JP2001095709A - 吐水装置 - Google Patents

吐水装置

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JP2001095709A
JP2001095709A JP27433499A JP27433499A JP2001095709A JP 2001095709 A JP2001095709 A JP 2001095709A JP 27433499 A JP27433499 A JP 27433499A JP 27433499 A JP27433499 A JP 27433499A JP 2001095709 A JP2001095709 A JP 2001095709A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シャワーヘッドをシャワーホースとともに自在
に目的の位置まで移動させて吐水口から吐水させること
のできる吐水装置において、シャワーヘッドを手に持っ
たまま手元で吐水口からの吐止水操作と流量調節を行え
るようにする。その際吐止水操作の度に流量調節を行わ
なくても良いようにする。 【解決手段】吐水口18を有するシャワーヘッド16
に、吐水口18からの吐水と止水を行うための吐止水操
作部22と、吐水流量の調節を行うための流調操作部2
4とを別々に手元操作部として設け、且つそれら各操作
部に対応して主弁42の動作制御用のパイロット弁78
と流量調節弁70とを別々に設け、吐止水操作部22に
よってパイロット弁78を開閉動作させ、また流調操作
部24によって流量調節弁70を開閉動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は吐水装置に関し、
詳しくは吐止水操作部及び流調操作部を手元操作部とし
て備えた吐水装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
キッチン水栓装置(吐水装置)として吐水管の先端部を
シャワーヘッドとして構成し、これをシャワーホースと
ともに引き出して吐水口から吐水可能となしたものが用
いられるようになって来ている。或いはまた、洗面化粧
室に備えられる洗髪シャワー水栓においても同様の形態
のものが用いられている。
【0003】一方浴室においては、従来より水栓本体か
らシャワーホースを延び出させてその先端にシャワーヘ
ッドを接続し、水栓本体から供給した水をシャワーヘッ
ドよりシャワー吐水するようになしたものが広く用いら
れている。
【0004】ところでこれらの吐水装置の場合、シャワ
ーヘッドを自在に目的の位置に持ち来して吐水すること
ができ、吐水位置がほぼ固定の他の従来一般の吐水装置
に比べて利便性が高いものの、反面において吐水口から
の吐水・止水(吐止水)を行うための吐止水操作部及び
吐水口からの吐水流量調節のための流調操作部がシャワ
ーヘッドから遠い位置にあるため、それらの操作がし辛
いといった問題があった。
【0005】そこで例えば浴室の吐水装置において、シ
ャワーヘッドに手元操作部として吐止水操作部を設ける
といったことが行われている。図14はその一例を示し
たものである。同図において300はシャワーヘッド、
302は継手管で、それらに対し所定長さの可撓性のシ
ャワーホース304の各端部が接続されている。継手管
302は接続口306を有していて、その接続口306
において水栓本体に接続され、水栓本体からの水がシャ
ワーホース304内部の主水路308及びシャワーヘッ
ド300内部の主水路308を通じてシャワーヘッド3
00の吐水口へと供給される。
【0006】シャワーヘッド300には手元操作部とし
て吐止水操作部310が設けられており、その吐止水操
作部310の操作によって主水路308を開閉する主弁
312が開閉動作するようになっている。
【0007】詳しくは、シャワーホース304及びシャ
ワーヘッド300の内部には可撓性のチューブ314が
挿通されていてその内部にパイロット水路316が形成
されており、吐止水操作部310を図14に示す状態か
ら右向きに押込操作すると、軸318の右向きの移動及
びこれに伴うボール320の下向きの押出しによってパ
イロット弁322が弁座324から離れて開弁し、パイ
ロット水路316内部の水をシャワーヘッド300内部
の主水路308に流出させる。
【0008】すると主弁312の背面側に形成された背
圧室326(この背圧室326はパイロット水路316
に連通している)内部の圧力が低下し、主弁312が給
水圧により図中上向きに開弁動作する。ここにおいてシ
ャワーホース304内の主水路308に水栓本体側から
の水が供給される。供給された水はシャワーヘッド30
