JP2001093513A - 電池の電極を製造する方法 - Google Patents

電池の電極を製造する方法

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JP2001093513A JP27018399A JP27018399A JP2001093513A JP 2001093513 A JP2001093513 A JP 2001093513A JP 27018399 A JP27018399 A JP 27018399A JP 27018399 A JP27018399 A JP 27018399A JP 2001093513 A JP2001093513 A JP 2001093513A
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electrode
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porous polymer
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Masazumi Segawa
全澄 瀬川
Hideo Yasuda
安田  秀雄
Eriko Yagasaki
えり子 矢ヶ崎
Shozo Hashizume
正三 橋詰
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Kansai Electric Power Co Inc
Japan Storage Battery Co Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に厚み及び孔径の均一な有孔性ポリマー膜
が密着した電極を提供することにある。 【解決手段】この発明の電極製造方法は、表面に有孔性
ポリマー膜が一体的に形成された電極の製造方法におい
て、ポリマーを溶媒aに溶解又は分散媒cに分散させた
ポリマー含有液Aを、活物質を備えた電極前駆体の表面
にスクリーン印刷する第1の工程と、前記ポリマー含有
液Aを担持した電極前駆体から溶媒a又は分散媒cを除
去する第2の工程とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リチウム二次電
池などの電池の電極を製造する方法に属する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池などの非水電解質二次
電池においては、電解液として可燃性である有機電解液
を用いる。そこで、電池を安全にする手段として、電解
液量を減少させること、有機電解液の代わりに固体ポリ
マー電解質を用いることなどが挙げられる。
【0003】これらの手段を組み合わせた技術として、
特開平8−195220号には、有機電解液でポリアク
リロニトリル(PAN)などのポリマーを湿潤または膨
潤させて得られたゲルに針で多数の孔をあけ、その孔に
電解液を含有させてなるリチウムイオン伝導性ポリマー
膜を電解質兼セパレータとして用いた電池が提案されて
いる。
【0004】しかし、電解液を減少させると、電極とセ
パレータとの間隙が生じやすく、それによって充放電特
性が著しく劣化する。そこで、これを防止するため、電
極本体に有孔性ポリマー電解質を密着させる必要があ
る。このような密着手段として、ポリマー含有液を電極
表面に刷毛塗り、噴霧、沈殿、ブレードコートなどのい
ずれかの方法により塗布した後、媒体液を除去する技術
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ハケ塗り法で
は塗布にムラが生じることが避けられず、スプレー法や
沈殿法では、電極ごとに塗布量や厚みを均一にすること
が困難である。優れた高率充放電特性が要求される二次
電池では、電極表面に形成する有孔性ポリマーの膜厚の
不均一は、電流分布の均一性を損なうことにつながる。
また、リチウムイオン二次電池などに用いる電極には、
電池のエネルギー密度を向上させるために平板プレスな
どをおこなった場合でも、電極表面には多数の凹凸が存
在する。そのためブレードコート法を用いた塗布では、
電極表面の凹凸にかかわらずブレードの高さが一定であ
ることから、凸な部分への塗布厚みは少なくなり、その
部分の有孔性ポリマーの厚みは非常に薄くなり、電池製
作時に短絡を発生しやすくなる。更にまた、塗布厚みが
不均一であると、媒体液を除去後の孔径も不均一とな
り、電流分布の均一性を損ない高率充放電特性を劣化さ
せることにつながる。それ故、この発明の課題は、表面
に厚み及び孔径の均一な有孔性ポリマー膜が密着した電
極を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
に、この発明の電極製造方法は、表面に有孔性ポリマー
膜が一体的に形成された電極の製造方法において、ポリ
マーを溶媒aに溶解又は分散媒cに分散させたポリマー
含有液Aを、活物質を備えた電極前駆体の表面にスクリ
