JP2001099188A - 湿式クラッチの潤滑構造 - Google Patents

湿式クラッチの潤滑構造

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JP2001099188A JP28105699A JP28105699A JP2001099188A JP 2001099188 A JP2001099188 A JP 2001099188A JP 28105699 A JP28105699 A JP 28105699A JP 28105699 A JP28105699 A JP 28105699A JP 2001099188 A JP2001099188 A JP 2001099188A
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Korenori Kato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチの係合時に必要な潤滑油をクラッチ
機構に供給し、その他の場合には潤滑油により回転抵抗
が増加することを防止する。 【解決手段】 クラッチドラム51内にクラッチ機構が
配設されるとともにこのクラッチ機構に潤滑油を供給す
る潤滑油供給装置を備えてなる湿式クラッチ34におい
て、クラッチドラム51の外周部に潤滑油供給装置から
クラッチ機構に供給された潤滑油を外部に排出するため
の排出口51dを形成し、クラッチドラムがクラッチ作
動変速回転領域にあるときに排出口を絞るとともに、ク
ラッチドラムが変速回転領域より高い高回転領域および
低い低回転領域にあるときに排出口を開放する排出制御
弁機構60を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転自在なクラッ
チドラム内にクラッチ機構が配設されるとともに、この
クラッチ機構に潤滑油を供給する潤滑油供給装置を備え
てなる湿式クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】このような湿式クラッチは自動変速機の
変速段設定用のクラッチ等として従来から良く知られて
いるが、クラッチ機構部分に潤滑油を供給して、クラッ
チフェーシング部の摩耗防止および冷却が必要とされ
る。このため、従来においてはこのような摩耗防止およ
び冷却のため必要とされる潤滑油を常時供給するように
構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラッ
チ機構部分に潤滑油の供給が特に必要とされるのはクラ
ッチ係合時および解放時のようにクラッチに滑りが発生
するときであり、クラッチが完全に係合した状態もしく
は完全に解放した状態においては潤滑油はあまり必要と
されない。それどころか、潤滑油の供給が過剰となると
クラッチ機構部分に潤滑油が溜まってクラッチ回転に対
する回転抵抗となり動力伝達効率を低下させるという問
題がある。特に、クラッチが完全に解放した状態では、
クラッチプレート間に存在する潤滑油がクラッチプレー
トの相対回転に対するドラグ抵抗となり、動力伝達効率
を低下させるという問題がある。
【0004】なお、特開平4−19426号公報には、
クラッチ潤滑油供給油路内に2ウェイチェック弁を配設
し、クラッチの係合および解放過程においてのみ潤滑油
を供給させる構成が開示されている。このような構成に
よれば、上述した問題に対処できるが、この構成では、
2ウェイチェック弁の作動圧力の設定が難しく、また、
潤滑油路内このようなチェック弁を配設する必要がある
ため潤滑油供給部の構成が複雑化してコストアップに繋
がるという問題がある。
【0005】本発明は上記の問題に鑑みたもので、クラ
ッチの係合および解放時に必要な潤滑油をクラッチ機構
に供給するとともに、その他の場合には潤滑油により回
転抵抗が増加することを防止できるような簡単な構成の
湿式クラッチの潤滑構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明は、回転自在なクラッチドラム内にクラッチ
機構(例えば、実施形態におけるクラッチドラム51の
内側に配設されたクラッチピストン52、クラッチプレ
ート55、クラッチディスク56により構成されるクラ
ッチ機構)が配設されるとともにこのクラッチ機構に潤
滑油を供給する潤滑油供給装置を備えてなる湿式クラッ
チにおいて、クラッチドラムの外周部に潤滑油供給装置
からクラッチ機構に供給された潤滑油を外部に排出する
ための排出口を形成し、クラッチドラムがクラッチ作動
