JPH0121858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両における座席支持装置に関する
ものである。

最近、平坦部と勾配部の両方を有する地形を連
続的に走行する乗り物が研究開発されつつある。
しかし、従来、車両における座席は車体に対して
固定状態に取付けられており、このため、車両が
下り坂や上り坂の勾配を走行する場合には、車体
の進行方向の傾斜に伴つて座席も同角度に傾斜
し、着座姿勢が変化する。特に、勾配区間が比較
的長い場合には無理な着座姿勢が長時間続くた
め、疲労が大きく乗客に苦痛を与えるという問題
がある。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
車両が勾配を走行する場合でも座席を水平状態に
保持し、もつて、水平部走行状態と同様の着座姿
勢を保つて疲労を防止し、乗り心地を向上した座
席支持装置を提供することを目的とする。

そこで、本考案の特徴とするところは、車両に
おける座席支持装置であつて；車体の長手方向と
直交する水平軸心廻りに回転自在な複数本の吊下
棒を、該車体内上方において前後所定間隔に配設
すると共に、該吊下棒に、吊下部材を介して座席
を吊設して、該座席を揺動自在とし、さらに、各
吊下棒に動作レバーを連設すると共に、連結杆を
介して該レバーに連結されるシリンダ機構を設
け、該シリンダ機構の往復動により、上記連結杆
を前後に往復動させて上記座席を揺動させ、該座
席の座部を略水平状に静止保持するように構成し
た点にある。

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳
説する。

第１図乃至第３図において、１は軌道２に沿つ
て走行する車両であり、丸パイプ状の一対の軌条
３，３に上下左右から上車輪４と下車輪５と横車
輪６を当接させてある。該車両１は下り勾配Ａと
水平部Ｂ乃至緩い上り勾配Ｃを走行するに必要な
小馬力の駆動装置７を有して該駆動装置７のみで
自走すると共に、急勾配Ｄにおいては定置式の引
揚装置８により引揚げられる。この引揚装置８
は、鎖車９，９間に張架された引揚チエーン１０
が、駆動モータ（図示せず）で鎖車９，９が回転
駆動されることにより移動し、チエーン１０の一
部に付設された係止アタツチメント（図示せず）
が車両１の底面から下方に突設された係止部材
（図示せず）を係止して引揚げるものである。

１１…は、車体１２の長手方向に向かつて着座
するタイプの座席であつて、車体１２内に該車体
１２の前後所定間隔に複数列配設される。これら
の座席１１…は、背もたれ部１３両側に逆Ｌ字状
の吊下部材１４，１４の下端部が取付けられ、こ
の吊下部材１４，１４により車体１２内上方に回
転自在に支持された吊下棒１５…から吊下げられ
ている。具体的には、上記吊下棒１５…は車体１
２の一方の側壁１６と、他方の側壁１６側で車体
１２内を幅方向に仕切る仕切壁１７との間に軸受
１８，１８を介して回転自在に支承されると共
に、該吊下棒１５に上記吊下部材１４，１４上部
のＬ字状先端部が溶接やネジ止めその他適宜の手
段により一体的に固着される。つまり、この吊下
棒１５は、車体１２の長手方向と直交する水平軸
心廻りに回転自在とされる。これにより座席１１
…は、車体１２内に前後に揺動可能に吊下げられ
る。

一方、上記吊下棒１５…の仕切壁１７からの突
出端には動作レバー１９…の上端が吊下部材１４
同様一体的に固着され、吊下棒１５…に動作レバ
ー１９…が垂設される。該動作レバー１９…の下
端は車体１２長手方向に沿う連結杆２０に回動可
能に枢着され、該連結杆２０の両端は車体１２内
の前後部に取付けられたシリンダ機構２１，２１
のピストンロツド２１ａ，２１ａに連結されてい
る。

しかして、車両１が各勾配Ａ，Ｃ，Ｄを走行す
る場合において、勾配の程度に応じてシリンダ装
置２１，２１の押印量を調整することにより、第
４図に示すように、座席１１…の座部が吊下棒１
５…を中心に揺動して略水平状態に静止保持され
る。なお、シリンダ機構２１を必ずしも２組設置
する必要はなく、１組でも良いことは言うまでも
ない。また、シリンダ機構２１とシヨツクアブゾ
ーバ（図示せず）を併設して、シリンダ機構２１
作動時における座席１１への衝撃を緩和すること
も好ましい。さらに、シリンダ機構２１に代えて
シヨツクアブゾーバを連結杆２０の片側あるいは
両側に連結しても良い。この場合、座席１１は車
体１２の傾斜に追従して自然に揺動して、その揺
動はシヨツクアブゾーバにより衝撃なくスムーズ
になされる。

本考案は以上詳述した構成にて所期目的を有効
達成した。即ち、シリンダ機構２１を往復動させ
れば、各座席は揺動することになるので、車両１
が勾配を走行する場合、該シリンダ機構２１の押
引量を該勾配に対じて調整すれば、同時に各座席
１１…の揺動角度を調整することができて、該座
席１１…の座部を、略水平状に保持することがで
きる。つまり、車両１が勾配を走行する場合でも
水平部走行状態と同様の着座姿勢を保持でき、従
つて無理な姿勢による疲労を防止できて乗り心地
が向上する。

また、勾配に対応して座席３を揺動させる機構
を、各座席毎に独立して設ける必要がなく、その
構造は極めて簡単なものとなり、しかも、嵩ばら
ず車体１２の空間スペースを狭くせずにすむと共
に、重量化せずにすむ利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は軌道を示す簡略図、第２図は本考案の
一実施例を示す縦断面図、第３図は第２図におけ
るＸ−Ｘ矢視断面図、第４図は動作状態を示す一
部の縦断面図である。 １……車両、１１……座席、１２……車体、１
４……吊下部材、１５……吊下棒、１９……動作
レバー、２０……連結杆、２１……シリンダ機
構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両１における座席支持装置であつて、 車体１２の長手方向と直交する水平軸心廻りに
   回転自在な複数本の吊下棒１５…を、該車体１２
   内上方において前後所定間隔に配設すると共に、
   該吊下棒１５…に、吊下部材１４，１４を介して
   座席１１…を吊設して、該座席１１…を揺動自在
   とし、さらに、各吊下棒１５…に動作レバー１９
   …を連設すると共に、連結杆２０を介して該レバ
   ー１９に連結されるシリンダ機構２１を設け、該
   シリンダ機構２１の往復動により、上記連結杆２
   ０を前後に往復動させて上記座席１１…を揺動さ
   せ、該座席１１…の座部を略水平状に静止保持す
   るように構成したことを特徴とする座席支持装
   置。