JP4969952B2 - 変速用クラッチ装置 - Google Patents

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本発明は、入力部材および出力部材の回転軸線に沿う方向に移動可能なクラッチピストンの一面を臨ませる油圧室と、前記入力部材および前記出力部材の少なくとも一方が回転するのに応じた遠心力によって誘起される前記油圧室内の油圧増加を相殺する油圧を発生すべく前記クラッチピストンの他面を臨ませるキャンセラー室とを有する油圧クラッチが、前記出力部材に結合されるメインシャフトを有する歯車変速機構およびエンジン間に設けられる変速用クラッチ装置に関する。
同軸に配置された一対の油圧クラッチのクラッチピストンの一面を油圧室に臨ませ、両クラッチピストンの他面をキャンセラー室に臨ませるようにした変速用クラッチ装置が、たとえば特許文献1で既に知られている。
特開2005−133937号公報
ところが、上記特許文献1で開示された変速用クラッチ装置では、各油圧クラッチの油圧室、ならびに各油圧クラッチのキャンセラー室に作動油を分配するための油路を外周に有する分配スリーブが、クラッチおよびメインシャフト間に介装するようにしており、部品点数が多くなるとともに作動油供給構造が複雑である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の低減を可能とした簡単な構造で油圧室およびキャンセラー室に作動油を供給可能とした変速用クラッチ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、入力部材および出力部材の回転軸線に沿う方向に移動可能なクラッチピストンの一面を臨ませる油圧室と、前記入力部材および前記出力部材の少なくとも一方が回転するのに応じた遠心力によって誘起される前記油圧室内の油圧増加を相殺する油圧を発生すべく前記クラッチピストンの他面を臨ませるキャンセラー室とをそれぞれ有する第1および第2油圧クラッチが、それらの油圧クラッチの出力部材に個別に結合される同軸の第1および第2メインシャフトを有する歯車変速機構およびエンジン間に設けられる変速用クラッチ装置において、第1油圧クラッチの出力部材に結合される第1メインシャフトを同軸にかつ相対回転可能に貫通する第2メインシャフトが、第1油圧クラッチを覆う第2油圧クラッチの出力部材に結合され、第2メインシャフト内には、前記第2油圧クラッチの油圧室に通じる第2給油路を形成する内筒と、第1油圧クラッチの油圧室に通じる第1給油路を前記内筒との間に形成するとともに前記歯車変速機構の一部を構成する歯車に潤滑油を給油する潤滑油給油路を第2メインシャフトの内周との間に形成する外筒とが二重円筒状に挿入され、第2油圧クラッチのキャンセラー室に通じる連通路および第2給油路間に介在する絞り部が第2メインシャフトに設けられ、前記潤滑油給油路が、第1油圧クラッチのキャンセラー室に連通されることを特徴とする。
本発明によれば、第2油圧クラッチの油圧室に給油されるべく給油路を流通する作動油の一部が絞り部を介してキャンセラー室に導かれることになり、また第1油圧クラッチのキャンセラー室には、第1油圧クラッチの油圧室に作動油を供給する給油路を内筒との間に形成する外筒および第2メインシャフト間に形成される潤滑油給油路から作動油が供給されるので、第1および第2油圧クラッチのキャンセラー室に作動油を導くための専用部品を不要として部敏点数を低減した簡単な構造で、第1および第2油圧クラッチの油圧室およびキャンセラー室に作動油を供給することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はパワーユニットの基本構成を簡略化して示す図、図2は変速装置の一部を示す縦断面図、図3は図2の要部拡大図である。
先ず図1において、たとえば自動二輪車に搭載されるパワーユニットPは、たとえば2気筒であるエンジンEと、該エンジンEの出力を変速して図示しない後輪に伝達するための変速装置Mとから成り、変速装置Mは、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列たとえば第1〜第5速用歯車列G1〜G5を有する歯車変速機構7と、前記エンジンEおよび歯車変速機構7間に設けられるクラッチ装置8とを備える。
