JP2001106776A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
ポリエステルの製造方法Info
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Abstract
管の汚れを少なくし、かつポリエステルチップから成形
品を製造した際にも残留異味、異臭が少ないポリエステ
ルを提供すること。 【解決手段】 ポリエステルチップ及び処理水を処理槽
に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステ
ルの製造方法において、全酸素消費量(TOD)が0.
1〜100ppmである水を系外から導入することを特
徴とする。
Description
して、フィルム、シート成形用などに用いられるポリエ
ステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形時に金
型汚れが発生しにくく、かつ成形品に残留異味、異臭が
発生しにくく、成形品の結晶化コントロール性に優れた
ポリエステルの製造方法に関する。
エステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れてい
るため、工業的価値が高く、繊維、フイルム、シ−ト、
ボトルなどとして広く使用されている。
器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目
的に応じて種々の樹脂が採用されている。
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
どの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着
することによる金型汚れが発生しやすかった。
トアルデヒドを含有する。ポリエステル中のアセトアル
デヒド含量が多い場合には、これから成形された容器や
その他包装等の材質中のアセトアルデヒド含量も多くな
り、該容器等に充填された飲料等の風味や臭いに影響を
及ぼす。したがって、従来よりポリエステル中のアセト
アルデヒド含量を低減させるために種々の方策が採られ
てきた。
とするポリエステル製容器は、ミネラルウオ−タやウ−
ロン茶等の低フレ−バ−飲料用の容器として使用される
ようになってきた。このような飲料の場合は、一般にこ
れらの飲料を熱充填したりまたは充填後加熱して殺菌さ
れるが、飲料容器のアセトアルデヒド含量の低減だけで
はこれらの内容物の風味や臭いが改善されないことがわ
かってきた。
化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレ
ンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルフイルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法
が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を
充填後高温で加熱殺菌されるが、この際アセトアルデヒ
ド含量の低いフイルムを使用しても内容物の風味や臭い
が改善されないことが分かってきた。
特開平3−47830号にはポリエチレンテレフタレ−
トを水処理する方法が提案されている。が、水処理設備
を長時間運転すると処理槽や配管等の汚れが激しくな
り、又得られたポリエステルからの成形品に残留異味や
異臭が発生する。
には、処理用の水として蒸留水を用いるとコストの面か
ら不利であるため、河川からの水や地下水、排水等を簡
易処理した工業用水を用いることが一般的である。しか
しながら、工業用水を用いて水処理をした場合、得られ
たポリエステルからの成形品に残留異味や異臭が発生す
るという問題もあった。
の段階において、工業用水に含まれている細菌、バクテ
リア等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有機化合
物または工業的に使用される有機化合物等が水処理時に
ポリエステルチップにに付着、浸透し、これらが成形品
の残留異味や異臭の原因になっていることが分かった。
問題点を解決することにあり、成形時での金型汚れを発
生させにくく、またさらにはボトルの透明性の良好で、
かつ成形品に異臭が発生しにくいポリエステルを提供す
ることを目的としている。
め、本発明は、ポリエステルチップ及び処理水を処理槽
に供給してポリエステルチップを水処理するポリエステ
ルの製造方法において、全酸素消費量(TOD)が0.
