JP2001106990A - 粘着シート用基材フィルムとその製造方法 - Google Patents
粘着シート用基材フィルムとその製造方法Info
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Abstract
たフィルムは、長期間が経過した後も、変色がなく、ほ
ぼ当初の色相を保持し、このフィルムを基材フィルムと
して用い、これに粘着剤を塗布して粘着シートとすると
き、長期間が経過した後にも、その粘着剤が大幅には低
下せず、ほぼ当初の粘着力を保持している粘着シートを
与える基材フィルム、好ましくは、救急絆創膏を含む皮
膚貼付用粘着シートのための基材フィルムとその製造方
法を提供する。 【解決手段】本発明による粘着シート用基材フィルム
は、塩化ビニル系重合体100重量部に対し、数平均分
子量が1500〜3000のポリエステル系可塑剤30
〜70重量部、重量平均分子量2000〜20000の
エポキシ樹脂3〜20重量部、脂肪酸カルシウム、脂肪
酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから選ばれる少なくとも1種
の金属石ケンの適量、ハイドロタルサイト0.1〜1.0重
量部とからなる。
Description
フィルムとその製造方法に関し、詳しくは、救急絆創膏
を含む皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルムとし
て好適に用いることができる粘着シート用基材フィルム
とそのカレンダー加工による製造方法に関する。
を設けてなる皮膚貼付用粘着シートは、ドレッシング、
巻絆等として用いられているほか、粘着剤層の表面の中
央域にガーゼ等の吸液性パッドを設けることによって、
救急絆創膏として、一般家庭において、広く用いられて
いる。更に、種々の薬剤を含有させた粘着剤からなる層
を基材フィルム上に設けた粘着性皮膚貼付薬シートは、
種々の医療用途に用いられている。
基材フィルムとしては、従来、柔軟で皮膚になじみよい
ほか、印刷性にすぐれる等の点から、所謂軟質塩化ビニ
ル系樹脂からなるフィルムが広く用いられている。この
ような軟質塩化ビニル系樹脂は、安全性の観点から、従
来、可塑剤としては、エポキシ化大豆油が用いられ、安
定剤としては、一般的に、脂肪酸カルシウム−脂肪酸亜
鉛系安定剤が用いられている。しかしながら、このよう
な塩化ビニル系樹脂からなる基材フィルムに、例えば、
アクリル系粘着剤を塗布して絆創膏とするとき、基材フ
ィルムの粘着力が時間の経過と共に低減し、従って、こ
のように、粘着剤の粘着力が低減した後は、皮膚に貼付
しても、その端部が皮膚から浮いたり、場合によって
は、皮膚から剥がれるので、救急絆創膏としての機能を
果たさないことさえある。
塩化ビニル系樹脂フィルムを基材フィルムとする皮膚貼
付用粘着シートにおけるこのような問題を解決するため
に鋭意研究した結果、従来の塩化ビニル系樹脂フィルム
においては、可塑剤として配合されているエポキシ化大
豆油が経時的に基材フィルムから粘着剤層に移行して、
例えば、アクリル系粘着剤を架橋、硬化させ、かくし
て、粘着剤が初期の粘着力を喪失して、粘着力が経時的
に低減することを見出した。
ポキシ化大豆油に代えて、ポリエステル系可塑剤を用い
ると共に、安定剤として、高分子量エポキシ樹脂と金属
石ケンとハイドロタルサイトとの組合わせを用いること
によって、カレンダー加工によるフィルムの製造に際し
ては、熱安定性にすぐれ、カレンダー加工時の分解や変
色もなく、しかも、得られるフィルムに粘着剤を塗布し
て、粘着シートとするとき、この粘着シートは、長期間
の経過の後にも、可塑剤の粘着剤層への移行がなく、そ
の粘着剤がほぼ初期の粘着力を保持し、更には、基材フ
ィルムの経時的な変色(特に、黄変)も殆どなく、当初
の色相をほぼ保持することを見出して、本発明に至った
ものである。
製造に際しては、熱安定性にすぐれて、カレンダー加工
時の分解や変色がなく、しかも、得られたフィルムは、
長期間が経過した後も、変色がなく、ほぼ当初の色相を
保持しており、更に、このように得られたフィルムを基
材フィルムとして用いて、これに粘着剤を塗布して、粘
着シートとするとき、長期間が経過した後にも、その粘
着力が大幅には低下せず、ほぼ当初の粘着力を保持して
いる粘着シートを与える基材フィルム、好ましくは、救
急絆創膏を含む皮膚貼付用粘着シートのための基材フィ
ルムとその製造方法を提供することを目的とする。
用基材フィルムは、塩化ビニル系重合体100重量部に
