JP2001108838A - 樹脂基板又は樹脂ファイバの切断加工方法及び液晶デバイスの製造方法 - Google Patents

樹脂基板又は樹脂ファイバの切断加工方法及び液晶デバイスの製造方法

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JP2001108838A
JP2001108838A JP28200699A JP28200699A JP2001108838A JP 2001108838 A JP2001108838 A JP 2001108838A JP 28200699 A JP28200699 A JP 28200699A JP 28200699 A JP28200699 A JP 28200699A JP 2001108838 A JP2001108838 A JP 2001108838A
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cutting
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Hirotaka Akao
裕隆 赤尾
Eriko Matsui
恵理子 松居
Atsushi Toda
淳 戸田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断の際に生じる樹脂基板又は樹脂ファイバ
の変形や透明電極膜等の変形・剥離などに起因して、液
晶デバイスの特性や信頼性が劣化したり製造歩留りが低
下したりすることを防止することができる樹脂基板又は
樹脂ファイバの切断加工方法及び液晶デバイスの製造方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 刃先角が30°以下の硬質刃を有するカ
ッターを用いてITO透明電極膜12が形成されている
樹脂基板10をその表面側から切断すると、切断端面1
4の裏面側には、傘状の突出が0.3〜2μmの幅で一
様に生じる。こうした切断端面14に対して熱処理加工
を行う。即ち、温度180℃に加熱したガラス板又は金
属板の平坦面に切断端面14から裏面側エッジ部にかけ
て当接し、5〜10秒間保持する。この熱処理加工によ
り、切断端面14から裏面側に発生した樹脂基板10の
傘状の突出は、その突出が滑らかになる形で解消した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂基板又は樹脂
ファイバの切断加工方法及びこの樹脂基板又は樹脂ファ
イバの切断加工方法を用いた液晶表示素子や液晶光スイ
ッチ素子などの液晶デバイスの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示素子の製造工程において
は、例えば一対の大きなガラス基板からなる透明基板を
マザーボードとして用い、これらの透明基板上にそれぞ
れ透明電極膜を形成し、配向膜を形成し、ラビング処理
を行い、スペーサを散布し、シール材を印刷した後、マ
ザーボードとしての一対の透明基板を張り合わせる。続
いて、この張り合わせた一対の透明基板を表示画面単位
に切断した後、各一対の透明基板間に液晶を注入し、封
止作業を介して、偏向膜の取付けを行う。このようにし
て、透明基板の切断工程を含む一連の工程を経て液晶表
示素子を作製する。
【0003】ところで、近年、マルチメディアの一形態
として携帯情報端末が重要視されているが、この携帯情
報端末用の液晶ディスプレイとしては、軽く、薄く、衝
撃に強く、消費電力が小さく、表示品位も高いことが要
求される。そのため、液晶表示素子の透明基板として用
いていたガラス基板の代わりに、樹脂基板が使用される
ようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶表
示素子の透明基板として、従来のガラス基板の代わりに
樹脂基板を使用すると、幾つかの信頼性上の問題が生じ
る。その一つに、樹脂基板は、ガラス基板と異なって劈
開性をもたず、可撓性があるために、樹脂基板を切断す
る工程において、従来のガラス基板の切断方法を用いる
ことができないという問題がある。
【0005】例えば円盤状の刃を回転させて切断するダ
イシング切断法を用いると、切断の際の発熱によって樹
脂基板が溶融したり、高速回転する刃によって樹脂基板
上に形成した透明電極膜や配向膜などが剥離したりする
事態が生じる。また、カッターを使用して切断するスク
ライブ切断法を用いると、樹脂基板が切断時の応力に耐
えられずに変形してしまい、樹脂基板の切断端面に傘状
の突出が生じる事態や、樹脂基板上に形成した透明電極
膜や配向膜などが変形したり剥離したりする事態が生じ
る。
【0006】後者のスクライブ切断法においては、カッ
ターを使用した一度のスクライビングによって樹脂基板
を切断分離するフルカット方式と、カッターを樹脂基板
の厚み方向に途中まで入れて切り込み溝を形成した後、
2度目のスクライビングによって樹脂基板を切断分離し
たり、この2度目のスクライビングの代わりに外力を加
えて樹脂基板を切り込み溝に沿って破断分離したりする
ハーフカット方式がある。両方式を比較すると、ハーフ
カット方式のがフルカット方式よりも切断の際に生じる
樹脂基板の変形の度合いが小さくなるという違いはある
ものの、何れの方式においても、切断の際には樹脂基板
の変形が生じてしまう。
【0007】こうして、樹脂基板の切断の際に、樹脂基
板の変形や樹脂基板上に形成した透明電極膜等の変形・
剥離などにより液晶表示素子の特性や信頼性の劣化を招
いたり、樹脂基板の切断端面の傘状の突出が搬送装置の
搬送路と接触して塵埃となって液晶表示素子の製造歩留
りの低下を招くという問題があった。
【0008】なお、この樹脂基板の切断端面の変形(バ
リ)が搬送装置の搬送路と接触して塵埃となり液晶表示
素子の製造歩留りの低下を招くという問題を解決するも
のとして、樹脂基板を切断する際に、液晶と接する基板
面とは反対の面からカッターを入れて、切断の際に生じ
るバリが液晶側を向くようにする液晶表示装置の製造方
法が提案されている(特開平8−129167号公報及
び特開平8−136938号公報参照)。この提案によ
れば、「絶縁性樹脂基板は、カットする以上どうしても
バリがついて回るため、このバリの方向を液晶に向かっ
て発生させることで、バリは搬送装置のベルトに当接せ
ず、バリの脱落を抑制することができる」(特開平8−
129167号公報の段落番号0014、特開平8−1
36938号公報の段落番号0017)としている。
【0009】しかし、例えば強誘電性液晶を用いる液晶
表示素子や液晶光スイッチ素子などの液晶デバイスの場
合、TN液晶やSTN液晶を用いる液晶デバイスの場合
よりも狭いセルギャップを必要とするため、樹脂基板を
切断する際に生じるバリが液晶側を向くようにすると、
このバリが互いに対向する基板に接触して短絡等の不具
合を生じる原因となり、液晶デバイスの特性や信頼性を
劣化させる恐れが生じる。また、それだけでなく、TN
液晶やSTN液晶を用いる液晶デバイスの場合には問題
とならなかった程度の僅かな樹脂基板の変形や透明基板
の変形・剥離などによっても、狭いセルギャップを要す
る強誘電性液晶を用いる液晶デバイスの場合は、その特
性上や信頼性上の問題を生じることになる。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、樹脂基板又は樹脂ファイバを切断する
際に生じる樹脂基板又は樹脂ファイバの変形や樹脂基板
上に形成した透明電極膜等の変形・剥離などに起因し
て、液晶デバイスの特性や信頼性が劣化したり製造歩留
りが低下したりすることを防止することができる樹脂基
板又は樹脂ファイバの切断加工方法及びこの樹脂基板又
は樹脂ファイバの切断加工方法を用いる液晶デバイスの
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明に係る樹脂基板又は樹脂ファイバの切断加工方法及び
液晶デバイスの製造方法により達成される。即ち、請求
項1に係る樹脂基板又は樹脂ファイバの切断加工方法
は、所定の刃先角をもつカッターを用いたフルカット方
式により、樹脂基板又は樹脂ファイバを切断分離する工
程と、樹脂基板又は樹脂ファイバの切断端面に対して、
切断端面からエッジ部にかけてを所定の温度に加熱した
部材に当接する熱処理加工を行う工程と、を有し、樹脂
基板又は樹脂ファイバを切断分離する際に切断端面に生
じる変形を熱処理加工により解消することを特徴とす
る。
【0012】このように請求項1に係る樹脂基板又は樹
脂ファイバの切断加工方法においては、カッターを用い
