JP2001110456A - リチウム二次電池と捲回型電極体の作製方法 - Google Patents

リチウム二次電池と捲回型電極体の作製方法

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質層の嵩密度が所定のものとされた
正極板を用いることにより内部抵抗を低減せしめた捲回
型電極体の作製方法と、作製された捲回型電極体を用い
たリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正負各電極板2・3をセパレータ4を介
して巻芯6外周に捲回してなる捲回型電極体1を備えた
リチウム二次電池である。正極活物質としてリチウムと
マンガンを主成分とした立方晶スピネル構造を有するマ
ンガン酸リチウムを用い、正極活物質層の嵩密度が2g
/cm3以上3.5g/cm3以下である正極板を用い
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、正極活物質層の
嵩密度が所定のものとされた正極板を用いることにより
内部抵抗を低減せしめた捲回型電極体の作製方法と、作
製された捲回型電極体を用いたリチウム二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 近年、リチウム二次電池は、携帯電
話、VTR、ノート型コンピュータ等の携帯型電子機器
の電源用電池として、広く用いられるようになってきて
いる。また、リチウム二次電池は、単電池電圧が4V程
度と、従来の鉛蓄電池等の二次電池よりも高く、しかも
エネルギー密度が大きいことから、前記携帯型電子機器
のみならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として
積極的に一般への普及が図られている電気自動車(E
V)或いはハイブリッド電気自動車(HEV)のモータ
駆動電源としても注目を集めている。
【0003】 リチウム二次電池には、一般的に、正極
活物質にリチウム遷移金属複合酸化物が、負極活物質に
炭素質材料が、電解液にLiイオン電解質を有機溶媒に
溶解した有機電解液が用いられ、電池反応を行う部分で
ある電極体としては、サンドイッチ型、捲回型、積層型
といった種々の形態のものがある。
【0004】 これらの中で、EV等に好適に用いられ
る比較的容量の大きいリチウム二次電池においては、図
1に示すように、集電用タブ(電極からの集電を行うリ
ード線の役割を果たす。以下、「タブ」という。)5が
取り付けられた正負各電極板2・3(正極板2、負極板
3)を、互いに接触しないように、間にセパレータ4を
介しつつ、中空円筒状の巻芯6の外周に捲回してなる捲
回型電極体1(以下、「捲回体」という。)が好適に用
いられる。
【0005】 電極板2・3は、金属箔等の集電基板の
両表面に電極活物質(正極活物質と負極活物質の両方を
指す。)層を形成したものであり、タブ5は、電極板2
・3及びセパレータ4を巻芯6周りに巻き取る作業中
に、超音波溶接等の手段を用いて、電極板2・3の端部
の金属箔を露出させた部分に所定間隔で取り付けること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 ここで、捲回体の電
子伝導抵抗(以下、「抵抗」という。)は、電子伝導性
が他の部材と比較して小さい正極活物質の影響を大きく
受ける。従って、正極活物質層を、いかに低抵抗となる
ように形成するかが、低内部抵抗、高出力電池実現の鍵
となる。
【0007】 正極板の抵抗には、正極活物質層の嵩密
度の影響が大きいことは想像に難くない。つまり、嵩密
度を高めればそれだけ正極活物質粉末同士の接触面積も
大きくなることから、抵抗低減に好ましいと考えられ
る。また、正極活物質には、導電性の向上を目的として
アセチレンブラックやカーボンブラック等の炭素微粉末
を添加することが好ましいが、このような場合でも、嵩
密度を大きくすることで炭素微粉末と正極活物質粉末と
の接触が良好に図られ、抵抗の低減が図られるものと考
えられる。更に、嵩密度が大きくなれば、正極活物質層
の体積が小さくなり、電池のコンパクト化も可能とな
る。ここで、正極活物質層の嵩密度を大きくする工程の
際には、正極活物質層の粒子の形態が破壊されないよう
に、また、集電基板に損傷や皺等の変形を与えないよう
に、高密度化の工程条件を最適なものとしなければなら
ない。
【0008】 一方で、正極活物質と非水電解液との間
のLiイオンの移動も円滑に進むように、正極活物質層
と非水電解液との接触面積もまた適度に確保されなけれ
ばならない。従って、この観点からは、正極活物質層に
は適度な量の気孔が存在する必要がある。
【0009】 ここで、実用的な正極活物質の候補とし
ては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル
酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(L