変速回転領域にあるときに排出口を絞るとともに、クラ
ッチドラムが変速回転領域より高い高回転領域および低
い低回転領域にあるときに排出口を開放する排出制御弁
機構を設けて湿式クラッチの潤滑構造を構成している。
【0007】このような構成の潤滑構造を用いれば、ク
ラッチが係合もしくは解放されるときのクラッチドラム
の回転領域において、すなわち、クラッチドラムがクラ
ッチ作動変速回転領域にあるときにおいて、排出制御弁
機構により排出口が絞られるため、潤滑油供給装置から
クラッチ機構に供給された潤滑油はクラッチドラム内に
留まってクラッチ機構に十分な量の潤滑油が供給され
る。一方、クラッチドラムの回転数がこの変速回転領域
を外れるとき、すなわち、上述した低回転領域もしくは
高回転領域にあるときには、排出弁制御機構により排出
口が開放されるため、潤滑油は排出口から外部に排出さ
れる。このため、潤滑油供給装置からクラッチ機構に供
給された潤滑油はクラッチドラムの外部に排出されクラ
ッチ機構部分に留まることが少なく、クラッチ機構にお
ける潤滑油により回転抵抗が発生することが抑えられ
る。
【0008】なお、排出制御弁機構を、基端部がクラッ
チドラムに固定されるとともに先端部が排出口内に延び
て設けられた弾性変形可能な弁板部材から構成すること
ができる。この弁板部材の先端部は、外力を受けない状
態で排出口より内周側に突出して排出口を開放する内側
位置に位置し、外周方向への外力を受けて排出口内に位
置して排出口を絞る中間位置から排出口より外周側に位
置して排出口を開放する外側位置まで弾性変形可能な構
成とされ、クラッチドラムが低回転領域にあるときには
弁板部材の先端部は内側位置に位置し、クラッチドラム
が変速回転領域にあるときには弁板部材の先端部は遠心
力により中間位置に位置し、クラッチドラムが高回転領
域にあるときには弁部材の先端部は遠心力により外側位
置に位置するように設定される。これにより、排出制御
弁機構を非常に簡単な構成とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態について説明する。本発明に係る潤滑構
造を備えた湿式クラッチにより変速作動が行われるよう
になった自動変速機を図2に示している。変速機10は
エンジン1の側端面に結合されて配設されており、変速
機ハウジング15がエンジンフライホイールハウジング
に接合され、エンジン1の出力軸1aとトルクコンバー
タ5とが接続されている。このため、エンジン1の出力
はトルクコンバータ5を介して変速機入力軸11に伝達
される。変速機ハウジング15内において、変速機入力
軸11および変速機カウンタ軸12が互いに平行に且つ
それぞれ回転自在に配設され、これら両軸11,12の
間に変速機構20が配設されている。
【0010】変速機構20は、互いに噛合するLOW用
ギヤ組21a,21bと、2速用ギヤ組22a,22b
と、3速用ギヤ組23a,23bと、4速用ギヤ組24
a,24bと、リバース用ギヤ組25a,25bとを有
する。但し、リバース用ギヤ組は回転方向を逆転させる
ためのリバースアイドラギヤ(図示せず)を介して互い
に噛合する。これら各ギヤ組におけるドライブ側ギヤ2
1a,22a,23a,24a,25aが変速機入力軸
11の上に配設され、ドリブン側ギヤ21b,22b,
23b,24b,25bが変速機カウンタ軸12の上に
配設されている。また、これらギヤのうち、LOW用ド
ライブギヤ21a,2速用ドライブギヤ22a,3速用
ドリブンギヤ23b,4速用ドライブギヤ24aおよび
リバース用ドリブンギヤ25bが変速機入力軸11もし
くは変速機カウンタ軸12上に回転時自在に配設され、
残りのギヤがこれらいずれかの軸に固設されている。
【0011】上記のようにいずれかの軸上に回転自在に
配設された各ギヤには、それぞれ油圧クラッチ31〜3
5が配設されている。これら5個の油圧クラッチ31〜
35を選択的に作動させることにより、上記回転自在に
配設されたギヤのいずれかをそれが配設されている軸と
一体に結合させ、このギヤを有するギヤ組に基づく動力
伝達がなされる。このように油圧クラッチ31〜35を
選択的に作動させることにより、変速機入力軸11に伝
達されたエンジン動力は、作動された油圧クラッチに対
応するギヤ組による動力伝達が行われて変速カウンタ軸
12に伝達される。変速機カウンタ軸12には出力ドラ
イブギヤ16aが固設されており、出力ドライブギヤ1
6aは変速機出力軸17に固設された出力ドリブンギヤ
16bと噛合している。このため、変速機カウンタ軸1
2に伝達されたエンジン動力は、これら出力ギヤ組16
