JPH063633A - 液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示パネルの製造方法、特にガラス基板
の切断方法に関し、切断に伴う製造歩留りと信頼性の低
下防止を目的する。 【構成】 一対のガラス基板１,2′を環状シール部材３
で接合し、シール部材３で囲われたガラス基板間の間隙
に液晶４を充填したのち、シール部材３より外側で一方
のガラス基板２′を切断するに際し、切断するガラス基
板２′の外面にスクライブライン７を形成し、スクライ
ブライン７より内側で一対のガラス基板１,2′を第１の
クランプが挟持し、スクライブライン７より外側で一対
のガラス基板１,2′を第２のクランプが挟持し、スクラ
イブライン７に平行する軸線廻りかつスクライブライン
７が形成されたガラス基板２′の外面に引張り応力が発
生する方向に第１，第２のクランプの一方を回動せし
め、ガラス基板２′がスクライブライン７で破断するよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶表示パネルの製造方
法、特に、シール部材で接合した一対のガラス基板の一
方をシール部材の外側で切断する方法に関する。

【０００２】薄型，軽量，低消費電力等の特徴を有する
ことによって、近年、液晶表示パネルは、ビデオやカメ
ラのファインダ，小型テレビ，携帯テレビ，投射型大形
モニター，ラップトップ型パソコン，ワープロ等に使用
され、表示品質，信頼性の向上と共に低価格化が要求さ
れている。

【０００３】

【従来の技術】図２は従来の液晶表示パネルの主要構成
とガラス基板切断工程の説明図であり、図２(A) の符号
５′はガラス基板切断前の液晶表示パネル、図２(B) の
符号５は液晶表示パネルの完成品である。

【０００４】図示しない多数の透明電極を形成したガラ
ス基板１と、基板１の透明電極に直交する多数の透明電
極（図示せず）を形成し所定寸法より大形のガラス基板
２′は、環状シール部材３によって接合し、シール部材
３によって囲われたガラス基板１と２′の対向間隙に液
晶４を充填したのち、ガラス基板１と同じ大きさのガラ
ス基板２′は、シール部材３の外側で所定寸法に切断し
てガラス基板２を形成し、液晶表示パネル５が完成す
る。

【０００５】図３はガラス基板を切断する従来方法の説
明図であり、図３(A) に示す如く、ガラス基板切断前の
液晶表示パネル５′は台板６に固定し、ダイヤモンドカ
ッターを用いる等により切断すべき線に沿ってスクライ
ブライン７を形成する。

【０００６】次いで、図３(B) に示す如く表示パネル
５′を裏返して台板８に搭載し、押さえ板９にて表示パ
ネル５′を台板８に固定したのち、ブレード10にてガラ
ス基板１を叩き、その衝撃力を利用してガラス基板２を
スクライブライン７から切断（破断）し、一点鎖線で示
す不要部２ａを除去する。

【０００７】図３(B) において、ガラス基板１の外面
(上面) の一点鎖線11は、ガラス基板２を切断するた
め、ブレード10にてガラス基板１を叩く位置を示すもの
であり、一点鎖線11はスクライブライン７に対向する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来方法におけるガラス基板２′の切断方法は、スクラ
イブライン７を形成しないガラス基板１を叩き、ガラス
基板１の先端部がガラス基板２′の先端部に衝突し、そ
の衝突力を利用してガラス基板２′をスクライブライン
７から切断せしめる方式である。

【０００９】従って、切断時におけるガラス基板２′の
スクライブライン形成面には圧縮応力が生じ、スクライ
ブライン７の深さ方向の先端部に圧縮集中応力が生成す
るようになる。しかし、その圧縮集中応力の方向がスク
ライブライン７の深さ方向に必ずしも一致しないため、
ガラス基板２の破断面が凸凹になり、著しきはスクライ
ブライン７より内側に欠損が発生し、製造歩留りが低減
されるという問題点があった。

【００１０】また、切断しないガラス基板１を介して切
断すべきガラス基板２′に必要な外力を加えるため、ガ
ラス基板２′に加わるより大きい外力をガラス基板１に
加えることになる。そのため、シール部材３が剥離され
ることがあり、製造歩留りが低減したり信頼性が損なわ
れるという問題点があった。

【００１１】特に、薄膜トランジスタ基板のように熱履
歴が加わえられたガラス基板では、前記問題点が顕著で
あり適当な対応が必要になった。

【００１２】

【課題を解決するための手段】ガラス基板の切断に伴う
液晶表示パネルの製造歩留り，信頼性の改善を目的とし
た本発明方法は、一対のガラス基板１,2′を環状シール
部材３で接合し、シール部材３で囲われたガラス基板間
の間隙に液晶４を充填したのち、シール部材３より外側
でガラス基板２′を切断するに際し、ガラス基板２′の
外面にスクライブライン７を形成し、スクライブライン
７より内側の表示パネル５′を第１のクランプが挟持
し、スクライブライン７より外側の表示パネル５′を第
２のクランプが挟持し、スクライブライン７に平行する
軸線廻りかつスクライブライン７が形成されたガラス基
板２′の外面に引張り応力が発生する方向に該第１，第
２のクランプの一方を回動せしめ、ガラス基板２′を破
断せしめる。