図2をさらに併せて、前記エンジンEが備えるクランクシャフト9(図1参照)からの回転動力は、一次減速装置11およびダンパばね12…を介してクラッチ装置8に入力される。また前記クランクシャフト9から一次減速装置11およびダンパばね12…を介して伝達される動力の歯車変速機構7への伝達および伝達遮断が前記クラッチ装置8で切換えられる。
エンジン本体10が備えるクランクケース14は、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態で右側および左側に位置する右側壁14aおよび左側壁14bと、右および左側壁14a,14b間の中間部に配置される中間壁14cとを有しており、前記歯車変速機構7は左側壁14bおよび中間壁14c間でクランクケース14内に収容される。
歯車変速機構7は、前記クランクシャフト9と平行な軸線を有する円筒状の第1メインシャフト15と、軸方向相対位置を一定としつつ相対回転を可能として第1メインシャフト15を同軸に貫通する第2メインシャフト16と、第1および第2メインシャフト15,16と平行な軸線を有するカウンタシャフト17とを備え、それらのシャフト15〜17はクランクケース14で回転自在に支承される。
第2メインシャフト16は、その一端部をクランクケース14の右側壁14aから外方に突出させるとともに他端部を左側壁14bから外方に突出させるようにしてクランクケース14の右側壁14a、中間壁14cおよび左側壁14bを回転自在に貫通する。また第1メインシャフト15に同軸にかつ相対回転不能に結合されて第2メインシャフト16を同軸に囲繞する伝動筒軸18がクランクケース14の右側壁14aを回転自在に貫通し、この伝動筒軸18および前記右側壁14a間にボールベアリング19が介装され、伝動筒軸18および第2メインシャフト16間にはニードルベアリング20…が介装され、左側壁14bおよび第2メインシャフト16間にボールベアリング21が介装される。第1メインシャフト15は、クランクケース14の中間壁14cを回転自在に貫通し、中間壁14cおよび第1メインシャフト15間にはボールベアリング22が介装され、第1および第2メインシャフト15,16間にはニードルベアリング23…が介装される。
カウンタシャフト17の一端部はクランクケース14の中間壁14cにボールベアリング24を介して回転自在に支承されており、カウンタシャフト17の他端部はクランクケース14の左側壁14bを回転自在に貫通し、左側壁14bおよびカウンタシャフト17間にはボールベアリング25が介装される。
図3を併せて参照して、クラッチ装置8は、前記一次減速装置11から伝達される動力の第1メインシャフト15への動力伝達および遮断を切換える多板式の第1油圧クラッチ28と、前記一次減速装置11から伝達される動力の第2メインシャフト16への動力伝達および遮断を切換える多板式の第2油圧クラッチ29とを備える。
一次減速装置11は、前記クランクシャフト9に設けられる駆動歯車30と、該駆動歯車30に噛合する被動歯車31とから成り、被動歯車31は、第1メインシャフト15を同軸に囲繞するとともに第1メインシャフト15に相対回転不能に結合される円筒状の第1ボス32にローラベアリング33を介して相対回転自在に支承される。
第1および第2クラッチ28,29は共通な入力部材34を備えており、この入力部材34は、第2メインシャフト16の軸線に沿う方向で一次減速装置11の外方側に隣接配置される環状板部34aと、一次減速装置11と反対側で前記環状板部34aの内周側に基端が直角にかつ一体に連設される円筒状の内筒部34bと、該内筒部34bを同軸に囲繞するようにして前記環状板部34aの外周側に基端が直角にかつ一体に連設される外筒部34cとから成る。この入力部材34における環状板部34aの周方向複数箇所には、前記内筒部34bおよび前記外筒部34cとは反対側に延びる連結ボス34d…が一体に設けられており、それらの連結ボス34d…は周方向に長く延びるようにして被動歯車31に設けられた長孔35…に挿通される。また入力部材34と反対側で被動歯車31に対向する保持板36が前記連結ボス34d…に当接しており、各連結ボス34d…を貫通するリベット37…で保持板36が連結ボス34d…の端面に結合される。しかも保持板36および被動歯車31間には、被動歯車31を前記入力部材34の環状板部34aに当接させるばね力を発揮する板ばね38が設けられる。
