JP3663406B2 - シート重量計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置に関する。特には、より高精度の計測が行えるように改良を加えたシート重量計測装置に関する。
【0002】
【背景技術】
自動車には乗員の安全を確保するための設備としてシートベルトやエアバッグが備えられる。最近では、シートベルトやエアバッグの性能をより向上させるため、乗員の重量(体重)に合わせてそれらの安全設備の動作をコントロールしようという動向がある。例えば、乗員の体重に合わせて、エアバッグの展開ガス量や展開速度を調整したり、シートベルトのプリテンションを調整したりする。そのためには、シートに座っている乗員の重量を何らかの手段で知る必要がある。そのような手段の一例として、シートの下の前後左右4隅に荷重センサ(ロードセル)を配置して、ロードセルにかかる垂直方向荷重を合計することにより乗員の重量を含むシート重量を計測する、との提案がなされている(同一出願人による特願平9−156666号、特願平10−121627号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、耐久性があり高精度で低コストのシート重量計測装置を得るには、低い歪を増幅させる歪検出機構を確立する必要がある。また、装置の機構中における部品の製作誤差や摩擦力による計測誤差をできるだけなくする必要がある。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、車両用シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって、より高精度の計測が行えるように改良を加えたシート重量計測装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
上記課題を解決するため、本発明のシート重量計測装置は、車両用シートの内部又はシートと車体の間に挿入された、シート重量に関連した荷重(モーメントをも含む、以下センサ印加荷重ともいう)を受けてこれを電気信号に変換する荷重センサを備え、シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって; 該荷重センサが、センサ印加荷重を受けて弾性変形するセンサ部材と、該センサ部材の1つの表面(歪計測面)に固着されたストレインゲージと、を有し、センサ部材がセンサ印加荷重を受けたときに、該センサ部材の歪計測面の一部にほぼ均一な表面歪の領域が形成され、該領域が、該センサ部材の平面形状においてくびれた部分を挟んで対称配置されており、該ストレインゲージが該領域に固着されていることを特徴とする。
【0006】
ほぼ表面歪の均一な領域にストレインゲージを固着(成膜も含む)すれば、ストレンゲージの位置が多少ズレても歪が変わらないので計測誤差とならない。したがって、計測精度を確保しつつ製造工程の品質要求を下げることができる。
【0007】
本発明に関連するシート重量計測装置は、車両用シートの内部又はシートと車体の間に挿入された、シート重量に関連した荷重(モーメントをも含む、以下センサ印加荷重ともいう)を受けてこれを電気信号に変換する荷重センサを備え、シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって;該荷重センサが、センサ印加荷重を受けて弾性変形する片持ち梁のセンサ部材と、該センサ部材の1つの表面(歪計測面)に固着された複数のストレインゲージと、を有し、センサ印加荷重を受けてセンサ部材が変形したときに、複数のストレインゲージのうちの一部に引張歪がかかり他に圧縮歪がかかるようにセンサ部材を変形させる構成を持つことを特徴とする。
【0008】
上記引張歪のかかるストレインゲージと圧縮歪のかかるストレインゲージをブリッジ回路上で逆位相に接続することにより、ストレインゲージの歪出力を増大させることができる。そのため、高感度の計測を行うにもかかわらず、センサの歪を低減して長寿命化が図れる。
また、ストレインゲージの固着される歪計測面は1つ(例えば板の片面)であるので、スクリーン印刷法などによりストレインゲージや配線層を成膜する場合に、成膜処理が片面で済む。そのためセンサの製造コストを低く抑えることができる。
