JP2004353789A - ダブルクラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数を減らして軽量化・低コスト化したダブルクラッチ装置を提供する。
【解決手段】第1クラッチシリンダ14と第2クラッチシリンダ16の円筒部にスプライン溝を形成し、このスプライン溝により第1クラッチシリンダ14と第2クラッチシリンダ16とをスプライン結合して、第1クラッチシリンダ14に対して第2クラッチシリンダ16を軸線方向に摺動可能とするとともに、一体に回転可能とすることにより、第1クラッチシリンダ14と第2クラッチシリンダ16との結合のための部材を無くして軽量化、低コスト化する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのクラッチ手段およびこのクラッチ手段の作動を行う2つの油圧室をその軸線に沿って並べて構成し、入力軸と2つの出力軸との係脱制御を行うダブルクラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなダブルクラッチ装置は、複数のクラッチ手段を用いて実現される変速機等において、そのクラッチ手段のうちの2つを軸線方向に並べて配設することにより小型化を図るものであり、その実施例としてはいくつかのものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−352431号公報(第4−6頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなダブルクラッチ装置は、2つのクラッチ手段を組み合わせて構成しているため、構造が複雑となり部品点数が多くなることにより、重量が増加して伝達効率が悪化するという課題や製造コストが増加するという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、部品点数を減らして軽量化・低コスト化したダブルクラッチ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係るダブルクラッチ装置は、入力軸(例えば、実施形態における捻りダンパ46)に連結された第1入力部材(例えば、実施形態における第1クラッチシリンダ14)と、第1入力部材の軸線方向に摺動自在に嵌合されて、第1入力部材と一体に回転する第2入力部材(例えば、実施形態における第2クラッチシリンダ16)と、第2入力部材に取付けられた第1ピストン部材と、第2入力部材の軸線方向に摺動自在に取付けられた第2ピストン部材と、第2ピストン部材の軸線方向に摺動自在に取付けられた壁部材(例えば、実施形態におけるキャンセラプレート19)と、第1および第2入力部材の同一軸線上に相対回転可能に配設された第1出力軸(例えば、実施形態における第1メインシャフト3)に連結された第1出力部材(例えば、実施形態における第1クラッチ出力部材39)と、第1入力部材と第1出力部材とに取付けられ、第1ピストン部材により第1入力部材と第1出力部材とを係脱自在に連結する第1クラッチ手段(例えば、実施形態における第1クラッチC1)と、第1出力軸上に相対回転可能に配設された第2出力軸に連結された第2出力部材(例えば、実施形態における第2クラッチ出力部材35)と、第2入力部材と第2出力部材とに取付けられ、第2ピストン部材により第2入力部材と第2出力部材とを係脱自在に連結する第2クラッチ手段(例えば、実施形態における第2クラッチC2)とを有して構成される。
【0007】
そして、第1入力部材と第2入力部材との間に形成された第1油室と、第2入力部材と第2ピストン部材との間に形成された第2油室と、第2ピストン部材と壁部材との間に形成されたキャンセラ油室に作動油を供給し、第1油室と第2油室とに供給される作動油の油圧を制御して、本発明に係るダブルクラッチ装置を構成する第1および第2クラッチ手段の係合制御を行う。
【0008】
このような構成によると、第1および第2油室とキャンセラ油室を隣接して配置することができるため、作動油に対する遠心力の影響を除去し、確実なクラッチ係合制御を行うことができる。さらに、1つのキャンセラ油室で実現できるため、部品点数が減少し軽量化、低コスト化およびコンパクト化することができる。
【0009】
このとき、第1入力部材は円筒状のクラッチ保持部(例えば、実施形態における大径部14a)とこのクラッチ保持部よりも径の小さい円筒状の取付部(例えば、実施形態における中径部14b)とが同一軸線上に結合され、第2入力部材は円筒状に形成され、第1入力部材の取付部に軸線方向に摺動自在に嵌合され、第1入力部材と一体回転するように構成されることが好ましい。そして、第1入力部材を構成する取付部の円筒部および第2入力部材の円筒部に軸線方向に延びる複数のスプライン溝を形成し、第1入力部材と第2入力部材とをこのスプライン溝によりスプライン結合して、軸線方向に摺動自在に嵌合させるように構成することが好ましい。
【0010】
