JP3976408B2 - 油性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性ボールペン用インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、少なくとも着色剤、有機溶剤、樹脂からなる、油性ボールペン用インキ組成物は、よく知られている。
【0003】
こうした油性ボールペン用インキ組成物において、ボールペンが下向きの状態にある場合にチップ先端からのインキ漏れによる垂れ下がり現象が発生することがある。この現象を抑制するために、インキ粘度を15000〜30000mPa・s程度にしたり、適宜溶剤を選択してチップ先端のインキの乾燥性を促進したりして対処している。
【0004】
また、書き味が良好でかつ、インキの垂れ下がり現象を抑制するインキとして、インキの流動特性を調整した、筆記時におけるボールペンのチップの先端に回転自在に抱持されたボールの回転により、インキに剪断力を与えることによってインキ粘度が低くなり、放置した状態では粘度が高いといった剪断減粘性を有したインキも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インキ粘度を15000〜30000mPa・s程度にし、適宜溶剤を選択して垂れ下がり現象を抑制するインキにおいては、書き味が重く、ボールペンのチップ先端が外気に触れる状態で放置した時にチップ先端のインキが乾燥し易く、さらには完全に乾燥固化して書き出し時にインキが直ぐに出てこないといった問題点がある。
【0006】
また、インキが経時的に空気中の水分を吸湿し、インキ粘度が著しく低下するために、インキ垂れ下がり抑制効果は経時的に劣化していく。特に高温多湿地域での前記劣化は著しい。
【0007】
前記剪断減粘性を有するインキについても同様に、経時的に空気中の水分を吸湿し、インキ粘度が低下するために、インキ垂れ下がり抑制効果が経時的に劣化していくので十分ではない。
【0008】
本発明の目的は上記問題に鑑み、油性ボールペンに使用した際に、書き味が良好でかつ、垂れ下がり現象を経時的にも安定して抑制するとともに、ボールペンのチップ先端が外気に触れる状態で放置した時にチップ先端のインキが完全に乾燥固化しにくく、書き出し時のインキ出の良好な油性ボールペン用インキ組成物を得るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、
「1.少なくとも着色剤、有機溶剤、主鎖に下記構造を有するフェノキシ樹脂の誘導体を含む油性ボールペン用インキ組成物。
【化3】
Figure 0003976408
(RはH又はアルキル基、nは整数)
2.少なくとも着色剤、有機溶剤、主鎖に下記構造を有するフェノキシ樹脂を含む油性ボールペン用インキ組成物。
【化4】
Figure 0003976408
(nは整数)
3.非ニュートン粘性付与剤を添加した第1項または第2項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
4.非ニュートン粘性付与剤が脂肪酸ビスアマイドワックスおよびその誘導体である第3項に記載の油性ボールペン用インキ組成物」
とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、着色剤、有機溶剤、主鎖に特定構造を有するフェノキシ樹脂の誘導体等を混合、攪拌して、油性ボールペン用インキ組成物を得ることができる。
【0011】
本発明に使用する着色剤としては、染料または顔料等、狙いに応じて限定なく使用することができる。顔料としては、例えばカーボンブラック等の無機顔料や、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系等の有機顔料、その他加工顔料等が挙げられる。また、染料としてアルコール可溶性染料、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、合金染料、および各種造塩タイプの染料等が挙げられる。また、これらは単独、あるいは混合して使用することができる。配合の割合は、筆跡の濃度や、乾燥性或いはインキの安定性等を考慮してインキ全量に対し5.0〜50.0重量%が好ましい。
【0012】
本発明に使用する有機溶剤は、特に限定することなく使用することができる。例えば、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルコール系およびフェニルセロソルブ等のセロソルブ系、フェニルカービトール等のカービトール系、N−メチルピロリドン等の含窒素溶剤系等の有機溶剤が挙げられる。また、これらは単独、あるいは混合して使用することができる。配合の割合は、着色剤の溶解または分散媒、樹脂の溶媒として使用することを考慮して、インキ全量に対し10.0〜90.0重量%が好ましい。
【0013】
本発明に使用するフェノキシ樹脂の誘導体としては、主鎖に対しエステル化合物、その他適宜化合物又は樹脂をグラフトしたもの等が挙げられる。特定のフェノキシ樹脂およびその誘導体を用いることにより水分の影響を受けないので、経時吸湿によるインキ減粘率を著しく低くでき、インキ垂れ下がり抑制が維持できる。また、水酸基が繰り返し存在するので、有機溶剤との親和性が高く、インキが完全に乾燥固化しないので放置後の書き出し性がスムーズであり良好になると考える。前記フェノキシ樹脂の誘導体および/またはフェノキシ樹脂の配合の割合は、非筆記時のインキ粘度を所望の粘度に適宜調整が必要であるが、インキ全量に対し1.0重量%未満ではその効果が薄く、同じく35.0重量%を超えるとインキの安定性に欠けるため1.0〜35.0重量%が好ましい。また、筆跡堅牢性やインキの耐熱性向上のため、ポリイソシアネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等、他の樹脂と適宜架橋させてもよい。
【0014】