前記各長孔35…と周方向にずれた複数箇所で被動歯車31には周方向に長く延びる保持孔39…が設けられており、各保持孔39…には、被動歯車31と、前記入力部材34および保持板36との間に介在するようにしてダンパばね12が収容、保持される。
第1油圧クラッチ28は、上述の入力部材34の内筒部34bと、該内筒部34bを同軸に囲繞する第1円筒部40aを有するとともに前記第1ボス32に固着されることで第1メインシャフト15に相対回転不能に連結される第1出力部材40と、第1円筒部40aに相対回転不能に係合される複数枚の第1クラッチディスク41…と、入力部材34の前記内筒部34bに相対回転不能に係合されるとともに第1クラッチディスク41…と交互に重なって配置される複数枚の第1クラッチプレート42…と、交互に重なって配置される第1クラッチディスク41…および第1クラッチプレート42…に前記環状板部34a側から対向する環状の第1受圧板43と、交互に重なって配置される第1クラッチディスク41…および第1クラッチプレート42…に前記環状板部34aと反対側から対向する環状の第1押圧板部44aを有して入力部材34の開放端側に配置される第1クラッチピストン44と、第1押圧板部44aを第1受圧板43から離間せしめる側に付勢するばね力を発揮する第1クラッチスプリング45とを備える。
環状の第1押圧板部44aを外周に有する第1クラッチピストン44の内周部は、第1ボス32の外周に液密に摺接するものであり、また第1出力部材40は、前記第1ボス32に内周部が溶接されて第1クラッチピストン44に外方から対向する皿状の連結板部40bの外周に第1円筒部40aの一端が一体に連設されて成るものであり、第1クラッチピストン44における第1押圧板部44aの外周は前記連結板部40bの外周部内面に液密にかつ摺動可能に嵌合される。而して第1クラッチピストン44および第1出力部材40間には第1油圧室46が形成され、第1クラッチスプリング45は、第1油圧室46の容積を収縮せしめる側に第1クラッチピストン44を付勢するようにして、第1ボス32の外周に装着される第1リテーナ47および第1クラッチピストン44間に設けられる。また第1受圧板43の外周に第1押圧板部44aとは反対側から当接する止め輪48が、第1円筒部40aの開放端寄り内面に装着される。
このような第1油圧クラッチ28では、第1油圧室46の油圧増大に応じて第1押圧板部44aおよび第1受圧板43間に、交互に重なった第1クラッチディスク41…および第1クラッチプレート42…が挟圧されて摩擦係合し、入力部材34の内筒部34bから第1出力部材40に動力が伝達されるものであり、クランクシャフト9からの動力が第1ボス32から伝動筒軸18を介して第1メインシャフト15に伝達される。
第2油圧クラッチ29は、入力部材34の外筒部34cと、該外筒部34cの内方で第1油圧クラッチ28の第1円筒部40aを同軸に囲繞する第2円筒部50aを有して第2メインシャフト16に相対回転不能に連結される第2出力部材50と、前記外筒部34cに相対回転不能に係合される複数枚の第2クラッチディスク51…と、第2円筒部50aに相対回転不能に係合されるとともに第2クラッチディスク51…と交互に重なって配置される複数枚の第2クラッチプレート52…と、交互に重なって配置される第2クラッチディスク51…および第2クラッチプレート52…に前記環状板部34a側から対向する環状の第2受圧板53と、交互に重なって配置される第2クラッチディスク51…および第2クラッチプレート52…に前記環状板部34aと反対側から対向する環状の第2押圧板部54aを有する第2クラッチピストン54と、第2押圧板部54aを第2受圧板53から離間せしめる側に付勢するばね力を発揮する第2クラッチスプリング55とを備える。