このような構成によると、第1入力部材に第2入力部材を嵌合することでこの第1入力部材と第2入力部材とを連結することができるため、これらを連結するための特別な部材が不要となり、本発明に係るダブルクラッチ装置において、部品点数の減少による軽量化・低コスト化を実現することができる。また、スプライン結合により第1入力部材と第2入力部材の組み立てが容易となり、また、第1入力部材と第2入力部材の摺動もこのスプライン結合により可能となる。
【0011】
また、第1油室、第2油室およびキャンセラ油室の軸線と直交する方向の断面積が略同一大きさに形成することにより、作動油に対する遠心力の影響を完全に除去することができるため、クラッチ係合制御を確実に行うことができ好ましい。
【0012】
また、第2入力部材と第1ピストン部材とが、一体に形成されていることが好ましく、更に部品点数の削減をすることができる。
【0013】
また、第1および第2クラッチ手段が、軸線と直交する方向から見て重なって配設されていることが好ましく、本発明に係るダブルクラッチ装置の軸線方向長さを短くし、コンパクト化ができる。
【0014】
さらに、第1入力部材を覆うカバー部材(例えば、実施形態におけるシリンダケース53)を有することが好ましく、作動油が供給される範囲をカバー部材で限定することにより、使用される作動油を少なくして本発明に係るダブルクラッチ装置を軽量化することができる。また、このカバー部材の近傍にオイルポンプ等を配設することができ、デッドボリュームを無くしてダブルクラッチ装置を小型化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係るダブルクラッチ装置1は、例えば、図2に示すような変速機TMに用いられる。この変速機TMは、第1クラッチC1および第2クラッチC2を有する本発明に係るダブルクラッチ装置1と、第1クラッチC1に接続された第1メインシャフト3と、この第1メインシャフト3上に相対回転可能に配設され第2クラッチC2に接続された第2メインシャフト4と、この第1および第2メインシャフト3,4の回転軸に平行に配設されたカウンタシャフト5と、この第1若しくは第2メインシャフト3,4およびカウンタシャフト5に配設された第1〜第6ギア列G1〜G6およびこのギア列G1〜G6を第1および第2メインシャフト3,4若しくはカウンタシャフト5に係脱する第3〜第6クラッチC3〜C6より構成されている。この第1〜第6クラッチC1〜C6の係脱制御を行い、第1〜第6ギア列G1〜G6を介してエンジン出力軸2からの回転を減速してカウンタシャフト5から出力するように構成されている。
【0016】
以下に、この変速機TMにおけるクラッチC1〜C6の係脱制御について説明する。まず、Lowレンジでは、第3クラッチC3を第1ギア列G1に係合した状態で、第1クラッチC1を係合する。すると、エンジン出力軸2からの出力は第1クラッチC1を介して第1メインシャフト3に伝わり第1ギア列G1の減速比で減速されてカウンタシャフト5に伝達される。
【0017】
Lowレンジから2速レンジ(2ndレンジ)への変速時には、第3クラッチC3を第1ギア列G1に係合した状態で、第1クラッチC1の係合を徐々に解除し、代わりに第4クラッチC4を第2ギア列G2に係合した状態で、第2クラッチC2を徐々に係合する。すると、エンジン出力軸2から第1クラッチC1を介して第1メインシャフト3へ伝達される出力が、第2クラッチC2を介して第2メインシャフト4へ伝達される出力に徐々に移り、変速時の駆動力抜けを防止することができる。第1クラッチC1の係合が完全に解除され、第2クラッチC2が完全に係合すると、エンジン出力軸2からの出力は第2クラッチC2を介して第2メインシャフト4に伝わり第2ギア列G2の減速比で減速されてカウンタシャフト5に伝達される。
【0018】
以下同様に、3〜6速レンジ(3rd〜6thレンジ)においても、第3〜第6クラッチC3〜C6のいずれか一つを第3〜第6ギア列G3〜G6に係合し、第1クラッチC1と第2クラッチC2の係合を交互に切替えることにより、各ギア列G3〜G6の減速比で減速されてカウンタシャフト5に伝達される。
【0019】
そして、このように変速されたカウンタシャフト5の回転は、このカウンタシャフト5に結合されたカウンタギヤ6と、このカウンタギヤ6に噛合するファイナルギヤ8を介してディファレンシャル機構8に伝達され、アクスルシャフト9に出力されて車輪が回転する。
【0020】
このように、第1クラッチC1と第2クラッチC2とを交互に係合・解除を行うことにより、変速時の駆動力抜け(トルク抜け)を防止することができ、変速時の変速ショックを低減させることができる。
【0021】
次に、以上のように用いられる本発明に係るダブルクラッチ装置1の構成について図1および図3〜図8を用いて説明する。なお、以降においては、図1に示す矢印Fの方向を前方として説明する。図1に示すように、ダブルクラッチ装置1は、密閉されたクラッチケース11内に配設されており、このクラッチケース11の前部にフランジ部材12が固定されている。このフランジ部材12は円盤状のフランジ部12aの中央に貫通孔が形成された円筒状に突出するサポート部12bを有して構成されており、このサポート部12bがクラッチケース11内に位置するように取付けられている。