1〜100ppmである水を系外から導入することによ
り水処理することを特徴とする。
処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用
することができる。この場合において、ポリエステルチ
ップを、処理槽に継続的に供給することができる。この
場合において、ポリエステルチップを、処理槽に間欠的
に供給することができる。この場合において、ポリエス
テルチップの全量を処理槽に充填し、水処理終了後ポリ
エステルチップの全量を抜き出すことができる。
排出と、排出した処理水の処理槽へのもどりが継続的で
あることができる。この場合において、処理槽からの処
理水の排出と、排出した処理水の処理槽への戻りが間欠
的であることができる。この場合において、系外から処
理槽に導入する新しい処理水を活性炭吸着方式の処理装
置により処理した後、処理槽に導入することができる。
この場合において、系外から処理槽に導入する新しい処
理水を逆浸透膜装置で処理した後、処理槽に導入するこ
とができる。
粘度0.55〜1.30デシリットル/グラムの主たる
繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成される
ポリエステルであることができる。またこの場合におい
て、ポリエステルが、極限粘度0.40〜1.00デシ
リットル/グラムの主たる繰り返し単位がエチレンナフ
タレートから構成されるポリエステルであることができ
る。かかる本発明のポリエステルの製造方法によれば、
成形時での金型汚れを発生させにくく、またさらには、
ボトルの透明性の良好なポリエステルを有利に製造する
ことができる。
は、好ましくは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグ
リコ−ル成分とから得られる結晶性ポリエステルであ
り、さらに好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成
分の85モル%以上含むポリエステルであり、特に好ま
しくは、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%
以上含むポリエステルである。
る芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,
4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げ
られる。
成するグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が
挙げられる。前記ポリエステル中に共重合して使用され
る酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレン
ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4'
−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプ
ロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン
酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマ−酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその
機能的誘導体などが挙げられる。
るグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのア
ルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリ
エチレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリ
アルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
囲内で多官能化合物、例えばトリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパン等
を共重合してもよく、また単官能化合物、例えば安息香
酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
い一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
トから構成されるポリエステルであり、さらに好ましく
はエチレンテレフタレート単位を85モル%以上含む線
状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレ
フタレート単位を95モル%以上含む線状ポリエステ
ル、即ち、ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PET
と略称)である。
ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−
2、6−ナフタレートから構成されるポリエステルであ
り、さらに好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート
単位を85モル%以上含む線状ポリエステルであり、特
に好ましいのは、エチレン−2、6−ナフタレート単位
を95モル%以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリエ
チレンナフタレ−トである。
法によって製造することが出来る。即ち、PETの場合
には、テレフタール酸とエチレングリコール及び必要に
より他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステ
ル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、
または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及
び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコ
ールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を
行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度を
増大させ、アセトアルデヒド含量等を低下させる為に固
相重合を行ってもよい。
行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。こ
れらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特
にGe化合物またはこれとTi化合物の混合使用が好都
合である。
ニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレン
グリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを
添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で
用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレングリコール
を添加加熱した溶液を使用するのが好ましい。これらの
重縮合触媒はエステル化工程中に添加することができ
る。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエス
テル樹脂中のGe残存量として10〜150ppm、好
ましくは13〜100ppm、更に好ましくは15〜7
0ppmである。
−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−n−プ
ロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−ト等の
テトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加水分解
物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チ
タニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニ
ルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チ
タニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩
化チタン等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマ−
中のTi残存量として0.1〜10ppmの範囲になる
ように添加する。
酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモン
カリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−
ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙
げられる。Sb化合物は、生成ポリマ−中のSb残存量
として50〜250ppmの範囲になるように添加す
る。
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ
−中のP残存量として5〜100ppmの範囲になるよ
うに添加する。
レングリコ−ル含量を制御するためにエステル化工程に
塩基性化合物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチル
アンモニウム等の第4級アンモニウム塩等を加えること
が出来る。
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成
されるポリエステルの極限粘度は0.50〜1.30デ
シリットル/グラム、好ましくは0.55〜1.20デ
シリットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜0.
90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が
0.50デシリットル/グラム未満では、得られた成形
体等の機械的特性が悪い。また、1.30デシリットル
/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂
温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を
及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄
色に着色する等の問題が起こる。
に、主たる繰り返し単位がエチレン−2、6−フタレー
トから構成されるポリエステルの極限粘度は0.40〜
1.00デシリットル/グラム、好ましくは0.42〜
0.95デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.
45〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極
限粘度が0.40デシリットル/グラム未満では、得ら
れた成形体等の機械的特性が悪い。また、1.00デシ
リットル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融
時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性
に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成
形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
−型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その
大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.6〜3.5
mm、好ましくは1.8〜3.5mmの範囲である。例
えばシリンダ−型の場合は、長さは1.8〜3.5m
m、径は1.8〜3.5mm程度であるのが実用的であ
る。また、チップの重量は15〜30mg/個の範囲が
実用的である。
アセトアルデヒド含量は10ppm以下、好ましくは8
ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、ホルムアル
デヒド含量は7ppm以下、好ましくは6ppm以下、
更に好ましくは4ppm以下である。本発明で用いられ
るポリエステルのアセトアルデヒド含有量を10ppm
以下、またホルムアルデヒド含有量を7ppm以下にす
る方法は特に限定されるものではないが、例えば低分子
量のポリエステルを減圧下または不活性ガス雰囲気下に
おいて170〜230℃の温度で固相重合する方法を挙
げることが出来る。
共重合されたジエチレングリコール量は該ポリエステル
を構成するグリコール成分の1.0〜5.0モル%、好
ましくは1.3〜4.5モル%、更に好ましくは1.5
〜4.0モル%である。ジエチレングリコール量が5.
