JP2001107453A - 通し柱の製造方法 - Google Patents

通し柱の製造方法

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JP2001107453A
JP2001107453A JP28530699A JP28530699A JP2001107453A JP 2001107453 A JP2001107453 A JP 2001107453A JP 28530699 A JP28530699 A JP 28530699A JP 28530699 A JP28530699 A JP 28530699A JP 2001107453 A JP2001107453 A JP 2001107453A
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nut
column
pipe
joint
connection portion
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JP28530699A
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Masatsugu Fujita
正継 藤田
Osamu Mochizuki
修 望月
Takayuki Ishii
孝幸 石井
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外側からの作業で梁材をボルト止め可能な仕
口部を備え且つ梁材取付位置の近傍に溶接接合部を有し
ない構成の通し柱の製造方法を提供する。 【解決手段】 角形鋼管に、その一端から管外径の1倍
長さ以遠、5倍長さ以近の区間内に管肉厚を大きくした
厚肉部を設けて仕口部5を形成したのち、該仕口部に梁
材4を締結するためのボルト穴を設け、次いで、仕口部
5の内面に管端の開口を利用して受けナットを回転不能
に仕込んで柱材ユニット2を構成し、該柱材ユニットの
複数体の端部同志を溶接接合してして長尺化すること
で、通し柱1を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数階の建物に、
複数階に渡って設ける通し柱の製造方法に関し、特に、
角形鋼管を用いた通し柱の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の柱として角形鋼管が使用さ
れている。この角形鋼管製の柱に梁材を接合するには、
一般に、角形鋼管の端部に、外ダイアフラムを備えた仕
口部材を溶接接合し、その仕口部材の外ダイアフラムに
梁材を溶接接合する方法が採られている。また、これに
代わる方法として、内ダイアフラムを備えた仕口部材
に、その外壁を貫通して更に内ダイアフラムに貫入する
ねじ穴を備えたものを柱材の端部に溶接接合し、前記ね
じ穴に梁材をボルト接合する方法も知られている。
【0003】しかしながら、これらの仕口部材を用いる
方法では手間のかかった仕口部材を用いる必要があるこ
とからコスト高となる。更に、梁材からの横荷重を受け
る梁接合部(仕口部材)の近傍に柱材との溶接接合部が
あるため、この溶接接合部に大きい曲げモーメントが作
用するところとなって、溶接接合部の安全性確保のため
に溶接の施工、品質管理に大幅強化を要しており、この
点からもコスト高となる。
【0004】そこで、仕口部材を使用しないで、角形鋼
管の柱材に梁材を接合する方法として、長尺の角形鋼管
の中間領域の複数個所に厚肉部を形成し、且つその厚肉
部にワンサイドボルトを通すための穴を形成した通し柱
を製造し、建築現場において、その通し柱の厚肉部に梁
材をワンサイドボルトを用いて接続する方法が特開平8
−120775号公報(発明の名称「通し柱用金属条
材」)に開示されている。この公報に開示の通し柱は、
建築現場で溶接接合する必要がなく、単に梁材をワンサ
イドボルトを用いて取り付ければ良いので、現場での作
業性が良いという効果を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
開公報に記載の通し柱にも更に改良すべき問題点があっ
た。すなわち、上記公開公報では、通し柱に対する梁材
の接合にワンサイドボルトを用いているが、ワンサイド
ボルトは建築用に広く使用されている高力ボルトに比べ
てコスト高となるばかりでなく、締め込み時に構成部品
に塑性変形を生じさせるため、大きい締め込みトルクを
必要とし作業性が悪いという問題点があった。なお、ワ
