JP2001106100A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JP2001106100A
JP2001106100A JP29160099A JP29160099A JP2001106100A JP 2001106100 A JP2001106100 A JP 2001106100A JP 29160099 A JP29160099 A JP 29160099A JP 29160099 A JP29160099 A JP 29160099A JP 2001106100 A JP2001106100 A JP 2001106100A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧ポンプへの伝動系に介装した変速装置の
切換えを、その前後での特性の不連続部を生ずることな
く速やかに行わせる。 【解決手段】 エンジンEから油圧ポンプ4への伝動系
の中途に高低2速の切換えが可能な変速装置5を介装
し、この変速装置5の切換えクラッチ6に、油圧ポンプ
4の吐出油路15の中途にて分岐された導圧油路16を接続
する。導圧油路16の中途に圧力感応弁V2 を配し、この
圧力感応弁V2 をパイロット油路20を介して吐出油路15
に連通する。舵取り操作により吐出油路15の内圧が上昇
したとき、圧力感応弁V2 が開となり、導圧油路16の中
途のアキュムレータA内の蓄圧が切換えクラッチ6に導
入され、変速装置5が高速側に切換えられて油圧ポンプ
4が高速駆動されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを駆動源
とする油圧ポンプの吐出油を操舵補助用の油圧シリンダ
に送給し、該油圧シリンダが発生する油圧力により操舵
を補助する構成とした油圧式の動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の舵取機構中に配された複動式の
油圧シリンダ(パワーシリンダ)に油圧源としての油圧
ポンプから圧油(作動油)を送給し、前記パワーシリン
ダが発生する油圧力(操舵補助力)を舵取機構に加えて
操舵を補助する構成とした油圧式の動力舵取装置におい
て、前記油圧ポンプは、一般的には、車載エンジンの発
生動力の一部を利用し、例えば、前記エンジンのクラン
クシャフトの端部に設けた動力取り出し用のプーリを介
してのベルト伝動により駆動されている。
【0003】ところが、このような単純な伝動構成とし
た場合、エンジンの回転速度が高い高速走行時に、油圧
ポンプの駆動のための動力損失が大きく、燃費の低下を
招くという不都合があり、この動力損失を軽減すべく油
圧ポンプの仕様を決定した場合、エンジンの回転速度が
低く、大なる操舵補助力を必要とする低速走行時又は停
車時に、油圧ポンプの能力が不足し、所望の作動油圧及
び作動油量が得られないという問題がある。
【0004】このような問題を解消すべく本願出願人に
よる特開平10−338154号公報には、エンジンから油圧ポ
ンプへの伝動系の中途に高低2速の切換えが可能な変速
装置と、該変速装置に切換え動作を行わせる油圧作動式
の切換えクラッチとを備え、該切換えクラッチに前記油
圧ポンプの吐出側の油圧を作用させ、この油圧により前
記切換えクラッチを係合させて、前記変速装置を高速側
に切換える構成とした動力舵取装置が提案されている。
【0005】油圧ポンプの吐出側には、前記パワーシリ
ンダとの間に、舵輪(ステアリングホイール)の操作に
応じて油圧の給排動作をなす公知の油圧制御弁が介装さ
れており、該油圧制御弁の上流側の油圧は、舵輪の操作
の有無に応じて高低に変化する。前記特開平10−338154
号公報に開示された構成は、このことを利用したもので
あり、舵輪の操作が行われている場合、前記油圧の作用
により切換えクラッチが係合し、油圧ポンプが高速駆動
されて十分な作動油圧及び作動油量が得られるようにな
り、逆に、舵輪の操作が行われていない場合、前記切換
えクラッチの遮断により油圧ポンプが低速駆動される結
果、該油圧ポンプの駆動に要するエンジンの無為な動力
負担を軽減し、燃費の悪化を抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように特開平10−
338154号公報に開示された動力舵取装置は、油圧源とし
ての油圧ポンプの回転速度が、操舵中には高く非操舵中
には低くなり、十分な操舵補助力の確保と、エンジンの
動力負担の軽減とを併せて実現することが可能な優れた
ものであるが、この構成においては、以下の如き問題が
あった。
【0007】図9は、特開平10−338154号公報に開示さ
れた動力舵取装置において、舵取りのために舵輪に加え
られる操舵トルクと、パワーシリンダに送給される作動
油圧との対応関係を示す圧力特性図である。本図中に実
線により示す如く、パワーシリンダに送給される作動油
圧は、操舵中立点の両側の所定のトルク範囲において
は、前記油圧ポンプの低速回転により低圧に保たれてい
るが、左右両側に所定の操舵トルクT0 が加えられると
