JP2001106881A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

難燃性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品

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JP2001106881A
JP2001106881A JP28143999A JP28143999A JP2001106881A JP 2001106881 A JP2001106881 A JP 2001106881A JP 28143999 A JP28143999 A JP 28143999A JP 28143999 A JP28143999 A JP 28143999A JP 2001106881 A JP2001106881 A JP 2001106881A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械特性および溶融熱安定性に優れた難燃性
ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性芳香族ポリエステル100
重量部に対し、(B)特定の臭素化エポキシ系難然剤5
〜60重量部、(C)特定の臭素化ポリカーボネート系難
然剤5〜60重量部、(D)アンチモン系難燃助剤1〜20
重量部および(E)リン酸塩系安定剤を、特定の条件を
満たすように添加してなり、メルトフローレートに尽い
て特定の条件を満たす難燃性ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械特性、溶融熱
安定性および表面外観性に優れた難燃性ポリエステル樹
脂組成物およびそれからなる成形品に関する。さらに詳
しくは、靭性に優れ、ホットランナーシステム等を用い
た厳しい成形条件下でも安定した成形品が得られ、かつ
高い表面外観と白色度を有し、照明部品や家電製品等の
外観用途に適した難燃性ポリエステル樹脂組成物ならび
にそれからなる照明部品用および家電製品用成形品に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル樹脂は、その優れ
た耐熱性、機械特性、耐薬品性、成形性から多くの用途
に用いられているが、最近は製品の安全性確保の観点か
ら、難燃性の賦与が求められることが多くなっている。
しかし一般に熱可塑性ポリエステル樹脂は、難燃化する
ことで機械物性、特に靭性が低下することが問題になる
ことが多い。
【0003】また最近は、廃棄物の削減などの観点から
ホットランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイ
クルを行うことが多くなり、樹脂にはより高い溶融熱安
定性が求められるようになっている。難燃性ポリエステ
ル樹脂の機械特性、溶融熱安定性を改良するための方策
としては、特開昭54-83053号公報、特開昭62- 172052号
公報等で、難燃剤として特定分子量の臭素化ポリカーボ
ネートオリゴマーと、特定分子量の臭素化エポキシ化合
物を特定の比率で併用する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では溶融安定性はある程度改善されるものの、本発明で
意図しているような、ホットランナーシステムによる成
形や、成形屑のリサイクルを行うような厳しい成形条件
下では、機械物性、特に靭性の維持が十分でなく、更に
は成形品の変色や異物・焼けの発生が避けられず、白色
度の高い成形品を安定して得るのが困難であった。
【0005】本発明は上述の事情を背景としてなされた
ものであり、その目的は、機械特性および溶融熱安定性
に優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、靭性
に優れ、ホットランナーシステム等を用いた厳しい成形
条件下でも成形加工性に優れ、更には優れた表面外観、
白色度を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物およびそれからなる照明部品および家電製
品用部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部に対し、
(B)下式(1)で表わされる臭素化エポキシ系難然剤
5〜60重量部、
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Xは臭素及び/または塩素元素
を、nは5以上20以下の整数を表す)(C)下式(2)
で表わされる臭素化ポリカーボネート系難然剤1〜40重
量部、
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Xは臭素及び/または塩素元素
を、nは3以上12以下の整数を表す)
【0011】(D)アンチモン系難燃助剤1〜20重量部
および(E)燐酸塩系安定剤0.01〜5重量部を添加して
なる難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、(B)、
(C)、(D)各成分の添加重量を各々b、c、dとし
たときに、以下の式、 1.5<b/c<20 2.5<(b+c)/d<10 をともに満たし、かつ、JIS K7210により260℃、滞留6
分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレー
トをM(g/10min.)、260℃、滞留26分、荷重2160gにて
測定したメルトフローレートをM’(g/10min.)としたと
きに、以下の式、 0.8< M’/M <1.5 を満たす、難燃性ポリエステル樹脂組成物である。
【0012】本発明はまた、上記の難燃性ポリエステル
樹脂組成物からなる照明部品用成形品および家電製品用
成形品である。以下、本発明を詳述する。
【0013】[熱可塑性芳香族ポリエステル(A)]熱
可塑性芳香族ポリエステル(A)は、その酸成分がテレ
フタル酸および/またはナフタリンジカルボン酸であ
り、そのジオール成分が脂肪族ジオールである芳香族ポ
リエステルである。ジオール成分の脂肪族ジオールは、
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコールからなる群から選ばれる少なくとも
1種であることが好ましい。熱可塑性芳香族ポリエステ
ル(A)として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンナフタレートが好ましい。
【0014】また熱可塑性芳香族ポリエステル(A)と
しては、上述のポリエステルの一部を共重合成分が置換
したものでもよく、かかる共重合成分としては、イソフ
タル酸、フタル酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフ
タル酸等のアルキル置換フタル酸;2,6-ナフタリンジ
カルボン酸、2,7-ナフタリンジカルボン酸、1,5-ナフ
タリンジカルボン酸等のナフタリンジカルボン酸類;
4,4’-ジフェニルジカルボン酸、3,4’-ジフェニルジ
カルボン酸等のジフェニルジカルボン酸類;4,4’-ジ
フェノキシエタンジカルボン酸等のジフェノキシエタン
ジカルボン酸類などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカル
ボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族又は
脂環族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジメタノー
ルなどの脂環族ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン
等のジヒドロキシベンゼン類;2,2’-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)スルホン等のビスフェノール類;ビスフェノ
ール類とエチレングリコールのごときグリコールとから
得られるエーテルジオールなどの芳香族ジオール、ε-
オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエ
トキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。
かかる共重合成分が共重合される場合、共重合量は合計
で5モル%未満が好ましい。
【0015】上述の熱可塑性芳香族ポリエステル(A)
に、分岐成分として、トリメシン酸、トリメリット酸の
ごとき多官能性のエステル形成能を有する酸又はグリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
等の多官能のエステル形成能を有するアルコールを1.0
モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましく
は0.3モル%以下の割合で共重合せしめてもよい。
【0016】熱可塑性芳香族ポリエステル(A)は、固
有粘度(IV)が0.8〜1.2dl/gであることが好ましい。0.8
より小さいと十分な特性、特に靭性が得られず、1.2よ
り大きくなると熔融粘度が高く流動性が低下して成形性
が損なわれるため好ましくない。ここで固有粘度は35℃
でo-クロルフェノールを溶媒として測定したものであ
る。
【0017】[臭素化エポキシ系難燃剤(B)]臭素化
エポキシ系難然剤(B)は、下式(1)で表される臭素
化ビスフェノールA系エポキシ樹脂である。
【0018】
【化5】
【0019】(式中、Xは臭素及び/または塩素元素
を、nは5以上20以下の整数を表す)
【0020】臭素化エポキシ系難燃剤(B)の臭素化ビ
スフェノールA系エポキシ樹脂の軟化点は、分子量及び
分子量分布により変化するが、100〜250℃の範囲にある
ことが好ましい。
【0021】臭素化エポキシ系難燃剤(B)の配合量
は、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)100重量部当た
り5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部である。臭素
化エポキシ系難燃剤(B)は、無機充填剤を配合して、
また臭素化エポキシ系難燃剤(B)以外の難燃剤を併用
して、配合量を少なくできるが、その場合でも本発明の
目的を達成するためには、熱可塑性芳香族ポリエステル
100重量部あたり少なくとも5重量部は必要である。5重
量部未満では得られる組成物の難燃性が不十分である。
臭素化エポキシ系難燃剤(B)の配合量が60重量部を超
えると、成形品の靭性の低下や色相の悪化、特に白色度
の低下を招き、更なる難燃性の向上は期待できない。
【0022】[臭素化ポリカーボネート系難燃剤
(C)]臭素化ポリカーボネート系難然剤(C)は、下
式(2)で表される臭素化ビスフェノールA系ポリカー
ボネート樹脂である。
【0023】
【化6】