ンサイドボルトを使用する代わりに、通し柱の厚肉部に
ねじ穴を形成し、通常のボルトでねじ止めすることも考
えられるが、厚肉部の肉厚を、高力ナットと同等の強度
を確保しうるように厚くすることが困難であるという問
題が生じる。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、梁材取付け用の強化された厚肉部で構成さ
れた仕口部を複数個所に有し、該仕口部の外側からの作
業で梁材のボルトナット締結を行うことができ、且つ、
梁材取付位置の近傍に溶接接合部を有しない構成の通し
柱の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、柱として使用する角形鋼管に、その一端から
管外径の1倍長さ以遠、5倍長さ以近の区間内に熱間据
込み加工により管体の一部を増肉させて管肉厚を大きく
した厚肉部を設けて仕口部を形成したのち、該仕口部に
梁材締結用のボルト穴を設け、次いで、該ボルト穴に対
応する位置に、管端の開口を利用して受けナットを回転
不能に仕込んで柱材ユニットを構成し、該柱材ユニット
の複数体を、端部同志を溶接接合して長尺化し、通し柱
を製造するという構成としたものである。この構成によ
り、前記した仕口部は管端の開口より管外径の5倍より
も近い位置に形成されるため、その仕口部に受けナット
を仕込む際に仕口部内面への作業が必要であっても、容
易に実施できる。また、製造された通し柱は、梁材取付
用の仕口部に受けナットを仕込んでいるので、その仕口
部に梁材を通常のボルトを用いて容易に固定でき、建築
現場における梁材取付作業を容易に行うことができる。
更に、仕口部に梁材を取り付ける際、通常、その梁材か
ら仕口部の端部までは管外径の0.5倍程度の余裕を設
けるので、通し柱における梁材取付位置から溶接接合部
までの距離は、管外径の1.5倍以上となり、そのた
め、梁材から横荷重を受けることによって通し柱の溶接
接合部に作用する曲げモーメントは、梁材取付位置に比
べてかなり減少しており、溶接接合部の安全性確保に係
るコスト増は生じない。更に又、最大の曲げモーメント
が作用する上記仕口部自体は熱間据込み加工により管体
の一部を増肉させて通常の管体部分と一体的に形成した
厚肉部であるから、仕口部内には接合部が存在せず、仕
口部の確実な強化を図ることができ、この点からも安全
性を確保できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の通し柱の製造方法は、梁
材取付け用の強化された仕口部を複数個所に有し、該仕
口部の外側からの作業で梁材のボルトナット締結を行う
ことができ、且つ、梁材取付位置から柱外径の1.5倍
長さ未満の位置に溶接接合部を有しない通し柱の製造方
法であって、角形鋼管の一端から管外径の1倍長さ以
遠、5倍長さ以近の区間内に熱間据込み加工によって管
肉厚を大きくした厚肉部を設けて前記仕口部を形成した
のち、該仕口部に梁材締結用のボルト穴を設け、次い
で、該ボルト穴に対応する位置に、管端の開口を利用し
て受けナットを回転不能に仕込んで柱材ユニットを構成
し、該柱材ユニットの複数体の端部同志を溶接接合して
長尺化することを特徴とする。
【0009】ここで、前記仕口部に対する受けナットの
仕込みには、種々を方法を採ることができる。その一つ
の方法は、受けナットを回転不能に保持しうるナット受
けに前記受けナットを保持させ、該ナット受けを、仕口
部に設けたピン穴又はねじ穴を利用して仕口部内面にピ
ン止め又はねじ止めして行う方法である。この方法を採
用すると、受けナットとして、市販の高力ナットをその
まま使用できる利点が得られる。
【0010】受けナットの仕込み方法の他の例は、複数
のねじ穴を設けたナットプレートを受けナットとして使
用し、そのナットプレートを、仕口部に設けたピン穴又
はねじ穴を利用して仕口部内面にピン止め又はねじ止め
して行う方法である。この方法では、受けナットとして
使用する部品点数を削減できる利点が得られる。
【0011】また、受けナットの仕込み方法の更に他の
例は、左ねじを切った外周面を有するナットを受けナッ
トとして使用し、該ナットを、仕口部に少なくともその
内側に開口するように設けた左ねじ穴に螺合させて行う
方法であり、この方法でも、受けナットとして使用する
部品点数を削減できる利点が得られる。
【0012】以下、図面を参照して本発明の実施の形態
を更に詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態によ
る通し柱の製造方法によって製造した通し柱及びそれに
