JP2001090769A - 油圧緩衝器の減衰力発生構造 - Google Patents

油圧緩衝器の減衰力発生構造

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JP2001090769A
JP2001090769A JP2000079336A JP2000079336A JP2001090769A JP 2001090769 A JP2001090769 A JP 2001090769A JP 2000079336 A JP2000079336 A JP 2000079336A JP 2000079336 A JP2000079336 A JP 2000079336A JP 2001090769 A JP2001090769 A JP 2001090769A
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valve
piston
damping force
cylinder
leaf
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Shizuka Sakai
静 坂井
Toshihiko Hidaka
俊彦 日高
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧緩衝器のピストン8がストロークの上方
域Su又は下方域Sdに侵入したときの減衰力を、スト
ロークの通常域Snよりも高くすること。 【解決手段】 ピストンバルブPV(ベースバルブB
V)は、リーフバルブ106,107の内周側(11
4,115の外周側)をバルブストッパ2の外面(シリ
ンダ21の内面)に緩挿し、リーフバルブに対向するデ
ィスク105(113)とこれを背面からリーフバルブ
側に付勢するバルブスプリング4(12)とを収容しバ
ルブストッパの外面(シリンダの内面)に上下動自在に
緩挿したキャップ103(111)の下端部をリーフバ
ルブの外縁部に当接させ、キャップの上面には、検知ス
プリング102(109)を載置して構成され、検知ス
プリングがロッドガイド24(ピストン8)に当接して
圧縮され押し下げ荷重を発生するストロークの上方域S
u(下方域Sd)で、押し下げ荷重をリーフバルブの撓
みの支持径となるシート面8A(16A)を支点とし
て、リーフバルブの内縁部を前記ディスク側に押し戻す
ように作用させ、伸側(圧側)減衰力を増大すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の懸架装置な
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生構造に
関し、特にピストンがストロークの上方域又は下方域に
侵入したときの減衰力を増加させる構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、例えば図
4に示すようなものが知られている。まず構造の概要を
図面に基づいて説明する。車体と車輪との間に結合部材
を介して取付けられる油圧緩衝器は、ピストンロッド1
にピストンバルブPVを組み付け、それを摺動自在に収
容するとともに下端部にベースバルブBVを装着したシ
リンダ21を外筒22に収容し、外気を遮断するシール
23とロッドガイド24とを収容したパッキンケース2
5を外筒22の上部から嵌挿した後、外筒22の上端部
を全周溶接等により密封して形成されている。そして、
シリンダ21と外筒22の間には下部に作動油を蓄えた
タンク室Dが形成される。
【0003】作動油の充満したシリンダ21内をピスト
ンロッド1が上昇する所謂伸側行程においては、密閉さ
れた上部室Aの作動油は、ピストンバルブPVを介して
下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により伸側減衰力
を発生する。ピストンロッド1の上昇によって不足する
ピストンロッド退出体積分の作動油は、前記シリンダ2
1の下端部に配設されたベースバルブBVを介して、タ
ンク室Dに連なる底部室Cより下部室Bに吸入される。
【0004】つぎに、油圧緩衝器のピストンバルブPV
について説明する。バルブストッパ2の外面には、外筒
部が数箇所作動油の通路として切欠かれた数本の支持脚