iMnO2、LiMn24)といったリチウム遷移金属
複合酸化物が挙げられるが、物質、組成によって電子伝
導度が異なることはいうまでもなく、また、発明者らが
先に特願平10−318109号で開示しているよう
に、正極活物質の種類によって出力特性も異なる。
【0010】 更に、LiCoO2やLiNiO2、Li
MnO2は空間群R3−m(「−」は通常「3」の上部
に付され、回反を示す。)に属するが、LiMn 24
空間群Fd3mに属するスピネル構造を有しており、こ
のような結晶系の違いに基づいて粒子形態にも差異が生
ずる。粒子形態が異なれば、添加すべき炭素微粉末等の
導電助材やバインダの量も変化する。従って、低抵抗な
正極活物質層が満足すべき嵩密度の範囲は、正極活物質
が異なれば、相応して異なったものとなる。
【0011】
【課題を解決するための手段】 本発明は上述した従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、内部抵抗の小さく、特性のばらつきの小
さい電池を安定して効率良く作製することにある。そこ
で、発明者らは、特に捲回体の抵抗の大きさを左右する
正極板の作製過程及び捲回体の作製過程について検討
し、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムを用いた
正極活物質層が所定の嵩密度を有するように安定的に実
現することを可能ならしめ、また、作製された捲回体を
用いた内部抵抗の小さいリチウム二次電池の提供を可能
ならしめた。
【0012】 即ち、本発明によれば、正負各電極板を
セパレータを介して巻芯外周に捲回してなる捲回型電極
体を備えたリチウム二次電池であって、正極活物質とし
てリチウムとマンガンを主成分とした立方晶スピネル構
造を有するマンガン酸リチウムが用いられ、正極活物質
層の嵩密度が2g/cm3以上3.5g/cm3以下であ
る正極板を用いられていることを特徴とするリチウム二
次電池、が提供される。
【0013】 この本発明のリチウム二次電池に用いら
れる正極板に形成される正極活物質層は、主に、マンガ
ン酸リチウム100重量部に対して、炭素微粉末1〜1
0重量部、有機物1〜10重量部からなるものであるこ
とが好ましく、ここで、Li/Mn比が0.5超である
マンガン酸リチウムを用いることが特に好ましい。一
方、負極板における負極活物質としては、高黒鉛化炭素
繊維を用いることが好ましい。
【0014】 また、正極板としては、集電基板の幅方
向の少なくとも一端に正極活物質層が形成されていない
ストライプ構造を有するものが好適に用いられ、その捲
回方向長さは、1m以上であることが好ましい。なお、
本発明は、電池容量が2Ah以上である場合に好適に適
用され、本発明のリチウム二次電池は、電気自動車若し
くはハイブリッド電気自動車の電源として好適に用いら
れる。
【0015】 なお、例えば、特開平5−74494号
公報には、正極活物質として主にLiとCoからなる複
合酸化物を用いた場合に、正極活物質層が満たすべきみ
かけ密度が規定されているが、特開平5−74494号
公報に開示の発明は、高容量電池の実現を目的としてお
り、電池の内部抵抗については何ら触れられていない。
逆に、本発明は、正極活物質として、コバルト酸リチウ
ムよりも単位重量当たりのリチウム容量が小さいスピネ
ル構造を有するマンガン酸リチウムをあえて用い、高容
量化を主目的とせず、低内部抵抗で高出力な電池の提供
を目的とするものである。従って、本発明が、特開平5
−74494号公報に開示の発明と異なるものであるこ
とは明らかである。
【0016】 さて、本発明によれば、上述したリチウ
ム二次電池に用いられる捲回型電極体の作製方法とし
て、正負各電極板をセパレータを介して巻芯外周に捲回
してなる捲回型電極体の作製方法であって、正極活物質
としてリチウムとマンガンを主成分とした立方晶スピネ
ル構造を有するマンガン酸リチウムが用いられ、集電基
板表面に正極活物質層を形成した後、温間ロールプレス
により当該正極活物質層の嵩密度を2g/cm3以上
3.5g/cm3以下とした正極板を用いることを特徴
とする捲回型電極体の作製方法、もまた提供される。
【0017】 この捲回型電極体の作製方法において、
正極活物質層は、主に、マンガン酸リチウム100重量
部に対して、炭素微粉末1〜10重量部、有機物1〜1
0重量部からなるもので形成されることが好ましく、L
i/Mn比が0.5超であるマンガン酸リチウムを用い
ることが好ましい。また、本発明の作製方法は、集電基
板の幅方向の少なくとも一端に正極活物質層が形成され
ていないストライプ構造の正極板であり、その捲回方向
長さが1m以上の場合に好適に適用される。
【0018】 温間ロールプレスにおけるロール温度
は、80℃以上180℃以下とすることが好ましく、よ
り好ましい温度範囲は、100℃以上150℃以下であ
る。また、温間ロールプレスに用いるロール直径は、3
00mmφ以上1000mmφ以下であることが好まし
い。なお、正負各電極板とセパレータが、巻芯と加圧ロ
