以上の高温成長が必要で、高温雰囲気ではCVDガス
の対流が起こるために制御は困難であり、基板を固定し
た場合には熱歪みにより基板が変形したりすることがあ
る。
【0007】また、イオン注入した炭化珪素の活性化ア
ニールには1500℃以上の高温熱処理が必要であり、
また高温でのCVD成長においては、炭化珪素基板を加
熱処理する際に、炭化珪素の昇華や不純物の付着等によ
り、炭化珪素面に粗面が部分的に形成される。例えば炭
化珪素基板を1500℃以上に加熱処理した場合、基板
とサセプタの接触面である基板裏面側で粗面が形成され
る。基板裏面側全体が粗面になる場合があったり、基板
裏面周辺部のみが粗面になったりすることもある。時に
は基板表面側にも粗面が形成される。このような粗面に
電極を形成した際には電極の接触抵抗のばらつきが生
じ、チップ分離した際の素子特性のばらつきを生じさせ
る。
【0008】本発明はこれらの問題点を解決するもの
で、良好なオーミック接触を得る電極形成法を提供する
ことを目的とする。
【0009】また本発明は良好なオーミック接触を有す
る半導体素子を提供することを目的とする。
【0010】また本発明は基板面内分布の少ない電極形
成法を提供することを目的とする。
【0011】また本発明は素子特性のばらつきの少ない
半導体素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の電極形成法は、裏面に成長した炭化珪素にイ
オン注入を施して、裏面側の炭化珪素の表層で容易にオ
ーミック接触を得られるようにする。
【0013】また、基板裏面の炭化珪素の少なくとも一
部を除去して基板を露出させ、基板が露出した面にオー
ミック電極を形成する。なお、好ましくは、基板裏面側
の炭化珪素を、基板表面の炭化珪素の膜厚の5分の1以
上除去する。
【0014】また、基板裏面に非晶質膜を設け、炭化珪
素の結晶成長後に、前記非晶質膜上に形成された炭化珪
素を有する基板裏面側の非晶質膜の少なくとも一部を除
去することにより基板面を露出させ、オーミック電極を
形成する。
【0015】また、加熱処理で形成された炭化珪素の粗
面の少なくとも一部を除去した面に電極を形成する。好
ましくは、炭化珪素面の粗面を、粗面の中心線平均粗さ
Raの2倍以上除去する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図7を用いて説明する。
【0017】(実施の形態1)図1は炭化珪素の結晶成
長装置の反応炉を示している。基板11はカーボン製の
サセプタ12に接した状態で保持され、サセプタ12が
高周波誘導加熱によって加熱される際に基板11も加熱
され、基板表面側13に炭化珪素が成長する。
【0018】図2は実施の形態1における基板裏面にオ
ーミック電極を形成する工程図である。以下同図を用い
て炭化珪素への電極形成法を説明する。
【0019】炭素源としてプロパン、珪素源としてシラ
ン、キャリアガスとして水素を用い、図1の反応炉で[1
10]方向に4度オフカットした珪素Si(001)基板上に立方
晶系炭化珪素(3C-SiC)を成長させた。使用した基板は
n形で抵抗率は0.1Ωcm以下のSiである。炭化珪素をコ
ートしたサセプタ12の上に基板11であるSiを設置
し、水素雰囲気100Torrの減圧下でプロパンを3.4sccm供
給した状態で高周波誘導加熱により基板温度を1300
℃に加熱して炭化を行った。その後プロパン供給量を0.
