JP2001104391A

JP2001104391A - 車椅子

Info

Publication number: JP2001104391A
Application number: JP28886399A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Harakawa; 正行原川
Original assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Current assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Priority date: 1999-10-08
Filing date: 1999-10-08
Publication date: 2001-04-17

Abstract

(57)【要約】【課題】車椅子が段差部を走行する場合でも、この走
行が円滑になされるようにして、車椅子への乗り心地を
向上させるようにする。【解決手段】車体フレーム３が、第１フレーム５と、
第１フレーム５側の一端部７ａがこの第１フレーム５の
前後方向の中途部に枢支具６により枢支されて他端部７
ｂ側が上下に揺動自在とされる第２フレーム７とを備え
る。第１フレーム５における第２フレーム７側の一端部
５ａに左右一対の車輪１３，１３を支持させる。第１フ
レーム５の他端部５ｂに他の車輪１４を支持させる。第
２フレーム７の他端部７ｂに更に他の車輪１５を支持さ
せる。シート１８を第２フレーム７の前後方向の中途部
に支持させる。第１フレーム５と第２フレーム７との間
に緩衝器５２を架設する。第１フレーム５の他端部５ｂ
に対し枢支具６を中心として第２フレーム７が上方揺動
Ｄするとき、および／もしくは下方揺動Ｅするとき、緩
衝器５２が働くようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、車体フレームが、
その前、後部側を構成して互いに枢支される第１、第２
フレームを備えた車椅子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記車椅子には、従来、次のように構成
されたものがある。

【０００３】即ち、車椅子の車体フレームがその前、後
部側のうち、一方側を構成して前後方向に延びる第１フ
レームと、他方側を構成して前後方向に延び上記第１フ
レーム側の一端部がこの第１フレームの前後方向の中途
部に枢支具により枢支されて他端部側が上下に揺動自在
とされる第２フレームとを備えている。

【０００４】上記第１フレームにおける上記第２フレー
ム側の一端部に左右一対の車輪が支持され、上記第１フ
レームの他端部に他の車輪が支持され、上記第２フレー
ムの他端部に更に他の車輪が支持されている。車体幅方
向で上記左右車輪の間にシートが配設され、このシート
は上記第２フレームの前後方向の中途部に支持されてい
る。

【０００５】そして、上記各車輪により車体フレームを
シートと共に走行面上に支持させ、このシート上に着座
した搭乗者の操作により、上記車輪に動力を入力させて
回転させれば、上記車椅子が走行面上を走行可能とされ
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記車椅子
が、例えば、段差部を有する走行面を下がる方向に走行
するときには、上記各車輪は、それぞれ上記段差部にお
ける上面側から下面側に向って順次落下するように移動
し、各車輪はそれぞれ段差部の下面側に対し衝撃的に接
地するおそれがある。

【０００７】そして、この場合には、上記段差部におけ
る車椅子の走行にがたつきが生じて、車椅子への乗り心
地が低下するおそれを生じる。

【０００８】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、車椅子が段差部を走行する場合でも、こ
の走行が円滑になされるようにして、車椅子への乗り心
地を向上させるようにすることを課題とする。

【０００９】また、上記車椅子への乗り心地の向上が簡
単な構成で達成されるようにすることを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の車椅子は、次の如くである。

【００１１】請求項１の発明は、車体フレーム３がその
前、後部側のうち、一方側を構成して前後方向に延びる
第１フレーム５と、他方側を構成して前後方向に延び上
記第１フレーム５側の一端部７ａがこの第１フレーム５
の前後方向の中途部に枢支具６により枢支されて他端部
７ｂ側が上下に揺動自在とされる第２フレーム７とを備
え、上記第１フレーム５における上記第２フレーム７側
の一端部５ａに左右一対の車輪１３，１３を支持させ、
上記第１フレーム５の他端部５ｂに他の車輪１４を支持
させ、上記第２フレーム７の他端部７ｂに更に他の車輪
１５を支持させ、車体幅方向で上記左右車輪１３，１３
の間にシート１８を配設すると共に、このシート１８を
上記第２フレーム７の前後方向の中途部に支持させた車
椅子において、

