JP2001090486A - 地下構造物の中柱用免震装置 - Google Patents

地下構造物の中柱用免震装置

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JP2001090486A
JP2001090486A JP30841899A JP30841899A JP2001090486A JP 2001090486 A JP2001090486 A JP 2001090486A JP 30841899 A JP30841899 A JP 30841899A JP 30841899 A JP30841899 A JP 30841899A JP 2001090486 A JP2001090486 A JP 2001090486A
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underground structure
seismic isolation
contact
isolation device
restoring force
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JP30841899A
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Noboru Tashiro
▲のぼる▼ 田代
Takeyasu Suzuki
猛康 鈴木
Homare Kaneko
誉 金子
Fujita Katsukawa
藤太 勝川
Yukimasa Tei
志誠 鄭
Teruo Sasaki
輝男 佐々木
Tatsuji Matsumoto
達治 松本
Shigeo Maruki
繁雄 丸喜
Hiroshi Yamada
博 山田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Kumagai Gumi Co Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地下構造物の床面及び天井面と中柱の上下端
部にピン構造を簡易かつ安価に形成して接触面を保護
し、接触面の長期にわたる摺動性を確保し、信頼性の高
い地下構造物の中柱用免震装置を提供する。 【解決手段】 免震装置20は、筒型の地下構造物の床
部と天井部との間に立設されて床部と天井部間を支持す
る中柱10の上下端部の少なくとも一方に取り付けられ
て、中柱側部材21と地下構造物側部材31とが重ね合
わされて構成される。中柱側部材と地下構造物側部材
が、それぞれ基盤部22,32と、各基盤部から互いに
対向して突出して互いの接触面が嵌合可能な湾曲形状に
形成された接触部23,33とを有すると共に、接触部
の摺動可能方向の両側にて基盤部間に配設された復元力
部材36を有する。復元力部材は、JIS K7312
硬度が90〜98であり、例えば硬質ウレタン等であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル等の地下
構造物の床部と天井部との間に立設されて、床部と天井
部間を支持する中柱の上下端部に取り付けられる地下構
造物の中柱用免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】地下鉄
等の地下構造物において、床部と天井部間を支持する中
柱には、常時1000tf程度の荷重(軸力)が作用し
ている。そして、地震時には、床部と天井部の横ずれに
より中柱が横断方向に大きく変形して、大きな剪断力と
曲げモーメントが地震時増加分断面力として作用する。
そのため、大地震の場合には、中柱が破壊して荷重を支
持できなくなり、トンネルが崩壊に至るというようなお
それがあるため、これに対する対策が必要となってい
る。
【0003】従来、中柱に加わる地震時増分断面力を低
減させるために、上端部(柱頭部)や下端部(柱脚部)
を例えばロッキングピアピボット支承やコンクリートヒ
ンジ等のピン構造を採用したものが知られている。これ
によれば、地下構造物の床面等と中柱とを剛結させた場
合と比べて、中柱剪断力や中柱曲げモーメントでほぼ0
程度にでき、また床部あるいは天井部の剪断力や曲げモ
ーメントはほぼ半減できる。また、中柱の上下端部での
剪断力及び曲げモーメントを低減させるために、ローラ
を用いた支承や、低摩擦材料を用いた滑り面による方法
の採用によっても同様の効果が得られる。しかし、これ
らピン構造支承等の場合、中柱に大きな常時荷重を伝達
