JP6635874B2 - 半導体製造工程用粘着フィルムに使用する基材フィルム - Google Patents

半導体製造工程用粘着フィルムに使用する基材フィルム Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造工程において使用する基材フィルムに関し、さらに詳しくは、半導体製造工程に適した粘着シート及び該粘着シートの基材として用いられるフィルムについての発明である。
半導体ウエハをダイシングし、得られたチップをダイボンドする一連の工程では、各種の粘着シートやフィルム状接着剤が用いられている。
たとえば、ダイシング工程に用いる粘着シートは、基材と粘着剤層とからなり、半導体ウエハをダイシングする際に、当該半導体ウエハを固定し、またダイシング後にはチップを保持するために用いられる。また、粘着シート上でダイシングされたチップを、該粘着シートから直接ピックアップしたり、またチップを、半導体ピックアップ用粘着シートに転写した後に、ピックアップすることがある。
ダイシング工程の終了後には、チップのダイボンドを行う。この際、液状の接着剤を用いることもあるが、近年はフィルム状接着剤が多用されている。フィルム状接着剤は、半導体ウエハの片面に貼着され、ダイシング工程においてウエハとともに切断され、その後、接着剤層付のチップとしてピックアップされ、接着剤層を介してチップは所定の部位に接着される。このようなフィルム状接着剤は、基材フィルムや粘着シート上にエポキシやポリイミドなどの接着剤を製膜、半固化した層を設けることにより得られる。
さらに、ダイシング時のウエハ固定機能とダイボンド時のダイ接着機能とを同時に兼ね備えたダイシング・ダイボンド兼用シートも提案されている。ダイシング・ダイボンド兼用シートは、粘接着剤層と、基材とからなる。粘接着剤層は、ダイシング工程においては半導体ウエハやチップを保持し、ダイボンド時にはチップを固着するための接着剤として機能する。粘接着剤層は、ダイシング時には、ウエハとともに切断され、切断されたチップと同形状の粘接着剤層が形成される。ダイシング終了後、チップのピックアップを行うと、粘接着剤層は、チップとともに剥離する。粘接着剤層を伴ったチップを基板に載置し、加熱等を行い、チップと基板とを接着剤層を介して接着する。このようなダイシング・ダイボンド兼用シートは、基材上に、ウエハ固定機能とダイ接着機能とを兼ね備えた、粘接着剤層が形成されてなる。
また、チップの表面に保護膜を形成するために、硬化性の樹脂層に半導体ウエハを貼付し、樹脂層を硬化させ、その後、半導体ウエハと樹脂層をダイシングし、硬化した樹脂層(保護膜)を有するチップを製造するプロセスも提案されている。このような保護膜形成用のシートは、剥離性基材上に保護膜となる接着性の樹脂層を有する。
これらの半導体ウエハ加工用シートを用いたウエハ加工では、ダイシング後にエキスパンドして、チップ間隔を離間し、チップのピックアップを容易にしている。このため、ウエハ加工用シートにおいては、エキスパンドできる程度の柔軟性が要求されることがある。そこで、上記半導体ウエハ加工用シートの基材としては、可塑剤を含有するポリ塩化ビニルフィルムが使用されることが多い。
従来のポリ塩化ビニルフィルムは、ポリ塩化ビニルに配合される可塑剤として、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステル、典型的には、ジオクチルフタレート(DOP)が使用されている。DOPなどの可塑剤を含む軟質ポリ塩化ビニルフィルムは、その優れた機械特性である剛性と、可塑剤による柔軟性を併せ持つことから各種の粘着シートの基材として幅広く使用されている(特許文献1)。
しかし、DOPは、欧州におけるRoHS(危険物質に関する制限)指令の規制対象候補物質であり、またREACH(欧州連合における人の健康や環境の保護のための欧州議会及び欧州理事会規則)において、SVHC(高懸念物質)の認可物質として挙げられている。このため、今後DOPの使用については制限される可能性が極めて高く、代替物質の検索が行われている。
前記の課題に対して、特許文献2には、可塑剤としてシクロヘキサンジカルボン酸と、炭素数6〜12のアルコールとのジエステル化合物を使用するポリ塩化ビニル系樹脂製の基材が開示されている。
しかしながら、前記の可塑剤では、一定期間、保管した後においても可塑剤移行の抑制が十分できず、粘着剤への移行が継続され、性能の安定と言う観点では、十分なものではなかった。
特開2001−207140号公報 特開2013−165128号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであり、基材がDOPを含まないにも関わらず、十分なエキスパンド性を示し、しかも粘着特性の経時変化の少ない半導体製造工程用フィルムに用いることができる基材フィルム、および当該基材フィルムを備える半導体製造工程用フィルムを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1]可塑剤として、少なくとも芳香族エステル化合物と脂肪族エステル化合物を含有するポリ塩化ビニル系樹脂フィルムからなる半導体製造工程用基材フィルムであって、前記ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、下記式(1)より得られる重量変化率差(α)が3%以下であることを特徴とする半導体製造工程用基材フィルム。