第2メインシャフト16の一端部には、第2メインシャフト16を同軸に囲繞する円筒状の第2ボス59が相対回転不能に結合されており、第2出力部材50は、第1油圧クラッチ28における第1出力部材40の連結板部40bに外方から対向するとともに前記第2ボス59に内周部が溶接される皿状の連結板部50bの外周に第2円筒部50aの一端が一体に連設されて成るものである。また環状の第2押圧板部54aを外周に有して第2出力部材50の連結板部50bに外方から対向する第2クラッチピストン54の内周部は、第2ボス59の外周に液密に摺接し、第1油圧クラッチ28の第1クラッチピストン44よりも大径である第2クラッチピストン54が第1クラッチピストン44と軸方向に並ぶように配置される。
さらに第2クラッチピストン54における第2押圧板部54aの外周を液密にかつ摺動可能に嵌合せしめる第3円筒部60aを外周に有して皿状に形成されるとともに第2クラッチピストン54との間に第2油圧室56を形成するケース部材60の内周が、第2ボス59に液密に固着される。第2クラッチスプリング55は、第2油圧室56の容積を収縮せしめる側に第2クラッチピストン54を付勢するようにして、第2出力部材50の連結板部50bに装着された第2リテーナ57および第2クラッチピストン54間に設けられる。また第2受圧板53の外周に第2押圧板部54aとは反対側から当接する止め輪58が、第2円筒部50aの開放端寄り内面に装着される。
このような第2油圧クラッチ29では、第2油圧室56の油圧増大に応じて第2押圧板部54aおよび第2受圧板53間に、交互に重なった第2クラッチディスク51…および第2クラッチプレート52…が挟圧されて摩擦係合し、入力部材34の外筒部34cから第2出力部材50に動力が伝達されるものであり、クランクシャフト9からの動力が第2ボス59から第2メインシャフト16に伝達される。
ところで、第1油圧クラッチ28において、一面を第1油圧室46に臨ませた第1クラッチピストン44の他面を臨ませる第1キャンセラー室61が、第1リテーナ47および第1クラッチピストン44間に形成されており、第1クラッチスプリング45は第1キャンセラー室61に収容される。而して第1キャンセラー室61に作動油を導入することにより、前記入力部材34および第1出力部材40の少なくとも一方が回転するのに応じた遠心力によって誘起される第1油圧室46内の油圧増加を相殺する油圧が第1キャンセラー室61で発生することになる。
また第2油圧クラッチ29において、一面を第2油圧室56に臨ませた第2クラッチピストン54の他面を臨ませる第2キャンセラー室62が、第2出力部材50および第2クラッチピストン54間に形成されており、第2クラッチスプリング55は第2キャンセラー室62に収容される。而して第2キャンセラー室62に作動油を導入することにより、前記入力部材34および第2出力部材50の少なくとも一方が回転するのに応じた遠心力によって誘起される第2油圧室56内の油圧増加を相殺する油圧が第2キャンセラー室62で発生することになる。
再び図2に注目して、クランクケース14の左側壁14bはエンジンカバー63で覆われており、このエンジンカバー63には、端壁64を内端に有する通路孔65が第1および第2メインシャフト15,16と同軸に設けられており、該通路孔65の外端はキャップ66で液密に閉じられる。
前記通路孔65内には壁部材67が液密に嵌合されており、この壁部材67および端壁64間には第1作動油供給室68が形成され、前記壁部材67および前記キャップ66間には第2作動油供給室69が形成される。しかも第2メインシャフト16には、その一端側に壁部16a(図3参照)を有するとともに他端側を開放した有底の中心孔70が同軸に設けられており、一端部を中心孔70の前記壁部16a近傍に配置して中心孔70に同軸に挿入される内筒71の他端部が前記端壁64を貫通して前記壁部材67に液密に保持され、内筒71の一端部および中心孔70の内面間には環状のシール部材72(図3参照)が介装される。また内筒71の一端部付近まで延びるようにして中心孔70に同軸に挿入されて内筒71を同軸に囲繞する外筒73の一端部および中心孔70の内面間には環状のシール部材74(図3参照)が介装され、外筒73の他端部は、クランクケース14の左側壁14bを液密に貫通するとともに前記通路孔65の端壁64に液密に嵌入、保持される。