0内部の主水路308を流通した後、先端の吐水口から
吐水される。
【0009】一方吐止水操作部310を左向きに押込操
作して図14に示す状態に戻すと、ここにおいてパイロ
ット弁322が閉弁し、これによって背圧室326内部
の圧力が漸次高まって最終的に主弁312が閉弁し、吐
水口への水の供給が停止する。
【0010】この図14に示す吐水装置にあっては、シ
ャワーヘッド300を手に持った状態で吐止水操作部3
10を手元操作することにより吐水口からの吐止水を行
うことができ、しかもその吐止水操作部310はパイロ
ット水路316を開閉するものであるため、小さい力で
楽に操作でき、この点で利便性の高いものであるが、こ
の吐水装置にあっては、吐水口からの流量を調節する場
合にはシャワーヘッド300から遠く離れた水栓本体の
流調操作部を操作しなければならず、利便性の点で未だ
十分とは言えないものである。
【0011】図15は別の従来例を示したもので、この
例のものはシャワーヘッド300に設けた吐止水操作部
328の操作摘み330を回転操作することで弁体33
2を軸方向に移動させ、そしてこれを弁座334に当接
させ或いは離間させることによって主水路308を開閉
し、吐水口336からの吐水及び止水を行うようになし
たものである。尚この例の吐水装置の場合、弁体332
を閉弁させるとシャワーホース304の上流部に配設し
てある主弁312も閉弁する。
【0012】この例の吐水装置にあっても、シャワーヘ
ッド300を手に持ちながら手元操作により吐止水を行
うことができる。しかしながらこの吐水装置の場合、手
元操作部としての吐止水操作部328が、大流量で水を
流通させる主水路308を直接開閉するものであること
から操作が重くなる問題があり、更にまた吐止水操作部
328の操作によって弁体332を閉弁させると、それ
より上流側のシャワーヘッド300内部及びシャワーホ
ース304内部に一定の圧力が篭った状態となってしま
う問題があり、更に吐水口336近くまで水が溜まった
まま止水状態に保持されることとなるため、その滞留水
内部で雑菌が発生・繁殖する恐れがあるといった不都合
がある。
【0013】この図15に示す吐水装置の場合、吐止水
操作部328における操作摘み330の回転量を調節す
ることで、吐水口336からの吐水流量の調節も併せて
行うことが可能である。しかしながらこの場合、1つの
操作部及び1つの弁にて吐止水と流量調節との両方を行
う関係上、吐止水を行う度にその都度流量調節も行わな
ければならず、操作が面倒である問題がある。即ち折角
適正流量となるように弁332の位置を調節したとして
も、その後止水を行うと必然的に弁の位置が移動してし
まうため、次に吐水を行うとき再び適正流量となるよう
に操作しなければならないといった面倒がある。
【0014】以上シャワーヘッドを有する吐水装置を例
として説明したが、このようなシャワーヘッドを有しな
い通常の長い吐水管の先端の吐水口から吐水を行う一般
のキッチン水栓装置(吐水装置)においても大なり小な
り同様の問題が内在する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の吐水装置はこの
ような課題を解決するために案出されたものである。而
して請求項1のものは、吐水口を有するシャワーヘッド
又は吐水管から成る吐水部に、該吐水口からの吐水と止
水を行うための吐止水操作部と吐水流量の調節を行うた
めの流調操作部とをそれぞれ独立して操作可能に別々に
手元操作部として設け、且つそれら各操作部に対応した
吐止水弁と流調弁とを別々に設けたことを特徴とする。
【0016】請求項2のものは、請求項1に記載の吐水
装置において、前記吐止水弁が、主水路を開閉する主弁
と該主弁の動作を制御するパイロット弁とを有してい
て、該パイロット弁及び前記流調弁が前記吐水部の内部
に組み込んであることを特徴とする。
【0017】請求項3のものは、請求項1,2の何れか
に記載の吐水装置において、前記吐止水操作部と流調操
作部とが同軸に配置してあることを特徴とする。
【0018】請求項4のものは、請求項3に記載の吐水
装置において、前記吐止水操作部が内側に、前記流調操
作部が外側に配置されているとともに、前記吐水部の内
部には、中心部に前記パイロット弁と該パイロット弁に
より開閉されるパイロット水路が形成されていて、該吐
止水操作部により該パイロット弁が開閉動作させられる
ようになっていることを特徴とする。
【0019】請求項5のものは、請求項1〜4の何れか
に記載の吐水装置において、前記吐止水操作部が押ボタ
ン式の操作部であることを特徴とする。
【0020】請求項6のものは、請求項5に記載の吐水
装置において、前記吐止水操作部が、操作力の入力部で
ある操作部材と、該操作部材を押し込むごとに前記パイ