【0009】
本発明に関連するシート重量計測装置は、車両用シートの内部又はシートと車体の間に挿入された、シート重量に関連した荷重を受けてこれを電気信号に変換する荷重センサを備え、シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって;該荷重センサが、センサ印加荷重を受けて弾性変形するセンサ部材と、該センサ部材の1つの表面(歪計測面)に固着された複数のストレインゲージと、を有し、センサ部材が片持ち梁であり、一方の端を固定部とし、他方の端をセンサ印加荷重を印加する印加部とし、中央部をストレインゲージ固着部とし、固定部及び荷重印加部共に補強部材が当てられており、歪をストレインゲージ固着部に集中させることを特徴とする。
【0010】
ストレインゲージ固着部に歪を集中させることにより、高感度の計測を行える。
【0011】
この態様においては、上記センサ部材の荷重印加部にハーフアームが取り付けられており、該ハーフアームは、荷重印加部に当てられる比較的剛性の高い本体と、この本体から突出する羽根部と、を有するとともに、該羽根部に単純荷重(モーメントでない通常の荷重)の作用点が設けられており、該単純荷重がハーフアーム本体を介して上記センサ部材の荷重印加部に主に曲げモーメントとなって伝わる構造(折り返し構造)を有し、上記ハーフアームの折り返し構造でセンサ部材歪計測面に凹凸歪を付与することが好ましい。
また、上記ハーフアームの単純荷重作用点に、上下荷重以外をスライド式又は回動式に逃す機構が設けられており、上記センサ部材のストレインゲージ固着部が、平面形状においてくびれた部分を挟んで対称配置された圧縮・引張の均一表面歪領域を有することが好ましい。
【0012】
上下以外の前後や回転モーメント荷重が加わっても凹凸部の歪バランスが変わり上下荷重に対する総合感度は変わらない。水平面内の方向(車体前後方向等)のズレがあっても、あるいはセンサ部材に軸重がかかっても圧縮のストレインゲージと引張のストレインゲージで誤差をキャンセルでき、両ストレインゲージの出力を合算した総合感度は誤差のない値となる。
【0013】
また、本発明のシート重量計測装置においては、上記ハーフアームの荷重作用点と上記センサ部材の厚さ方向の中心線とがほぼ同一平面上ないしは±5mm以内の高さ差にあることが好ましい。すなわち、上記作用点に摩擦力(軸力)が作用した場合においても、その摩擦力によりセンサ部材をたわませるモーメントのアームが短い。したがって、摩擦力によってセンサ部材がたわむ程度が少なく、計測誤差が減る。
【0014】
以下、図面を参照しつつ説明する。まず、図9を参照しつつ自動車のシート回りの構造を説明する。
図9(A)は、シートを車体に取り付ける部分の構造例を模式的に示す正面断面図である。図9(B)は、側面図である。なお、図中における矢印は以下の方向を示す。上:車体が水平なときの重力方向上方向、下:同下方向、前:車両前進方向、後:車両後進方向、左:車両前進方向に向かって左、右:同右。
【0015】
図9にはシート3が示されている。シート3のシートクッション3a上に人1が座る。シートクッション3aの下面は鋼板製のシートフレーム5によって支持されている。シートフレーム5は、底板5a、横板5c、縦板5e、スライド板5g等の部位からなる。底板5aはシートクッション3aの下面を覆うように広がっている。横板5cは、底板5aの下面の左右側方に沿って延びている。縦板5eは横板5cの下面中央部から垂下している。スライド板5gは、縦板5eの左右に羽根のように突出しており、さらに先端部は上方に屈曲している。
【0016】
シートレール7は、シート3の左右の下方に、前後方向に延びるように2本平行して設けられている。シートレール7の断面は、U字型をしており、内部に凹部7cが存在する。この凹部7cの上の口は前後方向に延びる溝7aとなっている。この溝7aにはシートフレーム5の縦板5eが入っている。
シートレール7の凹部7c内には、シートフレーム7のスライド板5gが入っている。スライド板5gはシートレール7内で前後方向にスライド可能である。
【0017】
