JP2001108513A - シート荷重計測装置 - Google Patents

シート荷重計測装置

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JP2001108513A
JP2001108513A JP2000247318A JP2000247318A JP2001108513A JP 2001108513 A JP2001108513 A JP 2001108513A JP 2000247318 A JP2000247318 A JP 2000247318A JP 2000247318 A JP2000247318 A JP 2000247318A JP 2001108513 A JP2001108513 A JP 2001108513A
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seat
measuring device
plate
measuring
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JP2000247318A
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Inventor
Hiroshi Aoki
洋 青木
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Takata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コスト・組み立てコストを低減でき、シ
ート上の人の重量をより正確に測定できるシート重量計
測装置を提供する。 【解決手段】 シートレールの荷重がその作用点である
ピン穴１５ａ、１５ｂ、１５ｃのピンにかかると、この
レバー機構は回動軸１４ａ、１４ｂ、１４ｃを中心とす
る回動力を受け、撓み部材１３が上方へ回動するような
力を受ける。このとき、撓み部材１３が上方に撓んで、
ロードセル１７の頭部１７ａを下から押し上げるように
働く。ロードセル１７は、この力を測定することにより
シート荷重を計測する。側板１２ｂ、１２ｃは左右結合
部材１６に固着されている。よって、ピン穴１５ｂ、１
５ｃにかかる荷重による回動力は、加え合わされて左右
結合部材１６を回動させるモーメントを生じる。各ピン
穴１５ａ、１５ｂ、１５ｃにかかる荷重は、同じてこ比
でロードセル１７に作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗員等シートに搭
載されている物体の荷重を含めたシートの荷重を測定す
る装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】自動車には乗員の安全を確保するための
設備としてシートベルトやエアバッグが備えられる。最
近では、シートベルトやエアバッグの性能をより向上さ
せるため、乗員の重量(体重)や姿勢に合わせてそれらの
安全設備の動作をコントロールしようという動向があ
る。例えば、乗員の体重や姿勢に合わせて、エアバッグ
の展開ガス量や展開速度を調整したり、シートベルトの
プリテンションを調整したりする。そのためには、シー
トに座っている乗員の重量を何らかの手段で知る必要が
ある。また、乗員の姿勢を推定するために、シート上に
おける乗員の重心がどこにあるかを参考にできる。
【０００３】乗員の重量及び重心を知る手段の例とし
て、シートの下の前後左右４隅に荷重センサ(ロードセ
ル)を配置して、ロードセルにかかる垂直方向荷重を合
計することにより乗員の重量を含むシート重量を計測す
る方法が、特開平１１−１１５３号公報、特開平１１−
３０４５７号公報に記載されている。この方法によれ
ば、シート上の乗員の重心の位置を知ることもできる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
シート重量計測装置は、一般の自動車に搭載するのであ
るから、できるだけ安価でなければならない。また、配