【0022】
そして、サポート部12bの貫通孔に上述の第1メインシャフト3および第2メインシャフト4が挿入されて枢支されている。なお、このフランジ部材12の前端面と第2メインシャフト4の間にはシールリング13が配設されている。また、図1においては図示しないが、サポート部12bと第2メインシャフト4との間にはニードルベアリングが配設されており、このサポート部12bに対して第2メインシャフト4は回転自在である。また、第1メインシャフト3と第2メインシャフト4も、内部に取付けられたボールベアリング43により相対回転自在である。
【0023】
さらに、サポート部12bの外周面に第1クラッチシリンダ14がこのサポート部12bに回転自在に取付けられている。第1クラッチシリンダ14は、図3に示すように、円筒状で断面が波状の円周面(すなわち、軸線方向に沿って複数の溝が形成されており、以降の説明ではこの溝を「スプライン溝」と呼ぶ)を有する大径部14aと、それより径の小さい円筒状でスプライン溝が形成された中径部14bと、更に径の小さい円筒状の小径部14cが同一軸線上に直列に結合された形状に形成されている。この第1クラッチシリンダ14の先端部(小径部14cの先端部)14dの軸線上には、開口部14eが形成されており、さらに、先端部14dから第1クラッチシリンダ14の内部空間にこの開口部14eを囲むように円筒状に延びるクラッチハブ14eが形成されている(図1参照)。
【0024】
このように形成された第1クラッチシリンダ14は、先端部14dの開口部から内部にサポート部12bが挿入されてフランジ部材12に取付けられており、クラッチハブ14eがサポート部12b上に回転自在(つまり、フランジ部材12に対して第1クラッチシリンダ14が回転自在)に構成されている。なお、先端部14dとフランジ部12aは当接するように配設されており、この先端部14dとフランジ部12aの間にはニードルベアリング15が取付けられている。
【0025】
第1クラッチシリンダ14の内周空間内に第2クラッチシリンダ16が嵌挿されている。第2クラッチシリンダ16は図4に示すように、円筒状で円周面にスプライン溝が形成された大径部16aと、この大径部16aより径の小さい円筒状の小径部16bが同一軸線上に直列に結合された形状に形成されている。この第2クラッチシリンダ16の先端部(小径部16bの先端部)16cの軸線上には、開口部16dが形成されている。この開口部16dの内径は、上述のクラッチハブ14eの外径と略同一大きさに形成されており、この開口部16dにクラッチハブ14eが挿入されて第1クラッチシリンダ14に第2クラッチシリンダ16が取付けられる。
【0026】
なお、第1クラッチシリンダ14の中径部14bの内周面の断面形状(波形形状)と、第2クラッチシリンダ16の大径部16aの外周面の断面形状(波形形状)とは略同一大きさに形成されており、この中径部14bと大径部16aとがスプライン結合される。そのため、第2クラッチシリンダ16は第1クラッチシリンダ14と一体に回転され、かつ、スプライン結合されているため、第2クラッチシリンダ16は第1クラッチシリンダ14に対して前後方向(軸線方向)に摺動自在である。また、第1クラッチシリンダ14の小径部14cの内周面と第2クラッチシリンダ16の小径部16bの外周面の断面形状も略同一大きさに形成されており、この部分も摺動する。
【0027】
第1クラッチシリンダ14および第2クラッチシリンダ16は、例えば、プレス加工により成型することが可能である。
【0028】
この第2クラッチシリンダ16の大径部16aの外周面にはリング状に形成された第1ピストン部材17が取付けられている。第1ピストン部材17の内周面の断面形状は第2クラッチシリンダ16の大径部16aの外周面の断面形状(波形形状)と略同一形状および大きさに形成されていてスプライン結合されている。そして、この結合部分に対してスポット溶接を行うか、若しくは、両側からサークリップで挟持することにより、第2クラッチシリンダ16に第1ピストン部材17が固定される。なお、第1ピストン部材17の外周部には、後方に突出するフランジ状の第1ピストン押圧部17aが形成されている。ここで、このピストン押圧部17aは第1クラッチC1のフリクション部の中心部、実施例でいうと後述する第1ピストンプレート40の中心部を押すような位置に設置されている。このように設置することで、片当たりを防ぎ、クラッチの締結力を精度良く制御することができる。
【0029】
第2クラッチシリンダ16の内周空間内に円筒状の第2ピストン部材18が挿入されて取付けられている。この第2ピストン部材18の先端部の軸線上にも軸線方向に貫通する開口部が形成されており、この開口部にクラッチハブ14eが挿入されて、第2ピストン部材18は第1クラッチシリンダ14に取付けられている。また、第2ピストン部材18の先端部における外周面の断面形状は、第2クラッチシリンダ16の小径部16bの内周面の断面形状と略同一大きさに形成されているため、第2ピストン部材18は第2クラッチシリンダ16に対して軸線方向に摺動自在である。なお、第2ピストン部材の円周部の後端は折曲して軸線方向に延びる第2ピストン押圧部18aが形成されている。第2ピストン押圧部18aも第1ピストン押圧部17aと同様に、第2クラッチC2のフリクション部の中心部、実施例でいうと後述する第2ピストンプレート36の中心部を押すような位置に設置されている。このように設置することで、片当たりを防ぎ、クラッチの締結力を精度良く制御することができる。
