JP2592779B2 - 剥離用粘着シートのための基材フイルム及びその製造方法 - Google Patents

剥離用粘着シートのための基材フイルム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、適宜の被着体に貼着し
た後、容易に剥離し得るようにした剥離用粘着シートの
基材として好適なフイルム及びその製造方法に関し、詳
しくは、ロールからの巻き戻し性にすぐれると共に、被
着体を全く又は殆ど汚染しない剥離用粘着シートのため
の基材として好適に用いることができる塩化ビニル系樹
脂からなるフイルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】剥離用粘着シートとは、一旦、適宜の被
着体に貼着した後、それより容易に剥離することができ
る性質、即ち、剥離性を有する粘着シートであつて、一
般に、主として、金属の表面保護のために広く用いられ
ている。具体的には、例えば、金属板の輸送や、保管時
や加工時の表面保護のために、表面に一時的に貼着さ
れ、その後、剥離される。
【0003】このような剥離用粘着シートとしては、塩
化ビニル系樹脂を基材シートとするものが表面の保護性
にすぐれており、従来、広く用いられている。しかし、
このような剥離用粘着シートは、塩化ビニル系樹脂から
なる基材シートに可撓性を付与するために配合されてい
る可塑剤によつて、粘着剤層をもたない表面、即ち、背
面が金属面との滑りを妨げて、特に、金属板の絞り加工
を行なう際に、加工性を損なう問題がある。
【0004】かかる問題を解決するために、古くは、特
公昭51−14554号公報に記載されているように、
塩化ビニル系樹脂からなる基材シートの背面に有機ケイ
素樹脂からなる剥離層を塗布形成してなるものが知られ
ている。一般に、剥離用粘着シートは、ロールに巻かれ
た状態から巻き戻して用いるが、上記の剥離用粘着シー
トは、そのようロールからの巻き戻し性にはすぐれるも
のの、基材シートに含まれる可塑剤や安定剤等が剥離層
に移行して、一旦、金属板のような被着体に貼着した粘
着シートを剥離するときに、金属板の表面に残存し、表
面を汚染する問題がある。
【0005】そこで、近年では、基材シートに予め種々
の添加剤を配合してなるものが提案されている。例え
ば、特開昭56−69158号公報には、シリカ、タル
ク、炭素、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、酸化チタン等の無機質微粒子を塩化ビニル系樹脂
シートに予め含有させ、かかる基材樹脂シートの片面に
粘着剤層を設けて、剥離用粘着シートとしたものが知ら
れている。この粘着シートは、表面の滑り性にすぐれる
ので、本来の表面保護に有用であるほか、金属板の絞り
加工性自体も改善し得るとしている。
【0006】更に、特公昭61−48556号公報に
は、塩化ビニル系樹脂からなる基材シートに、通常の脂
肪酸アミドのほか、例えば、エチレンビスステアリン酸
アミド等のような所謂ビスアミドを配合してなる剥離用
粘着シートが記載されており、また、特公平3−661
50号公報には、同様に、メチレンビスステアリン酸ア
ミドを配合してなる剥離用粘着シートが記載されてい
る。
【0007】このように、ビスアミドを含む脂肪酸アミ
ドを予め塩化ビニル系樹脂に配合し、これを基材シート
として、粘着剤層を設けてなる剥離用粘着シートは、ロ
ールからの巻き戻し性にすぐれ、また、被着体に対する
耐汚染性も、上述した剥離層を設けた剥離用粘着シート
よりはすぐれているが、しかし、被着体に貼着する際
に、ロールから高速度で巻き戻して、これを被着体に貼
着し、その後、被着体から剥離したときに、被着体の表
面の汚染が著しい問題がある。特に、最近においては、
剥離用粘着シートの被着体への貼着作業の高速化が進め
られているので、剥離用粘着シートをロールから高速度
で巻き戻して、被着体に貼着し、その後、被着体から剥
離したときに、被着体の表面の汚染が著しいことが重要
な問題となつており、解決が急がれている。
【0008】そこで、本発明者らは、既に、尿素化合物
を含む塩化ビニル系樹脂からなるフイルムを基材フイル
ムとし、これに粘着剤層を設けてなる剥離用粘着シート
がロールからの巻き戻し性にすぐれると共に、ロールか
ら高速度で巻き戻したときも、被着体の表面を全く又は
殆ど汚染することがない剥離用粘着シートを見出してい
る。しかし、このような剥離用粘着シートの製造におい