ロット弁を閉弁位置と開弁位置とに交互に保持するロッ
ク機構を有していることを特徴とする。
【0021】請求項7のものは、請求項1〜6の何れか
に記載の吐水装置において、前記流調操作部が回転運動
を行うダイヤル式のものであることを特徴とする。
【0022】請求項8のものは、請求項7に記載の吐水
装置において、前記流調弁がスプール弁から成っている
ことを特徴とする。
【0023】請求項9のものは、請求項1〜8の何れか
に記載の吐水装置において、前記シャワーヘッド又は吐
水管に接続されたシャワーホース又は通水路より上流部
の前記主水路内に前記主弁が組み込んであり、該主弁の
配設部位から前記パイロット弁の配設部位まで該シャワ
ーホース又は通水路内部を細管が延び出していて、該細
管内に前記パイロット水路が形成されていることを特徴
とする。
【0024】請求項10のものは、請求項9に記載の吐
水装置において、前記シャワーホース又は通水路より上
流部の前記主水路内に且つ前記主弁より上流側に、下流
部分を給水圧に対し減圧状態とする減圧弁が組み込んで
あることを特徴とする。
【0025】請求項11のものは、請求項9,10の何
れかに記載の吐水装置において、前記減圧弁が前記主弁
とともに前記シャワーホースに接続された継手管の内部
に組み込んであることを特徴とする。
【0026】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の吐水装
置は、シャワーヘッド又は吐水管から成る吐水部に吐止
水操作部と流調操作部とを共に且つ独立して操作可能に
別々に設けたもので、この吐水装置の場合、吐水口から
の吐止水のみならず流量調節をも手元操作することがで
き、吐水装置の利便性を飛躍的に高めることができる。
【0027】しかもこの吐水装置の場合、吐止水操作部
と流調操作部及びそれらに対応する吐止水弁と流調弁と
が別々に設けてあるため、吐止水操作を行う度に流量調
節をその都度行わなければならないといった面倒がない
利点を有する。
【0028】この吐水装置にあっては、吐水口からの吐
水流量が所望水量となるように流調操作部を操作したと
き、その状態を維持したままで吐止水操作部によって止
水操作を行うことができ、従ってその後再び吐水を行っ
たとき自動的に吐水口から所望流量で吐水を行わせるこ
とができる。
【0029】請求項2の吐水装置は、上記吐止水弁とし
て主水路を開閉する主弁とその動作を制御するパイロッ
ト弁とを設け、そしてそのパイロット弁及び流調弁を吐
水部の内部に組み込んだもので、この吐水装置にあって
は、小さな操作力で軽やかに吐水口からの吐止水操作を
行うことができる。またそのパイロット弁及び流調弁が
吐水部の内部に組み込んであるため、吐止水操作部及び
流調操作部の近くに各対応する弁が位置することとな
り、操作部及び弁の構造を簡単な構造となすことがで
き、併せて組付け性も良好となすことができる。
【0030】ここで上記吐止水操作部と流調操作部とは
同軸に配置しておくことができる(請求項3)。このよ
うにした場合操作部が集中しているので、使い勝手が良
く、またコンパクトになる。この場合において吐止水操
作部を内側に、流調操作部を外側に配置するとともに、
吐水部の内部には中心部にパイロット弁とこれにより開
閉されるパイロット水路を形成しておくことができる
(請求項4)。
【0031】本発明においては、上記吐止水操作部を押
ボタン式となすことができる(請求項5)。吐止水操作
部は単に吐水操作と止水操作とを行うだけのものである
ため、即ちオン・オフ操作するだけのものであるため、
これを押ボタン式とすることが容易であって、しかもそ
のようにしたとき吐止水操作をワンタッチで簡単に行う
ことができる。
【0032】この場合において吐止水操作部は、操作力
の入力部である操作部材と、これを押し込むごとにパイ
ロット弁を閉弁位置と開弁位置とに交互に保持するロッ
ク機構を有するように構成しておくことができる(請求
項6)。このようにすれば、押込力を加え続けなくても
吐水状態と止水状態とを維持することができ、操作が簡
単となる。
【0033】一方流調操作部は、これを回転運動を行う
ダイヤル式のものとなしておくことができる(請求項
7)。更にこの流調弁は、流調操作部の回転に伴って回
転運動を行うスプール弁にて構成することができる(請
求項8)。
【0034】請求項9の吐水装置では、主弁の配設部位
からパイロット弁の配設部位まで細管を延び出させてパ
イロット水路を形成し、パイロット弁によりそのパイロ
ット水路を閉鎖することで主弁を閉鎖するため、止水状
態においてシャワーホース又は通水路内の主水路を大気
開放状態とすることができ、従ってシャワーホース又は
通水路の主水路内に圧力が篭ったり水が滞留してしまう