シートレール7の下面にはシート重量計測装置9が連結されている。シート重量計測装置9は、前後方向に延びる細長い箱状の外形をしている。このシート重量計測装置9の詳細については後述する。
シート重量計測装置9の下面の前後端部にはシートブラケット11が取り付けられている。このシートブラケット11は車体のシート取付部13にボルト等により固定されている。
【0018】
図4は、本発明の1実施例に係るシート重量計測装置の全体構成を示す図である。(A)は平面図、(B)は側面断面図、(C)及び(D)は正面断面図である。なお、図4(A)、(B)において後方の約半分の部分は図示省略されている。
図5は、図4のシート重量計測装置のほぼ前半分の部分の斜視図である。
図6は、センサ板周りの詳細構成を示す一部破断斜視図である。
図7は、センサ板の詳細構成を示す平面図である。
図8は、センサ板とハーフアームの関係を示す図である。(A)は平面図、(B)は無荷重状態の側面図、(C)は荷重がかかった状態を模式的に示す側面図である。
【0019】
このシート重量計測装置9は細長いベース21を基体として構成されている。ベース21は、車体に取り付けたときに前後方向に長く延びており、図4(C)、(D)あるいは図5に示すように、正面断面が上向きコの字状の鋼板プレス品である。ベース21の断面の底の部分を底板21cと呼び、底板21cの左右端から90°曲がって上に立ち上がる部分を側板21aと呼ぶ。
【0020】
ベース側板21aには、図5(A)に最もよく示すように、前後それぞれ2カ所ずつのピン孔21e、21gが開けられている。各孔21e、21gは、左右の側板21a、21a′に対向して開けられている。
端寄りの孔21eは、ベース21の前後端からベース21全長の約1/8程度中央に寄った部位に開けられている。同孔21eは、上下に長く延びる長孔である。この長孔21e内には、ブラケットピン27の端部が入っている。
【0021】
ブラケットピン27と長孔21eの上下・左右には隙間があって、通常はブラケットピン27が長孔21eの内縁に触れることはない。しかしながら、このシート重量計測装置9(具体的にはピンブラケット25の部分)に過大な荷重がかかったときには、ブラケットピン27が下がって長孔21eの下縁に当たり、超過荷重は荷重センサ(センサ板51、詳細後述)には伝わらない。つまり、ピン27と長孔21eは、センサ板51に加える荷重の上限を制限する機構の一部を構成する。なお、ブラケットピン27の主な役割は、ピンブラケット25にかかるシート重量をZアーム23に伝えることである。
【0022】
長孔21eのやや中央寄り(ベース21全長の約1/10中央寄りのところ)にはピン孔21gが開けられている。同孔21gには、ベースピン31が貫通している。ベースピン31は、左右のベース側板21a、21a′間を掛け渡すように存在する。ピン31の左右の端部にはリテーナー33が取り付けられており、ベースピン31がベース21に固定されている。なお、ベースピン31はZアーム23の回動中心軸である。
【0023】
Zアーム23は、ベース21の内側に配置されている。Zアーム23の平面形状は、中央寄り(図4、5の右寄り)が左右二叉に分かれ(叉部23h)、端寄りが長方形をしている。Zアーム23の端寄りの半分の部分の左右端部には、上方に90°折り返された側板23aが形成されている。叉部23hは単なる平たい板である。Zアーム側板23aは、ベース21の側板21aの内側に沿っている。ただし、両側面23a、21a間には隙間がある。
【0024】
Zアーム側板23aにも2カ所のピン孔23c、23eが開けられている。前後端寄りのピン孔23cにはブラケットピン27が貫通している。ピン孔23cとブラケットピン27とは、ほとんど摺動しない。中央寄りのピン孔23eにはベースピン31が貫通している。ベースピン31は、Zアーム23の回動中心であり、ピン孔23eとベースピン31の間では、Zアーム23の回動分だけ摺動がある。ベースピン31外周のベース側板21aとZアーム側板23aの間には、孔開き円板状のスペーサ35(図4(D)参照、図5には不図示)がはめ込まれている。
【0025】
Zアーム23の叉部23hは、ほぼZアーム23の全長の半分の長さである。同部23hは、左右に分かれて前後方向中央寄りに延びており、中央寄りでは巾狭となっている。Zアーム叉部23hの先端の作用部23jは、図6に示すように、上下のハーフアーム41、42の羽根部41a、42aの間にはさまれている。
