JP2001109147A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
感光性樹脂組成物Info
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Abstract
樹脂組成物を提供する。 【構成】感光性物質と樹脂とを含有する感光性樹脂組成
物において、感光性樹脂組成物中の樹脂成分として、屈
折率差が0.03以上である2種以上の樹脂を用いるこ
とにより、感光性樹脂組成物中での光散乱現象を利用し
て感光性樹脂組成物の感度を向上させる。屈折率差が
0.03以上である2種以上の樹脂の例は、例えばノボ
ラック樹脂とポリメチルメタクリレートなどのポリメタ
クリレート類との組合せである。
Description
組成物に関し、さらに詳細にはLSIなどの半導体集積
回路、液晶ディスプレー(LCD)などのフラットパネ
ルディスプレー(FPD)の製造等において好適に用い
ることができる新規な感光性樹脂組成物に関する。
の製造、サーマルヘッドなどの回路基板の製造等を初め
とする幅広い分野において、微細素子の形成あるいは微
細加工を行うために、従来からフォトリソグラフィー技
術が用いられている。このフォトリソグラフィー技術を
用いレジストパターンを形成するために、従来よりポジ
型またはネガ型感光性樹脂組成物が用いられている。こ
れら感光性樹脂組成物の内、ポジ型感光性樹脂組成物と
しては、アルカリ可溶性樹脂と感光性物質としてのキノ
ンジアジド化合物を含有する組成物が用いられている。
この組成物は、例えば「ノボラック樹脂/キノンジアジ
ド化合物」として、特公昭54−23570号公報(米
国特第3,666,473号明細書)、特公昭56−3
0850号公報(米国特許4,115,128号明細
書)、特開昭55−73045号公報、特開昭61−2
05933号公報等多くの文献に種々の組成のものが記
載されている。これらノボラック樹脂とキノンジアジド
化合物を含む組成物は、これまでノボラック樹脂および
感光性物質の両面から研究開発が行われてきた。ノボラ
ック樹脂の観点からは、新しい樹脂の開発は勿論である
が、従来知られた樹脂の物性などを改善することにより
優れた特性を有する感光性樹脂組成物を得ることもなさ
れている。例えば、特開昭60−140235号公報、
特開平1−105243号公報には、ノボラック樹脂
に、ある特有の分子量分布をもたせることにより、また
特開昭60−97347号公報、特開昭60−1897
39号公報、特許第2590342号公報には、低分子
量成分を分別除去したノボラック樹脂を用いることによ
り優れた特性を有する感光性樹脂組成物を提供する技術
が開示されている。このように、これまで数多くの技術
が開発され種々の感光性樹脂組成物が実用化されてき
た。また、ネガ型感光性樹脂組成物では、ノボラック樹
脂と架橋剤としてのアルコキシメチル化メラミン、酸発
生剤としてのハロゲン化トリアジンを組み合せたもの
(特開平5−303196号公報)などが挙げられる。
積度は、年々高まっており、半導体素子等の製造におい
ては、サブミクロン以下の線幅のパターン加工が要求さ
れ、前記従来技術では十分に対応できなくなってきてい
る。また、LCDなどの表示面の製造においてもマザー
ガラスの大型化とともに、高精細化が求められている。
このような微細な加工が要求される用途においては、解
像力はもとより、良好なパターンの再現性も求められ、
さらには製造コストの面から、製造時のスループット
(単位時間当たりの収量)を向上させることも求められ
ている。このため感光性樹脂組成物の高感度化は一つの
重要な課題となっている。
めに、分子量の小さな樹脂を用いたり、感光性物質の添
加量を減らしたりすることが行われている。しかし、こ
れらの方法では耐熱性が低下し、半導体デバイス等の製
造工程において耐エッチング性が低下したり、現像性が
悪化し、スカム(現像残り)が生じたり、残膜率が低下
するなどの問題があった。これまでに、特定のフェノー
ル化合物から誘導されたノボラック樹脂の分子量範囲を
特定した混合樹脂(特開平7−271024号公報)、
特定のフェノール化合物から誘導されたノボラック樹脂
で分子量範囲、分散度が特定され、さらにフェノール性
水酸基を有するポリヒドロキシ化合物を含有するもの
(特開平8−184963号公報)、トリヒドロキシベ
ンゾフェノンのナフトキノンジアジドスルホン酸エステ
ルとトリヒドロキシベンゾフェノンをある一定の割合で
混合する感光成分を用いるもの(特開平8−82926
号公報)などが提案されている。しかしながら、前記全
ての要件が十分に満たされたものはなく、このためこれ
ら要件を満足させる、高感度で、良好な現像性を有し、