a,16bを介して変速機出力軸17に伝達され、次い
で、ドライブシャフト18を介して駆動輪側に伝達され
る。
【0012】上記の構成の変速機10における油圧クラ
ッチ31〜35に本発明に係る潤滑構造を用いることが
可能であり、ここでは4速用油圧クラッチ34を例にし
てこの潤滑構造を説明する。この油圧クラッチ34を拡
大するとともに断面して図1に示しており、油圧クラッ
チ34は図2に示すように2速用油圧クラッチ32のク
ラッチドラムと背中合わせに接合されるとともに変速機
入力軸11に固定されたクラッチドラム51を有する。
【0013】クラッチドラム51は内部にクラッチ油室
51aを有し、このクラッチ油室51a内にクラッチピ
ストン52が軸方向に移動自在に嵌入されている。クラ
ッチピストン52の内側にキャンセラー室52aが形成
されており、このキャンセラー室52a内にキャンセラ
ーピストン54がクラッチピストン52に対して軸方向
に移動自在に嵌入されている。このとき、キャンセラー
ピストン54の内周側は図示のようにクラッチドラム5
1に嵌入され、内周側はクラッチドラム51に対して摺
動する。キャンセラーピストン54は、クラッチドラム
51に取り付けられたリテーニングリング54aによ
り、図1における右方向への移動が拘束されている。キ
ャンセラー室52a内にリターンスプリング53が配設
されており、リターンスプリング53はキャンセラーピ
ストン54を右方に押圧するとともにクラッチピストン
52を左方に押圧する。
【0014】クラッチドラム51内におけるクラッチピ
ストン52のピストン部52bが対向する位置に、軸方
向に交互に重なって複数のクラッチプレート55および
クラッチディスク56が配設されており、これらがエン
ドプレート57により塞がれるとともにリテーニングリ
ング58により係止保持され、クラッチドラム51内に
位置している。このとき、クラッチプレート55は外周
側においてクラッチドラム51の係止部51bに係止さ
れており、クラッチプレート55は軸方向に移動可能で
あるが、クラッチドラム51と一体回転するようになっ
ている。また、クラッチディスク56は内周側におい
て、4速用ドライブギヤ24aと一体に形成されたクラ
ッチスプライン部24cとスプライン係合されており、
クラッチディスク56は軸方向に移動可能であるが、4
速用ドライブギヤ24aと一体回転するようになってい
る。
【0015】変速機入力軸11には、潤滑油供給路路1
1a、クラッチ作動油供給路11bおよびキャンセラー
油供給路11cが設けられており、これら供給路からそ
れぞれ潤滑油、クラッチ作動油およびキャンセラー油が
供給される。クラッチ作動油供給路11bはクラッチド
ラム51に形成された第1通路51eを介してクラッチ
油室51aに繋がる。このため、クラッチ油室51aに
クラッチ作動油が供給されるとこの油圧力によりクラッ
チピストン52は図1において右方に押圧され、ピスト
ン部52bがクラッチプレート55およびクラッチディ
スク56をエンドプレート57に押しつける。この結
果、両プレート55,56間での摩擦力により両プレー
ト55,56が係合され、4速用ドライブギヤ24aが
クラッチドラム51と一体回転し、4速用ギヤ組24
a,24bによる動力伝達が行われ、4速段が設定され
る。このことから分かるように、クラッチドラム51の
内側に配設されたクラッチピストン52、クラッチプレ
ート55、クラッチディスク56によりクラッチ機構が
構成される。
【0016】なお、キャンセラー油供給油路11cはク
ラッチドラム51に形成された第2通路51fを介して
キャンセラー室52aに繋がり、キャンセラー室52a
はキャンセラー油供給油路11cを介して供給された作
動油が充満される。このキャンセラー室52aは、クラ
ッチ油室51aに供給されるクラッチ作動油圧が零とな
って4速用油圧クラッチ34が非係合状態にされるとき
に、クラッチドラム51が回転された状態でクラッチ油
室51a内に残された作動油に発生する遠心油圧の影響
を排除するためのものである。すなわち、4速用油圧ク
ラッチ34が非係合状態でクラッチドラム51が回転さ
れると、クラッチ油室51a内に残された作動油が遠心
力を受けて回転速度に対応する遠心油圧が発生するが、
キャンセラー室52a内の作動油にも遠心油圧が発生
し、これら両者の作用方向が反対のため打ち消し合う。
これにより、ピストン52に対する遠心油圧の影響を小
さくするものである。
【0017】また、潤滑油供給油路11aは4速用ドラ
イブギヤ24aとキャンセラーピストン54との間の空
間内に開口している。潤滑油供給油路11aは図示しな