図3に注目して、第1油圧クラッチ28の第1油圧室46に通じる複数の第1連通路75…が、第1ボス32、伝動筒軸18および第2メインシャフト16にわたって放射状に設けられており、これらの第1連通路75…を第1作動油供給室68に通じさせる環状の第1給油路76が、内筒71および外筒73間に形成される。また第2油圧クラッチ29の第2油圧室56に通じる複数の第2連通路77…が、第2ボス59に放射状に設けられており、これらの第2連通路77…を第2作動油供給室69に通じさせる第2油圧路78が、内筒71内および中心孔70の内端部で形成される。
すなわち第2メインシャフト16内には、クラッチ装置8における第1および第2油圧クラッチ28,29の第1および第2クラッチピストン44,54に個別に油圧を作用せしめるための第1および第2給油路76,78が、第2メインシャフト16の他端側から作動油を供給することを可能として同心状に形成されることになる。
第2メインシャフト16の一端部には、前記中心孔70との間に前記壁部16aを介在させた通路孔79が設けられ、該通路孔79の前記壁部材16aと反対側の開口端は蓋部材80で油密に閉じられる。しかも第2油圧クラッチ29の第2ボス59および第2メインシャフト16には、第2キャンセラー室62を前記壁部材16aおよび前記蓋部材80間に連通させる第3連通路81が設けられており、第2メインシャフト16の前記壁部16aには、第2給油室78および第3連通路81間に介在する絞り部82が同軸に設けられる。すなわち第2給油路78が、第2キャンセラー室62に通じる第3連通路81に絞り部82を介して連通することになる。
また第2メインシャフト16における中心孔70の内周および前記外筒73の外周間には、環状の潤滑油給油路84が形成されており、この潤滑油給油路84は、第1油圧クラッチ28の第1ボス32および第1メインシャフト15に設けられた第4連通路83を介して第1キャンセラー室61に連通される。
ところで歯車変速機構7の第2および第4速用歯車列G2,G4は第1メインシャフト15およびカウンタシャフト17間に設けられ、第1、第3および第5速用歯車列G1,G3,G5は第2メインシャフト16およびカウンタシャフト17間に設けられる。またクランクケース14の左側壁14bから突出した前記カウンタシャフト17の他端部から出力される動力は、ダンパばね85および二次減速装置86を介して図示しない出力軸に伝達される。
第2速用歯車列G2は、第1メインシャフト15に一体に設けられる第2速用駆動歯車88と、前記カウンタシャフト17に相対回転自在に支承されて第2速用駆動歯車88に噛合する第2速用被動歯車89とから成り、第4速用歯車列G4は、第1メインシャフト15に固定される第4速用駆動歯車90と、前記カウンタシャフト17に相対回転自在に支承されて第4速用駆動歯車90に噛合する第4速用被動歯車91とから成る。
また第2および第4速用被動歯車89,91間でカウンタシャフト17には、第2および第4速用被動歯車89,91のいずれかに係合する状態ならびに第2および第4速用被動歯車89,91のいずれにも係合しない状態を切換え可能として第1シフタ92がスプライン結合されており、第1シフタ92の軸方向移動により、第2および第4速用被動歯車89,91をカウンタシャフト17に対して自由に回転させる状態(ニュートラル状態)と、第2および第4速用被動歯車89,91のいずれかをカウンタシャフト17に相対回転不能に結合して第2速用歯車列G2および第4速用歯車列G4のいずれかを確立する状態とを切換可能である。