て、その基材フイルムをカレンダー加工にて製造する際
に、上記尿素化合物に由来して、フイルムが熱変色し、
製品価値に劣ることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の塩化
ビニル系樹脂からなる基材フイルムに粘着剤層を設けて
なる剥離用粘着シートにおける上述した問題を解決する
ためになされたものであつて、ロールからの巻き戻し性
にすぐれると共に、ロールから高速度で巻き戻したとき
も、被着体の表面を全く又は殆ど汚染することがない剥
離用粘着シートのための基材フイルムであつて、その製
造時に熱変色しない基材フイルムを提供することを目的
とする。
【0010】更に、本発明は、そのような剥離用粘着シ
ートのための基材フイルムの製造方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による剥離用粘着
シートのための基材フイルムは、塩化ビニル系樹脂から
なり、尿素化合物とハイドロタルサイトを含有すること
を特徴とする。
【0012】また、本発明による剥離用粘着シートのた
めの基材フイルムの製造方法は、尿素化合物とハイドロ
タルサイトを含有する塩化ビニル系樹脂をカレンダー加
工することを特徴とする。
【0013】本発明において、塩化ビニル系樹脂は、ポ
リ塩化ビニルのほか、塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビ
ニルへのグラフト共重合体、更には、他の樹脂との混合
物を含むものとする。上記塩化ビニル共重合体における
共単量体としては、例えば、酢酸ビニルのようなビニル
エステル類、エチレンビニルエーテルのようなビニルエ
ーテル類、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−
オレフイン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)
アクリル酸エステル類、塩化ビニリデン等を挙げること
ができる。
【0014】本発明による剥離用粘着シートのための基
材フイルムは、それより得られる剥離用粘着シートが表
面保護用として適度の柔軟性を有するように、樹脂10
0重量部に対して、可塑剤を10〜60重量部含み、更
に、必要に応じて、安定剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。可塑剤
は、特に限定されるものではなく、例えば、よく知られ
ているフタル酸エステル系、トリメリツト酸エステル
系、アジピン酸エステル系、リン酸エステル系、アジピ
ン酸系ポリエステル、エポキシ化合物等が用いられる。
また、安定剤も、特に限定されるものではないが、よく
知られているバリウム−亜鉛系、スズ系、カルシウム−
亜鉛系、カドミウム−バリウム系等の複合安定剤が好ま
しく用いられる。安定剤の配合量は、通常、塩化ビニル
系重合体100重量部について、1〜5重量部の範囲で
ある。
【0015】本発明による剥離用粘着シートのための基
材フイルムは、尿素化合物が0.01〜5重量%、好まし
くは、0.05〜3重量%の範囲にて含み、且つ、ハイド
ロタルサイトを0.05〜5重量%、好ましくは、0.1〜
3重量%の範囲にて含む。
【0016】本発明において、上記尿素化合物は、好ま
しくは、一般式(I) R1-NHCONH-R2 (式中、R1は炭素数7〜23のアルキル基を示し、R2
炭素数1〜23のアルキル基又はフエニル基を示す。)
で表わされる尿素化合物であるか、又は一般式(II) R3-NHCONH-R4-NHCONH-R3 (式中、R3は炭素数7〜23のアルキル基を示し、R4
炭素数1〜10のアルキレン基又は芳香族基を示す。)
で表わされる尿素化合物である。上記一般式(II)にお
いて、2価の芳香族基とは、例えば、キシリレン基、ト
ルイレン基、ジフエニルメタン基等を挙げることができ
る。
【0017】上記一般式(I)で表わされる尿素化合物
としては、例えば、N−ブチル−N’−ラウリル尿素、
N−フエニル−N’−ステアリル尿素、N−ステアリル
−N’−ステアリル尿素、N−ステアリル−N’−ベヘ
ニル尿素等を挙げることができる。
【0018】また、上記一般式(II)で表わされる尿素
化合物としては、例えば、エチレンビスステアリル尿
素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレ
ンビスベヘニル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、