【0024】(式中、Xは臭素及び/または塩素元素
を、nは3以上12以下の整数を表す)
【0025】臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)の
臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂の軟化
点は、分子量及び分子量分布により変化するが、150〜3
00℃の範囲のものが好ましい。
【0026】臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)の
添加量は、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)100重量
部当たり、1〜40重量部、好ましくは3〜15重量部であ
る。臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)も、無機充
填剤を配合して、また臭素化ポリカーボネート系難燃剤
(C)以外の難燃剤を併用して、配合量を少なくできる
が、その場合でも本発明の目的を達成するためには、熱
可塑性芳香族ポリエステル100重量部あたり少なくとも
1重量部は必要である。1重量部未満では得られる組成
物の難燃性が不十分であり、また40重量部を超えて配合
しても更なる難燃性の向上は期待できず、組成物の溶融
安定性を低下させる。
【0027】そして、本発明の意図するような、ホット
ランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイクルを
行うような厳しい成形条件下での、機械物性、特に靭性
の維持や白色度の高い成形品を安定して得るためには、
臭素化エポキシ系難燃剤(C)の添加重量は、臭素化エ
ポキシ系難燃剤(B)、臭素化ポリカーボネート系難燃
剤(C)各成分の添加重量を各々b、cとしたときに、
式 1.5<b/c<20 を満足することが必要である。ホットランナーシステム
による成形や、成形屑のリサイクル成形を行う場合、組
成物は、通常のコールドランナーシステムによる射出成
形の場合に比べて、加熱溶融される時間が長く、また一
時的に300℃以上の高温に曝されるのが通常であり、組
成物にはこのような厳しい成形条件に耐えるだけの溶融
安定性が必要である。上記の式で、b/cが1.5以下で
あると、得られる組成物はこれらの成形に耐えられるだ
けの溶融安定性が得られない。またb/cが20以上であ
ると、得られる組成物の機械特性、特に靭性が低下す
る。
【0028】[アンチモン系難燃助剤(D)]アンチモ
ン系難燃助剤(D)は、臭素化エポキシ系難燃剤(B)
及び臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)との相乗効
果により、難燃性を高める働きをするものである。
【0029】好適なアンチモン系難燃助剤(D)の例と
して、Sb2O3、x Na2O・Sb2O5・y H2O(x=0〜1,y=0〜4)を
挙げることができる。アンチモン系難燃助剤(D)は、
その粒径が0.02〜5μであることが好ましい。アンチモ
ン系難燃助剤(D)は、エポキシ化合物、シラン化合
物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面
処理されたものを用いてもよい。
【0030】アンチモン系難燃助剤(D)の配合量は、
熱可塑性芳香族ポリエステル(A)100重量部あたり1
〜20重量部である。
【0031】そして、アンチモン系難燃助剤(D)の添
加量は、臭素化エポキシ系難燃剤(B)、臭素化ポリカ
ーボネート系難燃剤(C)、アンチモン系難燃助剤
(D)各成分の添加重量を各々b、c、dとしたとき
に、式 2.5<(b+c)/d<10 を満足することが必要である。
【0032】すなわち、アンチモン系難燃助剤(D)の
配合量は、臭素化エポキシ系難燃剤(B)及び臭素化ポ
リカーボネート系難燃剤(C)の合計量に対し、0.1を
超え0.4に満たない割合である。
【0033】アンチモン系難燃助剤(D)の配合量が、
熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部あたり1重量部
未満では充分な難燃性、耐熱性を得ることができず、20
重量部を越えると樹脂や配合剤の分解を促進し、成形品
の特性が低下する。そして、アンチモン系難燃助剤
(D)の配合量が、臭素化エポキシ系難燃剤(B)及び
臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)の合計量に対し
て0.4以上であると、成形品の機械特性、特に靭性が低
下し、また白色度も低下し、0.1以下であると難燃性が
十分に発現されない。
【0034】[燐酸塩系安定剤(E)]リン酸塩系安定
剤(E)としては、燐酸一ナトリウム、燐酸二ナトリウ
ム、燐酸三ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、トリポリ
燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、燐酸アン
モニウムなどを例示することができる。リン酸塩系安定
剤(E)として好ましくは燐酸一ナトリウム、燐酸二ナ
トリウムであり、特に好ましくは燐酸二ナトリウムであ
る。燐酸塩系安定剤(E)の配合量は、熱可塑性芳香族
ポリエステル100重量部にあたり0.01〜5重量部であ
る。0.01重量部未満では溶融安定化の効果がなく、5重
量部を超えても効果の一層の向上は期待できない。