からなるキャップ3の基端部が嵌合している。キャップ
3の支持脚には、前記バルブストッパ2の外面にバルブ
スプリング4に背面から付勢されて上下動自在に嵌合す
るディスク5と、当該ディスク5の下面の開口窓5Bの
内筒部下端面5Cと外面にガイド8Dが巻着されたピス
トン8の円環状のシート面8Cとの間に、ディスク5側
のリーフバルブ6とシート面8C側の切欠きリーフバル
ブ7とが重畳されて開閉自在に収容される。
【0005】これらの部品を収容した前記キャップ3の
支持脚を、ピストン8の上面に設けられた円環状のシー
ト面8Cの外側に嵌着した状態で、ピストンロッドのイ
ンロー部1Aに嵌挿し、最後に、ピストンナット9をピ
ストンロッドのインロー部1Aのネジ部に螺着し、規定
の締付けトルクで締結することにより、ピストンバルブ
PVが構成される。
【0006】ピストンロッド1が上昇する伸側行程にお
いて、ピストン速度が小さく上部室Aとピストン上部の
開口部8Bとの圧力差が小さい所謂低速域においては、
上部室Aとピストン上部の開口部8Bの間はシート面8
Cに着座する図4(C)に示す切欠きリーフバルブ7の
切欠き7Aを介して連通しているので、切欠き7Aを通
過した圧油は、ピストン8に穿設されたポート8Aを介
して下部室Bに解放され、この際の通路抵抗により低速
域の伸側減衰力を発生する。
【0007】ピストン速度が増大して中速域に近づくに
つれ、上部室Aとピストン上部の開口部8B間の圧力差
が大きくなる。その結果、切欠きリーフバルブ7及びこ
の上面に重畳して配設されている図4(B)に示すリー
フバルブ6の内周側が、これらリーフバルブの合成され
た撓み剛性に打ち勝って、ディスク下面の開口窓5Bの
内筒部下端面5Cから押し開かれ、上部室Aの作動油が
ディスク5の通孔5Aを介して開口部8Bに解放され
る。解放された作動油はピストンのポート8Aを介して
下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により図3の実線
で示すような伸側減衰力を発生する。
【0008】以上の説明は作動油の充満したシリンダ2
1内をピストンロッド1が上昇する伸側行程についてで
あるが、逆にピストンロッド1が下降する所謂圧側行程
においては、密閉された下部室Bの作動油の一部は、ピ
ストン8のポート8Aを通り、切欠きリーフバルブ7及
びリーフバルブ6の外周側をピストン8のシート面8C
から押し開き、負圧となる上部室Aに補充される。この
分を除いた下部室Bの作動油は、シリンダ21の下端部
に装着されたベースバルブBVを介して底部室Cに流出
し、この際の通路抵抗により圧側減衰力を発生する。
【0009】続いて、シリンダ21の下端部に装着され
たベースバルブBVについて説明する。外筒部が数箇所
作動油の通路として切欠かれたキャップ11の支持脚に
は、バルブスプリング12に背面から付勢されて上下動
自在に案内されるディスク13と、当該ディスク13に
穿設された通孔13Aに連なる開口窓13Bの内周側シ
ート面13Cとバルブケース16の上面に形成された円
環状のシート面16Aとの間に、ディスク側に図4
(B)と同様なリーフバルブ14,シート面側に図4
(C)と同様な切欠きリーフバルブ15とが重畳され開
閉自在に挟持されて収容され、これらの部品を収容した
前記キャップ11の数本の支持脚が、シリンダ21の下
端部に圧入されたバルブケース16のシート面16Aの
外周側に嵌着されてベースバルブBVが構成される。
【0010】ピストンロッド1が下降する圧側行程にお
けるピストン速度の低速域において、上部室Aに補充さ
れる分を除いた下部室Bの圧油は、外周側の一部を切り
欠いた切欠きリーフバルブ15の切欠き15Aを通り底
部室Cに流出し、この際の通路抵抗により低速域の圧側
減衰力を発生する。
【0011】また、ピストン速度が増大する中速域以降
においては、下部室Bからディスク13の通孔13Aを
介して開口窓13Bに導かれた圧油が、切欠きリーフバ
ルブ15及びこれに重畳されたリーフバルブ14の内周
側を押し開いて、ピストンロッド1の進入体積分の作動
油を下部室Bから底部室Cに排出し、その際の通路抵抗
により図3の実線で示すような圧側減衰力を発生する。
【0012】逆に、ピストンロッド1が上昇する伸側行