重量変化率(a)−重量変化率(b)=重量変化率差(α)・・・式(1)
(重量変化率(a):環境温度80℃における14日後の重量変化率(%)、
重量変化率(b):環境温度80℃における28日後の重量変化率(%))
[2]前記芳香族エステル化合物は、テレフタル酸系可塑剤(I)であり、前記脂肪族エステル化合物は、ポリエステル系可塑剤(II)であることを特徴とする[1]に記載の半導体製造工程用基材フィルム。
[3]前記テレフタル酸系可塑剤(I)と前記ポリエステル系可塑剤(II)の質量比は、55:45〜10:90であることを特徴とする[2]に記載の半導体製造工程用基材フィルム。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する半導体製造工程用フィルム。
に関する。
本発明の半導体製造工程用基材フィルムにより、基材がDOPを含まないにも関わらず、十分なエキスパンド性を示し、しかも粘着特性の経時変化の少ない半導体製造工程用基材フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明の半導体製造工程用基材フィルムに用いられるポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、環境温度80℃における14日後の重量変化率(a)(%)と、28日後の重量変化率(b)(%)により得られる下記式(1)の重量変化率差(α)が3%以下であることが重要である。
重量変化率(a)−重量変化率(b)=重量変化率差(α)・・・式(1)
前記条件における重量変化率差(α)を3%以下とすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムが、実際に使用される条件で一定期間経過した後においても、可塑剤の移行を抑制することができる。これにより、フィルムに粘着剤層を設けた場合に、面状悪化による接着剤の接着力の低下が起こることを抑制し、経時変化の少ない性能を有することが可能となる。
また、前記重量変化率差(α)は、2.8%以下が好ましく、2.5%以下がより好ましく、2.0%以下が更に好ましい。
また、重量変化率差(α)の下限値は、重量変化が少ない程好ましいため、特に限定することはなく重量変化率差が0%に近いほど好ましい。
[ポリ塩化ビニル系樹脂]
本発明に使用できるポリ塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルとこれに共重合可能なコモノマーとの共重合体、及びこれらの重合体の混合物のことをいう。ポリ塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法又は乳化重合法等の公知の製造方法のうち、いずれの方法により製造されたものであってもよい。コモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマル酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニル類又はハロゲン化ビニリデン類、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体があげられる。勿論、コモノマーは、上述のものに限定されるものではない。コモノマーは、塩化ビニル系樹脂の構成成分中30重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲にするのがよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、700〜2500の範囲であることが好ましく、800〜1300であることがより好ましい。また、異なる平均重合度のポリ塩化ビニル系樹脂を2種以上混合して用いてもよい。混合方法としては、フィルム製膜加工時に2種類以上の樹脂を混合する方法が一般的であるが、ポリ塩化ビニル系樹脂の重合時に重合条件をコントロールすることによって、見掛け上2種類以上の平均重合度の異なるポリ塩化ビニル系樹脂が混合されたことになる方法であってもよい。
本発明に使用できるポリ塩化ビニル系樹脂には、必要に応じて、成形用の合成樹脂に通常配合される公知の樹脂添加剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、耐候助剤、熱安定剤、安定化助剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、防菌防黴剤及び着色剤等の各種添加剤を配合することができる。
[芳香族エステル化合物及び脂肪族エステル化合物]