い潤滑油供給装置に繋がれており、この空間に潤滑油を
供給する。このように供給された潤滑油はこの空間から
ギヤ24aのスプライン部24cに形成された潤滑孔2
4dおよびスプライン部24cの左側空間を介してクラ
ッチプレート55およびクラッチディスク56の部分に
供給される。このように供給される潤滑油により、クラ
ッチプレート55およびクラッチディスク56の係合表
面が潤滑され、クラッチ係合による発熱部の冷却と潤滑
とが行われる。
【0018】上記構成の4速用油圧クラッチ34におい
て、図3から分かるように、クラッチドラム51の外周
部51cに等間隔で複数の潤滑油排出制御弁機構60が
設けられている。この弁構造60は、図4に詳しく示す
ように、クラッチドラム51の外周部51cに貫通形成
された複数の排出孔51dと、基端部61aが固定ピン
62によりクラッチドラム外周部51cに固定されると
ともに先端部61bが排出孔51d内に突出した弁板6
1とを有する。弁板61は弾性変形可能な板材から作ら
れており、自然な状態(外力を受けない状態)では、図
4(A)に示すように先端部61bが排出孔51dから
クラッチドラム51内に突出しており、排出孔51dは
開放された状態となるように取り付けられている。
【0019】弁板61の先端部61bの外面側にはウエ
イト63が設けられており、クラッチドラム51が回転
されるとウエイト63に作用する遠心力Fにより弁板6
1が弾性変形され、図4(B)および(C)に示すよう
に、先端部61bが外周側に移動する。ここで、クラッ
チドラム51の回転が4速用油圧クラッチ34が係合さ
れるような回転領域、すなわち、変速回転領域にあると
きに、ウエイト63に作用する遠心力により弁板61の
先端部61bが図4(B)に示すようにちょうど排出孔
51d内に位置するように設定されている。このため、
油圧クラッチ34が係合されるときには弁板61は排出
孔51dを絞る。
【0020】一方、クラッチドラム51が上記変速回転
領域より低回転の領域にあるときには、ウエイト63に
作用する遠心力Fは小さいため、図4(A)に示すよう
に先端部61bがクラッチドラム51内に突出し、排出
孔51dは開放された状態となる。また、クラッチドラ
ム51が上記変速回転領域より高回転の領域にあるとき
には、ウエイト63に作用する遠心力Fは大きくなり、
図4(C)に示すように先端部61dがクラッチドラム
51の外側に突出し、排出孔51dは開放された状態と
なる。
【0021】ここで、潤滑油挟給油路11aから供給さ
れる潤滑油は、油圧クラッチ34が係合されるときに最
も必要とされ、これ以外のときには、潤滑油がクラッチ
プレート55およびクラッチディスク56の相対回転に
対する抵抗トルク(ドラグトルク)を発生させるためで
きるかぎり少ない方が良い。このようなことから上記潤
滑油排出制御弁機構60が設けられており、クラッチド
ラム51が変速回転領域にあるとき、すなわち、油圧ク
ラッチ34が係合される回転領域においては、弁板61
が図4(B)に示すように排出孔51dを絞るため、ク
ラッチドラム51内に潤滑油が溜まってクラッチプレー
ト55およびクラッチディスク56の係合部の冷却およ
び潤滑が良好に行われる。
【0022】一方、クラッチドラム51がこの変速回転
領域より低い低回転領域にあるとき、および変速回転領
域より高い高回転領域にあるときには、弁板61が図4
(A)および(C)に示すように排出孔51dを開放す
るため、クラッチドラム51内の潤滑油は排出孔51d
を通って外部に排出され、クラッチドラム51d内に留
まる量が少なくなる。このため、低回転領域および高回
転領域においては、潤滑油による回転抵抗が小さくな
り、回転伝達効率が高くなる。
【0023】以上の構成の潤滑油排出制御弁機構60を
設けた場合(本発明の場合)およびこの弁構造を設けな
い従来の場合におけるクラッチ内の潤滑油溜まり量とク
ラッチドラム回転数との関係を図5に示している。この
図から分かるように、本発明の場合には、変速回転領域
において、従来の場合より潤滑油溜まり量が多く、低回
転領域および高回転領域においては従来の場合より潤滑
油溜まり量が少なくなる。このため、本発明の場合に
は、変速時のクラッチ部への潤滑油供給を良好に行わせ
るとともに、これ以外のときには潤滑油の溜まりによる
回転抵抗の発生を抑制して回転伝達効率を高くすること
ができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クラッチが係合もしくは解放されるときのクラッチドラ
ムの回転領域において、すなわち、クラッチドラムがク
ラッチ作動変速回転領域にあるときにおいて、排出制御
