JP2001091370A - 流体温度推定装置 - Google Patents

流体温度推定装置

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JP2001091370A
JP2001091370A JP27328399A JP27328399A JP2001091370A JP 2001091370 A JP2001091370 A JP 2001091370A JP 27328399 A JP27328399 A JP 27328399A JP 27328399 A JP27328399 A JP 27328399A JP 2001091370 A JP2001091370 A JP 2001091370A
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egr
gas
fluid
temperature sensor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば過渡的に温度が急変する場合に温度セ
ンサの応答遅れがあったとしても、流体の実際の温度を
正確に推定できるようにする。 【解決手段】 温度センサ31が、流速が変化する流体
の温度を検出するとともに、流速推定手段52が流体の
流速を推定する。そして、温度補正手段53を、流速推
定手段52により推定された流速に応じて温度センサ出
力を補正するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の温度を推定
する流体温度推定装置に関し、特に流速が変化する流体
の温度を推定するのに用いて好適の、流体温度推定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば車両に搭載されるエン
ジンには、吸入空気の温度や排ガス再循環装置(EGR
装置)により再循環させる排ガスの温度等を計測すべく
温度センサが取り付けられており、これらの温度センサ
からの出力値をそのまま用いて吸入吸気量や排ガス再循
環量(EGR量)等を算出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術のように温度センサからの出力値をその
まま用いるのでは、例えば加減速時のように過渡的に温
度が急変する場合には、温度センサの応答遅れのため
に、現時点における実際の正確な流体の温度を得るのは
難しい。
【0004】例えば、加速時のように温度センサよりも
高温の流体(ガス,空気)が流れてくる場合には、実際
の流体の温度は高温であるにもかかわらず、温度センサ
の出力値は低いままであり、現時点における流体の温度
を正確に検出することができない。一方、減速時のよう
に温度センサよりも低温の流体(ガス,空気)が流れて
くる場合には実際の流体の温度は低温であるにもかかわ
らず、温度センサの出力値は高いままであり、現時点に
おける流体の温度を正確に検出することができない。
【0005】また、例えばこれらの温度センサからの出
力値を用いてEGR量,吸入空気量等の算出を行なった
としても、温度センサの出力値は現時点における流体
(ガス,空気)の正確な温度を示していないため、EG
R量,吸入空気量等として正確な算出値は得られない。
さらに、これらの算出値を基にして空気過剰率制御を行
なったとしても、精度の良い制御を行なうことはできな
い。
【0006】これを排ガスの面から見ると、温度上昇に
対する温度センサの応答遅れの場合、例えば加速時のよ
うに温度センサよりも高温の流体が急激に流れてくる場
合には、この温度センサからの出力値を用いて算出され
た空気過剰率λを用いると実際の空気過剰率λは小さく
なってしまうため、スモークが増大することになる。一
方、温度下降に対する温度センサの応答遅れの場合、例
えば減速時のように温度センサよりも低温の流体が急激
に流れてくる場合には、この温度センサからの出力値を
用いて算出された空気過剰率λを用いると実際の空気過
剰率λが大きくなってしまうため、NOX が増大するこ
とになる。このように、温度センサの応答遅れがある
と、排ガス特性を向上させうるような精度良い制御を行
なうのは難しい。
【0007】上述のように、温度センサの応答遅れのた
めに現時点における実際の正確な流体の温度を得るのは
難しいため、実際の正確な温度が得られるように、温度
センサの出力値に対して補正を加えることが行なわれて
いる。このような技術として、例えば特開平5−171
984号公報に開示された技術がある。この技術では、
空気重量流量測定に用いられる温度検出方法であって、
動特性を改良するために算出した温度値に補正値を印加
するようにしている。しかし、この技術では、伝達関数
の決定のために近似せざるを得ないので、これが精度上
不利になる。また、この技術では、ガス流速に関する応
答遅れの補正については考慮していない。
【0008】また、例えば特開平7−174043号公
報には、吸気温センサが内燃機関からの熱伝導による温
度上昇の影響を受けて、高精度に吸気温度計測ができな
いことを改善するために、検出された吸気温度を適切に
補正して高精度な吸気温度を得るようにした技術が開示
されている。しかし、この技術では、あくまでも定常で
の値がそのまま使用できると考えており、吸気温センサ
の応答遅れそのものを考慮していない。
【0009】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、例えば過渡的に温度が急変する場合等に温度