線や組み立ても簡易でなければならない。さらに、正確
な計測を行うためには、シートやその上の乗員(あるい
は物)の重量以外の荷重がセンサにかかるのを極力排除
する必要がある。
【０００５】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、シート荷重を３点で支える方式のシートに
おいて、製造コスト・組み立てコストを低減でき、シー
ト上の人の重量をより正確に測定できるシート重量計測
装置を提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する第１
の手段は、乗用車のシートの荷重（シート上に搭載され
ている物体の荷重を含む）を測定する装置であって、前
記シートの荷重を３箇所で受け、それらの荷重を、伝達
機構を介して１個のロードセルに集約して伝達し、１個
のロードセルで荷重測定を行うことを特徴とするシート
荷重計測装置（請求項１）である。
【０００７】本発明を適用するシートにおいては、シー
ト荷重を３箇所（通常は、前方中心部１箇所と後方左右
２箇所）で支えるようになっている。よって、本手段に
おいては、シートの荷重をこれら支持部に対応する３箇
所で受ける。そして、荷重伝達機構により、これらの荷
重を１個のロードセルに集約して伝達し、１個のロード
セルでシート荷重全体を測定するようにしている。よっ
て、ロードセルが１個で済み、測定回路や配線が省略さ
れて安価なものとなる。
【０００８】前記課題を解決するための第２の手段は、
乗用車のシートの荷重（シート上に搭載されている物体
の荷重を含む）を測定する装置であって、前記シートの
荷重を３箇所で受け、それらの荷重を、伝達機構を介し
て歪ゲージが取り付けられた１枚の荷重測定板に伝達し
て荷重測定を行うものであり、前記荷重測定板には、前
記歪ゲージが、前記３箇所の荷重のうち少なくとも１箇
所の荷重を独立して測定可能なように取り付けられてい
ることを特徴とするシート荷重計測装置（請求項２）で
ある。
【０００９】本手段においては、シート荷重を受ける方
法は前記第１の手段と同じであるが、荷重測定器が１個
のロードセルでなく１枚の荷重測定板とされている。そ
して、この荷重測定板に、荷重伝達機構を介して、３点
で受けられた荷重が伝達される。荷重測定板には、歪ゲ
ージが３箇所の荷重のうち少なくとも１箇所の荷重を独
立して測定可能なように取り付けられている。よって、
本手段によれば、３箇所の荷重を独立して測定すること
ができ、重心位置の測定を行うことが可能となる。
【００１０】前記課題を解決するための第３の手段は、
前記第１の手段又は第２の手段であって、前記伝達機構
が、水平方向に向いた軸を中心として回動するレバー機
構を有し、当該レバー機構の力点部で前記シートの荷重
を受け、作用点で前記ロードセル又は荷重測定板に荷重
を伝達するものであり、前記回転軸と作用点の間には、
撓み機構が設けられていることを特徴とするもの（請求
項３）である。
【００１１】本手段においては、レバー機構（第１の手
段である場合は、２つ又は３つのレバー機構、第２の手
段である場合には３つのレバー機構）を介して荷重を伝
達するが、このレバー機構の回動軸（支点）と作用点の
間には、撓み機構が設けられている。よって、力点部に
シート荷重がかかると、レバーはこの撓み機構部で撓み
ながら荷重をロードセル又は荷重測定板に伝達すること
になる。従って、荷重測定機構や、その前のシート支持
部にがたがある場合でも、そのがたはこの撓み機構によ
って吸収されるので、がたによって測定値が不正確にな
るのを防止することができると共に、組み立てが容易に
なる。
【００１２】前記課題を解決するための第４の手段は、
前記第１の手段から第３の手段のいずれかであって、前
記レバーの作用点部と前記ロードセル又は荷重測定板の
結合部には、前記レバーの撓みによって発生する作用点
の位置ずれを許容するようながたが設けられていること
を特徴とするもの（請求項４）である。
【００１３】前記第３の手段においてはレバーが撓み部
で撓むと、わずかではあるが水平方向長さが変化する。