ピンブラケット25に荷重がかかると、Zアーム23はわずかに回動して(最大約5°)、作用部23jはハーフアーム41、42を介してセンサ板51に荷重を伝える。
【0026】
ピンブラケット25は、図4(C)あるいは図5(B)(拡大図)に示すように断面形状が下向き略コの字状である。前後方向の長さは、ベース21のほぼ1/20とあまり長くない。ピンブラケット25の上面25aは平らであり、ここに図5に示すシートレール7が載る。両者の間は、ボルト締結等により強固に連結される。
【0027】
ピンブラケット25の左右側板25bは同ブラケット25の左右に垂下しており、その下端部は内側寄りに曲がっている。側板25bはZアーム側板23aの内側に遊びを持たせて配置されている。側板25bにはピン孔25cが開いている。この孔25cには、ブラケットピン27が貫通している。ピン孔25cの寸法はブラケットピン27の径よりも大きい。両者の隙間によりシートや車体の寸法誤差や不測の変形を吸収する。
【0028】
ピンブラケット25の左右側板25bと左右のZアーム側板23aの間には、バネ板29がはさまれている。バネ板29は、孔の開いたバネ座金状の部分を有し、ブラケットピン27の外側に隙間を持たせてはめ込んである。このバネ板29は、ピンブラケット25を中央方向に付勢するセンタリング機構を構成する。このようなセンタリング機構は、ピンブラケット25をスライド可能範囲の中心付近に極力位置させる。このセンタリング機構の作用により、シート重量計測装置取り付け後において、スライド機構や回動機構の可動範囲を両方向(左右、上下、前後)に確保することができる。
【0029】
次にセンサ板(センサ部材)51周りの構成について説明する。
まずセンサ板51自体の構成を説明する。
図7は、本発明の1実施例に係るシート重量計測装置のセンサ板の構成例を示す図である。図7(A)はセンサ板の平面図であり、(B)は(A)のストレインゲージ及び配線部の断面構造を模式的に示す側面断面図であり、(C)はセンサの回路図である。
【0030】
センサ50の母材であるセンサ板(バネ材)51の上には、電気絶縁のための絶縁層(下絶縁層)52が形成されている。この絶縁層52の上に配線層53が選択的に形成されている。さらに、この配線層53の上に抵抗層54が選択的に形成され、ストレインゲージが構成されている。そして、それらの保護膜としての絶縁層(上絶縁層)55が形成されている。このように、バネ材51の上に抵抗などの電気回路を直接に積層形成しているので、加工コストや組付けコストを低減でき、さらに耐熱性や耐腐食性を向上できる。
【0031】
センサ板51は、全体として二カ所のくびれの入った長方形の板である。センサ板51の中央部には中心軸孔51aが開けられている。センサ板51の両端部には、ボルト孔51bが開けられている。中心軸孔51aの周縁から中心軸孔51aと両ボルト孔51bの間にかけて、センサ50が形成されている。荷重センサ50の形成領域のうち中心軸孔51aと両ボルト孔51bの間の領域51cには、両側にV字状にえぐられたくびれが設けられている。このくびれにより、センサ板51が変形する部分が位置的に固定されるため、センサ50の表面歪の位置変化も固定され感度が安定となる。
【0032】
センサ50は、中心軸孔51aの中心に対してほぼ左右対称に配置されている。センサ50を構成する4個の歪抵抗(ストレインゲージ)は、ボルト孔51b寄り(端寄り)に引張歪側の2個の歪抵抗54a、54bが配置されており、中心軸孔51a寄り(中央寄り)に、圧縮歪側の2個の歪抵抗54c、54dが配置されている。そして、4個の歪抵抗54a、54b、54c、54dは、図(C)のようなブリッジ回路を形成するように、配線53a、53b、53c、53dにより接続されている。なお、図中の四角の中に1、2、3、4の数字が入っているものは端子を示す。
【0033】
歪抵抗54a、54cと歪抵抗54b、54dの間には、感度調整抵抗54eが配置されている。
なお、歪抵抗54a、54b、54c、54dによってセンサ板51の歪を検出する代わりに、静電容量センサやホール素子等によってセンサ板51のたわみを検出し、そのたわみを荷重に換算してもよい。