ーン印刷する第1の工程と、前記ポリマー含有液Aを担
持した電極前駆体から溶媒a又は分散媒cを除去する第
2の工程とを含むことを特徴とする。
【0007】ここで電極前駆体とは、活物質を備えてい
る以外に限定されない。従って、それ単独でも従来のよ
うに電極として機能する形態のもの、例えば活物質を金
属箔や導電性樹脂膜などの支持体に担持させてなるもの
も含まれる。この明細書では、表面に有孔性ポリマー膜
が一体的に形成されたものを電極と称するため、有孔性
ポリマー膜が形成される前のものと区別して電極前駆体
という。
【0008】この発明によれば、ポリマー含有液Aを電
極前駆体の表面に塗布する手段が、スクリーン印刷であ
ることから、塗布厚みが均一である。即ち、電極前駆体
の表面に凹凸が存在していても、スクリーンがその凹凸
に倣って弾性変形するのでスクリーンを通過するポリマ
ー含有液Aの量は通過位置に関係なく一定であり、その
結果、厚みも一定となる。また、ポリマー含有液Aの粘
度や、スクリーンのメッシュサイズを適宜選択すること
により、塗布する厚みを制御することも可能である。そ
して、厚みが均一であるから、媒体液を除去する速度も
位置に依存することなく均一である。従って、均一な孔
径を有するポリマー膜が得られる。
【0009】よって、この発明の電極を用いた電池は、
正・負極間の電流分布が非常に均一となり、高率充放電
特性に優れた電池とすることができる。さらに、有孔性
ポリマー膜をセパレータとして機能させる場合にも、極
端に薄い部分がないから、電池組み立て時の短絡発生率
を抑えることが可能となる。さらに、スクリーン印刷
は、容易に生産ラインを製造できるため、工業化に際し
ても優れた手法である。
【0010】上記電極前駆体は、スクリーン印刷の前に
予め厚さ方向にプレスしておくと好ましい。軽くプレス
するだけでも表面の活物質粒子がつぶれて粒子同士の隙
間がなくなり、その結果、ポリマー含有液Aの内部への
浸透に伴う厚みの不均一化を防止できるからである。
【0011】ポリマー含有液Aがポリマーをある溶媒a
に溶かしたポリマー溶液A1であるとき、電極前駆体か
ら溶媒aを除去する手段としては、電極前駆体を溶媒a
と相溶性のある溶媒b中に浸けることにより、溶媒aを
抽出するものが好ましい。これにより、溶媒aが除去さ
れた部分が孔となって微細で均一で円形の孔が均一に分
布した有孔性ポリマー膜が形成される。
【0012】ポリマー含有液Aがポリマーをある分散媒
cに分散させたポリマー分散液A2であるとき、電極前
駆体から分散媒cを除去する手段としては、分散媒cを
気化させるものが好ましい。これにより微小なポリマー
粒子が連なり、粒子間隙を孔とする有孔性ポリマー膜が
形成される。
【0013】形成された有孔性ポリマー膜に電解液を含
ませることで有孔性ポリマー電解質となる。なお、ここ
で「有孔性ポリマー電解質」とは、ポリマー自体がイオ
ン伝導性を有するものの他、ポリビニリデンフルオライ
ドなどのポリマーに孔を設け、ポリマーに有機電解液を
含浸させたもので、ポリマー孔中の有機電解液のみでイ
オン移動を可能にしたもの、及び/又は有機電解液で膨
潤したポリマーのマトリックス中でもイオンの移動が可
能なものをも含む広義に解される。図1に上記溶媒抽出
法を用いて製作した有孔性ポリマー電解質と電極表面と
が一体としてなる負極の断面を示す。図2に、図1に示
した本発明による電極の表面に一体形成したポリマー電
解質の一部を拡大したものを示す。
【0014】
【発明の実施の形態】ポリマー含有液Aの粘度として
は、塗布に適した粘度であればよく、3000cP以上
であればよい。また、粘度を変化させて、塗布厚みを調
節する場合は、ポリマー含有液Aに増粘剤を添加する方
法が挙げられる。増粘剤としては、液体、固体を問わな
い。ただし固体としては、充放電反応に関与しない無機
フィラーなどが好ましい。また、電極との密着性を良好
にするために接着剤などをポリマー含有液Aに添加して
もよい。
【0015】本発明に使用する有孔性ポリマーの材質と
しては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、ポ
リアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレ
ート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリ
ル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンアジパミド、ポリカプロラクタム、ポリウ
レタン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリス
チレン、ポリイソプレンおよびこれらの誘導体を、単独
であるいは混合して用いることができる。また、上記ポ
リマーを構成する各種モノマーを含むポリマーを用いて
もよい。
【0016】なかでも、充放電による活物質の体積膨張
収縮に追随した形状変化の可能な柔軟性を有し、且つ電
解液で湿潤または膨潤し、リチウムイオン伝導性を有す