といったことを良好に回避することができる。
【0035】請求項10のものは、シャワーホース又は
通水路より上流部の主水路内に且つ上記主弁より上流側
に、下流部分を給水圧に対し減圧状態とする減圧弁を組
み込んだもので、この吐水装置にあっては、主弁を開い
た状態のままで流調操作部の操作により流量調節弁を操
作したとき、詳しくは流量を少なく絞り込んだときに、
給水圧によりシャワーホース等の内部の圧力が過大とな
ってシャワーホース部分が硬くなってしまうのを防ぐこ
とができる。流量を絞ることによって下流部分が圧力上
昇すると減圧弁が主水路を絞り又は閉弁して下流部分の
主水路の圧力を給水圧に対し減圧状態に保持するからで
ある。従って主弁を開いた状態の下で流量を絞った場合
においても、下流部分に大きな圧力が篭ってしまうのを
良好に回避することができる。
【0036】請求項11のものは、上記主弁と減圧弁と
をシャワーホースに接続された継手管の内部に組み込ん
だもので、このようにしておけば従来の水栓本体を何ら
改変する必要がなく、また吐水装置の組付性も良好とな
る。
【0037】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1,図2は本発明の吐水装置の一例として
のキッチンの水栓装置を示したものである。図中10は
キッチンカウンターで、12はシンクである。14はキ
ッチンカウンター10から起立する状態で設けられた吐
水管で、その先端部がシャワーヘッド16として構成さ
れている。
【0038】このシャワーヘッド16には、吐水口18
からの吐水をシャワー吐水から整流吐水に若しくはその
逆に切替操作する切替操作部20が備えられている。更
にまたこのシャワーヘッド16には、吐水口18からの
吐水と止水を行うための吐止水操作部22及び吐水口1
8からの吐水流量を調節する流調操作部24が備えられ
ている。
【0039】26はキッチンカウンター10に取り付け
られた湯水の混合部(水栓本体)で、水と湯の供給管2
8が接続されており、それらを通じて水及び湯が内部に
供給されるようになっている。この混合部26には水と
湯の混合比率を調節する温調操作部30が設けられてお
り、この温調操作部30がキッチンカウンター10の上
面に露出している。
【0040】上記シャワーヘッド16にはシャワーホー
ス32が接続されており、このシャワーホース32がキ
ッチンカウンター10の下側において上記混合部26に
接続されている。尚、図2に示しているようにシャワー
ホース32の端部には継手管34が接続されており、こ
の継手管34が混合部26の接続口に差込状態で連結さ
れている。
【0041】シャワーヘッド16及びシャワーホース3
2の内部には、図3に示しているように大流量で水を流
通させる主水路36が形成されており、その主水路36
に沿ってその中心部に可撓性のチューブ38が挿入配置
されている。チューブ38は、その一端部が継手管34
内部に組み込まれたピストン式の主弁42にパイプ40
を介して接続されている。
【0042】主弁42はその内部に水路を有しており、
この主弁42,パイプ40及びチューブ38内部の水路
によって、主弁42の背面側に形成された背圧室44に
連通するパイロット水路46が形成されている。ここで
背圧室44は小孔47を介して主水路36の上流部、詳
しくは背圧室44の上流部に連通している。
【0043】主弁42はピストン部48を有していて、
そのピストン部48が円筒形の摺動面50に摺動可能に
嵌合されており、そして先端側の当接部52が継手管3
4に形成された弁座54に当接し又はこれから離間する
ことによって、主水路36を閉鎖し又は開放する。
【0044】継手管34の内部にはまた、主弁42より
上流側、詳しくは主弁42による主水路36の開閉部位
よりも上流側にピストン式の減圧弁56が組み込まれて
いる。減圧弁56は大径のピストン部58を有してお
り、そのピストン部58が円筒形の摺動面60に摺動可
能に嵌合されている。
【0045】この減圧弁56はその下流部分、詳しくは
主水路36における減圧弁56の配設部位よりも下流部
分の圧力が上昇して一定圧に達したとき、上流部と下流
部とに対する受圧面積の差によって図中下向きに押動さ
れ、図8に拡大して示しているようにその当接部66を
弁座62に接近又は当接させることによって、主水路3
6を絞り又は主弁42の上流側で閉鎖する。
【0046】即ち減圧弁56は、主水路36を絞り又は
閉鎖することによって、これより下流側の主水路36内
の圧力をその上流側(一次側)の給水圧よりも低い圧力
状態(減圧状態)に保つ働きをする。尚この減圧弁56
は、スプリング64により常時開弁方向に付勢されてい
る。また継手管34の端部にはねじ式の接続口68が設
けられている。