【0030】
さらに、この第2ピストン部材18の内周空間内に円盤状のキャンセラプレート19が挿入されて取り付けられている。このキャンセラプレート19の略中央部には板厚方向に貫通する開口部が形成されている。この開口部はクラッチハブ14eの外周面の断面形状と略同一大きさに形成されており、このクラッチハブ14eが開口部に挿入されて、キャンセラプレート19は第1クラッチシリンダ14に取付けられている。
【0031】
このキャンセラプレート19と第2ピストン部材18の間には戻しバネ20が配設されている。そのため、キャンセラプレート19は、戻しバネ20の付勢力により、クラッチハブ14eの後端部に取付けられたサークリップ21に付勢して固定される。なお、キャンセラプレート19の外周部は第2ピストン部材18の後部の内周面に当接するように形成されている。また、第2ピストンシリンダ16と第2ピストン部材18とは、戻しバネ20の付勢力により、第1ピストンシリンダ14の前部に付勢される。
【0032】
第2メインシャフト4の後端部に、第2クラッチ出力部材35が取付けられている。この第2クラッチ出力部材35は内径が第2メインシャフト4の外径と略同一大きさに形成れた円筒状の嵌合部35aと、この嵌合部35aより径が大きく、上述の第2クラッチシリンダ16の内径よりも小さい径の円筒状のフリクションディスク保持部35bとを円盤状のプレート部35cで繋いだ形状をしている。この第2クラッチ出力部材35は、嵌合部35aが第2メインシャフト4に対してスプライン結合して取付けられている。なお、フリクションディスク保持部35bには、断面が波形形状のスプライン溝が軸線方向に延びて形成されている。
【0033】
第2クラッチシリンダ16の大径部16aと、第2クラッチ出力部材35のフリクションディスク保持部35bとは対向するように構成されており、ここに、第2クラッチC2が配設されている。この第2クラッチC2は、大径部16aに取付けられた複数の第2ピストンプレート36と、フリクションディスク保持部35bに取付けられた複数の第2フリクションディスク37と、先端側の第2ピストンプレート36に近接するように位置した第2ピストン部材18(第2ピストン押圧部18a)とから構成される。
【0034】
この第2ピストンプレート36と第2フリクションディスク37とは軸線方向から見たときにお互いが重なるように配設されており、かつ、交互に配設されていて、前後は第2ピストンプレート36で挟まれるように構成されている。この第2フリクションディスク37の第2ピストンプレート36と重なる部分には、複数の摩擦材37aが同心円状に貼り付けられている。なお、第2ピストンプレート36の外周部と第2フリクションディスク37の内周部はいずれも波形形状に形成されており、それぞれ大径部16aおよびフリクションディスク保持部35bのスプライン溝とスプライン結合されて軸線方向に摺動自在に構成されている。また、大径部16aの後端部には、第2ピストンプレート36がそれ以上後方に摺動しないようにストッパ38が取付けられている。
【0035】
第1メインシャフト3の後端部は第2メインシャフト4の後端部よりも更に後方に延びるように形成されており、そのため、第1メインシャフト3の後端部は露出している。そして、この第1メインシャフト3の後端部に、第1クラッチ出力部材39が取付けられている。この第1クラッチ出力部材39は、内径が第1メインシャフト3の外径と略同一大きさに形成れた円筒状の嵌合部39aと、この嵌合部39aより径が大きく、上述の第1クラッチシリンダ14の内径よりも小さい径の円筒状のフリクションディスク保持部39bとを円盤状のプレート部39cで繋いだ形状をしている。この第1クラッチ出力部材39は、嵌合部39aが第1メインシャフト3に対してスプライン結合して取付けられている。なお、フリクションディスク保持部39bにも、断面が波形形状のスプライン溝が軸線方向に延びて形成されている。
【0036】
第1クラッチシリンダ14の大径部14aと、第1クラッチ出力部材39のフリクションディスク保持部39bとは対向するように構成されており、ここに、第1クラッチC1が配設されている。この第1クラッチC1は、大径部14aに取付けられた複数の第1ピストンプレート40と、フリクションディスク保持部39bに取付けられた複数の第1フリクションディスク41および、先端側の第1ピストンプレート40に近接するように位置した第1ピストン部材17(第1ピストン押圧部17a)から構成される。
【0037】