4sccmとし、シランを1.0sccm供給して、図2(a)およ
び(b)に示すように、Si基板21上に炭化珪素22
(3C-SiC)を成長させた。基板11の裏面14とサセプ
タ12が接触していたにもかかわらず、基板11の裏面
14にも、炭化珪素(3C-SiC)が成長した。つまり、図
2(b)に示すように、基板21の裏面側にも炭化珪素
(3C-SiC)23が成長した。結晶成長の際にはドーピン
グを行わなかったが、このとき成長した炭化珪素はn形
の伝導性を示し、Hall測定によりキャリア濃度を評価し
たところ、表面の炭化珪素22、裏面の炭化珪素23そ
れぞれ、1e16cm-3および3e16cm-3であった。伝導形はと
もにn形であった。
【0020】図3は結晶成長時間に対する炭化珪素の成
長膜厚を示している。基板表面の炭化珪素22および基
板裏面の炭化珪素23ともに、その膜厚は成長時間に対
してほぼ線形な関係を示した。基板表面の炭化珪素22
の成長速度は2.8μm/時間、一方、基板裏面側の炭化
珪素23の成長速度は0.56μm/時間であった。つまり
表面に成長する炭化珪素22の約5分の1の膜厚を有す
る炭化珪素23が成長した。このように基板裏面にも炭
化珪素が成長しているために、図9(b)に示したよう
に裏面の炭化珪素23が基板21と電極26の間に存在
しているため、低抵抗Si基板上にオーミック電極を形成
できる金属(例えばアルミニウム)を用いても、裏面の
炭化珪素23のキャリア濃度が小さいこともあって、オ
ーミック電極は形成できなかった。
【0021】そこで、裏面のn形炭化珪素23上へのオ
ーミック電極を形成するために、イオン注入装置によ
り、注入エネルギー30keV、ドーズ量5e14cm-2、注入時
の基板温度700℃で、図2(c)に示すように基板裏
面の炭化珪素23に対して窒素イオンを注入し、図2
(d)に示すようにアルゴン雰囲気でSiの融点以下の温
度でアニールを1時間行い、イオン注入層24を形成し
た。
【0022】また、図2(e)に示すように、図2
(d)の状態からオーミック電極26となるニッケルを
電子ビーム蒸着し、アルゴン雰囲気で、1000℃、5
分間のアニールを行った後、表面側の炭化珪素22上に
ショットキー電極25を形成することにより、良好なオ
ーミック電極26を有するショットキーダイオードが形
成できた。
【0023】図4は基板裏面の炭化珪素23上に形成し
たニッケル電極の2電極間のI−V特性である。ここで
用いた評価用試料は、図2(d)の後に基板裏面の炭化
珪素23上にニッケル電極を電子ビーム蒸着し、アルゴ
ン雰囲気で、1000℃、5分間のアニールを行い、活
性化されたイオン注入層24を裏面の炭化珪素23上に
形成したものである。この図は良好なオーミック電極が
形成できていることを示す。すなわち、基板裏面に成長
した炭化珪素23に対してイオン注入を行い、そのイオ
ン注入層24上に電極を形成することにより、良好なオ
ーミック電極を形成できた。
【0024】なお、本実施の形態1においてはn形Si基
板に3C-SiC(ノンドープ、n形)を成長させたが、裏面
に成長した3C-SiCに対してイオン注入による導電率の向
上とイオン注入面への電極形成を行うことによりオーミ
ック接触を得られればよいので、イオン注入エネルギー
やイオン注入時の基板温度等には特に制限されない。ま
た、n形のオーミック接触のためのイオン種としては、
窒素の他、リン等のV族元素が選択できる。
【0025】また、本発明ではp形のオーミック接触に
も応用でき、その場合は、イオン種として、アルミニウ
ムやホウ素等のIII族元素が選択できる。
【0026】さらには、基板として炭化珪素を用いて
も、基板裏面側にはCVDにおける反応ガスの回り込み
により炭化珪素が成長するため、本発明はSi基板上への
炭化珪素の成長のみならず、基板が炭化珪素の場合であ
っても適応できる。また、基板の面方位やオフ角、オフ
方向等には依存しない。
【0027】また、素子例として、ショットキーダイオ
ードを作製したが、裏面に成長した炭化珪素25の面5
1にイオン注入し、オーミック電極24を形成した素子
であれば、pnダイオードやトランジスタなど、他の素
子にも適応できる。また、電極材料の種類も問わない
し、単層構造電極に限らず、積層構造の電極構成であっ
てもよい。
【0028】(実施の形態2)図5は実施の形態2にお
ける基板裏面にオーミック電極を形成する工程図であ
る。以下同図を用いて炭化珪素への電極形成法を説明す
る。
【0029】炭素源としてプロパン、珪素源としてシラ
ン、キャリアガスとして水素を用い、図1の反応炉で[1
10]方向に4度オフカットしたSi(001)基板上に立方晶系
炭化珪素(3C-SiC)を成長させた。各条件は実施の形態
1と同様とした。
【0030】図5(a)および(b)に示すように、1
時間の結晶成長時間において、Si基板21の表面には2.