【0047】シャワーヘッド16には、円筒形状のスプ
ール弁から成る流量調節弁70が、流調操作部24と一
体回転する状態で組み込まれている。この流量調節弁7
0は主水路36の水の流量を調節するもので、周方向に
略楔状をなす開口72、即ち周方向に進むにつれて開口
幅が漸次変化する開口72を有している。一方シャワー
ヘッド16(厳密にはシャワーヘッド16における本体
側)には、主水路36と吐水口18とを連通させる円形
の開口74が形成されている。
【0048】本例において、主水路36からの水はそれ
ら開口72,74を経て吐水口18へと流れ出す。従っ
て図11及び図12に示しているように流量調節弁70
が流調操作部24とともに回転して開口72の位置が変
化することで、吐水口18からの吐水流量が大→小へ若
しくはその逆に変化せしめられる。
【0049】上記吐止水操作部22は、この例では押ボ
タン式のもので図4にも示しているように逆カップ状を
なす操作部材76と、操作部材76を押し込むごとにパ
イロット水路46を開閉するためのパイロット弁78を
閉弁位置と開弁位置とに交互に保持するロック機構80
とを有している。
【0050】尚、パイロット弁78は軸状の当接部82
を有しており、その当接部82がチューブ38端部の装
着部材84(図10参照)の弁座86に当接することに
よってパイロット水路46を閉鎖し(図4(A)参照)、
また弁座86から離間することによってパイロット水路
46を開放する(図4(B)参照)。
【0051】本例において、ロック機構80はスラスト
ロック式のもので外筒88と、その内周面に突出する状
態で形成された円筒形状のガイド部90(図9参照)と
を有している。ガイド部90は、上端面に沿って周方向
に鋸刃状の係合歯92を有しており、更に周方向に沿っ
て所定間隔ごとに複数の溝94を有している。
【0052】一方、パイロット弁78には大径の固定リ
ング96と回転リング98とが設けられている。回転リ
ング98は軸部100の周りに回転可能とされており、
更に軸部100に設けられたストッパ部102と固定リ
ング96との間で微小ストローク上下に相対移動可能と
されている。
【0053】固定リング96の外周面には周方向に一定
間隔で突起104が設けられており、その上端に係合歯
106が形成されている。他方、回転リング98にも周
方向に沿って一定間隔ごとに突起108が設けられてお
り、そしてそれら突起108を含む回転リング98下端
部に、周方向に沿って鋸刃状の係合歯110が形成され
ている。
【0054】尚、図3,図4に示しているようにパイロ
ット弁78は回転リング98の上面においてスプリング
112により常時下向きに付勢されており、またロック
機構80の外筒88はスプリング114により常時上向
きに付勢されている。
【0055】この例のスラストロック式のロック機構8
0は次のように作用する。図9(B)(I)はパイロット弁
78がチューブ38端部の装着部材84の弁座86に当
接した状態、即ちパイロット水路46を閉鎖した状態を
示している。
【0056】この状態において操作部材76及びロック
機構80の外筒88をスプリング112及び114の付
勢力に抗して下向きに押し込むと、図9(B)(II)に示し
ているようにパイロット弁78の回転リング98がガイ
ド部90の溝94から外れた状態となり、ここにおいて
回転リング98が、固定リング96側の突起104の係
合歯106と回転リング98側の係合歯110のカム面
の作用で微小角度反時計方向に回転させられる。
【0057】その後押込力を除くと、スプリング114
の付勢力でガイド部90が外筒88とともに上昇運動
し、このときガイド部90の上端の係合歯92と回転リ
ング98の係合歯110とが一部噛み合った状態とな
る。
【0058】更にガイド部90が上向きに押し上げられ
ると、回転リング98が固定リング96から浮き上がる
とともにそれら係合歯92,110のカム面の作用で回
転リング98が更に微小角度反時計方向に回転させられ
てガイド部90の係合歯92と回転リング98の係合歯
110とが完全に噛み合った状態となり(図9(B)(II
I)参照)、これとともに回転リング98とストッパ部1
02との当接作用で回転リング98,固定リング96を
含むパイロット弁78全体が上昇端まで上昇させられて
その上昇端に保持される。即ちパイロット弁78が開弁
位置に保持される。ここにおいてパイロット水路46が
開放状態とされてピストン式の主弁42が開かれ、主水
路36内を水が流通する。
【0059】さて再び操作部材76を押込操作すると、
これとともにロック機構80の外筒88及びガイド部9
0が下向きに移動し、ここにおいて回転リング98の係
合歯110とガイド部90の係合歯92との噛合いが外