るポリマーが好ましい。具体的には、ポリビニリデンフ
ルオライド(PVdF)、ポリ塩化ビニル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシドなどのポリエーテル、ポリアクリロニトリル、ポ
リビニリデンフルオライド、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ
ビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニ
ルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイ
ミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレ
ン、もしくはこれらの誘導体、又はそれらの混合物が好
ましい。また、上記ポリマーを構成する各種モノマーを
共重合させたポリマー、たとえばビニリデンフルオライ
ド/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(P(VdF
/HFP))も好ましい。
【0017】ポリマーを溶解する溶媒aとしては、ポリ
マーを溶解するものであればよく、ジメチルホルムアミ
ド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル
メチルカーボネートなどの炭酸エステル、ジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テト
ラヒドロフランなどのエーテル、ジメチルアセトアミ
ド、1−メチル−ピロリジノン、n−メチル−2−ピロ
リドンなどが挙げられる。
【0018】溶媒aを抽出する溶媒bとしては、溶媒a
と相溶性があればなんでもよいが、なかでもポリマーを
溶解しないものが好ましく、例えば水、アルコール、ア
セトンなどが挙げられ、あるいはこれらの混合溶液を使
用してもよい。また、抽出溶媒がアルカリ性を示すなら
ば酸性溶媒を、抽出溶媒が酸性を示すならばアルカリ性
溶媒を、本発明と組み合わせて用いると好ましい。そう
することにより、集電体などの金属系部材の腐食を抑制
することができ、腐食による性能低下を防止できるので
極めて優れた電池を製造できるからである。
【0019】分散媒cとしては、ポリマー粒子を分散
し、ポリマーに対する溶解度が低いものであればなんで
もよく、好ましいのはポリマーに対して不溶性のもので
ある。例えば水、アルコール、あるいはこれらの混合溶
液が挙げられる。そして、分散媒cに分散するポリマー
の粒径を0.005μm〜50μmとすることで、リチ
ウムイオンが円滑に拡散できる孔を、ポリマー粒子間に
形成することができる。
【0020】さらに、ポリマー粒子で構成される有孔性
ポリマーの厚みを薄くすることによって、高率放電性能
を向上させ、かつ安全なリチウムイオン二次電池等の非
水電解質電池を製作するためには、ポリマー粒子が交互
に重なり合うことによって、有孔性ポリマーに屈曲した
孔が開いていた方が良いため、ポリマー粒子の平均粒径
を、10μm以下とすることが望ましい。これに対し
て、有孔性ポリマーを、ポリマー粒子単層または単層に
近い状態で形成した場合には、リチウムイオン二次電池
等の非水電解質電池の高率放電性能が向上する。
【0021】本発明に用いられる正極活物質としては、
リチウムを吸蔵放出可能な化合物であればなんでもよ
く、無機化合物としては、組成式LixMO2、またはL
y24(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦1、0≦y
≦2)で表される複合酸化物、トンネル状の孔を有する
酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物を用いることが
できる。その具体例としては、LiCoO2、LiNi
2、LiMn24、Li 2Mn2O、MnO2、Fe
2、V25、V613、TiO2、TiS2などが挙げら
れる。また、遷移金属Mの一部を他の元素で置換した無
機化合物を用いてもよく、たとえば、LiNi0.80Co
0.20O2、LiNi0.80Co0.17Al0.03O2などが挙げられる。ま
た、有機化合物としては、例えばポリアニリンなどの導
電性ポリマーなどが挙げられる。さらに、無機化合物、
有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いて
もよい。
【0022】負極活物質としては、例えばAl、Si、
Pb、Sn、Zn、Cdなどとリチウムの合金、LiF
23などの遷移金属複合酸化物、WO2、MoO2など
の遷移金属酸化物、コークス、メソカーボンマイクロビ
ーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱
分解気相成長炭素繊維などの易黒鉛化性炭素、フェノー
ル樹脂焼成体、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、擬等