弁機構により排出口が絞られるため、潤滑油供給装置か
らクラッチ機構に供給された潤滑油はクラッチドラム内
に留まってクラッチ機構に十分な量の潤滑油が供給され
る。一方、クラッチドラムの回転数がこの変速回転領域
を外れるとき、すなわち、上述した低回転領域もしくは
高回転領域にあるときには、排出弁制御機構により排出
口が開放されるため、潤滑油は排出口から外部に排出さ
れため、潤滑油供給装置からクラッチ機構に供給された
潤滑油はクラッチドラムの外部に排出されクラッチ機構
部分に留まることが少なく、クラッチ機構において内部
に溜まった潤滑油により回転抵抗が発生して回転伝達効
率が低下することが抑えられる。
【0025】なお、排出制御弁機構を、基端部がクラッ
チドラムに固定されるとともに先端部が排出口内に延び
て設けられた弾性変形可能な弁板部材から構成すること
ができる。この弁板部材の先端部は、外力を受けない状
態で排出口より内周側に突出して排出口を開放する内側
位置に位置し、外周方向への外力を受けて排出口内に位
置して排出口を絞る中間位置から排出口より外周側に位
置して排出口を開放する外側位置まで弾性変形可能な構
成とされ、クラッチドラムが低回転領域にあるときには
弁板部材の先端部は内側位置に位置し、クラッチドラム
が変速回転領域にあるときには弁板部材の先端部は遠心
力により中間位置に位置し、クラッチドラムが高回転領
域にあるときには弁部材の先端部は遠心力により外側位
置に位置するように設定される。これにより、排出制御
弁機構を非常に簡単な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る潤滑構造を有した湿式クラッチ構
造を示す断面図である。
【図2】上記湿式クラッチにより変速作動がおこなれる
ようになった自動変速機の構造を示す断面図である。
【図3】上記湿式クラッチの外観を示す正面図である。
【図4】上記湿式クラッチに用いられる潤滑油排出制御
弁機構を示す断面図である。
【図5】上記湿式クラッチにおけるクラッチ内部溜まり
油量とクラッチドラム回転数との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 自動変速機 34 4速用油圧クラッチ 51 クラッチドラム 52 クラッチピストン(クラッチ機構) 55 クラッチプレート(クラッチ機構) 56 クラッチディスク(クラッチ機構) 11a 潤滑油供給油路(潤滑油供給装置) 51d 排出孔 60 潤滑油排出制御弁機構 61 弁板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在なクラッチドラムと、前記クラ
    ッチドラム内に配設されたクラッチ機構と、前記クラッ
    チ機構に潤滑油を供給する潤滑油供給装置とを備えてな
    る湿式クラッチにおいて、 前記クラッチドラムの外周部に、前記潤滑油供給装置か
    ら前記クラッチ機構に供給された潤滑油を外部に排出す
    るための排出口が形成され、 前記クラッチドラムがクラッチ作動変速回転領域にある
    ときに前記排出口を絞るとともに、前記クラッチドラム
    が前記変速回転領域より高い高回転領域および前記変速
    回転領域より低い低回転領域にあるときに前記排出口を
    開放する排出制御弁機構が設けられていることを特徴と
    する湿式クラッチの潤滑構造。
  2. 【請求項2】 前記排出制御弁機構が、基端部が前記ク
    ラッチドラムに固定されるとともに先端部が前記排出口
    内に延びて設けられた弾性変形可能な弁板部材を有し、 前記弁板部材の先端部は、外力を受けない状態で前記排
    出口より内周側に突出して前記排出口を開放する内側位
    置に位置し、外周方向への外力を受けて前記排出口内に
    位置して前記排出口を絞る中間位置から前記排出口より
    外周側に位置して前記排出口を開放する外側位置まで弾
    性変形可能であり、 前記クラッチドラムが前記低回転領域にあるときには前
    記弁板部材の先端部は前記内側位置に位置し、前記クラ
    ッチドラムが前記変速回転領域にあるときには前記弁板
    部材の先端部は遠心力により前記中間位置に位置し、前
    記クラッチドラムが前記高回転領域にあるときには前記
    弁部材の先端部は遠心力により前記外側位置に位置する
    ようになっていることを特徴とする請求項1に記載の湿
    式クラッチの潤滑構造。
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