程においては、キャップ11の支持脚に上下動自在に案
内され、ディスク13を介してバルブスプリング12に
付勢されるリーフバルブ14,切欠きリーフバルブ15
の外周側を押し開いて、ピストンロッド1の退出体積分
の作動油をタンク室Dに連なる底部室Cから負圧となる
下部室Bに吸入する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の様にピストン速
度の低速域においては、上流側の作動油は外周側の一部
を切り欠いた切欠きリーフバルブの切欠きを通り、また
中速域以降においてはこの通路に加え、切欠きリーフバ
ルブ及びこれに重畳されたリーフバルブの内周側を押し
開いて下流側に流出し、この際の通路抵抗により減衰力
を発生する。そしてこの減衰力は、図3の実線で示すよ
うにストローク全域に亘りほぼ一定である。車両の乗り
心地をよくするために減衰力を低くすると、道路のうね
り等を通過する際の大振幅の上下振動の減衰が不十分で
あるため、ピストンがストロークの上方域又は下方域に
接近して所謂伸びきり又は底突きが発生し、車両の乗り
心地を逆に悪化させてしまう。
【0014】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、ピストンがス
トロークの上方域又は下方域に侵入したときの減衰力
を、ストロークの通常域よりも高くすることのできる油
圧緩衝器を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、「シリンダ上
端部をピストンロッドを出没自在に案内するロッドガイ
ドにより覆蓋する一方、シリンダ内を上部室と下部室と
に区画しシリンダ内に摺動自在に案内されるピストンを
ピストンロッドの下端部に結合して、当該ピストンに配
設されたピストンバルブによりピストンロッドが伸長す
る際の伸側減衰力を制御するとともに、シリンダ内を下
部室とタンク室に連通する底部室とに区画するバルブケ
ースをシリンダ下端部に嵌着して、当該バルブケースに
配設されたベースバルブによりピストンロッドが下降す
る際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器」を前提とする
ものである。
【0016】課題を解決するため本発明の採った第1の
手段は、「ピストンバルブは、ピストンロッドの下端部
に嵌挿されたバルブストッパの外周側に、リーフバルブ
と、当該リーフバルブに対向するディスクと、当該ディ
スク及びこれを背面からリーフバルブ側に付勢するバル
ブスプリングを収容したキャップの基端部とを上下動自
在に案内するとともに、前記リーフバルブの外縁部に、
前記キャップの下端部を当接させる一方、当該キャップ
の上面には検知スプリングを載置して構成され、当該検
知スプリングが前記ロッドガイドに当接して圧縮され押
し下げ荷重を発生するストロークの上方域において、当
該押し下げ荷重を前記リーフバルブの撓みの支持径とな
るピストンのシート面を支点としてリーフバルブの内縁
部を前記ディスク側に押し戻すように作用させ、伸側減
衰力を増大すること」である。上記リーフバルブとバル
ブストッパの嵌合部には、リーフバルブの内側にバルブ
ストッパの外周側に案内される支持脚を3個以上等分し
て突設し、当該支持脚間に通路としての開口部を形成し
てもよいし、座金状のリーフバルブを案内するバルブス
トッパの外周側嵌合部に、リーフバルブを跨ぐ通路とし
ての切欠きを形成してもよい。
【0017】また第2の手段は、「ベースバルブは、リ
ーフバルブの外周側をシリンダの内面に緩挿するととも
に、当該リーフバルブに対向するディスクとこれを背面
からリーフバルブ側に付勢するバルブスプリングとを収
容し且つシリンダの内面に上下動自在に緩挿したキャッ
プの下端部を、前記リーフバルブの外縁部に当接させる
一方、当該キャップの上面には検知スプリングを載置し
て構成され、当該検知スプリングが前記ピストンに当接
して圧縮され押し下げ荷重を発生するストロークの下方
域において、当該押し下げ荷重を前記リーフバルブの撓
みの支持径となるバルブケースのシート面を支点として
リーフバルブの内縁部を前記ディスク側に押し戻すよう
に作用させ、圧側減衰力を増大すること」である。
【0018】上記検知スプリングには、上端に例えばナ
イロン或いはウレタン等の樹脂製又は金属製素材にナイ