センサの応答遅れがあったとしても、流体の実際の温度
を正確に推定できるようにした、流体温度推定装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の流体温度推定装置では、温度センサによって
流速が変化する流体の温度が検出されるとともに、流速
推定手段によって流体の流速が推定される。そして、温
度補正手段によって、流速推定手段により推定された流
速に応じて温度センサ出力が補正される。
【0011】請求項2記載の本発明の流体温度推定装置
では、温度補正手段によって、流速推定手段により推定
された流速が増大するにつれて補正量が小さくなるよう
な特性に基づいて、温度センサ出力が温度センサ出力の
変化度合に応じて補正される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。本発明の一実施形態にかかる
流体温度推定装置について、図1〜図7を参照しながら
説明する。本実施形態にかかる内燃機関は、図2に示す
ように、ディーゼルエンジン(筒内噴射型内燃機関)1
として構成される。
【0013】このディーゼルエンジン1は、その燃焼室
2に吸気通路3及び排気通路4が接続されており、吸気
通路3と燃焼室2とが吸気弁5によって連通制御され、
排気通路4と燃焼室2とが排気弁6によって連通制御さ
れるようになっている。また、燃焼室2に臨むように燃
料噴射ノズル7も配設されており、この燃料噴射ノズル
7には燃料噴射ポンプから図示しないラックアクチュエ
ータにより制御されるラックの作動位置に応じた燃料が
供給されるようになっている。
【0014】また、吸気通路3には吸気絞り弁8が介装
されている。そして、この吸気絞り弁8の開度を絞るこ
とにより、後述するEGR量を増大させることができ
る。ところで、このディーゼルエンジン1には、排気通
路4に排出された排気ガスの一部を吸気通路に再循環さ
せるためのEGR装置(排気ガス再循環装置)15も設
けられている。
【0015】このEGR装置15は、吸気通路3と排気
通路4の上流側とを接続するように設けられた排気ガス
再循環通路(EGR通路)15aと、このEGR通路1
5aに取り付けられたEGRバルブ15bと、再循環さ
れる排ガスの温度を低下させるべく設けられたEGRク
ーラ15cとを備えて構成される。なお、本実施形態で
は、EGRバルブ15bは、単なる開閉弁ではなく、そ
の開度自体を変更できるような弁である。
【0016】このEGRバルブ15bはEGR用アクチ
ュエータ16に接続されており、後述するコントローラ
50によりEGR用アクチュエータ16の作動が制御さ
れ、これによりEGRバルブ15bの開度が調整されて
吸気通路3に還流される排気ガス(以下、EGRガス又
は還流ガスという)の流量が調整されるようになってい
る。
【0017】ここで、EGR用アクチュエータ16は、
真空ポンプ17によるEGRバルブ15bの制御室15
ba内へのバキュームの供給状態を電磁弁(ソレノイド
バルブ)18a,18bにより切り換えることで、その
作動位置が制御されるように構成されている。なお、E
GR用アクチュエータ16は、このような構成のものに
限定されるものではなく、作動位置を段階的に調整でき
るようなもの(例えばステッパモータ)を用いてもよ
い。また、EGR用アクチュエータ16は、バキューム
の給排により作動するものに限定されるものではなく、
EGRバルブ15bの開度を調整することができるもの
であれば、他の構成のものを用いてもよい。
【0018】このEGR用アクチュエータ16は、後述
するコントローラ(ECU)50に接続されており、こ
のコントローラ50からの制御信号に基づいてその作動
が制御されるようになっている。つまり、エンジン1の
運転状態に応じたコントローラ50からの制御信号に基
づいて、EGR用アクチュエータ16の電磁弁18a,
18bの作動が制御されるようになっている。
【0019】このようなEGRバルブ15bの開度制御
を行なうべく、本実施形態にかかるエンジン1には、E
GRガス温度センサ(EGRガス温度検出手段,絶対温
度センサ)31やEGRガス圧力センサ(EGRガス圧
力検出手段,絶対圧センサ)32,33が取り付けられ
ている。そして、これらのセンサ31,32,33はコ
ントローラ50に接続され、各センサ31,32,33
からの検出信号がコントローラ50へ送られるようにな
っている。
【0020】これらのほかにも、エンジン1には、吸気
温センサ(吸気温度検出手段,絶対温度センサ)34,
吸気圧センサ(吸気圧検出手段,絶対圧センサ)35,
クランク角センサ36等がの種々のセンサが配設されて
いる。そして、これらのセンサはコントローラ50に接
続され、各センサからの検出信号がコントローラ50へ
送られるようになっている。
【0021】なお、クランク角センサ36に基づいてエ
ンジン回転速度Neを算出しうるので、クランク角セン
サ36を便宜上エンジン回転速度センサ(エンジン回転
速度検出手段,エンジン回転数センサ)という。また、
吸気圧センサ35は、吸気圧、即ちエンジン1のブース
ト圧を検出するものであるため、ブースト圧センサ(ブ
ースト圧検出手段)ともいう。
【0022】また、エンジン1の負荷を検出するための
負荷センサ37も配設されており、この負荷センサ37
からの検出信号もコントローラ50へ送られるようにな
っている。この負荷センサ37としては、図示しないア