本発明に使用する芳香族エステル化合物と脂肪族エステル化合物の含有量の合計は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましく、15〜50質量部であることが更に好ましく、20〜40質量部であることが特に好ましい。芳香族エステル化合物と脂肪族エステル化合物の含有量の合計を5質量部以上とすることで、基材フィルムに柔軟性を付与することができ、エキスパンド性が良好となる。また、100質量部以下とすることで、基材フィルムが柔らかくなりすぎることを抑制でき、加工時のハンドリング性が好ましくなる。
本発明において可塑剤として使用する芳香族エステル化合物及び脂肪族エステル化合物は、DOPを含まないものであれば特に限定されることはないが、芳香族エステル化合物としては、例えば、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジアルキル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジブトキシエチル、フタル酸オクチルベンジル、フタル酸ノニルベンジル、フタル酸アルキルベンジル、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)等のテレフタル酸系可塑剤、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリアルキル、安息香酸エステル等が挙げられる。また、脂肪族エステル化合物としては、シクロヘキサンジカルボン酸/イソノニルエステル、クエン酸アセチルトリブチル、ジペンタエリスリトールヘキサ脂肪酸エステル、ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸系可塑剤および/または、ポリエステル系可塑剤を使用することが好ましい。
なお、本発明においてDOPを含まないとは、RoHS指令の規制や、REACHにおける取り決めにおいて、問題とならない程度の少量のDOPを含有することを意味する。
本発明で用いられるテレフタル酸系可塑剤(以下「テレフタル酸系可塑剤(I)」とも言う)は、テレフタル酸系であれば特に限定されることはないが、中でもテレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)を好ましく使用することができる。また、前記テレフタル酸系可塑剤(I)は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、2〜30質量部含有することが好ましく、3〜25質量部含有することがより好ましく、5〜20質量部含有することが更に好ましい。
本発明においては、テレフタル酸系可塑剤(I)として2種類以上のものを用いてもよい。
本発明で用いられるポリエステル系可塑剤(以下「ポリエステル系可塑剤(II)」とも言う)は、特に限定されることはなく、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸を用い、必要により一価のアルコール又はモノカルボン酸をストッパーとして使用したポリエステル系可塑剤を使用することができる。なかでもアジピン酸を使用したアジピン酸系ポリエステル可塑剤を好ましく使用することができる。
本発明においては、ポリエステル系可塑剤(II)として2種類以上のものを用いてもよい。
また、前記ポリエステル系可塑剤(II)は、重量平均分子量が550〜3000であることが好ましく、550〜2800であることがより好ましく、600〜2500であることが更に好ましい。また、前記ポリエステル系可塑剤(II)は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、5〜40質量部含有することが好ましく、10〜35質量部含有することがより好ましく、15〜30質量部含有することが更に好ましい。
本発明の基材フィルムにおいて、前記テレフタル酸系可塑剤(I)と前記ポリエステル系可塑剤(II)の質量比を、55:45〜10:90とすることが好ましく、50:50〜20:80とすることがより好ましく、45:55〜25:75とすることが更に好ましく、40:60〜25:75とすることが特に好ましい。前記テレフタル酸系可塑剤(I)と前記ポリエステル系可塑剤(II)の質量比を前記の範囲とすることで可塑剤の移行をより抑制することができ好ましい。
また、本発明の基材フィルムは、前記テレフタル酸系可塑剤(I)と前記ポリエステル系可塑剤(II)に、更に低分子量アジピン酸系可塑剤を含有することが好ましい。前記低分子量アジピン酸系可塑剤は、重量平均分子量が540以下とすることが好ましく、500以下とすることがより好ましく、480以下とすることが更に好ましい。また、前記低分子量アジピン酸系可塑剤は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1〜15質量部含有することが好ましく、2〜13質量部含有することがより好ましく、2〜10質量部含有することが更に好ましい。基材フィルムに前記低分子量アジピン酸系可塑剤を更に含有させることで、重量変化率の変動が減少し、安定するまでの時間が短くなり、より安定した性能を有することが可能となり好ましい。