ーラーによって挟まれながら、巻芯外周に捲回されるよ
うにして、捲回型電極体を作製することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明するが、本発明が以下の実
施の形態に限定されるものでないことはいうまでもな
い。本発明のリチウム二次電池は、先に図1に示したよ
うに、それぞれに集電用タブ5(タブ)が複数取り付け
られた正負各電極板(正極板2、負極板3)をセパレー
タ4を介して巻芯6外周に捲回してなる捲回型電極体
(捲回体)1に非水電解液を含浸してなるリチウム二次
電池である。
【0020】 正極板2は集電基板の両面に正極活物質
を塗工することによって作製される。集電基板として
は、アルミニウム箔やチタン箔等の正極電気化学反応に
対する耐蝕性が良好である金属箔が用いられるが、箔以
外にパンチングメタル或いはメッシュ(網)を用いるこ
ともできる。
【0021】 本発明においては、正極活物質として
は、種々のリチウム遷移金属複合酸化物の中でも、化学
量論組成がLiMn24で表される立方晶スピネル構造
を有するマンガン酸リチウム(以下、「マンガン酸リチ
ウムスピネル」という。)が好適に用いられる。マンガ
ン酸リチウムスピネルは、コバルト酸リチウム(LiC
oO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)と比較す
ると、リチウム容量は小さいものの、電子伝導度が大き
く、また、放電深度が深い場合であっても出力の低下が
少ないことから、高出力型電池材料として、特に優れて
いる。
【0022】 なお、マンガン酸リチウムスピネルは、
このような化学量論組成のものに限定されるものではな
く、Mnの一部を1以上の他の元素で置換した、一般式
LiMXMn2-X4(Mは置換元素、Xは置換量を表
す。)で表されるマンガン酸リチウムスピネルも好適に
用いられる。このような元素置換を行ったマンガン酸リ
チウムスピネルにおいては、Li/Mn比が0.5超と
なる。
【0023】 置換元素Mとしては、以下、元素記号で
列記するが、Li、Fe、Mn、Ni、Mg、Zn、
B、Al、Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、V、S
b、Nb、Ta、Mo、Wを挙げることができ、理論
上、Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+
2価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、S
nは+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、M
o、Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶
する元素である。但し、Co、Snについては+2価の
場合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、M
nについては+3価、+4価の場合、Crについては+
4価、+6価の場合もあり得る。
【0024】 従って、各種の置換元素Mは混合原子価
を有する状態で存在する場合があり、また、酸素の量に
ついては、必ずしも化学量論組成で表されるように4で
あることを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲
内で欠損して、或いは過剰に存在していても構わない。
【0025】 以下、正極活物質としてマンガン酸リチ
ウムスピネルを用いることを前提とする。正極活物質、
即ち、マンガン酸リチウムスピネルの集電基板(金属
箔)への塗工は、マンガン酸リチウムスピネル粉末に溶
剤やバインダ等を添加して作製したスラリー或いはペー
スト(以下、「スラリー等」という。)を、ロールコー
タ法等を用いて、集電基板に塗布・乾燥することで行わ
れる。なお、正極活物質層の形成に当たっては、マンガ
ン酸リチウムスピネル粉末にアセチレンブラック或いは
カーボンブラック等の炭素微粉末が導電助材として加え
られる。
【0026】 得られた正極活物質層の組成は、通常、
正極活物質としてのマンガン酸リチウム100重量部に
対して、炭素微粉末1〜10重量部、有機物1〜10重
量部からなる。炭素微粉末は1重量部以下では抵抗低減
の効果を奏さず、一方、10重量部超では、スラリー等
の作製が困難となることや、スラリー等の作製に当たっ
て添加するバインダ量を極端に多くしなければならず、
返って抵抗の増大を招くことになる等の問題を生ずる。
【0027】 有機物の量は、ほぼバインダの量に等し
いが、スラリー等を作製したときに使用した有機溶剤が
マンガン酸リチウムスピネルに吸着して残留した分やバ
インダと結合しているものをも含むものである。有機物
(主にバインダ)が1重量部以下では正極活物質層に十
分な強度、可撓性が得られず、一方、有機物(主にバイ
ンダ)は絶縁体であることから、10重量部以上では正
極活物質層の抵抗を増大させる問題がある。