キシリレンビスステアリル尿素、ジフエニルメタンビス
ステアリル尿素、ジフエニルメタンビスラウリル尿素等
を挙げることができる。
【0019】しかし、このような尿素化合物は、これを
配合した塩化ビニル系樹脂をカレンダー法にてフイルム
に成形するに際して、この尿素化合物に基づく変色を生
じるので、本発明によれば、基材フイルムに尿素化合物
と共にハイドロタルサイトを併用配合することによつ
て、熱変色のない基材フイルムを得ることができる。
【0020】ハイドロタルサイトは、一般に、次の組成
式 Mg1-X AlX (OH)2 (CO3)X/2 ・ mH2O で表わされる不定比化合物の塩基性炭酸マグネシウムア
ルミニウムであつて、通常、x=0.33、m=0〜0.5
の範囲である。
【0021】本発明による基材フイルムにおいて、尿素
化合物の量が0.01重量%よりも少ないときは、得られ
る剥離用粘着シートがロールからの巻き戻し性において
十分でなく、他方、5重量%を越えるときは、巻き戻し
性は十分であるが、高速度で巻き戻ししたときに、被着
体の表面を汚染する。また、ハイドロタルサイトの量が
0.05重量%よりも少ない時は、熱変色が改善されず、
5重量%よりも多い場合も、黄変が生じる。
【0022】本発明による基材フイルムは、上述したよ
うな尿素化合物とハイドロタルサイトとを含む塩化ビニ
ル系樹脂配合物をカレンダー加工によつてフイルムとす
ることによつて得ることができる。
【0023】上記塩化ビニル系樹脂配合物のカレンダー
加工は、通常の装置及び方法によればよく、塩化ビニル
系樹脂と尿素化合物とハイドロタルサイトと必要に応じ
てその他の添加剤とをヘンシエル型ミキサー、リボンブ
レンダー等にて好ましくはコールドブレンド(常温混
合)した後、例えば、150℃程度の温度でバンバリー
ミキサー、連続混練機等にて混練し、次いで、通常の逆
L型4本、Z型4本、M型6本等のカレンダーを用いて
フイルムに加工し、必要に応じて、金属製の絞ロールと
ゴム製のバツクアツプロールによつてエンボス加工し、
これを巻取り冷却すればよい。上記カレンダー加工にお
いて,カレンダー温度は、通常、180℃以下であり、
好ましくは、170〜1175℃の範囲である。
【0024】このようにして得られる塩化ビニル系樹脂
フイルムを基材フイルムとし、その片面に適宜の粘着剤
層を設けることによつて、剥離性粘着シートを得ること
ができる。上記粘着剤としては、一般に、粘着シートに
用いられている粘着剤、例えば、天然ゴム系や合成ゴム
系の感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤等が用いられ
る。
【0025】このような剥離性粘着シートは、例えば、
紙管に巻かれてロールとして保管、輸送され、また、そ
のようなロールから巻き戻して、表面保護等の目的に用
いられる。
【0026】
【発明の効果】本発明による剥離用粘着シートのための
基材フイルムは、以上のように、塩化ビニル系樹脂から
なり、尿素化合物とハイドロタルサイトとを含有し、カ
レンダー法にて基材フイルムに成形するに際して、尿素
化合物に基づく熱変色がなく、しかも、このようにして
得られた基材フイルムに粘着剤層を設けてなる剥離用粘
着シートは、ロールからの巻き戻し性にすぐれると共
に、ロールから高速度で巻き戻したときも、被着体の表
面を汚染しない。
【0027】従つて、かかる本発明による剥離用粘着シ
ートのための基材フイルムを用いれば、特に、近年にお
ける剥離用粘着シートの被着体への貼着作業の高速化に
対して、被着体を汚染する従来の問題がなく、よく対応
することができる剥離用粘着シートを得ることができ
る。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。部は重量部を示す。基材フイルムを次のようにして
調製した。
【0029】 基材フイルムA ポリ塩化ビニル(平均重合度1250) 100部 可塑剤ジオクチルフタレート 30部 エポキシ化大豆油 3部 安定剤バリウム−亜鉛系複合安定剤 2.75部 紫外線吸収剤 0.5部 からなる配合物をカレンダー加工にて厚さ0.08mmに成
形して、基材フイルムAとした。以下、この配合を基礎
配合という。
【0030】基材フイルムB 上記基礎配合にメチレンビスステアリン酸アミドの含有
量が1.0重量%となるように添加した配合物をカレンダ