ロン或いはウレタン等の樹脂をコーティングしたガイド
を嵌着し、当該ガイドをシリンダ内に上下動自在に緩挿
するか、或いは、検知スプリングを例えば燐青銅等のシ
リンダ材とは異なる材質、又は、ナイロン或いはウレタ
ン等の樹脂をコーティングしたばね鋼材で製作すること
により、シリンダ内面の傷付きを防止することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係わる油圧緩衝器は、図
4の従来技術と同じ基本構造を備え、ピストンロッド1
がその下端部に装着されたピストンバルブPVを介し
て、シリンダ21内に移動自在に挿入されるとともに、
上部室Aと下部室Bを区画する。また、シリンダ21の
下端部にはベースバルブBVが設けられ、同じく下部室
Bと底部室Cを区画している。
【0020】前記従来技術の課題を解決するには、ピス
トン8がストロークの上方域Su又は下方域Sdに侵入
したときの減衰力を、図3の破線で示すように、ストロ
ークの通常域Suの実線で示す通常の減衰力よりも高く
して、ピストン8の速度を減速する構造にすればよい。
以下、本発明の第1実施形態を図1に基づき、従来技術
と異なる部分にのみ異なる符号を付して説明する。
【0021】まず、ピストンロッド1の下端部に装着さ
れるピストンバルブPVについて説明する。ピストンロ
ッド1の下端インロー部1Aにはバルブストッパ2が嵌
合し、当該バルブストッパ2の外面には、キャップ10
3の基端部が嵌合している。外筒部を数箇所作動油の通
路として切欠いたキャップ103の支持脚には、バルブ
スプリング4と当該バルブスプリング4に背面から付勢
されるディスク105が収容されている。
【0022】そして、前記ディスク105の内周側シー
ト面105Cと、ピストン8の上面に形成された円環状
のシート面8Cとの間に、ディスク105側に切欠きリ
ーフバルブ107及びシート面8C側にリーフバルブ1
06が重畳されて開閉自在に挟持され、これらリーフバ
ルブ107,106の支持脚107A,106Aと前記
ディスク105の内周が、共にバルブストッパ2の外面
に上下動自在に案内されている。
【0023】ここで、ピストンバルブPV側の切欠きリ
ーフバルブ107は、図1(B)に示すように、内側に
3等分して突出させた支持脚107Aがバルブストッパ
2の外面に上下動自在に案内される。当該支持脚107
Aの間は、作動油の通路となる開口部107Bとなって
おり、当該開口部107Bから放射状に切欠き107C
が設けられている。図1(C)に示すリーフバルブ10
6も同様に、支持脚106Aがバルブストッパ2の外面
に上下動自在に案内されるとともに、支持脚106Aの
間は、作動油の通路となる開口部106Bとなってい
る。
【0024】また、切欠きリーフバルブの切欠きを、図
1(B)に鎖線で示す107Dのように外周側に設ける
場合は、切欠きリーフバルブをピストン8側に組み付
け、リーフバルブ106をディスク105側に組み付け
ればよい。いずれの場合も、リーフバルブ106,10
7の外縁部に前記キャップ103の支持脚の下端部が当
接し、ピストンバルブPVが構成される。
【0025】続いて、シリンダ21の下端部に装着され
るベースバルブBVについて説明する。外筒部が数箇所
作動油の通路として切欠かれたキャップ111の支持脚
には、バルブスプリング12に背面から付勢されて上下
動自在に案内されるディスク113が収容されている。
【0026】そして、前記ディスク113の内周側シー
ト面113Cと、シリンダ21の下端部に嵌着されたバ
ルブケース16の上面に形成された円環状のシート面1
6Aとの間に、ディスク側に切欠きリーフバルブ115
及びバルブケース側にリーフバルブ114が重畳されて
開閉自在に挟持され、これらリーフバルブ114,11
5の外縁部に、前記キャップ111の支持脚の下端部が
当接し、ベースバルブBVが構成される。ここでキャッ
プ111は、シリンダ21の一部をロール加工等により
縮径した内面突起21Aに上端隅角部が当接した状態
で、シリンダ21の内面に上下動自在自在に緩挿されて
いる。
【0027】つぎに、上部室A側の検知スプリング10
2又は下部室B側の検知スプリング109のいずれもロ
ッドガイド24又はピストン8に当接しないストローク