【0028】 一方、負極板3は、正極板2と同様にし
て作製することができる。負極板3の集電基板として
は、銅箔若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対
する耐蝕性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活
物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといっ
たアモルファス系炭素質材料や、人造黒鉛や天然黒鉛等
の高黒鉛化炭素質粉末が用いられる。このうち、本発明
においては、高黒鉛化炭素繊維が好適に用いられる。
【0029】 セパレータ4としては、マイクロポアを
有するLiイオン透過性のポリエチレンフィルム(PE
フィルム)を、多孔性のLiイオン透過性のポリプロピ
レンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造とした
ものが好適に用いられる。これは、捲回体の温度が上昇
した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイ
クロポアが潰れ、Liイオンの移動即ち電池反応を抑制
する安全機構を兼ねたものである。そして、このPEフ
ィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持するこ
とによって、PEフィルムが軟化した場合においても、
PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3の接
触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確
保が可能となる。
【0030】 この電極板2・3とセパレータ4を巻芯
6周りに捲回する作業の際に、電極板2・3において電
極活物質の塗工されていない集電基板が露出した部分
に、タブ5がそれぞれ取り付けられる。つまり、電極板
2・3は、集電基板の幅方向の少なくとも一端に正極活
物質層が形成されていないストライプ構造とすることが
好ましい。また、このような捲回作業は、捲回方向長さ
が1m以上の電極板を用いる場合に好適に採用される。
【0031】 タブ5としては、それぞれの電極板2・
3の集電基板と同じ材質からなる箔状のものが好適に用
いられる。タブ5の電極板2・3への取り付けは、超音
波溶接やスポット溶接等を用いて行うことができる。こ
のとき、図1に示されるように、捲回体1の一端面に一
方の電極のタブが配置されるようにタブ5をそれぞれ取
り付けると、タブ5間の接触を防止することができ、好
ましい。
【0032】 電池の組立に当たっては、先ず、電流を
外部に取り出すための端子とのタブ5との導通を確保し
つつ、作製された捲回体1を電池ケースに挿入して安定
な位置にホールドする。その後、非水電解液を含浸させ
た後に、電池ケースを封止することで電池を作製するこ
とができる。本発明において、電池ケースの形状や構
造、或いは捲回体1におけるタブ5と電池端子との接続
の形態には何ら制限がないことはいうまでもない。
【0033】 なお、非水電解液としては、六フッ化リ
ン酸リチウム(LiPF 6)やホウフッ化リチウム(L
iBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩
素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲ
ン化物等から選ばれた1種類若しくは2種類以上の電解
質を、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボ
ネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、
プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル
系溶媒やγ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ア
セトニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒に溶解して
なるものが好適に用いられる。
【0034】 次に、前述した捲回体1を作製するに当
たって行うべき、正極板の加工処理について更に詳細に
説明する。集電基板に塗工された正極活物質層は、スラ
リーやスリップ、ペーストを用いた塗工後に乾燥させた
ままの状態では気孔率が大きく、嵩密度が小さい。この
状態で捲回体1を作製すると、正極板の抵抗に起因して
捲回体1の内部抵抗が大きくなり、高出力電池として使
用することが極めて困難となるだけでなく、捲回体1体
積が大きなものとなり、電池が大型化する問題がある。
【0035】 従って、正極活物質層の嵩密度を上げる
と共に、同時に、非水電解液が十分に正極活物質層内に
含浸する程度の気孔率を確保することが必要となる。こ
のとき、例えば、二次粒子が破壊されることのないよう