【００１２】上記第１フレーム５と第２フレーム７との
間に緩衝器５２を架設し、上記第１フレーム５の他端部
５ｂに対し上記枢支具６を中心として上記第２フレーム
７が上方揺動Ｄするとき、および／もしくは下方揺動Ｅ
するとき、上記緩衝器５２が働くようにしたものであ
る。

【００１３】請求項２の発明は、請求項１の発明に加え
て、上記緩衝器５２が、流体５３を充填させたハウジン
グ５４と、このハウジング５４内に可動自在に嵌入され
てこのハウジング５４内を２つの密閉室５５，５６に仕
切るピストン５８と、上記両密閉室５５，５６を互いに
連通させる小孔６０とを備え、上記ハウジング５４とピ
ストン５８のうち、いずれか一方を第１フレーム５に連
結させ、他方を第２フレーム７に連結させたものであ
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。

【００１５】図１〜３において、符号１は車椅子であ
り、矢印Ｆｒはその前方を示している。なお、下記する
左右とは、上記前方に向っての車体幅方向をいうものと
する。

【００１６】上記車椅子１に備えられてその車体２を主
構成する車体フレーム３は、その前、後部側のうち、一
方側（前部側）を構成して前後方向に延びる左右一対の
第１フレーム５，５と、他方側（後部側）を構成して前
後方向に延び上記各第１フレーム５側の一端部（前端
部）７ａがこの各第１フレーム５の前後方向の中途部に
枢支具６により枢支されて他端部（後端部）７ｂ側が上
下に揺動自在とされる左右一対の第２フレーム７，７
と、上記左右第１フレーム５，５の上記各第２フレーム
７側の一端部（後端部）５ａとは反対側の他端部（前端
部）５ｂを互いに結合させるクロスメンバであるフート
ボード８と、上記左右第２フレーム７，７を互いに結合
させる不図示のクロスメンバと、上記各第１フレーム５
に対する枢支具６を中心とした第２フレーム７の揺動を
所定範囲に規制する揺動規制手段１０とを備えている。

【００１７】上記車体２の各側部を構成する各第１フレ
ーム５の一端部５ａに、車軸１２によって左右一対の車
輪１３，１３がそれぞれ回転自在に支持されている。ま
た、上記第１フレーム５の他端部５ｂに第１キャスタで
ある小径の左右一対の他の車輪１４が支持され、上記第
２フレーム７の他端部７ｂに第２キャスタである小径の
左右一対の更に他の車輪１５が支持されている。

【００１８】上記車体２は、上記各車輪１３〜１５を介
して走行面１６上に支持され、図示しないが上記各車輪
１３を回転駆動可能とさせる電動機が設けられており、
つまり、この車椅子１は電動式車椅子とされて、上記各
車輪１３の回転駆動により、上記走行面１６上を走行可
能とされている。

【００１９】また、上記車椅子１は、車体幅方向で上記
左右車輪１３，１３の間、かつ、前後方向で上記各車輪
１３の近傍に配設されると共に、上記車体２の車体フレ
ーム３の各第２フレーム７，７の上側に配設されて１人
だけの搭乗者が前向きの姿勢で着座可能とされるシート
１８と、上下方向で上記各第２フレーム７，７とシート
１８との間に介設されこのシート１８を鉛直軸心１９回
りに往、復回動Ａ，Ｂ自在となるよう上記各第２フレー
ム７に支持させる枢支手段２０と、上記シート１８の前
下方で上記車体２の車体フレーム３のフートボード８上
に形成されて上記シート１８に着座した搭乗者がその足
を載置可能とさせるフートレスト２１とを備えている。

【００２０】上記シート１８は、上記枢支手段２０によ
り各第２フレーム７，７に支持されて搭乗者が腰掛け可
能とされる座部２４と、この座部２４の後端部から上方
に向い突設されて上記座部２４に腰掛けた搭乗者が背も
たれ可能とされる背もたれ部２５と、この背もたれ部２
５の左右各側部から前方に向って突設され上記座部２４
上の搭乗者を左右から拘束すると共にアームを載置可能
とさせる左右一対のアームレスト２６，２６とを備え、
一方のアームレスト２６の突出端部に車輪１３の駆動用
の電動機を駆動制御する操縦レバー２７が取り付けられ
ている。

