JP2001107894A - 軸流ファン - Google Patents
軸流ファンInfo
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Abstract
切り替え可能な軸流ファンにおいて、正逆いずれの運転
においても軸流ファンの効率を向上させる。 【解決手段】回転方向可逆式の電動機2の両側に、羽根
車3a、3bおよびコーン11a、11bが設けられて
いる。電動機2の回転方向に応じて空気の流れをA、B
のいずれかに切り替える。A方向に空気を送るときは、
前段側の羽根車3bの翼4bが回転し、軸方向成分と周
方向速度成分とを有する噴流が羽根車から噴出される。
羽根車3a、3b間には、小径のステー12が設けられ
ており、電動機2を保持している。このステーの径は、
小計であるので、流れをほとんど邪魔せず、気流は流れ
方向を変えずに後段の羽根車3bに流入する。羽根車3
bは、羽根車3aと同一方向に同一速度で回転している
ので、気流はほとんど仕事をしないで吸込み口から外部
に送風される。
Description
特に双方向に吹き出し方向を切り替え可能なジェットフ
ァンに好適な軸流ファンに関する。
の換気等に用いられるジェットファンは、トンネルの天
井に配置されるので、メインテナンスを可能な限り少な
くすることが望まれる。また、トンネル内の車両の流れ
具合や風の方向に応じて換気を容易にできるようにする
ために、トンネル内での空気の流れを順方向及び逆方向
に切換えるようにしている。そして軸流ファンに流入
し、流出する気流の乱れを低減するために、吸込み口及
び内筒形状が定められている。
めに、ステーが用いられるが、このステーが気流を乱す
ことになるので、内筒代わりに、たとえば特許登録第2
712800号公報や実用新案登録第2569693号
公報に記載される軸流ファンでは、羽根車と一体で回転
するコーンを羽根車に取り付けて、ステーを不要にして
いる。
技術に示した軸流ファンでは、一方向にのみ噴流を吹き
出すように運転しているので、羽根車間に設けたステー
を静翼として設計し、流れ方向を調整している。しか
し、最近のトンネルにおいては、車両の走行状態により
トンネルファンの流れ方向を変化させることが望まれて
おり、一方向にのみ流すファンでは生じなかった不具合
を生じている。つまり、軸流ファンからの流れを順方向
及び逆方向の双方向に流す場合、静逆両流れにおいて同
程度の性能を得るためには、片方の流れにのみ合った静
翼を用いることはできない。そのため、ステーをもはや
静翼と同様に設計することができない。
鑑みなされたものであり、その目的は、正逆双方向に運
転が可能な軸流ファンにおいて、正逆いずれの運転にお
いても軸流ファン効率を高めることにある。
の本発明の第1の特徴は、電動機の両軸端部に軸流羽根
車を有し、円筒状のケーシング内に電動機を収納した正
逆回転可能な軸流ファンにおいて、羽根車よりも軸端部
にこの羽根車と同期回転するコーンを設け、一方の羽根
車から噴出される気流の周方向流れ成分をほぼ保持した
まま他方の羽根車へ導くとともに、電動機を支持する支
持手段をケーシングに設けたものである。
間に電動機の載置台を設けたものである。また、支持手
段は、複数の周方向にほぼ等間隔で配置された針金を有
する、または支持手段は、網目状であることがのぞまし
い。
特徴は、周方向に間隔を置いて配置された複数の翼を有
する軸流羽根車を電動機の両軸端部に備え、円筒状のケ
ーシング内に電動機を収納した正逆回転可能な軸流ファ
ンにおいて、羽根車よりも軸端部にこの羽根車と同期回
転するコーンを、電動機にこの電動機を支持する支持手
段をそれぞれ設け、複数の翼の仕事が、先端部でその他
の部分より少ないものである。
記羽根車から噴出される気流の周方向流れ成分をほぼ保
持したまま他方の羽根車へ導くものである。また、複数
の翼における翼弦長と翼ピッチの比である弦節比を、先
端から翼高さ中央にかけて徐々に大きくし、翼高さ中央
から根元にかけてほぼ一定とするか、複数の翼における
翼最大厚みと翼弦長の比である厚み比を、先端から翼高
さ中央にかけて徐々に大きくし、翼高さ中央から根元に
かけてほぼ一定とすることが望ましい。
を図面により説明する。図1は本発明による軸流ファン
の一実施例の縦断面図であり、図2はそのC-C断面図で
ある。ケーシング1内に配置された電動機2は、回転方
向を双方に切り替え可能である。この電動機2では、両
側に回転軸8a、8bが突出している。一方の回転軸8
aには、周方向にほぼ等間隔に複数の翼4aが配置され
た羽根車3aと、この羽根車3aと一体に回転するコー
ン11aが固定されている。他方の回転軸8bにも、周
方向に保母等間隔に複数の翼4bが配置された羽根車3
bと、この羽根車3bと一体に回転するコーン11bが
固定されている。電動機2は、ステー12により支持さ
れている。
機2が一方向に回転すると、その前後の羽根車3a、3
bの翼4a、4bも同方向に回転する。これにより、吸
込み口10a、または吸込み口10bから吸込まれた空