この第1ピストンプレート40と第2フリクションディスク41とは軸線方向から見たときにお互いが重なるように配設されており、かつ、交互に配設されていて、前後は第1ピストンプレート40で挟まれるように構成されている。この第1フリクションディスク41にも複数の摩擦材41aが同心円状に貼り付けられている。なお、第1ピストンプレート40の外周部と第1フリクションディスク41の内周部はいずれも波形形状に形成されており、それぞれ大径部14aおよびフリクションディスク保持部39bのスプライン溝とスプライン結合されて軸線方向に摺動自在に構成されている。また、大径部14aの後端部には、第1ピストンプレート40がそれ以上後方に摺動しないようにストッパ42が取付けられている。
【0038】
以上のように、第1クラッチシリンダ14に対して、第2クラッチシリンダ16、第2ピストン部材18およびキャンセラプレート19の順で入れ子式に組み合わされて互いに軸線方向に摺動自在に構成されている。このとき、第1クラッチシリンダ14の内周面と第2クラッチシリンダ16の外周面の間にシール部材22が配設され、第2クラッチシリンダ16の内周面と第2ピストン部材18の外周面の間にシール部材23が配設され、第2ピストン部材18の内周面とキャンセラプレート19の外周部との間にシール部材24が配設されている。そのため、第1クラッチシリンダ14と第2クラッチシリンダ16との間に第1油室25が形成され、第2クラッチシリンダ16と第2ピストン部材18との間に第2油室26が形成され、第2ピストン部材18とキャンセラプレート19との間にキャンセラ油室27が形成される。これらの第1,第2油室25,26およびキャンセラ油室27は、軸線方向に並んで形成されており、また、その断面積も略同一大きさになるように形成されている。
【0039】
クラッチハブ14eには軸線に対して直交する方向に貫通する3本の油路28(28a,28b,28c)が形成されており、それぞれ、第1油室25、第2油室26およびキャンセラ油室27に連通している。そして、フランジ部材12の内部には、第1、第2油室25,26およびキャンセラ油室27のそれぞれに作動油を供給するための3本の油路29(29a,29b,29c)が形成されており、それぞれが、上述の油路28に連通している。
【0040】
また、クラッチハブ14eの先端部とサポート部12bとの間にはシールリング30が配設されており、クラッチケース11の外部に作動油が流出するのを防止している。そして、クラッチハブ14eとサポート部12bとの間で、油路28aと油路28bの間、および、油路28bと油路28cの間にもシールリング31,32が配設されている。さらに、第2クラッチシリンダ16とクラッチハブ14eの間にO−リング33が配設され、第2ピストン部材18とクラッチハブ14eの間にO−リング34が配設されている。このため、第1および第2油室25,26およびキャンセラ油室27は互いに完全に分離されて油路28,29と連通している。なお、クラッチハブ14eの後端部とサポート部12bとの間、および、キャンセラプレート19とクラッチハブ14eとの間にはシール部材は配設されておらず、ここから流出した作動油がダブルクラッチ装置1内を潤滑するように構成されている。
【0041】
このように構成すると、第1および第2油室25,26に供給される作動油の油圧を制御することにより、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係脱制御が可能となる。なお、エンジンからの出力は、フライホイール45を有するフランジ44に伝達される。そして、このフランジ44に取付けられた捩りダンパ46およびこの捩りダンパ46と第1クラッチシリンダ14を繋ぐ接続部材47を介して、本発明に係るダブルクラッチ装置1に伝達される。そのため、エンジンが回転しているときは、第1クラッチシリンダ14と第2クラッチシリンダ16も一緒に回転する。
【0042】
図9に、この第1油室25および第2油室26に供給される作動油の油圧を制御するための油圧回路60を示す。オイルパン63に貯められた作動油は、電動モータ61により駆動されるオイルポンプ62により吸い上げられて、所定の圧力で吐出される。そして、ワンウェー弁64を通り2つのプレッシャバルブ65,66により、ぞれぞれ第1油室25および第2油室26に加えられる油圧が制御される。なお、この油圧回路60には、アキュームレータ67、リリーフバルブ68等が配設されており、適切な油圧となるように構成されている。なお、プレッシャバルブ65,66の制御は、変速機およびエンジン制御装置(ECU)69により制御される。また、油圧回路60の圧力は油圧センサー70を用いてECU69により常時監視されており、所定の圧力より高くなったときには、電動モータ61に電源を供給するリレー71が制御されて、オイルポンプ62からの作動油の供給が停止するように構成されている。また、プレッシャバルブ65,66やダブルクラッチ装置1を潤滑した作動油はストレーナ63を介してオイルパン63に戻される。
【0043】
このように構成されてダブルクラッチ装置1の第1および第2クラッチC1,C2の作動について説明する。なお、第1油室25、第2油室26には上述の油圧回路60により作動油が供給されている。また、キャンセラ油室27にはプレッシャバルブ65,66の排出油を送る。このプレッシャバルブ65,66がオフのときは、戻しバネ20の付勢力により第2ピストンシリンダ16および第2ピストン部材18が第1ピストンシリンダ14に付勢しているため、第1および第2クラッチC1,C2とも係合が解除された状態である。