前記フェノキシ樹脂の具体例としては、巴工業(株)社製の商品名:PKHC、PKHH、PKHZ、PKHJ等が挙げられる。またフェノキシ樹脂の誘導体の具体例としては、巴工業(株)社製の商品名:PKHM30等が挙げられる。
【0015】
また、非ニュートン粘性付与剤を添加して、剪断減粘性を有したインキにすることにより、非筆記時には粘度が高く、筆記時には、ボールの回転により、インキに剪断力を与えることによってインキ粘度が低くすることができるので、筆記感が良好になる。非ニュートン粘性付与剤としては、脂肪酸ビスアマイドワックスおよびその誘導体、酸化ポリエチレンワックス、硬化ひまし油、長鎖脂肪酸エステル重合体樹脂、有機ベントナイト、シリカ、硫酸エステル系アニオン界面活性剤、ポリビニルアセトアミド樹脂およびその誘導体、架橋型アクリル酸樹脂およびその誘導体等の一種または二種以上の、非ニュートン粘性付与剤を適宜選択して使用することできる。またこれらを併用してもよい。さらに、脂肪酸ビスアマイドワックスおよびその誘導体を使用すると、放置後の書き出し性能が向上するので好ましい。これは、フェノキシ樹脂およびその誘導体に対する相溶性がよいためと考える。配合の割合は、インキ全量に対し、安定なインキとするには、0.1〜5.0重量%が好ましい。
【0016】
【実施例】
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
Figure 0003976408
上記成分を、混合後、60℃に加温し、ディスパーを用いて一時間混和し、完全に溶解させて、油性ボールペン用インキ組成物を得た。該油性ボールペン用インキ組成物の剪断速度1.9s−1における粘度は、E形粘度計(EHD)を用いて20℃の環境で測定したところ7800mPa・sであった。また、同様に該ボールペン用インキ組成物の剪断速度19s−1における粘度は、E形粘度計(EHD)を用いて20℃の環境で測定したところ7700mPa・sであった。
【0017】
実施例2〜4および比較例1〜5
インキ組成物を表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様の手順で油性ボールペン用インキ組成物とした。
【0018】
【表1】
Figure 0003976408
(注1)実施例2において樹脂としてフェノキシ樹脂誘導体(商品名;PKHM30 巴工業株式会社製)を用いた。
(注2)比較例1において樹脂にケトン樹脂(商品名;ハイラック111 日立化成工業株式会社製)を使用した例である。
(注3)比較例4において樹脂にフェノール樹脂(商品名;ハリフェーノールP−1 ハリマ化成株式会社製)を使用した例である。
(注4)比較例5において樹脂にマレイン酸樹脂(商品名;ベッカサイトP−720 大日本化学工業株式会社製)を使用し、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビスアマイドを添加した例である。
(注5)各油性ボールペン用インキ組成物の剪断速度が1.9s−1および19s−1時のインキ粘度を実施例1と同様にして得た。
【0019】
試験および評価
実施例1〜4および比較例1〜5における油性ボールペン用インキ組成物をチップ先端にボール径が0.7mmのボールを回転自在に抱持されたボールペンチップを有するボールペンのレフィルに充填して、下記の試験を行い、評価した。
【0020】
初期インキ漏れ性能;30℃、90%RHの環境下にチップ先端を下向きに直立させて24時間放置し、チップ先端からのインキ漏れを確認した。全く垂れ下がりの発生しなかったものを◎とし、チップ先端に僅かに濡れが発生したものを○とし、チップ先端に著しく濡れが発生したものを×とした。
【0021】
経時インキ漏れ性能;30℃、95%RHの環境下に1ヶ月間放置したボールペンを筆記後、チップ先端を下向きで30℃、90%RHの環境下に24時間放置した後、チップ先端からのインキ漏れを確認する。全く垂れ下がりの発生しなかったものを◎とし、チップ先端に僅かに濡れが発生したものを○とし、チップ先端に著しく濡れが発生したものを×とした。
【0022】
書き出し性能;室温でチップ先端を外気に触れる状態にして1週間放置する。放置後、筆記角度70°、荷重200g、速度4m/minで直線を筆記して、1mm未満に筆記線のカスレがなく正常な筆跡で、良好に書き出せたものを◎とし、1〜5mm未満で書き出せたものを○とし、5〜50mm未満で書き出せたものを△とし、50mm以上のものを×とした。
【0023】
各実施例および比較例の評価結果は表1に示す通りである。
【0024】
【発明の効果】
本発明の油性ボールペン用インキ組成物は、前述した構成により、該インキを先端にボールペンチップを備えたインキ収容管に収容し、油性ボールペンとして使用した際に、書き味が良好でかつ、インキの垂れ下がり現象を経時的にも安定して抑制するとともに、ボールペンのチップ先端が外気に触れる状態で放置した時にチップ先端のインキが乾燥することもなく、書き出し時のインキ出の良好な油性ボールペンを得ることができる、油性ボールペン用インキ組成物である。

Claims (4)

  1. 少なくとも着色剤、有機溶剤、主鎖に下記構造を有するフェノキシ樹脂の誘導体を含む油性ボールペン用インキ組成物。
    Figure 0003976408
    (RはH又はアルキル基、nは整数)
  2. 少なくとも着色剤、有機溶剤、主鎖に下記構造を有するフェノキシ樹脂を含む油性ボールペン用インキ組成物。
    Figure 0003976408
    (nは整数)
  3. 非ニュートン粘性付与剤を添加した請求項1または2に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  4. 非ニュートン粘性付与剤が脂肪酸ビスアマイドワックスおよび/またはその誘導体である請求項3に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
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