方性炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成体などの難黒
鉛化性炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化MCMB、黒
鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維、黒鉛ウイスカーな
どの黒鉛質材料、またはこれらの混合物からなる炭素系
活物質、窒化リチウム、もしくは金属リチウムが挙げら
れ、またこれらの混合物を用いてもよい。
【0023】セパレータとしては、孔または隙間を有す
るポリプロピレン製微孔性膜、ポリエチレン製の微孔性
膜などのポリオレフィン製の微孔性膜などが挙げられ
る。さらに、有孔性ポリマー膜をセパレータとして機能
させたりセパレータと併用したりしてもよい。有孔性ポ
リマー膜をセパレータとして機能させる場合、その厚み
を20μm以上にするとよい。また、一方の電極表面に
は溶媒抽出法を用い、他方の電極には分散媒を気化させ
る方法を用いて、表面に有孔性ポリマー膜が一体として
なる電極を各々製作し、これらの電極を組み合わせて電
池を製作してもよい。
【0024】電解液としては、エチレンカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル
メチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラ
ン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1、2−ジメト
キシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラ
ン、メチルアセテートなどの極性溶媒、もしくはこれら
の混合物を使用してもよい。また、電解液に含有させる
塩としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、L
iClO4、LiSCN、LiI、LiCF3SO3、L
iCl、LiBr、LiCF3CO2などのリチウム塩、
もしくはこれらの混合物を用いてもよい。
【0025】電解液の注入量は空孔体積の120%以下
であればよい。現在のところ、空孔体積の30%よりも
少なくした場合は、充放電性能を維持するのに必要な量
が不足し、充放電特性が劣ることになるが、将来的には
空孔体積の10%程度の液量で十分な電池特性を有する
電池を製造できるものと考えられる。
【0026】本発明においては電極表面に加えて電極内
部に有孔性ポリマー電解質を備えることもできる。そう
すれば、安全性を向上させるために、電解液の注液量を
減少させた場合においても、電極内部での電解液の分布
を均一とすることができるために優れた充放電特性を有
する。この場合、電極前駆体の内部にポリマー含有液A
を浸透させ、溶媒a又は分散媒cを除去した後、スクリ
ーン印刷する順序で製造するのが好ましい。また、電極
前駆体をプレスする場合は溶媒a又は分散媒c除去後ス
クリーン印刷前に行う。
【0027】
【実施例】[実施例1]これは、電極前駆体の表面にスク
リーン印刷機を用いてポリマー溶液を塗布し、その後溶
媒抽出法にて溶媒を除去することにより、有孔性ポリマ
ー膜を表面に一体的に形成してなる正極と負極を用いた
非水電解質二次電池を製作する好適な実施例である。
【0028】正極は次のように製作した。まず、LiNi
0.80Co0.17Al0.03O248.7wt%、アセチレンブラッ
ク2.7wt%、PVDF3.3wt%及びNMP4
5.3wt%を混合した合剤を、幅20mm、長さ48
0mm、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布
し、90℃で乾燥してNMPを蒸発させて、正極前駆体
を準備した。
【0029】正極内部に有孔性ポリマー電解質を備える
ために、次の工程を経た。NMPに8wt%のP(VdF/HF
P)を溶解したポリマー溶液中に上記正極前駆体を浸漬
し、正極前駆体にポリマー溶液を担持した。正極前駆体
表面に余剰に付着したポリマー溶液を上下2本のローラ
ー間に通して完全に除去した後、正極前駆体を過剰のイ
オン交換水(以下、単に「水」という。)に浸漬してN
MPを抽出した。この際に、NMPの水への拡散が円滑
になるように、抽出溶媒を攪拌した。その後、正極前駆
体を取り出して130℃で乾燥し、プレスした。プレス
後の正極前駆体の厚さは170μmであった。単位面積
当たりに充填された活物質と導電助剤の合計重量は21
mg/cm2であった。こうして正極内部に有孔性ポリ
マーを備えた。この内部の有孔性ポリマーが、電解液注
入後に有孔性ポリマー電解質となる。
【0030】次に、正極前駆体表面に有孔性ポリマー膜
を形成する。NMPに22wt%のP(VdF/HFP)を溶解したポリマ
ー溶液を、プレス後の正極前駆体表面にスクリーン印刷
により塗布し、NMPの抽出溶媒である過剰の水に浸漬し