対して、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポ
リエステル系可塑剤30〜70重量部と、重量平均分子
量2000〜20000のエポキシ樹脂3〜20重量部
と、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウム
から選ばれる少なくとも1種の金属石ケンの適量と、ハ
イドロタルサイト0.1〜1.0重量部とからなることを特
徴とする。
製造方法は、塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポリエ
ステル系可塑剤30〜70重量部と、重量平均分子量2
000〜20000のエポキシ樹脂3〜20重量部と、
脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから
選ばれる少なくとも1種の金属石ケンの適量と、ハイド
ロタルサイト0.1〜1.0重量部とからなる樹脂組成物を
カレンダー加工にてフィルムにすることを特徴とする。
合体としては、塩化ビニルの単独重合体、即ち、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルと種々の共単量体との共重
合体が用いられる。そのような共単量体として、例え
ば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エス
テル、マレイン酸、フマル酸、アクリロニトリル等を挙
げることができ、これら共単量体は単独で、又は2種以
上が組合わせて用いられる。従って、本発明において、
塩化ビニル系重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等が好ましい具体例として挙げられ、特
に、本発明においては、ポリ塩化ビニルが好ましく用い
られる。これら塩化ビニル系重合体の平均重合度は、通
常、500〜1500の範囲が好ましく、特に、700
〜1300の範囲が好ましい。
重合体に可塑剤や安定剤等を配合して、樹脂組成物と
し、これをカレンダー加工して、軟質塩化ビニル系樹脂
からなるフィルムとすることによって、粘着シート用基
材フィルムを得ることができる。
のエポキシ化大豆油に代えて、ポリエステル系可塑剤が
用いられる。ポリエステル系可塑剤とは、例えば、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等のよう
なジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等のようなグリコールとの縮重合によるポリエステル
からなり、特に、本発明によれば、数平均分子量が15
00〜3000の範囲にあるものが塩化ビニル系重合体
100重量部に対して30〜70重量部の範囲で用いら
れる。
500よりも小さいときは、これを配合した基材フィル
ムから粘着剤層に移行し、経時的に粘着剤の粘着力を低
減させる。しかし、ポリエステル系可塑剤の数平均分子
量が3000よりも大きいときは、塩化ビニル系重合体
との相溶性が悪く、カレンダー加工による基材フィルム
の製造が困難であるのみならず、得られた基材フィルム
において、可塑剤が表面にプレートアウトして、粘着剤
の基材フィルムへの接着力を低減させる。
特に、皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルムとし
て、柔軟で皮膚になじみよい適切な弾性率を有するよう
に、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、通常、
30〜70重量部の範囲で用いられる。
ムとしての塩化ビニル系樹脂フィルムにおいては、従来
より、安定剤として、金属石ケンが用いられているが、
しかし、金属石ケンのみでは、カレンダー加工によるフ
ィルムの製造に際して、樹脂組成物の熱安定性が不十分
であり、樹脂組成物の変色や分解を生じる。しかし、金
属石ケンを徒に多量に配合しても、ブルームやブリード
が生じて、基材フィルムに対する粘着剤の接着力が低減
することとなる。また、可塑剤として、ポリエステル系
可塑剤を配合した塩化ビニル系重合体も、熱安定性が不
十分であって、カレンダー加工中に黄変が起こりやす
い。
エポキシ化大豆油を併用することが試みられているが、
安定剤として、エポキシ化大豆油を併用しても、依然と
して、これらを含む樹脂組成物のカレンダー加工中の黄
変を十分に防止することができないのみならず、前述し