て樹脂基板又は樹脂ファイバを切断した後、その切断端
面に対して熱処理加工を行うことにより、樹脂基板又は
樹脂ファイバを切断分離する際に切断端面に生じる変
形、例えば傘状の突出などが解消される。このため、樹
脂基板又は樹脂ファイバを用いるデバイスにおける樹脂
基板又は樹脂ファイバの変形に起因する特性や信頼性の
劣化、製造歩留りの低下が防止される。
【0013】また、請求項2に係る樹脂基板又は樹脂フ
ァイバの切断加工方法は、樹脂基板又は樹脂ファイバの
上に所定の膜を形成する工程と、所定の刃先角をもつカ
ッターを用いたフルカット方式により、所定の膜が形成
されている樹脂基板又は樹脂ファイバを切断分離する工
程と、所定の膜が形成されている樹脂基板又は樹脂ファ
イバの切断端面に対して、切断端面からエッジ部にかけ
てを所定の温度に加熱した部材に当接する熱処理加工を
行う工程とを有し、所定の膜が形成されている樹脂基板
又は樹脂ファイバを切断分離する際に切断端面に生じる
変形を熱処理加工により解消することを特徴とする。
【0014】このように請求項2に係る樹脂基板又は樹
脂ファイバの切断加工方法においては、カッターを用い
て所定の膜、例えば透明電極膜や配向膜などが形成され
ている樹脂基板又は樹脂ファイバを切断した後、その切
断端面に対して所定の熱処理加工を行うことにより、切
断分離の際に切断端面に生じる変形、例えば樹脂基板又
は樹脂ファイバの傘状の突出や透明電極膜等の変形・剥
離などが解消される。このため、樹脂基板又は樹脂ファ
イバを用いるデバイスにおける樹脂基板又は樹脂ファイ
バの変形や透明電極膜等の変形・剥離などに起因する特
性や信頼性の劣化、製造歩留りの低下が防止される。
【0015】また、請求項3に係る樹脂基板又は樹脂フ
ァイバの切断加工方法は、樹脂基板又は樹脂ファイバの
上に、所定の膜を形成する工程と、所定の刃先角をもつ
カッターを用いたハーフカット方式により、樹脂基板又
は樹脂ファイバの所定の膜が形成されている面側に切り
込み溝を形成する工程と、この切り込み溝のエッジ部
に、所定の温度に加熱した部材を当接する熱処理加工を
行う工程と、樹脂基板又は樹脂ファイバを切り込み溝の
部分から分断する工程と、を有し、樹脂基板又は樹脂フ
ァイバの所定の膜が形成されている面側に切り込み溝を
形成する際にこの切り込み溝のエッジ部に生じる変形を
熱処理加工により解消することを特徴とする。
【0016】このように請求項3に係る樹脂基板又は樹
脂ファイバの切断加工方法においては、カッターを用い
て樹脂基板又は樹脂ファイバの所定の膜、例えば透明電
極膜や配向膜などが形成されている面側に切り込み溝を
形成した後、その切り込み溝のエッジ部に対して所定の
熱処理加工を行うことにより、切り込み溝の形成の際に
切り込み溝のエッジ部に生じる変形、例えば透明電極膜
等の変形・剥離などが解消される。このため、樹脂基板
又は樹脂ファイバを用いるデバイスにおける透明電極膜
等の変形・剥離などに起因する特性や信頼性の劣化、製
造歩留りの低下が防止される。
【0017】なお、樹脂基板又は樹脂ファイバを切り込
み溝の部分から分断する方法としては、樹脂基板又は樹
脂ファイバを左右方向に引っ張って切り込み溝の部分か
ら引き裂いて破断分離する方法を用いてもよいし、切り
込み溝又はその裏側に再度カッターを入れてスクライビ
ングを行い、切断分離する方法を用いてもよい。
【0018】また、請求項4に係る液晶デバイスの製造
方法は、互いに対向する2つの透明基板として第1及び
第2の樹脂基板を用いる液晶デバイスの製造方法であっ
て、第1及び第2の樹脂基板の上に、それぞれ所定の膜
を形成する工程と、所定の刃先角をもつカッターを用い
たフルカット方式により、所定の膜が形成されている第
1及び第2の樹脂基板をそれぞれ切断分離する工程と、
所定の膜が形成されている第1及び第2の樹脂基板のそ
れぞれの切断端面に対して、切断端面からエッジ部にか
けてを所定の温度に加熱した部材に当接する熱処理加工
を行う工程と、第1及び第2の樹脂基板を対向させて張
り合わせ、液晶セルを形成する工程と、この液晶セルに
液晶を注入する工程と、を有することを特徴とする。
【0019】このように請求項4に係る液晶デバイスの
製造方法においては、カッターを用いて所定の膜、例え
ば透明電極膜や配向膜などが形成されている第1及び第
2の樹脂基板を切断した後、それらの切断端面に対して
所定の熱処理加工を行い、切断分離の際に切断端面に生
じる変形、例えば第1及び第2の樹脂基板の傘状の突出
や透明電極膜等の変形・剥離などを予め解消しておき、
その後に第1及び第2の樹脂基板を対向させて張り合わ
せ、液晶セルを形成し、液晶を注入する等の工程を経て
液晶デバイス、例えば液晶表示素子を作製することによ
り、第1及び第2の樹脂基板の傘状の突出や透明電極膜
等の変形・剥離などに起因する特性や信頼性の劣化、製
造歩留りの低下が防止され、またセルギャップが非常に
均一に保持されて、優れた表示品位を有する液晶表示素
子が実現される。
【0020】また、請求項5に係る液晶デバイスの製造
方法は、互いに対向する2つの透明基板として第1及び
第2の樹脂基板を用いる液晶デバイスの製造方法であっ
て、第1及び第2の樹脂基板の上に、それぞれ所定の膜
を形成する工程と、所定の刃先角をもつカッターを用い
たハーフカット方式により、第1及び第2の樹脂基板の
所定の膜が形成されている面側に、それぞれ第1及び第
2の切り込み溝を形成する工程と、第1及び第2の切り
込み溝のエッジ部に、それぞれ所定の温度に加熱した部
材を当接する熱処理加工を行う工程と、第1及び第2の
樹脂基板を対向させて張り合わせた後、第1及び第2の
樹脂基板を第1及び第2の切り込み溝の部分から同時的
に分断し、液晶セルを形成する工程と、この液晶セルに
液晶を注入する工程と、を有することを特徴とする。
【0021】このように請求項5に係る液晶デバイスの
製造方法においては、カッターを用いて第1及び第2の
樹脂基板の所定の膜、例えば透明電極膜や配向膜などが
形成されている面側に第1及び第2の切り込み溝を形成
した後、それら第1及び第2の切り込み溝のエッジ部に
対して所定の熱処理加工を行い、第1及び第2の切り込
み溝のエッジ部に生じる変形、例えば透明電極膜等の変
形・剥離などを予め解消しておき、その後に第1及び第
2の樹脂基板を対向させて張り合わせ、第1及び第2の
切り込み溝の部分から同時的に分離して液晶セルを形成
し、液晶を注入する等の工程を経て液晶デバイス、例え
ば液晶表示素子を作製することにより、透明電極膜等の
変形・剥離などに起因する特性や信頼性の劣化、製造歩
留りの低下が防止されるため、セルギャップが非常に均
一に保持され、優れた表示品位を有する液晶表示素子が
実現される。
【0022】なお、対向させて張り合わせた第1及び第
2の樹脂基板を第1及び第2の切り込み溝の部分から同
時的に分断する方法としては、第1及び第2の樹脂基板
を共に左右方向に引っ張って第1及び第2の切り込み溝
の部分から引き裂いて破断分離する方法を用いてもよ
い。また、第1及び第2の切り込み溝の形成位置が一致
している場合には、何れか一方の樹脂基板の切り込み溝
の裏面側からカッターを入れてスクライビングを行い、
第1及び第2の樹脂基板を連続的に切断分離してもよい
し、第1及び第2の切り込み溝の形成位置がずれている
場合には、第1の切り込み溝の裏側からカッターを入れ
てスクライビングを行い、第1の樹脂基板を切断分離す
ると共に、第2の切り込み溝の裏側からカッターを入れ
てスクライビングを行い、第2の樹脂基板を切断分離し
てもよい。更には、上記の方法を組み合わせて、何れか
一方の樹脂基板を破断分離し、他方の樹脂基板を破断分
離する方法を用いてもよい。
【0023】また、請求項6に係る液晶デバイスの製造
方法は、導波路として第1の樹脂基板又は樹脂ファイバ
を用い、導波路に対向する透明基板として第2の樹脂基
板を用いる液晶デバイスの製造方法であって、第1の樹
脂基板又は樹脂ファイバの上に第1の所定の膜を形成す
ると共に、第2の樹脂基板の上に第2の所定の膜を形成
する工程と、所定の刃先角をもつカッターを用いたフル
カット方式により、第1の所定の膜が形成されている第
1の樹脂基板又は樹脂ファイバを切断分離すると共に、
第2の所定の膜が形成されている第2の樹脂基板を切断
分離する工程と、第1の所定の膜が形成されている第1
の樹脂基板又は樹脂ファイバの切断端面及び第2の所定
の膜が形成されている第2の樹脂基板の切断端面に対し
て、それぞれ切断端面からエッジ部にかけてを所定の温
度に加熱した部材に当接する熱処理加工を行う工程と、
第1の樹脂基板又は樹脂ファイバと第2の樹脂基板とを
対向させて張り合わせ、液晶セルを形成する工程と、こ