の通常域Snにおける油圧緩衝器の作動について説明す
る。ピストンロッド1が上昇する伸側行程におけるピス
トン速度の低速域において、上部室Aの圧油は、内周側
の一部を切り欠いた切欠きリーフバルブ107の切欠き
107Cを通り、切欠きリーフバルブの開口部107
B,リーフバルブの開口部106Bを介して下部室Bに
流出し、この際の通路抵抗により低速域の伸側減衰力を
発生する。
【0028】また、ピストン速度の増大する中速域以降
においては、上部室Aからディスク105の通孔105
Aを介して開口窓105Bに導かれた圧油が、切欠きリ
ーフバルブ107及びこれに重畳されたリーフバルブ1
06の内周側を押し開き、開口部107B,106Bを
介して下部室Bに排出され、その際の通路抵抗により、
図3の実線で示すような中速域以降の伸側減衰力を発生
する。負圧となる下部室Bには、ベースバルブBV側の
ディスク113を押し上げて、タンク室に連なる底部室
Cから作動油が補充される。
【0029】同様に、ピストンロッド1が下降する圧側
行程におけるピストン速度の低速域において、上部室A
に補充される分を除いた下部室Bの圧油は、内周側の一
部を切り欠いた切欠きリーフバルブ115の切欠き11
5Aを通り底部室Cに流出し、この際の通路抵抗により
低速域の圧側減衰力を発生する。
【0030】また、ピストン速度の増大する中速域以降
においては、下部室Bからディスク113の通孔113
Aを介して開口窓113Bに導かれた圧油が、切欠きリ
ーフバルブ115及びこれに重畳されたリーフバルブ1
14の内周側を押し開いて、ピストンロッド1の進入体
積分の作動油を下部室Bから底部室Cに排出し、その際
の通路抵抗により、図3の実線で示すような中速域以降
の圧側減衰力を発生する。
【0031】続いて、上部室A側の検知スプリング10
2又は下部室B側の検知スプリング109がロッドガイ
ド24又はピストン8に当接するストロークの上方域S
u又は下方域Sdにおける油圧緩衝器の作動について説
明する。ピストンバルブPVとベースバルブBVは作動
が類似しているので、以下、ピストンバルブPV(ベー
スバルブBV)の形式で一緒に説明する。
【0032】ピストンロッド1がストロークの上方域S
u(下方域Sd)に侵入し、ガイド101(108)が
ロッドガイド24(ピストン8)の下端部に当接する
と、検知スプリング102(109)は圧縮され、圧縮
量にばね常数を乗じた押し下げ荷重が、キャップ103
(111)を介してリーフバルブ106,107(11
4,115)の外縁部に付加される。
【0033】切欠きリーフバルブ107(115)及び
これに重畳されたリーフバルブ106(114)は、ピ
ストンのシート面8C(バルブケースのシート面16
A)で支持されているので、外縁部に検知スプリング1
02(109)の押し下げ荷重が付加されると、押し下
げ荷重がシート面8C(シート面16A)を支点とし
て、リーフバルブ106,107(114,115)の
内縁部をディスクの下面105C(113C)側に押し
戻すように作用する。
【0034】このため、リーフバルブ106,107
(114,115)の内縁部を下部室B(底部室C)側
に押し開く上部室A(下部室B)の圧力は、検知スプリ
ング102(109)の押し下げ荷重に応じて高くな
る。すなわち、ストロークの上方域Su(下方域Sd)
においては、検知スプリング102(109)の圧縮量
に応じて(伸側)圧側減衰力が増大する。
【0035】逆に、ストロークの上方域Su(下方域S
d)からピストンロッド1が反転下降(上昇)する場合
には、上部室A(下部室B)が負圧となるため、バルブ
スプリング4(12)の小さなばね力で背面から付勢さ
れているディスク105(113)が上方に押し上げら
れ、下部室B(底部室C)から上部室A(下部室B)に
作動油が補充される。
【0036】上記検知スプリング102,109の上端
に、例えばナイロン或いはウレタン等の樹脂製のガイド
101,108を嵌着して、シリンダ21の内面に上下
動自在に緩挿すれば、ピストン8が検知スプリング10
2,109の上端に当接する際の衝撃を緩和することが
できるとともに、検知スプリング102,109の伸縮
に伴うシリンダ21の内面の傷付きを防止することがで
きる。また、検知スプリング102,109を、シリン