残膜性に優れた感光性樹脂組成物が望まれている。
定の条件を満たすように混合することにより、光散乱現
象が起こることは公知である。例えば、特開平5−24
9319号公報には、重合させるモノマーに、屈折率の
異なるポリマー固体粒子、モノマーまたは液体を混入し
て重合を行うことにより、単一または多方向から入射す
る光を、散乱させながら導波せしめる散乱・光伝送体が
紹介されている。この光散乱効果を用いた代表的な応用
例として液晶表示装置のバックライト導光板(特開平6
−186560号公報、特開平7−169311号公
報)が挙げられる。また、特開平8−255983号公
報には、ネガ型感光性樹脂中に、ネガ型感光性樹脂との
屈折率差が0.1〜0.7の光散乱性フィラーが含有さ
れてなる感光性樹脂絶縁材を用い、光の散乱によりバイ
アホールにテーパーを設ける方法が開示されている。し
かしながら、感光性樹脂組成物の感度、現像性などを改
善するものではない。
み、本発明は、高感度であって、現像性、残膜性に優れ
た新規感光性樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
究、検討を行った結果、感光性物質と樹脂を含有する感
光性樹脂組成物において、樹脂として互いの屈折率が
0.03以上異なる少なくとも2種の樹脂を用いると、
感光性物質の作用効果を高めることができ、上記目的を
達成することができることを見出し、本発明に至ったも
のである。すなわち、本発明は、感光性物質と2種以上
の屈折率の異なる樹脂を含有する感光性樹脂組成物にお
いて、それらの樹脂の少なくとも2種の樹脂の屈折率差
が0.03以上であることを特徴とする感光性樹脂組成
物に関する。
(Δn)が0.03以上である樹脂を少なくとも一組含
むものであれば良く、用いられる樹脂の種類、数は何ら
限定されない。これら屈折率の異なる樹脂のうちの一つ
がアルカリ可溶性樹脂からなるものが好ましく、更には
該アルカリ可溶性樹脂がノボラック樹脂であるものがよ
り好ましい。この様な2種以上の屈折率の異なる樹脂
は、これら屈折率の異なる樹脂が溶解度の差はあれ同じ
溶媒に溶解可能なことが必要条件である。
を溶剤に溶解した溶液から薄膜を作成した場合にも、形
成された薄膜はミクロ的には不均一構造となり、それに
光が照射されることにより、光散乱現象が起こると考え
られる。この現象は、樹脂溶液にレーザー光を照射する
ことによっても確認することができる。例えば、ノボラ
ック樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂のそれぞれの
単一組成溶液に、レーザー光を照射してもレーザー光
は、散乱することなく進行するが、ノボック樹脂と屈折
率の異なる例えばポリメチルメタクリレートを混合した
樹脂溶液にレーザー光を照射すると入射部から光散乱現
象が確認できる。
かして溶液とし、それを塗布することにより薄膜を形成
してなおミクロ不均一構造を有するのは、それぞれの樹
脂の溶媒への溶解度差に起因するものと考えられる。即
ち、樹脂溶液の塗布後ベーク時に塗布液から溶媒が蒸発
する際、溶解度の小さい樹脂より析出して固体となり、
後から溶解度の大なる樹脂が析出して結果的にミクロ不
均一構造が形成されて光散乱を起こす条件が整うものと
考えられる。
を含有する感光性樹脂組成物から形成された薄膜に光が
照射されると、上記した要因により薄膜中で光散乱現象
が起き、薄膜中に入射した光は散乱を繰り返し、光散乱
現象のない従来の感光性樹脂組成物を用いて作成した薄
膜中に光が入射した場合に比べて、その光路長は非常に
長いものとなり、照射光の利用効率が格段に高くなると
考えられる。この様に従来の感光性樹脂組成物は、照射
光の反射による感光性樹脂膜外への損失などにより照射
光の利用効率が悪いのに対して、本発明の感光性樹脂組
成物は、光散乱効果によって入射光の伝播距離が長くな
ることにより照射光の利用効率が非常に高いものとな
り、感光性物質への作用効果が大きく向上して、高感度
化が図れるものと考えられる。
2種以上の樹脂の好適な例としては、例えばノボラック
樹脂(屈折率1.64)と、以下の樹脂あるいは該樹脂
の単量体から得られる共重合体の一種あるいはこれらの
複数との混合物を挙げることができる。屈折率が1.5
0未満のものとしては、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチルメタクリレート、ポリn−プロピルメタクリレ
ート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリn−ヘキシ
ルメタクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、