第1速用歯車列G1は、第2メインシャフト16に一体に設けられる第1速用駆動歯車93と、前記カウンタシャフト17に相対回転自在に支承されて第1速用駆動歯車93に噛合する第1速用被動歯車94とから成り、第3速用歯車列G3は、第2メインシャフト16に軸方向のスライドを可能としつつ相対回転不能にスプライン結合される第3速用駆動歯車95と、前記カウンタシャフト17に相対回転自在に支承されて第3速用駆動歯車95に噛合する第3速用被動歯車96とから成り、第5速用歯車列G5は、第2メインシャフト16に相対回転自在に支承される第5速用駆動歯車97と、カウンタシャフト17に軸方向のスライドを可能としつつ相対回転不能に支承されて第5速用駆動歯車97に噛合する第5速用被動歯車98とから成る。
また第3速用駆動歯車95は、第2メインシャフト16に相対回転自在に支承されている第5速用駆動アイドル歯車97との係合および係合解除を切換え可能として第2メインシャフト16にスプライン結合された第2シフタ99に一体に設けられ、第5速用被動歯車98は、カウンタシャフト17にそれぞれ相対回転自在に支承されている第1および第3速用被動歯車94,96のいずれかに係合する状態ならびに第1および第3速用被動歯車94,96のいずれにも係合しない状態を切換え可能としてカウンタシャフト17にスプライン結合された第3シフタ100に一体に設けられている。
而して第2および第3シフタ99,100の軸方向移動によって、第5速用駆動歯車97を第2メインシャフト16に対して自由に回転させるとともに第1および第3速用被動歯車94,96をカウンタシャフト17に対して自由に回転させる状態(ニュートラル状態)と、第1速用被動歯車94をカウンタシャフト17に相対回転不能に結合して第1速用歯車列G1を確立する状態と、第3速用駆動歯車95を第2メインシャフト16に相対回転不能に結合するとともに第3速用被動歯車96をカウンタシャフト17に相対回転不能に結合して第3速用歯車列G3を確立する状態と、第5速用駆動歯車97を第2メインシャフト16に相対回転不能に結合して第5速用歯車列G5を確立する状態とを切換可能である。
而して前記潤滑油給油路76は、歯車減速機構7を構成する前記各歯車88〜98のうち第2メインシャフト16に装着されている第3速用駆動歯車95および第5速用駆動歯車97側、第1および第2メインシャフト15,16間、ならびに第2メインシャフト16および伝動筒軸18間に潤滑油を供給するものであり、第2メインシャフト16には、潤滑油給油路76の油を第3速用駆動歯車95および第5速用駆動歯車97側に導く複数の通路101…と、潤滑油給油路76の油を第1および第2メインシャフト15,16に導く複数の通路102…と、潤滑油給油路76の第2メインシャフト16および伝動筒軸18間に導く複数の通路103…とが設けられる。
次にこの第1実施例の作用について説明すると、クラッチ装置8は、第1油圧クラッチ28と、第1油圧クラッチ28を覆う第2油圧クラッチ29とを有し、第1油圧クラッチ28の第1出力部材40に結合される第1メインシャフト15を同軸にかつ相対回転可能に貫通する第2メインシャフト16が、第2油圧クラッチ29の第2出力部材50に結合され、第2メインシャフト16内には、第2油圧クラッチ29の第2油圧室56に通じる第2給油路78を形成する内筒71と、第1油圧クラッチ28の第1油圧室46に通じる第1給油路76を内筒71との間に形成するとともに歯車変速機構7の一部を構成する第3および第5駆動歯車95,97等に潤滑油を給油する潤滑油給油路84を第2メインシャフト16の内周との間に形成する外筒73とが二重円筒状に挿入され、第2油圧クラッチ29の第2キャンセラー室62に通じる連通路81および第2給油路78間に介在する絞り部82が第2メインシャフト16に設けられている。
したがって第2油圧室56に給油されるべく第2給油路78を流通する作動油の一部が絞り部82を介して第2キャンセラー室62に導かれることになり、絞り部82は第2メインシャフト16に設けられるものであるので、第2キャンセラー室62に作動油を導くための専用部品を不要として部敏点数を低減した簡単な構造で、第2油圧室56および第2キャンセラー室62に作動油を供給することができる。
しかも前記潤滑給油路84は、第1油圧クラッチ28の第1キャンセラー室61に連通されるものであるので、第1油圧クラッチ28の第1キャンセラー室61に作動油を導くための専用部品を不要として部敏点数を低減した簡単な構造で、第1油圧クラッチ28の第1油圧室46および第1キャンセラー室に61作動油を供給することができる。