させるためには、面接触の確保が重要であり、そのため
には、双方の接触面に高精度の機械加工が必要となるな
ど高価になるという問題がある。さらに、上記いずれの
従来例においても、地下構造物の床部や天井部と、中柱
との接触面が保護されていないため、両者間にほこり等
の異物が混入し易く、接触面での摺動性が損なわれ、ま
た、湿気により錆が発生し易く接触面の耐久性が損なわ
れ易いという問題もある。
【0004】また、中柱に積層ゴム支承を用いることに
より、剛結の場合と比べて中柱剪断力や中柱曲げモーメ
ントで半減することができ、また床部あるいは天井部の
剪断力や曲げモーメントは6割ないし7割程度に低減で
きる。しかし、積層ゴム支承の場合、高軸力下における
圧縮クリープ変形を抑えるためには、剪断剛性や回転剛
性をいたずらに低く設定することは不可能であるため、
中柱の回転変形を十分に吸収できず、これ以上の地震時
増分断面力の低減は期待できないという問題がある。
【0005】本発明は、上記した問題を解決しようとす
るもので、地下構造物の床面及び天井面と中柱の上下端
部にピン構造を簡易かつ安価に形成して接触面を保護
し、接触面の長期にわたる摺動性を確保できる信頼性の
高い地下構造物の中柱用免震装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、地下構
造物の床部と天井部との間に立設されて床部と天井部間
を支持する中柱の上端部及び/または下端部に取り付け
られて、中柱側部材と地下構造物側部材とが重ね合わさ
れて構成された地下構造物の中柱用免震装置であって、
中柱側部材と地下構造物側部材が、それぞれ基盤部と、
各基盤部から互いに対向して突出して互いの接触面が密
着可能な湾曲形状に形成された接触部とを有すると共
に、少なくとも接触部同士の摺動可能方向の両側にて各
基盤部間に配設された復元力部材を有することにある。
【0007】上記のように請求項1に係る発明を構成し
たことにより、中柱側部材と地下構造物側部材の接触部
において、互いの接触面が密着可能な湾曲形状に形成さ
れているため、中柱の両端あるいは一端において、地下
構造物の床部あるいは天井部に対して摺動できる。その
ため、地震による地下構造物の床部と天井部との間の水
平変位を吸収できる。また、接触部の摺動可能方向の両
側にて各基盤部間に復元力部材が配設されていることに
より、復元力が得られる構造になっている。なお、復元
力部材としては、変位を吸収して復元力を発生させるも
のであればよく、硬質ウレタンや硬質ゴム等の弾性部材
はもちろん、構造上必要な復元力によってはバネや金属
等を利用することも可能であり、それらの複合構造であ
ってもよい。
【0008】すなわち、図12(a)に示すように、地
下構造物の床部と天井部との間の水平変位uは、u=2
δ+Hc×θで表される。なお、δは免震装置20の滑
動であり、Hcは中柱の高さ、θは中柱10の回転角度
である。地震時に免震装置20が軸力Pを支えながら変
位uだけ変位を吸収すると、中柱10に転倒モーメント
M=P×uが働く。これに対して、トンネル覆工から剪
断力S=Ptanθが作用することにより、釣り合いモ
ーメントW=S(Hc+2R)が中柱10に生じて安定
が保たれる。そこで、免震装置の摺動可能方向の両側に
復元力部材を配置すると、その圧縮変形に基づく復元モ
ーメントが得られ、中柱10は自立して安定を保ちなが
ら傾動し、地震時の水平変位を吸収することができる。
ただし、Rは免震装置の接触面の半径である。また、図
12(b)に示すように、通常時に免震装置10に偏心
軸力Pが作用したときのモーメントによる不安定状態に
対しても復元力部材で打ち消すことができる。
【0009】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の地下構造物の中柱用免震
装置において、復元力部材が、各接触部の周囲を囲む環
状に形成されたものであることにある。これにより、水
平面内の全ての方向の変位吸収を行う際に、復元モーメ
ントが得られ、転倒モーメントに対抗できる。
【0010】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1または請求項2に記載の地下構造
物の中柱用免震装置において、復元力部材は、JIS
K7312に基づく硬度が90〜98であることにあ
る。このような復元力部材としては、硬質ウレタン、硬
質ゴム等がある。このような復元力部材の採用により、