た。この際に、NMPの水への拡散が円滑になるよう
に、抽出溶媒を攪拌した。その後、正極前駆体を取り出
して90℃で乾燥した。この作業を正極前駆体の両面に
対しておこなうことにより、表面に厚さ6μmの有孔性
ポリマー膜が一体としてなる正極を製造した。有孔性ポ
リマー膜の厚みは、スクリーン印刷に用いるメッシュサ
イズを変化させることにより制御した。
【0031】次に、負極の製造について説明する。グラ
ファイト81wt%、PVdF9wt%、NMP10w
t%を混合した合剤を厚さ14μmの銅箔の両面に塗布
し、90℃で乾燥してNMPを蒸発させて負極前駆体を
準備した。負極内部に有孔性ポリマー電解質を備えるた
めに正極の場合と同様の溶媒抽出工程を経た。溶媒抽出
後、負極を100℃で乾燥し、プレスした。プレス後の
負極の厚さは195μmであった。負極単位面積当たり
に充填された活物質と導電助剤の合計重量は13mg/
cm2であった。続いてこの負極前駆体の表面に正極と
同じ手順で同質の有孔性ポリマー膜を形成し、負極を製
造した。
【0032】得られた正極と負極とを重ねて渦状に巻い
たものを、底面直径15mm、高さ47.0mmのステンレスケー
ス中に挿入して円筒形電池を組み立てた。その後、1Mの
LiPF6を含むエチレンカーボネートと、ジエチルカ
ーボネートの混合(体積1:1)電解液を加え、最後に
60℃で48時間エージング処理を行い、公称容量80
0mAhの、本発明による電池(A)を完成した。電解
液量は、正極及び負極の孔体積を各密度から算出し、そ
の孔体積の100%とした。
【0033】[実施例2]有孔性ポリマー膜の厚みを、
スクリーン印刷に用いるメッシュサイズを変化させるこ
とにより、正極及び負極ともに12μmとした以外は、実
施例1と同形同質の電池(B)を完成した。
【0034】[実施例3]これは、電極前駆体の表面に
スクリーン印刷機を用いてポリマー分散液を塗布し、そ
の後分散媒を気化させて除去することにより、有孔性ポ
リマー膜を表面に一体的に形成してなる正極と負極を用
いた非水電解質二次電池を製作する好適な実施例であ
る。
【0035】正極前駆体の製作、および正極前駆体内部
への有孔性ポリマーの充填は前記実施例1と同一とし
た。次に、粒径4μmのP(VdF/HFP)粒子の30重量%分
散液(分散媒:水)を正極前駆体表面にスクリーン印刷
した後、100℃で熱処理することによって水を蒸発さ
せた。この処理を正極前駆体の両面に施し、表面に厚さ
6μmの有孔性ポリマー膜が一体的に形成された正極を
製造した。
【0036】負極前駆体の製作、および負極前駆体内部
への有孔性ポリマーの充填は前記実施例1と同一とし
た。次に、粒径4μmのP(VdF/HFP)粒子の分散液(分散
媒:水)を負極前駆体の表面に塗布した後、100℃で
熱処理することによって水を蒸発させた。この処理を負
極前駆体の両面に施し、表面に厚さ6μmの有孔性ポリ
マー膜が一体的に形成された負極を製造した。その後の
処理は上記実施例1と同一とし本発明による電池(C)
を完成した。
【0037】[実施例4]有孔性ポリマー膜の厚みを、
スクリーン印刷に用いるメッシュサイズを変化させるこ
とにより、正極及び負極ともに12μmとした以外は、実
施例3と同形同質の電池(D)を完成した。
【0038】[比較例1]スクリーン印刷法に代えてブ
レードコート法を用いて電極表面に有孔性ポリマー膜を
形成する以外は、実施例3と同一条件で比較用の電池
(E)を完成した。有孔性ポリマー膜の厚みは、ブレー
ドと電極前駆体表面との間隙を調節することで制御し
た。
【0039】[比較例2]スクリーン印刷法に代えてブ
レードコート法を用いて電極表面に有孔性ポリマー膜を
形成する以外は、実施例4と同一条件で比較用の電池
(F)を完成した。有孔性ポリマー膜の厚みは、ブレー
ドと電極前駆体表面との間隙を調節することで制御し
た。
【0040】[比較例3]各電極表面に有孔性ポリマー
膜を一体的に形成することに代えて、電極と別途に離型
シート上に形成した厚さ12μmの有孔性ポリマー膜を
離型シートから剥がし、これを正極と負極との間に介在
させて重ねて渦状に巻き、その後の処理は上記実施例1
と同一とした比較用の電池(G)を完成した。
【0041】[比較例4]有孔性ポリマー膜の厚みを、
スクリーン印刷に用いるメッシュサイズを変化させるこ
とにより、24μmとした以外は、比較例3と同形同質
の電池(H)を完成した。
【0042】[短絡発生率]本発明による電池(A)お
よび(C)、比較用の電池(E)および(G)をそれぞ
れ100個製作し、電池組み立て時の短絡発生頻度を検
証した。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】本発明による電池(A)および(C)、比
較用の電池(E)および(G)における正極・負極間の
距離はいずれも12μmであり、組み立て時に容易に短
絡が発生する条件である。比較用の電池(G)において
は、有孔性P(VdF/HFP)膜の強度が弱く、さらに静電気を
帯びやすく取り扱いが困難であり、短絡発生率が高かっ