ポリイソブチルメタクリレート、ポリt−ブチルメタク
リレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリ
レート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリビニルアセ
テートなどが、屈折率が1.50〜1.60のものとし
ては、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリベンジ
ルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリ
1−フェニルエチルメタクリレート、ポリ2−フェニル
エチルメタクリレート、ポリフルフリルメタクリレー
ト、ポリベンジルアクリレート、ポリ2−クロルエチル
アクリレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルフ
ェニルアセテート、ポリビニルクロルアセテート、ポリ
アクリロニトリル、ポリα−メチルアクリロニトリル、
ポリメチルα−クロルアクリレート、ポリp−フルオロ
スチレン、ポリo,p−ジフルオロスチレン、ポリp−
イソプロピルスチレン、ポリスチレン、ポリジフェニル
メチルメタクリレートなどが、屈折率が1.6より大き
いものとしては、ポリフェニルα−ブロモアクリレー
ト、ポリナフチルメタクリレート、ポリビニルフタルイ
ミド、ポリo−クロルスチレン、ポリペンタクロルフェ
ニルメタクリレートなどが挙げられる。ノボラック樹脂
と共に用いる樹脂としては、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチルメタクリレート、ポリn−プロピルメタ
クリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリn−
ヘキシルメタクリレート、ポリイソプロピルメタクリレ
ート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリt−ブチル
メタクリレート、ポリジフェニルメチルメタクリレー
ト、ポリペンタクロルフェニルメタクリレートなどのメ
タクリル酸エステルの重合体あるいはこれら重合体を構
成する単量体からなる共重合体が好ましいものとして挙
げられる。しかし、本発明の樹脂の組合せがこれら具体
的に例示したものに限られるわけではない。また、2種
以上の樹脂の各樹脂の使用割合は、使用する樹脂および
樹脂の組合せにより異なるため、一般的に好ましいとす
る範囲はないが、例えばノボラック樹脂とメタクリル酸
エステルの重合体あるいは共重合体との組合せでは、メ
タクリル酸エステルの重合体あるいは共重合体をノボラ
ック樹脂100重量部に対し、2〜20重量部、より好
ましくは5〜15重量部用いることが望ましい。
用いられる感光性物質は、従来より感光性樹脂組成物に
おいて感光性物質として用いられているものであればい
ずれのものでもよい。感光性物質の代表的な例を挙げる
と、ナフトキノンジアジド、ナフトキノンジアジドスル
ホン酸、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルなど
のキノンジアジド化合物などである。キノンジアジド化
合物としては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−ま
たは−4−スルホン酸のエステル化合物が好ましいもの
である。
て基板に塗布される。本発明の感光性樹脂組成物に対す
る溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエー
テル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートなどのグリコールエーテルアセテート類、エチルラ
クテートなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘ
プタノンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類、その他アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド、ジオキサンなど従来より感光性樹脂組成物の
溶剤として用いられているもののいずれをも用いること
ができる。
来から感光性樹脂組成物の添加剤として用いられている
ものを適宜含有させることができる。これらの添加剤と
しては、例えば界面活性剤、増感剤、光吸収剤、染料、
顔料、レベリング剤、安定化剤、可塑剤などを挙げるこ
とができる。
明するが、本発明の態様はこれらの実施例に限定される