【0034】
次にセンサ板51周りの構造を図6、図8を参照しつつ説明する。
センサ板51は、ベース底板21cの中央部において、コラム63上に、座金67、ナット68により強固に固定されている。
【0035】
ハーフアーム41、42は、前後・上下4枚組みの部品であって、センサ板51の前後を上下から挟むように組み込まれている。個々のハーフアーム41、42は同じ形状をしているので、上ハーフアーム41について説明する。
ハーフアーム本体部41cは、長方形の板状のものであってその中央部には取付孔41e(図8(B)参照)が開いている。本体部41cの中央寄りの縁部には、後方(又は前方)及び左右方向に延びる羽根部41aが突設されている。羽根部41aの裏面には、左右方向に延びる堤状の支点41bが形成されている。支点41bの先はやや尖った稜となっている。
【0036】
次に、上下ハーフアーム41、42、センサ板51、Zアーム作用部23jの組み立て構造について説明する。
上ハーフアーム41の本体部41cの下面及び下ハーフアーム42の本体部42cの上面はフラットな面であって、センサ板51の表面にピッタリ合わせてビス43で固定されている。上下のハーフアーム41、42の羽根部41a、42aは、支点41b、42b同士を対向させて向かい合っている。両支点41b、42bの間にはZアーム23の作用部23jが挟まれている。なお、支点の位置は、2枚のストレインゲージ54a、54cあるいは54d、54bのちょうど中間(センサ板51のくびれ部51c)に位置する。
【0037】
シート重量計測装置9のピンブラケット25に荷重がかかると、Zアーム23がわずかに回動してその作用部23jが上に持ち上げられる。このときのセンサ板やハーフアームの様子を模式的に誇張して示すのが図8(C)である。
Zアーム作用部23jが持ち上げられると、上ハーフアーム41の支点41bが持ち上げられる。このため、センサ板51の前後方向端部にモーメントMがかかる。このモーメントMにより、前後方向端部のストレインゲージ54a、54bは引っ張られ、中央部のストレインゲージ54c、54dは圧縮される。これによる各ストレインゲージの抵抗変化を電気信号として取り出して、センサ板の歪ひいてはピンブラケット25にかかる荷重を計測する。
【0038】
次に、図1、2、3を参照しつつ本発明の1実施例に係るシート重量計測装置のセンサ板周辺の構造の作用について説明する。
図1は、本発明の1実施例に係るシート重量計測装置のセンサ板周辺の構造の作用を説明するための図である。(A)は側面図である、(B)はセンサ板の平面図である、(C)はセンサ板表面の歪分布を模式的に示すグラフである。なお、図はいずれもセンサ板の前半部及び中央部を示す。
図2は、ハーフアームの支点に軸力(前後方向の力)がかかった場合の作用を説明するための側面図である。
図3は、ハーフアームの支点にかかる軸力が計測データに及ぼす影響を調べたデータのグラフである。
【0039】
図1(A)に示すように、Zアーム23はシート重量に応じて上方にわずかに回動し(図4(B)参照)、ハーフアーム41の羽根部41aの支点41bを持ち上げる。この持ち上げる力Wに応じて、ハーフアーム本体部41cからセンサ板51にモーメントMが伝わる。モーメントMによりセンサ板51は凹凸にたわみ、表面歪が引張(+)の領域51yと、表面歪が圧縮(−)の領域51zが生じる。
【0040】
ここで、上述のように、センサ板51の端部を上下から挟むハーフアーム41及び42の本体部41c及び42cは分厚く剛性が高いので、同部41c、42cによって挟まれているセンサ板51の荷重印加部51xはほとんど歪まない。また、センサ板51の中央部(固定部51w)も、剛性の高い座金67やコラム63に上下から挟まれているので、同部51wもほとんど歪まない。
【0041】
一方、荷重印加部51xと中央固定部51wの間の部分は、図1(B)に示すように、真中にくびれ部51cを挟んで、二つの略三角形の部分が対向している平面形状となっている。この部分には、引張側の均一表面歪領域51yと圧縮側の均一表面歪領域51zが形成される。領域51y、51zには、引張側のストレインゲージ54a又は圧縮側のストレインゲージ54cが固着されている。
【0042】