の液晶セルに液晶を注入する工程と、を有することを特
徴とする。
【0024】このように請求項6に係る液晶デバイスの
製造方法においては、カッターを用いて第1及び第2の
所定の膜、例えば透明電極膜や配向膜などが形成されて
いる導波路としての第1の樹脂基板又は樹脂ファイバ及
び透明基板としての第2の樹脂基板を切断した後、それ
ぞれの切断端面に対して所定の熱処理加工を行い、切断
分離の際に切断端面に生じる変形、例えば第1の樹脂基
板又は樹脂ファイバ及び第2の樹脂基板の傘状の突出や
透明電極膜等の変形・剥離などを予め解消しておき、そ
の後に第1の樹脂基板又は樹脂ファイバと第2の樹脂基
板とを対向させて張り合わせ、液晶セルを形成し、液晶
を注入する等の工程を経て液晶デバイス、例えば光導波
路型の液晶光スイッチ素子を作製することにより、第1
の樹脂基板又は樹脂ファイバ及び第2の樹脂基板の傘状
の突出や透明電極膜等の変形・剥離などに起因する特性
や信頼性の劣化、製造歩留りの低下が防止され、またセ
ルギャップが非常に均一に保持されて、優れた表示品位
を有する液晶光スイッチ素子が実現される。
【0025】なお、上記請求項4〜6に係る液晶デバイ
スの製造方法において、液晶セルに注入する液晶とし
て、強誘電性液晶を用いることが好適である。液晶とし
て強誘電性液晶を用いる場合、TN液晶やSTN液晶を
用いる場合よりも液晶セルのセルギャップを狭くする必
要が生じ、通常では問題とならなかった程度の僅かな樹
脂基板又は樹脂ファイバの変形や透明電極膜等の変形・
剥離などによっても特性上や信頼性上の問題を生じる
が、上記請求項4〜6に係る液晶デバイスの製造方法に
おいては、そうした僅かな樹脂基板又は樹脂ファイバの
変形や透明電極膜等の変形・剥離などを容易に解消し
て、セルギャップを非常に均一に保持することが可能な
ことから、強誘電性液晶を用いたセルギャップを狭い液
晶デバイスが容易に実現される。逆にいえば、このよう
な強誘電性液晶を用いたセルギャップを狭い液晶デバイ
スを作製する場合に、上記請求項4〜6に係る液晶デバ
イスの製造方法が最も有効に適用される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の実施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1(a)、(b)はそれぞれ本発
明の第1の実施形態に係る樹脂基板の切断加工方法を説
明するための工程断面図である。
【0027】先ず、樹脂基板10として、透明性に優
れ、複屈折性の少ないシート材料であるポリカーボネイ
ト(三菱エンジニアリングプラスチック社製ユーピロ
ン)からなる厚さ200μmの基板を用意する。そし
て、この樹脂基板10上に、SnO2 (酸化錫)を5%
ドープしたITO(Indium Tin Oxide;錫ドープ酸化イ
ンジウム)をターゲットとするスパッタ法により、厚さ
100nmのITO薄膜を形成した後、このITO薄膜
を所定の形状にパターニングして、ITO透明電極膜1
2を形成する。
【0028】次いで、このITO透明電極膜12が形成
されている樹脂基板10を、刃先角が30°以下の硬質
刃を有するカッターを用いてスクライブ切断法により切
断する。具体的には、樹脂基板10のITO透明電極膜
12が形成されている面(以下、この面を「表面」とい
い、その反対側のITO透明電極膜12が形成されてい
ない面を「裏面」という)からカッターを入れ、フルカ
ット方式により、一度のスクライビングによって樹脂基
板10を完全に切断分離する。
【0029】本発明者らの試作によれば、この切断の際
に、樹脂基板10の切断端面14にクラックの発生は観
察されなかった。しかし、図1(a)のA部に示される
ように、切断端面14の裏面側エッジ部には、傘状の突
出が0.3〜2μmの幅で一様に生じているのが観察さ
れた。
【0030】なお、この傘状の突出は、樹脂基板10を
表面側から切断した場合のみならず、その裏面側から切
断した場合にも同様に生じることから、樹脂基板10自
体の変形であり、樹脂基板10上のITO透明電極膜1
2が剥離したものではない。因みに、ITO透明電極膜
12の変形・剥離は観察されなかった。
【0031】即ち、刃先角が30°以下の硬質刃を有す
るカッターを用いたフルカット方式により、ITO透明
電極膜12が形成されている樹脂基板10をその表面側
から切断すると、樹脂基板10の切断端面14にクラッ
クが発生したりITO透明電極膜12が変形したり剥離
したりすることはないものの、切断端面14の裏面側エ
ッジ部に樹脂基板10の傘状の突出が0.3〜2μmの
幅で一様に生じる。
【0032】次いで、このような傘状の突出が生じてい
る樹脂基板10の切断端面14に対する熱処理加工を行
う。即ち、非常に平坦な面をもつガラス板又は金属板を
ホットプレート上に搭載し、例えば温度180℃に加熱
した状態において、ガラス板又は金属板の平坦面に樹脂
基板10をその切断端面14から裏面側エッジ部にかけ
て当接し、5〜10秒間保持する。続いて、樹脂基板1
0をガラス板又は金属板ごとホットプレートから外して
冷却した後、樹脂基板10をガラス板又は金属板から取
り外す。
【0033】本発明者らの試作によれば、温度180℃
に加熱されたガラス板又は金属板の平坦面に樹脂基板1
0をその切断端面14から裏面側エッジ部にかけて当接
し、5〜10秒間保持する熱処理加工により、図1
(b)のB部に示されるように、切断端面14の裏面側
エッジ部に発生した樹脂基板10の傘状の突出は、その
突出が滑らかになる形で解消した。また、このような熱
処理加工の際に、樹脂基板10の切断端面14に新たな
歪みが生じることもなかった。
【0034】なお、樹脂基板10をガラス板又は金属板
の平坦面に当接して保持する際に、加圧した状態で保持
すると、それによって樹脂基板10の接触面に新たな変
形が生じる恐れがあるため、加圧することなく接触させ
た状態のままで保持することが望ましい。
【0035】また、ガラス板又は金属板を温度180℃
に加熱した状態において樹脂基板10を当接したのは、
以下の理由による。即ち、樹脂基板10の材料であるポ
リカーボネイトは温度140℃程度でも変形し始めるも
のの、例えばガラス板又は金属板を温度140℃に加熱
した状態でその平坦面に樹脂基板10を当接させた場
合、その樹脂基板10の傘状の突出部の極最表面層のみ
にしか熱が伝わらず、その傘状の突出を解消するほど十
分な熱処理加工がなされないからである。また、逆に、
ガラス板又は金属板の加熱温度を200℃以上にする
と、樹脂基板10とガラス板又は金属板の平坦面との接
触時間を一瞬に短縮しても、制御不能な新たな変形が生
じるからである。従って、熱処理加工の際の樹脂基板1
0を当接するガラス板又は金属板の加熱温度は140℃
以上200℃以下であることが望ましく、その温度に応
じた接触時間を設定する必要がある。
【0036】このように本実施形態によれば、刃先角が
30°以下の硬質刃を有するカッターを用いたフルカッ
ト方式により、ITO透明電極膜12が形成されている
樹脂基板10をその表面側から切断する際に、その切断
端面14の裏面側エッジ部に樹脂基板10の傘状の突出
が生じても、その樹脂基板10の切断端面14から裏面
側エッジ部にかけてを温度180℃に加熱されたガラス
板又は金属板の平坦面に当接して5〜10秒間保持する
熱処理加工を行うことにより、樹脂基板10の傘状の突
出を滑らかにする形で解消することができる。
【0037】(第2の実施形態)図2(a)、(b)は
それぞれ本発明の第2の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図である。なお、上
記第1の実施形態の図1に示される構成要素と同一の要
素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】上記第1の実施形態においては、樹脂基板
10をITO透明電極膜12が形成されている表面側か
ら切断しているが、これに対して本実施形態は、樹脂基
板10の表面側から切断する代わりに、その裏面側から
切断するものである。
【0039】即ち、厚さ200μmのポリカーボネイト
からなる樹脂基板10上に厚さ100nmのITO透明
電極膜12を形成した後、刃先角が30°以下の硬質刃
を有するカッターを用いたフルカット方式により、この
ITO透明電極膜12が形成されている樹脂基板10を
その裏面から完全に切断分離する。
【0040】本発明者らの試作によれば、この切断の際
に、樹脂基板10の切断端面14にクラックの発生は観
察されなかったが、図2(a)のA部に示されるよう
に、樹脂基板10の表面側エッジ部に傘状の突出が0.