8μmの炭化珪素22(3C-SiC)が成長したが、裏面に
も0.56μmの炭化珪素23(3C-SiC)が成長した。図3
に示したように、裏面の炭化珪素23は表面の炭化珪素
22の約5分の1の膜厚を有するので、裏面に成長した
炭化珪素22の膜厚2.8μmの5分の1以上(0.56μm
以上)の厚みを裏面から研磨により除去した。これによ
り図5(c)のように基板であるSiを裏面側で露出させ
た。
【0031】露出面はSiであるため、一般的にSiに適応
されている電極材料(例えば、アルミニウム、モリブデ
ン、チタン、タングステンや、その珪素との合金等)を
用いてオーミック電極を形成することが可能となった。
【0032】また、図5(d)に示すように、図5
(c)のように基板裏面の炭化珪素23を除去した後、
オーミック電極26としてチタンを電子ビーム蒸着し、
窒素雰囲気で、650℃、10分間のアニールを行った
後、炭化珪素22表面にショットキー電極25を形成す
ることにより、良好なオーミック電極26を有するショ
ットキーダイオードが形成できた。
【0033】なお、基板として炭化珪素を用いても、基
板裏面側にはCVDにおける反応ガスの回り込みにより
炭化珪素が成長するため、CVDにより成長した基板裏
面の炭化珪素の少なくとも一部を除去して、炭化珪素基
板面を露出させ、炭化珪素基板面にオーミック電極を形
成できればよいので、本発明はSi基板上への炭化珪素の
成長のみならず、基板が炭化珪素の場合であっても適応
できる。また、基板の面方位やオフ角、オフ方向等には
依存しない。
【0034】さらには、本実施の形態においては、裏面
に成長した炭化珪素を研磨して除去したが、基板の一部
を露出させることができれば、リアクティブイオンエッ
チングやイオンミリング等の他の手段を用いても差し支
えない。
【0035】また、露出した基板面に電極を形成する前
に、イオン注入を施したり基板露出面の表面欠陥層形成
等の前処理を行うことにより、オーミック電極をさらに
容易に形成できるようにしてもよい。
【0036】また、素子例として、ショットキーダイオ
ードを作製したが、裏面に成長した炭化珪素を除去して
基板面51を露出した部分にオーミック電極26を形成
した素子であれば、pnダイオードやトランジスタな
ど、他の素子にも適応できる。また、電極材料の種類も
問わないし、単層構造電極に限らず、積層構造の電極構
成であってもよい。
【0037】また、基板裏面に成長した炭化珪素を除去
する際に、基板裏面も除去して基板自身の厚みをも薄く
することにより、基板上に形成されたデバイスをチップ
分離する際に、劈開やダイシング等が容易に行えるとい
う効果も併せ持っている。
【0038】(実施の形態3)図6は実施の形態3にお
ける基板裏面にオーミック電極を形成する工程図であ
る。以下同図を用いて炭化珪素への電極形成法を説明す
る。
【0039】まず炭化珪素成長用基板の準備のために、
図6(a)に示したように[110]方向に4度オフカット
したSi(001)基板21を水蒸気雰囲気1100℃で3時
間の熱酸化を行った。これにより、図6(b)のように
基板21の両面に約1μmの熱酸化膜61および62が
形成された。基板21の両面に形成された熱酸化膜61
および62のうち、裏面の熱酸化膜62をフォトレジス
トで覆い、バッファード弗酸を用いてフォトレジストで
覆われていない表面の熱酸化膜61を完全に除去した。
この後にフォトレジストを除去して片面(裏面)に熱酸
化膜62を有するSi(001)基板63を用意した。
【0040】熱酸化膜62を有する面がサセプタに接す
るように基板63を設置し、炭素源としてプロパン、珪
素源としてシラン、キャリアガスとして水素を用い、図
1の反応炉で、裏面に熱酸化膜62を有する基板63上
に立方晶系炭化珪素(3C-SiC)を成長させた。各条件は
実施の形態1と同様とした。1時間の結晶成長時間にお
いて、図6(d)に示したようにSi基板21表面には2.