クセルペダルの開度(又はアクセル踏込量)を検出する
アクセル開度センサ(APS)を用いている。なお、負
荷センサ37は、図示しない燃料噴射ポンプのラック位
置を検出するラック位置センサを用いてもよい。
【0023】しかし、上述のように、EGRガス温度セ
ンサ(EGRガス温度検出手段,絶対温度センサ)31
を設け、このEGRガス温度センサ31の出力値を用い
てEGRバルブ15bの開度制御を行なうとしても、例
えば過渡的に温度が急変する場合には、EGRガス温度
センサ31の応答遅れのために流体(ガス,空気)の正
確な温度を得ることができない。つまり、例えば加速時
のようにEGRガス温度センサ31の近傍の流体の温度
よりも高温の流体が流れてくる場合や例えば減速時のよ
うにEGRガス温度センサ31の近傍の流体の温度より
も低温の流体が流れてくる場合には、EGRガス温度セ
ンサ31の応答遅れのために流体の正確な温度を得るこ
とができない。
【0024】このため、このEGRガス温度センサ31
からの出力値を用いて空気過剰率制御を行なったとして
も、精度良い制御を行なうのは難しい。例えば、温度上
昇に対するEGRガス温度センサ31の応答遅れの場合
には、実際の空気過剰率λが小さくなってしまうため、
スモークが増大することになる。一方、温度下降に対す
るEGRガス温度センサ31の応答遅れの場合には、実
際の空気過剰率λが大きくなってしまうため、NOX
増大することになる。
【0025】そこで、本実施形態では、EGRガス温度
センサ31を実際に段階的に温度設定された高温ガス
(又は低温ガス)中へ導入した場合のEGRガス温度セ
ンサ31の応答遅れ特性を基にして、現時点での流体温
度(ガス温度)を遅れなく計測できるようにしている。
これにより、その時点の流体量(空気量,ガス量)の正
確な値を算出できるようにし、これに基づいて算出され
た正確な空気過剰率に基づいて精度良いEGR制御が行
なえるようになっている。
【0026】すなわち、本実施形態では、温度センサ出
力を流体の流速により補正することで、現時点における
流体の実際の温度値を正確に推定し、このようにして推
定された温度値に基づいてEGR制御を行なうべく、コ
ントローラ(ECU,電子制御コントロールユニット)
50には、図1に示すように、EGR量設定手段51
と、流速推定手段52と、温度補正手段53と、空気過
剰率設定手段54と、EGR制御手段55とが備えられ
ている。
【0027】ここで、EGR量設定手段51は、EGR
バルブ15bを通過するガス量(EGR量,EGR重量
流量)を、EGRバルブ15bの前後の圧力P1,P2
(絶対圧力)とEGRバルブ15bの前のガス温度T1
(絶対温度)から次のようにして求めるようになってい
る。 (a)EGRバルブ15bの前後の差圧が小さい場合 EGRバルブ15bを通過するEGR量(EGRガスの
重量流量)Gegr は、EGRバルブ15bの上流のEG
Rガスの比重量をγ1とし、EGRガスの体積流量をQ
egr とし、EGRバルブリフトに相応した有効開口面積
(流量係数を含む)をA1とし、EGRバルブ15bを
通過するEGRガスの流速をvegr として、次式(1)
により求められる。
【0028】 Gegr =γ1×Qegr =γ1×A1×vegr ・・・(1) ここで、EGRバルブ15bを通過するEGRガスの流
速vegr は、EGRバルブ15bの前後の圧力P1,P
2の差圧をΔP=P1−P2とすると、次のベルヌイの
式(2)から求められる。
【0029】但し、重力加速度をgとし、EGRバルブ
15bの上流のEGRガスの比重量をγ1〔=P1/
(R1×T1)〕とする。なお、R1はガス定数であ
る。 vegr =(2g×ΔP/γ1)1/2 =〔2g×ΔP/{P1/(R1×T1)}〕1/2 ・・・(2) したがって、上述の式(1)は以下のように表される。
【0030】Gegr =A1×〔2g×{P1/(R1×
T1)}×ΔP〕1/2 (b)EGRバルブ15bの前後の差圧が大きい場合 EGRバルブ15bを通過するEGR量Gegr は、EG
Rバルブリフトに相応した有効開口面積(流量係数を含
む)をA1とし、EGRバルブ15bを通過するEGR
ガスの流速をvegr とし、EGRバルブ15bの上流の
EGRガスの比重量をγ1〔=P1/(R1×T1)〕
として、次式(4)により算出される。なお、κはガス
の比熱比であり、R1はガス定数である。
【0031】また、EGRバルブ15b部分を絞り(ノ
ズル)と見なすと、EGRバルブ15bを通過するEG
Rガスの流速vegr は、圧縮性流体のノズルの式(3)
から求められる。 vegr =〔2g×{κ/(κ−1)}×R1×T1 ×{1−(P2/P1)(κ−1)/κ}〕 ・・・(3) Gegr =γ1×A1×vegr =A1×〔2g×{κ/(κ−1)}×P1/(R1×T1)1/2 ×{1−(P2/P1)(κ−1)/κ}〕 ・・・(4) なお、上述の(a), (b)のいずれの場合も、EGRバ
ルブ15bを通過するEGRガスの流量vegr は、ガス
温度の平方根に逆比例する。したがって、温度計測誤差
がEGR量に影響を及ぼす程度は、温度計測誤差の1/
2である。
【0032】ところで、流速推定手段52は、EGR量
設定手段51により設定されたEGR量Gegr に基づい
てEGRガスの流速vegr を推定するものである。ここ
では、流速推定手段52は、EGRガスの重量流量をG
egr とし、EGRバルブリフトに相応した有効開口面積
