JP2001095729A - 手すり装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トイレ用のはね上げ式手すりにおいて、アー
ムレストをはねあげた際に介助・移乗動作や清掃作業等
の妨げにならず、なお且つ大便器洗浄レバーと干渉しな
いようにする。 【解決手段】 アームレストフレーム５は本体縦フレー
ム１ａの側縁の軸部に取付けられた際に、アームレスト
カバー６上面が略水平で回動規制されるように、その略
根元部分にて適当な角度θを持って軸受５ａに取付けら
れており、アームレスト４をはね上げた際には、回転軸
中心に対しアームレストフレーム５が手前側にオフセッ
トされ、便器タンク７の側縁前部に設置された大便器洗
浄レバー８との衝突を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はトイレ用の跳ね上げ
式の手すり、肘掛けに係り、特に高齢者、障害者などの
排泄時の着座、座位保持、起立を補助するのに好適な手
すり装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、身体に近接した位置に肘掛けを設
置したい場合にも、タンク式の便器にセットする際には
タンク側面あるいは前面に設置されている大便器洗浄レ
バー等との干渉を避ける為に、肘掛け部は固定式ではね
上がらない様な構造となっていた。この為、介助や移乗
あるいは清掃などの際に、肘掛け部が邪魔になり使勝手
が悪くなっていた。

【０００３】また、従来のトイレ用はね上げ式手すりは
肘掛けの間隔を調整できない為に、大便器洗浄レバーと
の干渉を避ける為には、肘掛けの間隔を広げて製作する
必要があり、設置現場の状況によっては不必要に間隔の
広い肘掛けとなってしまい、使いにくいものとなってい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図１に示すように、従
来のはね上げ式の手すりの回転軸構造では、タンク式の
便器の側面あるいは前面に設置されている大便器洗浄レ
バーに干渉して、アームレスト部分が十分にはね上がら
ない場合がある。その場合、取付け位置を便器に対して
前方にずらして取付ける方法もあるが、図２に示すよう
な背もたれを有するような手すりにおいては、ａ寸法＜
Ａ寸法となるため、着座時に使用者の背中を押し出す事
となり、使勝手が著しく損なわれる場合がある。

【０００５】結果的に、排泄時の介助者の動作や障害者
等の移乗、着座動作に障害をきたすばかりでなく、無理
にアームレストをはね上げようとすると大便器洗浄レバ
ーを破損してしまう恐れもあった。

【０００６】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、アームレストをはね上げ
た際に介助・移乗動作や清掃作業等の妨げにならず、な
お且つ大便器洗浄レバーと干渉しない、トイレ用はね上
げ式手すりを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１は、本体フレームとアームレストフレームと
その回転可動な軸構造より成るトイレ用の手すりにおい
て、回転軸近傍のアームレストフレームを曲折させて軸
受に固定したので、回転軸からみてアームレストフレー
ムが手前側あるいは内側にオフセットされ、アームレス
トをはね上げた際に便器タンクの大便器洗浄レバーとの
干渉を避け、介助・移乗動作、清掃作業等に支障をきた
す事が無くなる。

【０００８】また、上記目的を達成するために請求項２
は、本体フレームとアームレストフレームとその回転可
動な軸構造より成るトイレ用の手すりにおいて、アーム
レストフレームに固定された軸受に、はね上げ角度調節
用の止めネジを設けた。この止めネジの締込み量の調整
により、はね上げ角度の調整ができるようにしたので、
アームレストをはね上げた際の、便器タンクの大便器洗
浄レバーとの干渉を最適な状態で避けることができる。

【０００９】さらに、上記目的を達成するために請求項
３は、本体フレームとアームレストフレームとその回転
可動な軸構造より成るトイレ用の手すりにおいて、左右
のアームレストの間隔を調整可能としたので、アームレ
ストをはね上げた際の、便器タンクの大便器洗浄レバー
との干渉を最適な状態で避けることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
の例を、図を参照しながら説明する。図３は本発明の請
求項１のアームレストを適用した床固定式手すりと便器
とのセット側面図、図４は根元近傍を適当な角度で曲げ
たアームレストフレームと軸受との固定状態を示した図
３中Ａ矢視拡大図、図５は請求項１の別の実施形態を示
す軸受近傍の拡大図を示す。

【００１１】図６は本発明請求項２の角度調整機構をア
ームレスト軸部に適用した床固定式手すりと便器とのセ
ット側面図、図７は角度調整機構を示した図６中矢視Ｂ
断面拡大図を示す。