本手段においては、このような長さの変化を吸収するよ
うながたがレバーの作用点部と前記ロードセル又は荷重
測定板の結合部に設けられているので、このようなこと
が発生しても応力が発生することが無く、荷重測定がこ
れらの応力によって不正確になることが無い。前記第３
の手段以外においても、このようながたを設けておけ
ば、組み立てが容易となる。
【００１４】前記課題を解決するための第５の手段は、
前記第１の手段から第４の手段のいずれかであって、前
記レバーの作用点部と前記ロードセル又は荷重測定板の
結合部には、上下方向のがたが設けられていることを特
徴とするもの（請求項５）である。
【００１５】本手段においては、前記レバーの作用点部
と前記ロードセル又は荷重測定板の結合部に上下方向の
がたが設けられているので、荷重測定機構や、その前の
シート支持部にがたがある場合でも、そのがたは、レバ
ーの作用点部と前記ロードセル又は荷重測定板の結合部
に設けられた上下方向のがたによって吸収されるので、
がたによって測定値が不正確になるのを防止することが
できると共に、組み立てが容易になる。
【００１６】前記課題を解決するための第６の手段は、
前記第１の手段から第５の手段のいずれかであって、シ
ートの荷重を受ける部分には、所定以上の荷重が前記ロ
ードセル又は荷重測定板に伝達されないようにする機構
が設けられていることを特徴とするもの（請求項６）で
ある。
【００１７】本手段においては、シート荷重を受ける部
分（力点部）に所定以上の荷重が係ったとき、所定以上
の荷重をロードセル又は荷重測定板に伝達しないように
する機構が、シート荷重を受ける部分（力点部）に設け
られている。よって、ロードセル又は荷重測定板が、所
定以上の荷重を受けて破損したり、測定に異常をきたし
たりすることを防止できる。
【００１８】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図１は、本発明が前提とする
自動車用シートとその支持部を示す概要図である。この
シートは、前側を中央位置において１点で支えられ、後
側を左右の２点で支えられた３点支持構造を有してお
り、それに対応して、レールも前部中央に１本、後部左
右に各１本の合計３本が設けられている。
【００１９】図１において(A)は断面図であるが、シー
トを支える部分については、それぞれの支持部において
切断した様子を示している。(B)は側面から見た概要図
である。
【００２０】シート２のシートクッション２ａ上に人１
が座る。シートクッション２ａの下面は鋼板製のシート
フレーム３によって支持されている。シートフレーム３
は、底板３ａ、支持台３ｂ、縦板３ｃ、スライド板３ｄ
等の部位からなる。底板３ａはシートクッション２ａの
下面を覆うように広がっている。支持台３ｂは、底板３
ａの下面を支えるように配置されている。縦板３ｃは支
持台３ｂの下面中央部から垂下している。スライド板３
ｄは、縦板３ｃの左右に羽根のように突出しており、さ
らに先端部は上方に屈曲している。
【００２１】シートレール４は、シート２の前部の中央
部位置、及び後部の左右位置に、前後方向に伸びるよう
に、合計３本が平行して設けられている。シートレール
４の断面は、Ｕ字型をしており、内部に凹部４ｂが存在
する。この凹部４ｂの上の口は前後方向に延びる溝４ａ
となっている。この溝４ａにはシートフレーム３の縦板
３ｃが入っている。シートレール４の凹部４ｂ内には、
シートフレーム３のスライド板３ｄが入っている。スラ
イド板３ｄはシートレール４内で前後方向にスライド可
能である。
【００２２】シートレール４の下面にはシート荷重計測
装置５が連結されている。シート荷重計測装置５の下面
の前後端部にはシートブラケット６が取り付けられてい
る。このシートブラケット６は車体のシート取付部７に
ボルト等により固定されている。
【００２３】図２は、本発明に係るシート荷重計測装置
の第１の実施の形態の概要を示す基本構成図である。こ
のシート荷重計測装置は、３つの支持部１１ａ、１１
ｂ、１１ｃで支持されている。支持部１１ａはシート前
