JP3267726B2 - 油性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

油性ボールペン用インキ組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油性ボールペン用イン
キ組成物に関する。
【0002】従来より、ボールペン用インキの主溶剤と
して、アルコール、グリコールなどのアルコール類、グ
リコールエーテル類などが用いられており、たとえば、
特公昭40−3378などに開示されている。しかしな
がら、これらの溶剤を用いたインキは蒸気圧や吸湿性が
高いことから現在のボールペン先端構造ではキャップな
しで放置すると書き初めに筆記面に対するインキが不足
して描線のかすれ発生したり、インキが出なくなって描
線が描けなくなってしまう欠点がある。その対策とし
て、特公昭57−38692では吸湿性の少ない高沸点
溶剤を用いたインキが開示されている。しかしながら、
OA機器の普及に伴なって使用が多くなった平滑紙やコ
ート紙などではインキの紙への浸透量が少ないため描線
が乾燥せず紙面はもちろん手や衣類を汚してしまう欠点
がある。
【0003】また、特公昭61−52872、63−2
5635ではそれぞれ添加剤として高沸点化合物を加え
ているが、前者は添加物が水溶性であること、後者は非
極性の化合物であることにより共に主溶剤が蒸発した際
に着色剤の溶解あるいは分散性が悪くキャップなしで放
置した場合筆記のかすれなどの問題が発生する。ボール
ペンを長時間放置して置いた場合、乾燥と吸湿により先
端部分のインキ組成が崩れ、固化あるいは流動性低下が
起こり書き初めの描線のかすれや描線が描けないなどの
問題を起こしてしまう。これらの改良をするために様々
な試みが行われているが、大きな効果が認められなかっ
たり逆に描線乾燥性の低下やボールペン先端の腐蝕を促
進する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの従来のボールペンインキの問題点を解決することで
あり、キャップなしで放置後も書き初めに筆記面にイン
キがスムースに流出してきれいな描線が描ける保存安定
性のすぐれたボールペン用インキ組成物を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、研究の結
果、ボールペンインキ特定のグリセリン誘導体を添加す
ることによって、ボールペンをキャップなしで放置した
後も筆記性がよいことを見出し、本発明のインキ組成物
を完成するに至った。すなわち、
【0006】本発明の油性ボールペン用インキ組成物
は、アルコール類およびグリコールエーテル類を主溶剤
とする油性ボールペン用インキにおいて、下記式(I)
で示されるグリセリン誘導体を0.1〜30重量%含有
させることを特徴とする。
【化2】
【0007】本発明の油性ボールペン用インキ組成物に
含有せしめるグリセリン誘導体は、上記構造式から明ら
かなように、グリセリンベースの三官能性ポリオキシプ
ロピレントリオールである。本発明の油性ボールペン用
インキ組成物にグリセリン誘導体の配合量は、インクの
流出量や粘度などのインキ物性または着色剤などの固形
分量により異なるが0.1〜30重量%とすることが必
要であり、好ましくは、0.5〜20重量%とすること
が望ましい。このグリセリン誘導体の配合量が0.1重
量%以下であると、本発明の効果が少なすぎ、また、3
0重量%を越えると、描線の乾燥が悪くなるためであ
る。本発明(後述する実施例及び比較例を含む)に用い
るグリセリン誘導体の具体例として、日本油脂(株)製
の分子量1000のユニオールTG−1000〔上記式
(I)において、l,m,nがそれぞれ約5の場合であ
る。〕、分子量2000のユニオールTG−2000
〔上記式(I)において、l,m,nがそれぞれ約11
の場合である。〕などが挙げられる。
【0008】本発明のインキ組成物の主成分の溶剤であ
るアルコール類としては、例えばベンジルアルコール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンな
どがあげられる。また、グリコールエーテル類として
は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルなどがあげられ
る。添加量は通常50〜95重量%の範囲で用いられる
が、少なすぎると描線乾燥速度が遅くなり問題である
が、上限は着色剤や添加剤の関係で決定されるものであ