復元力部材36が軸力を受けたとき、図13に示すよう
に、圧縮方向に変形し、剪断方向の変形が抑制され、基
盤部32が復元力部材36に対して摺動するようにな
り、復元力部材に加えられた圧縮方向の変形Δの反力に
より、中柱に作用する転倒モーメントに対抗することが
できる。
【0011】また、上記請求項4に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記
載の地下構造物の中柱用免震装置において、復元力部材
の少なくとも一方の接触面が摺動面であることにある。
これにより、免震装置が外力を受けたとき、基盤部の復
元力部材に対する摺動がスムーズに行われ、復元力部材
の剪断方向の変形が抑制される。
【0012】また、上記請求項5に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項4に記載の地下構造物の中柱用免震
装置において、復元力部材の摺動面に、潤滑剤自動供給
手段を設けたことにある。これにより、復元力部材が圧
縮力を受けたとき、潤滑剤自動供給手段により復元力部
材の摺動面に潤滑剤が供給されるため、基盤部の復元力
部材に対する摺動が一層スムーズに行われる。
【0013】また、上記請求項6に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項4または請求項5に記載の地下構造
物の中柱用免震装置において、復元力部材の摺動面の接
触する基盤部の表面に摩擦低減部材の層を設けたことに
ある。これにより、復元力部材を設けた効果に加えて、
基盤部の復元力部材に対する摺動が一層スムーズに行わ
れる。
【0014】また、上記請求項7に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項6のいずれか1項に記
載の地下構造物の中柱用免震装置において、接触部を含
めて復元力部材の外側を囲む環状のシール部材を設けた
ことにある。これにより、シール部材によって接触部と
共に、復元力部材の基盤部との接触部分が外部からシー
ルされる。
【0015】また、上記請求項8に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記
載の地下構造物の中柱用免震装置において、復元力部材
が、各基盤部に加硫接着により形成されたものであるこ
とにある。これにより、免震装置の一体化が行われ、そ
の取扱いが容易になる。
【0016】また、上記請求項9に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1から請求項8のいずれか1項に記
載の地下構造物の中柱用免震装置において、各接触部の
接触面の間に摩擦低減部材を介在させたことにある。摩
擦低減部材としては、ウレタン、テフロン、ステンレス
等が好ましい。これにより、接触部の摺動がさらにスム
ーズに行われるようになる。また、接触面の加工を精密
に行わなくても接触面の表面状態が適正に保たれる。
【0017】また、上記請求項10に係る発明の構成上
の特徴は、前記請求項9に記載の地下構造物の中柱用免
震装置において、摩擦低減部材が硬質ウレタンであり、
接触面の加工精度をさらに下げることができることにあ
る。これにより、摩擦低減部材に弾性力が備わり接触面
の加工精度をさらに低くできる。
【0018】また、上記請求項11に係る発明の構成上
の特徴は、前記請求項1から請求項10のいずれか1項
に記載の地下構造物の中柱用免震装置において、復元力
部材の外側にて、中柱側部材及び地下構造物側部材のい
ずれか一方に中柱の回転変位を制限するストッパ部材を
設けたことにある。これにより、地震等の過大な外力に
よる中柱の回転変位に対して、ストッパ部材により回転
変位を制限でき、中柱の転倒による地下構造物の破損を
防止できる。
【0019】また、上記請求項12に係る発明の構成上
の特徴は、前記請求項1から請求項11のいずれか1項
に記載の地下構造物の中柱用免震装置において、中柱側
部材及び地下構造物側部材のいずれか一方の接触部の接
触面を平坦面に形成することとし、かつ、中柱側部材及
び地下構造物側部材の他方の接触部の接触面の一部に摺
動方向に沿ってかまぼこ形に湾曲した凹部を設けると共
に凹部の摺動方向の外側に凹部に連続してわずかに凹ん
だ係止凹部を設け、さらに凹部と平坦面との間に摺動部
材を介装させたことにある。
【0020】上記のように請求項12に係る発明を構成
したことにより、外力が小さいときは、一方の接触部の