共に変化し、操舵トルクの増加に伴って急増する特性を
示すようになる。
【0008】以上の如き特性の変化は、前記操舵トルク
0 の前後において、切換えクラッチの係合により変速
装置が高速側に切換えられ、図中に二点鎖線により示す
低速下での圧力特性線から、同じく破線により示す高速
下での圧力特性線に移行することにより生じる。
【0009】しかしながら、前述した従来の構成におい
ては、前記変速装置の切換えクラッチが、前記油圧ポン
プの吐出側の油圧の直接的な作用により緩やかに係合す
るため、前記特性線間の移行部に、図示の如き不連続部
が発生し、急操舵がなされたとき、前記不連続部におい
て応答性の悪化及び引っ掛かり感が体感されるようにな
り、操舵感覚の悪化を招くという問題があった。
【0010】また、前記油圧ポンプの低速時の回転速度
を低く設定した場合、該切換えクラッチの吐出側の油圧
が不足し、この油圧による切換えクラッチの係合が安定
してなされず、所望の特性が得られなくなり、逆に、前
記油圧ポンプの低速時の回転速度を高く設定した場合、
該油圧ポンプの駆動のための動力負担が大となり、十分
な燃費の向上効果が得られなくなるという問題があっ
た。
【0011】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、エンジンから油圧ポンプへの伝動系に介装した
変速装置の切換えを、切換えの前後での特性の不連続部
を生ずることなく、また不必要時における回転速度を可
及的に低く保って確実に行わせ、十分な操舵補助力の確
保と燃費の向上とを併せて実現することが可能な動力舵
取装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
動力舵取装置は、エンジンから油圧ポンプへの伝動系の
中途に油圧の作用により変速比を切換える変速装置を介
装し、該変速装置の切換えに応じて高低2速にて駆動さ
れる前記油圧ポンプの吐出油を、舵輪の操作に応じて油
圧の給排動作をなす油圧制御弁を経て操舵補助用の油圧
シリンダに送給し、該油圧シリンダの発生力を舵取機構
に加えて操舵を補助する構成とした動力舵取装置におい
て、前記油圧ポンプの吐出側を前記変速装置に連通する
導圧油路と、該導圧油路の中途に配してあり、前記油圧
ポンプの吐出側の油圧の作用により前記導圧油路を開閉
する圧力感応弁とを具備することを特徴とする。
【0013】本発明においては、舵取りのために舵輪の
操作がなされ、この操作に応じて油圧ポンプの吐出側の
油圧が高くなったとき、この油圧に感応して変速装置に
連通する導圧油路の中途に配した圧力感応弁が開とな
り、前記油圧ポンプの吐出側の油圧が導圧油路を経て変
速装置に導かれ、この油圧の作用により前記変速装置が
高速側に速やかに切り換わり、油圧ポンプが高速回転す
るようになって、該油圧ポンプからの送給油により動作
する操舵補助用の油圧シリンダが十分な操舵補助力を発
生する。一方、舵輪の操作がなされておらず、油圧ポン
プの吐出側の油圧が低くなったとき、この油圧に感応し
て前記圧力感応弁が閉となり、導圧油路が遮断されて変
速装置が低速側に切換わり、油圧ポンプが低速回転する
ようになって、該油圧ポンプの駆動のための動力負担が
軽減される。
【0014】また本発明の第2発明に係る動力舵取装置
は、エンジンから油圧ポンプへの伝動系の中途に油圧の
作用により変速比を切換える変速装置を介装し、該変速
装置の切換えに応じて高低2速にて駆動される前記油圧
ポンプの吐出油を、舵輪の操作に応じて油圧の給排動作
をなす油圧制御弁を経て操舵補助用の油圧シリンダに送
給し、該油圧シリンダの発生力を舵取機構に加えて操舵
を補助する構成とした動力舵取装置において、前記油圧
ポンプの吐出側を前記変速装置に連通する導圧油路と、
該導圧油路の中途に配された開閉弁と、前記油圧ポンプ
の吐出側の油圧の作用によりオンオフする圧力スイッチ
と、該圧力スイッチのオンオフに応じて前記開閉弁を開
閉する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0015】本発明においては、舵取りのために舵輪の
操作がなされ、この操作に応じて油圧ポンプの吐出側の
油圧が高くなったとき、この油圧が作用する圧力スイッ
チがオン(又はオフ)となり、このオンオフ信号に応じ
た制御手段の動作により変速装置に連通する導圧油路の
中途に配した開閉弁が開とされ、油圧ポンプの吐出側の
油圧が導圧油路を経て変速装置に導かれ、この油圧の作
用により前記変速装置が高速側に速やかに切り換わり、
油圧ポンプが高速回転するようになって、該油圧ポンプ
からの送給油により動作する操舵補助用の油圧シリンダ
が十分な操舵補助力を発生する。一方、舵輪の操作がな
されておらず、油圧ポンプの吐出側の油圧が低くなった
とき、この油圧が作用する圧力スイッチがオフ(又はオ
ン)となり、このオンオフ信号に応じた制御手段の動作
により前記開閉弁が閉とされ、導圧油路が遮断されて変
速装置が低速側に切換わり、油圧ポンプが低速回転する
ようになって、該油圧ポンプの駆動のための動力負担が
軽減される。
【0016】更に本発明の第3発明に係る動力舵取装置