(流量係数を含む)をA1とし、EGRバルブ15bの
上流のガスの比重量をγ1として、次式(5)によりE
GRバルブを通過するEGRガスの流速vegr を推定す
るものである。
【0033】 vegr =Gegr /(A1×γ1) ・・・(5) ここで、比重量γ1は、EGRガス温度センサ31によ
り検出された温度値をT1とし、EGRガス圧力センサ
32により検出された圧力値をP1とし、ガス定数をR
1として、次式(6)により表される。 γ1=P1/(R1×T1) ・・・(6) このため、上述の式(5)は、次式(7)により表せ
る。
【0034】 vegr =Gegr /〔A1×P1/(R1×T1)〕 ・・・(7) つまり、EGRガスの流速vegr は、EGR量設定手段
51で求められたEGRガスの重量流量Gegr と、EG
Rバルブ15bの開度から算出される有効開口面積(流
量係数を含む)A1と、EGRガス圧力センサ32によ
り検出された圧力値P1と、EGRガス温度センサ31
により検出された温度値T1と、ガス定数R1とから算
出される。
【0035】温度補正手段53は、所定時間Δtの温度
勾配θに応じた温度差ΔΘを求め、この温度差ΔΘに基
づいて実際のEGRガスの温度Tgas を推定するもので
ある。ここでは、温度補正手段53は、流速推定手段5
2により推定されたEGRバルブ15bを通過するEG
Rガスの流速vegr に基づいて温度差ΔΘを求めるよう
になっている。
【0036】ところで、EGRガス温度センサ31によ
り計測される温度値の変化特性は、以下に示すようにな
る。ここでは、EGRガス温度センサ31を流体中に投
げ入れることは、EGRガス温度センサ31を固定した
場合に急にこの温度の流体が流れてくることと同じであ
ると考える。まず、温度上昇時、即ちEGRガス温度セ
ンサ31の近傍の流体の温度よりも高温の流体が流れて
くる時の温度センサ出力の変化特性は、図3(A),
(B)に示すようになる。
【0037】図3中、Aは、室温(RT)から573K
(300℃)の流体中にEGRガス温度センサ31を投
げ入れたときの温度センサ出力例を示している。図3
中、Bは、室温(RT)から473K(200℃)の流
体中にEGRガス温度センサ31を投げ入れたときの温
度センサ出力例を示している。図3中、Cは、室温(R
T)から373K(100℃)の流体中にEGRガス温
度センサ31を投げ入れたときの温度センサ出力例を示
している。
【0038】図3中、Dは、373K(100℃)から
673K(400℃)の流体中にEGRガス温度センサ
31を投げ入れたときの温度センサ出力例を示してい
る。図3中、Eは、373K(100℃)から573K
(300℃)の流体中にEGRガス温度センサ31を投
げ入れたときの温度センサ出力例を示している。図3
中、Fは、373K(100℃)から473K(200
℃)の流体中にEGRガス温度センサ31を投げ入れた
ときの温度センサ出力例を示している。
【0039】一方、温度下降時、即ちEGRガス温度セ
ンサ31の近傍の流体の温度よりも低温の流体が流れて
くる時の温度センサ出力の変化特性は、図4に示すよう
になる。図4中、Gは、初期温度573K(300℃)
から373K(100℃)の流体中にEGRガス温度セ
ンサ31を投げ入れたときの温度センサ出力例を示して
いる。
【0040】図4中、Hは、初期温度573K(300
℃)から室温(RT)の流体中にEGRガス温度センサ
31を投げ入れたときの温度センサ出力例を示してい
る。このように、温度上昇時及び温度下降時のいずれの
場合も、センサ初期温度(例えばA,B,Cの場合のR
T)と流体温度との温度差(ΔΘ)が大きければ大きい
ほど、単位経過時間(Δt)に対する温度変化量(Δ
T)の比(図示RTからの傾き:温度勾配と称する)θ
=ΔT/Δtは大きくなるという特性がある。このよう
な温度勾配θと温度差ΔΘとの間の特性は、図5に示す
ようになる。
【0041】このような温度勾配θと温度差ΔΘとの間
の特性は、ガス流速vegr の影響を受ける。つまり、図
5に示すように、ガス流速が大きい場合は、熱伝達率も
大きくなるので、同じ温度差ΔΘでも温度勾配(比)θ
は大きくなる。逆に、ガス流速が小さい場合は、熱伝達
率が小さくなるので、同じ温度差ΔΘでも温度勾配
(比)θは小さくなる。
【0042】このため、図5に示すような温度勾配θと
温度差ΔΘとの間の特性マップをガス流速をパラメータ
として予め用意しておき、このマップを用いて温度勾配
θから温度差ΔΘを求めるようにしている。このため、
温度補正手段53は、温度上昇時は、所定時間(Δt
0)における温度変化ΔT0から求められた温度勾配θ
0と、EGR通路(管路)15a内のEGRガスの流速
egr とから、図5に示すようなマップにより温度差Δ
Θ0を求め、この温度差ΔΘ0と、所定時間Δt0前の
センサ温度T0とから、次式(8)により現時点におけ
る実際のEGRガスの温度Tgas を推定するようになっ
ている。
【0043】 Tgas =ΔΘ0+T0 ・・・(8) これによれば、常に次の時間間隔において別の温度勾配
θが求まり、それに対する温度差ΔΘが決まるので、刻
々、ガス流速vegr に応じてEGRガスの現時点での温
度を推定していくことができる。一方、温度下降時は、
図5に示すような特性図をそのまま用いて温度を推定す
ることができる。
【0044】ここでは、温度下降時には温度勾配θ0は
負値になるので、まずθ0の符号の判別を行ない、負の
時は温度勾配θ0の絶対値をとり、これに基づいて図5