係止凹部の外側が他方の接触部の平坦面と接触してスム
ーズに横方向に摺動するが、外力が大きくなって接触部
の変位が大きくなると、変位方向側において一方の接触
部の係止凹部外側の平面部が他方の接触部の平坦面から
外れる。これにより、接触部の凹部が摺動部材表面に沿
って滑ることができるようになり、凹部側の接触部の回
転変位が可能になる。すなわち、外力が小さいときに制
限されていた回転移動が解除され、大きな水平変位も吸
収できるようになった。
【0021】また、上記請求項13に係る発明の構上の
特徴は、前記請求項1から請求項12のいずれか1項に
記載の地下構造物の中柱用免震装置において、中柱側部
材及び地下構造物側部材のいずれか一方の周縁部に、中
柱側部材及び地下構造物側部材の水平方向への移動を拘
束する拘束部材を設けると共に、所定以上の大きさの水
平方向への外力が加わったときに拘束部材による拘束状
態を自動的に解除する拘束解除手段を設けたことにあ
る。
【0022】上記のように請求項13に係る発明を構成
したことにより、外力が小さいときは、中柱側部材及び
地下構造物側部材は拘束部材によって拘束され水平方向
に変位しない。一方、所定以上の大きさの外力が加わ
り、中柱に非常に大きな荷重が加わるようになると、拘
束部材による中柱側部材及び地下構造物側部材の拘束状
態が拘束解除手段により解除されて両部材が水平方向に
移動できるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
により説明する。図1〜図3は、第1の実施形態に係る
地下構造物であるダグタイル鋳鉄製の複円形シールドト
ンネルの中柱及びこれに用いられる中柱用免震装置(以
下、免震装置と記す)を断面図、拡大断面図及び平面図
により示したものである。
【0024】中柱10は、円柱形のコンクリート柱11
とその外部を被覆する円筒形の鋼管12と、上下端に設
けた端板13とで一体的に形成されており、端板13に
はコンクリート柱11内に埋め込まれるリブ板14が端
板13に垂直にかつ直交する4箇所に配設されている。
中柱10は、図4に示すように、複円形シールドトンネ
ル1の上下各2箇所の覆工RCセグメントといわれる床
部2と天井部3に各々同一の免震装置20を介して固定
される。ただし、中柱の構造はこれに限るものではな
い。
【0025】免震装置20は、図1〜図3に示すよう
に、中柱側部材21と地下構造物側部材31とが同軸的
に重ね合わされて一体に構成されている。中柱側部材2
1は、端板13よりわずかに外径の小さい円盤形の基盤
部22と、基盤部22上に同心状に配設された正方形板
である接触部23を設けている。接触部23は、一辺の
長さが基盤部22の外径の略1/3程度であり、その一
対の対向辺間で表面側が厚さ方向に断面円弧状に湾曲し
て凹んだ接触面23aを設けている。接触部23は、基
盤部22にボルト24により固定されている。中柱側部
材21は、この湾曲方向が免震部材20の受ける振動方
向に合わせて配置されるようになっており、基盤部22
の周囲に設けた貫通孔を介してボルト25により端板1
3に固定されている。
【0026】地下構造物側部材31は、上記基盤部22
と同一径の基盤部32と、上記接触部23と略同一の大
きさで基盤部32の一表面側中央から同心状に突出した
正方形状の接触部33を一体で設けている。接触部33
の上記接触部23との対向面は、一対の対向辺間で断面
円弧状に突出しており、接触部23の接触面23aと密
着する接触面33aになっている。また、中央に接触部
33の外形と同一形状の正方形の貫通孔34aを有し、
基盤部32と同一外径で厚さが接触部33の外縁の厚さ
と略同一である円環板34が、接触部33に嵌合して基
盤部32に重ね合わされている。接触部23,33の接
触面23a,33aには、ウレタン、テフロン、ステン
レス等の摩擦低減部材35が設けられている。摩擦低減
部材については、必要に応じて省略することができる
が、接触面の加工精度、耐荷重、耐磨耗性、コスト面等
から硬質ウレタンが好適に用いられる。
【0027】また、円環板34の上記基盤部22との対
向表面には、ウレタン、テフロン、ステンレス等の被膜
あるいはシートである摩擦低減部材34bが設けられて
いる。摩擦低減部材34bについては、必要に応じて省
略することができるが、円環板34と、後述する復元力
部材36との摩擦を低減し復元力部材36の剪断変形を
避けることができるので設けることが好ましい。また、
摩擦低減部材34bを設けることにより円環板34の錆
