JP2001098204A - 顔料インキ組成物 - Google Patents
顔料インキ組成物Info
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Abstract
関して、従来は使用しない様な2種類以上の溶剤を主溶
剤として使用することを可能にし、長期的な保存安定性
能を持つことで、顔料の沈降、主溶剤と分散体の分離、
極端な粘度の増加、平均粒径の増大等の現象を抑制する
ことを可能にした顔料分散インキ組成物を提供する。 【解決手段】 着色剤として顔料を使用し、その顔料を
分散するための分散剤を含み、かつ、下記の溶剤A及び
溶剤Bの混合溶剤を主溶剤として含有してなることを特
徴とする顔料インキ組成物。 溶剤A:分散剤に対し溶解性の高い溶媒を少なくとも1
種含むこと。 溶剤B:分散剤に対し貧溶媒或いは不溶性溶媒を少なく
とも1種含むこと。
Description
ルペン等を含めた筆記具及びスタンプ台、朱肉台、連泡
素材を使用した浸透印を含めた机上製品、更にはOAリ
ボン、インクジェット等のオフィスサプライ関連商品に
使用する顔料インキ組成物に関する。
顔料、分散剤、溶剤の3成分の相互関係とそのバランス
から顔料インキを形成していた。また、顔料インキ組成
物を使用する上で問題となるのが、長期的な顔料分散の
安定性である。
顔料の沈降、主溶剤と分散体の分離、極端な粘度の増
加、平均粒径の増大等様々な現象を引き起こしてしまう
ものである。このような現象が生じ易いインキを筆記具
や机上製品に使用してしまうと、色々な性能低下につな
がる欠点を引き起こしてしまっていた。そのため、顔料
インキ組成物では、長期分散安定性を必要とする製品で
は、溶剤の選択に関しては、使用する顔料に対して、初
期及び長期的に、あるいは各環境条件下にて安定な分散
をすることが大前提であった。また、その分散体が調製
できない溶剤は使用することをあきらめていた。その結
果、溶剤特性に起因するような製品性能は他の添加剤等
で補うほかはなかったものである。
低揮発性溶剤と着色材と低揮発性溶剤に溶解する樹脂か
らなる組成物に、揮発性溶剤にブチラール樹脂及び/又
はセルロース樹脂を溶解させた樹脂溶液を、前記低揮発
性溶剤がインキ全量に対して10重量%以上となるよう
に添加したことを特徴とする印判用インキが開示されて
いる。しかしながら、この公報に開示される技術は、多
孔質印字体表面を常時ヌレた状態にし、更に、非吸収面
に捺印すると速く乾燥する印判用インキを提供するもの
であり、本願発明のような筆記具及び机上製品に使用し
得る一般的顔料インキ組成物における長期的な顔料分散
の安定性について記載も示唆もないばかりでなく、染料
の単独使用もよいものであり、本願発明とはその技術思
想が全く異なるものである。
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、筆
記具及び机上製品に使用する顔料インキ組成物に関し
て、従来において使用しないような2種類以上の溶剤を
主溶剤として使用することを可能にし、長期的な顔料の
保存安定性能を持たせることで、顔料の沈降、主溶剤と
分散体の分離、極端な粘度の増加、平均粒径の増大等、
様々な現象を抑制することを可能にし、かつ、顔料分散
インキにおける溶剤選択の自由度を上げる顔料インキ組
成物を提供することを目的とする。
課題等について、鋭意検討した結果、顔料インキ組成物
において、従来において使用しないような2種類以上の
特定の溶剤を主溶剤として使用することにより、上記目
的の顔料インキ組成物が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、
次の(1)及び(2)に存する。 (1) 着色剤として顔料を使用し、その顔料を分散するた
めの分散剤を含み、かつ、下記の溶剤A及び溶剤Bの混
合溶剤を主溶剤として含有してなることを特徴とする顔
料インキ組成物。 溶剤A:分散剤に対し溶解性の高い溶媒を少なくとも1
種含むこと。 溶剤B:分散剤に対し貧溶媒或いは不溶性溶媒を少なく
とも1種含むこと。 (2) 分散剤、溶剤A及び溶剤Bが下記からなる請求項1
記載の顔料インキ組成物。 分散剤:ポリビニルブチラール 溶剤A:分子内に水酸基を1つ以上有するアルコール類
又は多価アルコール類及び溶剤100gに対する水の溶
解度が∞である水溶性のグリコールモノエーテル類から
なる群より選んだ少なくとも一種の溶剤。 溶剤B:低吸湿性エステル類、分子内に水酸基を持たな
いジエーテル類及びジエステル類からなる群より選んだ
少なくとも一種の溶剤。
しく説明する。本発明の顔料インキ組成物は、着色剤と
して顔料を使用し、その顔料を分散するための分散剤を
含み、かつ、下記の溶剤A及び溶剤Bの混合溶剤を主溶
剤として含有してなることを特徴とするものである。 溶剤A:分散剤に対し溶解性の高い溶媒を少なくとも1
種含むこと。 溶剤B:分散剤に対し貧溶媒或いは不溶性溶媒を少なく
とも1種含むこと。
と溶剤Bとからなるものを用いることが必要である。こ
れらの溶剤A及び溶剤Bは、顔料分散インキ中における
主溶剤となるものである。本発明に用いる溶剤Aは、分
散剤に対して溶解性が高い良溶媒であるが、単独で分散
した場合には長期的な分散安定性は悪いものである。溶
剤Aとしては、分散剤に対して溶解性が高い溶媒を少な
くとも1種含むものであれば、特に限定されるものでな
く、例えば、分子内に水酸基を1つ以上持つアルコール
類や多価アルコール類及び溶剤100gに対する水の溶
解度が∞である水溶性のグリコールモノエーテル類やこ
れらの誘導体等が挙げられ、これらは分散剤としてポリ
ビニルブチラールを使用した場合に特に好適に使用する
ことができる。
水酸基を1つ以上持つアルコール類としては、例えば、
1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール等、分子内に3個以上の炭素を有す
るアルコール類が挙げられる。また、上記多価アルコー