部中央部のシートレールにかかる荷重、支持部１１ｂは
シート後部右部のシートレールにかかる荷重、支持部１
１ｃはシート後部左部のシートレールにかかる荷重を受
けるようになっている。それぞれの荷重は、後述するよ
うに、レバーを構成する部材に設けられたピン穴１５
ａ、１５ｂ、１５ｃに嵌め込まれたピンを介して、レバ
ーを構成する部材に伝達される。
【００２４】レバーを構成する部材は、側板１２ａ、１
２ｂ、１２ｃ、撓み部材１３、補強側板１３ａ、左右結
合部材１６から構成され、３つの支持部１１ａ、１１
ｂ、１１ｃに設けられた回動軸１４ａ、１４ｂ、１４ｃ
により軸支されている。回動軸１４ａと、回動軸１４
ｂ、１４ｃを結ぶ軸との中央部には、ロードセル１７が
配置されている。そして、撓み部材１３にはロードセル
１７に対応する位置に穴１３ｂが設けられ、この穴１３
ｂにロードセル１７の首部１７ｂが嵌まり込んでいる。
【００２５】シートレールの荷重がその作用点であるピ
ン穴１５ａ、１５ｂ、１５ｃのピンにかかると、このレ
バー機構は回動軸１４ａ、１４ｂ、１４ｃを中心とする
回動力を受け、撓み部材１３が上方へ回動するような力
を受ける。このとき、撓み部材１３のうち、補強側板１
３ａのある部分は撓みが抑えられ、補強側版３ａのない
中央部が上方に撓んで、ロードセル１７の頭部１７ａを
下から押し上げるように働く。ロードセル１７は、この
力を測定することによりシート荷重を計測する。
【００２６】側板１２ｂ、１２ｃは左右結合部材１６に
固着されている。よって、ピン穴１５ｂ、１５ｃにかか
る荷重による回動力は、加え合わされて左右結合部材１
６を回動させるモーメントを生じる。前述のように、ロ
ードセル１７は、回動軸１４ａと、回動軸１４ｂ、１４
ｃを結ぶ軸との中央部に置かれている。そして、回動軸
１４ａとピン穴１５ａ、回動軸１４ｂとピン穴１５ｂ、
回動軸１４ｃとピン穴１５間の距離を等しくしてあるの
で、各ピン穴１５ａ、１５ｂ、１５ｃにかかる荷重は、
同じてこ比でロードセル１７に作用する。よって、１個
のロードセル１７により、３点にかかる荷重の合計荷重
を測定することができ、シート荷重全体を知ることがで
きる。
【００２７】本実施の形態においては、レバー機構が剛
体で構成されておらず、容易に弾性変形する撓み部材１
３を有している。よって、荷重測定機構内部や、シート
レール等と荷重測定機構との間にがたがあっても、その
がたは撓み部材１３により吸収されるので、荷重は正し
くロードセル１７に伝達される。よって、正確な測定が
可能であると共に、荷重測定機構や、その周囲部材の組
み立てが容易となる。
【００２８】さらに、本実施の形態においては、ロード
セル１７と撓み部材１３とは、直接拘束されておらず、
穴１３ａにロードセルの首部１７ｂが入り込むようにな
っており、撓み部材１３とロードセル１７との間には、
上下左右前後についてがたがある。このうち、上下のが
たが、撓み部材１３の撓みにより吸収されるのは、前述
のとおりである。また、左右前後にもがたがあるので、
組み立てが容易であると共に、撓み部材１３が変形して
も、その変形を吸収することができる。
【００２９】なお、図２においては、撓み部材１３がロ
ードセル１７の左右で一体のものとして形成されている
が、測定精度を確保する上でこれが問題となる場合は、
これを一体とせず、左右で別のものとし、それぞれがロ
ードセル１７の頭部１７ａを下から押し上げるような構
造とすればよい。課題を解決する手段のうち第３の手段
では、図１のように前後のレバー機構が中央部で連結さ
れたものも、これらが中央で切り離されて別体とされて
いるものも、２つのレバーとして考えている。
【００３０】また、図２においては、撓み部材１３を平
板状のものとしているが、撓み部材１３にかかる応力
を、各部分で均一にするためには、後に述べるように、
撓み部材１３を先細のフォーク状のものとすることが好
ましい。
【００３１】図３は、本発明に係るシート荷重計測装置
の第２の実施の形態の概要を示す基本構成図である。こ
の例においては、荷重を受ける部分と荷重を伝達する部