は、前記導圧油路の中途にアキュムレータを備えること
を特徴とする。
【0017】この発明においては、油圧ポンプの吐出側
に連通する導圧油路の中途に配したアキュムレータが、
非操舵中に低速回転している油圧ポンプの発生油圧を蓄
圧しており、前記圧力感応弁又は開閉弁が開となったと
き、前記アキュムレータに蓄えられた油圧が導圧油路を
経て変速装置に導かれ、この油圧の作用による前記変速
装置の高速側への切換えを一層急峻に行わせる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、ラックピニオン式
の舵取機構を備えた車両に装備された本発明に係る動力
舵取装置(以下本発明装置という)の全体構成を示すブ
ロック図である。
【0019】ラックピニオン式の舵取機構は、その上端
に舵輪(ステアリングホイール)1を備える舵輪軸10の
下端にピニオン11を固設し、該ピニオン11を車体の前部
に左右方向に延設されたラック軸12の中途に噛合させ、
該ラック軸12の両端を、左右一対の操向車輪(一般的に
は前輪)13,13のナックルアーム14,14に連結してな
り、舵取りのための舵輪1の回転を、舵輪軸10の下端に
おいてピニオン11と噛合するラック軸12の軸長方向の移
動に変換し、この移動によりナックルアーム14,14を押
し引きして操向車輪13,13の向きを変える構成となって
いる。
【0020】本発明装置は、以上の如きラックピニオン
式舵取機構による舵取り動作を油圧により補助するもの
であり、舵輪1の操作に応じて軸回りに回転する舵輪軸
10の中途に構成した油圧制御弁2を、油圧源としての油
圧ポンプ4と前記ラック軸12の中途に構成された操舵補
助用のパワーシリンダ3との間に介装してなり、前記舵
輪1の操作に応じた前記油圧制御弁2の公知の動作によ
り、前記油圧ポンプ4の吐出側の油圧を前記パワーシリ
ンダ3に送給し、この送給に応じてパワーシリンダ3が
発生する油圧力(操舵補助力)をラック軸12に加え、該
ラック軸12の軸長方向の移動を補助すべく構成されてい
る。
【0021】油圧源として用いられている前記油圧ポン
プ4の駆動軸40は、軸端部に嵌着した駆動プーリ41に巻
装された伝動ベルト42を介して車載エンジンEの出力端
に連結されている。駆動軸40の中途部には、遊星歯車式
の変速装置5、及び該変速装置5の変速比を油圧の作用
により切換える切換えクラッチ6が構成されており、前
記油圧ポンプ4は、伝動ベルト42を介して駆動軸40に伝
達されるエンジンEの出力の一部を利用し、前記変速装
置5の切換えに応じて高低2速にて駆動されるようにな
してある。
【0022】図2は、前記変速装置5及び切換えクラッ
チ6と一体に構成された油圧ポンプ4の構成例を示す縦
断面図である。本図に示す油圧ポンプ4は、複数枚のベ
ーンを半径方向への進退自在に備える短寸円筒形のロー
タ43と、偏肉環状をなすカムリング44とを、ポンプハウ
ジングH1 の内部に同軸的に備える公知のベーンポンプ
として構成されている。
【0023】ロータ43は、軸心部を貫通するロータ軸46
の中途部にスプライン結合され、該ロータ軸46を回転軸
としてカムリング44の内側にて回転するようになしてあ
る。カムリング44の内側には、周方向に複数の凹所が設
けられ、これらの凹所とロータ43の外周面との間にポン
プ室が構成されている。前記ロータ43に保持された複数
枚のベーンは、カムリング44の内周面に押し付けられて
おり、前記ロータ軸46の回転に伴うロータ43の回転は、
各ベーンの押し付け状態を保って行われるようになして
ある。
【0024】前記ポンプ室の夫々は、ポンプハウジング
1 内に構成された油路を経て、該ポンプハウジングH
1 の外側に取り付けた吸込管47と、図示しない吐出管と
に連通させてあり、図1に示す如く吸込管47は、作動油
を収納する油タンクTに接続され、また前記吐出管は、
吐出油路15を経て油圧制御弁2に接続されている。而し
て、ロータ軸46の回転に伴ってロータ43が回転した場
合、該ロータ43の外側に並ぶ各ポンプ室の内部には、油
タンクT内の作動油が吸込管47を経て吸込まれ、相隣す
るベーン間に封止されてロータ43と共に回転せしめられ
つつ昇圧し、吐出油路15に吐出されて前記油圧制御弁2
に送給される。
【0025】なお油圧ポンプ4は、以上の如きポンプ動
作をなすベーンポンプに限らず、ギヤポンプ、トロコイ
ドポンプ等の他の形式のポンプであってもよいことは言
うまでもない。
【0026】ロータ43の回転軸であるロータ軸46は、ポ
ンプハウジングH1 の一側外部に突出させてある。同側
のポンプハウジングH1 の端部には、伝動ハウジングH
2 が同軸的に組み付けられ、該伝動ハウジングH2
は、前記ロータ軸46と同軸上での回転自在に前記駆動軸
40が支承されている。該駆動軸40の一端は、伝動ハウジ
ングH2 の外側に突出させてあり、この突出端に嵌着固
定された駆動プーリ41、該駆動プーリ41に巻装された伝
動ベルト42(図1参照)を介して前記エンジンEの出力
端に連結されている。
【0027】また駆動軸40の他端部は、伝動ハウジング