【0035】[メルトフローレート]本発明の難燃性ポ
リエステル樹脂組成物は、JIS K7210により260℃、滞留
6分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレ
ートをM(g/10min.)、260℃、滞留26分、荷重2160gに
て測定したメルトフローレートをM’(g/10min.)とした
ときに、以下の式、 0.8< M’/M<1.5 を満たすものである。 M’/Mが0.8以下であるとホッ
トランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイクル
成形を行う際、加熱溶融される時間が長くなると該組成
物が劣化して溶融粘度が低下し、成形品の機械強度、特
に靭性の低下や、色相の悪化を招くとともに、安定した
成形性が確保できなくなる。またM’/Mが1.5以上で
あると、加熱溶融される時間が長くなると該組成物が増
粘して溶融粘度が増加し、この場合も安定した成形性が
確保できなくなる。
【0036】[物性]本発明の難燃性ポリエステル樹脂
組成物は、金型温度80℃にて射出成形して成形品とした
ときに、ASTM D638引張破断伸度が15%以上である成形
品を得ることができる。本発明の難燃性ポリエステル樹
脂組成物は、金型温度25℃にて射出成形して板状成形品
としたときに、L*,a*,b*表色系におけるL*値が85以上、
かつb*が6以下である成形品を得ることができる。この
ような成形品は、靭性が良好なため、小型・薄肉でもそ
の組立や製品使用の工程で割れや折れの発生を抑制で
き、また白色度が良好なため、照明部品用成形品および
家電製品用成形品として好適に使用することができる。
【0037】[添加剤]本発明の難燃性ポリエステル樹
脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、核
剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安
定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、更に又衝撃改良
剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せしめることができ
る。
【0038】[製造方法]本発明の難燃性ポリエステル
樹脂組成物は、公知の方法を採用して製造することがで
きる。例えば、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)、臭
素化エポキシ系難燃剤(B)、臭素化ポリカーボネート
系難燃剤(C)、アンチモン系難燃助剤(D)およびリ
ン酸塩系安定剤(E)をブレンダーなどを用いて均一混
合した後、バンバリーミキサー、加熱ロールや単軸又は
多軸押し出し機等を用いて、230〜360℃、好ましくは23
0〜290℃の温度で熔融混練する方法で製造することがで
きる。また、樹脂組成物の成分の一部を予め予備混練し
ておき、後に所定の配合比に調節して混練する方法も可
能である。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明を詳述する。尚、
実施例中の部は重量部を意味する。
【0040】[組成物原料]実施例に用いた組成物の原
料は下記のとおりである。 ポリマー: (A)熱可塑性芳香族ポリエステル(表中、PBT): (a-1)帝人(株)製PBT C7000N IV:0.88 (a-2)帝人(株)製PBT C7000PG IV:1.14 (B)臭素化エポキシ系難燃剤(表中、Br-Ep): (b-1)大日本インキ化学工業(株)製 プラサームEP100
重合度 n=約16 (b-2)油化シェルエポキシ(株)製 エピコート505 5 重
合度 n=約2〜3 (C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤(表中、Br-P
C): (c-1)帝人化成(株)製 ファイヤーガード7500 重合度
n=約5 (c-1)帝人化成(株)製 ファイヤーガード7100 重合度
n=約14 (D)アンチモン系難燃助剤: (d-1)三酸化アンチモン 日本精鉱(株)製 PATOX-M (d-2)五酸化アンチモン 日産化学(株)製 NA1030 (E)燐酸塩系安定剤: 和光純薬(株)製 燐酸二水素ナトリウム二水和物 試薬
特級
【0041】[特性]成形物の特性は下記方法により測
定した。 ・溶融安定性:得られた成形品のペレットを、東洋精機
(株)製メルトフローテスターに6g投入し、JIS K7210に
より、260℃、滞留6分、荷重2160gにて測定した組成
物のメルトフローレートをM(g/10min.)、260℃、滞留2
6分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレ
ートをM’(g/10min.)として、M’/Mの値を求めた。 ・燃焼性:米国アンダーライターラボラトリーズのサブ
ジェクト94(UL-94)の方法に準じ、1.0mmの厚みの試験
片を用いて評価した。 ・引張破断伸度:シリンダー温度 260℃、金型温度 80
℃、射出圧 約40MPa にてASTM D638の1号ダンベルを成
形し、島津製作所(株)製オートグラフを用いて測定し
た。 ・L*値・b*値 シリンダー温度 260℃、金型温度 80℃、射出圧 約80 M
Pa にて直径50mm、厚さ3mmの円板状成形品を成形し、日
本電色(株)製カラーアナライザー TC-1800MK-IIを用い