【0044】
第1クラッチC1を係合させるときは、プレッシャバルブ65をオンして(必要であれば、同時にプレッシャバルブ66をオフして)第1油室25に供給される油圧を高くする。すると、第2クラッチシリンダ16が後方に押されて摺動する。すると、この動きに合わせて第2クラッチシリンダ16に固定された第1ピストン部材17も後方に移動するため、第1ピストン押圧部17aが第1クラッチC1の第1ピストンプレート40を後方に押圧する。上述のように、第1ピストンプレート40はその後方への摺動がストッパ42により規制されているため、第1ピストン押圧部17aとストッパ42に第1ピストンプレート40と第1フリクションディスク41とが挟まれて、摩擦材41aの摩擦力により第1ピストンプレート40と第1フリクションディスク41とが係合して第1クラッチC1が係合する。このため、第1クラッチシリンダ14の回転が、第1クラッチC1を介して第1クラッチ出力部材39に伝達され、第1メインシャフト3に伝達される。
【0045】
このとき、第2クラッチシリンダ16の後方への摺動とともに、第2ピストン部材18も後方に摺動するが、第2クラッチC2を構成する第2ピストンプレート36および第2フリクションディスク37も一緒に後方に移動するため、第2ピストンプレート36が第2クラッチC2を係合させることはない。また、第1油室25に供給された作動油に作用する遠心力は、キャンセラ油室27に供給されている作動油に働く遠心力により相殺されている。
【0046】
次に、第2クラッチC2を係合させるときは、プレッシャバルブ65をオフし、これに代えてプレッシャバルブ66をオンして第2油室26に供給される作動油の圧力を高くする。すると、第2クラッチシリンダ16は前方に摺動して第1油室25の作動油を排出させる。そのため、第1クラッチC1の係合は解除される。一方、第2油室26の油圧により第2ピストン部材18は後方に摺動して、第2ピストン押圧部18aが第2ピストンプレート36を後方に押圧する。この第2ピストンプレート36もストッパ38により後方への摺動が規制されているため、第2ピストン押圧部18aとストッパ38により第2ピストンプレート36と第2フリクションディスク37とが挟まれて摩擦材37aの摩擦力により、第2ピストンプレート36と第2フリクションディスク37とが係合して第2クラッチC2が係合する。このため、第2クラッチシリンダ16の回転が、第2クラッチC2を介して第2クラッチ出力部材35に伝達され、第2メインシャフト4に伝達される。このときも、第2油室26に供給された作動油に作用する遠心力は、キャンセラ室27に供給されている作動油に働く遠心力により相殺されている。
【0047】
このように、第1および第2クラッチシリンダ14,16の円筒部にスプライン溝を形成してスプライン結合することにより、第1および第2クラッチシリンダ14,16の軸線方向の摺動を可能にするとともに、簡単な構成で回転方向の結合をすることができる。そのため、従来のようにクラッチハブ14eで第1クラッチシリンダ14と第2クラッチシリンダ16を結合した場合に比べてこの結合のための部材が不要となり、部品点数が減少し、軽量化および低コスト化が可能である。また、本発明に係るダブルクラッチ装置1の組立においても、第1クラッチシリンダ14に第2クラッチシリンダ16を挿入してスプライン結合すれば良く、組立効率も高い。
【0048】
また、第2クラッチシリンダ14の円筒部状に第1ピストン部材17を配設することにより、第1クラッチC1と第2クラッチC2を軸線に直交する方向から見て重ねて配設することが可能となるため、軸線方向の長さを短くしてダブルクラッチ装置1をコンパクト化することができる。
【0049】
さらに、第1、第2油室25,26およびキャンセラ油室27を軸線方向に並べて配置することにより、一つのキャンセラ油室27で第1、第2油室25,26の作動油に作用する遠心力を除去することができるため、本発明に係るダブルクラッチ装置1を小型化することができるとともに部品点数を減らして軽量化することができる。また、このように形成すると、各油室の断面積を略同一大きさに形成することができるため、作動油に作用する遠心力を完全に除去することができ、正確なクラッチ係合制御が可能となる。
【0050】
なお、以上の実施例において、第2クラッチシリンダ16に対して、第1ピストン部材17をスプライン結合して取付けた場合について説明を行ったが、第2クラッチシリンダ16と第1ピストン部材17を一体に成型して構成することも可能である。この場合、部品点数を更に減らすことができるので、低コスト化が可能である。また、図10に示すように、円筒部にスプライン溝を有しない取付部16eを形成した第2クラッチシリンダ16′とし、この取付部16eに第1ピストン部材17′を嵌合させて、ビーム溶接で取付けるように構成することも可能である。
【0051】