分の構成は、基本的に第１の実施の形態と同じであり、
荷重を測定する部分のみが異なっているので、異なって
いる部分のみを説明する。
【００３２】この実施の形態においては、図２のロード
セルの代わりに、支持体１８に固定された荷重測定板１
９が設けられている。荷重測定板１９は、支持体１８の
固定部材１８ａ、１８ｂにより、上下から挟み込まれ
て、支持体１８に固定されている。そして、荷重測定板
１９の左右には、ストレインゲージが組み込まれてお
り、荷重測定板１９が上下に曲げを受けた場合に、その
歪を測定するようになっている。
【００３３】一方、２つの撓み部材１３の先端部は二股
部１３ｃとなっており、この二股部１３ｃに荷重測定板
１９の端部が挟み込まれるようになっている。なお、こ
の二股部１３ｃと荷重測定板１９は固定されておらず、
両者の間にがたがあるようになっている。
【００３４】この荷重測定機構にシート荷重が作用する
と、前述のように撓み部材１３が上方に撓む。それによ
り、二股部１３ｂが荷重測定板１９に当接し、荷重測定
板１９に上方に向かう曲げ荷重を与える。この曲げ荷重
はストレインゲージで測定され、これにより、荷重が測
定される。この場合、固定部材１８ａ、１８ｂの大きさ
を荷重測定板１９の幅に対して適当に大きくしておけ
ば、シートの前側にかかる荷重と、後側にかかる荷重は
別々に測定されるので、これらの測定値を電気的に加え
合わせるか、ソフトウェア的に加え合わせることにより
シート荷重が測定される。この場合、前後方向の重心位
置を知ることもできる。
【００３５】前述のように、二股部１３ｃと荷重測定板
１９の間にはがたがあるようになっているので、組み立
てが容易であるばかりでなく、撓み部材１３が撓むこと
によりその長さが変化しても、それにより余計な応力が
測定部にかかることがない。
【００３６】図４は、本発明に係るシート荷重計測装置
の第３の実施の形態の概要を示す基本構成図である。こ
の例においては、荷重を受ける部分の構成は、基本的に
第１の実施の形態と同じであり、荷重を伝達する部分の
構成は、第２の実施の形態と類似しているので、これら
と異なっている部分のみを説明する。
【００３７】この実施の形態においては、第２の実施の
形態と同じように、支持体１８に固定された荷重測定板
１９が設けられている。そして、荷重測定板１９は図に
示されるようにＴ字型をしており、３つのストレインゲ
ージＡ、Ｂ、Ｃが、Ｔ字のそれぞれの枝部に取り付けら
れている。各ストレインゲージは、荷重測定板１９が上
下に曲げを受けた場合に、その歪を測定するようになっ
ている。
【００３８】この実施の形態においては、荷重受け部と
荷重伝達部において、図３において示されている、前部
中央部の荷重を受けて荷重測定板１９に伝達する機構と
同じものが、後部左右部においても、それぞれ設けられ
ており、後部右部の荷重、後部左部の荷重をそれぞれ別
々に荷重測定板１９に伝達するようになっている。
【００３９】前部中央部にかかる荷重は、ストレインゲ
ージＡにより、後部右部にかかる荷重はストレインゲー
ジＢにより、後部左部にかかる荷重はストレインゲージ
Ｃにより、それぞれ単独に測定される。Ｔ字型の荷重測
定板１９のうち、支持体１８で拘束される部分を十分大
きくしておけば（極端な場合は、各枝部が独立して支持
体１８から飛び出すように、中央部を支持体１９で拘束
してしまえば）、荷重測定板１９の各枝間での荷重の干
渉が起こらないようにすることができる。荷重測定板１
９の各枝の先端部が、対応する撓み部材１３の二股部１
３ｃに挟み込まれており、がたを有するのは、図３に示
された実施の形態と同じである。
【００４０】図４において、各荷重を受ける力点にあた
る各ピン穴１５ａ、１５ｂ、１５ｃと、支点にあたる回
動軸１４ａ、１４ｂ、１４ｃとのそれぞれの距離は等し
いとしてこれをｌ0とし、支点にあたる回動軸１４ａ、
１４ｂ、１４ｃと、作用点にあたる二股部１３ｃとのそ
れぞれの距離をｌ1、ｌ2、ｌ3とするとき、各ストレイ
ンゲージＡ、Ｂ、Ｃの出力がそれぞれｗA、ｗB、ｗCで