ル類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,
3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペ
ンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレング
リコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸
基を有する多価アルコールが挙げられる。
例えば、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテ
ル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、
イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールブチルエーテル、プロピレングリコールフェニル
エーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエー
テル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ヘキ
シルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレン
グリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−
エチルブチルエーテル、プロピレングリコールエチルエ
ーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、
プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル等が
挙げられる。更に、多価アルコール類誘導体も使用で
き、例えば、ソルビタン脂肪酸系、ポリグリセリン高級
脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪
酸系等の誘導体も用いることができる。
貧溶媒あるいは不溶性溶媒であり、単独では長期的な分
散安定性が悪いものである。溶剤Bとしては、分散剤に
対し、貧溶媒或いは不溶性溶媒を少なくとも1種含むも
のであれば、特に限定されるものでなく、例えば、低吸
湿性エステル類や分子内に水酸基を持たないジエーテル
類やジエステル類やその誘導体等が挙げられ、これらは
分散剤としてポリビニルブチラールを使用した場合に特
に好適に使用することができる。
ば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、
プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−
メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエー
テルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イ
ソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メ
チル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プ
ロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸
メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、
イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉
草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ
吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メ
チル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピ
ル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸
プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプ
リル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチ
ル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸
トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オ
キシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノ
リシノレート等、様々なエステル類が挙げられる。
ーテル類やジエステル類としては、例えば、エチレング
リコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジ
メチルエーテル等が挙げられる。
使用するが、上記溶剤A,Bのうちのそれぞれを2種以
上を組み合わせて使用しても良い。また、安全性及び経
口毒性等の点から、好ましくは、プロピレングリコール
誘導体等の溶剤の使用が望ましい。また、本発明に用い
る上記条件を満足する溶剤A及び溶剤B(主溶剤)の合
計使用量は、溶剤全体(溶剤全量中)の50重量%以上
を占めなくてはならなず、好ましくは、70〜100重
量%である。主溶剤となる溶剤A,Bの合計使用量が溶
剤全体(溶剤全量中)の50重量%未満では、本発明の
効果を発揮することができものとなる。なお、上記溶剤
A及び溶剤B以外に用いることができる溶剤としては、
例えば、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコ
ールモノブチルエーテルなどが挙げられる。
率に関しては、重量比で溶剤A/溶剤Bが9.5/0.