取り付けた梁材を示す概略側面図、図2(a)はその通
し柱と梁材との接続部分を拡大して示す概略断面図、図
2(b)は図2(a)のA−A矢視概略断面図である。
全体を参照符号1で示す通し柱は、3本の柱材ユニット
2、2、2Aの端部同志を溶接接合部3で接合して長尺
化したものであり、それぞれの柱材ユニット2、2Aに
は梁材4をボルトナット締結により取り付けることの可
能な仕口部5を備えている。
【0013】通し柱1を構成する複数の柱材ユニットの
うち、最上部の柱材ユニット2Aを除いた各柱材ユニッ
ト2は、図3(a)、(b)に示すように、角形鋼管6
の長手方向の一部領域に管肉厚を大きくした厚肉部を設
けて仕口部5とし、更に、その仕口部5に、図4
(a)、(b)に示すように、梁材締結用のボルト穴7
を設け、そのボルト穴7に対応する位置で且つ管壁の内
面に、ワッシヤ8と受けナット9をナット受け10を用
いて、受けナット9が回転不能となるように仕込んだも
のである。更に詳しく説明すると、仕口部5に形成され
たボルト穴7は、梁材締結用のボルトを単に通すための
穴であって内面にねじは切っていない。ナット受け10
は、受けナット9を回転不能に収容する長円状の溝11
と、ワッシャ8を収容する円形の浅い溝12と、ボルト
を貫通させる穴13を備えており、その溝11、12内
に受けナット9とワッシャ8を収容した状態で仕口部5
の内面に固定されている。このナット受け10を仕口部
5の内面に固定するため、仕口部5及びナット受け10
の対応する位置にそれぞれ、ねじ穴14、15を形成
し、そのねじ穴14、15に、六角穴付ねじ16を仕口
部5の外面側からねじ込んでいる。
【0014】ここで使用する受けナット9としては、市
販の建築用の高力ナットをそのまま用いることができ、
これによって安価に、強度の大きい締結を得ることがで
きる。ナット受け10を仕口部5に固定するための六角
穴付ねじ16は、ナット受け10が脱落しないように且
つ受けナット9にボルト18(図2参照)をねじ込む時
にナット受け10が受けナット9と一緒に回転しないよ
うに拘束しうる強度を有するものであればよい。仕口部
5に形成するボルト穴7の位置、個数は、接続すべき梁
材に応じて適宜設定するものであり、それに応じてナッ
ト受け10の使用個数も設定する。なお、図示のナット
受け10は、2個の受けナット9を収容する構成として
いるが、ナット受け10で収容する受けナット9の個数
は図8に示すように1個のみとしてもよいし、3個以上
としてもよい。
【0015】図3において、柱材ユニット2に形成した
仕口部5は、角形鋼管6に管体の一部を増肉させる熱間
据込み加工を施して管肉厚を厚くして梁接合に必要な強
度を持たせたものであり、その仕口部5の肉厚は、通
常、角形鋼管6の非増肉領域の肉厚の1.2〜3.6倍
程度に、好ましくは1.5〜3倍程度に設定される。仕
口部5の上下端には、肉厚が徐々に減少するテーパ部を
形成しており、これによって応力集中を防止している。
仕口部5の長さ(上下端のテーパ部を含む長さ)は、接
合すべき梁材の端部に取り付けた端板を、上下に適度な
余裕を持って支持しうる長さに設定されるものであり、
一つの目安としては、仕口部5の一定肉厚部分の長さが
その仕口部5に接続する梁材4の高さ方向の寸法H以上
に設定され、且つ梁材4の上端からテーパ部の先端まで
の距離sが、金属鋼管6の外径(角形鋼管の平坦な外面
間の距離)dの0.5倍以上に設定される。
【0016】仕口部5の形成位置は、角形鋼管の一端6
aから管外径dの1倍長さ以遠、5倍長さ以近の区間内
とする。すなわち、管端6aから距離1dだけ離れた位
置Bと距離5dだけ離れた位置Cとにはさまれた領域内
の適当な位置(全域でもよいし、一部領域でもよい)と
する。ここで、仕口部5を角形鋼管の一端6aから管外
径dの5倍長さ以近としたのは、その一端6aの開口か
ら仕口部5内面に、受けナット9を収容したナット受け
10を取り付ける作業を容易に実施しうるようにするた
めである。管端6aから管外径dの5倍以内の範囲であ
れば、簡単な治具を利用してナット受け10を所定位置
に容易に取り付けることができる。
【0017】一方、仕口部を角形鋼管の一端6aから管
外径dの1倍長さ以遠としたのは、その一端6aを他の
柱材ユニットの端部に溶接接合して通し柱1を形成した
時の溶接接合部3(図1参照)を仕口部5に接合した梁
材4から大きく離し、通し柱1が梁材4による横荷重を
受けた時に溶接接合部3にかかる曲げモーメントを小さ
くするためである。通し柱1が梁材4による横荷重を受
けた時に通し柱1に生じる曲げモーメントは、梁材4の