8μmの炭化珪素22(3C-SiC)が成長した。裏面には
多結晶の炭化珪素64(3C-SiC)が成長したが、この多
結晶炭化珪素64は、裏面の熱酸化膜62の効果により
剥離しやすく、有機溶媒中で超音波洗浄した後に熱酸化
膜62除去用のバッファード弗酸に浸透させることによ
り、裏面に成長した多結晶炭化珪素64および熱酸化膜
62を除去できた。表面の炭化珪素22は、有機溶媒や
バッファードフッ酸で剥離または溶解することはなかっ
た。これにより基板であるSiを露出させた。
【0041】図6(e)のように露出面51はSiである
ため、一般的にSiに適応されている電極材料(例えば、
アルミニウム、モリブデン、チタン、タングステンや、
その珪素との合金等)を用いてオーミック電極を形成す
ることが可能となった。
【0042】また、実施の形態2と同様に、上記の手法
でSi基板面を露出させ、図6(f)に示したように露出
したSi基板面51にオーミック電極26としてチタンを
電子ビーム蒸着し、窒素雰囲気で、650℃、10分間
のアニールを行った後、炭化珪素22表面にショットキ
ー電極25を形成することにより、良好なオーミック電
極26を有するショットキーダイオードが形成できた。
【0043】なお、本実施の形態で、熱酸化膜により基
板裏面を覆ったが、CVD法、スパッタ法、その他の方
法で酸化珪素膜を形成してもかまわないし、酸化珪素膜
以外でも、基板裏面を覆い、炭化珪素が直接基板面に成
長しなければ、窒化珪素など他の非晶質膜を用いても差
し支えない。
【0044】さらには、基板が炭化珪素であっても、基
板裏面側にはCVDにおける反応ガスの回り込みにより
炭化珪素が成長するため、炭化珪素基板裏面に非晶質膜
を形成し、非晶質膜を有する面がサセプタに接するよう
に炭化珪素基板を設置して、CVDにより成長した基板
裏面の多結晶炭化珪素と非晶質膜を除去して炭化珪素基
板面を露出させ、炭化珪素基板面にオーミック電極を形
成できればよいので、本発明はSi基板上への炭化珪素の
成長のみならず、基板が炭化珪素の場合であっても適応
できる。また、基板の面方位やオフ角、オフ方向等には
依存しない。
【0045】また、露出した基板面に電極を形成する前
に、イオン注入を施したり基板露出面の表面欠陥層形成
等の前処理を行うことにより、オーミック電極をさらに
容易に形成できるようにしてもよい。
【0046】また、素子例として、ショットキーダイオ
ードを作製したが、裏面に成長した多結晶炭化珪素およ
び非晶質膜を除去して基板面を露出した部分にオーミッ
ク電極を形成した素子であれば、pnダイオードやトラ
ンジスタなど、他の素子にも適応できる。また、電極材
料の種類も問わないし、単層構造電極に限らず、積層構
造の電極構成であってもよい。
【0047】また、基板裏面に成長した多結晶炭化珪素
を除去する際に、基板裏面も除去して基板自身の厚みを
も薄くすることにより、基板上に形成されたデバイスを
チップ分離する際に、劈開やダイシング等が容易に行え
るという効果も併せ持っている。
【0048】(実施の形態4)図7は実施の形態4にお
ける基板裏面にオーミック電極を形成する工程図であ
る。以下同図を用いて炭化珪素への電極形成法を説明す
る。
【0049】図7(a)において、炭化珪素(6H-SiC)
基板71(キャリア濃度5e18cm-3)はn形の炭化珪素エ
ピタキシャル層72(キャリア濃度1e16cm-3)を有して
いる。図7(b)に示すようにイオン注入装置により、
多段注入(注入エネルギー140keV、ドーズ量4.5e14cm-
2、注入エネルギー80keV、ドーズ量2.5e14cm-2、注入エ
ネルギー40keV、ドーズ量1.2e14cm-2)を用いて、注入
時の基板温度700℃で、炭化珪素72に対してアルミ
ニウムイオンを注入した。
【0050】次に図1の反応炉を用いて、基板71をサ
セプタ12上に設置して、アルゴン雰囲気で1500
℃、30分の熱処理を行い、図7(c)のようにp形の
イオン注入層73を活性化した。熱処理後の基板71を
取り出してみると、図7(d)のように基板71の裏面
74側の面が粗雑になっていた。これは、高温熱処理に