により温度差ΔΘを求めると、次式(9)のような関係
が成り立つ。 −ΔΘ=Tgas −T0 ・・・(9) このため、この温度差ΔΘ0と、所定時間Δt0前のセ
ンサ温度T0とから、次式(10)により現時点におけ
る実際のEGRガスの温度Tgas を推定するようになっ
ている。
【0045】 Tgas =T0−ΔΘ ・・・(10) このようにして実際のEGRガスの温度Tgas が推定さ
れ、このようにして推定された実際のEGRガスの温度
gas に基づいて、EGR量設定手段51によりEGR
量Gegr が設定される。EGR量設定手段51は、EG
Rバルブ15bの前後の圧力P1,P2(絶対圧力)
と、EGRバルブ15bの前のガス温度(絶対温度)T
1とから温度補正手段53により補正されて算出された
補正温度値T1′を用いて、EGRバルブ15bを通過
するガス量(EGR量,EGR重量流量)Gegr を算出
し、これをEGR量(EGR重量流量)として設定する
ようになっている。なお、具体的な算出方法は、上述の
ガス温度(絶対温度)T1を用いてEGR量Gegr を算
出する場合と同様であるため、ここではその説明を省略
する。
【0046】空気過剰率設定手段54は、EGR量設定
手段51により設定されたEGR量Gegr に基づいて、
空気過剰率λを算出するものである。ここでは、EGR
量設定手段51により設定されたEGR量Gegr を用い
て、まず吸入空気量Ga を算出し、この吸入空気量Ga
から空気過剰率λを算出するようになっている。
【0047】まず、吸入空気量Ga は、以下のようにし
て算出される。ここでは、EGRガスを導入し、吸入新
気とEGRガスとを混合しているため、筒内に導入され
るガス量Gcyl は、吸入新気量をGa とし、EGR量を
egrとして、次式(11)により算出される。 Gcyl =Ga +Gegr ・・・(11) ここでは、筒内に導入されるガス量Gcyl は、インマニ
温度(絶対温度)Tma ni,インマニ圧(絶対圧)Pmani
で定義された体積効率ηvを用いて、次式(12)によ
り算出される。
【0048】 Gcyl =〔Ne×Vh×γmani(Pmani,Tmani)×ηv〕/120 ・・・(12) ここで、エンジン回転速度をNeとし、エンジン行程容
積をVhとし、インマニ内の空気の比重量(kg/
3 )をγmani(Pmani,Tmani)とする。比重量γ
mani(Pmani,Tmani)は、インマニ圧力(絶対圧)を
maniとし、インマニ温度(絶対温度)をTmaniとし
て、次式(13)により表される。なお、ガス定数をR
3〔kg・m/(kg・K)〕とする。
【0049】 γmani=Pmani/(R3×Tmani) ・・・(13) 体積効率ηvは、インマニ温度Tmaniによって変化する
ため、温度変化にかかわらず体積効率ηvは一定として
取り扱って単にエンジン回転速度Ne,負荷に対して体
積効率ηvを求めるのではなく、インマニ温度Tmani
影響も取り入れ、体積効率ηvを求める際に温度補正を
行なうようにしている。これにより、正確に求められた
体積効率ηvを用いて吸入空気量Ga を正確に算出する
ことができるようになる。
【0050】ここでは、基準インマニ温度をTmani0と
し、この基準インマニ温度Tmani0に対する基準体積効
率をηv0とし、体積効率指数をmとして、任意のイン
マニ温度Tmaniに対する体積効率ηvを、エンジン回転
速度Ne,負荷毎に、次式(14)により求める。 ηv/ηv0=(Tmani/Tmani0)m ・・・(14) 具体的には、まず対象となるエンジン1について、エン
ジン回転速度Ne,負荷毎にインマニ温度Tmaniと体積
効率ηvとの間の特性を台上試験によって求める。
【0051】ここで、図6はインマニ温度Tmaniと体積
効率ηvとの間の特性例を示す図である。なお、図6は
所定のエンジン回転速度Ne,負荷に対する体積効率η
vをインマニ温度Tmani毎にプロットし、その特性を直
線で示したものである。また、インマニ温度Tmaniに対
する体積効率ηvの変化は噴射時期等にかかわらず、図
6に示すようになる。
【0052】次に、このようなインマニ温度Tmaniと体
積効率ηvとの間の特性に基づいて、体積効率ηvを算
出するためのマップを作成する。つまり、各エンジン回
転速度Ne,負荷毎に、基準インマニ温度Tmani0(例
えば約25℃)に対する基準体積効率ηv0を台上試験
により計測し、これを基準インマニ温度Tmani0(例え
ば約25℃)におけるエンジン回転速度Ne,負荷と基
準体積効率ηv0とを対応づけた基準体積効率マップを
作成する。
【0053】また、各エンジン回転速度Ne,負荷毎
に、インマニ温度Tmaniと体積効率ηvとの関係を示す
特性を台上試験により計測し、これに基づいて各エンジ
ン回転速度Ne,負荷毎の体積効率指数mも求め、これ
を基準インマニ温度Tmani0(例えば約25℃)におけ
るエンジン回転速度Ne,負荷と体積効率指数mとを対
応づけた体積効率指数マップを作成する。
【0054】そして、任意のインマニ温度Tmani,エン
ジン回転速度Ne,負荷に対する体積効率ηvを、基準
インマニ温度Tmani0(例えば約25℃),基準体積効
率マップから求められる基準体積効率ηv0,体積効率
指数マップから求められる体積効率指数mにより算出す
るようになっている。そして、吸入空気量Ga は、この
ようにして算出された筒内に導入されるガス量(吸入