ダ21と異なる材質例えば燐青銅製としても、同様にシ
リンダ21の内面の傷付きを防止することができる。
【0037】更に、検知スプリング102,109に例
えばナイロン或いはウレタン等のコーティングをする場
合には、当接する際の衝撃緩和及びシリンダ内面の傷付
き防止効果があるため、ガイド101,108を省略し
てもよい。
【0038】つぎに、本発明の第2実施形態を図2に基
づき、従来技術及び上記第1実施形態と異なる部分にの
み異なる符号を付し、重複する部分は特に必要がない限
り省略して説明する。
【0039】上記第1実施形態との相違点は、ピストン
バルブPV側の切欠きリーフバルブ206及びこれに重
畳された切欠きリーフバルブ207を、図4(B)及び
図4(C)と同様な座金状にして、外周側に図2(B)
に示すようにこれらリーフバルブ206,207を跨ぐ
通路としての扇型の切欠き202Aを形成したバルブス
トッパ202の外周に上下動自在に案内させるととも
に、リーフバルブ206,207の外縁部に、スプリン
グ4及び当該スプリング4により背面から付勢されたデ
ィスク205を収容したキャップ203の下端部を当接
させ、当該キャップ203の上側に検知スプリング10
2を載置したことである。なお、本実施形態は、検知ス
プリング上端のガイドを省略した例を示している。
【0040】ここで、ピストンバルブPV側の切欠きリ
ーフバルブ207は、図4(C)と同様に、外周側に切
欠き207Aが設けられる一方、座金状のリーフバルブ
206は、切欠きリーフバルブ207と内外径が同一で
ある。
【0041】つぎに、上部室A側の検知スプリング10
2又は下部室B側の検知スプリング109のいずれもロ
ッドガイド24又はピストン8に当接しないストローク
の通常域Snにおける油圧緩衝器の作動について説明す
る。ピストンロッド1が上昇する伸側行程におけるピス
トン速度の低速域において、上部室Aの圧油は、外周側
の一部を切り欠いた切欠きリーフバルブ207の切欠き
207Aを通って下部室Bに流出し、この際の通路抵抗
により低速域の伸側減衰力を発生する。
【0042】また、ピストン速度の増大する中速域以降
においては、上部室Aからディスク205の通孔205
Aを介して開口窓205Bに導かれた圧油が、切欠きリ
ーフバルブ207及びこれに重畳されたリーフバルブ2
06の内周側を押し開き、これらリーフバルブ206,
207を跨いでバルブストッパ202の外周側に設けら
れた切欠き202Aを介して下部室Bに排出され、その
際の通路抵抗により、図3の実線で示すような中速域以
降の伸側減衰力を発生する。負圧となる下部室Bには、
ベースバルブBV側のディスク113を押し上げて、タ
ンク室に連なる底部室Cから作動油が補充される。
【0043】ピストンロッド1がストロークの上方域S
uに侵入し、検知スプリング102がロッドガイド24
の下端部に当接すると、検知スプリング102は圧縮さ
れ圧縮量にばね常数を乗じた押し下げ荷重が、キャップ
203を介してリーフバルブ206,207の外縁部に
付加される。
【0044】切欠きリーフバルブ207及びこれに重畳
されたリーフバルブ206は、ピストンのシート面8C
で支持されているので、外縁部に検知スプリング102
の押し下げ荷重が付加されると、押し下げ荷重がシート
面8Cを支点として、リーフバルブ206,207の内
縁部をディスクの下面205C側に押し戻すように作用
する。このため、リーフバルブ206,207の内縁部
を下部室B側に押し開く上部室Aの圧力は、検知スプリ
ング102の押し下げ荷重に応じて高くなる。すなわ
ち、ストロークの上方域Suにおいては、検知スプリン
グ102の圧縮量に応じて伸側減衰力が増大する。
【0045】以上詳細に説明したように、本発明のいず
れの実施形態においても、伸側(圧側)行程におけるス
トロークの上方域Su(下方域Sd)では、検知スプリ
ング102(109)がロッドガイド24(ピストン
8)の下端部に当接して圧縮され、圧縮量に応じて伸側
(圧側)減衰力が増大する。ピストンロッド1には、ス
トロークの上方域Su(下方域Sd)で発生する大きな
伸側(圧側)減衰力が反力として加わるので、ストロー
クの上方域Su(下方域Sd)にまで上昇(下降)した
ピストンロッド1の上昇(下降)速度は速やかに減速さ
れ、油圧緩衝器の伸びきり(底突き)が防止されるとと