5〜0.5/9.5、好ましくは、8.5/1.5〜
1.5/8.5である。溶剤A,Bの比率を上記9.5
/0.5〜0.5/9.5の範囲とすることにより、本
発明の効果を効果的に発揮することができものとなる。
なお、溶剤A,Bが混在していないと経時的な顔料安定
性が確保できないものとなり、また、溶剤A,Bの比率
が上記9.5/0.5〜0.5/9.5の範囲外となる
場合も本発明の効果を発揮できないものとなり、好まし
くない。
含む溶剤の合計含有量は、使用する溶剤種によって、そ
の量は変動するものであり、インキ組成物全量に対し、
20〜97重量%、好ましくは、30〜93重量%であ
る。溶剤A,Bを含む溶剤全体の含有量が20重量%未
満であると、インキとしての流動性が乏しくなり、ま
た、溶剤A,Bを含む溶剤全体の含有量が97重量%を
超えると、着色剤や樹脂及びその他の添加剤の割合が少
なくなり、製品の品質に大きく影響を及ぼすことになる
ので、好ましくない。
料、無機顔料等)であり、用いる上記溶剤A及びBを含
む溶剤に溶解し難く、分散後の平均粒径が30nm〜7
00nmとなるものが好ましい。顔料の含有量は、イン
キ組成物全量に対し、0.5〜25重量%、好ましく
は、0.5〜20重量%である。本発明に用いる顔料
は、単独又は2種以上の混合で使用することができる。
また、必要に応じて、無機顔料を用いた分散体や染料等
も分散安定性に悪影響を与えない程度で添加することが
できる。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エス
テル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アク
リルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られ
る樹脂エマルジョンや、インキ中では膨潤して不定形と
なる中空樹脂エマルジョンまたは、これらのエマルジョ
ン自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からな
る有機多色顔料等も本発明における顔料として使用する
ことができる。
を含有せしめることができる。本発明に用いることがで
きる樹脂としては、使用する用途によって異なり、分散
剤、固着剤、分散安定化剤等としての樹脂であり、個々
の目的に対する添加や2種以上の目的に対する添加等で
含有するものとなる。分散剤や固着剤に関しては、これ
らの目的を満足するものであればどのようなものでもよ
い。また、本発明における分散剤の溶解性の評価に関し
ては、分散剤溶液と溶剤粘度との比、希薄溶液状態での
広がり、溶剤に溶解させた分散剤溶液の外観及び溶液の
透過度等から判断することができる。
るものであれば、特に限定されず、界面活性剤やオリゴ
マー及び樹脂等の種類を問わない。分散剤として、具体
的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチ
レン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエ
チルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共
重合体等の合成樹脂を挙げることができ、好ましくは、
油性分散剤として好適なポリビニルブチラールが挙げら
れる。分散剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、
0.5〜25重量%、好ましくは0.5〜20重量%で
ある。
散安定化剤等については、溶剤A、溶剤B、顔料、分散
剤等で形成される分散体に相溶し、長期的な経時安定性
に悪影響を与えないものであれば、本発明の効果及び製
品性能上問題が無い範囲で如何なるものを添加してもか
まわない。固着剤、分散安定化剤としては、例えば、に
かわ、アラビアゴム、ロジン等の天然樹脂、ロジンマレ
イン酸やロジンフェノール樹脂等を含むロジン誘導体等
の半合成樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、2種
以上組み合わせて用いてもよい。これらの含有量は、顔
料インキ組成物全量に対して、0.001〜45重量%
の範囲であり、好ましくは、0.1〜43重量%、更に
好ましくは、1.0〜40重量%である。
に悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴
剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を含有せしめるこ
とができ、また、インキの安定性を損なうものでなけれ
ば、製品性能上、補助溶剤も含有することができ、更に
また、乾燥抑制用補助として製品特性上、悪影響を及ぼ
さない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も含有す
ることができる。防腐剤もしくは防黴剤としては、例え
ば、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフ
ェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3
−ワン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルス
ルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなど安息香
酸やソルビタン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベ
ンズイミダゾール系化合物等が挙げられる。
ール、ジシクロヘキシルアンモニウム−ナイトライト、
ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリルトリ
アゾール等が挙げられる。潤滑剤及び湿潤剤としては、
例えば、ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコ
ール付加物等のポリエーテル変性シリコーン等が挙げら
れる。また、これら以外の筆記具等用として常用される
添加剤も、本発明の顔料インキ組成物の効果に悪影響を
及ぼさない範囲内で顔料することができる。
は、使用する製品によって異なり、低粘度タイプのイン
キを使用する筆記具では、1〜100mPa.s、それ
以外の粘度域を使用するような筆記具では、100〜3
00,000mPa.s(25℃、E型粘度計使用)ま
での範囲となる。また、机上製品についても、その製品