量)Gcyl と、上述のEGR量Gegr とから、上述の式
(11)を変形した次式(15)により算出される。
【0055】 Ga =Gcyl −Gegr ・・・(15) ここでは、エンジン行程容積Vh,ガス定数R3は定数
であり、エンジン回転速度Ne,インマニ圧Pmani,イ
ンマニ温度Tmaniはそれぞれエンジン回転速度センサ3
6,吸気圧センサ35,吸気温センサ34により検出さ
れた検出値を用い、体積効率ηvは上述のように予め台
上試験により求められたものを用いて吸入空気量Ga
算出する。
【0056】なお、ここでは、インマニ圧Pmaniは絶対
圧センサにより検出される絶対圧としているため、大気
圧Pa を考慮する必要はないが、吸気圧センサ35が絶
対圧を検出するものでない場合は、大気圧センサを別に
設け、この大気圧センサにより検出される大気圧Pa
考慮する必要がある。次に、空気過剰率λは、上述のよ
うにして算出された吸入空気量Ga とEGR量Gegr
から算出されるようになっている。
【0057】ここで、空気過剰率λは、所期の出力特性
を得るための燃料噴射量(kg/s)をGfとし、理論
上1kgの燃料を完全燃焼するために必要な理論空気量
(kg/kg)をL0として、次式(16)により表さ
れる。なおEGR中の残存空気量をGa,e とする。 λ=(Ga +Ga,e )/(L0×Gf) =(Ga +Gegr )/(L0×Gf)−Gegr /Ga ・・・(16) このうち、燃料噴射量Gfは、エンジン回転速度センサ
36により検出されたエンジン回転速度、及び負荷セン
サ37により検出されたアクセル踏込量(アクセル開
度)等の負荷に基づいて、そのエンジン回転速度,負荷
領域での燃料噴射量マップから求めるようになってい
る。
【0058】EGR制御手段55は、空気過剰率設定手
段54により算出された空気過剰率λに基づいてEGR
バルブ15bの開度を制御すべく、EGRバルブ15b
へ制御信号を出力するようになっている。これにより、
EGRバルブ15bの開度が制御されて、吸気通路3内
へ再循環されるEGR量が調整される。
【0059】本発明の一実施形態にかかる流体温度推定
装置は、上述のように構成され、この装置による温度検
出は、以下のように行なわれる。つまり、図7のフロー
チャートに示すように、まずステップS10で、時刻t
(i),t(i+1)でのEGRガス温度センサ31の
出力値T(i),T(i+1)をそれぞれ読み込んで、
ステップS20で、時刻t(i+1)から時刻t(i)
を引いて時間Δt〔=t(i+1)−時刻t(i)〕を
算出する。ここでは、水温,吸気温等は、いずれも所定
周期毎(例えば500msec毎)に検出しているた
め、所定時間Δtは固定値(例えば500msec)と
なる。なお、時刻t(i)は前回の検出周期であり、時
刻t(i+1)は今回の検出周期である。
【0060】次に、ステップS30で、EGRガス温度
センサ31の出力値T(i+1)からEGRガス温度セ
ンサ31の出力値T(i)を引いて温度差ΔT〔=T
(i+1)−T(i)〕を算出する。そして、ステップ
S40で、温度差ΔTを所定時間Δtで除算して温度勾
配θ〔=ΔT/Δt〕を算出する。
【0061】次に、ステップS50で、温度勾配θが正
の値であるか、負の値であるかを判定する。つまり、温
度勾配θが0よりも大きいか否かを判定する。この判定
の結果、温度勾配θが0よりも大きいと判定した場合
は、ステップS60へ進み、EGRガス温度センサ31
の出力値T(i)を基にEGRバルブ15bを通過する
EGR量Gegr (i)を算出し、ステップS70へ進
む。
【0062】ステップS70では、EGRガスの温度計
測位置でのEGRガスの流速vegr(i)を次式により
算出する。 vegr (i)=Gegr (i)/(A1×γ1) 次いで、ステップS80で、この流速vegr (i)に応
じたマップから温度勾配θに基づいて温度差ΔΘを求
め、ステップS90へ進み、EGRガス温度Tga s を次
式により求める。
【0063】Tgas =ΔΘ+T(i) 次に、ステップS100で、このガス温度Tgas を使っ
てEGR量Gegr (i+1)を算出して、ステップS1
10へ進む。ステップS110で、EGR量Gegr (i
+1)からEGR量Gegr (i)を引いた値の絶対値が
微小量εよりも小さいか否かを判定し、この判定の結
果、EGR量Gegr (i+1)からEGR量G
egr (i)を引いた値の絶対値が微小量ε以上であると
判定した場合は、ステップS120へ進み、前回の検出
周期で検出されたEGRガス温度センサ31の出力値T
(i)に基づいて算出されたEGR量Gegr (i)をE
GR量Gegr (i+1)に更新して、ステップS70へ
戻り、以降、ステップS70からステップS110の処
理が繰り返される。
【0064】これにより、最初の推定に対しては、EG
Rガス温度センサ31からの出力値で決まる温度からE
GR量を算出して、ガス流速vegr を求めるので、精度
は劣るが、このような処理を数回繰り返すことで実際の
ガス流速vegr 及びガス温度に近い値に到達させること
ができることになる。その後、EGR量Gegr (i+
1)からEGR量Gegr (i)を引いた値の絶対値が微
小量εよりも小さいと判定したら、ステップS130へ
進み、この時のEGR量Gegr (i+1)をEGR量と
して設定する。
【0065】そして、ステップS140で、このEGR
量Gegr (i+1)に基づいて空気過剰率λを算出し