接合位置が最も大きく、その位置から遠ざかるにつれて
減少する。そして、梁材4の接続位置から溶接接合部3
までの距離を、管外径dの1.5倍程度以上とすると、
曲げモーメントがかなり減少し、溶接接合部3の安全性
確保のためのコストの上積みを要しなくなる。前記した
ように、梁材4の上端からテーパ部の先端までの距離s
は通常、管外径dの0.5倍以上に設定されるので、仕
口部5を管端6aより管外径dの1倍以遠の位置として
おくと、管端(溶接接合部3)から梁材4までの距離を
管外径dの1.5倍程度以上とすることができ、これに
よって溶接接合部3の安全性を大きく向上できる。
【0018】図1において、通し柱1の最上部の柱材ユ
ニット2Aは、他の柱材ユニット2に比べて、仕口部5
の位置が異なるのみで、その他の構成は実質的に同一で
ある。最上部の柱材ユニット2Aの上端は、他の柱材ユ
ニットに接合する必要がないので、その柱材ユニット2
Aに形成する仕口部5は柱材ユニット2Aの上端から、
管外径の1倍以遠の位置とする必要はなく、図示の実施
形態では柱材ユニット2Aの上端に隣接して形成してい
る。なお、この仕口部5も、柱材ユニット2Aの上端か
ら管外径の5倍以近の位置に形成することは言うまでも
ない。
【0019】次に、上記構成の通し柱1の製造方法及び
使用方法を説明する。まず、一定肉厚の角形鋼管6を用
意し、その角形鋼管6の所望領域に対して管体の一部を
増肉させる熱間据込み加工を施して、管肉厚を大きくし
た厚肉部を形成して仕口部5とする。上記加工は管体の
一部を塑性変形容易な温度に加熱し且つ管軸方向の圧縮
力を作用させて管体の一部を増肉させるものであって、
公知を方法を適宜使用でき、例えば、特開平8−120
775号公報に記載の方法を採用しうる。仕口部5を形
成した後は、その仕口部5の所望位置にボルト穴7及び
ねじ穴14(図4参照)を加工し、且つ必要に応じ、角
形鋼管6の両端を所望位置で切断し、また、溶接接合に
適した形状に加工する。次いで、別途作製したナット受
け10に受けナット9及びワッシャ8を収容し、そのナ
ット受け10を、角形鋼管6の一端6aの開口から挿入
し、仕口部5の内面に押し当て、仕口部5の外面から六
角穴付ねじ16をねじ込んで固定する。このようにして
柱材ユニット2、2Aを形成し、その柱材ユニット2、
2A等を、端部同志を突き当てて溶接接合し、長尺の通
し柱1を製造する。通常、この通し柱1の製造は、工場
で製造するが、必要に応じ、建築現場で柱材ユニット2
を接続して通し柱としてもよい。
【0020】上記した手順で製造した通し柱1は、建築
現場に運搬され、図1に示すように建物の通し柱1とし
て使用され、その仕口部5に梁材4が取り付けられる。
この梁材4の取付けは、仕口部5にボルト穴7が形成さ
れ、且つその奥に受けナット9が回転不能に仕込まれて
いるので、その受けナット9を利用して容易にボルト止
めすることができる。すなわち、図2に示すように、仕
口部5の外面に梁材4の端板4aを押し当て、外側から
ボルト18をねじ込むことで容易に取り付けることがで
きる。ここで使用するボルト18としては、建築用の市
販の高力ボルトをそのまま使用でき、高力ボルトを使用
することで、大きい接続強度を得ることができると共に
従来使用していたワンサイドボルトに比べてはるかに安
価であり、且つ締め付け作業も容易である等の効果が得
られる。
【0021】この通し柱1には、図1に示す使用状態に
おいて、梁材4による横荷重が作用し、それによって曲
げモーメントが生じる。この曲げモーメントは梁材取付
部分ではきわめて大きいが、その梁材取付部分には溶接
接合部はなく、溶接接合部3は梁材4からかなり離れた
位置となっているため、溶接接合部3には大きい曲げモ
ーメントが作用しない。このため、溶接の施工、品質管
理を特段に強化しなくても安全性は確保される。換言す
れば、複数の柱材ユニット2を溶接接続して通し柱を製
造する際の溶接の管理が大仰なものでなくなってコスト
が節約され、併せて、溶接作業の生産性を上げることが
できる。
【0022】なお、上記実施形態では、通し柱1を3個
の柱材ユニット2、2、2Aで構成したが、柱材ユニッ
ト2の使用本数は適宜増減可能であり、また、全てを同
じ柱材ユニット2で構成してもよい。更に、複数の柱材
ユニット2を接続して通し柱を形成する際、更に他の形
態の柱材、或いは他の部材を接合して通し柱を構成して
もよい。また、上記実施形態では、各柱材ユニット2に
は1個の仕口部5を形成しているが、一つの柱材ユニッ
トに形成する仕口部の個数は1個に限らず、2個として