2 の内部に延長され、ポンプハウジングH1 から突出
する前記ロータ軸46の端部に突き合わせてあり、この延
長部の周囲に前記変速装置5及び切換えクラッチ6が構
成されている。図3及び図4は、変速装置5及び切換え
クラッチ6の構成部分の拡大断面図である。
【0028】変速装置5は、太陽歯車50、遊星歯車51,
51…及び環状歯車52を備える遊星歯車変速装置として構
成されている。太陽歯車50は、その外周面の全周に歯が
形成された円板状の外歯歯車であり、駆動軸40とロータ
軸46との突き合わせ部に介装され、その両側に突出する
短寸の支軸を前記両軸40,46の軸心部に保持させて、こ
れらと同軸上に支承されている。
【0029】駆動軸40側の太陽歯車50の支持部には、該
太陽歯車50の先行回転を許容する一方向クラッチ53が介
装されている。これにより太陽歯車50は、駆動軸40の回
転が先行する状態においては、一方向クラッチ53の係合
により駆動軸40と一体回転する一方、後述の如く、自身
の回転が駆動軸40の回転に先行する状態となった場合に
は、一方向クラッチ53の係合解除により、ロータ軸46と
駆動軸40との間にてこれら両者に拘束されることなく自
在に遊転することができる。
【0030】環状歯車52は、内周面の全周に歯を備える
内歯歯車であり、前記太陽歯車50の配設位置と軸長方向
に整合するようにポンプハウジングH1 の内側に嵌着固
定されており、該環状歯車52と前記太陽歯車50との間に
複数の遊星歯車51,51…が、周方向に略等配をなして配
設されている。これらの遊星歯車51,51…は、ロータ軸
46の端部に同軸的にスプライン結合された円板状のキャ
リッジ54の一面に突設された各別の支軸に回転自在に取
付けられ、前記太陽歯車50及び環状歯車52に夫々噛合さ
せてある。
【0031】以上の構成によりエンジンEからの伝動に
より駆動軸40が回転すると、この回転は、一方向クラッ
チ53を介して太陽歯車50に伝達され、該太陽歯車50の外
周に噛合する遊星歯車51,51…が夫々の支軸回りに自転
しつつ環状歯車52の内周に沿って転動し、これに伴って
遊星歯車51,51…のキャリッジ54が公転し、この公転速
度にてロータ軸46及びロータ43が回転駆動される。この
ときロータ軸46には、駆動軸40の回転が減速されて伝達
されることとなり、該ロータ軸46及び前記ロータ43は、
駆動軸40の回転速度よりも低速度にて駆動される。
【0032】前記遊星歯車51,51…の支軸の先端部(キ
ャリッジ54による支持部の逆側)には、中抜き円板形を
なすクラッチ板60が一体に取付けてあり、このクラッチ
板60と、これに対向配置された円板形のクラッチピスト
ン61とにより、前記切換えクラッチ6が構成されてい
る。前記クラッチピストン61は、その内径側を駆動軸40
の中途部外周に形成されたスプラインに噛合させ、該駆
動軸40に回転を拘束されると共に、軸長方向への移動可
能に取付けてあり、駆動軸40の先端部に係着されたばね
受け62との間に介装された板ばね63のばね力により、前
記クラッチ板60から離反する向きに付勢されている。
【0033】また、クラッチピストン61のクラッチ板60
との非対向側には、伝動ハウジングH2 の対応部位にシ
ールリング65を介して嵌合する小径部 61aが同軸的に突
設され、該小径部 61aと駆動軸40との嵌合部にはシール
リング64が介装されており、これらのシールリング64,
65により内外を液密に封止して環状のシリンダ室66が構
成されている。
【0034】このように構成されたシリンダ室66には、
伝動ハウジングH2 の該当位置を貫通する連通孔を介し
て導圧油路16が接続されている。この導圧油路16は、図
1に示す如く、油圧ポンプ4の吐出油路15の中途におい
て分岐されて切換えクラッチ6に連通させてあり、その
中途部には、逆止弁V1 、アキュムレータA及び圧力感
応弁V2 が、上流側からこの順に介装されている。
【0035】圧力感応弁V2 には、油圧ポンプ4の吐出
側に連通するパイロット油路20が接続されており、該パ
イロット油路20を経て一側に導入されるパイロット圧
(油圧ポンプ4の吐出側の油圧)の作用により、他側の
ばねのばね力に抗して公知の切換え動作を行う構成とし
てある。
【0036】図1には、前記パイロット油路20から導入
される油圧ポンプ4の吐出側の油圧が低い場合の圧力感
応弁V2 の状態(閉状態)が示されている。このとき前
記導圧油路16は、圧力感応弁V2 の配設位置において遮
断され、前記切換えクラッチ6は、低圧状態に保たれた
油タンクTに連通せしめられる。なおこのとき、油圧ポ
ンプ4の吐出側の油圧は前記逆止弁V1 を介して導圧油
路16内に導入されており、該導圧油路16の中途に配した
前記アキュムレータAに蓄えられる。
【0037】一方、パイロット油路20から導入される油
圧ポンプ4の吐出側の油圧が高い場合、前記圧力感応弁
2 は、図と逆の状態(開状態)となり、導圧油路16の
上,下流側が連通されて、前記切換えクラッチ6には、
導圧油路16内の油圧、より詳しくは、前記アキュムレー