を防止できる。なお、上記中柱側部材21の基盤部22
にも同様の摩擦低減部材を設けることができるが、基盤
部22,円環板34のいずれか一方に設けてもよい。
【0028】そして、円環板34と中柱側部材21の基
盤部22の間には、復元力部材36が接触部23から離
れた位置で接触部23を同軸状に囲み、かつ円環板34
と基盤部22に挟まれて設けられている。復元力部材3
6は、円環板形状であって硬質ウレタン製(JIS K
7312 硬度95、ヤング率45MPa)である。復
元力部材36については、JIS K7312 硬度が
90〜98であることが望ましく、ヤング率は20MP
a〜50MPaの範囲が望ましい。また上記硬質ウレタ
ンの他に硬質ゴム、バネ等を用いることが可能である。
復元力部材として硬質ゴムを用いる場合には、中柱側部
材21と円環板34を成形型にセットし、ゴム加硫接着
を行うことにより一体で形成することができ、免震装置
20の取扱いが容易になると共に復元力部材が環状に形
成された場合には接触部分のシール性を高めることも可
能である。
【0029】円環板34は、周囲に設けた貫通孔を介し
てボルト37により基盤部32に固定される。また、基
盤部32の他表面側には、基盤部32より一辺の長さが
長い正方形の厚板である固定板38がボルト39により
固定されている。免震装置20が両端に固定された中柱
10は、複円形シールドトンネル1の床部2と天井部3
に免震装置20の固定板38を貫通孔38aを介してボ
ルトで固定することにより、床部2と天井部3間に立設
される。
【0030】以上に構成した免震装置20においては、
中柱側部材21と地下構造物側部材31の接触部23,
33が、互いに密着する接触面23a,33aが断面円
弧状に湾曲して形成されているため、中柱10の両端に
おいて、シールドトンネル1の床部2あるいは天井部3
に対してスムーズに摺動できる。そのため、地震による
シールドトンネル1の床部2と天井部3との間の水平変
位を吸収でき、床部2及び天井部3や、中柱10の上下
端に加わる剪断力や曲げモーメントを低減させることが
できる。
【0031】また、接触部23,33の外側を囲んで各
基盤部22,32間に硬度95の硬質ウレタン製の復元
力部材36が介在されていることにより、地震時等に復
元力部材36が軸力を受けたとき、復元力部材36は圧
縮方向に変形するが剪断方向の変形が抑制される。その
ため、上述したように(図12、図13参照)、基盤部2
2,32が復元力部材36に対して摺動することにな
り、水平変位による転倒モーメントを、復元力部材36
の圧縮力による釣り合いモーメントにより打ち消すこと
ができる。その結果、免震装置20の回転剛性の調整が
可能であり、回転変形を十分に吸収できると共に中柱1
0の変位を確実に復帰させてその転倒を防止することが
できる。さらに、復元力部材36が、接触部23,33
の周囲を囲む環状に形成されており、圧縮方向に数ミリ
圧縮された状態で取り付けられている。そのため、復元
力部材36によって接触部23、33が外部から確実に
シールされる。その結果、接触面23a,33aへのほ
こり等の異物の混入を防止できるので接触面を確実に保
護でき、また、地中の湿気の侵入を防止できることによ
り接触部23,33に対する防錆効果が得られる。
【0032】また、各接触部23,33の接触面23
a,33aに摩擦低減部材35を設けることにより、接
触部23,33の摺動がさらにスムーズに行われるよう
になる。また、接触面23a,33aの加工を精密に行
わなくても接触面の表面状態が適正に保たれるので、接
触部23,33の加工コストを安価にできる。
【0033】つぎに、第1の実施形態の変形例1、2及
び3について説明する。変形例1においては、図5に示
すように、免震装置10の復元力部材36のわずかに外
側にて復元力部材36の周囲を囲んだ環状のゴム製のシ
ール部材36Aを設けたものである。シール部材36A
は、円環板34と基盤部22とに接着されている。この
シール部材36Aを設けたことにより、シール部材36
Aによって復元力部材36が外部から確実にシールされ
る。その結果、復元力部材36の円環板34及び基盤部
22との接触面へのほこり等の異物の混入を防止できる
ので接触面を確実に保護でき、復元力部材36の摺動性
を確保できる。また、復元力部材36が円環形状ではな
く接触部23,33の摺動方向の両側にのみ介在されて
いる場合には、復元力部材36の保護に加えて接触部2
3,33接触面へのほこり等の異物の混入を防止できる