たように、得られる粘着シートにおいて、エポキシ化大
豆油は、経時的に基材フィルムから粘着剤層に移行し
て、粘着剤の粘着力を低減させる。
高分子量エポキシ樹脂と金属石ケンとハイドロタルサイ
トとの組合わせを用いることによって、カレンダー加工
によるフィルムの製造に際しては、熱安定性にすぐれ、
カレンダー加工時の分解や変色もないフィルムを得るこ
とができる。しかも、このようにして得られるフィルム
は、これに粘着剤を塗布して、粘着シートとするとき、
この粘着シートは、長期間の経過の後にも、可塑剤の粘
着剤層への移行がなく、その粘着剤がほぼ初期の粘着力
を保持刷ることができる。更には、本発明による基材フ
ィルムは、経時的な変色(特に、黄変)も殆どなく、長
期間の経過の後にも、当初の色相をほぼ保持している。
シ樹脂は、重量平均分子量が2000〜20000の範
囲にあるものであって、例えば、グリシジルメタクリレ
ートと他のビニル単量体との共重合体、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等の1種又は2種以上との共重合体を挙
げることができる。また、本発明において用いる高分子
量エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100〜550の範
囲にあるのが好ましく、特に、200〜450の範囲に
あるのが好ましい。
0よりも小さいエポキシ樹脂は、これを配合した塩化ビ
ニル系重合体に配合すれば、得られる基材フィルムに粘
着剤層を積層して、粘着シートとするとき、エポキシ樹
脂が経時的にその粘着剤層に移行し、粘着力を低下させ
る。他方、重量平均分子量が20000よりも大きいと
きは、塩化ビニル系重合体との相溶性が悪いので、その
ようなエポキシ樹脂を配合した塩化ビニル系重合体組成
物をカレンダー加工する際に、プレートアウトする。特
に、本発明によれば、エポキシ樹脂は、重量平均分子量
が5000〜15000の範囲にあるものが好ましく、
なかでも、重量平均分子量が7000〜13000の範
囲にあるものが一層好ましい。
ニル系重合体100重量部に対して、3〜20重量部の
範囲で配合される。塩化ビニル系重合体100重量部に
対して、エポキシ樹脂の配合量が3重量部よりも少ない
ときは、得られる基材フィルムを長期間にわたって保存
したときの変色、特に、黄変を防止することができな
い。他方、エポキシ樹脂の配合量を余りに多くしても、
得られる粘着シートの粘着力を経時的に低下させ、ま
た、樹脂組成物がカレンダー加工に際してロール間で滑
りを生じて、加工し難い問題がある。更に、高分子量エ
ポキシ樹脂は高価でもある。そこで、本発明によれば、
塩化ビニル系重合体100重量部に対して、エポキシ樹
脂の配合量を20重量部を越える量とすることは好まし
くない。
脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウムうら
選ばれる少なくとも1種が用いられ、これらのなかで
は、特に、組合わせによる相乗効果による安定化効果の
高い脂肪酸カルシウム−脂肪酸亜鉛の組合わせからなる
安定剤(以下、Ca−Zn系安定剤という。)が好まし
く用いられる。
えば、ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール酸等が好
ましく、従って、上記金属石ケンの具体例として、例え
ば、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、
ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、リシ
ノール酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜
鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ステアリ
ン酸バリウム、リシノール酸バリウム等が好ましく用い
られる。
属石ケンは、特に、限定されるものではないが、好まし
くは、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.5
〜2.5重量部の範囲で用いられる。金属石ケンの配合量
が塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.5重量部
よりも少ないときは、安定剤として、前記高分子量エポ
キシ樹脂とハイドロタルサイトとの組合わせとして用い