り特に規定するものではない。これらの溶剤は、ボール
ペンインキとしての基本的な性能を確保するためのもの
であり、着色剤の溶解もしくは分散させることはもちろ
ん、適度な描線の乾燥性を得るために必要なものであ
る。
【0009】本発明のインキ組成物に用いる着色剤は、
通常、筆記具や塗料用インキに使用される染料や顔料を
使用することが可能である。染料としては、塩基性染
料、酸性染料、直接染料などはもちろん可溶化やマイク
ロカプセル化したものなどでも構わない。例えば、バリ
ファストブラック#1802、同#1805、同#38
20、バリファストバイオレット#1701、バリファ
ストイエローAUM、同#3104、スピロンバイオレ
ットC−RH、スピロンブラックCMHspecia
l、スピロンイエローC−GNH、スピロンオレンジG
RH、スピロンレッドBEH、オーラミン、ローダミ
ン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、クリス
タルバイオレット、ビクトリアブルーBOHなどが挙げ
られる。また、顔料としては、無機顔料や有機顔料をそ
のまま用いても良いし、樹脂や界面活性剤などで表面改
質した加工顔料や分散トナーを使用しても構わない。例
えば、酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニン
系、アゾ系、アンスラキノン系、キナクリドン系、マイ
クロリースカラー(チバガイギー(株)製)、フジAS
カラー(冨士色素(株)製)などがあげられる。添加量
については特に制限はなく着色剤の溶解度や分散力に応
じた量又は所望の色相や濃度に適した量であればよい
が、添加量が多すぎると筆記描線のかすれやインキが出
なくなって描線が描けなくなるいわゆる筆記不能などの
問題が発生し、逆に少量の場合は描線のかすれや筆記不
能の問題は極度に減少するがボールペンとしての描線の
発色が劣るなどの問題が発生する。通常1〜40重量%
の範囲で用いられる。
【0010】本発明のインキ組成物には、必要に応じ
て、樹脂、防腐剤、防黴剤などの油性インキ組成物に慣
用されている助剤を含有させても良い。
【0011】樹脂としては、通常の油性ボールペンイン
キ組成物に慣用されている樹脂、例えばケトン樹脂、ス
ルフォアミド樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キ
シレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ロジ
ン、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。これらの
樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いて
もよく、その配合量は、インキ組成物全量に対して、
0.1〜40重量%範囲である。これらの樹脂はインキ
組成物の粘度を調整したり、着色剤の固着性、耐水性や
分散安定性などを向上させる作用をする。
【0012】
【実施例】実施例によって本発明を更に詳細に説明す
る。インキの評価テストは下記のように行なった。ま
た、試験に用いたボールペンは、内径 mmのポリプロ
ピレンチューブ、ステンレスチップ(ボールは超硬合金
で、直径0.7mmである)を有するものである。このボ
ールペンに実施例、比較例で得られたインキ組成物を充
填し、下記の試験を行なった。
【0013】初筆性:25℃65±5%の恒温室にて、
荷重200g、筆記速度4.5m/min、筆記角度60
°で直線を30cm筆記し、書き初めにおける描線のかす
れ長さをつぎの条件で試験した。 初期テスト…インキを充填直後に筆記した。 加熱促進テスト…50℃ドライの恒温槽に90日放置後
筆記した。 多湿促進テスト…温度35℃、湿度80%の恒温槽に9
0日放置後筆記した。 かすれないものを◎、かすれ2cm以下を○、3cm以上3
0cm未満を△、30cm筆記してもインキが出ないものを
×で示した。
【0014】描線乾燥性:PPC用紙、コート紙、葉書
用紙のそれぞれについて行った。用紙に筆記後に描線を
擦った時、描線が流れなくなるまでの時間を比較し、5
秒未満を◎、5〜30秒を○、30秒〜3分を△、3分
以上を×と判定した。 腐蝕テスト:インキをボールペンに組立、50℃80%
の恒温槽に90日放置した後、を電子顕微鏡にて観察
し、観察されないものを○、腐食は認められるが、筆記
は可能なものを△、腐食が観察され、正常な筆記ができ