【００１２】図８は本発明請求項３のアームレスト間隔
を調整可能とする機構を適用した床固定式手すりの斜視
図、図９は請求項３の別の実施形態を示す軸受近傍拡大
図を示す。

【００１３】図１０は別の実施形態として、壁固定式の
手すりと便器とのセット側面図を示す。

【００１４】図３により、本例のはね上げ式手すりの構
成を説明する。本体フレーム１には背もたれ固定板２を
あらかじめ取付け、背もたれクッション３を取付けてい
る。本体フレーム１は多様な便器、便座との取付けが可
能になる様、本体縦フレーム１ａの略中央部を曲折させ
て構成されている。また、本体縦フレーム１ａの側縁
に、可倒式のアームレスト４を軸着している。アームレ
スト４はアームレストフレーム５と軸受５ａ、アームレ
ストカバー６とからなる。

【００１５】アームレストフレーム５は本体縦フレーム
１ａの側縁の軸部に取付けられた際に、アームレストカ
バー６上面が略水平で回動規制されるように、その略根
元部分にて適当な角度θ１を持って、軸受５ａに取付け
られている。（図４参照）

【００１６】アームレスト４をはね上げた際には、軸受
５ａは略垂直状態で回動規制を受ける。アームレストフ
レーム５を軸受５ａに角度θを持って固定した為に、回
転軸中心に対しアームレストフレーム５が手前側にオフ
セットされ、便器タンク７の側縁前部に設置された大便
器洗浄レバー８との衝突を回避する。

【００１７】図５においては、請求項１の別の実施形態
例を示す。アームレストフレーム５は本体縦フレーム１
ａの側縁の軸部に取付けられた際に、左右のアームレス
トカバー６の上面内側部の間隔が肘掛けとして使勝手が
良い間隔になるように、その略根元部分にて適当な角度
θ２を持って、軸受５ａに取付けられている。

【００１８】図６に見られるように、アームレスト９を
略垂直状態になる前に回動規制行い、洗浄レバー８との
衝突を回避する方法もある。大便器洗浄レバー８は便器
タンク側縁あるいは前面の左右どちらかに設置されてお
り、大便器洗浄レバー設置側のアームレストのみの回動
を規制するだけで十分な効果を発揮する。その際、なる
べく回動角度を大きくした方が介助者や清掃時の作業の
邪魔にならずに使勝手が向上する為に、大便器洗浄レバ
ーの設置状況に合わせて最適なアームレスト回動角度を
調整する必要が生じてくる。

【００１９】図７は前述の必要性から回動角度を、便器
へのセット後に調整できるようにした例である。軸受１
０ａはアームレストフレーム１０と固定され、本体縦フ
レーム側縁部に取付けられた軸部１１の周囲に設置され
た突部１１ａと１１ｂとに回動規制を受けながら、自在
に回動する。

【００２０】軸受１０ａにはアームレストフレーム１０
をはね上げた際に軸部突起１１ｂに突き当たり、回動角
度を規制する為の止めネジ１２が締付け自在に取付けら
れている。止めネジ１２を締め込む事により軸受１０ａ
内部に止めネジ先端部１２ａが露出し、軸部突起１１ｂ
との突き当たりを早め、結果的にアームレストフレーム
１０のはね上げ角度を小さい物とし、大便器洗浄レバー
８との衝突を防ぐ。

【００２１】逆に、止めネジ１１ｂを緩める事により軸
受１０ａ内部の止めネジ突出量が小さくなり、最終的に
は略垂直状態まで、アームレストフレーム１０のはねあ
げ角度を大きくする事ができる。

【００２２】図８に示してあるのは、本体フレーム１を
左右に分割して中央部分に幅調整用フレーム１３をはさ
み込むように設置し、幅調整用フレーム１３に設けた複
数の調整用ネジ穴１４と本体フレームに設けた固定穴１
５とを位置あわせし、固定ネジ１６で固定する事によっ
て段階的に本体フレーム幅を調整できるようにしたもの
である。幅調整用フレーム１３には調整用ネジ穴１４の
間隔にあわせた、隙間を埋めるカラー１７が取付けられ
ており、ガタツキ防止に役立っている。

【００２３】本体フレーム１の幅を調整可能としたこと
により、左右のアームレスト間隔が調整可能となり、大
便器洗浄レバー８との衝突を設置状況に合わせた最適な
状態で防ぐことができるばかりでなく、使用者の体格や
障害の程度によってアームレストの間隔を購入後に自在
に調整する事が可能となる。