ても、樹脂組成物がカレンダー加工時、熱安定性が不足
する場合がある。しかし、金属石ケンの配合量が塩化ビ
ニル系重合体100重量部に対して2.5重量部よりも多
いときは、ブルームやブリードを生じて、基材フィルム
に対する粘着剤の接着力を低減させる場合がある。
おいて、樹脂組成物に求められる熱安定性を与えるほ
か、使用や保管中のフィルムに酸化や分解に対する抵抗
性をも与えて、フィルムの寿命を長くすることができ
る。しかし、ハイドロタルサイトのみを安定剤として用
いるときは、その配合量の如何にかかわらず、樹脂組成
物のカレンダー加工時の樹脂組成物の熱安定性が著しく
悪く、樹脂が変色や分解を起こすので、樹脂組成物をフ
ィルムに成形することができない。
式 Mg1-x Alx (OH)2(CO3) x/2 ・ m H2O で表わされる不定比の塩基性炭酸マグネシウムアルミニ
ウムであって、通常、xは、0<x≦0.33、mは、0
≦m≦0.5の範囲であり、市販品を入手することができ
る(「石灰と石膏、」第187巻第47〜53頁(19
83年))。
は、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.1〜
1.0重量部の範囲で用いられる。ハイドロタルサイトの
配合量が塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.1
重量部よりも少ないときは、樹脂組成物のカレンダー加
工時、熱安定性が不足して、樹脂組成物の変色が生じ
る。しかし、ハイドロタルサイトの配合量が塩化ビニル
系重合体100重量部に対して1.0重量部よりも多いと
きは、ハイドロタルサイトに起因する好ましくない着色
を生じる。特に、本発明によれば、ハイドロタルサイト
の配合量は、塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、0.2〜0.5重量部の範囲が好ましい。
材フィルムは、可塑剤としてポリエステル系可塑剤を配
合し、安定剤として、高分子量エポキシ樹脂と金属石ケ
ンとハイドロタルサイトとを組合わせて配合してなる塩
化ビニル系樹脂組成物からなるものである。このような
樹脂組成物は、これをカレンダー加工にてフィルムに成
形する際、熱安定性にすぐれており、望ましくない分解
や着色等が起こらない。しかも、このようにして得られ
る基材フィルムは、その上に粘着剤層を設けて粘着シー
トとするとき、可塑剤が粘着剤層に移行しないので、長
期間の経過の後にも、その粘着力が大幅には低下せず、
ほぼ当初の値を保持している。更に、本発明による基材
フィルムは、長期間の経過後にも、望ましくない変色が
殆どない。
は、必要に応じて、上記安定剤と共に、従来より知られ
ている安定剤を含んでいてもよい。更に、本発明による
粘着シート用基材フィルムは、必要に応じて、塩化ビニ
ル系樹脂に配合することが従来よりよく知られている種
々の添加剤、例えば、着色剤、光安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、改質剤、充填剤、難燃剤、帯電防止剤、
防黴剤、滑剤等を含んでいてもよい。
は、一般の粘着シートのほか、その安全性の高さから、
例えば、救急絆創膏を含む皮膚貼付用粘着シートのため
の基材フィルムとして好適に用いられるが、この用途に
用いるときは、皮膚に貼付したとき、なじみよく、皮膚
によく追随し、違和感がないように、その厚みは、40
〜100μmの範囲であるのが好ましい。
フィルムは、本発明に従って、好ましくは、前述したよ
うに、塩化ビニル系重合体にポリエステル系可塑剤、高
分子量エポキシ樹脂、金属石、ハイドロタルサイト、必
要に応じて、上述したような添加剤を配合してなる樹脂
組成物をカレンダー加工にてフィルムに成形することに
よって得ることができる。
ート用基材フィルムを得ることができ、このような基材
フィルム上に粘着剤層を設けることによって、救急絆創
膏を含む皮膚貼付用粘着シートを得ることができる。
るアクリル系粘着剤や天然ゴム系粘着剤のほか、合成ゴ
ム系、シリコーン系、ビニルエーテル系の粘着剤等、皮
膚刺激性が少なく、医療用粘着剤として用いることがで
きるものであれば、特に、限定されることなく、任意の
ものが用いられる。しかしながら、本発明においては、
種々の粘着剤のなかでも、皮膚に対するアレルギー性が
少ない等の皮膚病理学的見地から、アクリル系粘着剤が
好ましく用いられる。粘着剤層の厚みは、皮膚に対する
接着性の点から、通常、20〜80μmの範囲であり、
好ましくは、30〜60μmの範囲である。