本発明の半導体製造工程用基材フィルムは、Tダイ押出し成形法、インフレーション成形法及びカレンダー成形法等の一般的な樹脂フィルムの成形方法により製造することができ、多層の場合は前記の方法で製造した個々の層(フィルム)をラミネーターを用いて貼り合わせる方法やフィルム成形と同時に圧着ラミネートする方法により製造できるが、多層Tダイ押出し法によって成形と同時に積層フィルムを製造するのが工程数も減らすことができて特に好ましい。
前記半導体製造工程用基材フィルムの厚みは、10μm以上、500μm以下であることが好ましく、20μm以上、400μm以下であることがより好ましく、30μm以上、300μm以下であることが更に好ましく、50μm以上、200μm以下であることが特に好ましい。フィルム厚みがかかる範囲であれば、柔軟性、加工性、エキスパンド性、透明性、復元性に優れる前記半導体製造工程用基材フィルムが得られる。
本発明のもう一つの態様は、本発明に規定する基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する半導体製造工程用フィルムである。
前記粘着剤としては、特に限定することなく公知の粘着剤を使用することができる。例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤などが挙げられる。中でも粘着力の制御が容易なアクリル系粘着剤が好ましい。前記アクリル系粘着剤としては、従来公知の粘着剤用のアクリル系樹脂を広く用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルの重合体、共重合性単量体との共重合体またはこれらの混合物が用いられる。更に、前記アクリル系粘着剤の接着性や凝集力を制御する目的でアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルまたは酢酸ビニル等の単量体を共重合させてもよい。これらの単量体を重合して得られるアクリル系(共)重合体の重量平均分子量は、5×10〜2×10であることが好ましく、4×10〜8×10であることが更に好ましい。
更に、前記粘着剤層に架橋剤を配合することにより、接着力と凝集力とを任意の値に設定することができる。このような架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物及びキレート化合物等がある。多価イソシアネート化合物としては、具体的にはトルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらのアダクトタイプのもの等が用いられる。多価エポキシ化合物としては、具体的にはエチレングリコールジグリシジルエーテル及びテレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が用いられる。多価アジリジン化合物としては、具体的にはトリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が用いられる。またキレート化合物としては、具体的にはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が用いられる。
また、前記粘着剤層中に光重合性化合物を配合することによって、前記粘着剤層に光線、好ましくは紫外線を照射することにより、初期の接着力を大きく低下させ、容易に被着体から該粘着フィルムを剥離することができる。このような光重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報及び特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる、分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられる。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及び市販のオリゴエステルアクリレート等が用いられる。なお、前記の粘着剤層中に、光重合開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間及び光照射量を少なくすることができる。このような光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル及びβ−クロールアンスラキノン等が挙げられる。光重合開始剤は、通常光重合性化合物100重量部に対し0.1〜10重量部の量が用いられる。
前記粘着剤層の厚みは、通常1〜300μmである。前記粘着剤層の厚みがかかる範囲であれば、粘着性とコストのバランスに優れる。
粘着剤層は、粘着剤を樹脂等の成分が可溶な溶剤に溶解した後、グラビアコート法、リバースロールコート法、コンマコート法、バーコート法、ナイフコート法及びキスコート法等従来公知のコーティング方式により基材フィルム上に粘着剤の溶液を塗布し、溶剤を揮発、乾燥させる方法を用いて形成することができる。