もよい。その場合、柱材ユニットの、他の柱材ユニット
の端部に対して溶接接合する端部の近くに形成する仕口
部は、その端部から管外径の1倍以遠の位置に形成する
が、柱材ユニットの端部が他の柱材ユニットの端部に溶
接接合する必要のない端部であれば、その端部近傍に形
成する仕口部は、端部から管外径dの1倍以遠の位置で
なくてもよい。ただし、いずれの場合でも、仕口部は端
部から管外径の5倍以近に領域に形成する。
【0023】上記実施形態では、受けナットを回転不能
に仕込む手段として、ナット受け10を用い且つそのナ
ット受け10の固定には六角穴付ねじ16を用いたが、
ナット受け10の固定方法はこれに限らず、適宜変更可
能であり、また、ナット受け10の形状、サイズ等も図
示のものに限らず適宜変更可能である。以下、その変形
例を示す。
【0024】図5はナット受け10を固定する手段とし
て、皿ねじ20を用いた実施形態を示すものである。す
なわち、この実施形態では、仕口部5にテーパ穴21a
とばか穴21bを形成し、ナット受け10にねじ穴22
を形成しており、仕口部5の外面から皿ねじ20を、ナ
ット受け10に形成したねじ穴22にねじ込むことで、
ナット受け10を仕口部5に固定している。
【0025】図6はナット受け10を固定する手段とし
て、通常のボルト23を用いた実施形態を示すものであ
る。すなわち、この実施形態では、仕口部5にボルト2
3の頭部を収容する大径の穴24aとねじ部を挿入させ
るばか穴24bを形成し、ナット受け10にもボルト2
3のねじ部を挿入させるばか穴25を形成しており、仕
口部5の外面からボルト23を通し、内面側にナット2
6をねじ込むことで、ナット受け10を仕口部5に固定
している。
【0026】図7(a)、(b)はナット受け10を固
定する手段として、ピン28を用いた実施形態を示すも
のである。すなわち、この実施形態では、ナット受け1
0及び仕口部5にピン穴29a、29bをそれぞれ形成
し、これらにピン28を挿通することで、ナット受け1
0を仕口部5に固定している。上記実施形態において
は、ピン28に或いはピン28とピン穴29a、29b
とに、ピンの抜け落ちを防止する措置を適宜講じておく
ことが望ましい。これは、たとえば、ナット受け10の
ピン穴29aからのピン28の抜け落ちを防止すること
で、ピン28を取り付けたナット受け10の仕口部への
取付け作業(ナット受け10から突出したピンを仕口部
5のピン穴29bに目合わせ挿入して行う)が容易にな
るからである。或いは又、ナット受け10と仕口部5の
双方からの抜け落ちを防止することで、仕口部5の内面
に取付けたナット受け10の、仕口部5からの離間を防
止できるからである。上記ピンの抜け落ち防止措置は、
後述する図8、図9に用いているピンについても同様に
実施することが望ましい。
【0027】上記ピンの抜け落ち防止措置としては、先
ず、外径が弾性的に拡縮自在なピンを用いる手法を例示
できる。このようなピンによれば、ピン穴29a、29
bの内周面との間に生じる摩擦力あるいはピン穴内周面
に設けた小段差等との取合によるスナップ止め作用によ
ってピンがピン穴に係止される。上記弾性的な拡縮自在
性を有するピンとしては、棒状体に縦方向の楔形の切り
込みを設けたピン、筒状体に縦方向に開口する割れ目を
設けたピン、曲り板ばねが周方向に集積されたバナナチ
ップ状のピン、或いは棒状体の必要長さ範囲にすり割り
状の一文字切り込みや十文字切り込みを入れたピンを例
示できる。これらの形態をピンの全長ないしは片半側に
適用して前記ピン穴への係止を図ることができる。例え
ば、図7(c)、(d)は十文字切り込みを入れたピン
28Aを用いた例を示すものである。このピン28A
は、先端に円錐台状の拡径部28Aaを有すると共にそ
の拡径部28Aaを貫通して十文字切り込み28Abを
入れ、後端にテーパ状の拡径部28Acを有する形状の
ものである。一方、仕口部5にはテーパ穴29cと穴2
9dが形成され、ナット受け10には穴29eとそれよ
り大径の穴29fと両者間の段部29gが形成されてい
る。この構成とすると、仕口部5にナット受け10を押
し当て、仕口部5の外面側からピン28Aを差し込むこ
とで、容易にピン28Aを図7(c)に示す形態に取り
付け、ナット受け10を仕口部5に固定できる。
【0028】ピンのピン穴への固定は、又、ピンを、そ
の一端側において、ピン穴側と溶接接合することによっ
ても実施できる。更に又、ピンの片半側を雄ねじ状に形
成したピンの該ねじ部を、例えばナット受けに設けたね
じ穴にねじ込んで固定し、他端側をピン(前記弾性的拡