れるとともに、スプリング112の付勢力でパイロット
弁78における固定リング96の係合歯106と回転リ
ング98の係合歯110とが接触し(図9(B)(IV),
(V)参照)、更にガイド部90が下降して回転リング9
8が自由回転状態になると、固定リング96及び回転リ
ング98の各係合歯106,110のカム面の作用によ
り回転リング98が微小角度反時計方向に回転させら
れ、そしてそれら係合歯106及び110が完全に噛み
合ったところで回転リング98の回転が停止する(図9
(B)(VI)参照)。
【0060】その後操作力を除くことによって、(VI
I)に示しているようにガイド部90がスプリング11
4の付勢力で上向きに移動すると、回転リング98が浮
き上った後、ガイド部90の係合歯92と回転リング9
8の係合歯110とのカム面の作用で回転リング98が
微小角度回転した上で、回転リング98の突起108が
固定リング96の突起104とともにガイド部90の溝
94に嵌り合い、続いてスプリング112及び114の
付勢力でそれら突起104,108が外筒88の上昇運
動を伴って溝94の底部まで落ち込む(図9(B)(VIII)
参照)。ここにおいてパイロット弁78が再びパイロッ
ト水路46を閉鎖した状態となる。尚このロック機構自
体は従来公知であるのでここでは更に詳しい説明は省略
する。
【0061】尚、図4に示しているようにパイロット弁
78と主水路36との間のシールは、主水路36の端部
に設けられたプラグ116(図10参照)内周面のパッ
キンによって行われている。
【0062】本例の吐水装置の場合、吐止水操作部22
を押込操作すると、パイロット弁78が図3に示す閉弁
状態から図5に示すように開弁動作し、ここにおいてパ
イロット水路46が開かれ、続いて主弁42が開弁動作
する。これによりシャワーヘッド16の先端部まで水が
主水路36を通じて供給され、続いて流量調節弁70,
シャワーヘッド16の開口72,74を通じた後、吐水
口18から吐水される。図6はこのときの状態を示して
いる。
【0063】尚、図6の状態では流量調節弁70がいっ
ぱいまで開かれており、吐水口18からは最大流量で水
が吐水される。さてこの状態で流調操作部24を回転操
作し開口72を漸次狭めて行くと、これに伴って吐水口
18からの吐水流量が減少変化する(図7(I)参照)。
【0064】図7(II)は吐水口18からの吐水流量を
最も絞った状態を表している。このような状態の下で
は、上記減圧弁56を設けておかないとシャワーヘッド
16先端部まで、詳しくは主水路36の先端部まで一次
給水圧が導かれてシャワーホース32内に大きな圧力が
篭った状態となってしまい、またこれに伴ってシャワー
ホース32が硬くなってしまい、自由に曲り難くなる。
【0065】しかるに本例の吐水装置においては主弁4
2の上流側に減圧弁56が設けられており、その減圧弁
56の配設部位よりも下流部分の主水路36内部の圧力
が高まって来ると、即ちシャワーホース32内部の圧力
が上昇してくるとその減圧弁56が閉弁方向に動作し、
主水路36を絞り又は減圧弁56の上流部と下流部とで
遮断する。
【0066】これにより減圧弁56よりも下流側の主水
路36内部の圧力が給水圧に対し一定圧低い減圧状態に
保たれ、従って主弁42を開いた状態の下で流量を絞っ
た場合においても、シャワーホース32内部に過大な圧
力が篭ってシャワーホース32が硬くなってしまうのが
有効に防止される。
【0067】また本例の吐水装置では主弁42がシャワ
ーホース32よりも上流部に配設してあるため、更には
吐止水操作部22の止水操作によりパイロット水路46
を閉鎖することでその主弁42を閉弁させ、これにより
吐水口18からの吐水を止めるようにしているため、止
水状態においてその主弁42よりも下流側の主水路36
内部全体を大気開放状態とすることができ、シャワーホ
ース32及びシャワーヘッド16内の主水路36内に圧
力が篭ったり水が滞留したりするのを防ぐことができ
る。
【0068】更に本例のものは主弁42と減圧弁56と
をシャワーホース32に接続された継手管34の内部に
組み込んでいるため、従来の水栓本体(混合部26)を
何ら改変する必要がなく、また吐水装置の組付性も良好
となる。
【0069】本例の吐水装置によれば、吐水口18から
の吐止水のみならず流量調節をも手元操作することがで
き、吐水装置の利便性を飛躍的に高めることができる。
【0070】しかもこの吐水装置の場合、吐止水操作部
22と流調操作部24及びそれらに対応するパイロット
弁78と流量調節弁70とが別々に設けてあるため、吐
止水操作を行う度に流量調節をその都度行わなければな
らないといった面倒がない利点を有する。
【0071】この吐水装置にあっては、吐水口18から