3〜2μmの幅で一様に生じることに加え、この樹脂基
板10の変形に追随する形でITO透明電極膜12にも
傘状の突出(以下、このITO透明電極膜12の傘状の
突出を「バリ」という)が生じているのが観察された。
【0041】即ち、刃先角が30°以下の硬質刃を有す
るカッターを用いたフルカット方式により、ITO透明
電極膜12が形成されている樹脂基板10をその裏面側
から切断すると、樹脂基板10の切断端面14にクラッ
クが発生することはないものの、切断端面14の表面側
エッジ部に0.3〜2μmの幅で樹脂基板10の傘状の
突出が一様に生じ、この樹脂基板10の変形に追随する
形でITO透明電極膜12にバリが生じる。
【0042】次いで、このような樹脂基板10の傘状の
突出及びITO透明電極膜12のバリが生じている切断
端面14に対して、その切断端面14から表面側エッジ
部にかけてを温度180℃に加熱されたガラス板又は金
属板の平坦面に当接して、5〜10秒間保持する熱処理
加工を行う。
【0043】本発明者らの試作によれば、このような熱
処理加工により、図2(b)のB部に示されるように、
切断端面14の裏面側エッジ部に発生した樹脂基板10
の傘状の突出及びITO透明電極膜12のバリは、その
突出が滑らかになる形で解消した。そして、このような
熱処理加工の際に、樹脂基板10の切断端面14に新た
な歪みが生じることもなかった。
【0044】このように本実施形態によれば、刃先角が
30°以下の硬質刃を有するカッターを用いたフルカッ
ト方式により、ITO透明電極膜12が形成されている
樹脂基板10をその裏面側から切断する際に、その切断
端面14の表面側エッジ部に樹脂基板10の傘状の突出
及びITO透明電極膜12のバリが生じても、その切断
端面14から表面側エッジ部にかけてを温度180℃に
加熱されたガラス板又は金属板の平坦面に当接して5〜
10秒間保持する熱処理加工を行うことにより、樹脂基
板10の傘状の突出及びITO透明電極膜12のバリを
滑らかにする形で解消することができる。
【0045】(第3の実施形態)図3(a)、(b)は
それぞれ本発明の第3の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図である。なお、上
記第1の実施形態の図1に示される構成要素と同一の要
素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】上記第1の実施形態においては、刃先角が
30°以下の硬質刃を有するカッターを用いてITO透
明電極膜12が形成されている樹脂基板10をその表面
側から切断しているが、これに対して本実施形態は、刃
先角が30°以下の硬質刃を有するカッターの代わり
に、刃先角が30°より大きい硬質刃を有するカッター
を用いて切断するものである。
【0047】即ち、厚さ200μmのポリカーボネイト
からなる樹脂基板10上に厚さ100nmのITO透明
電極膜12を形成した後、刃先角が30°より大きい硬
質刃を有するカッターを用いて、フルカット方式のスク
ライブ切断法により、このITO透明電極膜12が形成
されている樹脂基板10をその表面から完全に切断分離
する。
【0048】本発明者らの試作によれば、この切断の際
に、樹脂基板10の切断端面14にクラック(図示せ
ず)がその発生の程度に大きなばらつきはあるものの観
察された。また、図3(a)のA部に示されるように、
また、切断端面14の裏面側エッジ部には、樹脂基板1
0の傘状の突出が2μm以上の幅で一様に発生している
のが観察された。
【0049】また、樹脂基板10の切断端面14は、カ
ッターの硬質刃の形状に対応して傾斜しており、その切
断端面10の樹脂基板10の表面側エッジ部がこの傾斜
に引き込まれるように変形していると共に、この変形に
追随した形で、樹脂基板10上のITO透明電極膜12
も切断端面14の傾斜に引き込まれるように変形し、図
中のB部に示されるように、その切断端面が部分的に剥
離しているのも観察された。更に、樹脂基板の切断端面
の中央部に基板材料の歪んだ撓み(図示せず)が観察さ
れる場合が数多くあった。
【0050】即ち、刃先角が30°より大きい硬質刃を
有するカッターを用いてフルカット方式のスクライブ切
断法によりITO透明電極膜12が形成されている樹脂
基板10をその表面側から切断すると、樹脂基板10の
切断端面14にクラックが発生し、切断端面14の樹脂
基板10の裏面側エッジ部に傘状の突出が2μm以上の
幅で一様に発生する一方、切断端面14が傾斜し、この
切断端面12の傾斜に引き込まれるようにして表面側エ
ッジ部の樹脂基板10及びITO透明電極膜12が変形
すると共に、このITO透明電極膜12の切断端面が部
分的に剥離する。更に、切断端面14の中央部に基板材
料の歪んだ撓みが生じる場合もある。
【0051】次いで、このような樹脂基板10の傘状の
突出及びITO透明電極膜12の剥離が生じている樹脂
基板10の切断端面14に対して、その切断端面14か
ら表裏面側エッジ部にかけてを温度180℃に加熱され
たガラス板又は金属板の平坦面に当接し、5〜10秒間
保持する熱処理加工を行う。
【0052】本発明者らの試作によれば、このような熱
処理加工により、樹脂基板10の切断端面14に発生し
たクラックは消滅した。また、図3(b)のC部に示さ
れるように、樹脂基板10の切断端面14の裏面側エッ
ジ部に発生した樹脂基板10の傘状の突出は、その突出
が滑らかになる形で解消した。また、樹脂基板10の切
断端面14の傾斜は、その傾斜が緩和又は消滅する形で
解消した。また、図中のD部に示されるように、ITO
透明電極膜12の切断端面の部分的な剥離も、再び樹脂
基板10に密着した。更に、切断端面14の中央部に生
じた基板材料の歪んだ撓みは、その撓み部分が脱落する
ことがないような形状に滑らかに一体化する形で解消し
た。そして、このような熱処理加工の際に、樹脂基板1
0の切断端面14に新たな歪みが生じることもなかっ
た。
【0053】このように本実施形態によれば、刃先角が
30°より大きい硬質刃を有するカッターを用いてIT
O透明電極膜12が形成されている樹脂基板10をその
表面側から切断する際に、その樹脂基板10の切断端面
14にクラックが生じても、切断端面14の裏面側エッ
ジ部に樹脂基板10の傘状の突出が生じても、その切断
端面14が傾斜しても、この切断端面12の傾斜に引き
込まれて表面側エッジ部の樹脂基板10が変形すると共
に、ITO透明電極膜12の切断端面が部分的に剥離し
ても、切断端面14の中央部に基板材料の歪んだ撓みが
生じても、切断端面14から表裏面側エッジ部にかけて
を温度180℃に加熱されたガラス板又は金属板の平坦
面に当接して5〜10秒間保持する熱処理加工を行うこ
とにより、樹脂基板10の切断端面14のクラックを消
滅させ、切断端面14の裏面側エッジ部の樹脂基板10
の傘状の突出を滑らかにする形で解消し、樹脂基板10
の切断端面14の傾斜をその傾斜が緩和又は消滅する形
で解消すると共に、ITO透明電極膜12の切断端面の
部分的な剥離を再び樹脂基板10に密着させ、切断端面
14の中央部の基板材料の歪んだ撓みを滑らかに一体化
する形で解消することができる。
【0054】(第4の実施形態)図4(a)、(b)は
それぞれ本発明の第4の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図である。なお、上
記第3の実施形態の図3に示される構成要素と同一の要
素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】上記第3の実施形態においては、樹脂基板
10をITO透明電極膜12が形成されている表面側か
ら切断しているが、これに対して、本実施形態は、IT
O透明電極膜12が形成されている樹脂基板10をその
裏面側から切断するものである。
【0056】即ち、厚さ200μmのポリカーボネイト
からなる樹脂基板10上に厚さ100nmのITO透明
電極膜12を形成した後、刃先角が30°より大きい硬
質刃を有するカッターを用いて、フルカット方式のスク
ライブ切断法により、このITO透明電極膜12が形成
されている樹脂基板10をその裏面から完全に切断分離
する。
【0057】本発明者らの試作によれば、この切断の際
に、樹脂基板10の切断端面14にクラック(図示せ
ず)がその発生の程度に大きなばらつきはあるものの観
察された。また、図4(a)のA部に示されるように、
その切断端面14の表面側エッジ部には、樹脂基板10
の傘状の突出が2μm以上の幅で一様に生じていること
に加え、この樹脂基板10の変形に追随する形でITO
透明電極膜12にもバリが生じているのが観察された。
また、樹脂基板10の切断端面14は、カッターの硬質
刃の形状に対応して傾斜しており、その切断端面14の
裏面側エッジ部がこの傾斜に引き込まれるように変形し
ているのも観察された。更に、樹脂基板10の切断端面
14の中央部に基板材料の歪んだ撓み(図示せず)が観
察される場合が数多くあった。
【0058】即ち、刃先角が30°より大きい硬質刃を
有するカッターを用いてフルカット方式のスクライブ切
断法によりITO透明電極膜12が形成されている樹脂
基板10をその裏面側から切断すると、樹脂基板10の
切断端面14にクラックが生じると共に、その切断端面
14が傾斜し、この切断端面14の傾斜に引き込まれる
ように切断端面14の樹脂基板10の裏面側エッジ部が
変形する。また、切断端面14の樹脂基板10の表面側
エッジ部に傘状の突出が2μm以上の幅で一様に生じ、
この樹脂基板10の変形に追随する形でITO透明電極
膜12にバリが生じる。更に、切断端面14の中央部に
は基板材料の歪んだ撓みが生じる場合もある。
【0059】次いで、このような樹脂基板10の傘状の
突出及びITO透明電極膜12のバリが生じている樹脂
基板10の切断端面14に対して、その切断端面14か
ら表面側エッジ部にかけてを温度180℃に加熱された
ガラス板又は金属板の平坦面に当接し、5〜10秒間保
持する熱処理加工を行う。
【0060】本発明者らの試作によれば、このような熱
処理加工により、樹脂基板10の切断端面14に発生し
たクラックは消滅した。また、図4(b)のB部に示さ
れるように、樹脂基板10の切断端面14の裏面側エッ