て、リターンする。ところで、ステップS50で、温度
勾配θが0以下であると判定した場合は、ステップS1
50へ進み、温度勾配θの絶対値をとり、ステップS6
0で、温度センサ出力T(i)を基にEGRバルブを通
過するEGR量Gegr (i)を算出し、ステップS17
0へ進む。
【0066】ステップS170では、温度計測位置の流
速vegr (i)を次式により算出する。 vegr (i)=Gegr (i)/(A1×γ1) 次いで、ステップS180で、この流速vegr (i)に
応じたマップから温度勾配θに基づいて温度差ΔΘを求
め、ステップS190へ進み、EGRガス温度Tgas
次式により求める。
【0067】Tgas =T(i)−ΔΘ 次に、ステップS200で、このEGRガス温度Tgas
(i+1)を使ってEGR量Gegr (i+1)を算出し
て、ステップS210へ進む。ステップS210で、E
GR量Gegr (i+1)からEGR量Gegr (i)を引
いた値の絶対値が微小量εよりも小さいか否かを判定
し、この判定の結果、EGR量Gegr (i+1)からE
GR量Gegr (i)を引いた値の絶対値が微小量ε以上
であると判定した場合は、ステップS220へ進み、前
回の検出周期で検出されたEGRガス温度センサ31の
出力値T(i)に基づいて算出されたEGR量G
egr (i)をEGR量Gegr (i+1)に更新して、ス
テップS170へ戻り、以降、ステップS170からス
テップS210の処理が繰り返される。
【0068】これにより、最初の推定に対しては、EG
Rガス温度センサ31からの出力値で決まる温度からE
GR量Gegr を算出して、ガス流速vegr を求めるの
で、精度は劣るが、このような処理を数回繰り返すこと
で実際のガス流速vegr 及びガス温度に近い値に到達さ
せることができることになる。その後、EGR量Gegr
(i+1)からEGR量Gegr (i)を引いた値の絶対
値が微小量εよりも小さいと判定したら、ステップS2
30へ進み、この時のEGR量Gegr (i+1)をEG
R量として設定する。
【0069】そして、ステップS240で、このEGR
量Gegr (i+1)に基づいて空気過剰率λを算出し
て、リターンする。したがって、本実施形態にかかる流
体温度推定装置によれば、過渡的に温度が急変する場合
にEGRガス温度センサ31自体に応答遅れがあったと
しても、流体の実際の温度を正確に推定することができ
るという利点がある。
【0070】特に、加減速時等の過渡的な運転状態にお
ける急激な温度変化が生ずる場合であっても、EGRガ
スの実際の温度を正確に推定することができ、これによ
り、EGR量を正確に算出することができる。このた
め、この算出値を基にして空気過剰率λの制御を行なう
ことで、精度良く、かつ応答性良く、空気過剰率制御を
行なうことができるという利点がある。
【0071】また、ある時間でのガス温度を遅れなく計
測することができ、これにより、その時のガス量の正確
な値を算出できるため、空気過剰率λの制御によって精
度の高い排ガスの制御が可能になるという利点がある。
つまり、温度上昇に対する遅れによって、実際の空気過
剰率λが小さくなってスモークが増大するのを防止でき
る一方、温度降下に対する遅れによって、実際の空気過
剰率λが大きくなってNOX が増大するのを防止でき、
いずれにしても、排ガスの精度良い制御を行なうことが
できるという利点がある。
【0072】また、ガス流速をパラメータとした温度勾
配θと温度差ΔΘとの関係を示すマップが、実測データ
を基に補間して作成されるため、精度をより高めること
ができるという利点がある。さらに、ガス流速に対する
応答遅れも考慮してマップを作成しているため、実際に
流れているガスの温度計測をより精度を良く行なうこと
ができる。
【0073】また、使用するEGRガス温度センサ31
は、シース,白金側温抵抗体,サーミスタ等であり、熱
伝導による誤差は、EGRガス温度センサ31をEGR
通路(管路)15aの中央に配しておけば、通常の自動
車用エンジンの管路の径を考慮するとほとんど誤差を生
じることなく、精度良く計測を行なえるという利点があ
る。
【0074】なお、上述の実施形態では、流体温度推定
装置により検出された温度を用いて空気過剰率λを算出
し、この空気過剰率λが目標空気過剰率になるようにE
GRバルブの開度制御を行なっているが、流体温度推定
装置により検出された温度の用途はこれに限られるもの
ではなく、例えば空気過剰率λが目標空気過剰率になる
ように吸入空気量の制御(即ちエアバイパスバルブやス
ロットルバルブの開度制御)を行なうようにしても良
い。
【0075】また、上述の実施形態では、EGR量の設
定に際して流速推定手段52によりEGRガスの流速を
推定し、これに基づいてEGRガス温度センサ31の出
力値を補正しているが、さらに、これと同様に、空気過
剰率設定手段54による空気過剰率λの設定に際しても
流速推定手段により吸入空気の流速を推定し、これに基
づいて温度補正手段により吸気温センサ34の出力値を
補正するようにしても良い。
【0076】この場合、流速推定手段は、吸入空気量G
a に基づいて吸入空気の流速vを推定するものとして構
成される。ここでは、流速推定手段は、吸入空気量をG
a とし、吸入空気の体積流量をQ a とし、エアバイパス
バルブ(又はスロットルバルブ)のリフトに相応した有
効開口面積(流量係数を含む)をA3とし、エアバイパ
スバルブ(又はスロットルバルブ)上流の吸入空気の比