タA内の蓄圧が導入される。このように導入された油圧
は、前述の如く構成されたシリンダ室66に面するクラッ
チピストン61の端面を押圧し、該クラッチピストン61
は、前記板ばね63のばね力に抗してクラッチ板60に向け
て移動せしめられ、該クラッチ板60に押し付けられる。
【0038】図4は、シリンダ室66に導入される油圧の
作用によりクラッチピストン61がクラッチ板60に押し付
けられた状態を示している。このような状態となったと
きクラッチ板60は、クラッチ板67との摩擦により係合し
て駆動軸40に回転を拘束されたクラッチピストン61と一
体に回転するようになり、前記遊星歯車51,51…のキャ
リッジ53及びこれを保持するロータ軸46は、駆動軸40と
等速度にて回転することとなり、油圧ポンプ4のロータ
43は、エンジンEからの伝動により回転する駆動軸40と
等しい高速度にて駆動される。
【0039】なおこのとき、変速装置5の太陽歯車50
は、これの外周上での遊星歯車51,51…の転動に応じて
高速回転するが、この回転は、駆動軸40との間に介装さ
れた一方向クラッチ53により許容され、駆動軸40からロ
ータ軸46への伝動が阻害されることはない。また、クラ
ッチ板60と対向するクラッチピストン61の一面には、摩
擦係数の高い材料からなるクラッチ板67が取り付けてあ
り、クラッチピストン61のクラッチ板60への押し付けが
前記クラッチ板67を介してなされ、両クラッチ板60,67
間の摩擦により良好な係合状態が実現されるようにして
ある。
【0040】以上の如く切換えクラッチ6は、導圧油路
16を経てシリンダ室66に導入される油圧の作用により係
合し、遊星歯車変速装置として構成された変速装置5の
変速比を高速側に切換える動作を行う。本発明装置にお
いては、切換えクラッチ6への油圧の導入が、前記導圧
油路16の中途に介装された圧力感応弁V2 の開放に応じ
て行われる一方、圧力感応弁V2 の閉止時に導圧油路16
と切換えクラッチ6との連通が遮断されるから、該切換
えクラッチ6の高速側への切換え動作を、導圧油路16
内、即ち、油圧ポンプ4の吐出油路15内に発生する比較
的低い油圧の作用により、速やかに、しかも確実に行わ
せることができる。
【0041】更に、前記導圧油路16の中途にアキュムレ
ータAを配し、該アキュムレータAに油圧ポンプ4の低
速回転中に吐出油路15内に発生する油圧を蓄圧する構成
としたから、前記圧力感応弁V2 の開放時に切換えクラ
ッチ6には、その時点における吐出油路15の内圧そのも
のではなく、前記アキュムレータA内部の蓄圧が導入さ
れることとなり、前記切換えクラッチ6の高速側への切
換え動作を一層急峻に行わせることができる。
【0042】以上の如く本発明装置においては、舵輪1
の操作がなされていない場合、油圧ポンプ4の吐出側の
油圧が低く前記圧力感応弁V2 が閉となることから、切
換えクラッチ6が非係合状態を保ち、油圧ポンプ4は、
変速装置5による減速を経て低速度にて駆動される。こ
の間、油圧ポンプ4の吐出側に発生する油圧は、導圧油
路16の中途に介装されたアキュムレータAに蓄圧され
る。
【0043】この状態において舵輪1の操作がなされ、
この操作に応じて油圧ポンプ4の吐出側の油圧が上昇す
ると、この油圧がパイロット油路20を介して前記圧力感
応弁V2 に作用し、該圧力感応弁V2 が開となって導圧
油路16が開放され、前記アキュムレータA内の蓄圧の作
用により前記油圧クラッチ6が係合し、油圧ポンプ4
は、駆動軸40からの直接的な伝動により高速駆動される
ようになる。
【0044】図5は、本発明装置において舵取りのため
に舵輪に加えられる操舵トルクとパワーシリンダに送給
される作動油圧との対応関係を示す圧力特性図である。
本発明装置においてパワーシリンダ3に送給される作動
油圧は、操舵中立点の両側の所定のトルク範囲において
は低圧に保たれているが、左右両側に所定の操舵トルク
0 が加えられると共に急変して、操舵トルクの増加に
伴って急増する特性を示す。
【0045】この特性は、前記操舵トルクT0 が加えら
れた操舵状態において吐出油路15内の油圧に感応して圧
力感応弁V2 が開となり、導圧油路16からの導入油圧の
作用により切換えクラッチ6が係合し変速装置5が高速
側に切換えられて、図中に二点鎖線により示す低速下で
の圧力特性線から、同じく破線により示す高速下での圧
力特性線に移行することにより生じるが、本発明装置に
おいては、前記油圧の作用による切換えクラッチ6の切
換え動作が、前述の如く速やかに生じることから、前記
特性線間の移行が、この切換えの前後における不連続部
を伴うことなく滑らかに生じ、急操舵時における応答性
の悪化及び引っ掛かり感の発生を未然に防止することが
できる。また移行後には、高速回転する油圧ポンプ4の
吐出側に十分な作動油圧及び油量を得ることができ、こ
の作動油の送給により動作するパワーシリンダ3に十分
な操舵補助力を発生させることが可能となる。
【0046】また、切換えクラッチ6の係合による変速
装置5の切換えが、前記圧力感応弁V2 の開放時に送給
される油圧の作用によりなされ、該圧力感応弁V2 の閉