ないものを×と判定した。
【0015】下記の配合で油性インキ組成物を調製し
た。試験結果を表1に示す。 ・染料〔“バリファストブラック#1805” オリエント化学工業(株)製〕 10(部) ・染料〔“バリファストイエローAUM” オリエント化学工業(株)製〕 2 ・ベンジルアルコール 13 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 60 ・グリセリン誘導体(分子量1000) 〔“ユニオールTG−1000"日本油脂(株)製〕 10 ・ポリビニルピロリドン〔“PVP K30"GAF製〕 5
【0016】実施例2 下記の配合で油性インキ組成物を調製した。試験結果を
表1に示す。 ・カーボンブラック["MA−100"三菱化成(株)製] 10(部) ・ポリビニルブチラール["エスレックBL−1" 積水化学工業(株)製] 8 ・エチレングリコール 42 ・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 20 ・グリセリン誘導体(分子量2000) ["ユニオールTG−2000"日本油脂(株)製] 20
【0017】比較例1 下記の配合で油性インキを調製した。試験結果を表1に
示す。 ・染料["オイルスカーレット308"オリエント化学工業(株)製] 15(部) ・ケトン樹脂["ハイラック111"日立化成工業(株)製] 35 ・ジフェニルアルキル["ハイゾールSAS−295" 日本石油化学(株)製] 50
【0018】比較例2 下記の配合で油性インキを調製した。試験結果を表1に
示す。 ・カーボンブラック["MA−100"三菱化成(株)製] 18(部) ・ベンジルアルコール 30 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 28 ・オレイン酸 5 ・ソルビタンモノオレエート 2 ・ポリイソブチレンオリゴマー(分子量約700) 3 ・ケトン樹脂〔“ハイラック110H”日立化成工業製〕 14
【0019】比較例3 下記の配合で油性インキを調製した。試験結果を表1に
示す。 ・染料["スピロンレッドCGH"保土ケ谷化学工業(株)製] 20(部) ・染料["スピロンレッドCBH"保土ケ谷化学工業(株)製] 7 ・フェニルグリコール 32 ・ベンジルアルコール 15 ・N−メチル−2−ピロリドン 10 ・ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル 10 ・ポリオキシエチレン [アルコックス"R−150"明成化学(株)製] 6
【0020】比較例4 下記の配合で油性インキを調製した。試験結果を表1に
示す。 ・バリファストブラック#1805(実施例1と同じ) 10(部) ・バリファストイエローAUM(実施例1と同じ) 2 ・ベンジルアルコール 15 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 68 ・ポリビニルピロリドン["PVP K30"GAF製] 5
【0021】比較例5 下記の配合で油性インキを調製した。試験結果を表1に
示した。 ・カーボンブラック["MA−100"三菱化成工業製] 10(部) ・ポリビニルブチラール["エスレックBBM−1" 積水化学工業(株)製] 8 ・エチレングリコール 12 ・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 20 ・グリセリン誘導体(分子量2000) ["ユニオールTG−2000"日本油脂(株)製] 50
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の油性ボールペン用インキ組成物
は、ボールペンをキャップなしで放置しても、書き出し
がスムースでかすれを生じない。また、どのような用紙
でも乾燥性が良好でスムースな描線を描くことができ
る。また、ボールペンの腐蝕の問題も発生しない。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール類およびグリコールエーテル
    類を主溶剤とする油性ボールペン用インキにおいて、下
    記式(I)で示されるグリセリン誘導体を0.1〜30
    重量%含有させることを特徴とする油性ボールペン用イ
    ンキ組成物。 【化1】
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