0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成型時
に分子量低下が大きくなったり、またアセトアルデヒド
含量やホルムアルデヒド含量の増加量が大となり好まし
くない。またジエチレングリコ−ル含量が1.0モル%
未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなる。
環状3量体の含有量は0.50重量%以下、好ましくは
0.45重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%
以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成
形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、
環状3量体の含有量が0.50重量%以上含有する場合
には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加
し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
マー類が成形時に金型内面や金型のガスの排気口、排気
管等に付着することによる金型汚れ等を防止するため
に、前記の溶融重縮合または固相重合の後に水との接触
処理を行なう。
ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間とし
ては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに
好ましくは30分〜10時間であり、水の温度としては
20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好
ましくは50〜120℃である。
場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工
業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常
この天然水は、河川水、地下水などから採取したもの
で、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去
等の処理をしたものを言う。また、一般的に工業用に用
いられる天然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミ
ノケイ酸塩等の粘土鉱物を代表とする無機粒子や細菌、
バクテリア等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有
機化合物または工業的に使用される有機化合物等を多く
含有している。これらの天然水を用いて水処理を行う
と、これらの有機化合物がポリエステルチップに吸着、
浸透し、異味、異臭の原因となり、このようなポリエス
テルチップを用いた中空成形容器の内容物の風味や香り
が非常に悪くなることが判った。
討した結果、系外より水処理槽に導入される新しい処理
水や処理槽中の処理水に含まれる有機物を構成する炭
素、水素、窒素、硫黄、及び燐等の含量を主として表す
全酸素消費量(TOD)の値と関係があることが分かっ
た。
ら導入される処理水の全酸素消費量(TOD)を0.1
〜100ppm、好ましくは0.3〜50ppm、さら
に好ましくは0.5〜10ppmに維持して水処理し、
またバッチ方式の場合は系外から処理槽に満たされる処
理水の全酸素消費量(TOD)を0.1〜100pp
m、好ましくは0.3〜50ppm、さらに好ましくは
0.5〜10ppmに維持して水処理することによって
上記の問題点を解決する。
素消費量(TOD)を上記範囲に設定することにより、
前記の有機化合物がポリエステルチップに吸着、浸透し
て異味、異臭の原因となり、このようなポリエステルチ
ップを用いた中空成形容器の内容物の風味や香りが非常
に悪くなることを防ぐことができる。
チ的のいずれの場合であっても、系外から導入される処
理水の全酸素消費量(TOD)を0.1ppm未満にす
る場合は、多段蒸留等の処理を行う必要がある。この場
合は設備費が高くなり経済的な水処理が困難となる。
費量(TOD)を0.1〜100ppmに抑える方法を
例示するが、本発明はこれに限定するものではない。
量(TOD)を前記の濃度に抑えるためには処理槽に供
給するまでの工程の少なくとも1ケ所以上に、全酸素消
費量(TOD)の原因となる有機物等を低減さすための
適切な装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口
から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再度処
理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必要な
付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に全酸素消費
量(TOD)の原因物質を除去する装置を設置し、処理
装置に供給する水中の、全酸素消費量(TOD)を0.