縮自在性を具備させたピンを含む)として機能させる構
成も採用しうる。
【0029】図8は1個の受けナット9を収容する構成
のナット受け10Aを用いた実施形態を示すものであ
る。この実施形態においても、ナット受け10Aを仕口
部5に固定する手段として種々のものを用いることがで
き、図面ではピン28を用いたものを示している。
【0030】以上に、受けナット9をナット受け10、
10Aを用いて回転不能に仕込む場合の実施形態を説明
したが、本発明はこの構成に限らず、仕口部5に対して
受けナットを回転不能に仕込む手段とした、他の構成を
採ることも可能である。以下、受けナットを回転不能に
仕込む他の構成の例を具体的に説明する。
【0031】図9は、仕口部5に対する受けナットの仕
込みを、複数のねじ穴33を設けたナットプレート34
を充当して行う場合の実施形態を示すものである。すな
わち、この実施形態では、ナットプレート34に直接、
ねじ穴33を形成しておき、そのナットプレート34を
仕口部5の内面にピン28を利用して固定したものであ
る。この構成によれば、受けナットとナット受けとを一
体化できるので、部品点数を削減できる。なお、ナット
プレート34の仕口部5に対する固定にもピン28に限
らず、ナット受け10の固定に利用したような各種のね
じ止めを利用可能である。
【0032】図10は、仕口部5に対する受けナットの
仕込みを、左ねじ36を切った外周面を有するナット3
7を充当して行う場合の実施形態を示すものである。す
なわち、この実施形態では、左ねじ36を切った外周面
を有するナット37の一端にフランジ部38を形成する
と共に中心に右ねじを切ったねじ穴39を形成してお
き、一方、仕口部5には、ナット37外周面の左ねじ3
6をねじ込むことの可能な左ねじ穴40を形成してお
く。そして、このナット37を仕口部5の内面から左ね
じ穴40にねじ込むことで、仕口部5に取り付ける。梁
材の取付けに際して、ナット37のねじ穴39にボルト
をねじ込んでゆくと、ナット37はそのボルトの回転に
よって右回転しようとして、外周の左ねじ36を左ねじ
穴40に締め込むこととなり、このため、回転すること
がなく、良好にボルト締めすることができる。この実施
形態でも部品点数を削減する利点が得られる。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、角形
鋼管に、その一端から管外径の1倍長さ以遠、5倍長さ
以近の区間内に管肉厚を大きくした厚肉部を設けて仕口
部を形成したのち、該仕口部に梁材締結用のボルト穴を
設け、次いで、該ボルト穴に対応する位置に、管端の開
口を利用して受けナットを回転不能に仕込んで柱材ユニ
ットを構成し、該柱材ユニットの複数体を、端部同志を
溶接接合して長尺化し、通し柱を製造するという構成と
したことにより、仕口部への受けナットの取付作業を容
易に実施でき、生産性よく通し柱を製造することがで
き、しかも、製造された通し柱は、梁材取付用の仕口部
に受けナットを仕込んでいるので、その仕口部に梁材を
ボルトを利用して容易に固定でき、建築現場における梁
材接続作業を容易に行うことができ、更に、通し柱にお
ける梁材取付位置から溶接接合部までの距離を或る程度
大きく設定しているので、溶接接合部に作用する曲げモ
ーメントを、梁材取付位置に比べてかなり小さくでき、
溶接接合部の安全性を低コストで確保できる等の効果を
有しており、建築業界に寄与するところ極めて大なるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による通し柱の製造方法に
よって製造した通し柱及びそれに取り付けた梁材を示す
概略側面図
【図2】(a)は図1に示す通し柱と梁材との接続部分
を拡大して示す概略断面図 (b)は(a)のA−A矢視概略断面図
【図3】(a)は図1に示す通し柱を構成する柱材ユニ
ット2の概略断面及び側面図 (b)はその柱材ユニット2の概略端面図
【図4】(a)は図3に示す柱材ユニットの仕口部5の
一部を示す概略断面図 (b)は(a)のA−A矢視概略断面図
【図5】(a)は図4に示す仕口部5の変形例を示す概
略断面図 (b)は(a)のA−A矢視概略断面図
【図6】(a)は図4に示す仕口部5の他の変形例を示
す概略断面図 (b)は(a)のA−A矢視概略断面図
【図7】(a)は図4に示す仕口部5の更に他の変形例
を示す概略断面図 (b)は(a)のA−A矢視概略断面図 (c)は仕口部5とナット受け10との固定に使用する
ピンの変形例を示すもので、そのピンの取付部分の概略