ので接触面を確実に保護でき、接触部23,33の摺動
性を確保できると共に、地中の湿気の侵入を防止できる
ことにより接触部23,33に対する防錆効果が得られ
る。なお、シール部材36Aの材質については、ゴム等
の弾性体には限らない。
【0034】変形例2においては、変形例1のシール部
材36Aの代わりに、図6に示すように、免震装置10
の円環板34を含む基盤部32と中柱側部材21の基盤
部22の外周側に、両基盤部22,32とその間の部分
を囲んだ環状のゴム製のシール部材36Bを設けたもの
である。このシール部材36Bを設けたことによって
も、復元力部材36を外部から確実にシールできる。そ
の結果、変形例2においても変形例1と同様の効果が得
られる。なお、シール部材36Bの材質についても、ゴ
ム等の弾性体には限らない。
【0035】変形例3においては、図7に示すように、
復元力部材36の上表面に複数の凹部36Cを設けると
共に、凹部36C内に潤滑剤としてシリコンオイル36
Dを封入したものである。これにより、基盤部32側か
ら外力が加えられて復元力部材36が圧縮変形したと
き、凹部36C内のシリコンオイル36Dが流出し復元
力部材36の表面を覆う。そのため、復元力部材36表
面の摩擦が一層低められ、復元力部材36に対する円環
板34の摺動がスムーズに行われる。その結果、復元力
部材36の剪断変形を抑えることができ、中柱10の転
倒を防止できる。なお、潤滑剤としてはシリコンオイル
には限らない。
【0036】なお、上記実施形態においては、中柱10
の上下両端に免震装置20を設けているが、これに限ら
ず上下端のいずれか一方に設けるようにしてもよい。ま
た、上記実施形態においては、復元力部材36は、接触
部23,33の周囲を囲んだ環状になっているが、必要
に応じて、復元力部材36を接触部23,33の摺動方
向の両側にのみ介在させるようにしてもよい。
【0037】つぎに、第2の実施形態である免震装置に
ついて説明する。免震装置40は、図8に示すように、
上記第1の実施形態に示したとほぼ同様に中柱側部材4
1と地下構造物側部材51とが同軸的に重ね合わされて
一体に構成されている。中柱側部材側の接触部43と地
下構造物側部材側の接触部53の外方には、基盤部42
と基盤部52との間を連結すると共に両接触部43,5
3を囲む環状の復元力部材45が設けられている。復元
力部材45の外方近傍位置(図示左右位置)において、
中柱側部材41の基盤部42には、一対のストッパ部材
46が設けられている。
【0038】さらに、ストッパ部材46のそれぞれ外方
において、基盤部42の外端位置には、拘束部材61が
基盤部42及び52の周縁部に押し当てられており、拘
束部材61は、止め具62によって基盤部42の周縁部
に固定されている。止め具62は、ボルト構造になって
いるが、例えば一部に切りこみを設けることにより、所
定以上の力が加えられると自動的に破損し、拘束部材6
1を固定できなくなる拘束解除機能を有している。
【0039】以上のように構成した第2の実施形態にお
いては、外力が小さいときは、中柱側部材41及び地下
構造物側部材51は拘束部材61によって拘束されるた
め、水平方向に無用な移動をすることがない。一方、所
定以上の大きさの外力が加わり、中柱10に非常に大き
な荷重が加わるようになると、止め具62が破損するこ
とにより拘束部材61が外れ、中柱側部材41及び地下
構造物側部材51は水平方向に移動できるようになる。
【0040】その結果、第2の実施形態によれば、中柱
10に過大な荷重が加わることがなく、中柱10の破損
を防止できる。また、拘束部材61が外れることにより
拘束機能を失った後は、ストッパ部材46が中柱側部材
41及び地下構造物側部材51の回転変位を制限し、中
柱10の転倒による地下構造物の破損を阻止できる。
【0041】なお、上記第2の実施形態において、復元
力部材45については、環状ではなく、接触部43,5
3の摺動方向の両側にのみ介在させるようにしてもよ
い。また、復元力部材45の外側に上記シール部材36
Aまたは36Bを設けてもよい。また、第2の実施形態
において、ストッパ部材46及び拘束部材61のいずれ
か一方について、必要に応じて省略することもできる。
【0042】なお、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、接触部の形状を外力の加わる方向に合わせて断面
円弧形のかまぼこ形形状としているが、これに代えて球