図4は本発明の第2実施例を示すものであり、図1〜図3の第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみで詳細な説明は省略する。
中心孔70との間に壁部16aを介在させるようにして第2メインシャフト16の一端部に設けられる通路孔79には、逃がし通路105を有する蓋部材104が嵌合、固定されており、第2油圧クラッチ29の第2ボス59および第2メインシャフト16に設けられるとともに第2キャンセラー室62を前記壁部材16aおよび前記蓋部材104間に連通させる第3連通路81が、前記逃がし通路105に連通することになる。
すなわち絞り部82および第2キャンセラー室62間を結ぶ第3連通路81に通じる逃がし通路105が、第2メインシャフト16に嵌合、固定された蓋部材104に設けられる。
この第2実施例によれば、第2クラッチピストン54の非作動時には作動油を速やかに外部に排出することができる。したがってエンジンEの始動直後もしくは低温環境下で第2油圧クラッチ29の周辺に低温、高粘度である作動油が滞留することを回避し、第2クラッチピストン54の作動時に第2油圧室56に作動油を速やかに供給することを可能とし、第2油圧クラッチ29の断・接制御性を高めることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
第1実施例のパワーユニットの基本構成を簡略化して示す図である。 変速装置の一部を示す縦断面図である。 図2の要部拡大図である。 第2実施例の図3に対応した断面図である。
7・・・・歯車変速機構
15・・・第1メインシャフト
16・・・第2メインシャフト
28,29・・・油圧クラッチ
34・・・入力部材
40,50・・・出力部材
44,54・・・クラッチピストン
46,56・・・油圧室
61,62・・・キャンセラー室
71・・・内筒
76・・・第1給油路
78・・・第2給油路
84・・・潤滑油給油路
95,97・・・歯
E・・・・エンジン

Claims (1)

  1. 力部材(34)および出力部材(40,50)の回転軸線に沿う方向に移動可能なクラッチピストン(44,54)の一面を臨ませる油圧室(46,56)と、前記入力部材(34)および前記出力部材(40,50)の少なくとも一方が回転するのに応じた遠心力によって誘起される前記油圧室(46,56)内の油圧増加を相殺する油圧を発生すべく前記クラッチピストン(44,54)の他面を臨ませるキャンセラー室(61,62)とをそれぞれ有する第1および第2油圧クラッチ(28,29)が、それらの油圧クラッチ(28,29)の出力部材(40,50)に個別に結合される同軸の第1および第2メインシャフト(15,16)を有する歯車変速機構(7)およびエンジン(E)間に設けられる変速用クラッチ装置において、第1油圧クラッチ(28)の出力部材(40)に結合される第1メインシャフト(15)を同軸にかつ相対回転可能に貫通する第2メインシャフト(16)が、第1油圧クラッチ(28)を覆う第2油圧クラッチ(29)の出力部材(50)に結合され、第2メインシャフト(16)内には、前記第2油圧クラッチ(29)の油圧室(56)に通じる第2給油路(78)を形成する内筒(71)と、第1油圧クラッチ(28)の油圧室(46)に通じる第1給油路(76)を前記内筒(71)との間に形成するとともに前記歯車変速機構(7)の一部を構成する歯車(95,97)に潤滑油を給油する潤滑油給油路(84)を第2メインシャフト(16)の内周との間に形成する外筒(73)とが二重円筒状に挿入され、第2油圧クラッチ(29)のキャンセラー室(62)に通じる連通路(81)および第2給油路(78)間に介在する絞り部(82)が第2メインシャフト(16)に設けられ、前記潤滑油給油路(84)が、第1油圧クラッチ(28)のキャンセラー室(61)に連通されることを特徴とする変速用クラッチ装置。
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