にする等、マンガン酸リチウムスピネル粉末の形態を壊
さないことも重要となる。そこで本発明においては、正
極活物質にマンガン酸リチウムスピネルを用いてなる正
極活物質層の嵩密度は、2g/cm3以上3.5g/c
3以下とされる。
【0036】 なお、後述する実施例に示すように正極
活物質層の嵩密度が2g/cm3以下の場合には、抵抗
がばらつき、安定した品質の電池を提供することに問題
がある。また、電極体積が大きいために、電池が大型と
なる問題がある。一方、正極活物質層の嵩密度を3.5
g/cm3以上とする場合には、処理工程上の問題とし
て、緻密化の際に集電基板に皺が生じたり、集電基板が
切れる等の損傷が起こることが挙げられる。また、正極
活物質層の嵩密度を3.5g/cm 3以上としても、抵
抗は大きくは低下せず、逆に、非水電解液の含浸が起こ
り難くなる等の問題を生ずる。
【0037】 前述した方法により集電基板表面に正極
活物質層を形成した後、正極活物質層の嵩密度をこのよ
うな所定の範囲に納める方法としては、温間ロールプレ
スを用いる方法が好適に用いられる。温間ロールプレス
におけるロール温度は、80℃以上180℃以下とする
ことが好ましく、より好ましい温度範囲は、100℃以
上150℃以下である。ロール温度が低い場合には正極
活物質層の弾性が大きく、高密度化が図り難い等の問題
があり、一方、ロール温度が高い場合にはバインダが溶
解してしまい、圧縮により正極活物質層が潰れて外周へ
はみ出たり、正極活物質層が集電基板から剥離して、ロ
ールに付着する等の問題が生ずる。
【0038】 また、ロール直径は、正極活物質層に対
して平面的にプレスを行うことが好ましいことから、3
00mmφ以上とすることが好ましく、一方、ロールプ
レス装置の大型化やプレス面の平行精度や形状精度を保
つ点からは1000mmφ以下とすることが好ましい。
ロールの表面材質は、硬質クロムメッキ等の硬質金属で
あることが好ましい。このような正極板についての温間
ロールによるロールプレスは、負極板における負極活物
質層の嵩密度の調整にも用いることができることはいう
までもない。
【0039】 なお、ロールの回転速度、つまり正極板
の送り速度や、ロール圧力は、電極活物質層の嵩密度を
前述した範囲に納めることができる範囲で任意に調節す
ることが可能である。例えば、圧力を低くして複数回ロ
ールプレスを行うと、作業工程としては時間のかかるも
のとなるが、集電基板の損傷を最小限に止めることが可
能となる。一方、圧力を高くすると、プレス回数は少な
くできるが、集電基板に皺が生ずる等の問題を引き起こ
しかねない。また、正極板の送り速度を速くすると正極
板に皺が生じやすくなり、送り速度が遅い場合には作業
時間が長くかかるデメリットがある。なお、ロールプレ
スを複数回に分けて行う場合には、各回のロール温度、
プレス圧力、送り速度はそれぞれ任意に変更して決定す
ることができることはいうまでもない。
【0040】 このようにして、捲回体1を作製する前
段階で、正極活物質層の嵩密度を所定の範囲とすること
ができるが、このときに、正極板に多少の皺が生ずる場
合もある。このような正極板を不良として除外していた
のでは生産効率の向上は望まれない。従って、多少の皺
等の欠陥があっても、電池特性に影響を及ぼさない程度
のものであれば、電池として用いることができるように
捲回体を作製することも重要な技術となる。
【0041】 そこで、本発明においては、図2の説明
図に示されるように、電極板2・3とセパレータ4が、
巻芯6と加圧ローラー7によって挟まれ、プレスされな
がら、巻芯外周に捲回されるようにして、捲回型電極体
を作製する方法も好適に採用される。このように、捲回
時に強制的に圧力を加えることで、電極板の皺等の変形
を強制し、かつ、電極板2・3を高密度に捲回すること
が可能となる。なお、図2ではタブは省略して図示して
いない。
【0042】 さて、本発明においては、捲回体の構成
部材以外の他の電池構成部材、例えば、電池ケースや電
池を外部付加等と接続するための外部端子等の形状に
は、何ら制限はない。本発明のリチウム二次電池は、低
内部抵抗であり、また、後述するように体積エネルギー
密度の増大も図ることができることから、大電流の放電
を頻繁に行う必要がある電気自動車若しくはハイブリッ
ド電気自動車の電源、特にモータ駆動用電源電池とし
て、好ましい特性を示す。なお、本発明が電極板の捲回
方向長さが1m以上のものに好適に適用されることか
ら、本発明は、電池容量としては比較的大きな、具体的
には2Ah以上の電池に好適に用いられる。
【0043】 以下、本発明を実施例により更に詳細に
説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるもので
ないことはいうまでもない。正極活物質としては、ス
トイキオメトリー組成のLiMn24(Li/Mn=
0.5)、Mnの一部をLiで置換したLi1+XMn
2-X4(X=0.1、Li/Mn=0.58)、Mn
の一部をLiで置換したLi1+XMn2-X4(X=0.