もに車両の乗り心地を改善することができる。
【0046】
【発明の効果】以下、本発明の効果を伸側(圧側)の形
式で一緒に説明する。本発明によれば、油圧緩衝器の伸
側(圧側)行程におけるストロークの上方域(下方域)
では、検知スプリングがロッドガイド(ピストン)の下
端部に当接して圧縮され、圧縮量にばね常数を乗じた押
し下げ荷重が、キャップを介してリーフバルブの外縁部
に付加される。押し下げ荷重は、ピストン(バルブケー
ス)のシート面を支点として、リーフバルブの内縁部を
ディスクの下面側に押し戻すように作用するため、リー
フバルブの内縁部を底部室側に押し開く上部室(下部
室)の圧力は、検知スプリングの押し下げ荷重に応じて
高くなる。すなわち、ストロークの上方域(下方域)に
おいては、検知スプリングの圧縮量に応じて伸側(圧
側)減衰力が増大する。ピストンロッドには、ストロー
クの上方域(下方域)で発生する大きな伸側(圧側)減
衰力が反力として加わるので、ストロークの上方域(下
方域)にまで上昇(下降)したピストンロッドの上昇
(下降)速度は速やかに減速され、油圧緩衝器の伸びき
り(底突き)が防止されるとともに車両の乗り心地を改
善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) 本発明の第1実施形態に係わる油圧緩
衝器の要部断面図である。 (B) 第1実施形態に係る切欠きリーフバルブの平面
図である。 (C) 第1実施形態に係るリーフバルブの平面図であ
る。
【図2】(A) 本発明の第2実施形態に係わる油圧緩
衝器の要部断面図である。 (B) 第2実施形態に係るバルブストッパの下部断面
図である。
【図3】本発明に係わる油圧緩衝器の上方域,下方域及
び通常域の減衰力特性である。
【図4】(A) 従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図
である。 (B) 従来技術に係る切欠きリーフバルブの平面図で
ある。 (C) 従来技術に係る下側リーフバルブの平面図であ
る。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 C 底部室 PV ピストンバルブ BV ベースバルブ Sd ストロークの下方域 Su ストロークの上方域 1 ピストンロッド 2,202 バルブストッパ 4,12 バルブスプリング 8 ピストン 8C (ピストンの)シート面 16 バルブケース 16A (バルブケースの)シート面 21 シリンダ 24 ロッドガイド 101,108 ガイド 102,109 検知スプリング 103,111,203 キャップ 105,113,205 ディスク 106,114,206 リーフバルブ 107,115,207 切欠きリーフバルブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ上端部をピストンロッドを出没自
    在に案内するロッドガイドにより覆蓋する一方、シリン
    ダ内を上部室と下部室とに区画しシリンダ内に摺動自在
    に案内されるピストンをピストンロッドの下端部に結合
    して、当該ピストンに配設されたピストンバルブにより
    ピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御すると
    ともに、シリンダ内を下部室とタンク室に連通する底部
    室とに区画するバルブケースをシリンダ下端部に嵌着し
    て、当該バルブケースに配設されたベースバルブにより
    ピストンロッドが下降する際の圧側減衰力を制御する油
    圧緩衝器において、 ピストンバルブは、ピストンロッドの下端部に嵌挿され
    たバルブストッパの外周側に、リーフバルブと、当該リ
    ーフバルブに対向するディスクと、当該ディスク及びこ
    れを背面からリーフバルブ側に付勢するバルブスプリン
    グを収容したキャップの基端部とを上下動自在に案内す
    るとともに、前記リーフバルブの外縁部に、前記キャッ
    プの下端部を当接させる一方、当該キャップの上面には
    検知スプリングを載置して構成され、当該検知スプリン
    グが前記ロッドガイドに当接して圧縮され押し下げ荷重