性能を発揮できる範囲で、同様な粘度域を使用すること
ができる。
は、従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、
上記各成分を配合し、ディゾルバー等の撹拌機により、
混合撹拌することによって、またボールミルやロールミ
ル、ビーズミル、サンドミル等によって混合粉砕した
後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶
解物、混入固形物を取り除くことによって容易に得るこ
とができる。
組成物では、従来の筆記具及び机上製品に使用する顔料
インキに関して、従来において使用しないような2種類
以上の溶剤を主溶剤として使用することを可能にし、長
期的な保存安定性能を持つことで顔料の沈降、主溶剤と
分散体の分離、極端な粘度の増加、平均粒径の増大等様
々な現象を抑制することを可能とすることができる。こ
のような効果を発揮する理由としては、定かではない
が、インキ組成に特徴があり、分散体を形成する顔料、
分散剤、溶剤Aの組み合わせでは、三者間の相互作用に
よりエネルギー的に不安定になり、初期的な分散は可能
であるが、長期的な経時安定性を保つことはできず、様
々な不具合を生ずる。また、顔料、分散剤、溶剤Bの組
み合わせの場合は、三者間の相互作用により、エネルギ
ー的に不安定になり分散することができずゲル的な形態
になってしまい、様々な不具合が生じる。しかしなが
ら、単独の溶剤を用いたこれらの分散体では、不安定で
あるのに対して、溶剤A,Bの混合溶剤として、少なく
とも分散体を調製すると、長期的に経時安定性を持つ顔
料インキ組成物となる。溶剤として少なくとも混合溶剤
を用いることで、顔料に対する吸着や分散剤の溶媒和の
形態が緩和される作用を持つこととなる。その結果、従
来は使用しないような2種類以上の溶剤を主溶剤として
使用することを可能にし、長期的な保存安定性能を持つ
ことで顔料の沈降、主溶剤と分散体との分離、極端な粘
度の増加、平均粒径の増大等様々な、好ましくない現象
を抑制することを可能にする顔料インキ組成物が提供さ
れることとなる。
存安定性能を持つことで顔料の沈降、主溶剤と分散体と
の分離、極端な粘度の増加、平均粒径の増大等様々な、
好ましくない現象を抑制することができるので、サイン
ペン、ボールペン等を含めた筆記具及びスタンプ台、朱
肉台、連泡素材を使用した浸透印を含めた机上製品、更
にはOAリボン、インクジェットプリンタ用等のオフィ
スサプライ関連商品に好適に使用することができ、特
に、顔料の長期的な保存安定性能を効果的に発揮するこ
とができるため、筆記具用顔料インキ組成物、インクジ
ェットプリンタ用顔料インキ組成物に好適に利用するこ
とができる。
に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって
何等限定されるものではない。なお、以下の「%」は重
量%である。
合組成でビーズミルあるいはロールミルにて分散を行い
浸透印用顔料インキ組成物を得た。その後、ガラス瓶に
入れ、室温で1週間放置することによりインキの分散エ
ネルギーに関する平衡を整えた後、下記評価法によりイ
ンキの流動性を外観と粘度測定から評価した。更に、そ
の後、経時的な安定性確認として50℃条件下にて2週
間放置後、粘度を測定し、その増加率を計算し、その値
から下記評価法により経時的安定性を評価した。これら
の結果を下記表1及び表2に示す。
初期時と室温平衡時を下記評価基準で評価した。 評価基準: ○:流動性が良好なもの △:流動性が少なくなったもの ×:流動性が無くなったもの
性増加率を測定し、下記評価基準により評価した。イン
キ粘性増加率の測定は、下記式に従って測定した。 インキ粘性増加率=[(粘度値(i)−粘度値(ii))/粘
度値(ii)〕×100 粘度値(i):50℃条件下2週間放置した粘度値 粘度値(ii):室温1週間放置した初期粘度値 なお、インキの粘性は、E型粘度計にて同一機種及び同
一回転数にて測定した。 評価基準: ○:インキ粘性増加率が−20%以上〜+20%未満。 △:インキ粘性増加率が+20%以上〜+80%未満。 ×:インキ粘性増加率が100%以上、または、粘度値
(ii)を測定できないくらい流動性がない状態のもの。
に、本発明の範囲となる実施例1〜7のインキ組成物
は、本発明の範囲外となる比較例1〜11のインキ組成
物に較べてインキ流動性や経時的な分散安定性の点で非
常に優れていることが判明した。
製品に使用する顔料インキに関して従来は使用しないよ
うな2種類以上の溶剤を主溶剤として使用することを可
能にし、長期的な保存安定性能を持つことで顔料の沈
降、主溶剤と分散体の分離、極端な粘度の増加、平均粒
径の増大等様々な現象を抑制することができる顔料イン
キ組成物が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 着色剤として顔料を使用し、その顔料を
分散するための分散剤を含み、かつ、下記の溶剤A及び
溶剤Bの混合溶剤を主溶剤として含有してなることを特
徴とする顔料インキ組成物。 溶剤A:分散剤に対し溶解性の高い溶媒を少なくとも1
種含むこと。 溶剤B:分散剤に対し貧溶媒或いは不溶性溶媒を少なく
とも1種含むこと。 - 【請求項2】 分散剤、溶剤A及び溶剤Bが下記からな
る請求項1記載の顔料インキ組成物。 分散剤:ポリビニルブチラール 溶剤A:分子内に水酸基を1つ以上有するアルコール類
又は多価アルコール類及び溶剤100gに対する水の溶
解度が∞である水溶性のグリコールモノエーテル類から
なる群より選んだ少なくとも一種の溶剤。 溶剤B:低吸湿性エステル類、分子内に水酸基を持たな
いジエーテル類及びジエステル類からなる群より選んだ
少なくとも一種の溶剤。
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---|---|---|---|
JP27427999A JP4052766B2 (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 顔料インキ組成物 |
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JP27427999A JP4052766B2 (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 顔料インキ組成物 |
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