15、Li/Mn=0.62)、Mnの一部をNi及
びTiで2元素置換したLi(NiTi)XMn2-X4
(X=0.2、Li/Mn=0.56)、Mnの一部
をMg及びTiで2元素置換したLi(MgTi)X
2-X4(X=0.2、Li/Mn=0.56)、の5
種類のマンガン酸リチウムスピネルを用いた。
【0044】 これら〜の5種類の異なる組成のマ
ンガン酸リチウムスピネルを用い、各材料について、4
重量%相当のアセチレンブラック粉末、6重量%相当の
バインダ(PVDF:ポリフッ化ビニリデン)を添加
し、これらをNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に
均一に分散(PVDFはNMPに溶解)させ、スラリー
を作製した。
【0045】 このスラリーを用いて、正極活物質層形
成後の正極活物質層の重量密度が片面について12mg
/cm2となるように、厚み20μm、幅100mmの
アルミ箔(集電基板)上に両面塗工した。その後、得ら
れた正極板を温間ロールプレスすることにより正極活物
質層の密度を増加させ、このとき、温間ロールプレス条
件を変化させることにより、正極活物質層の嵩密度が異
なる種々の正極板を得た。
【0046】 正極活物質層の嵩密度は、温間ロールプ
レス後の正極板から20mmφの円板を打ち抜き、その
重量と厚みから算出した。即ち、予め厚み20μm、直
径20mmφのアルミ箔の重量を測定しておき、このア
ルミ箔単体の重量を正極板から打ち抜いた20mmφ試
料の重量から引くことで、正極活物質層部分の重量を算
出し、一方、温間ロールプレス時の厚みの変化は正極活
物質層の部分のみであるとして、20mmφ試料の総厚
みからアルミ箔の厚みである20μmを差し引いて、正
極活物質層厚みとし、形状と重量とから正極活物質層の
嵩密度を算出した。なお、この嵩密度測定方法は当然に
破壊試験となるため、得られた嵩密度の値を、同時に同
条件で作製した正極板における正極活物質層の代表値と
した。
【0047】 一方、負極板は、高黒鉛化炭素繊維を負
極活物質として用い、これに5重量%相当のPVDFを
添加したものを、NMPに均一に分散(PVDFはNM
Pに溶解)させてスラリーを作製し、集電基板として厚
さ10μm、幅100mmの銅箔を用い、前述した正極
板の作製方法と同様にして、塗工、温間ロールプレス処
理等を行うことで作製した。なお、上述の通りに作製し
た正極板、負極板は共に、集電タブを取り付けるため
に、幅方向少なくとも一端に電極活物質層が形成されて
いないストライプ塗工を施したものである。
【0048】 前述した正極板のロールプレスによる正
極活物質層の嵩密度の調整については、まず、通常の室
温ロールプレス(電極板の予備加熱、或いはロールの加
熱を行わないもの)を使用した場合、ロールプレス後の
正極活物質層の嵩密度が2.2g/cm3以上となるあ
たりから、急激に正極板が波打つように変形し、集電基
板と正極活物質層と境界付近に細かい皺が発生した。こ
のような皺は、集電基板においては、正極活物質層が形
成されている部分は加圧により伸びが生ずるが、正極活
物質層が形成されていない部分には圧力がかからずに伸
びが生じないことに起因すると考えられた。このような
正極板を用いると、後工程の捲回体の作製時に正極板全
体に大きな皺(波打ち)が発生し、捲回体の作製が不可
能となった。つまり、室温ロールプレスでは、正極活物
質層の嵩密度を2.2g/cm3以上とすることが困難
であった。
【0049】 そこで、温間ロールプレスを使用して正
極活物質層の嵩密度が1.5〜3.5g/cm3程度と
なる正極板を作製した。温間ロールプレスを用いた場合
には、正極活物質層の嵩密度が3.0g/cm3を超え
たあたりから小さい皺の発生等の変形が、少し観察され
る様になったが、後述する捲回体の作製時に、テンショ
ン(張力)のみでなく、ローラー加圧を併用すること
で、電池の作製は十分に可能であった。
【0050】 しかし、正極活物質層の嵩密度を3.5
g/cm3以上としようとすると、正極板の変形が更に
大きくなり、捲回時にローラー加圧を併用しても、正極
板が波打って皺が発生し、捲回体の作製が不可能であっ
た。また、3.5g/cm3以上の嵩密度が得られた正
極板の微構造をSEMにより観察したところ、正極活物
質であるマンガン酸リチウムスピネルの2次粒子が、破
壊して1次粒子化している部分が多く観察された。2次
粒子は1次粒子同士が強固に結合しており、単なる粒子
同士の接触よりも電子伝導性が高いと考えられ、従っ
て、2次粒子を破壊してまで嵩密度を上げて、捲回体が
作製できたとしても、抵抗低減の効果は期待できない。
【0051】 ロールプレス時の温度については80〜
180℃とすることが好ましく、80℃以上にすること
により正極活物質層中のバインダを軟化させ、プレス時
の変形を容易ならしめ、正極活物質層の緻密化を図りつ
つ、正極板の伸び、変形、皺の発生を抑制することが可
能となる。なお、80℃未満ではバインダの軟化が起こ
り難く、従って、室温プレスと同様に、正極活物質層の
嵩密度を高めるにも限界がある。一方、180℃以上の
高温では、バインダが溶融する等の変質が起こり、正極
活物質層が集電基板から剥離してロールに付着する等、
温間ロールプレス処理が良好に行えない問題が生じた。
【0052】 温間ロールプレスにおけるロール温度
は、特に、100〜150℃のときに、正極板の変形
(伸び、皺、波打ちの発生)も少なく、安定的な温間ロ
ールプレス処理が可能であった。また、ロール径が大き
いほど正極板の変形(伸び、皺、波打ちの発生)が抑制
された。ロール径は300mmφ以上であることが好ま
しいが、ロール径が大きくなると機械作製及び形状精度
の達成が困難となる問題がある。また、加温した場合に
ロールの均熱性を確保することが困難となり、熱膨張等