    を発生するストロークの上方域において、当該押し下げ
    荷重を前記リーフバルブの撓みの支持径となるピストン
    のシート面を支点としてリーフバルブの内縁部を前記デ
    ィスク側に押し戻すように作用させ、伸側減衰力を増大
    することを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生構造。
  2. 【請求項2】リーフバルブの内側には、円筒状のバルブ
    ストッパの外周側に案内される支持脚を3個以上等分し
    て突設し、当該支持脚間に通路としての開口部を形成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器の減衰
    力発生構造。
  3. 【請求項3】座金状のリーフバルブを案内するバルブス
    トッパの外周側嵌合部に、リーフバルブを跨ぐ通路とし
    ての切欠きを形成したことを特徴とする請求項1に記載
    の油圧緩衝器の減衰力発生構造。
  4. 【請求項4】シリンダ上端部をピストンロッドを出没自
    在に案内するロッドガイドにより覆蓋する一方、シリン
    ダ内を上部室と下部室とに区画しシリンダ内に摺動自在
    に案内されるピストンをピストンロッドの下端部に結合
    して、当該ピストンに配設されたピストンバルブにより
    ピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御すると
    ともに、シリンダ内を下部室とタンク室に連通する底部
    室とに区画するバルブケースをシリンダ下端部に嵌着し
    て、当該バルブケースに配設されたベースバルブにより
    ピストンロッドが下降する際の圧側減衰力を制御する油
    圧緩衝器において、 ベースバルブは、リーフバルブの外周側をシリンダの内
    面に緩挿するとともに、当該リーフバルブに対向するデ
    ィスクとこれを背面からリーフバルブ側に付勢するバル
    ブスプリングとを収容し且つシリンダの内面に上下動自
    在に緩挿したキャップの下端部を、前記リーフバルブの
    外縁部に当接させる一方、当該キャップの上面には検知
    スプリングを載置して構成され、当該検知スプリングが
    前記ピストンに当接して圧縮され押し下げ荷重を発生す
    るストロークの下方域において、当該押し下げ荷重を前
    記リーフバルブの撓みの支持径となるバルブケースのシ
    ート面を支点としてリーフバルブの内縁部を前記ディス
    ク側に押し戻すように作用させ、圧側減衰力を増大する
    ことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生構造。
  5. 【請求項5】上記検知スプリングには、上端に例えばナ
    イロン或いはウレタン等の樹脂製、又は金属製素材にナ
    イロン或いはウレタン等の樹脂をコーティングしたガイ
    ドを嵌着し、当該ガイドをシリンダ内に上下動自在に緩
    挿したことを特徴とする請求項1又は4に記載の油圧緩
    衝器の減衰力発生構造。
  6. 【請求項6】上記検知スプリングは、例えば燐青銅等の
    シリンダ材とは異なる材質、又はナイロン或いはウレタ
    ン等の樹脂をコーティングしたばね鋼材で製作したこと
    を特徴とする請求項1又は4に記載の油圧緩衝器の減衰
    力発生構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101943241A (zh) * 2009-07-02 2011-01-12 株式会社万都 减震器及其液压阻挡器
JP2013007471A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 緩衝器
JP2015137676A (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 カヤバ工業株式会社 バルブ及び緩衝器
KR20230134260A (ko) * 2022-03-14 2023-09-21 에이치엘만도 주식회사 쇼크 업소버

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