もよい。架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシア
ネート−トリメチロールプロパン付加物のような変性ポ
リイソシアネートや、アルミニウムトリス(エチルアセ
トアセテート)のようなキレーターと呼ばれる有機金属
化合物を例示することができる。このような架橋剤を少
量、粘着剤に配合し、基材フィルムに塗工、乾燥させた
後、必要に応じて、加熱することによって、アクリル系
粘着剤を架橋させて、その粘着力を調節することができ
る。
に先立って、その表面をコロナ放電処理したり、既に知
られている種々のプライマーを塗布したりして、基材フ
ィルムと粘着剤との間の濡れ性や投錨効果を高めてもよ
い。
基材フィルム上に粘着剤の溶液を直接、塗布し、乾燥さ
せ、また、基材フィルム上にホットメルト粘着剤を溶融
させ、直接、押出機にて塗布してもよい。しかし、基材
フィルムの不必要な伸びや曲がり(カール)を防止する
ためには、適宜の方法にて剥離紙の片面に予め粘着剤層
を形成し、この粘着剤層の上に基材フィルムを貼り合わ
せて、上記粘着剤層を基材フィルムに転写する所謂転写
法によるのが好ましい。
は、その表面に粘着剤層を設けることによって、ドレッ
シングや巻絆等として用いることができるほか、粘着剤
層の表面の中央域にガーゼ等の布帛やスポンジパッド等
の創傷部を保護するための吸液性パッドを設けることに
よって、救急絆創膏とすることができる。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
0)にCa−Zn系安定剤、ハイドロタルサイト(協和
化学工業(株)製アルカマイザーI、前記式において、
x=0.33、m=0.50)、種々の数平均分子量を有す
るポリエステル系可塑剤(大日本インキ化学工業(株)
製ポリサイザーW)、エポキシ樹脂(日本油脂(株)製
グリシジルメタクリレート共重合体「ファルパック50
MP」、グリシジルメタクリレート/メタクリル酸メチ
ル(1/1)共重合体、エポキシ当量259〜350、
重量平均分子量8000〜12000)を配合し、ヘン
シェルミキサーにて十分混合し、密閉式混練機で混練
し、ストレーナーを通過させた後、逆L型4本カレンダ
ー装置(ロール表面温度180℃)を用いて、塩化ビニ
ル樹脂からなる厚み70μmの粘着シート用基材フィル
ムを得た。
ン(株)製AR−2045)100重量部に架橋剤とし
て変性ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製コロネートL)0.002重量部(固形分)を配
合して粘着剤を調製した。この粘着剤を上記基材フィル
ムに乾燥厚み35μmに塗布した。
粘着剤層を設けた粘着シートからなる試料について、常
態(23℃)で放置し、又は70℃で15日間放置して
促進劣化させた後、試料を19mm幅でステンレス板に
貼付し、測定前、23℃で24時間放置した後、定速伸
長引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準じ
て、剥離角度180度、引張速度300mm/分で測定
した。試料の経時粘着力は、促進劣化後の剥離力の常態
剥離力に対する維持率によって評価した。
置して、促進劣化させ、当初と促進劣化後の色相の変化
を色差計にて測定し、ΔE>1のときを変色あり、ΔE
≦1のときを変色なしとした。結果を表1に示す。
様にして、基材フィルムを得、これに粘着剤を塗布した
粘着シートの試料について、実施例1と同様にして、常
態剥離力と促進劣化後の剥離力の維持率を求めた。ま
た、基材フィルムを促進劣化させたときの変色の有無を
実施例1と同様にして調べた。結果を表1に示す。
ル系可塑剤を用いて、樹脂組成物を調製した以外は、実
施例1と同様にして、基材フィルムを得、これに粘着剤
を塗布した粘着シートの試料について、実施例1と同様
にして、常態剥離力と促進劣化後の剥離力の維持率を求
めた。また、基材フィルムを促進劣化させたときの変色
の有無を実施例1と同様にして調べた。結果を表2に示
す。
剤に代えて、フタル酸ジオクチルを用いて、樹脂組成物
を調製した以外は、実施例1と同様にして、基材フィル
ムを得、これに粘着剤を塗布した粘着シートの試料につ
いて、実施例1と同様にして、常態剥離力と促進劣化後
の剥離力の維持率を求めた。また、基材フィルムを促進
劣化させたときの変色の有無を実施例1と同様にして調
べた。結果を表2に示す。
とエポキシ樹脂のみを配合し、ハイドロタルサイトを用
いなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物
を調製し、基材フィルムを得、これに粘着剤を塗布した
粘着シートの試料について、実施例1と同様にして、常
態剥離力と促進劣化後の剥離力の維持率を求めた。ま
た、基材フィルムを促進劣化させたときの変色の有無を
実施例1と同様にして調べた。結果を表2に示す。
のポリエステル系可塑剤を用いると共に、安定化剤とし
て、Ca−Zn系安定剤とエポキシ化大豆油(大日本イ
ンキ化学工業(株)製W−100EL)の組合わせを用
いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製
し、基材フィルムを得、これに粘着剤を塗布した粘着シ
ートの試料について、実施例1と同様にして、常態剥離
力と促進劣化後の剥離力の維持率を求めた。また、基材
フィルムを促進劣化させたときの変色の有無を実施例1
と同様にして調べた。結果を表2に示す。
て、樹脂組成物を調製した以外は、実施例4と同様にし
て、基材フィルムを得、これに粘着剤を塗布した粘着シ
ートの試料について、実施例1と同様にして、常態剥離
力と促進劣化後の剥離力の維持率を求めた。また、基材
フィルムを促進劣化させたときの変色の有無を実施例1
と同様にして調べた。結果を表2に示す。
成物を調製した以外は、実施例2と同様にして、基材フ
ィルムを得、これに粘着剤を塗布した粘着シートの試料
について、実施例1と同様にして、常態剥離力と促進劣
化後の剥離力の維持率を求めた。また、基材フィルムを
促進劣化させたときの変色の有無を実施例1と同様にし
て調べた。結果を表2に示す。
用基材フィルムは、可塑剤としてポリエステル系可塑剤
を配合し、安定剤として、高分子量ポリ樹脂と金属石ケ
ンとハイドロタルサイトとを組合わせて配合してなる塩
化ビニル系樹脂組成物からなるものであるので、このよ
うな樹脂組成物をカレンダー加工にてフィルムに成形す
る際、熱安定性にすぐれており、望ましくない分解や着
色等が起こらず、しかも、得られる基材フィルムは、こ
れに粘着剤層を設けて粘着シートとするとき、上記ポリ
エステル系可塑剤が粘着剤層に移行しないので、長期間
の経過の後にも、その粘着力が大幅には低下せず、ほぼ
当初の値を保持している。更に、本発明による基材フィ
ルムは、長期間の経過後にも、望ましくない変色が殆ど
起こらない。
Claims (8)
- 【請求項1】塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポリエ
ステル系可塑剤30〜70重量部と、重量平均分子量2
000〜20000のエポキシ樹脂3〜20重量部と、
脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから
選ばれる少なくとも1種の金属石ケンの適量と、ハイド
ロタルサイト0.1〜1.0重量部とからなることを特徴と
する粘着シート用基材フィルム。 - 【請求項2】塩化ビニル系重合体がポリ塩化ビニルであ
る請求項1に記載の粘着シート用基材フィルム。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の基材フィルムから
なる皮膚貼付用粘着シートのための基材フィルム。 - 【請求項4】請求項1又は2に記載の基材フィルムから
なる救急絆創膏用基材フィルム。 - 【請求項5】塩化ビニル系重合体100重量部に対し
て、数平均分子量が1500〜3000の範囲のポリエ
ステル系可塑剤30〜70重量部と、重量平均分子量2
000〜20000のエポキシ樹脂3〜20重量部と、
脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛及び脂肪酸バリウムから
選ばれる少なくとも1種の金属石ケンの適量と、ハイド
ロタルサイト0.1〜1.0重量部とからなる樹脂組成物を
カレンダー加工にてフィルムにすることを特徴とする粘
着シート用基材フィルムの製造方法。 - 【請求項6】塩化ビニル系重合体がポリ塩化ビニルであ
る請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】粘着シート用基材フィルムが皮膚貼付用粘
着シートのための基材フィルムである請求項5又は6に
記載の方法。 - 【請求項8】粘着シート用基材フィルムが救急絆創膏用
基材フィルムである請求項5又は6に記載の方法。
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