の変形も大きくなる問題もある。従って、このような観
点からロール径は1000mmφ以下とすることが好ま
しい。上述した温間ロールプレスの条件は、負極板の温
間ロールプレスにも、同様に適用することができる。
【0053】 次に、ロールプレス後の正極板6000
mm、負極板6500mmとをPP/PE/PPの三層
セパレータを介して捲回し、捲回体を作製した。正極活
物質層の嵩密度が3.0g/cm3未満のものについて
は、テンションのみでの捲回とした。ここで、「テンシ
ョンのみでの捲回」とは、巻芯に正極板、負極板、セパ
レータ(2枚)の計4枚のシートを巻き付け、各々のシ
ートを引っ張りながら捲回することを意味する。
【0054】 一方、正極活物質層の嵩密度が3.0g
/cm3以上の正極板を用いた場合には、捲回時にテン
ションをかけつつ、加圧ローラーを併用した。正極活物
質層の嵩密度が3.0g/cm3の正極板では、前述し
た通り、ロールプレス後に皺等の僅かな変形が生じてい
る場合が殆どであり、この場合には、いくら捲回時のテ
ンションを大きくしても、テンションがかかる部分は伸
び等の変形がないか若しくは少ない正極活物質層の形成
されていない未塗工部分のみとなるので、電極活物質層
どうしが対向する部分へは緊圧が得られ難い。
【0055】 そこで、加圧ローラーを併用して捲回体
を作製することにより、電極活物質どうしが対向する部
分に緊圧を与え、隙間ができないように工夫して捲回す
る作製方法を採ることにより、正極板に変形がある場合
においても、捲回体の作製が可能となり、正極活物質層
の高嵩密度化による抵抗低減の効果を電池特性に反映す
ることが可能となることが明らかとなった。
【0056】 そこで、上述のようにして、捲回体を作
製後、捲回体をアルミケースに挿入し、溶媒としてEC
とDECの等体積混合溶媒に電解質としてのLiPF6
を1mol/lの濃度となるように溶解して作製した非
水電解液を注入、真空含浸後、封口して電池を作製し
た。
【0057】 ここで、捲回体の作製に当たっては、正
極活物質層の嵩密度が異なる、即ち、全体厚みの異なる
正極板を、同じ長さだけ使用しているので、各捲回体の
直径は個々に異なるものとなるが、マンガン酸リチウム
スピネルの組成が同じである場合には、最初の塗工条件
は同じであるから、当然に、塗工されたマンガン酸リチ
ウムスピネルの重量は同じとなる。このため、電池容量
は、正極活物質層の嵩密度に依存せず、マンガン酸リチ
ウムスピネルの組成にのみ依存して、一定であった。即
ち、電池容量は、前述したマンガン酸リチウムスピネル
〜について、:10Ah、:8.5Ah、:
8.0Ah、:7.5Ah、:7.5Ahであっ
た。
【0058】 各電池について、4A定電流充電後に
4.1V定電圧充電を行っい、その後に8A定電流放電
を電池端子電圧が2.5Vとなるまで行った際の放電容
量を電池容量とした。また、各電池における内部抵抗
を、放電開始時の電圧降下から計算した。即ち、充電後
の休止中放電直前の電池端子電圧と放電開始直後(本試
験では1秒後とした。)の電池端子電圧との差を放電電
流である8Aで除したものを、電池内部抵抗と定めた。
【0059】 図3に各電池における正極活物質層の嵩
密度と電池内部抵抗との関係を、マンガン酸リチウムス
ピネルの組成別に示す。図3から、正極活物質層の嵩密
度を2.0g/cm3以上にすることにより、低内部抵
抗の電池を安定的に、つまり、電池毎の特性のバラツキ
が少ないようにして、得ることが可能であることがわか
る。正極活物質層の嵩密度が大きい場合には、前述した
通り、電池容量は同じでも捲回体体積は小さくなり、従
って、電池体積の小型化が図れ、電池の体積容量密度や
体積エネルギー密度の点で有利となる。このような観点
からは、正極活物質層の嵩密度は2.5g/cm3以上
とすることが好ましい。
【0060】 次に、マンガン酸リチウムスピネルの組
成の違いについても考察すると、どの組成のマンガン酸
リチウムスピネルを用いても、正極活物質層の嵩密度を
2.0g/cm3以上とした場合に、安定的に低内部抵
抗の電池が得られることがわかる。この結果は、換言す
れば、電池の抵抗特性は、正極活物質層の嵩密度の違い
に基づく正極板の抵抗の違いを顕著に反映していること
を示している。なお、図3から、Li/Mn比が0.5
以上の場合に、より低い内部抵抗値が得られ好ましいこ
とがわかり、特に2元素置換を行ったマンガン酸リチウ
ムを用いることが好ましい。
【0061】
【発明の効果】 上述の通り、本発明のリチウム二次電
池及び捲回型電極体の作製方法によれば、正極活物質層
の嵩密度が所定の値に調整されることから、正極板は低
抵抗となり、抵抗ばらつきが少なく、しかも小体積のも
のとなる。これにより、大電流出力特性に優れ、体積エ
ネルギー密度の大きい品質の一定した電池を得ることが
可能となるという顕著な効果を奏する。また、捲回時に
加圧ローラーを用いることにより、生産の歩留まりを上
げると共に、より高い嵩密度の正極活物質層が形成され
た正極板を用いることが可能となる。こうして、本発明
は、出力特性の向上、体積エネルギー密度の向上、生産
性の向上に著しく寄与するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リチウム二次電池に用いられる捲回型電極体
の概略の構造を示す斜視図である。
【図2】 加圧ローラーを用いた捲回型電極体の作製方
法を示す説明図である。
【図3】 正極活物質層の嵩密度と電池の内部抵抗との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5…集電用タブ、6…巻芯、7…加圧ローラ