このため、上記引張歪のかかるストレインゲージと圧縮歪のかかるストレインゲージをブリッジ回路上で逆位相に接続することにより、ストレインゲージの歪出力を増大させることができる。そのため、高感度の計測を行うにもかかわらず、センサの歪を低減して長寿命化が図れる。
また、ストレインゲージの固着される歪計測面はセンサ板51の片面であるので、スクリーン印刷法などによりストレインゲージや配線層を成膜する場合に、成膜処理が片面で済む。そのためセンサの製造コストを低く抑えることができる。
【0043】
また、ほぼ表面歪の均一な領域にストレインゲージを固着(成膜も含む)すれば、ストレンゲージの位置が多少ズレても歪が変わらないので計測誤差とならない。したがって、計測精度を確保しつつ製造工程の品質要求を下げることができる。
【0044】
さらに、ストレインゲージ固着部に歪を集中させることにより、高感度の計測を行えるとともに他の部分の部品の製作誤差・組立誤差があっても計測誤差が生じることがない。
【0045】
次に、Zアーム23からハーフアームに作用する軸力について、図2を参照しつつ説明する。前述のように、Zアーム23の作用部23jからは、ハーフアーム41の羽根部41aの支点41bに力Wが作用する。この力Wは、ハーフアーム23の構造から、ほとんどが上下方向の力Wv である。しかし、一部に水平方向の成分Wh が混在することもありうる。また、Zアーム23の伸びや位置ズレにより、支点41bに横方向の摩擦力が作用することもあり得る。
【0046】
摩擦や変形による力については、Zアーム作用部23jと支点41bとが軸方向(前後方向)に拘束されておらず、滑りやすい線接触構造となっているので、極力ハーフアーム41に軸力がかからない(逃す)ようにすることができる。
さらに、軸力Wh がかかった場合においても、引張側のストレインゲージ54aと圧縮側54cの出力を差し引くことにより、センサ板51に働く軸方向応力をキャンセルできる。
【0047】
この様子を示すのが図3である。図3のグラフの横軸はシートにかかる荷重(単位kgf)を表し、縦軸はストレインゲージの出力(単位mV)を表す。
図中に示す圧縮側及び引張側のストレインゲージの出力には、荷重の上げ下げに伴うヒステリシスがはっきりと見られる。これは、荷重の上げ下げ時にZアームとハーフアーム間に軸力が生じているためである。しかし、引張側から圧縮側を差し引いた合計には、ほとんどヒステリシスが見られず、リニアリティーのよいデータとなっている。これは、上述の軸力キャンセル作用のおかげである。
【0048】
すなわち、上下以外の前後や回転モーメント荷重が加わっても凹凸部の歪バランスが変わり、センサの上下荷重に対する総合感度は変わらない。つまり、水平面内の方向(車体前後方向等)のズレがあっても、あるいはセンサ板に軸重がかかっても圧縮のストレインゲージと引張のストレインゲージで誤差をキャンセルでき、両ストレインゲージの出力を合算した総合感度は誤差のない値となる。
【0049】
なお、軸力Wh があると、センサ板51の中心線とハーフアーム支点41bとの間隔S(図2)がモーメントアームとなって、Wh ×Sのモーメントがセンサ板51にかかり誤差要因を生むこととなる。そこで、本発明のシート重量計測装置においては、上記ハーフアーム41の荷重作用点41bと上記センサ板51の厚さ方向の中心線とがほぼ同一平面上ないしは±5mm以内の高さ差にあるようにしている。すなわち、上記作用点41bに摩擦力(軸力Wh )が作用した場合においても、その摩擦力によりセンサ板をたわませるモーメントのアームが短い。したがって、摩擦力によってセンサ板がたわむ程度が少なく、計測誤差が減る。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、車両用シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置において、耐久性があり高精度で低コストのシート重量計測装置を得ることができる。また、装置の機構中における部品の製作誤差や摩擦力による計測誤差の少ないシート重量計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係るシート重量計測装置のセンサ板周辺の構造の作用を説明するための図である。(A)は側面図である、(B)はセンサ板の平面図である、(C)はセンサ板表面の歪分布を模式的に示すグラフである。なお、図はいずれもセンサ板の前半部及び中央部を示す。