ジ部に発生した樹脂基板10の傘状の突出及びITO透
明電極膜12のバリは、その突出が滑らかになる形で解
消した。樹脂基板10の切断端面14の傾斜も、その傾
斜が緩和又は消滅する形で解消した。更に、切断端面1
4の中央部に生じた基板材料の歪んだ撓みは、その撓み
部分が脱落することがないような形状に滑らかに一体化
する形で解消した。そして、このような熱処理加工の際
に、樹脂基板10の切断端面14に新たな歪みが生じる
こともなかった。但し、切断端面14の傾斜に引き込ま
れるような樹脂基板10の裏面側エッジ部の変形は、そ
のまま残存した。
【0061】このように本実施形態によれば、刃先角が
30°より大きい硬質刃を有するカッターを用いてIT
O透明電極膜12が形成されている樹脂基板10をその
裏面側から切断する際に、その樹脂基板10の切断端面
14にクラックが生じても、その切断端面14が傾斜し
ても、切断端面14の裏面側エッジ部に樹脂基板10の
傘状の突出及びITO透明電極膜12のバリが生じて
も、切断端面14の中央部に基板材料の歪んだ撓みが生
じても、その樹脂基板10の傾斜する切断端面14から
表面側エッジ部にかけてを温度180℃に加熱されたガ
ラス板又は金属板の平坦面に当接して5〜10秒間保持
する熱処理加工を行うことにより、樹脂基板10の切断
端面14のクラックを消滅させ、樹脂基板10の切断端
面14の裏面側エッジ部の樹脂基板10の傘状の突出及
びITO透明電極膜12のバリをその突出が滑らかにな
る形で解消し、樹脂基板10の切断端面14の傾斜をそ
の傾斜が緩和又は消滅する形で解消し、切断端面14の
中央部の基板材料の歪んだ撓みを滑らかに一体化する形
で解消することができる。
【0062】(第5の実施形態)図5(a)、(b)は
それぞれ本発明の第5の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図である。なお、上
記第3の実施形態の図3に示される構成要素と同一の要
素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】上記第3の実施形態においては、刃先角が
30°より大きい硬質刃を有するカッターを用いたフル
カット方式のスクライブ切断法により、ITO透明電極
膜12が形成されている樹脂基板10をその表面側から
切断しているが、これに対して本実施形態は、フルカッ
ト方式のスクライブ切断法の代わりに、ハーフカット方
式のスクライブ切断法を用いるものである。
【0064】即ち、厚さ200μmのポリカーボネイト
からなる樹脂基板10上に厚さ100nmのITO透明
電極膜12を形成する。続いて、刃先角が30°より大
きい硬質刃を有するカッターを用いたハーフカット方式
により、ITO透明電極膜12が形成されている樹脂基
板10の表面側に切り込み溝16を形成する。
【0065】本発明者らの試作によれば、この切り込み
溝16の形成の際に、上記第3の実施形態の場合と同様
に、図5(a)に示されるように、切り込み溝16の側
壁面が傾斜し、この側壁面の傾斜に引き込まれるように
切り込み溝16のエッジ部の樹脂基板10が変形してい
ると共に、この変形に追随した形で、樹脂基板10上の
ITO透明電極膜12も変形して、その切断端面が部分
的に剥離しているのが観察された。
【0066】即ち、刃先角が30°より大きい硬質刃を
有するカッターを用いてハーフカット方式のスクライブ
切断法によりITO透明電極膜12が形成されている樹
脂基板10の表面側に切り込み溝16を形成すると、切
り込み溝16の側壁面の傾斜に引き込まれるようにして
切り込み溝16のエッジ部の樹脂基板10及びITO透
明電極膜12が変形すると共に、このITO透明電極膜
12の切断端面が部分的に剥離する。
【0067】次いで、このようなITO透明電極膜12
の剥離が生じている切り込み溝16のエッジ部に対し
て、温度180℃に加熱された薄い金属板又は金属細線
を当接し、5〜10秒間保持する熱処理加工を行う。
【0068】本発明者らの試作によれば、このような熱
処理加工により、図5(b)に示されるように、切り込
み溝16のエッジ部におけるITO透明電極膜12の切
断端面の部分的な剥離は、再び樹脂基板10に密着し
た。
【0069】次いで、図示はしないが、ITO透明電極
膜12が形成されている樹脂基板10を切り込み溝16
の部分から分断する。なお、この分断の方法としては、
樹脂基板10を左右方向に引っ張る力を加え、切り込み
溝16の部分から樹脂基板10を引き裂いて破断分離し
てもよいし、切り込み溝16又はその裏側から再度カッ
ターを入れて2回目のスクライビングを行い、樹脂基板
10を切断分離してもよい。
【0070】なお、この樹脂基板10を切り込み溝16
の部分から分断する場合、切り込み溝16の深さにもよ
るが、引き裂き又は切断しなければならない樹脂基板1
0の残余の部分の厚さは僅かであるため、その分断の際
に樹脂基板10の分断面に変形が生じることは殆どない
し、変形が生じてもその程度は小さいものである。但
し、このときの樹脂基板10の分断面に生じた変形が無
視できないものである場合には、この変形が生じた分断
面に対して、上記第1〜第4の実施形態の場合と同様の
熱処理加工を行えばよい。
【0071】このように本実施形態によれば、刃先角が
30°より大きい硬質刃を有するカッターを用いてIT
O透明電極膜12が形成されている樹脂基板10の表面
側に切り込み溝16を形成する際に、その切り込み溝1
6の側壁面の傾斜に引き込まれて切り込み溝16のエッ
ジ部の樹脂基板10及びITO透明電極膜12が変形す
ると共に、このITO透明電極膜12の切断端面が部分
的に剥離しても、この切り込み溝16のエッジ部に温度
180℃に加熱された薄い金属板又は金属細線を当接し
て5〜10秒間保持する熱処理加工を行うことにより、
切り込み溝16のエッジ部におけるITO透明電極膜1
2の切断端面の部分的な剥離を再び樹脂基板10に密着
させることができる。
【0072】なお、本実施形態においては、刃先角が3
0°より大きい硬質刃を有するカッターを用いている
が、この刃先角が30°より大きい硬質刃を有するカッ
ターの代わりに、刃先角が30°以下の硬質刃を有する
カッターを用いて、ITO透明電極膜12が形成されて
いる樹脂基板10の表面側に切り込み溝を形成してもよ
い。この場合、切り込み溝のエッジ部の樹脂基板10及
びITO透明電極膜12には殆ど変形が生じないため、
切り込み溝のエッジ部に対する熱処理加工は行う必要が
なくなる。但し、この場合でも、樹脂基板10を切り込
み溝16の部分から分断する際に無視できない程度の変
形が生じた際には、この変形が生じた分断面に対して上
記第1〜第4の実施形態の場合と同様の熱処理加工を行
えばよい。
【0073】(第6の実施形態)図6(a)、(b)は
それぞれ本発明の第6の実施形態に係る液晶表示素子の
製造方法を説明するための工程断面図である。本実施形
態は、上記第5の実施形態における樹脂基板の切断加工
方法を、液晶デバイス、例えば液晶として強誘電性液晶
を用いた液晶表示素子の製造に応用したものである。
【0074】液晶を挟持する第1及び第2の透明基板と
して、透明性に優れ、複屈折性の少ないシート材料であ
るポリカーボネイトからなる厚さ200μmの第1及び
第2の樹脂基板20a、22aをそれぞれ用いる。そし
て、これら第1及び第2の樹脂基板20a、20b上に
それぞれSnO2 を5%ドープした厚さ100nmのI
TO薄膜を形成した後、このITO薄膜を所定の形状に
パターニングして、ITO透明電極膜22a、22bを
形成する。
【0075】次いで、これらのITO透明電極膜22
a、22bが形成されている第1及び第2の樹脂基板2
0a、20b表面に、それぞれポリビニルアルコール
(PVA:n=500)10wt%の水溶液をスピンコ
ート法により塗布し、配向膜(図示せず)を形成する。
続いて、この配向膜を焼成した後、ラビング処理を行
う。続いて、第1及び第2の樹脂基板20a、20bの
何れか一方の表面に、多数の1.5μm径の真絲球をエ
タノールに分散したものを塗布した後、焼成してエタノ
ールを除去し、これら多数の真絲球からなるスペーサ
(図示せず)を表面に配置する。
【0076】そして、こうしたITO透明電極膜22
a、22bの形成後の一連の工程の中の任意の工程間に
おいて、上記第5の実施形態における樹脂基板の切断加
工方法を適用して、所定のカッターを用いたハーフカッ
ト方式により、第1及び第2の樹脂基板20a、20b
表面側に切り込み溝24a、24bをそれぞれ形成する
と共に、所定の熱処理加工により、切り込み溝24a、
24bのエッジ部におけるITO透明電極膜22a、2
2bの切断端面の部分的な剥離を解消しておく。
【0077】なお、これらの切り込み溝24a、24b
の形成の際に、切り込み溝24a、24bを形成する位
置を所定の位置に調整しておく。この切り込み溝24
a、24bの形成位置の調整は、後の工程において第1
及び第2の樹脂基板20a、20bを対向させて張り合
わせる際に、これらの切り込み溝24a、24bの位置
を一致させるために行うものである。
【0078】次いで、図6(a)に示されるように、切
り込み溝24a、24bがそれぞれ形成され、更に所定
の熱処理加工が施された第1及び第2の樹脂基板20
a、20bを対向させ、アリル系接着剤26を用いて張
り合わせ固定する。そして、このとき、対向する第1及
び第2の樹脂基板20a、20bのそれぞれの切り込み
溝24a、24bの位置を一致させる。
【0079】なお、第1及び第2の樹脂基板20a、2
0bの材料をなすポリカーボネイトの接着には、通常、
アリル系、エポキシ系、合成ゴム・アクリルゴム系の接
着剤が用いられるが、ここでアリル系接着剤26を用い
ているのは、接着温度、液晶表示素子の作製過程におけ
る熱履歴に対応可能な密着性、接着性をもち、簡易に接
着できるという利点を有しているからである。
【0080】次いで、図6(b)に示されるように、第
2の樹脂基板20bの裏面側から切り込み溝24a、2
4bに対応する位置に、図中に矢印で示す方向にカッタ
ー28を入れてスクライビングを行い、第1及び第2の
樹脂基板20a、20bを連続的に切断分離する。こう
して、第1及び第2の樹脂基板20a、20bを表示画