よって、炭化珪素71が部分的に昇華したためである。
この粗面74の中心線平均粗さはRa=15μmであっ
た。この粗面74上に、電子ビーム蒸着によりニッケル
を形成し、アルゴン雰囲気で1000℃、5分の熱処理
を行った後に接触抵抗の評価を行った。直径35mmの6H-S
iC基板71裏面の直径方向での接触抵抗の分布を調べた
ところ、80%以上の分布が見られた。接触抵抗の平均値
は8e-3Ωcm2であった。また、部分的にオーミック特性
のばらつきも観測された。
【0051】そこで本実施の形態では図7(d)の後に
基板71の裏面を、図7(e)のように粗面74の中心
線平均粗さの2倍以上(すなわち膜厚方向に30μm以
上)研磨して、同様に裏面75上にニッケル電極を形成
して接触抵抗の分布を調べた。この時、接触抵抗の低下
がみられ、平均値9e-5Ωcm2となり、また分布も10%以
下におさえることができ、オーミック特性も良好となっ
た。
【0052】また、図7(f)に示したように裏面75
にオーミック電極77としてニッケルを電子ビーム蒸着
し、またイオン注入層73上にオーミック電極76とし
てアルミニウムを電子ビーム蒸着し、窒素雰囲気で、1
000℃、5分間のアニールを行うことにより良好なオ
ーミック電極77を有するpnダイオードが形成でき、
基板に複数個形成された素子の特性ばらつきを抑えるこ
とができた。
【0053】なお、本実施の形態においては、炭化珪素
基板裏面を研磨して除去したが、基板の粗面の一部を除
去させることができれば、リアクティブイオンエッチン
グやイオンミリング等の他の手段を用いても差し支えな
い。
【0054】また、粗面が表面側に形成されている場合
であっても、粗面を除去させることができれば何ら差し
支えない。
【0055】また、高温加熱する前に炭化珪素面を他の
材料で被覆して炭化珪素面の粗面の形成を抑制し、その
材料を除去した後に炭化珪素面の粗面を除去してもよ
い。
【0056】また、高温加熱により形成された粗面の中
心線平均粗さRaは、加熱状況等により変化するが、本発
明はRaの数値自体には何ら制限されない。
【0057】また、粗面を除去してから、電極を形成す
る前に、除去面にイオン注入を施したり除去面の欠陥層
形成等の前処理を行うことにより、オーミック電極やシ
ョットキー電極をさらに容易に形成できるようにしても
よい。
【0058】また、6H-SiCを例にとって説明したが、4H
や15Rをはじめとする他のSiCポリタイプであっても何ら
差し支えない。また、基板の面方位やオフ角、オフ方向
等には依存しない。
【0059】また、本実施の形態においては素子例とし
てpnダイオードを作製したが、粗面を除去した面に電
極を形成することにより作成される素子であれば、ショ
ットキーダイオード、トランジスタなど、他の素子にも
適応できる。もちろん、エピタキシャル層の有無には影
響されない。また、電極材料の種類も問わないし、単層
構造電極に限らず、積層構造の電極構成であってもよ
い。
【0060】また、基板裏面の炭化珪素粗面を除去する
際に、基板自身の厚みをも薄くすることにより、基板上
に形成されたデバイスをチップ分離する際に、劈開やダ
イシング等が容易に行えるという効果も併せ持ってい
る。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明は、1)裏面に成長
した炭化珪素にイオン注入を施して、裏面側の炭化珪素
の表層で容易に良好なオーミック接触が得られる電極形
成法、2)基板裏面の炭化珪素の少なくとも一部を除去
して基板を露出させ、基板が露出した面にオーミック電
極を形成することにより良好なオーミック接触が得られ
る電極形成法、3)基板裏面に非晶質膜を設け、炭化珪
素の結晶成長後に、前記非晶質膜上に形成された炭化珪
素を有する基板裏面側の非晶質膜の少なくとも一部を除
去することにより基板面を露出させ、良好なオーミック
電極を形成する電極形成法の何れか一つを用いることに
より、良好なオーミック接触を有する半導体素子を提供
できる。また本発明により炭化珪素を用いたパワーデバ