【００２４】また、本体フレーム１を分割したことによ
り、製品の梱包サイズも縮小でき、輸送コストの削減や
在庫スペースの縮小にも効果がある。

【００２５】図９においては、請求項３の別の実施形態
例を示す。本体縦フレーム１ａに固定された軸部１１に
アームレスト４の軸受５ａは回転自在に固定されてい
る。軸受５ａの両端もしくは片端には幅調整用リング１
８が軸部１１に勘合されている。軸受５ａ両端に幅調整
用リング１８をどの位の比率で配置するかにより、左右
のアームレスト４の間隔が調整される。

【００２６】前実施例同様に、左右のアームレストの間
隔が調整可能となったことにより、大便器洗浄レバー８
との衝突を設置状況に合わせた最適な状態で防ぐことが
できるばかりでなく、使用者の体格や障害の程度によっ
てアームレストの間隔を購入後に自在に調整する事が可
能となる。

【００２７】図１０に請求項１における、壁固定方式で
の実施形態を示す。本発明は床固定式のはね上げ手すり
に限ったものではなく、壁固定式の手すりにも当然なが
ら容易に応用できるものである。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１では、回転軸近傍のアームレストフレー
ムを曲折させて軸受に固定したので、本体縦フレームに
固定された回転軸中心に対しアームレストフレームが手
前側あるいは内側にオフセットされ、アームレストをは
ね上げた際の、便器タンクの大便器洗浄レバーとの衝突
を回避でき、介助・移乗動作、清掃作業等に支障をきた
す事が無くなる。

【００２９】請求項２では、アームレストフレームに固
定された軸受に、はね上げ角度調節用の止めネジを設
け、止めネジの締込み量の調整によりはね上げ角度の調
整ができるようにしたので、設置状態にあわせ最適なア
ームレストのはね上げ角度に調整でき、便器タンクの大
便器洗浄レバーとの衝突を最適な状態で回避することが
できる。

【００３０】請求項３では、左右のアームレストの間隔
を調整可能とした事により、大便器洗浄レバーとの衝突
を設置状況に合わせた最適な状態で防ぐことができるば
かりでなく、使用者の体格や障害の程度によってアーム
レストの間隔を購入後に自在に調整する事が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】アームレストと大便器洗浄レバーの干渉状態を
示す側面図である。

【図２】手すりを前方に出して取付けた状態を示す側面
図である。

【図３】実施の形態１によるアームレストの回動状態を
示す側面図である。

【図４】実施の形態１によるアームレスト軸受要部側面
図である。

【図５】実施の形態１によるアームレスト軸受要部上面
図である。

【図６】実施の形態２によるアームレストの回動状態を
示す側面図である

【図７】実施の形態２によるアームレスト軸受要部断面
図である。

【図８】実施の形態３による幅調整機構斜視図である。

【図９】実施の形態３による幅調整機構斜視図である。

【図１０】別の実施の形態を示す側面図である。

【符号の説明】 １． 本体フレーム １ａ．本体縦フレーム ２． 背もたれ固定板 ３． 背もたれクッション ４． アームレスト ５． アームレストフレーム ５ａ．軸受 ６． アームレストカバー ７． 便器タンク ８． 大便器洗浄レバー ９． アームレスト １０． アームレストフレーム １０ａ．軸受 １１． 軸部 １１ａ．軸部突起 １１ｂ．軸部突起 止めネジ １２ａ．止めネジ先端部 １３． 幅調整用フレーム １４． 調整用ネジ穴 １５． 固定穴 １６． 固定ネジ １７． カラー １８． 幅調整用リング θ１、θ２． 軸受固定角度

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 敦朗 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 野垣 久 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 Ｆターム(参考） 2D037 BA16 2E101 FF01 GG00 KK02

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体フレームとアームレストフレームとそ
   の回転可動な軸構造より成るトイレ用の手すりにおい
   て、回転軸近傍のアームレストフレームを曲折させて軸
   受に固定したことを特徴とするトイレ用手すり装置
2. 【請求項２】本体フレームとアームレストフレームとそ
   の回転可動な軸構造より成るトイレ用の手すりにおい
   て、アームレストフレームに固定された軸受に、はね上
   げ角度調節用のネジを設けた事を特徴とするトイレ用手
   すり装置
3. 【請求項３】本体フレームとアームレストフレームとそ
   の回転可動な軸構造より成るトイレ用の手すりにおい
   て、左右のアームレストの間隔を調整可能とした事を特
   徴とするトイレ用手すり装置