重量をγ3〔=P3/(R3×T3)〕として、次式
(17)によりエアバイパスバルブ(又はスロットルバ
ルブ)を通過する吸入空気の流速va を推定するもので
ある。
【0077】 va =Ga /(A3×γ3) ・・・(17) ここで、比重量γ3は、吸気温センサ34により検出さ
れた温度値をT3とし、吸気圧センサ35により検出さ
れた圧力値をP3とし、ガス定数をR3として、次式
(18)により表される。 γ3=P3/(R3×T3) ・・・(18) このため、上述の式(17)は、次式(19)により表
せる。
【0078】 va =Ga /〔A3×P3/(R3×T3)〕 ・・・(19) また、温度補正手段は、所定時間Δtの温度勾配θに応
じた温度差ΔΘを求め、この温度差ΔΘに基づいて実際
の吸入空気の温度Tgas を推定するものである。ここで
は、温度補正手段は、流速推定手段により推定されたエ
アバイパスバルブ(又はスロットルバルブ)を通過する
吸入空気の流速va に基づいて温度差ΔΘを求めるよう
になっている。なお、温度補正手段による実際の吸入空
気の温度Tgas の具体的な推定方法は、上述の実施形態
と同様であるため、ここではその説明は省略する。
【0079】このように、空気過剰率λを算出する際に
求められる吸入空気量Ga は、上述のように体積効率η
vを用いて算出されるが、体積効率ηvもインマニ温度
ma niによって変化するが、吸入空気の流速に基づいて
吸気温センサ34の出力値を補正するため、従来の計測
法よりもはるかにセンサの応答遅れを改善することがで
き、体積効率ηvの見積もり精度を向上させることがで
きるという利点がある。
【0080】また、上述の実施形態では、流体の流速v
に応じて温度勾配θから温度差ΔΘを求め、この温度差
ΔΘを所定時間前の温度値に加算して流体の温度を推定
しているが、温度勾配θ、即ち温度の変化度合から補正
値を求め、この補正値を所定時間前の温度値に加算した
り、積算したりするなどして流体の温度を推定するよう
にしても良い。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2記載
の本発明の流体温度推定装置によれば、過渡的に温度が
急変する場合に温度センサ自体に応答遅れがあったとし
ても、流体の実際の温度を正確に推定することができる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる流体温度推定装置
の機能ブロック図を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる流体温度推定装置
を備える内燃機関の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる流体温度推定装置
に用いられる温度センサによる計測結果の温度上昇時の
時間変化例を示す図であり(A)は、室温からの温度セ
ンサ出力の時間変化例、(B)は初期温度100℃から
の温度センサ出力の時間変化例を示している。
【図4】本発明の一実施形態にかかる流体温度推定装置
に用いられる温度センサによる計測結果の温度下降時の
時間変化例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる流体温度推定装置
によるガス流速をパラメータとした温度勾配θと温度差
ΔΘとの関係を示すマップである。
【図6】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の過給圧
制御装置におけるインマニ温度に対する体積効率の変化
例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる流体温度推定装置
による流体温度検出制御を説明するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】
15b EGRバルブ 31 EGRガス温度センサ 32,33 EGRガス圧力センサ 34 吸気温センサ 35 吸気圧センサ 36 エンジン回転速度センサ 37 負荷センサ 50 コントローラ(ECU) 51 EGR量設定手段 52 流速推定手段 53 温度補正手段 54 空気過剰率設定手段 55 EGR制御手段
フロントページの続き Fターム(参考) 2F056 CL11 XA00 3G062 AA01 CA04 CA05 EA04 ED08 FA03 GA05 GA06 GA10 GA21 GA22 3G084 AA01 BA20 CA04 CA06 DA05 FA02 FA11 FA27 FA32 FA33 FA37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流速が変化する流体の温度を検出する温
    度センサと、 該流体の流速を推定する流速推定手段と、 該流速推定手段により推定された流速に応じて該温度セ
    ンサ出力を補正する温度補正手段とを備えることを特徴
    とする、流体温度推定装置。
  2. 【請求項2】 該温度補正手段が、該流速推定手段によ
    り推定された流速が増大するにつれて補正量が小さくな
    るような特性に基づいて、該温度センサ出力を該温度セ
    ンサ出力の変化度合に応じて補正するように構成される
    ことを特徴とする、請求項1記載の流体温度推定装置。
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