イスのエネルギー損失の低減が可能となる。
【0062】さらに本発明は、加熱処理で形成された炭
化珪素の粗面を除去した面に電極を形成することによ
り、基板面内分布を少なくした電極を形成でき、この電
極形成法により素子特性のばらつきの少ない半導体素子
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化珪素の結晶成長のための反応炉の概略を示
す図
【図2】実施の形態1における基板裏面にオーミック電
極を形成する工程図
【図3】実施の形態1および2における炭化珪素の表面
および裏面の成長膜厚を示す図
【図4】実施の形態1における、イオン注入後の裏面炭
化珪素上に形成した電極間の電流−電圧特性を示す図
【図5】実施の形態2における基板裏面にオーミック電
極を形成する工程図
【図6】実施の形態3における基板裏面にオーミック電
極を形成する工程図
【図7】実施の形態4における基板裏面にオーミック電
極を形成する工程図
【図8】一般的なショットキーダイオードの概略を示す
【図9】従来技術に係る裏面に成長した炭化珪素上に電
極を形成する工程図
【符号の説明】
11 基板 12 サセプタ 13 基板表面 14 基板裏面 21 基板 22 表面に成長した炭化珪素 23 裏面に成長した炭化珪素 24 イオン注入層 25 ショットキー電極 26 オーミック電極 61,62 非晶質膜 74 炭化珪素粗面 77 オーミック電極
フロントページの続き (72)発明者 高橋 邦方 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上野山 雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4M104 AA01 AA03 BB02 BB05 BB14 BB16 BB18 BB25 BB26 BB28 CC01 DD26 DD34 DD79 GG02 GG03 GG08 GG18 HH15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に炭化珪素を成長させる第1の工
    程と、 第1の工程により成長した炭化珪素を有する基板裏面側
    の少なくとも一部にイオン注入する第2の工程と、 第2の工程によりイオン注入された面にオーミック電極
    を形成する第3の工程とを含む電極形成法。
  2. 【請求項2】基板表面に炭化珪素を成長させる第1の工
    程と、 第1の工程により成長した炭化珪素を有する基板裏面側
    の少なくとも一部を除去して基板を露出させる第2の工
    程と、 第2の工程によって基板が露出した面にオーミック電極
    を形成する第3の工程とを含む電極形成法。
  3. 【請求項3】基板裏面側の炭化珪素を、基板表面の炭化
    珪素の膜厚の5分の1以上除去する請求項2に記載の電
    極形成法。
  4. 【請求項4】裏面の一部に非晶質膜を有する基板の少な
    くとも表面に炭化珪素を結晶成長させる第1の工程と、 第1の工程により前記非晶質膜上に形成された炭化珪素
    を有する基板裏面側の非晶質膜の少なくとも一部を除去
    する第2の工程と、 第2の工程により露出した基板裏面にオーミック電極を
    形成すること第3の工程とを含む電極形成法。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2および請求項4の何れ
    かに記載のオーミック電極を有する半導体素子。
  6. 【請求項6】加熱処理により形成された粗面の少なくと
    も一部を除去した炭化珪素面上に電極を形成することを
    特徴とする電極形成法。
  7. 【請求項7】炭化珪素面の粗面を、粗面の中心線平均粗
    さRaの2倍以上除去する請求項6に記載の電極形成法。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の電極を有する半導体素
    子。
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