【００２１】また、上記座部２４は、上記枢支手段２０
により上記各第２フレーム７，７に支持される座部フレ
ーム２９と、この座部フレーム２９の上面側に支持され
る座部クッション３０とを備えている。そして、上記シ
ート１８の姿勢は前方を向いた「通常姿勢」とされてい
る（図１中実線、図３中二点鎖線）。

【００２２】前記枢支手段２０は、上記座部２４の座部
フレーム２９の一側部（右側部）に締結具３２により締
結されて上記鉛直軸心１９回りに回動自在となるよう上
記一側部（右側部）側の第２フレーム７に支持される枢
支軸３３と、他側部（左側部）側の第２フレーム７に支
持され上記鉛直軸心１９回りに円弧形状を描くよう折り
曲げられたガイドレール３４と、上記座部フレーム２９
の他側部（左側部）に締結具３５により締結されたブラ
ケット３６を介し上記座部フレーム２９に支持され上記
ガイドレール３４に案内されて上記鉛直軸心１９回りに
のみ転動するローラ３７とを備えている。

【００２３】これにより、上記シート１８は鉛直軸心１
９回りでのみ回動自在とされ、上記シート１８を前記
「通常姿勢」から鉛直軸心１９回りに所定角度だけ往回
動Ａさせれば、このシート１８の座部２４の前端部が車
体２の外側方に向って突出することとされ、このシート
１８は「傾斜姿勢」とされる（図３中一点鎖線）。ま
た、この「傾斜姿勢」から上記シート１８を上記鉛直軸
心１９回りに復回動Ｂさせれば、元の「通常姿勢」に戻
る。

【００２４】上記シート１８が「通常姿勢」と「傾斜姿
勢」にされたとき、それぞれその姿勢に保持させるよ
う、このシート１８を上記車体２側に係脱自在に係止さ
せる係止手段３９が設けられている。

【００２５】上記係止手段３９は、上記ガイドレール３
４側に形成された係止孔である前後一対の係止部４０，
４１と、上記ブラケット３６を介し座部２４の座部フレ
ーム２９に枢支されて上記前、後係止部４０，４１のい
ずれかに選択的に係止される係止ピンである被係止部４
２と、この被係止部４２から延出する操作レバー４３
と、上記被係止部４２を上記係止部４０，４１に係止さ
せる方向に付勢する不図示のばねとを備えている。

【００２６】各図中実線で示すように、上記シート１８
を「通常姿勢」にしたとき、後係止部４１に被係止部４
２を係止させれば、上記シート１８が「通常姿勢」に保
持される。図２，３中矢印Ｃのように、上記操作レバー
４３を回動操作して、上記後係止部４１から被係止部４
２を離脱させれば、このシート１８の往、復回動Ａ，Ｂ
が可能とされる。また、このシート１８の往回動Ａで上
記シート１８を「傾斜姿勢」にしたとき、上記前係止部
４０に被係止部４２を係止させることにより、上記シー
ト１８が「傾斜姿勢」に保持されるようになっている。
この状態から、上記「通常姿勢」に戻すのは、上記と逆
の手順によればよい。

【００２７】図１，３において、上記シート１８の座部
２４の車体幅方向における仮想中央線４５から一側方
（右側方）に偏位した位置に上記鉛直軸心１９が配設さ
れている。しかも、上記座部２４における前後方向の中
央を通る仮想中央線４６から後方に偏位した位置に上記
鉛直軸心１９が配設されている。この場合、車体平面視
で、上記両仮想中央線４５，４６の交点が座部２４の中
央点４７とされる。