ー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材シートBとし
た。 基材フイルムC(本発明) 上記基礎配合にキシリレンビススステアリル尿素の含有
量が1.0重量%となると共に、ハイドロタルサイトの含
有量が1.5重量%となるように添加した配合物をカレン
ダー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材フイルムC
とした。
【0031】基材フイルムD−1 上記基礎配合にN−ステアリル−N’−ステアリル尿素
の含有量が1.0重量%となるように添加した配合物をカ
レンダー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材フイル
ムD−1とした。 基材フイルムD−2(本発明) 上記基礎配合にN−ステアリル−N’−ステアリル尿素
の含有量が1.0重量%となると共に、ハイドロタルサイ
トの含有量が2.0重量%となるように添加した配合物を
カレンダー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材フイ
ルムD−2とした。 基材フイルムD−3 上記基礎配合にN−ステアリル−N’−ステアリル尿素
の含有量が1.0重量%となると共に、ハイドロタルサイ
トの含有量が7.0重量%となるように添加した配合物を
カレンダー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材フイ
ルムD−3とした。
【0032】基材フイルムE(本発明) 上記基礎配合にN−ステアリル−N’−ステアリル尿素
の含有量が0.01重量%となると共に、ハイドロタルサ
イトの含有量が2.0重量%となるように添加した配合物
をカレンダー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材フ
イルムEとした。 基材フイルムF(本発明) 上記基礎配合にN−ステアリル−N’−ステアリル尿素
の含有量が5重量%となると共に、ハイドロタルサイト
の含有量が2.0重量%となるように添加した配合物をカ
レンダー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材フイル
ムFとした。 基材フイルムG 上記配合にN−ステアリル−N’−ステアリル尿素の含
有量が7重量%となると共に、ハイドロタルサイトの含
有量が2.0重量%となるように添加した配合物をカレン
ダー加工にて厚さ0.08mmに成形して、基材フイルムG
とした。
【0033】感圧接着剤を次のようにして調製した。 感圧接着剤A アクリル酸ブチル 30部 アクリル酸エチル 60部 アクリロニトリル 5部 メタクリル酸 3部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 2部 からなる単量体混合物を共重合させてなるアクリル系感
圧接着剤にポリイソシアネート化合物を配合して、感圧
接着剤Aとした。
【0034】 感圧接着剤B 天然ゴム 100部 粘着付与樹脂 40部 老化防止剤 0.2部 からなるゴム系感圧接着剤にポリイソシアネート化合物
を配合して、感圧接着剤Bとした。
【0035】剥離性粘着シートを次のようにして調製し
た。即ち、感圧接着剤Aを用いる場合は、上記基材フイ
ルムに感圧接着剤Aを乾燥後の厚みが15μmとなるよ
うに塗布し、感圧接着剤Bを用いる場合は、上記基材フ
イルムに感圧接着剤Bを乾燥後の厚みが20μmとなる
ように、それぞれ塗布し、乾燥させ、紙管にロール状に
巻き付けて、剥離用粘着シートのロールとした。
【0036】剥離用粘着シートの剥離性を次のようにし
て評価した。上記のようにして準備した20mm幅の剥離
用粘着シートのロールから剥離用粘着シートを23℃の
温度条件下に300mm/分の巻き戻し速度で巻き戻し、
JIS Z−0237に従つて、初期巻き戻し力を測定
した。また、ロールをオーブン中に50℃で24時間放
置した後、同様にして、経時巻き戻し力を測定した。
【0037】次に、20mm幅の剥離用粘着シートのロー
ルから剥離用粘着シートを23℃の温度条件下に100
mm/分又は50m/分の巻き戻し速度で巻き戻し、これ
をステンレス製鏡面研磨板に貼着し、オーブン中に50
℃で24時間放置した後、粘着シートを剥離し、鏡面研
磨板における汚染の程度を目視にて観察し、5段階評価
した。1は汚染が全く確認できない、2は殆どない、3
は少し汚染されている、4はかなりに汚染されている、