気が加圧されて、他方の吸込み口10bまたは吸込み口
10aから吐出される。
る。この場合、ケーシング1の吸込み口10bから矢印
A方向に吸込まれた空気は、前段側の羽根車3bの翼4
bの回転により電動機2側に噴流となって吹き出され
る。この噴流は、軸方向成分と周方向速度成分とを有し
ている。羽根車3aから吹き出された噴流は、後段側の
羽根車3aに送り込まれる。その際、噴流はその流れ方
向をほとんど変えないで、羽根車3aに流れ込む。すな
わち、噴流は羽根車3aに流入する際に、周方向速度成
分がほとんど失われない。
bと同一回転方向および同一回転速度で回転している。
そこで、後段側の羽根車3aの翼4aの出口角を、前段
側の羽根車3bから噴出される気流の方向とほぼ同じに
設定しておく。この結果、後段側の羽根車3aにおける
仕事が減少する。
ーシング1の他方の吸込み口10aから排出される。そ
の際、羽根車3aの直後に設けたコーン11aと、ケー
シング1の間の流路を、羽根車3aから吹き出された気
流が通過する。このとき、気流の周方向速度成分の幾分
かは、静圧に変換される。コーン11aは、先端部にい
くにつれて徐々に直径が減少する球面状をしている。こ
のため、羽根車3aから噴出した気流は、コーン11a
の先細り形状に伴って、内径側に向かって徐々に広がっ
ていく。そして、ケーシング1の吸込み口10aから吹
き出すときには、吸込み口10aの断面でほぼ均一な速
度分布となっている。
し、ケーシング1内の空気の流れを矢印B方向にする場
合も同様である。但し、この場合には、前段側の羽根車
は羽根車3aであり、後段側の羽根車は羽根車3bであ
る。図2は、図1のC−C断面図であり、前段側の羽根
車と後段側の羽根車間に設けたステー12の詳細図であ
る。電動機2を載置する載置台7は、複数のパイプ状を
なす小径のステー12を介してケーシング1の内面に取
り付けられている。ここで、複数のステー12は、前段
の羽根車から噴出する噴流の周方向速度成分ができるだ
け減少しないように配置されている。このステー12径
及び本数は、電動機2を安定して保持できるように設定
されている。なお、本実施例では、ステー12は、電動
機2の下側にのみ配置した。
出された噴流は、周方向速度成分をほとんど減少しない
で、後段側の羽根車に流入するので、前段側の羽根車と
後段側の羽根車の仕事の配分を、従来はそれぞれ約50
%であったものを、約95%と5%程度に改善すること
ができる。さらに、本実施例に示したものを実験した結
果、従来64%程度であったファン効率を68%まで向
上できた。これは、本実施例が従来技術よりも空気流に
与える仕事は少ないが、空気流に与える仕事の減少に比
べて軸動力の減少が大きいことによる。
り、図2と同様に軸直角断面図で示している。図2にお
いてはステーは円柱状であったが、本変形例では細い針
金のステー13を用いている。細い針金のステー13を
複数本、電動機2とケーシング1間に張り巡らすことに
より、電動機2をケーシング1内に保持している。この
場合、針金13の張力を利用するために、針金は周方向
に均等位置に設けるのがよい。本変形例では、針金の面
積が少ないので、流れを邪魔する恐れが無い。
形例であり、図1の電動機2部の横断面図である。本変
形例では、円柱状のステーの代わりに、網状のステー1
4を用いている。電動機2を載置する載置台7を、複数
の網状のステー14によりケーシング1に固定してい
る。前段側の羽根車から噴出した気流は、これらステー
14の網目を通して流れるが、その際、周方向速度成分
はほとんど減少せず、後段側に流入する。したがって、
後段側の羽根車が流れを乱す恐れが無い。
側と後段側の両方に羽根車を備えているが、正逆可変の
羽根車1段のみを有する軸流ファンであっても、ステー
に上記実施例及び変形例で示したものを用いれば、効率
の向上が望める。
いて説明する。本実施例が図1に示した実施例と異なる
点は、翼の負荷分布を変えたことにある。つまり、従来
の軸流ファンにおいては、翼の付け根から翼の先端まで
ほぼ均一に仕事をする翼を採用していたが、本実施例で
は、翼の先端側(外径側)に仕事の配分を多くし、翼の付
け根側(内径側)の仕事の配分を少なくしている。つま
り、前段側羽根車における流れの絶対周方向速度成分
を、外径側で大きくし、内径側で小さくしている。この
ような羽根車を用いた軸流ファンにおいて、翼の半径方
向の仕事量分布を測定した結果を図6に示す。図6にお
いて、横軸は仕事量(ヘッド)を、縦軸は翼の半径方向
位置(r0=翼付け根の半径位置、r=翼の任意の半径
位置)を表している。白丸で示したグラフは、前段側の
羽根車についての実験結果であり、黒丸で示したグラフ
は、後段側の羽根車についての実験結果である。電動機
2を、図2に示したステーを用いて支持した。本実施例
によれば、軸流ファンの効率が73%となり、図2に示
した場合に比べてさらに効率が向上し、消費電力を大幅
に低減した。
る翼形状を示す。本図は、翼4a、4bの子午面形状を
示す図であり、図7はその翼の半径一定位置での断面で