素単位に連続的に切断分離し、液晶セルを形成する。続
いて、この液晶セルに液晶を注する。この液晶の材料と
しては、例えば強誘電性液晶材料M62344(ジャパ
ンエナジー社製)(n0:1.489、ne:1.66
6、φ:10°)を用いる。こうして、液晶表示素子を
作製する。
【0081】このように本実施形態によれば、上記第5
の実施形態における樹脂基板の切断加工方法を強誘電性
液晶を用いた液晶表示素子の製造に応用して、第1及び
第2の樹脂基板20a、20b表面側に切り込み溝24
a、24bをそれぞれ形成する際に、所定の熱処理加工
により、切り込み溝24a、24bのエッジ部における
ITO透明電極膜22a、22bの切断端面の部分的な
剥離を解消しておき、その後にアリル系接着剤26によ
って張り合わせた第1及び第2の樹脂基板20a、20
bを表示画素単位に連続的に切断分離することにより、
液晶セルのセルギャップをTN液晶やSTN液晶を用い
る場合よりも狭くする必要のある強誘電性液晶を用いる
場合であっても、セルギャップが非常に均一に保持され
るため、従来のように対向する第1及び第2の樹脂基板
間に短絡等の不具合を生じたりして液晶表示素子の特性
や信頼性を劣化させる恐れはなくなり、強誘電性液晶を
用いた優れた表示品位を有する液晶表示素子を実現する
ことができる。
【0082】(第7の実施形態)図7(a)、(b)は
それぞれ本発明の第7の実施形態に係る液晶表示素子の
製造方法を説明するための工程断面図である。なお、上
記第6の実施形態の図6に示される構成要素と同一の要
素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】上記第6の実施形態においては、第1及び
第2の樹脂基板20a、20bを対向させて張り合わせ
る際に、第1及び第2の樹脂基板20a、20bの表面
側に形成した切り込み溝24a、24bの位置を一致さ
せているが、これに対して本実施形態は、透明電極配線
を行うために、第1及び第2の樹脂基板20a、20b
の表面側に形成する切り込み溝がずれているものであ
る。
【0084】第1及び第2の樹脂基板20a、20b上
にそれぞれITO透明電極膜22a、22bを形成した
後、更に配向膜(図示せず)を形成して、ラビング処理
を行い、第1及び第2の樹脂基板20a、20bの何れ
か一方の表面に多数の真絲球からなるスペーサ(図示せ
ず)を配置する。そして、こうしたITO透明電極膜2
2a、22bの形成後の一連の工程の中の任意の工程間
において、上記第6の実施形態の場合と同様に第5の実
施形態における樹脂基板の切断加工方法を適用して、第
1及び第2の樹脂基板20a、20b表面側に切り込み
溝30a、30bをそれぞれ形成すると共に、所定の熱
処理加工により、切り込み溝30a、30bのエッジ部
におけるITO透明電極膜22a、22bの切断端面の
部分的な剥離を解消しておく。
【0085】次いで、図7(a)に示されるように、I
TO透明電極膜22aが形成されている表面側に切り込
み溝30aが形成された第1の樹脂基板20aとITO
透明電極膜22bが形成されている表面側に切り込み溝
30bが形成された第2の樹脂基板20bとを対向さ
せ、アリル系接着剤26を用いて張り合わせ固定する。
【0086】なお、第1及び第2の樹脂基板20a、2
0bの張り合わせの際、透明電極配線を考慮すると、第
1及び第2の樹脂基板20a、20bの表面側に形成さ
れている切り込み溝30a、30bの位置を一致させる
のは困難であるため、これらの切り込み溝30a、30
bの形成位置はずれた状態にある。
【0087】次いで、図7(b)に示されるように、第
1の樹脂基板20aの裏面側から切り込み溝30aに対
応する位置に、図中に矢印で示す方向にカッター32を
入れてスクライビングを行い、第1の樹脂基板20aを
切断分離すると共に、第2の樹脂基板23の裏面側から
切り込み溝30bに対応する位置に、図中に矢印で示す
方向にカッター34を入れてスクライビングを行い、第
2の樹脂基板23を切断分離する。こうして、第1及び
第2の樹脂基板20a、20bを表示画素単位に同時的
に切断分離し、液晶セルを形成する。続いて、この液晶
セルに液晶を注する。この液晶の材料としては、例えば
強誘電性液晶材料M62344(ジャパンエナジー社
製)(n0:1.489、ne:1.666、φ:10
°)を用いる。こうして、液晶表示素子を作製する。
【0088】このように本実施形態によれば、透明電極
配線を考慮して第1及び第2の樹脂基板20a、20b
の表面側に形成する切り込み溝30a、30bがずれて
いる場合であっても、上記第6の実施形態の場合と同様
に、上記第5の実施形態における樹脂基板の切断加工方
法を応用して、所定の熱処理加工により、切り込み溝3
0a、30bのエッジ部におけるITO透明電極膜22
a、22bの切断端面の部分的な剥離を解消しているた
め、上記第6の実施形態の場合と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0089】なお、上記第7の実施形態においては、第
1の樹脂基板20aの裏面側からカッター32を入れて
スクライビングを行い、第2の樹脂基板23の裏面側か
らカッター34を入れてスクライビングを行うことによ
り、第1及び第2の樹脂基板20a、20bを切断分離
しているが、この方法の代わりに、第1及び第2の樹脂
基板20a、20bを左右方向に引っ張る力を加え、切
り込み溝30a、30bの部分から引き裂いて破断分離
してもよいし、第1及び第2の樹脂基板20a、20b
の何れか一方をカッターを用いて切断分離した後、左右
方向に引っ張る力を加え、切り込み溝の部分から引き裂
いて破断分離してもよい。
【0090】また、上記第6及び第7の実施形態におい
ては、上記第5の実施形態における樹脂基板の切断加工
方法を強誘電性液晶を用いた液晶表示素子の製造に応用
しているが、この第5の実施形態における樹脂基板の切
断加工方法の代わりに、上記第1〜第4の実施形態にお
ける樹脂基板の切断加工方法を応用することも可能であ
る。この場合には、第1及び第2の樹脂基板20a、2
0bを表示画素単位に切断する際に、所定の熱処理加工
を行って切断端面に生じる樹脂基板の傘状の突出やIT
O透明電極膜の剥離・バリ等を解消しておき、その後、
第1及び第2の樹脂基板20a、20bを対向させ、ア
リル系接着剤26を用いて張り合わせ固定することにな
る。
【0091】(第8の実施形態)図8(a)は本発明の
第8の実施形態に係る液晶光スイッチ素子を示す概略斜
視図、図8(b)は図8(a)に示す液晶光スイッチ素
子の一部断面図である。
【0092】本実施形態は、上記第1〜第4の実施形態
における樹脂基板の切断加工方法を液晶デバイス、例え
ば強誘電性液晶を用いた導波路型の液晶光スイッチ素子
の製造に応用したものである。
【0093】光導波路として、透明性に優れ、複屈折性
の少ないシート材料であるポリカーボネイトからなる厚
さ200μmの第1の樹脂基板40a、40b、40
c、40dをそれぞれ用いる。また、光導波路と対にな
る液晶を挟持する透明基板として、同じポリカーボネイ
トからなる厚さ200μmの第2の樹脂基板42a、4
2b、42cをそれぞれ用いる。そして、光取り出しの
ために液晶を挟持する第2の樹脂基板42a、42b、
42cに、例えば#2000のやすりを用いて同一方向
に10〜20回の擦り傷を形成し、グレーティング(図
示せず)を作製する。
【0094】また、これら第1の樹脂基板40a、40
b、40c、40d及び第2の樹脂基板42a、42
b、42c上にそれぞれSnO2 を5%ドープした厚さ
100nmのITO薄膜を形成した後、このITO薄膜
を所定の形状にパターニングして、ITO透明電極膜4
4a、44bをそれぞれ形成する。
【0095】次いで、これらのITO透明電極膜44
a、44bが形成されている第1の樹脂基板40a、4
0b、40c、40d及び第2の樹脂基板42a、42
b、42c表面に、それぞれポリビニルアルコール(P
VA:n=500)10wt%の水溶液をスピンコート
法により塗布し、配向膜46a、46bをそれぞれ形成
する。続いて、これらの配向膜46a、46bを焼成し
た後、ラビング処理を行う。続いて、第1及び第2の第
1の樹脂基板40a、40b、40cの何れか一方の表
面に、多数の1.5μm径の真絲球をエタノールに分散
したものを塗布した後、焼成してエタノールを除去し、
これら多数の真絲球からなるスペーサ48を配置する。
なお、液晶スイッチの効率のため、配向方向と導波方向
とは30°の角度を付ける必要があるため、ラビングは
導波方向に30°傾ける。
【0096】そして、こうしたITO透明電極膜44
a、44bの形成後の一連の工程の中の任意の工程間に
おいて、上記第1〜第4の実施形態における樹脂基板の
切断加工方法を適用して、第1の樹脂基板40a、40
b、40c、40d及び第2の樹脂基板42a、42
b、42cをそれぞれ切断し、続いて樹脂基板の傘状の
突出やITO透明電極膜の剥離・バリ等が生じている切
断端面に対して所定の熱処理加工を行う工程を設ける。
こうして、第1の樹脂基板40a、40b、40c、4
0d及び第2の樹脂基板42a、42b、42cをそれ
ぞれ表示画素単位に切断すると共に、その切断の際に切
断端面に生じる樹脂基板の変形やITO透明電極膜の変
形・剥離・バリ等を解消する。
【0097】次いで、表示画素単位に切断した第1の樹
脂基板40a、40b、40c、40dと第2の樹脂基
板42a、42b、42cとをアリル系接着剤50を用
いて張り合わせ固定して、液晶セルを形成する。なお、
本実施形態に係る液晶光スイッチ素子には強誘電性液晶
を用いるため、この液晶セルのセルギャップはTN液晶
やSTN液晶を用いる液晶光スイッチ素子の場合よりも
狭くなるが、第1の樹脂基板40a、40b、40c、
40d及び第2の樹脂基板42a、42b、42cの切
断端面に生じる樹脂基板の傘状の突出やITO透明電極
膜の剥離・バリ等は既に解消されているため、従来のよ
うに対向する第1の樹脂基板40a、40b、40c、
40d及び第2の樹脂基板42a、42b、42c間に
短絡等の不具合を生じたりして液晶光スイッチ素子の特
性や信頼性を劣化させる恐れはない。
【0098】次いで、この液晶セルに液晶52を注入す