このように、本発明に係るダブルクラッチ装置1は、電動モータ61およびオイルポンプ62を用いて供給される作動油の油圧で制御される。そのため、クラッチケース11は図1で示したように内部の作動油(潤滑油)が外部に流出しないように密閉する必要がある。またこのクラッチケース11内にはフライホイール45や捻りダンパ46等が格納されるため、デッドボリュームが増加する。すると、ダブルクラッチ装置1に供給される作動油の油量が相対的に増えてダブルクラッチ装置1全体の重量が増加することになる。また、上述の電動モータ61やオイルポンプ62等はクラッチケース11の外に配置する必要があり、このことにより、ダブルクラッチ装置1が大型化してしまう。
【0052】
そのため、本発明に係るダブルクラッチ装置1を更に軽量化、小型化する方法について、図11を用いて説明する。この場合、図11に示すようにダブルクラッチ装置1を構成する第1クラッチシリンダ14等をケース(53)で覆うように構成する。なお、図11において、図1で説明したものと同じ構成部品については同じ符号を付すこととし、説明は省略する。
【0053】
図1において、フランジ部材12はシリンダケース11の前端側をフランジ部12aで塞ぐように構成していたが、図11においては、このフランジ部材12の代わりにシリンダケース53を用いる。シリンダケース53は、円筒状のサポート部53aとそれより径の大きい円筒状の円筒部53cとを前端で繋ぐプレート部53aとから構成されており、このサポート部53bに第1メインシャフト3および第2メインシャフト4が枢支されている。なお、サポート部53cの構造は、上述のサポート部12bと同様の構造である。このため、円筒部53cが第1クラッチシリンダ14を覆うように配置される。シリンダケース53(円筒部53c)の後端部には円盤状に形成されたカバープレート49がネジ等で締結されて取り付けられており、このシリンダケース53とカバープレート49の間にはシール部材51が取り付けられている。そのため、このシリンダーケース53とカバープレート49とで形成された空間に上述の第1クラッチシリンダ14等が密閉されて格納される。
【0054】
カバープレート49の略中央部には開口部が形成されており、この開口部に回転自在に連結軸52がシールリング50を介して枢支されている。そして、この連結軸52のシリンダケース53内に位置する一端に、第1クラッチシリンダ14の後端部に取り付けられた円盤状の第1シリンダープレート48がスプライン結合して取り付けられる。一方、連結軸52の他端には捻りダンパ46が取り付けられる。このため、エンジンからの出力は捻りダンパ46を介して連結軸52に伝達され、さらに、第1シリンダプレート48を介してシリンダケース53内の第1クラッチシリンダ14に伝達される。
【0055】
以上のように、第1クラッチシリンダ14等をシリンダケース53およびカバープレート49で密閉することにより、作動油が供給される範囲が限定されるため、使用する作動油の量を少なくしてダブルクラッチ装置1の重量を軽くすることができる。また、図11に示すように、クラッチケース11の下部とシリンダケース53との間に形成された空間(デッドボリューム)に、オイルポンプ62やその他の油圧回路60を配設することができるため、ダブルクラッチ装置1をコンパクト化できる。なお、シリンダケース53内の作動油はこのシリンダカバー12の下部に溜まり、ストレーナ72により金属粉や燃焼生成物等が除去されて油圧回路60(図11では、オイルポンプ62および油圧回路60の構成要素が格納されるケース73のみを図示)に戻される。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、第1および第2油室とキャンセラ油室とを隣接して配設することができるため、作動油に対する遠心力の影響を除去して確実なクラッチ係合制御をおこなことができ、さらに一つのキャンセラ油室で対応できるため、部品点数が減少し、軽量化、低コスト化が可能となる。
【0057】
このとき、本発明に係るダブルクラッチ装置を構成する第1入力部材と第2入力部材とを嵌合して結合することにより、これらを結合する特別な部材が不要となり、部品点数の減少による軽量化・低コスト化が可能となる。また、第1入力部材と第2入力部材にスプライン溝を形成し、このスプライン溝を用いてスプライン結合して嵌合させるように構成すると、組立が容易となり、さらに、第1入力部材に対する第2入力部材の摺動もこのスプライン結合により可能となる。
【0058】
また、第1油室、第2油室およびキャンセラ油室の軸線と直交する方向の断面積が略同一大きさに形成されていると、作動油に対する遠心力の影響を完全に除去することができるため、クラッチ係合制御を確実に行うことができる。
【0059】
また、第2入力部材と第1ピストン部材とを一体に形成すると、部品点数を更に削減することができるため、低コスト化が可能である。
【0060】
また、第1および第2クラッチ手段が、軸線と直交する方向から見て重なって配設されるように構成すると、本発明に係るダブルクラッチ装置の軸線方向長さを短くすることができ、コンパクト化が可能である。