止中には、前記切換えクラッチ6に何らの油圧も加えら
れないことから、前記クラッチピストン61を付勢する板
ばね63を適宜に選定することにより、前記係合を低圧の
作用下にて安定して行わせることができる。従って、係
合用の油圧として利用する油圧ポンプ4の低速回転時の
吐出圧力を低く、即ち、低速回転時の油圧ポンプ4の回
転速度を低速に設定することができ、この間のエンジン
Eの動力負担を軽減して燃費の向上を図ることが可能と
なる。
【0047】図6は、本発明装置の他の実施の形態の全
体構成を示すブロック図である。本図に示す装置は、図
1に示す装置と同様、舵輪1の回転を、これに連設され
た舵輪軸10の下端においてピニオン11と噛合するラック
軸12の軸長方向の移動に変換し、この移動により操向車
輪13,13の向きを変える構成としたラックピニオン式の
舵取機構の舵取り動作を油圧により補助するものであ
り、舵輪軸10の中途に構成した油圧制御弁2を、油圧源
としての油圧ポンプ4とラック軸12の中途に構成された
操舵補助用のパワーシリンダ3との間に介装し、舵輪1
の操作に応じた油圧制御弁2の動作により、油圧ポンプ
4の吐出側の油圧をパワーシリンダ3に送給して前記ラ
ック軸12に操舵補助力を加える構成となっている。
【0048】前記油圧ポンプ4は、エンジンEからの伝
動系の中途に配した変速装置5の切換えにより高低2速
にて駆動される構成としてある。変速装置5、及び該変
速装置5の切換えクラッチ6は、前記図3及び図4に示
す如く構成されており、切換えクラッチ6には、油圧ポ
ンプ4の吐出油路15の中途にて分岐された導圧油路16内
の油圧が導入され、油圧ポンプ4は、導圧油路16からの
導入油圧の作用により切換えクラッチ6が係合したと
き、変速装置5の高速側への切換えにより高速駆動さ
れ、切換えクラッチ6が遮断されたとき、変速装置5の
低速側への切換えにより低速駆動されるようになしてあ
る。
【0049】以上の構成は、図1に示す実施の形態と同
じであり、図6に示す実施の形態の特徴は、前記導圧油
路16の中途に、アキュムレータAの下流側に位置して開
閉弁V3 を配し、また油圧ポンプ4の吐出油路15の中途
に、該吐出側油路15の内圧の作用によりオン動作する圧
力スイッチ8を配し、切換えクラッチ6への油圧の導入
が、前記圧力スイッチ8のオン動作に応じて前記開閉弁
3 を開放することにより行われる構成としたところに
ある。
【0050】前記開閉弁V3 は、図6に示す如く、一側
のソレノイドSへの通電に応じて開となるソレノイド弁
として構成されており、前記ソレノイドSへの通電は、
マイクロプロセッサを用いてなる制御部7から与えられ
る通電指令に応じて行われるようになしてある。図6に
は、ソレノイドSへの通電が遮断された状態が示されて
おり、このとき開閉弁V3 は図示の閉状態となり、逆止
弁V1 を経て導圧油路16内に導入される油圧ポンプ4の
吐出側の油圧は、前記アキュムレータAに蓄圧される一
方、切換えクラッチ6は、前記開閉弁V3 を介して低圧
状態に保たれた油タンクTに連通し、該切換えクラッチ
6は図3に示す非係合状態となり、油圧ポンプ4は、変
速装置5による減速を経て低速度にて駆動される。
【0051】これに対し制御部7から与えられる通電指
令に応じてソレノイドSが通電されると、前記開閉弁V
3 は、図と逆位置に切換えられて開状態となり、前記切
換えクラッチ6が導圧油路16に連通し、該切換えクラッ
チ6は、前記アキュムレータA内の蓄圧の作用により図
4に示す係合状態となり、油圧ポンプ4は高速度にて駆
動される。
【0052】前記制御部7には、前述の如く配された圧
力スイッチ8の出力が与えられており、制御部7の通電
指令は、吐出油路15の中途に取り付けられた圧力スイッ
チ8のオン動作に応じて発せられるようになしてある。
圧力スイッチ8は、特開平11-40020号公報等に開示され
た公知のスイッチ要素であり、取り付け位置での圧力の
作用によりオンオフ動作する構成としてある。
【0053】図7は、圧力スイッチ8の構成例を示す縦
断面図である。本図に示す圧力スイッチ8は、対象とな
る圧力の作用位置(図6においては吐出油路15の中途)
に導圧孔80を介して連通され外部に開口するスイッチ室
81の内部に、固定接点82及び可動接点83を対向配置し、
両接点82,83の接触時にオン出力を発する構成としてあ
る。
【0054】前記固定接点82は、前記スイッチ室81の開
口部を閉止するようにねじ込み固定された絶縁体製のプ
ラグ84の軸心部に、該プラグ84を内外に貫通するように
支持されている。また前記可動接点83は、その一側を前
記導圧孔80に、他側を前記プラグ84の先端部内側に夫々
嵌着された支持スリーブ85の軸心部に軸長方向への摺動
自在に支持されており、前記プラグ84の内側の対向面と
の間に介装されたコイルばね86により、前記固定接点82
から離反する向きに付勢されている。
【0055】可動接点83を支持する支持スリーブ85は、
前記導圧孔80内に連通する細径のダンピングオリフィス
87を備えており、前記導圧孔80の内圧、即ち、前記吐出