あり、周方向に展開した図である。翼弦長Cと翼ピッチ
Pの比である弦節比σ(C/P)を翼先端(最外径位置)
から翼高さ中央(中間半径位置)までは大きくし、翼高さ
中央から根元(最内径位置)までを一定にしている。本実
施例にかかる翼(白丸)と従来翼(黒丸)との弦節比の比較
を図8に示す。
来翼では、根元付近で隣り合う翼との重なり部が最も長
く、流速が速い区間が長い。このため、根元付近の損失
が大きくなる。本実施例の翼は、翼高さ中央から根元に
かけて弦節比を一定としている。その結果、翼根元付近
で流速が速い区間が極端に長くなることはない。そし
て、翼損失を低減でき、軸流ファンの効率向上が可能に
なる。効率がよい弦節比の範囲は、先端弦節比σtに対
する比(σ/σt)で、1.8〜1.9の範囲である。
り、図7と同様の断面図である。翼最大厚みtmaxと翼
弦長Cの比である厚み比γ(tmax/C)を、翼先端か
ら翼高さ中央にかけて大きくし、翼高さ中央から根元に
かけてほぼ一定としている。本実施例と従来翼との厚み
比の比較を、図10に示す。ここで、γtは翼先端にお
ける厚み比である。翌根本付近の翼厚さが厚いので、根
元付近で隣り合う翼との重なり部の流路幅が最も狭くな
って、流れを増速していた従来翼に比べ、本実施例では
翼厚さを根元付近で薄くしたので、流れは増速しにく
く、損失を低減できる。なお、翼の強度を確保し、効率
を向上できる厚み比の範囲は、先端厚み比γtに対する
比(γ/γt)で、1.25〜1.5の範囲である。
段の軸流羽根車を有し双方向に送風可能な軸流ファンに
おいて、羽根車間に設けられた電動機を支持するステー
があっても流れの周方向成分をほぼ保てるので、軸流フ
ァンの正逆いずれの運転においても軸流ファン効率を向
上できる。
である。
る。
る。
明するグラフである。
午面形状を示す図である。
示した図である。
である。
a、4b…翼、5a、5b…内筒、6…ステー、7…載
置台、8a、8b…電動機の回転軸、9a、9b…ステ
ー、10a、10b…吸込口、11a、11b…コー
ン、10…針金ステー、11…網状板ステー、12…パ
イプ状ステー、13…針金状ステー、14…網状ステ
ー。
Claims (8)
- 【請求項1】電動機の両軸端部に軸流羽根車を有し、円
筒状のケーシング内に前記電動機を収納した正逆回転可
能な軸流ファンにおいて、 前記羽根車よりも軸端部にこの羽根車と同期回転するコ
ーンを設け、一方の前記羽根車から噴出される気流の周
方向流れ成分をほぼ保持したまま他方の羽根車へ導くと
ともに、前記電動機を支持する支持手段を前記ケーシン
グに設けたことを特徴とする軸流ファン。 - 【請求項2】前記電動機と前記支持手段との間に電動機
の載置台を設けたことを特徴とする請求項1に記載の軸
流ファン。 - 【請求項3】前記支持手段は、複数の周方向にほぼ等間
隔で配置された針金を有することを特徴とする請求項1
に記載の軸流ファン。 - 【請求項4】前記支持手段は、網目状であることを特徴
とする請求項1に記載の軸流ファン。 - 【請求項5】周方向に間隔を置いて配置された複数の翼
を有する軸流羽根車を電動機の両軸端部に備え、円筒状
のケーシング内に前記電動機を収納した正逆回転可能な
軸流ファンにおいて、 前記羽根車よりも軸端部にこの羽根車と同期回転するコ
ーンを、前記電動機にこの電動機を支持する支持手段を
それぞれ設け、前記複数の翼の仕事が、先端部でその他
の部分より少ないことを特徴とする軸流ファン。 - 【請求項6】前記支持手段は、一方の前記羽根車から噴
出される気流の周方向流れ成分をほぼ保持したまま他方
の羽根車へ導くことを特徴とする請求項5に記載の軸流
ファン。 - 【請求項7】前記複数の翼における翼弦長と翼ピッチの
比である弦節比を、先端から翼高さ中央にかけて徐々に
大きくし、翼高さ中央から根元にかけてほぼ一定とした
ことを特徴とする請求項1または請求項6に記載の軸流
ファン。 - 【請求項8】前記複数の翼における翼最大厚みと翼弦長
の比である厚み比を、先端から翼高さ中央にかけて徐々
に大きくし、翼高さ中央から根元にかけてほぼ一定とし
たことを特徴とする請求項1または請求項6に記載の軸
流ファン。
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JP28383799A JP3602991B2 (ja) | 1999-10-05 | 1999-10-05 | 軸流ファン |
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ID=17670812
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-
1999
- 1999-10-05 JP JP28383799A patent/JP3602991B2/ja not_active Expired - Lifetime
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