面形状にすることもでき、これにより外力の入力方向に
応じて360°の変位が可能になる。
【0043】つぎに、第3の実施形態である免震装置に
ついて説明する。免震装置70は、図9に示すように、
中柱側部材71と地下構造物側部材81とが同軸的に重
ね合わされて一体に構成されている。中柱側部材71
は、円盤形の基盤部72と、基盤部72上に同心状に配
設された正方形板である接触部73を設けている。接触
部73は、一辺の長さが基盤部72の外径の略1/3程
度であり、その一対の対向辺間(図示左右間)で両端側
を除いた中間部にて、表面側が厚さ方向に凹んで円弧状
に湾曲し接触部前後端間に延びた凹部74を設けてい
る。また、凹部74の両側の平面部75,76には、凹
部74から連続して厚さ方向にわずかに凹んだ係止凹部
75a,76aが、平面部75,76の略中間位置(図
示左右の中間位置)まで延びて設けられている。この接
触部73は、基盤部72にボルト77により固定されて
いる。中柱側部材71は、この湾曲方向が免震装置70
の受ける振動方向に合わせて配置されるようになってい
る。
【0044】一方、地下構造物側部材81は、中柱側部
材71と略同一形状であり、円盤形の基盤部82と、基
盤部82上に同心状に配設された正方形板である接触部
83を設けている。接触部83の接触面83aは平坦面
になっている。接触部83は、ボルト84によって基盤
部82に固定されており、基盤部72に重ね合わされて
いる。そして、中柱側部材側接触部73の凹部74と、
地下構造物側部材側接触部83間の空間部には、上面が
円弧形のかまぼこ形の摺動部材85が両面に密着した状
態で介装されている。この摺動部材85は、例えば鉄製
の剛体により形成されている。
【0045】なお、接触部73と接触部83の外方に
は、基盤部72と基盤部82との間を連結すると共に両
接触部73,83を囲む環状の復元力部材87が設けら
れている。復元力部材87の外方近傍位置(図示左右位
置)において、地下構造物側部材81の基盤部82に
は、一対のストッパ部材88が設けられている。
【0046】以上に構成した第3の実施形態の動作につ
いて、図10に示す模式図により説明する。免震装置7
0に横方向の外力が加わると、図10(a),(b)に
示すように、接触部73の係止凹部外側の平面部75,
76が、接触部83の平坦面83aと接触してスムーズ
に横方向に摺動し、トンネルからの荷重は、平面部7
5,76と平坦面83aで支持され、またこの面で中柱
10が回転しようとする力も抑えられる。接触部73,
83の移動は、係止凹部75aが平坦面83aの端部に
係止されるまで続けられる。
【0047】そして、外力が大きくなって接触部73,
83の変位が大きくなると、図10(c)に示すよう
に、接触部73の係止凹部75a外側の平面部75が接
触部83の平坦面83aから外れる。これにより、接触
部73の凹部74が摺動部材85表面に沿って滑ること
ができるようになり、凹部74側の接触部73の回転変
位が可能になる。すなわち、回転方向の拘束力がなくな
って中柱10の回転移動が可能になり、この回転移動に
より大きな水平変位を吸収できるため、中柱10の破損
を防止できる。回転変位は、係止凹部75aの厚みによ
り任意に調整できるが、接触部73の係止凹部75aに
接触部83の端部が係合した状態では、線接触となるた
め、回転変位を規制するにはストッパ部材88を設ける
ことが好ましい。
【0048】なお、上記第3の実施形態において、復元
力部材87を環状ではなく、接触部73,83の摺動方
向の両側にのみ介在させるようにしてもよく、また、別
個に形成したものを基盤部72,82に接着剤により貼
り付けるようにしてもよい。また、復元力部材87の外
側に上記シール部材36Aを設けてもよく、上記第2の
実施形態に示した拘束部材61を、基盤部72,82の
周縁部に配設することもできる。
【0049】なお、上記各実施形態においては、本発明
を、複円形シールドトンネルに適用した場合を説明して
いるが、図11に示すような箱型のトンネルや開削トン
ネルに適用することもでき、またトンネルは複数段であ
ってもよい。また、本発明の適用箇所としては、トンネ
ルに限らず、地下駐車場、地下道、地下街、地下鉄等に
おいても使用される。
【0050】
【発明の効果】上記請求項1の発明によれば、中柱の上
下端の少なくとも一方に免震装置を設けたことにより、
地震による地下構造物の床部と天井部との間の水平変位
を吸収でき、中柱の上下端部や、地下構造物の床部や天