【図2】ハーフアームの支点に軸力(前後方向の力)がかかった場合の作用を説明するための側面図である。
【図3】ハーフアームの支点にかかる軸力が計測データに及ぼす影響を調べたデータのグラフである。
【図4】本発明の1実施例に係るシート重量計測装置の全体構成を示す図である。(A)は平面図、(B)は側面断面図、(C)及び(D)は正面断面図である。
【図5】図5(A)は図4のシート重量計測装置のほぼ前半分の部分の斜視図であり、図5(B)は図5(A)の左右方向に沿う一部断面図である。
【図6】センサ板周りの詳細構成を示す一部破断斜視図である。
【図7】本発明の1実施例に係るシート重量計測装置のセンサ板の構成例を示す図である。図7(A)はセンサ板の平面図であり、図7(B)は図7(A)のストレインゲージ及び配線部の断面構造を模式的に示す側面断面図であり、図7(C)はセンサの回路図である。
【図8】センサ板とハーフアームの関係を示す図である。(A)は平面図、(B)は無荷重状態の側面図、(C)は荷重がかかった状態を模式的に示す側面図である。
【図9】(A)は、シートを車体に取り付ける部分の構造例を模式的に示す正面断面図である。(B)は、側面図である。
【符号の説明】
1 人 3 シート
3a シートクッション 5 シートフレーム
5a 底板 5c 横板
5e 縦板 5g スライド板
7 シートレール 7a 溝
7c 凹部 9 シート重量計測装置
11 シートブラケット 13 車体(シート取付部)
21 ベース 21a 側板
21c 底板 21e 長孔(ピン孔)
21g ピン孔 23 Zアーム
23a 側板 23c ピン孔
23e ピン孔 23h 叉部
23j 作用部 25 ピンブラケット
25a 上面 25b 側板
25c 孔 27 ブラケットピン
29 バネ板 31 ベースピン
33 リテーナー 35 スペーサ
41 上ハーフアーム 41a、42a 羽根部
41b 支点 41c、42c 本体部
41e 取付孔 42 下ハーフアーム
43 ビス 50 センサ部
51 センサ板 51a 中心軸孔
51b ボルト孔 51c くびれ部
51w 中央固定部 51x 荷重印加部
51y 引張領域 51z 圧縮領域
52 絶縁層(下絶縁層) 53 配線層
53a、53b、53c、53d 配線
54 抵抗層 55 絶縁層(上絶縁層)
54a、54b、54c、54d 歪抵抗
54e 感度調整抵抗 63 コラム
67 座金 68 ナット

Claims (3)

  1. 車両用シートの内部又はシートと車体の間に挿入された、シート重量に関連した荷重(モーメントをも含む、以下センサ印加荷重ともいう)を受けてこれを電気信号に変換する荷重センサを備え、シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって;
    該荷重センサが、センサ印加荷重を受けて弾性変形するセンサ部材と、該センサ部材の1つの表面(歪計測面)に固着されたストレインゲージと、を有し、
    センサ部材がセンサ印加荷重を受けたときに、該センサ部材の歪計測面の一部にほぼ均一な表面歪の領域が形成され、該領域が、該センサ部材の平面形状においてくびれた部分を挟んで対称配置されており、
    ストレインゲージが該領域に固着されていることを特徴とするシート重量計測装置。
  2. 前記歪計測面に引張及び圧縮の均一表面歪領域がそれぞれ形成され、各々の領域にストレインゲージがそれぞれ固着されていることを特徴とする請求項記載のシート重量計測装置。
  3. 該センサ部材が、均一な厚みで部分的に幅の異なるセンサ板であり、
    該センサ板が片持ち梁であり、一方の端を固定部とし、他方の端を荷重印加部とし、中央部をストレインゲージ固着部とし、固定部及び荷重印加部共に補強部材が当てられており、歪を該ストレインゲージ固着部に集中させることを特徴とする請求項1又は2記載のシート重量計測装置。
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