る。この液晶52の材料としては、例えば強誘電性液晶
材料M62344(ジャパンエナジー社製)(n0:
1.489、ne:1.666、φ:10°)を用い
る。次いで、光源として、赤色(AlGaInP系III
−V族)半導体レーザ、緑色(ZnSe系II−VI 族)
半導体レーザ、青色(GaN系III −V族)半導体レー
ザ等の各種の半導体レーザ54を用い、これらの半導体
レーザ54をその偏光方向が導波路としての第1の樹脂
基板40a、40b、40c、40dにTEモードで入
射するように配置し、光学接着剤を用いてカップリング
する。このようにして、強誘電性液晶を用いた導波路型
の液晶光スイッチ素子を作製する。
【0099】本発明者らの試作によれば、こうして作製
した導波路型の液晶光スイッチ素子に10Vの電圧を印
加して液晶の駆動を行ったところ、液晶のスイッチ駆動
に合わせて第2の樹脂基板42a、42b、42cの法
線方向に出射する各種の半導体レーザ54からの導波光
がスイッチすることが確認された。
【0100】このように本実施形態によれば、上記第1
〜第4の実施形態における樹脂基板の切断加工方法を強
誘電性液晶を用いた導波路型の液晶光スイッチ素子の製
造に応用して、光導波路としての第1の樹脂基板40
a、40b、40c、40d及びこれらと対になる液晶
を挟持する透明基板としての第2の樹脂基板42a、4
2b、42c表示画素単位に切断する際に、所定の熱処
理加工を行って切断端面に生じる樹脂基板の傘状の突出
やITO透明電極膜の剥離・バリ等を解消しておくこと
により、液晶セルのセルギャップをTN液晶やSTN液
晶を用いる場合よりも狭くする必要のある強誘電性液晶
を用いる場合であっても、セルギャップが非常に均一に
保持されるため、従来のように対向する第1及び第2の
樹脂基板間に短絡等の不具合を生じたりして液晶光スイ
ッチ素子の特性や信頼性を劣化させる恐れはなくなり、
優れた表示品位を有する液晶光スイッチ素子を実現する
ことができる。
【0101】(第9の実施形態)図9(a)は本発明の
第9の実施形態に係る液晶光スイッチ素子を示す概略斜
視図、図9(b)は図8(a)に示す液晶光スイッチ素
子の一部断面図である。なお、上記第8の実施形態の図
8に示される液晶光スイッチ素子の構成要素と同一の要
素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0102】上記第8の実施形態においては、光導波路
として第1の樹脂基板40a、40b、40c、40d
をそれぞれ用いているが、これに対して本実施形態は、
光導波路として、樹脂基板の代わりに樹脂ファイバを用
いるものである。
【0103】即ち、光導波路として、透明性に優れ、複
屈折性の少ないシート材料であるポリカーボネイトから
なる樹脂ファイバ56a、56b、56c、56dをそ
れぞれ用いる。なお、その他の点においては、上記第8
の実施形態とほぼ同様であるため、以下の説明において
は、上記第8の実施形態と相違する点についてのみ述
べ、共通する点については説明を省略する。
【0104】次いで、これらの樹脂ファイバ56a、5
6b、56c、56d上にそれぞれSnO2 を5%ドー
プした厚さ100nmのITO薄膜を形成した後、この
ITO薄膜を所定の形状にパターニングして、ITO透
明電極膜58をそれぞれ形成する。
【0105】次いで、これらのITO透明電極膜58が
形成されている樹脂ファイバ56a、56b、56c、
56d表面に、それぞれポリビニルアルコール(PV
A:n=500)10wt%の水溶液をスピンコート法
により塗布し、配向膜60をそれぞれ形成する。続い
て、これらの配向膜60を焼成した後、ラビング処理を
行う。続いて、樹脂ファイバ56a、56b、56c、
56d及び第2の樹脂基板42a、42b、42cの何
れか一方の表面に、多数の1.5μm径の真絲球をエタ
ノールに分散したものを塗布した後、焼成してエタノー
ルを除去し、これら多数の真絲球からなるスペーサ48
を配置する。
【0106】そして、こうしたITO透明電極膜58の
形成後の一連の工程の中の任意の工程間において、上記
第1〜第4の実施形態における樹脂基板の切断加工方法
を適用して、樹脂ファイバ56a、56b、56c、5
6dをそれぞれ切断し、続いて、樹脂ファイバの傘状の
突出やITO透明電極膜の剥離・バリ等が生じている切
断端面に対して所定の熱処理加工を行う工程を設ける。
こうして、樹脂ファイバ56a、56b、56c、56
dを表示画素単位に切断すると共に、その切断の際に切
断端面に生じる樹脂ファイバの変形やITO透明電極膜
の変形・剥離・バリ等を解消する。
【0107】次いで、表示画素単位に切断した樹脂ファ
イバ56a、56b、56c、56dと第2の樹脂基板
42a、42b、42cとをアリル系接着剤50を用い
て張り合わせ固定して、液晶セルを形成し、この液晶セ
ルに液晶52を注入する。また、光源として、赤色(A
lGaInP系III −V族)半導体レーザ、緑色(Zn
Se系II−VI 族)半導体レーザ、青色(GaN系III
−V族)半導体レーザ等の各種の半導体レーザ54を、
その偏光方向が導波路としての樹脂ファイバ56a、5
6b、56c、56dにTEモードで入射するように配
置する。このようにして、強誘電性液晶を用いた導波路
型の液晶光スイッチ素子を作製する。
【0108】本発明者らの試作によれば、こうして作製
した導波路型の液晶光スイッチ素子においても、上記第
8の実施形態の場合と同様のスイッチ動作が得られるこ
とが確認された。
【0109】このように本実施形態によれば、上記第1
〜第4の実施形態における樹脂基板の切断加工方法を強
誘電性液晶を用いた導波路型の液晶光スイッチ素子の製
造に応用して、光導波路としての樹脂ファイバ56a、
56b、56c、56dを表示画素単位に切断する際
に、所定の熱処理加工を行って切断端面に生じる樹脂基
板の変形やITO透明電極膜の変形・剥離・バリ等を解
消することにより、上記第8の実施形態の場合と同様の
効果を奏することができる。そして、このことは、上記
第1〜第4の実施形態における樹脂基板の切断加工方法
は、樹脂基板のみならず、樹脂ファイバを切断する際に
も有効であることが確認されたことを意味する。
【0110】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る樹脂基板又は樹脂ファイバの切断加工方法及び液晶デ
バイスの製造方法によれば、次のような効果を奏するこ
とができる。即ち、請求項1に係る樹脂基板又は樹脂フ
ァイバの切断加工方法によれば、カッターを用いて樹脂
基板又は樹脂ファイバを切断した後、その切断端面に対
して所定の熱処理加工を行うことにより、樹脂基板又は
樹脂ファイバを切断分離する際に切断端面に生じる変
形、例えば傘状の突出などを解消することが可能になる
ため、樹脂基板又は樹脂ファイバを用いるデバイスにお
ける樹脂基板又は樹脂ファイバの変形に起因する特性や
信頼性の劣化、製造歩留りの低下を防止することができ
る。
【0111】また、請求項2に係る樹脂基板又は樹脂フ
ァイバの切断加工方法によれば、カッターを用いて所定
の膜、例えば透明電極膜や配向膜などが形成されている
樹脂基板又は樹脂ファイバを切断した後、その切断端面
に対して所定の熱処理加工を行うことにより、切断分離
の際に切断端面に生じる変形、例えば樹脂基板又は樹脂
ファイバの傘状の突出や透明電極膜等の変形・剥離など
を解消することが可能になるため、樹脂基板又は樹脂フ
ァイバを用いるデバイスにおける樹脂基板又は樹脂ファ
イバの変形や透明電極膜等の変形・剥離などに起因する
特性や信頼性の劣化、製造歩留りの低下を防止すること
ができる。
【0112】また、請求項3に係る樹脂基板又は樹脂フ
ァイバの切断加工方法によれば、カッターを用いて樹脂
基板又は樹脂ファイバの所定の膜、例えば透明電極膜や
配向膜などが形成されている面側に切り込み溝を形成し
た後、その切り込み溝のエッジ部に対して所定の熱処理
加工を行うことにより、切り込み溝の形成の際に切り込
み溝のエッジ部に生じる変形、例えば透明電極膜等の変
形・剥離などを解消することが可能になるため、樹脂基
板又は樹脂ファイバを用いるデバイスにおける透明電極
膜等の変形・剥離などに起因する特性や信頼性の劣化、
製造歩留りの低下を防止することができる。
【0113】また、請求項4に係る液晶デバイスの製造
方法によれば、カッターを用いて所定の膜、例えば透明
電極膜や配向膜などが形成されている第1及び第2の樹
脂基板を切断した後、それらの切断端面に対して所定の
熱処理加工を行い、切断分離の際に切断端面に生じる変
形、例えば第1及び第2の樹脂基板の傘状の突出や透明
電極膜等の変形・剥離などを予め解消しておき、その後
に第1及び第2の樹脂基板を対向させて張り合わせ、液
晶セルを形成し、液晶を注入する等の工程を経て液晶デ
バイス、例えば液晶表示素子を作製することにより、第
1及び第2の樹脂基板の傘状の突出や透明電極膜等の変
形・剥離などに起因する特性や信頼性の劣化、製造歩留
りの低下が防止することができ、またセルギャップが非
常に均一に保持され、優れた表示品位を有する液晶表示
素子を実現することができる。
【0114】また、請求項5に係る液晶デバイスの製造
方法によれば、カッターを用いて第1及び第2の樹脂基
板の所定の膜、例えば透明電極膜や配向膜などが形成さ
れている面側に第1及び第2の切り込み溝を形成した
後、それら第1及び第2の切り込み溝のエッジ部に対し
て所定の熱処理加工を行い、第1及び第2の切り込み溝
のエッジ部に生じる変形、例えば透明電極膜等の変形・
剥離などを予め解消しておき、その後に第1及び第2の
樹脂基板を対向させて張り合わせ、第1及び第2の切り
込み溝の部分から同時的に分離して液晶セルを形成し、
液晶を注入する等の工程を経て液晶デバイス、例えば液
晶表示素子を作製することにより、透明電極膜等の変形
・剥離などに起因する特性や信頼性の劣化、製造歩留り
の低下が防止することができ、またセルギャップが非常
に均一に保持されて、優れた表示品位を有する液晶表示
素子を実現することができる。
【0115】また、請求項6に係る液晶デバイスの製造
方法によれば、カッターを用いて第1及び第2の所定の
膜、例えば透明電極膜や配向膜などが形成されている導