【００１３】

【作用】上記手段によれば、一対のガラス基板１と２′
をシール部材で接合し、ガラス基板１と２′の対向間隙
に液晶を充填し一方のガラス基板２′にスクライブライ
ン７を形成したのち、スクライブライン７の内側と外側
とを別々にクランプで固定し、スクライブライン７をそ
の幅方向に引き開く引張り応力が発生するように、一方
のクランプを回動せしめる。

【００１４】すると、スクライブライン７の深さ方向先
端部には、スクライブライン７の深さ方向に引張り応力
が集中するため、スクライブライン７からの破断面は、
スクライブライン７の深さ方向に一定化して凹凸が小さ
くなり、スクライブライン７から外れたガラス基板２′
の欠損およびシール部材の剥離をなくすことができる。

【００１５】

【実施例】図１(A) 〜(C) は、本発明方法の実施例によ
る液晶表示パネルの主要工程の説明図であり、前出図と
共通部分には同一符号を使用した。

【００１６】図１(A) において、ガラス基板１と２′を
シール部材で接合し液晶を充填したガラス基板切断前の
液晶表示パネル５′は、上面が同一平面に揃う一対の下
板1619に搭載し、ダイヤモンドカッターを使用する等に
より、スクライブライン７をガラス基板２′の外面（図
の上面）に形成する。

【００１７】図１(B) において、下板16と押さえ板17に
て第１のクランプを構成し、下板19と押さえ板20にて第
２のクランプを構成し、第１のクランプはスクライブラ
イン７より内側の表示パネル５′をその厚さ方向に挟持
し、第２のクランプはスクライブライン７より外側のパ
ネル５′をその厚さ方向に挟持する。

【００１８】第２のクランプ (または第１のクランプ)
は、スクライブライン７に平行する軸廻り、かつ、ガラ
ス基板２′のスクライブライン形成面に引張応力が発生
する方向に回動可能である。従って、第２のクランプを
回動せしめるとガラス基板２′のスクライブライン形成
面には引張り応力が発生し、スクライブライン７の深さ
方向の先端部には、その深さ方向に引張り応力が集中発
生し、その集中応力によってガラス基板２′は、スクラ
イブライン７で切断される。

【００１９】そこで、押さえ板20を開くとガラス基板
２′の不要部２ａは図１(C) に示す如く除去可能とな
り、かかる操作の繰り返しによってガラス基板２′の四
辺の不要部２ａを切断し、液晶表示パネル(5) が完成す
る。

【００２０】本発明方法によって不要部２ａを除去した
ガラス基板２′の破断面は、従来方法による破断面より
凹凸が小さくなり、スクライブライン７の内側欠損を皆
無にすると共に、シール部材に対する負荷が軽減されシ
ール部材の剥離をなくすことができる。

【００２１】さらに、ゴムやプラスチックにてなるゴム
状弾性体板を介して、第１，第２のクランプが表示パネ
ル５′を挟持するようにすれば、表示パネル５′に対す
る挟持力分布が平準化し，シール部材に対する局部的負
荷をなくす効果があり、ガラス基板２の破断面を一層滑
らかにする，シール部材に対する安全性が一層拡大され
るようになる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、ガラス基板の切断面が滑らかになり、スクライブラ
インの内側欠損を皆無にすると共に、シール部材に対す
る安全性が拡大するため、液晶表示パネルの製造に際し
ガラス基板の切断工程における歩留りが向上する共に、
信頼性が改善された効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明方法の実施例による液晶表示パネルの
主要工程の説明図である。

【図２】 従来の液晶表示パネルの主要構成とガラス基
板切断工程の説明図である。

【図３】 ガラス基板を切断する従来方法の説明図であ
る。

【符号の説明】

１，２はガラス基板 ２′は切断前のガラス基板 ３はシール部材 ４は表示パネルに充填した液晶 ５は液晶表示パネル ５′はガラス基板を切断する前の液晶表示パネル ７はスクライブライン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のガラス基板(1,2′) を環状シール
   部材(3) で接合し、該シール部材(3) で囲われたガラス
   基板間の間隙に液晶(4) を充填したのち、該シール部材
   (3) より外側で該ガラス基板の一方(2′) を切断するに
   際し、切断する該ガラス基板(2′) の外面にスクライブ
   ライン(7) を形成し、該スクライブライン(7) より内側
   の該一対のガラス基板(1,2′) を第１のクランプが挟持
   し、該スクライブライン(7) より外側の該一対のガラス
   基板(1,2′) を第２のクランプが挟持し、該スクライブ
   ライン(7) に平行する軸線廻りかつ該スクライブライン
   (7) が形成された該ガラス基板(2′) の外面に引張り応
   力が発生する方向に該第１，第２のクランプの一方を回
   動せしめ、該ガラス基板の一方(2′) を該スクライブラ
   イン(7) で破断せしめることを特徴とする液晶表示パネ
   ルの製造方法。
2. 【請求項２】 前記第１，第２のクランプがゴム状弾性
   板を介して前記一対のガラス基板(1,2′) を挟持するこ
   とを特徴とする請求項１記載の液晶表示パネルの製造方
   法。