【００２８】また、上記座部２４の外側部は、車体幅方
向で上記車体２の車体フレーム３の外側部近傍に位置さ
せられており、上記鉛直軸心１９は、車体幅方向で上記
座部２４の外側部近傍に配設され、もって、上記座部２
４の外側部が、上記車体フレーム３の外側部を構成して
いる一側部（右側部）側の第２フレーム７に枢支軸３３
により枢支されている。

【００２９】上記車体２の車体フレーム３に対する上記
シート１８の高さを調整可能とする高さ調整手段４８が
設けられている。この高さ調整手段４８は、上記座部フ
レーム２９の各側部に形成された上下に長い長孔４９，
５０と、この長孔４９，５０を通して上記枢支軸３３と
ブラケット３６とを上記座部フレーム２９に着脱自在に
締結させる上記締結具３２，３５とを備えている。

【００３０】上記締結具３２，３５を緩めて、これらを
上記長孔４９，５０に沿って上下に移動させた後、上記
締結具３２，３５を締結させれば、上記シート１８の高
さ調整ができることとされている。この場合、上記シー
ト１８と高さ調整手段４８とは、上記鉛直軸心１９回り
に一体的に回動自在となるようこれらシート１８と高さ
調整手段４８とは上記枢支手段２０により上記車体２の
車体フレーム３に支持されている。

【００３１】上記車体フレーム３の各側部において、各
第１フレーム５における一端部５ａの部分と、各第２フ
レーム７の一端部７ａ側の部分との間にそれぞれ軸心が
上下方向に延びる左右一対の緩衝器５２，５２が架設さ
れている。

【００３２】上記各緩衝器５２はシリンダ式で、油等の
流体５３を充填させたシリンダチューブであるハウジン
グ５４と、このハウジング５４にその軸方向に摺動（可
動）自在に嵌入されて上記ハウジング５４内を２つの
上、下密閉室５５，５６に仕切るピストン５８と、この
ピストン５８からハウジング５４の外部にまで延出する
ピストンロッド５９と、上記両密閉室５５，５６を互い
に連通させる小孔６０とを備えている。

【００３３】上記ハウジング５４とピストン５８のう
ち、いずれか一方であるピストン５８がピストンロッド
５９を介して連結具６２により第１フレーム５に連結さ
れ、他方であるハウジング５４が他の連結具６３により
第２フレーム７に連結され、もって、前記したように、
上記第１、第２フレーム５，７に緩衝器５２が架設され
ている。上記各車輪１３〜１５をそれぞれほぼ平坦な走
行面１６上に載置させたとき、上記各緩衝器５２のピス
トン５８がハウジング５４内の可動範囲の中途部（ほぼ
中央部）に位置することとされている。

【００３４】図１，２において、上記第１フレーム５の
他端部５ｂに対し上記枢支具６を中心として上記第２フ
レーム７が上方揺動Ｄするとき、上記緩衝器５２は伸長
させられて、下密閉室５６の容積が縮小させられる一
方、上密閉室５５の容積が拡大させられて、下密閉室５
６の流体５３が上記小孔６０を通り上密閉室５５に強制
流動させられる。この際、上記小孔６０における流体５
３の流動が規制されて、上記第１フレーム５の他端部５
ｂに対する第２フレーム７の上方揺動Ｄの速度が抑制さ
れる。

【００３５】上記とは逆に、上記第１フレーム５の他端
部５ｂに対し上記枢支具６を中心として上記第２フレー
ム７が下方揺動Ｅするとき、上記緩衝器５２は収縮させ
られて、下密閉室５６の容積が拡大させられる一方、上
密閉室５５の容積が縮小させられて、上密閉室５５の流
体５３が上記小孔６０を通り下密閉室５５に強制流動さ
せられる。この際、上記小孔６０における流体５３の流
動が規制されて、上記第１フレーム５の他端部５ｂに対
する第２フレーム７の下方揺動Ｅの速度が抑制される。