て測定した。
【0042】[実施例1〜3および比較例1〜6]表1
に記載の配合成分を所定の割合で予め均一にドライブレ
ンドした後、スクリュー径44mmのベント付き二軸押
出機を用いてシリンダー温度250℃〜260℃、スク
リュー回転数120rpm、吐出量50kg/hにて熔
融混練し、スレッド状に押出し、冷却後切断して成形用
ペレットを得た。次いでこのペレットを用いて上記特性
の評価を行った。なお、成形の際には射出容量145c
3、型締力80tの射出成形機を用いた。評価結果を表
1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1〜3の組成物は何れも良好な溶融
安定性を示し、かつ成形品の引張破断伸度も高く、靭性
に優れた成形品であることが確認された。他方、比較例
に記載の組成物は、溶融安定性に劣る(比較例1〜
2)、成形品の引張破断伸度が低い(比較例3〜4)、
成形品の色相が悪い(比較例5)などの欠点が見られ、
満足する結果は得られなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、機械特性および溶融熱
安定性に優れ、ホットランナーシステム等による成形に
耐えうる、表面外観、白色度に優れる難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物を提供することができる。そこで、本発明
の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、照明部品用成形品
および家電製品用成形品として好適に使用することがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 67/00 (C08L 67/00 63:02 63:02 69:00) 69:00) Fターム(参考) 4F071 AA42 AA44 AA45 AA46 AA47 AA48 AA50 AB18 AB25 AE07 AH12 BB05 BC03 4J002 CD122 CF011 CF031 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 CF091 CF141 CF161 CF181 CF191 CG033 DE156 DH047 DH057 FD040 FD050 FD060 FD070 FD090 FD100 FD132 FD133 FD136 FD137 FD170 FD200 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性芳香族ポリエステル100
    重量部に対し、(B)下式(1)で表わされる臭素化エ
    ポキシ系難然剤5〜60重量部、 【化1】 (式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは5以上
    20以下の整数を表す)(C)下式(2)で表わされる臭
    素化ポリカーボネート系難然剤1〜40重量部、 【化2】 (式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは3以上
    12以下の整数を表す)(D)アンチモン系難燃助剤1〜
    20重量部および(E)燐酸塩系安定剤0.01〜5重量部を
    添加してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、
    (B)、(C)、(D)各成分の添加重量を各々b、
    c、dとしたときに、以下の式、 1.5<b/c<20 2.5<(b+c)/d<10 をともに満たし、かつ、JIS K7210により260℃、滞留6
    分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレー
    トをM(g/10min.)、260℃、滞留26分、荷重2160gにて
    測定したメルトフローレートをM’(g/10min.)としたと
    きに、以下の式、 0.8<M’/M <1.5 を満たす、難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性芳香族ポリエステルが、
    固有粘度0.8〜1.2dl/gのポリブチレンテレフタレートで
    ある請求項1記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 金型温度80℃にて射出成形して成形品と
    したときの、ASTM D638引張破断伸度が15%以上であ
    る、請求項1または2に記載の難燃性ポリエステル樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 金型温度25℃にて射出成形して板状成形
    品としたときの、L*,a*,b*表色系におけるL*値が85以
    上、かつb*が6以下である、請求項1乃至3のいずれか
    に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の難燃
    性ポリエステル樹脂組成物からなる照明部品用成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の難燃
    性ポリエステル樹脂組成物からなる家電製品用成形品。
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