あれば、シート荷重ｗは、 w=k・(wA・l1+wB・l2+wC・l3)/l0 として求めることができる。ただしｋは定数である。
【００４１】以下、図３におけるシート荷重を受ける部
分の構造の例を、図５に詳しく示す。図５において、
(A)は分解斜視図であり、(B)はピンブラケット部の正面
断面図である。この図は図３における、シート前部中央
部の荷重を受ける部分を示したものであるが、図３にお
ける後部左右部の荷重を受ける部分、図２、図４におけ
る荷重を受ける部分の構造も類似のものであり、当業者
は、これらの図を組み合わせることにより、各図におけ
る各部分の実際の荷重受け部をどのような構造にすべき
かを容易に知ることができるであろう。
【００４２】ただし、図５においては、説明の都合上、
図３におけるものと同じ構成要素に異なる符号を付して
いる場合がある他、同じものを異なる名称で呼ぶ場合が
ある。しかし、図面を参照すれば、互いの符号及び構成
要素の対応を知るのは容易であろう。また、図５におい
ては、撓み部材の先端をフォーク状にし、しかも先端部
に行くに従って細くしている。これは、撓み部材の各部
分にかかる応力を均一にするためである。
【００４３】シート重量計測装置５は細長いベース２１
を基体として構成されている。ベース２１は、車体に取
り付けたときに前後方向に延びており、正面断面が上向
きコの字状の鋼板プレス品である。ベース２１の底の部
分を底板２１ｃと呼び、底板２１ｃの左右端から90°曲
がって上に立ち上がる部分を側板２１ａ、２１ａ’と呼
ぶ。このベース２１が図３の支持部１１ａに相当する。
ベース２１は、シートブラケット６を介して車体に固定
されている。
【００４４】ベース側板２１ａ、２１ａ’には、前後そ
れぞれ２箇所ずつのピン孔２１ｅ、２１ｇが開けられて
いる。各孔２１ｅ、２１ｇは、左右の側板２１ａ、２１
ａ’に、対向して開けられている。前寄りの孔２１ｅ
は、(A)に示すように上下に長く延びる長孔である。こ
の長孔２１ｅ内には、ブラケットピン２７が挿通されて
いる。ブラケットピン２７の左右の端部には、リテーナ
ー３３が取り付けられている。このリテーナー３３によ
り、ブラケットピン２７は長穴２１ｅから抜け止めされ
ている。
【００４５】しかし、ブラケットピン２７と長孔２１ｅ
の上下・左右には隙間があって、通常はブラケットピン
２７が長孔２１ｅの内縁に触れることはない。しかしな
がら、このシート重量計測装置９(具体的にはピンブラ
ケット２５の部分)に過大な荷重がかかったときには、
ブラケットピン２７が下がって長孔２１ｅの下縁に当た
り、超過荷重は荷重センサには伝わらない。つまり、ピ
ン２７と長孔２１ｅは、センサ板に加える荷重の上限を
制限する機構の一部を構成する（請求項６に記載する
「所定以上の荷重が前記ロードセル又は荷重測定板に伝
達されないようにする機構」に相当する。）。なお、ブ
ラケットピン２７の主な役割は、ピンブラケット２５に
かかるシート重量をＺアーム（図３における撓み部材１
３に相当する）２３に伝えることである。
【００４６】長孔２１ｅのやや中央寄りにはピン孔２１
ｇが開けられている。同孔２１ｇには、ベースピン３１
（図３における回動軸１４ａに相当する）が貫通してい
る。ベースピン３１は、左右のベース側板２１ａ、２１
ａ’間を掛け渡すように存在する。同ピン３１の左右の
端部にはリテーナー３３が取り付けられており、ベース
ピン３１がベース２１に固定されている。なお、ベース
ピン３１はＺアーム２３の回動中心軸である。
【００４７】Ｚアーム２３は、ベース２１の内側に配置
されている。Ｚアーム２３の平面形状は、中央寄りが左
右二叉に分かれ(叉部２３ｈ)、前端寄りが長方形をして
いる。Ｚアーム２３の前端寄りの半分の部分の左右端部
には、上方に90°折り返された側板２３ａが形成されて
いる（図３における補強側板１３ａに相当する）。叉部
２３ｈは単なる平たい板である。側板２３ａは、ベース
２１の側板２１ａの内側に沿っている。ただし、両側板
２３ａ、２１ａ間には隙間がある。
【００４８】Ｚアーム側板２３ａにも２箇所のピン孔２
３ｃ（図３におけるピン穴１５ａに相当する）、２３ｅ