5は著しく汚染されている、を示す。結果を表1に示
す。
【0038】また、ポリ塩化ビニル配合物を温度170
℃の12インチ2本ロールにて30分間、溶融加熱し
て、変色の度合いを目視にて観察し、5段階評価した。
1は変色が殆どない、2は変色が少ない、3は少し変色
している、4はかなりに変色している、5は著しく変色
している、を示す。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】比較例1及び3の基材フイルムは、尿素化
合物もハイドロタルサイトも含まない。比較例1におい
ては、基材フイルムに対する感圧接着剤の接着力が過剰
であつて、粘着シートをロールから巻き戻した際に、粘
着シートの背面に接着剤が一部、残存した。比較例3
は、巻き戻し力が過大であつて、表面保護シートとして
用いるに適しない。比較例2及び4の基材フイルムは、
尿素化合物に代えて、メチレンビスステアリン酸アミド
を含む。これらを基材フイルムとする剥離用粘着シート
は、ロールからの巻き戻し力は適正であるが、巻き戻し
速度が高速の場合に、被着体を著しく汚染した。
【0041】比較例5の基材フイルムは、尿素化合物と
ハイドロタルサイトとを共に含むが、尿素化合物の配合
量が過剰であつて、基材フイルムの製造時、フイルムが
黄変するほか、得られる剥離用粘着シートは、巻き戻し
速度が高速の場合に、被着体を著しく汚染した。比較例
6の基材フイルムは、尿素化合物を含むが、ハイドロタ
ルサイトを含まないので、得られる剥離用粘着シート
は、巻き戻し力は適正であり、巻き戻し速度が高速の場
合にも、被着体を汚染しないが、基材フイルムの製造時
に熱変色が著しい。比較例7の基材フイルムは、尿素化
合物とハイドロタルサイトとを共に含むが、ハイドロタ
ルサイトの配合量が過剰であつて、その製造時、黄変が
激しい。
【0042】これに対して、本発明の実施例によれば、
尿素化合物とハイドロタルサイトとをそれぞれ適正な量
を含むので、いずれも、ロールからの巻き戻し力が適正
であつて、しかも、ロールから高速で巻き戻しても、被
着体を殆ど汚染せず、更に、基材フイルムのカレンダー
加工による製造時にも、熱変色に対する抵抗性も、著し
く改善されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂からなり、尿素化合物と
    ハイドロタルサイトを含有することを特徴とする剥離用
    粘着シートのための基材フイルム。
  2. 【請求項2】尿素化合物が一般式(I) R1-NHCONH-R2 (式中、R1は炭素数7〜23のアルキル基を示し、R2
    炭素数1〜23のアルキル基又はフエニル基を示す。)
    で表わされるか、又は一般式(II) R3-NHCONH-R4-NHCONH-R3 (式中、R3は炭素数7〜23のアルキル基を示し、R4
    炭素数1〜10のアルキレン基又は芳香族基を示す。)
    で表わされる請求項1記載の剥離用粘着シートのための
    基材フイルム。
  3. 【請求項3】尿素化合物0.01〜5重量%及びハイドロ
    タルサイト0.05〜5重量%の範囲にて含有する請求項
    1又は2記載の剥離用粘着シートのための基材フイル
    ム。
  4. 【請求項4】尿素化合物とハイドロタルサイトを含有す
    る塩化ビニル系樹脂をカレンダー加工することを特徴と
    する剥離用粘着シートのための基材フイルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】尿素化合物が一般式(I) R1-NHCONH-R2 (式中、R1は炭素数7〜23のアルキル基を示し、R2
    炭素数1〜23のアルキル基又はフエニル基を示す。)
    で表わされるか、又は一般式(II) R3-NHCONH-R4-NHCONH-R3 (式中、R3は炭素数7〜23のアルキル基を示し、R4
    炭素数1〜10のアルキレン基又は芳香族基を示す。)
    で表わされる請求項4記載の剥離用粘着シートのための
    基材フイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】尿素化合物0.01〜5重量%及びハイドロ
    タルサイト0.05〜5重量%の範囲にて含有する請求項
    4又は5記載の剥離用粘着シートのための基材フイルム
    の製造方法。
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