波路としての第1の樹脂基板又は樹脂ファイバ及び透明
基板として第2の樹脂基板を切断した後、それぞれの切
断端面に対して所定の熱処理加工を行い、切断分離の際
に切断端面に生じる変形、例えば第1の樹脂基板又は樹
脂ファイバ及び第2の樹脂基板の傘状の突出や透明電極
膜等の変形・剥離などを予め解消しておき、その後に第
1の樹脂基板又は樹脂ファイバと第2の樹脂基板とを対
向させて張り合わせ、液晶セルを形成し、液晶を注入す
る等の工程を経て液晶デバイス、例えば光導波路型の液
晶光スイッチ素子を作製することにより、第1の樹脂基
板又は樹脂ファイバ及び第2の樹脂基板の傘状の突出や
透明電極膜等の変形・剥離などに起因する特性や信頼性
の劣化、製造歩留りの低下が防止することができ、また
セルギャップが非常に均一に保持されて、優れた表示品
位を有する液晶光スイッチ素子を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図であって、(a)
は樹脂基板の切断直後の状態を示し、(b)は熱処理加
工後の状態を示すものである。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図であって、(a)
は樹脂基板の切断直後の状態を示し、(b)は熱処理加
工後の状態を示すものである。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図であって、(a)
は樹脂基板の切断直後の状態を示し、(b)は熱処理加
工後の状態を示すものである。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図であって、(a)
は樹脂基板の切断直後の状態を示し、(b)は熱処理加
工後の状態を示すものである。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る樹脂基板の切断
加工方法を説明するための工程断面図であって、(a)
は樹脂基板の表面側への切り込み溝形成直後の状態を示
し、(b)は熱処理加工後の状態を示すものである。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る液晶表示素子の
製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る液晶表示素子の
製造方法を説明するための工程断面図である。
【図8】(a)は本発明の第8の実施形態に係る液晶光
スイッチ素子を示す概略斜視図であり、(b)は(a)
に示す液晶光スイッチ素子の一部断面図である。
【図9】(a)は本発明の第9の実施形態に係る液晶光
スイッチ素子を示す概略斜視図であり、(b)は(a)
に示す液晶光スイッチ素子の一部断面図である。
【符号の説明】
10……樹脂基板、12……ITO透明電極膜、14…
…切断端面、16……切り込み溝、20a……第1の樹
脂基板、20b……第2の樹脂基板、22a、22b…
…ITO透明電極膜、24a、24b……切り込み溝、
26……アリル系接着剤、28……カッター、30a、
30b……切り込み溝、32、34……カッター、40
a、40b、40c、40d……第1の樹脂基板、42
a、42b、42c……第2の樹脂基板、44a、44
b……ITO透明電極膜、46a、46b……配向膜、
48……スペーサ、50……アリル系接着剤、52……
液晶、54……半導体レーザ、56a、56b、56
c、56d……樹脂ファイバ、58……ITO透明電極
膜、60……配向膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H038 CA12 2H088 FA07 2H090 JB03 JC01 JC08 5G435 AA00 AA14 AA17 BB12 CC12 EE33 FF01 FF08 GG18 GG22 HH02 HH12 KK05 KK07 KK10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の刃先角をもつカッターを用いたフ
    ルカット方式により、樹脂基板又は樹脂ファイバを切断
    分離する工程と、 前記樹脂基板又は前記樹脂ファイバの切断端面に対し
    て、前記切断端面からエッジ部にかけてを所定の温度に
    加熱した部材に当接する熱処理加工を行う工程と、を有
    し、 前記樹脂基板又は前記樹脂ファイバを切断分離する際に
    前記切断端面に生じる変形を、前記熱処理加工により解
    消することを特徴とする樹脂基板又は樹脂ファイバの切
    断加工方法。
  2. 【請求項2】 樹脂基板又は樹脂ファイバの上に、所定
    の膜を形成する工程と、 所定の刃先角をもつカッターを用いたフルカット方式に
    より、前記所定の膜が形成されている前記樹脂基板又は
    前記樹脂ファイバを切断分離する工程と、 前記所定の膜が形成されている前記樹脂基板又は前記樹
    脂ファイバの切断端面に対して、前記切断端面からエッ
    ジ部にかけてを所定の温度に加熱した部材に当接する熱
    処理加工を行う工程と、を有し、 前記所定の膜が形成されている前記樹脂基板又は前記樹
    脂ファイバを切断分離する際に前記切断端面に生じる変
    形を、前記熱処理加工により解消することを特徴とする
    樹脂基板又は樹脂ファイバの切断加工方法。
  3. 【請求項3】 樹脂基板又は樹脂ファイバの上に、所定
    の膜を形成する工程と、 所定の刃先角をもつカッターを用いたハーフカット方式
    により、前記樹脂基板又は前記樹脂ファイバの前記所定
    の膜が形成されている面側に、切り込み溝を形成する工
    程と、 前記切り込み溝のエッジ部に、所定の温度に加熱した部
    材を当接する熱処理加工を行う工程と、 前記樹脂基板又は前記樹脂ファイバを前記切り込み溝の
    部分から分断する工程と、を有し、 前記樹脂基板又は前記樹脂ファイバの前記所定の膜が形
    成されている面側に前記切り込み溝を形成する際に前記
    切り込み溝のエッジ部に生じる変形を、前記熱処理加工
    により解消することを特徴とする樹脂基板又は樹脂ファ
    イバの切断加工方法。
  4. 【請求項4】 互いに対向する2つの透明基板として第
    1及び第2の樹脂基板を用いる液晶デバイスの製造方法
    であって、 前記第1及び第2の樹脂基板の上に、それぞれ所定の膜
    を形成する工程と、 所定の刃先角をもつカッターを用いたフルカット方式に
    より、前記所定の膜が形成されている前記第1及び第2
    の樹脂基板をそれぞれ切断分離する工程と、 前記所定の膜が形成されている前記第1及び第2の樹脂
    基板のそれぞれの切断端面に対して、前記切断端面から
    エッジ部にかけてを所定の温度に加熱した部材に当接す
    る熱処理加工を行う工程と、 前記第1及び第2の樹脂基板を対向させて張り合わせ、
    液晶セルを形成する工程と、 前記液晶セルに液晶を注入する工程と、 を有することを特徴とする液晶デバイスの製造方法。
  5. 【請求項5】 互いに対向する第1及び第2の透明基板
    として第1及び第2の樹脂基板を用いる液晶デバイスの
    製造方法であって、 前記第1及び第2の樹脂基板の上に、それぞれ所定の膜
    を形成する工程と、 所定の刃先角をもつカッターを用いたハーフカット方式
    により、前記第1及び第2の樹脂基板の前記所定の膜が
    形成されている面側に、それぞれ第1及び第2の切り込
    み溝を形成する工程と、 前記第1及び第2の切り込み溝のエッジ部に、それぞれ
    所定の温度に加熱した部材を当接する熱処理加工を行う
    工程と、 前記第1及び第2の樹脂基板を対向させて張り合わせた
    後、前記第1及び第2の樹脂基板を前記第1及び第2の
    切り込み溝の部分から同時的に分断し、液晶セルを形成
    する工程と、 前記液晶セルに液晶を注入する工程と、 を有することを特徴とする液晶デバイスの製造方法。
  6. 【請求項6】 導波路として第1の樹脂基板又は樹脂フ
    ァイバを用い、前記導波路に対向する透明基板として第
    2の樹脂基板を用いる液晶デバイスの製造方法であっ
    て、 前記第1の樹脂基板又は樹脂ファイバの上に、第1の所
    定の膜を形成すると共に、前記第2の樹脂基板の上に、
    第2の所定の膜を形成する工程と、 所定の刃先角をもつカッターを用いたフルカット方式に
    より、前記第1の所定の膜が形成されている前記第1の
    樹脂基板又は樹脂ファイバを切断分離すると共に、前記
    第2の所定の膜が形成されている前記第2の樹脂基板を
    切断分離する工程と、 前記第1の所定の膜が形成されている前記第1の樹脂基
    板又は樹脂ファイバの切断端面及び前記第2の所定の膜
    が形成されている前記第2の樹脂基板の切断端面に対し
    て、それぞれ前記切断端面からエッジ部にかけてを所定
    の温度に加熱した部材に当接する熱処理加工を行う工程
    と、 前記第1の樹脂基板又は樹脂ファイバと前記第2の樹脂
    基板とを対向させて張り合わせ、液晶セルを形成する工
    程と、 前記液晶セルに液晶を注入する工程と、 を有することを特徴とする液晶デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれかに記載の液晶
    デバイスの製造方法において、 前記液晶セルに注入する液晶として、強誘電性液晶を用
    いることを特徴とする液晶デバイスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101315479B (zh) * 2008-07-10 2010-10-06 浙江西溪玻璃有限公司 一种智能调光膜的预处理方法
JP2011521420A (ja) * 2008-05-22 2011-07-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 照明器具のキット及び組み立て方法

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