が開けられている。前端寄りのピン孔２３ｃにはブラケ
ットピン２７が貫通している。ピン孔２３ｃとブラケッ
トピン２７とは、ほとんど摺動しない。中央寄りのピン
孔２３ｅにはベースピン３１が貫通している。ベースピ
ン３１は、Ｚアーム２３の回動中心であり、ピン孔２３
ｅとベースピン３１の間では、Ｚアーム２３の回動分だ
け摺動がある。ベースピン３１外周のベース側板２１ａ
とＺアーム側板２３ａの間には、孔開き円板状のスペー
サがはめ込まれている。
【００４９】Ｚアーム２３の叉部２３ｈは、Ｚアーム２
３の全長のほぼ半分の長さである。同部２３ｈは、左右
に分かれて前後方向中央寄りに延びており、先端部寄り
では巾狭となっている。Ｚアーム叉部２３ｈの先端の作
用部は、二股部２３ｊ（図３二股部１３ｃに対応する）
となっている。
【００５０】ピンブラケット２５は、図に示すように断
面形状が下向きほぼコの字状である。ピンブラケット２
５の上面２５ａは平らであり、ここにシートレール４が
載る。両者の間は、ボルト締結等により強固に連結され
る。
【００５１】ピンブラケット２５の左右側板２５ｂは同
ブラケット２５の左右に垂下しており、その下端部は内
側寄りに曲がっている。側板２５ｂはＺアーム側板２３
ａの内側に遊びを持たせて配置されている。側板２５ｂ
にはピン孔２５ｃが開いている。この孔２５ｃには、ブ
ラケットピン２７が貫通している。ピン孔２５ｃの寸法
はブラケットピン２７の径よりも大きい。両者の隙間に
よりシートや車体の寸法誤差や不測の変形を吸収する。
【００５２】ピンブラケット２５の左右側板２５ｂと左
右のＺアーム側板２３ａの問には、バネ板２９がはさま
れている。バネ板２９は、孔の開いたバネ座金状の部分
を有し、ブラケットピン２７の外側に隙間を持たせては
め込んである。このバネ板２９は、ピンブラケット２５
を中央方向に付勢するセンタリング機構を構成する。こ
のようなセンタリング機構は、ピンブラケット２５をス
ライド可能範囲の中心付近に極力位置させる。
【００５３】シートの荷重は、シートレール４を介して
ピンブラケット２５にかかる。ピンブラケット２５に荷
重がかかると、その荷重はブラケットピン２７を介し
て、Ｚアーム２３を、回動軸であるベースピン３１の周
りに回動させるような力を与える。それにより、撓み部
材であるＺアームの叉部２３ｈが撓み、Ｚアーム２３は
わずかに回動して(最大約５°)、作用部である二股部２
３ｊは荷重測定板に荷重を伝える。
【００５４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項１に係る発明においては、荷重伝達機構により、これ
らの荷重を１個のロードセルに集約して伝達し、１個の
ロードセルでシート荷重全体を測定するようにしている
ので、ロードセルが１個で済み、測定回路や配線が省略
されて安価なものとなる。
【００５５】請求項２に係る発明においては、３箇所の
荷重のうち少なくとも１箇所の荷重を独立して測定する
ことができ、重心位置の測定を行うことが可能となる。
請求項３に係る発明においては、荷重測定機構や、その
前のシート支持部にがたがある場合でも、そのがたはこ
の撓み機構によって吸収されるので、がたによって測定
値が不正確になるのを防止することができると共に、組
み立てが容易になる。
【００５６】請求項４に係る発明においては、レバーが
撓み部で撓んでその長さが変化しても、その変化を吸収
できると共に、組立が容易になる。請求項５に係る発明
においては、がたによって測定値が不正確になるのを防
止することができると共に、組み立てが容易になる。請
求項６に係る発明においては、ロードセル又は荷重測定
板が、所定以上の荷重を受けて破損したり、測定に異常
をきたしたりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明が前提とする自動車用シートとその支持
部を示す概要図である。
【図２】本発明に係るシート荷重計測装置の第１の実施
の形態の概要を示す基本構成図である。
【図３】本発明に係るシート荷重計測装置の第２の実施
の形態の概要を示す基本構成図である。