べきものではない。
重量部に対し、感光性物質として2,3,4,4’−テ
トラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルフォニルクロライドとの反応エステ
ル化物を15重量部、ノボラック樹脂と屈折率の異なる
樹脂としてポリメタクリル酸メチル(PMMA、屈折率
1.48@436nm)をノボラック樹脂に対して5重
量部添加し、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートに溶解し、回転塗布の際にレジスト膜上にで
きる放射状のしわ、いわゆるストリエーションを防止す
るため、更にフッ素系界面活性剤、フロラード−472
(住友3M社製)を300ppm添加して攪拌した後、
0.2μmのフィルターでろ過し、本発明の感光性樹脂
組成物を調製した。この組成物を4インチシリコンウェ
ハー上に回転塗布し、100℃、90秒間ホットプレー
トにてべーク後、1.5μm厚のレジスト膜を得た。こ
のレジスト膜にGCA社製g線ステッパー(DSW64
00)にてラインとスペース幅が1:1となった種々の
線幅がそろったテストパターンを露光し、2.20重量
%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、6
0秒間現像した。現像後、再び膜厚測定を行い、次式か
ら残膜率を測定した。 残膜率=〔(現像前の膜厚−現像後の膜厚)/現像前の
膜厚〕×100 また、5μmのライン・アンド・スペースが1:1に解
像されている露光エネルギー量を感度として観察を行
い、各々表1の結果を得た。
して表1のようにすること以外は実施例1と同様に行
い、表1の結果を得た。
(PnBMA、屈折率1.47@436nm)をノボラ
ック樹脂100重量部に対して10重量部添加すること
以外は実施例1と同様に行い、表1の結果を得た。
ノボラック樹脂100重量部に対して5重量部添加する
こと以外は実施例1と同様に行い、表1の結果を得た。
o−n−ブチルメタクリレート)〔P(MMA−nBM
A)、屈折率1.48@436nm〕をノボラック樹脂
100重量部に対して10重量部添加すること以外は実
施例1と同様に行い、表1の結果を得た。
o−スチレン)〔P(MMA−St)、屈折率1.52
@436nm〕をノボラック樹脂100重量部に対して
10重量部添加すること以外は実施例1と同様に行い、
表1の結果を得た。
ート〔PDPMMA、屈折率1.59@436nm〕を
ノボラック樹脂100重量部に対して10重量部添加す
ること以外は実施例1と同様に行い、表1の結果を得
た。
リレート〔PPCPMA、屈折率1.61@436n
m〕をノボラック樹脂100重量部に対して10重量部
添加すること以外は実施例1と同様に行い、表1の結果
を得た。
回転塗布し、100℃、90秒間ホットプレートにてべ
ーク後、1.2μm厚のレジスト膜を得た。このレジス
ト膜の紫外可視吸収スペクトルをバリアン社製紫外可視
分光光度計(Cary4E)にて測定後、GCA社製g
線ステッパー(DSW6400)で80mJ/cm2 の
エネルギーで露光後、再び紫外可視吸収スペクトルを測
定し、g線の波長である436nmにおける露光前後の
吸光度の変化から、次式により感光性物質の分解率を求
めた。得られた結果を表2に示す。分解率=〔(露光前
の吸光度−露光後の吸光度)/露光前の吸光度〕×10
0
にすること以外は、実施例10と同様に行い、表2の結
果を得た。
である少なくとも2種の屈折率の異なる樹脂を含有する
ことにより、高感度で、現像性、残膜性に優れた感光性
樹脂組成物を得ることができることが分かる。また、感
度の向上は、感光性物質の分解率を向上させること、す
なわち感光性物質の作用効果を向上させることに起因し
ていることも分かる。
性に優れた感光性樹脂組成物を提供することができ、こ
の感光性樹脂組成物は、半導体デバイスやFPDの製造
において好適に使用することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】感光性物質と2種以上の屈折率の異なる樹
脂を含有する感光性樹脂組成物において、当該樹脂のう
ちの少なくとも2種の樹脂の屈折率差が0.03以上で
あることを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 【請求項2】上記屈折率の異なる2種以上の樹脂のう
ち、少なくとも1種がノボラック樹脂であることを特徴
とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
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