前記半導体工程用フィルムの少なくとも片面側は、プラズマ処理やコロナ処理、オゾン処理及び火炎処理等の方法により表面処理されていてもよい。また、半導体製造工程用フィルムと粘着剤層の間には、必要によりプライマー層を設けてもよい。また、本発明の目的を損ねない限り、粘着テープの粘着剤層が設けられた側と反対面及び/または半導体製造工程用フィルムと粘着剤層の間に更に樹脂層を設けても良い。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
<重量変化評価>
得られた基材フィルムを、下記の条件下に養生する前の重量をシイベル機械(株)メトラー天秤AE−200を用いて測定する。その後、該基材フィルムを、80℃の温度条件にて14日間養生した後、該基材フィルムの重量を測定する(重量変化率(a)(%))。その後、該基材フィルムを更に80℃の温度条件で14日間養生(合計28日間)した後、該基材フィルムの重量を測定した(重量変化率(b)(%))。
得られた結果を、下記の計算式により重量変化率差(α)を算出した。

重量変化率(a)−重量変化率(b)=重量変化率差(α)
本実施例において用いた材料は以下の通りである。
[ポリ塩化ビニル系樹脂]
(A):「製品名:TH−1000(大洋塩ビ株式会社製、平均重合度1100)」
[テレフタル酸系可塑剤(I)]
(B):テレフタル酸ジ−2−エチルヘキシル「製品名:アデカサイザーD−810((株)ADEKA社製)」
[ポリエステル系可塑剤(II)]
(C−1):アジピン酸系ポリエステル可塑剤「製品名:アデカサイザーPN―7160((株)ADEKA社製:重量平均分子量800)」
(C−2):アジピン酸系ポリエステル可塑剤「製品名:D643((株)ジェイ・プラス社製:重量平均分子量1800)」
(C−3):アジピン酸系ポリエステル可塑剤「製品名:アデカサイザーPN−446((株)ADEKA社製: 重量平均分子量2000)」
(C−4):アジピン酸系ポリエステル可塑剤「製品名:D645((株)ジェイ・プラス社製:重量平均分子量2200)」
[低分子量アジピン酸系可塑剤]
(D):製品名「サンソサイザーDINA(新日本理化(株)社製:重量平均分子量400)」
[フタル酸系可塑剤]
(E):1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル「製品名:Hexamoll−DINCH(BASF社製)」
[ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの作製]
ポリ塩化ビニル系樹脂、各可塑剤を表1に記載する配合比率で混合し、180℃にてバンバリーミキサーを用いて混練した。この混合物をカレンダーロールで圧延して厚さ80μmのポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
Figure 0006635874
表1より、実施例1〜5は、重量変化率差(α)に優れ、可塑剤の移行が抑制され、粘着特性の経時変化の少ない性能を有していることがわかる。一方、比較例1〜4は、重量変化率差(α)が大きく、長期の保管や試用期間中に、可塑剤の移行が抑制できない結果であった。よって、本発明の半導体製造工程用基材フィルムは、ポリ塩化ビニル系基材フィルムがDOPを含まないにも関わらず、柔軟性に優れ、エキスパンド工程において優れる性能を有し、長期の使用期間においても可塑剤の移行が抑制できる結果が得られた。

Claims (4)

  1. 可塑剤として、少なくとも芳香族エステル化合物と脂肪族エステル化合物を含有するポリ塩化ビニル系樹脂フィルムからなる半導体製造工程用基材フィルムであって、前記ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、下記式(1)より得られる重量変化率差(α)が3%以下であることを特徴とする半導体製造工程用基材フィルム。
    重量変化率(a)−重量変化率(b)=重量変化率差(α)・・・式(1)
    (重量変化率(a):環境温度80℃における14日後の重量変化率(%)、
    重量変化率(b):環境温度80℃における28日後の重量変化率(%))
  2. 前記芳香族エステル化合物は、テレフタル酸系可塑剤(I)であり、前記脂肪族エステル化合物は、ポリエステル系可塑剤(II)であることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造工程用基材フィルム。
  3. 前記テレフタル酸系可塑剤(I)と前記ポリエステル系可塑剤(II)の質量比は、55:45〜10:90であることを特徴とする請求項2に記載の半導体製造工程用基材フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤層を有する半導体製造工程用フィルム。
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