1〜100ppmにすることが好ましい。
する装置としては、脱気装置、イオン交換装置、活性炭
吸着装置や逆浸透膜装置などが挙げられる。
するが、これに限定するものではない。また処理方法は
連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行なうためには連続方式の方が好ましい。
いずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水の
すべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新し
い水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大によ
る環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出し
た少なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用
することにより、必要な水量を低減し、また排水量増大
による環境への影響を低減することが出来、さらには水
処理槽へ返される排水がある程度温度を保持していれ
ば、処理水の加熱量も小さく出来るため、処理層から排
出された処理水は水処理層へ戻して再利用されることが
好ましい。また、水を再利用させることで処理層中の処
理水の流量を上げることができ、結果としてポリエステ
ルチップに付着したファインを洗い流すことができるた
め、ファイン除去効果も生まれる。
る場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポリ
エステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
前記の特性を持つ処理水を連続供給して水処理させるこ
とができる。処理されたポリエステルチップは処理層の
下部から継続、あるいは断続的に抜き出す。
をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわち、バッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽に
ポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処
理を行ない水との接触をさらに効率的にすることもでき
る。
理槽内に投入、充填すると共に前記の特性を持つ処理水
を満たし、処理水は必要により継続的又は断続的(総称
して連続的ということがある)に循環し、また、継続的
又は断続的に一部の処理水を排出して新しい前記の特性
を持つ処理水を追加供給する。水処理後はポリエステル
チップの全量を処理層から抜き出す。
(TOD)を100ppm以下、好ましくは50ppm
以下、さらに好ましくは10ppm以下に維持しながら
ポリエステルチップを水処理することも必要である。処
理槽中の処理水の全酸素消費量(TOD)を低減するた
めに、処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返され
るまでの工程や処理槽内にも少なくとも1ヶ所以上に全
酸素消費量(TOD)を低減さすための適切な装置を設
置してもよい。装置としては、脱気装置、イオン交換装
置または活性炭吸着装置が挙げられる。
エステルチップに前記の無機粒子が付着、浸透して結晶
核となり、このようなポリエステルチップを用いた中空
成形容器の透明性が非常に悪くなる。したがって、ポリ
エステルチップを水処理するために系外から導入する水
として、粒径1〜25μmの粒子を1〜50000個/
10cc含む水を利用することが必要である。処理水中
の粒径25μmを越える粒子は、特に規定するものでは
ないが、好ましくは2000個/10cc以下、より好
ましくは500個/10cc以下、さらに好ましくは1
00個/10cc、特に好ましくは10個/10cc以
下である。
関しては、本発明で特に規定するものではないが、透明
な樹脂や適正な結晶化速度の樹脂を得るためには、少な
い方が好ましい。粒径1μm未満の粒子数としては好ま
しくは1000個/10cc以下、より好ましくは50
0個/10cc以下、さらに好ましくは200個/10
cc以下、特に好ましくは100個/10cc以下であ
る。1μm以下の粒子を水中から除去、コントロールす
る方法としてはセラミック膜、有機膜等の膜を用いた精
密濾過法や限外濾過法、逆浸透膜法等を用いることがで
きる。
の粒子を1〜50000個/10cc含む水を得る方法
を例示する。水中の粒子数を50000個/10cc以
下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に
供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除
去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口
から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再度処
理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必要な
付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に粒子を除去
する装置を設置し、処理装置に供給する水中の、粒径1
〜25μmの粒子の含有量を1〜50000個/10c
cにすることが好ましい。粒子を除去する装置として
は、フィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分
離器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルタ
ー濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方
式、バグフィルター方式、カートリッジフィルター方
式、遠心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連
続的に行うにはベルトフィルター方式の濾過装置が適し
ている。またベルトフィルター方式の濾過装置であれば
濾材としては、紙、金属、布等が挙げられる。またファ
インの除去と処理水の流れを効率良く行なうため、フィ
ルターの目のサイズは1〜25μm、好ましくは1〜2
0μm、さらに好ましくは1〜10μmがよい。
属イオンを大量に含んでいる場合があり、このような天
然水を用いて水処理を行うと、これらがポリエステルチ
ップに付着、浸透して結晶化促進剤として作用し、この
ようなポリエステルチップを用いた中空成形容器の透明
性が非常に悪くなる。したがって、天然水を水処理に使
用する場合は、イオン交換装置等によってこれらの金属
イオンを約1.0mg/リットル以下に低減させておく
ことが必要である。
理槽にポリエステルのチップを受け入れる段階で既にポ
リエステルのチップに付着しているファインや、水処理
時にポリエステルのチップ同士あるいは処理槽壁との摩
擦で発生するポリエステルのファインが含まれている。
従って、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ戻し
て再利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファイン
量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含まれて
いるファインが処理槽壁や配管壁に付着して、配管を詰
まらせることがある。また処理水中に含まれているファ
インが再びポリエステルのチップに付着し、この後、水
分を乾燥除去する段階でポリエステルのチップにファイ
ンが静電効果により付着するため、乾燥後にファイン除
去を行なっても除去が困難となる。そのため、ポリエス
テルの結晶性が促進されて、透明性の悪いボトルとなっ
たり、また口栓部結晶化時の結晶化度が過大となり、口
栓部の寸法が規格に入らなくなり、口栓部のキャッピン
グ不良となることがある。
理法の場合は処理槽からポリエステルチップと共に排水
する処理水の微粉量を1000ppm以下、好ましくは
500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下
に維持しながら処理槽から排出される処理水の一部を処
理槽に戻して繰り返し使用するこのが望ましい。またバ
ッチ式水処理法の場合は、水処理の終了時点での水中の
微粉量は1000ppm以下、好ましくは500ppm
以下、さらに好ましくは300ppm以下にするように
処理槽から排出された処理水の少なくとも一部を処理槽
に戻して繰り返し使用する。処理槽内の処理水の微粉量
を低減する方法としては前記の水中の粒子除去方法を適
用することができる。ここで、微粉量は下記の測定法に
よって求めたものである。
機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、乾燥
工程へ移送する。当然のことながら水切り装置でポリエ
ステルチップと分離された水はフィルタ−式濾過装置、
遠心分離器等のファイン除去の装置へ送られ、再度水処
理に用いることができる。
常に厳しく管理されるミネラルウオ−タ−等の場合は、
水処理したポリエステルチップを加熱した新しいイオン
交換水で洗浄してチップ表面に付着している芳香族ジカ
ルボン酸とグリコ−ルとからなるモノマ−等を落とし、
乾燥工程へ移送することもできる。洗浄後のイオン交換
水は前記の水処理槽に戻して再度使用される。
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
が、本発明はこれらの実施例に限定させるものではな
い。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以
下に説明する。
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
ル含量(以下[DEG含量」という) メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によ
りDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合
(モル%)で表した。
℃で測定した。
(以下「CT含量」という) 試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/ク
ロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解
し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。
これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させ
た後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルム
アミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法
により環状3量体を定量した。
A含量」という) 試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラス
アンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出
処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感
度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表
示した。
はった篩(直径30cm)を用い、10〜30kgのサ
ンプルを0.1%のカチオン系界面活性剤(アルキルト
リメチルアンモニウムクロライド)水溶液をかけながら
篩い分け、篩を通過したファインの量を秤量し含量を求
める。
所製M−100射出成型機により樹脂温度290℃でプ
リフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自
家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた後、コ−ポ
プラスト社製LB−01延伸ブロー成型機を用いて二軸
延伸ブロー成形し、引き続き約155℃に設定した金型
内で10秒間熱固定し、500ccの中空成形容器を得
た。同様の条件で連続的に延伸ブロー成形し、目視で判
断して容器の透明性が損なわれるまでの成形回数で金型
汚れを評価した。また、ヘイズ測定用試料としては、5
000回連続成形後の容器の胴部を供した。
試料を切り取り、東洋製作所製ヘイズメ−タ−で測定。
間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
後30分保持し、室温へ冷却し室温で1ヶ月間放置し、
開栓後風味、臭い等の試験を行った。比較用のブランク
として、蒸留水を使用。官能試験は10人のパネラーに
より次の基準により実施し、平均値で比較した。 (評価基準) 0:異味、臭いを感じない 1:ブランクとの差をわずかに感じる 2:ブランクとの差を感じる 3:ブランクとのかなりの差を感じる 4:ブランクとの非常に大きな差を感じる (11)処理水中の微粉量(ppm) 処理槽の処理水中の排出口からJIS−Z−8801に
よる呼び寸法850mmの篩を通過した処理水を100
0cc採取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで
濾過後、100℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量
を測定して算出する。
(ppm) 前記の(11)で使用したガラスフィルタ−で濾過した
水をJIS−K0101の方法に準じて測定する。
口(1)、処理槽の処理水上限レベルに位置するオーバ
ーフロー排出口(2)、処理槽下部のポリエステルチッ
プと処理水の混合物の排出口(3)、このオーバーフロ
ー排出口から排出された処理水と、処理槽下部の排出口
から排出され水切り装置(4)を経由した処理水が、濾
材が紙製の20μmの連続式フィルターであるファイン
除去装置(5)を経由して再び水処理槽へ送られる配管
(6)、これらのファイン除去済み処理水の導入口
(7)、ファイン除去済み処理水中の有機物等を吸着処
理させる吸着塔(10)、新しいイオン交換水の導入口
(8)および窒素ガス吹き込み式脱気装置(12)を備
えた内容量約500リットルの塔型の、図1に示す処理
槽を使用して、活性炭処理装置(11)および限外濾過
装置(9)を経由したイオン交換水を連続的に導入して
PETチップを水処理した。極限粘度が0.74デシリ
ットル/グラムであり、DEG含量が2.6モル%、密
度が1.400グラム/cm3、環状3量体含量が0.