の吐水量が所望水量となるように流調操作部24を操作
したとき、その状態を維持したままで吐止水操作部22
によって止水操作を行うことができ、従ってその後再び
吐水を行ったとき自動的に吐水口18から所望流量で吐
水を行わせることができる。
【0072】また本例の吐水装置は、主弁42の動作を
制御するパイロット弁78を閉弁動作させて止水を行う
ようにしているため、小さな操作力で軽やかに吐水口1
8からの吐止水操作を行うことができるとともに、パイ
ロット弁78及び流量調節弁70が吐水部の内部且つ吐
止水操作部22及び流調操作部24近くに配設してある
ため、各操作部と対応する弁とを直接作動的に連結する
ことができそれら操作部及び弁の構造を簡単な構造と成
すことができ併せて組付け性も良好となすことができ
る。
【0073】更に本例では吐止水操作部22を押ボタン
式となしているため、吐止水操作をワンタッチで極めて
簡単に行うことができる。
【0074】以上は大流量で水を流通させる主水路36
と、主水路36を開閉する主弁42の動作制御用のパイ
ロット水路46及びパイロット弁72を設けた場合の例
であるが、本発明は主水路36のみを設けておき、その
主水路36を吐止水弁によって吐止水し、また主水路内
の流量を流量調節弁で調節するようになすことも可能で
ある。
【0075】図13はその一例を示している。同図にお
いて、136は弁座138に当接し又はこれから離間す
ることによって主水路36を開閉する吐止水弁で、手元
操作部としての吐止水操作部(図示省略)によって開閉
操作されるようになっている。140は流量調節弁で、
手元操作部としての流調操作部(図示省略)により軸方
向(図中上下方向)に移動操作されることで、主水路3
6を流通する水流量を調節する。
【0076】この例において(I)は止水状態を示して
おり、吐止水弁136は弁座138に当接した状態にあ
り、主水路36は閉じられている。この状態において
(II)に示しているように吐止水弁136を吐水操作部
にて開弁させると、主水路36が開かれて主水路36内
を水が流通し、吐水口からの吐水が行われる。このとき
図13(II),(III)に示しているように、吐止水弁
136を開いた状態の下で流量調節弁140を軸方向に
移動操作することで、主水路36内を流通する水の流量
を調節することができる。即ち吐水口18からの吐水流
量を調節することができる。
【0077】本例の吐水装置においても、吐水操作部と
流調操作部及びそれらに対応する吐止水弁136と流量
調節弁140とが別々に設けてあるため、吐止水操作を
行う度に流量調節をその都度行わなければならないとい
った面倒がない利点を有する。
【0078】上例ではキッチン水栓装置の吐水管の先端
部をシャワーヘッドとして構成し、そのシャワーヘッド
に吐止水操作部,流調操作部及びパイロット弁,流量調
節弁を設けた場合の例であるが、本発明は他の様々な形
態のシャワーヘッドを有する吐水装置、例えば浴室内に
設置されるシャワーヘッドを備えた吐水装置にも勿論適
用可能なものであるし、或いは洗髪シャワー水栓装置か
ら成る吐水装置にも適用可能である。
【0079】また本発明はそのようなシャワーヘッドを
有しない通常の吐水管及び水栓本体を備えた吐水装置に
対しても適用可能であるなど、その主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である吐水装置の概略全体構
成を示す図である。
【図2】図1の吐水装置の要部を示す図である。
【図3】同じ実施例の吐水装置におけるシャワーヘッド
と継手管内部の構成を示す断面図である。
【図4】図3に示すシャワーヘッドの要部を拡大して示
す図である。
【図5】図3に示す各部の一作用状態を示す図である。
【図6】図3に示す各部の図5とは異なる一作用状態を
示す図である。
【図7】図3に示すシャワーヘッド内部の図5及び図6
とは異なる一作用状態を示す図である。
【図8】図3における継手管内部の主弁及び減圧弁の一
作用状態を示す図である。
【図9】図3のシャワーヘッドに組み込んだ吐止水操作
部におけるロック機構の作用説明図である。
【図10】図3のシャワーヘッド内部のパイロット弁と
周辺部の要部分解図である。
【図11】図3の流量調節弁の要部を示す図である。
【図12】図11の流量調節弁の作用説明図である。
【図13】本発明の他の実施例の要部の作用説明図であ
る。
【図14】従来の吐水装置の一例の要部を示す図であ
る。
【図15】従来の吐水装置の図14とは異なる一例の要
部を示す図である。
【符号の説明】