ー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA04 AA08 BB01 BB05 BB11 BB15 BC02 BC06 BD00 BD02 BD05 5H014 AA02 BB00 CC07 EE10 HH01 HH06 HH08 5H029 AJ06 AJ14 AK03 AL06 AL07 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ03 CJ07 DJ04 DJ07 DJ08 DJ15 DJ17 HJ01 HJ02 HJ04 HJ08 HJ12 HJ14 HJ19

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正負各電極板をセパレータを介して巻芯
    外周に捲回してなる捲回型電極体を備えたリチウム二次
    電池であって、 正極活物質としてリチウムとマンガンを主成分とした立
    方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウムが用いら
    れ、 正極活物質層の嵩密度が2g/cm3以上3.5g/c
    3以下である正極板を用いられていることを特徴とす
    るリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記正極活物質層が、主に、前記マンガ
    ン酸リチウム100重量部に対して、炭素微粉末1〜1
    0重量部、有機物1〜10重量部からなることを特徴と
    する請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記マンガン酸リチウムにおけるLi/
    Mn比が0.5超であることを特徴とする請求項1又は
    2記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 負極活物質として、高黒鉛化炭素繊維が
    用いられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記正極板が、集電基板の幅方向の少な
    くとも一端に前記正極活物質層が形成されていないスト
    ライプ構造を有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 前記正極板の捲回方向長さが1m以上で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記
    載のリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 電池容量が2Ah以上であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム二
    次電池。
  8. 【請求項8】 電気自動車若しくはハイブリッド電気自
    動車の電源として用いられることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  9. 【請求項9】 正負各電極板をセパレータを介して巻芯
    外周に捲回してなる捲回型電極体の作製方法であって、 正極活物質としてリチウムとマンガンを主成分とした立
    方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウムが用いら
    れ、 集電基板表面に正極活物質層を形成した後、温間ロール
    プレスにより当該正極活物質層の嵩密度を2g/cm3
    以上3.5g/cm3以下とした正極板を用いることを
    特徴とする捲回型電極体の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記正極活物質層が、主に、前記マン
    ガン酸リチウム100重量部に対して、炭素微粉末1〜
    10重量部、有機物1〜10重量部からなるものである
    ことを特徴とする請求項9記載の捲回型電極体の作製方
    法。
  11. 【請求項11】 前記マンガン酸リチウムにおけるLi
    /Mn比が0.5超であることを特徴とする請求項10
    記載の捲回型電極体の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記正極板が、集電基板の幅方向の少
    なくとも一端に前記正極活物質層が形成されていないス
    トライプ構造のものであり、当該正極板の捲回方向長さ
    が1m以上であることを特徴とする請求項9〜11のい
    ずれか一項に記載の捲回型電極体の作製方法。
  13. 【請求項13】 前記温間ロールプレスにおけるロール
    温度を、80℃以上180℃以下とすることを特徴とす
    る請求項9〜12のいずれか一項に記載の捲回型電極体
    の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記温間ロールプレスにおけるロール
    温度を、100℃以上150℃以下とすることを特徴と
    する請求項13記載の捲回型電極体の作製方法。
  15. 【請求項15】 前記温間ロールプレスに用いるロール
    直径が300mmφ以上1000mmφ以下であること
    を特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載の捲
    回型電極体の作製方法。
  16. 【請求項16】 前記正負各電極板とセパレータが、前
    記巻芯と加圧ローラーによって挟まれながら、当該巻芯
    外周に捲回されることを特徴とする請求項9〜15のい
    ずれか一項に記載の捲回型電極体の作製方法。
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