31重量%、AA含有量が4.6ppmであるPETチ
ップを、全酸素要求量(TOD)が1ppm以下、温度
が約90℃にコントロールされた処理水を入れた水処理
槽へ50kg/時間の速度で処理槽上部の供給口(1)
から連続投入し、水処理時間6時間で処理槽下部の排出
口(3)からPETチップとして50kg/時間の速度
で処理水と共に連続的に抜きだした。また、水処理槽の
オーバーフロー排出口(2)より絶えず水がオ−バ−フ
ロ−するように、TODが0.3〜1ppmの新しいイ
オン交換水を導入口(8)より供給した。前記の(7)
で得られた中空容器のヘイズは0.7%と透明性に優
れ、金型汚れまでの成形回数は12000回と問題なか
った。官能試験の結果は0.4と良好で、本発明の製造
方法によると内容物の味覚に影響を与えない中空成形容
器、フィルム、シート等用のPETチップを製造可能で
あることが分かる。
し、全酸素消費量(TOD)が約0.7ppmの新しい
イオン交換水を導入口(8)より供給し、処理槽から排
出する処理水の微粉含有量を約100ppmに維持しな
がらその一部分を処理槽に戻すことにより、実施例1と
同じPETチップを水処理した。得られたPETチップ
のファイン含量は約20ppmであった。このPETを
用いて前記(7)で得られた中空容器口栓部の赤外線ヒ
−タによる加熱後の天面の密度は1.378g/cm3
のと問題なく、胴部のヘイズは0.7%と透明性に優
れ、金型汚れまでの成形回数は13000回と問題なか
った。官能試験の結果は0.6と良好で、本発明の製造
方法によると内容物の味覚に影響を与えない中空成形容
器、フィルム、シート等用のPETチップを製造可能で
あることが分かる。
装置(9)、活性炭処理装置(11)および窒素ガス吹
き込み式脱気装置(12)を使用せず、それ以外は実施
例1と同様に水処理を行った。処理槽へ導入するイオン
交換水のTODが150ppm以上、また水処理槽の処
理水のTODは170ppm以上であった。(7)で得
られた中空成形容器の官能試験結果は、3.7と非常に
悪かった。
水を処理槽に供給してポリエステルチップを水処理する
ポリエステルの製造方法であって、全酸素消費量(TO
D)が0.1〜100ppmである水を系外から導入す
ることを特徴としており、水処理時での処理槽や配管の
汚れを少なくし、さらには成形時での金型汚れを発生さ
せにくく、またさらにはポリエステルチップから成形品
を製造した際にも残留異味、異臭が少ない優れたポリエ
ステルが得られる。
る装置の略図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 ポリエステルチップを処理槽中で水処理
するポリエステルの製造方法において、全酸素消費量
(TOD)が0.1〜100ppmである水を系外から
導入することにより水処理することを特徴とするポリエ
ステルの製造方法。 - 【請求項2】 処理槽から排出された処理水の少なくと
も一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴と
する請求項1に記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項3】 ポリエステルチップを、処理槽に継続的
に供給することを特徴とする請求項1または2記載のポ
リエステルの製造方法。 - 【請求項4】 ポリエステルチップを、処理槽に間欠的
に供給することを特徴とする請求項1または2記載のポ
リエステルの製造方法。 - 【請求項5】 ポリエステルチップの全量を処理層に充
填し、水処理終了後ポリエステルチップの全量を抜き出
すことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエス
テルの製造方法。 - 【請求項6】 処理槽からの処理水の排出と、排出した
処理水の処理槽への戻りが継続的であることを特徴とす
る請求項1から5のいずれかに記載のポリエステルの製
造方法。 - 【請求項7】 処理槽からの処理水の排出と、排出した
処理水の処理槽への戻りが間欠的であることを特徴とす
る請求項1から5のいずれかに記載のポリエステルの製
造方法。 - 【請求項8】 系外から処理槽に導入する新しい処理水
を活性炭吸着方式の処理装置により処理した後、処理槽
に導入することを特徴とする請求項1から7のいずれか
に記載のポリエステルの製造方法。 - 【請求項9】 系外から処理槽に導入する新しい処理水
を逆浸透膜装置で処理した後、処理槽に導入することを
特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のポリエス
テルの製造方法。
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