油路15の内圧は、前記ダンピングオリフィス87を経て可
動接点83の端部に作用するようになしてある。以上の構
成により可動接点83は、導圧孔80内部の圧力の作用によ
り他側に弾接するコイルばね86のばね力に抗して押圧さ
れ、この押圧力が前記ばね力を上回ると共に固定接点82
に向けて移動し、該固定接点82に接触することとなる。
【0056】プラグ84の外部に突出する固定接点82の端
部は、負極側を接地された電源88の正極側に接続され、
また前記可動接点83は、導体製の支持スリーブ85の支持
部を介して接地されており、圧力スイッチ8の出力は、
固定接点82と電源88の正極との間の電位として与えられ
ている。従って圧力スイッチ8の出力は、図示のオフ状
態においてはハイレベルであり、前述の如き圧力の作用
により可動接点83が摺動し、固定接点82と接触してオン
状態になったときローレベルとなる。
【0057】なお圧力スイッチ8の取り付け位置は、図
6に示す位置、即ち、油圧ポンプ4の吐出油路15の中途
に限らず、油圧ポンプ4の吐出側に適宜に設定すること
ができ、例えば、油圧ポンプ4のポンプハウジングH1
に取り付けるようにしてもよく、また圧力スイッチ8の
構成は、図7に示す構成に限らず、公知の適宜の構成を
用い得ることは言うまでもない。
【0058】図8は、以上の如き圧力スイッチ8の出力
に基づく制御部7の動作内容を示すフローチャートであ
る。本図に示す如く制御部7は、入力側に接続された圧
力スイッチ8の出力を所定のサンプリング周期にて取り
込み(ステップ1)、前記圧力スイッチ8のオンオフ状
態を調べ(ステップ2)、オン状態にある場合には、操
舵により吐出油路15の内圧が高くなっており、大なる操
舵補助力が必要な状態にあると判定し、油圧ポンプ4を
高速回転させるべく出力側のソレノイドSに通電指令を
発して開閉弁V3 を開とする(ステップ3)。このとき
切換えクラッチ6は、導圧油路16を経て導入される油圧
の作用により係合し、遊星歯車変速装置として構成され
た変速装置5の変速比が高速側に切換えられ、油圧ポン
プ4が高速駆動される結果、該油圧ポンプ4からの送給
油により前記パワーシリンダ3が十分な操舵補助力を発
生するようになる。
【0059】一方、前記ステップ2において圧力スイッ
チ8がオフ状態にあると判定された場合、制御部7は、
大なる操舵補助力が不要な状態にあると判定し、油圧ポ
ンプ4を低速回転させるべく出力側のソレノイドSへの
通電指令を停止して前記開閉弁V3 を閉とする(ステッ
プ4)。このとき切換えクラッチ6は、導圧油路16との
連通を遮断され、低圧の油タンクTに連通し、変速装置
5の変速比が低速側に切換えられ、油圧ポンプ4が低速
駆動されるようになり、該油圧ポンプ4の駆動のための
動力負担が軽減される。
【0060】制御部7の以上の動作は、例えば、エンジ
ンEの停止により電源が遮断される(ステップ5)まで
繰り返して行われる。この間前記切換えクラッチ6は、
開閉弁V3 が開とされたとき導圧油路16を経て導入され
る油圧の作用により係合し、また開閉弁V3 が閉とされ
たとき導圧油路16との連通が遮断されるから、前記切換
えクラッチ6の係合による変速装置5の高速側への切換
えを、導圧油路16内、即ち、油圧ポンプ4の吐出油路15
内に発生する比較的低い油圧の作用により、速やかに、
しかも確実に行わせることができる。
【0061】更に、前記導圧油路16の中途にアキュムレ
ータAを配し、開閉弁V3 の開放時に、前記アキュムレ
ータA内部の蓄圧を切換えクラッチ6に導入する構成と
したから、該切換えクラッチ6の係合による変速装置5
の高速側への切換えを一層急峻に行わせることができ
る。
【0062】このような動作によっても、パワーシリン
ダ3に送給される作動油圧は、前記図5に示す如く、操
舵中立点の両側の所定のトルク範囲においては、低速回
転時の特性線に沿って漸増し、左右両側に所定の操舵ト
ルクT0 が加えられたとき高速回転時の特性線に滑らか
に移行する圧力特性が得られ、急操舵時における応答性
の悪化及び引っ掛かり感の発生を未然に防止することが
できる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
る動力舵取装置においては、油圧ポンプの吐出側を変速
装置に連通する導圧油路の中途に前記油圧ポンプの吐出
側の油圧の作用により開閉する圧力感応弁を備え、舵取
操作に応じて油圧ポンプの吐出側の油圧が高くなったと
き、この油圧の作用により前記圧力感応弁を開として前
記導圧油路内の油圧を変速装置に導く構成としたから、
エンジンから油圧ポンプへの伝動系に介装した変速装置
の切換えを、速やかに、しかも安定して行わせることが
でき、切換えの前後での特性の不連続部が生じず、操舵
中に違和感を体感させることなく十分な操舵補助がなさ
れ、また不必要時における回転速度を可及的に低く保つ
ことができ、十分な操舵補助力の確保と燃費の向上とを
併せて実現することが可能となる。
【0064】また第2発明に係る動力舵取装置において
は、油圧ポンプの吐出側を変速装置に連通する導圧油路
の中途に開閉弁を、油圧ポンプの吐出側油路に圧力スイ