断面図 (d)は(c)に示す部分をナット受け10の内面側か
ら見た概略正面図
【図8】(a)は図4に示す仕口部5の更に他の変形例
を示す概略断面図 (b)は(a)のA−A矢視概略断面図
【図9】(a)は図4に示す仕口部5の更に他の変形例
を示す概略断面図 (b)は(a)のA−A矢視概略断面図
【図10】(a)は図4に示す仕口部5の更に他の変形
例を示す概略断面図 (b)は仕口部5に取り付けるナット37の概略側面図 (c)はそのナット37の概略端面図
【符号の説明】
1 通し柱 2、2、2A 柱材ユニット 4 梁材 5 仕口部 7 ボルト穴 8 ワッシャ 9 受けナット 10 ナット受け 14、15 ねじ穴 16 六角穴付ねじ 28、28A ピン 33 ねじ穴 34 ナットプレート 36 左ねじ 37 ナット 38 フランジ部 39 ねじ穴 40 左ねじ穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 孝幸 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目17番8号 第一高周波工業株式会社内 Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AB16 AC16 AG12 AG14 BA55 BB02 BB22 BC09 BD01 BE08 BF05 CA03 CA09 CA13 CA14 EA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梁材取付け用の強化された仕口部を複数
    個所に有し、該仕口部の外側からの作業で梁材のボルト
    ナット締結を行うことができ、且つ、梁材取付位置から
    柱外径の1.5倍長さ未満の位置に溶接接合部を有しな
    い通し柱の製造方法であって、角形鋼管の一端から管外
    径の1倍長さ以遠、5倍長さ以近の区間内に熱間据込み
    加工によって管肉厚を大きくした厚肉部を設けて前記仕
    口部を形成したのち、該仕口部に梁材締結用のボルト穴
    を設け、次いで、該ボルト穴に対応する位置に、管端の
    開口を利用して受けナットを回転不能に仕込んで柱材ユ
    ニットを構成し、該柱材ユニットの複数体の端部同志を
    溶接接合して長尺化することを特徴とする通し柱の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記受けナットの仕込みを、受けナット
    を回転不能に保持しうるナット受けに前記受けナットを
    保持させ、該ナット受けを、仕口部に設けたピン穴又は
    ねじ穴を利用して仕口部内面にピン止め又はねじ止めし
    て行う、請求項1記載の通し柱の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記受けナットの仕込みを、複数のねじ
    穴を設けたナットプレートを充当して、該ナットプレー
    トを、仕口部に設けたピン穴又はねじ穴を利用して仕口
    部内面にピン止め又はねじ止めして行う、請求項1記載
    の通し柱の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記受けナットの仕込みを、左ねじを切
    った外周面を有するナットを充当して、該ナットを、仕
    口部に少なくともその内側に開口するように設けた左ね
    じ穴に螺合させて行う、請求項1記載の通し柱の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002327494A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Daiwa House Ind Co Ltd 鉄骨造建物における躯体構造
JP2014152556A (ja) * 2013-02-12 2014-08-25 Yoshikuni Okura 拘束具
WO2017199714A1 (ja) * 2016-05-19 2017-11-23 三協フロンテア株式会社 ユニットハウス用引張接合構造
JP2020122362A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 積水ハウス株式会社 柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法

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