【0061】
さらに、第1入力部材を覆うカバー部材を有するように構成すると、作動油が供給される範囲をカバー部材で限定することができるため、使用される作動油を少なくして本発明に係るダブルクラッチ装置を軽量化することができる。また、このカバー部材の近傍にオイルポンプ等を配設することができ、デッドボリュームを無くしてダブルクラッチ装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダブルクラッチ装置の軸線を含む断面図の上側半分を示すものである。
【図2】本発明に係るダブルクラッチ装置が用いられる変速機を示すスケルトン図である。
【図3】第1ピストンシリンダの斜視図である。
【図4】第2ピストンシリンダの斜視図である。
【図5】図1におけるV−V断面図である。
【図6】図1におけるVI−VI断面図である。
【図7】第1(第2)フリクションディスクの正面図である。
【図8】本発明に係るダブルクラッチ装置の要部拡大図である。
【図9】油圧回路を示す回路図である。
【図10】第1および第2クラッチシリンダの別の実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係るダブルクラッチ装置にシリンダケースを設けた場合の軸線を含む断面図である。
【符号の説明】
1 ダブルクラッチ装置
3 第1メインシャフト(第1出力軸)
4 第2メインシャフト(第2出力軸)
12 シリンダケース
14 第1クラッチシリンダ(第1入力部材)
14a 大径部(クラッチ保持部)
14b 中径部(取付部)
16 第2クラッチシリンダ(第2入力部材)
17 第1ピストン部材
18 第2ピストン部材
19 キャンセラプレート(壁部材)
25 第1油室
26 第2油室
27 キャンセラ油室
35 第2クラッチ出力部材(第2出力部材)
39 第1クラッチ出力部材(第1出力部材)
46 捻りダンパ
53 シリンダケース(カバー部材)
C1 第1クラッチ(第1クラッチ手段)
C2 第2クラッチ(第2クラッチ手段)

Claims (6)

  1. 入力軸に連結された第1入力部材と、
    前記第1入力部材の軸線方向に摺動自在に嵌合されて、前記第1入力部材と一体に回転する第2入力部材と、
    前記第2入力部材に取付けられた第1ピストン部材と、
    前記第2入力部材の軸線方向に摺動自在に取付けられた第2ピストン部材と、
    前記第2ピストン部材の軸線方向に摺動自在に取付けられた壁部材と、
    前記第1および第2入力部材の同一軸線上に相対回転可能に配設された第1出力軸に連結された第1出力部材と、
    前記第1入力部材と前記第1出力部材とに取付けられ、前記第1ピストン部材により前記第1入力部材と前記第1出力部材とを係脱自在に連結する第1クラッチ手段と、
    前記第1出力軸上に相対回転可能に配設された第2出力軸に連結された第2出力部材と、
    前記第2入力部材と前記第2出力部材とに取付けられ、前記第2ピストン部材により前記第2入力部材と前記第2出力部材とを係脱自在に連結する第2クラッチ手段とを有し、
    前記第1入力部材と前記第2入力部材との間に形成された第1油室と、前記第2入力部材と前記第2ピストン部材との間に形成された第2油室と、前記第2ピストン部材と前記壁部材との間に形成されたキャンセラ油室に作動油を供給し、前記第1油室と前記第2油室とに供給される前記作動油の油圧を制御して、前記第1および第2クラッチ手段の係合制御を行うことを特徴とするダブルクラッチ装置。
  2. 前記第1入力部材は円筒状のクラッチ保持部と前記クラッチ保持部よりも径の小さい円筒状の取付部とが同一軸線上に結合され、
    前記第2入力部材は円筒状に形成され、前記第1入力部材の取付部に軸線方向に摺動自在に嵌合され、前記第1入力部材と一体回転し、
    前記第1入力部材の前記取付部の円筒部および前記第2入力部材の円筒部に軸線方向に延びる複数のスプライン溝を形成し、前記第1入力部材と前記第2入力部材とを前記スプライン溝によりスプライン結合して、軸線方向に摺動自在に嵌合させたことを特徴とする請求項1に記載のダブルクラッチ装置。
  3. 前記第1油室、前記第2油室および前記キャンセラ油室の軸線と直交する方向の断面積が略同一大きさに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のダブルクラッチ装置。
  4. 前記第2入力部材と前記第1ピストン部材とが、一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダブルクラッチ装置。
  5. 前記第1および第2クラッチ手段が、軸線と直交する方向から見て重なって配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダブルクラッチ装置。
  6. 前記第1入力部材を覆うカバー部材を有することを特徴とする請求項1〜5に記載のダブルクラッチ装置。
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