た。比較用の電池(E)では、短絡の発生率をある程度
低下させることが可能であった。しかし、電極表面には
凹凸が存在し、凸な部分に対する有孔性P(VdF/HFP)の厚
みは非常に薄くなるために、この部分が短絡の原因とな
るものと考えられる。
【0045】これに対して、本発明による電池(A)お
よび(C)は、有孔性P(VdF/HFP)膜を電極表面に一体形
成しているために取り扱いが容易になっただけでなく、
有孔性ポリマー膜が電極の凹凸に関係なく一定の厚みを
有するので、短絡の発生率をかなり減少させることが可
能となったものと考えられる。
【0046】[放電性能]次に、本発明による電池
(B)および(D)、比較用の電池(F)および(H)
を、室温において1CAの電流で4.2Vまで充電し、
続いて4.2Vの定電圧で2時間充電した後、1CAの
電流で2.75Vまで放電した。そのときの放電曲線を
図3に示す。図中、□及び○の打点がそれぞれ電池
(B)及び(D)を示し、△及び▽が電池(F)及び
(H)を示す。
【0047】この結果から、本発明による電池(B)お
よび(D)は、比較用の電池(F)、(H)よりも優れ
た放電特性を有することが明らかとなった。これは比較
用の電池(F)は、電極と有孔性ポリマー膜と間に隙間
が存在し、隙間の部分では電解液が存在せず、リチウム
イオンが拡散できないために十分に放電できなかったも
のと考えられる。これに対して、本発明は電極本体と有
孔性ポリマー膜とが一体となっているために電極本体・
有孔性ポリマー膜との間に隙間が存在せず優れた高率放
電特性を有する電池を提供できる。さらに、本発明は電
極の凹凸に関係なく一定の厚みを有する有孔性ポリマー
膜を形成できるために、正極・負極間の移動に要する距
離が面方向に一様であり、結果として電流分布が均一と
なり、比較用の電池(H)よりも優れた充放電特性を有
する電池となったものと考えられる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば電極表面に形成される有孔性ポリマー膜が、電極本体
に密着し、しかも厚み及び孔径が均一であることから、
製造過程での短絡発生率が低く、得られる電池も優れた
充放電特性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法によって製造された負極の厚み
方向断面図であって、上層が有孔性ポリマー膜、下層が
負極前駆体を示す。
【図2】上記有孔性ポリマー膜の部分拡大図である。
【図3】実施例又は比較例で製造した電池の放電曲線で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 秀雄 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町 1番地 日本電池株式会社内 (72)発明者 矢ヶ崎 えり子 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 橋詰 正三 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 Fターム(参考) 5H014 AA02 AA04 AA06 BB03 BB05 BB08 CC01 EE05 EE08 EE10 5H029 AJ02 AJ14 AK03 AK16 AK18 AL02 AL03 AL06 AL07 AL08 AL12 AL18 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 CJ03 CJ12 CJ13 CJ18 DJ04 DJ07 EJ11 EJ12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に有孔性ポリマー膜が一体的に形成さ
    れた電極の製造方法において、 ポリマーを溶媒aに溶解又は分散媒cに分散させたポリ
    マー含有液Aを、活物質を備えた電極前駆体の表面にス
    クリーン印刷する第1の工程と、 前記ポリマー含有液Aを担持した電極前駆体から溶媒a
    又は分散媒cを除去する第2の工程とを含むことを特徴
    とする電極の製造方法。
  2. 【請求項2】スクリーン印刷する前に電極前駆体を厚さ
    方向にプレスする予備工程を含む請求項1に記載の製造
    方法。
  3. 【請求項3】ポリマー含有液Aがポリマー溶液A1であ
    って、電極前駆体から溶媒aを除去する手段が、電極前
    駆体を溶媒aと相溶性のある溶媒b中に浸けることによ
    り、溶媒aを抽出するものである請求項1又は2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリマー含有液Aがポリマー分散液A2で
    あって、電極前駆体から分散媒cを除去する手段が、分
    散媒cを気化させるものである請求項1又は2に記載の
    製造方法。
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