【図４】本発明に係るシート荷重計測装置の第３の実施
の形態の概要を示す基本構成図である。
【図５】図３におけるシート荷重を受ける部分の構造の
例を示す図である。
【符号の説明】
１…人、２…シート、３…シートフレーム、３ａ…底
板、３ｂ…支持台、３ｃ…縦板、３ｄ…スライド板、４
…シートレール、４ａ…溝、４ｂ…凹部、５…シート荷
重計測装置、６…シートブラケット、７…シートブラケ
ット、１１ａ、１１ｂ、１１ｃ…支持部、１２ａ、１２
ｂ、１２ｃ…側板、１３…撓み部材、１３ａ…補強側
板、１３ｃ…二股部、１４ａ、１４ｂ、１４ｃ…回動
軸、１５ａ、１５ｂ、１５ｃ…ピン穴、１６…左右結合
部材、１７…ロードセル、１７ａ…頭部、１７ｂ…首
部、１８…支持体、１８ａ、１８ｂ…固定部材、１９…
荷重測定板、Ａ、Ｂ、Ｃ…ストレインゲージ、２１…ベ
ース、２１ａ、２１ａ’…側板、２１ｃ…底板、２１
ｅ、２１ｇ…ピン孔、２３…Ｚアーム、２３ａ…側板、
２３ｃ、２３ｅ…ピン孔、２３ｈ…叉部、２３ｊ…二股
部、２５…ピンブラケット、２５ａ…上面、２５ｂ…左
右側板、２５ｃ…ピン孔、２７…ブラケットピン、２９
…バネ板、３１…ベースピン、３３…リテーナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０１Ｇ 19/12 Ｇ０１Ｇ 19/12 Ａ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 乗用車のシートの荷重（シート上に搭載
    されている物体の荷重を含む）を測定する装置であっ
    て、前記シートの荷重を３箇所で受け、それらの荷重
    を、伝達機構を介して１個のロードセルに集約して伝達
    し、１個のロードセルで荷重測定を行うことを特徴とす
    るシート荷重計測装置。
  2. 【請求項２】 乗用車のシートの荷重（シート上に搭載
    されている物体の荷重を含む）を測定する装置であっ
    て、前記シートの荷重を３箇所で受け、それらの荷重
    を、伝達機構を介して歪ゲージが取り付けられた１枚の
    荷重測定板に伝達して荷重測定を行うものであり、前記
    荷重測定板には、前記歪ゲージが、前記３箇所の荷重の
    うち少なくとも１箇所の荷重を独立して測定可能なよう
    に取り付けられていることを特徴とするシート荷重計測
    装置。
  3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２に記載のシート荷
    重計測装置であって、前記伝達機構が、水平方向に向い
    た軸を中心として回動するレバー機構を有し、当該レバ
    ー機構の力点部で前記シートの荷重を受け、作用点で前
    記ロードセル又は荷重測定板に荷重を伝達するものであ
    り、前記回転軸と作用点の間には、撓み機構が設けられ
    ていることを特徴とするシート荷重計測装置。
  4. 【請求項４】 請求項１から請求項３のうちいずれか１
    項に記載の荷重計測装置であって、前記レバーの作用点
    部と前記ロードセル又は荷重測定板の結合部には、前記
    レバーの撓みによって発生する作用点の位置ずれを許容
    するようながたが設けられていることを特徴とするシー
    ト荷重計測装置。
  5. 【請求項５】 請求項１から請求項４のうちいずれか１
    項に記載の荷重計測装置であって、前記レバーの作用点
    部と前記ロードセル又は荷重測定板の結合部には、上下
    方向のがたが設けられていることを特徴とするシート荷
    重計測装置。
  6. 【請求項６】 請求項１から請求項５のうちいずれか１
    項に記載の荷重計測装置であって、シートの荷重を受け
    る部分には、所定以上の荷重が前記ロードセル又は荷重
    測定板に伝達されないようにする機構が設けられている
    ことを特徴とするシート荷重計測装置。
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