14 吐水管 16 シャワーヘッド 18 吐水口 22 吐止水操作部 24 流調操作部 32 シャワーホース 34 継手管 36 主水路 38 チューブ 40 パイプ 42 主弁 46 パイロット水路 56 減圧弁 70,140 流量調節弁 76 操作部材 78 パイロット弁 80 ロック機構 136 吐止水弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D032 FA04 FA11 2D060 BA01 BA03 BA05 BB07 BC11 BE01 BE15 3H056 AA03 BB01 BB09 BB32 BB33 CA02 CB03 CD06 DD02 DD10 EE01 GG05 GG11 3H063 AA01 BB07 BB08 BB32 BB33 DA08 EE12 FF01 GG06 GG11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐水口を有するシャワーヘッド又は吐水
    管から成る吐水部に、該吐水口からの吐水と止水を行う
    ための吐止水操作部と吐水流量の調節を行うための流調
    操作部とをそれぞれ独立して操作可能に別々に手元操作
    部として設け、且つそれら各操作部に対応した吐止水弁
    と流調弁とを別々に設けたことを特徴とする吐水装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の吐水装置において、前
    記吐止水弁が、主水路を開閉する主弁と該主弁の動作を
    制御するパイロット弁とを有していて、該パイロット弁
    及び前記流調弁が前記吐水部の内部に組み込んであるこ
    とを特徴とする吐水装置。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかに記載の吐水装置
    において、前記吐止水操作部と流調操作部とが同軸に配
    置してあることを特徴とする吐水装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の吐水装置において、前
    記吐止水操作部が内側に、前記流調操作部が外側に配置
    されているとともに、前記吐水部の内部には、中心部に
    前記パイロット弁と該パイロット弁により開閉されるパ
    イロット水路が形成されていて、該吐止水操作部により
    該パイロット弁が開閉動作させられるようになっている
    ことを特徴とする吐水装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の吐水装置
    において、前記吐止水操作部が押ボタン式の操作部であ
    ることを特徴とする吐水装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の吐水装置において、前
    記吐止水操作部が、操作力の入力部である操作部材と、
    該操作部材を押し込むごとに前記パイロット弁を閉弁位
    置と開弁位置とに交互に保持するロック機構を有してい
    ることを特徴とする吐水装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の吐水装置
    において、前記流調操作部が回転運動を行うダイヤル式
    のものであることを特徴とする吐水装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の吐水装置において、前
    記流調弁がスプール弁から成っていることを特徴とする
    吐水装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の吐水装置
    において、前記シャワーヘッド又は吐水管に接続された
    シャワーホース又は通水路より上流部の前記主水路内に
    前記主弁が組み込んであり、該主弁の配設部位から前記
    パイロット弁の配設部位まで該シャワーホース又は通水
    路内部を細管が延び出していて、該細管内に前記パイロ
    ット水路が形成されていることを特徴とする吐水装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の吐水装置において、
    前記シャワーホース又は通水路より上流部の前記主水路
    内に且つ前記主弁より上流側に、下流部分を給水圧に対
    し減圧状態とする減圧弁が組み込んであることを特徴と
    する吐水装置。
  11. 【請求項11】 請求項9,10の何れかに記載の吐水
    装置において、前記減圧弁が前記主弁とともに前記シャ
    ワーホースに接続された継手管の内部に組み込んである
    ことを特徴とする吐水装置。
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