ッチを夫々備え、舵取操作に応じて油圧ポンプの吐出側
の油圧が高くなったとき、この油圧の作用による前記圧
力スイッチのオンオフ動作に応じて前記開閉弁を開とし
て前記導圧油路内の油圧を変速装置に導く構成としたか
ら、エンジンから油圧ポンプへの伝動系に介装した変速
装置の高速側の切換えを、速やかに、しかも安定して行
わせることができ、切換えの前後での特性の不連続部が
生じず.操舵中に違和感を体感させることなく十分な操
舵補助がなされ、また不必要時における回転速度を可及
的に低く保つことができ、十分な操舵補助力の確保と燃
費の向上とを併せて実現することが可能となる。
【0065】更に第3発明に係る動力舵取装置において
は、導圧油路の中途にアキュムレータを備え、該アキュ
ムレータ内の蓄圧を変速装置に導く構成としたから、該
変速装置の切換え動作をより速やかに行わせることがで
き、切換えの前後での特性の不連続部の発生を解消し、
操舵中における違和感の発生をより確実に解消すること
ができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体構成を示すブロック図であ
る。
【図2】変速装置及び切換えクラッチと一体に構成され
た油圧ポンプの構成例を示す縦断面図である。
【図3】変速装置及び切換えクラッチの構成部分の拡大
断面図である。
【図4】変速装置及び切換えクラッチの構成部分の拡大
断面図である。
【図5】本発明装置において舵取りのために舵輪に加え
られる操舵トルクとパワーシリンダに送給される作動油
圧との対応関係を示す圧力特性図である。
【図6】本発明装置の他の実施の形態の全体構成を示す
ブロック図である。
【図7】圧力スイッチの構成例を示す縦断面図である。
【図8】圧力スイッチの出力に基づく制御部の動作内容
を示すフローチャートである。
【図9】従来の動力舵取装置において舵取りのために舵
輪に加えられる操舵トルクとパワーシリンダに送給され
る作動油圧との対応関係を示す圧力特性図である。
【符号の説明】
1 舵輪 2 油圧制御弁 3 パワーシリンダ 4 油圧ポンプ 5 変速装置 6 切換えクラッチ 7 制御部 8 圧力スイッチ 15 吐出油路 16 導圧油路 A アキュムレータ V2 圧力感応弁 V3 開閉弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンから油圧ポンプへの伝動系の中
    途に油圧の作用により変速比を切換える変速装置を介装
    し、該変速装置の切換えに応じて高低2速にて駆動され
    る前記油圧ポンプの吐出油を、舵輪の操作に応じて油圧
    の給排動作をなす油圧制御弁を経て操舵補助用の油圧シ
    リンダに送給し、該油圧シリンダの発生力を舵取機構に
    加えて操舵を補助する構成とした動力舵取装置におい
    て、前記油圧ポンプの吐出側を前記変速装置に連通する
    導圧油路と、該導圧油路の中途に配してあり、前記油圧
    ポンプの吐出側の油圧の作用により前記導圧油路を開閉
    する圧力感応弁とを具備することを特徴とする動力舵取
    装置。
  2. 【請求項2】 エンジンから油圧ポンプへの伝動系の中
    途に油圧の作用により変速比を切換える変速装置を介装
    し、該変速装置の切換えに応じて高低2速にて駆動され
    る前記油圧ポンプの吐出油を、舵輪の操作に応じて油圧
    の給排動作をなす油圧制御弁を経て操舵補助用の油圧シ
    リンダに送給し、該油圧シリンダの発生力を舵取機構に
    加えて操舵を補助する構成とした動力舵取装置におい
    て、前記油圧ポンプの吐出側を前記変速装置に連通する
    導圧油路と、該導圧油路の中途に配された開閉弁と、前
    記油圧ポンプの吐出側の油圧の作用によりオンオフする
    圧力スイッチと、該圧力スイッチのオンオフに応じて前
    記開閉弁を開閉する制御手段とを具備することを特徴と
    する動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 前記導圧油路の中途にアキュムレータを
    備える請求項1又は請求項2記載の動力舵取装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008514473A (ja) * 2004-09-28 2008-05-08 イグゼティック バート ホンブルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ステアリング補助システム
JP2012240429A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Nissan Motor Co Ltd パワーステアリング装置
JP2013019343A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Jatco Ltd 車両用変速機の給油装置

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