【００３６】図４〜６において、上記車椅子１が、段差
部１６ａを有する走行面１６を下がる方向に前進走行す
る場合につき説明する。

【００３７】図４において、実線で示すように、車椅子
１がほぼ平坦な走行面１６を前進してきた場合には、ま
ず、他の車輪１４が、仮想線で示すように上記段差部１
６ａの上面側から下面側に向って移動（下降）する。こ
のとき、上記第１フレーム５の他端部５ｂに対し第２フ
レーム７は下方揺動Ｅするが、この下方揺動Ｅの速度は
前記緩衝器５２の働きによって抑制される。よって、上
記他の車輪１４が上記段差部１６ａにおいて高速で落下
するということが防止されて、段差部１６ａの下面側に
衝撃的に接地することが防止される。

【００３８】図５において、実線で示すように、他の車
輪１４だけが段差部１６ａの下面側に接地した状態で前
進した場合には、次に、上記車輪１３が仮想線で示すよ
うに上記段差部１６ａの上面側から下面側に向って移動
（下降）する。このとき、上記第１フレーム５の他端部
５ｂに対し第２フレーム７が上方揺動Ｄするが、この上
方揺動Ｄの速度は前記緩衝器５２の働きによって抑制さ
れる。よって、上記車輪１３が上記段差部１６ａにおい
て高速で落下するということが防止されて、段差部１６
ａの下面側に衝撃的に接地することが防止される。

【００３９】図６において、実線で示すように、他の車
輪１４と車輪１３とだけが段差部１６ａの下面側に接地
した状態で前進した場合には、次に、上記更に他の車輪
１５が仮想線で示すように上記段差部１６ａの上面側か
ら下面側に向って移動（下降）する。このとき、上記第
１フレーム５の他端部５ｂに対し第２フレーム７が下方
揺動Ｅするが、この下方揺動Ｅの速度は前記緩衝器５２
の働きによって抑制される。よって、上記更に他の車輪
１５が上記段差部１６ａにおいて高速で落下するという
ことが防止されて、段差部１６ａの下面側に衝撃的に接
地することが防止される。

【００４０】要するに、上記したように、車椅子１が段
差部１６ａを有する走行面１６を下がる方向に走行する
ときには、上記各車輪１３〜１５がそれぞれ上記段差部
１６ａにおける上面側から下面側に向って順次落下する
ように移動し、この際、上記第１フレーム５の他端部５
ｂに対し上記枢支具６を中心として第２フレーム７が上
方揺動Ｄしたり下方揺動Ｅしたりするが、これらの上方
揺動Ｄや下方揺動Ｅの速度は上記緩衝器５２によってそ
れぞれ抑制される。

【００４１】よって、上記した各車輪１３〜１５が段差
部１６ａで高速で落下するということは防止されて、段
差部１６ａの下面側に衝撃的に接地することが防止さ
れ、もって、上記段差部１６ａにおける車椅子１の走行
はがたつきが生じることなく円滑になされて、車椅子１
への乗り心地が向上する。

【００４２】なお、以上は図示の例によるが、第１フレ
ーム５が車体フレーム３の後部側を構成し、第２フレー
ム７が車体フレーム３の前部側を構成するようにしても
よい。

【００４３】また、上記小孔６０に一方向弁を設けて、
上記上方揺動Ｄと下方揺動Ｅのいずれか一方のときだ
け、上記緩衝器５２が働いて、その揺動の速度が抑制さ
れるようにしてもよい。また、上記小孔６０にスピード
コントローラを設けてもよい。

【００４４】

【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。

【００４５】請求項１の発明は、車体フレームがその
前、後部側のうち、一方側を構成して前後方向に延びる
第１フレームと、他方側を構成して前後方向に延び上記
第１フレーム側の一端部がこの第１フレームの前後方向
の中途部に枢支具により枢支されて他端部側が上下に揺
動自在とされる第２フレームとを備え、上記第１フレー
ムにおける上記第２フレーム側の一端部に左右一対の車
輪を支持させ、上記第１フレームの他端部に他の車輪を
支持させ、上記第２フレームの他端部に更に他の車輪を
支持させ、車体幅方向で上記左右車輪の間にシートを配
設すると共に、このシートを上記第２フレームの前後方
向の中途部に支持させた車椅子において、

【００４６】上記第１フレームと第２フレームとの間に
緩衝器を架設し、上記第１フレームの他端部に対し上記
枢支具を中心として上記第２フレームが上方揺動すると
き、および／もしくは下方揺動するとき、上記緩衝器が
働くようにしてある。

【００４７】このため、上記車椅子が、例えば、段差部
を有する走行面を下がる方向に走行するときには、上記
各車輪がそれぞれ上記段差部における上面側から下面側
に向って順次落下するように移動し、この際、上記第１
フレームの他端部に対し上記枢支具を中心として第２フ
レームが上方揺動したり下方揺動したりするが、これら
の上方揺動や下方揺動の速度は上記緩衝器の働きによっ
てそれぞれ抑制される。

【００４８】よって、上記した各車輪が段差部で高速で
落下するということは防止されて、段差部の下面側に衝
撃的に接地することが防止され、もって、上記段差部に
おける車椅子の走行はがたつきが生じることなく円滑に
なされて、車椅子への乗り心地が向上する。

【００４９】この場合、特に、上記した上方揺動の速度
を緩衝器の働きによって抑制させるようにすれば、車輪
が上記段差部で落下するということがより確実に防止さ
れて、段差部の下面側に対し車輪がより軟らかく接地す
ることとなる。

【００５０】よって、上記車輪に対し前後方向で近傍に
位置しているシート上の搭乗者に直接的に衝撃力が与え
られることがより確実に防止されて、上記車椅子への乗
り心地が更に向上する。

【００５１】請求項２の発明は、上記緩衝器が、流体を
充填させたハウジングと、このハウジング内に可動自在
に嵌入されてこのハウジング内を２つの密閉室に仕切る
ピストンと、上記両密閉室を互いに連通させる小孔とを
備え、上記ハウジングとピストンのうち、いずれか一方
を第１フレームに連結させ、他方を第２フレームに連結
させてある。

【００５２】このため、上記緩衝器はシリンダ式など構
成が簡単であり、よって、上記した車椅子への乗り心地
の向上は簡単な構成で達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】車椅子の側面図である。

【図２】車椅子の背面部分断面部分破断図である。

【図３】車椅子の平面部分断面部分破断図である。

【図４】作用を説明する図で、図１の簡略図である。

【図５】他の作用を説明する図で、図１の簡略図であ
る。

【図６】更に他の作用を説明する図で、図１の簡略図で
ある。

【符号の説明】

１車椅子２車体３車体フレーム５第１フレーム５ａ一端部５ｂ他端部６枢支具７第２フレーム７ａ一端部７ｂ他端部１３，１４，１５車輪１６走行面１６ａ段差部１８シート５２緩衝器５３流体５４ハウジング５５，５６密閉室５８ピストン６０小孔Ｄ上方揺動Ｅ下方揺動

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車体フレームがその前、後部側のうち、
一方側を構成して前後方向に延びる第１フレームと、他
方側を構成して前後方向に延び上記第１フレーム側の一
端部がこの第１フレームの前後方向の中途部に枢支具に
より枢支されて他端部側が上下に揺動自在とされる第２
フレームとを備え、上記第１フレームにおける上記第２
フレーム側の一端部に左右一対の車輪を支持させ、上記
第１フレームの他端部に他の車輪を支持させ、上記第２
フレームの他端部に更に他の車輪を支持させ、車体幅方
向で上記左右車輪の間にシートを配設すると共に、この
シートを上記第２フレームの前後方向の中途部に支持さ
せた車椅子において、上記第１フレームと第２フレームとの間に緩衝器を架設
し、上記第１フレームの他端部に対し上記枢支具を中心
として上記第２フレームが上方揺動するとき、および／
もしくは下方揺動するとき、上記緩衝器が働くようにし
た車椅子。
【請求項２】上記緩衝器が、流体を充填させたハウジ
ングと、このハウジング内に可動自在に嵌入されてこの
ハウジング内を２つの密閉室に仕切るピストンと、上記
両密閉室を互いに連通させる小孔とを備え、上記ハウジ
ングとピストンのうち、いずれか一方を第１フレームに
連結させ、他方を第２フレームに連結させた請求項１に
記載の車椅子。