井部に加わる剪断力や曲げモーメントを低減することが
できる。また、接触部の摺動可能方向の両側に配設した
復元力部材により、外力により中柱に作用する転倒モー
メントに対抗する復元力を持たせることが可能であり、
そのため、回転変形を十分に吸収できると共に中柱の変
位を確実に復帰させることができる。
【0051】また、上記請求項2の発明によれば、復元
力部材を、各接触部の周囲を囲む環状に形成することに
より、接触部内へのほこり等の異物の混入を防止でき接
触面における摺動性を適正に確保でき、また水分の侵入
を防止できるので接触部における防錆効果が得られる。
また、請求項3の発明によれば、圧縮方向に変形し、剪
断方向の変形が抑制された復元力部材により、中柱に作
用する転倒モーメントに対抗することができ、中柱の転
倒を防止できる。
【0052】また、上記請求項4の発明によれば、復元
力部材の剪断方向の変形をより効果的に抑制できるの
で、復元力部材により、中柱の転倒をより確実に防止で
きる。さらに、請求項5の発明によれば、復元力部材の
摺動面に潤滑剤が供給されるため、基盤部の復元力部材
に対する摺動が一層スムーズに行われ、中柱の転倒を防
止できる。
【0053】また、上記請求項6の発明によれば、基盤
部側の摺動性を高めることにより復元力部材の剪断方向
の変形をより効果的に抑制できるので、復元力部材によ
り、中柱の転倒をより確実に防止できる。さらに、請求
項7の発明によれば、シール部材により接触部及び復元
力部材を遮断できることにより、接触部内、及び復元力
部材と基盤部との間へのほこり等の異物の混入を防止で
き接触面及び復元力部材における摺動性を適正に確保で
き、また水分の侵入を防止できるので接触部における防
錆効果が得られる。
【0054】また、請求項8の発明によれば、復元力部
材が、各基盤部に加硫接着により形成されたものである
ことにより、免震装置の一体化が行われ、その取扱いが
容易になると共に、接触部のシール性がより高められ
る。
【0055】また、請求項9の発明によれば、各接触部
の接触面の間に摩擦低減部材を介在させたことにより、
接触部の摺動がさらにスムーズに行われるようになる。
また、接触面の加工を精密に行わなくても接触面の表面
状態が適正に保たれるので、接触部の加工コストを安価
にできる。また、請求項10の発明によれば、摩擦低減
部材に硬質ウレタンを使用することで弾性力を備えるこ
とにより、接触面の加工精度をさらに低くでき、加工コ
ストをさらに安価にでき、耐荷重、耐磨耗性も向上す
る。
【0056】また、請求項11の発明によれば、復元力
部材の外側にてストッパ部材を設けたことにより、地震
等の大きい外力に対して、中柱の転倒による地下構造物
の破壊を防止できる。
【0057】また、請求項12の発明によれば、外力が
小さい場合の微小な水平変位に対しては、中柱の滑りの
みで変位を吸収でき、地震などによる大きな水平変位に
対しては、本来の回転移動により大きな水平変位を吸収
できるため、中柱の破壊を防止できる。
【0058】また、請求項13の発明によれば、免震装
置が無い従来構造でも問題の無かったような外力が小さ
い場合の微小な水平変位に対しては、拘束手段で変位が
制限されるため、免震装置への負荷が軽減される。さら
に、周囲の復元力部材に過大な復元力を持たせる必要が
なくなる。一方、地震などの大きい外力が加わった場合
は、拘束手段が解除された後、本来の回転移動により中
柱の水平変位を吸収できるため、中柱の破損を防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る地下トンネルの
免震装置が固定された中柱を示す断面図である。
【図2】免震装置が固定された中柱の一端を拡大して示
す断面で示す正面図である。
【図3】同免震装置の平面図である。
【図4】地下構造物の一例である複円形シールドトンネ
ルに免震装置を設けた中柱が取り付けられた状態を概略
的に示す断面図である。
【図5】変形例1である免震装置を示す断面図である。
【図6】変形例2である免震装置を示す断面図である。
【図7】変形例3である免震装置に設けた復元力部材の
圧縮変形前後の状態を示す断面図である。
【図8】第2の実施形態である免震装置を示す断面図で
ある。
【図9】第3の実施形態である免震装置を示す断面図で
ある。
【図10】同実施形態である免震装置の動作状態を説明
する模式図である。
【図11】箱型トンネル構造を示す断面図である。
【図12】地下構造物に外力が加わり水平変位が生じた
ときの力の関係を説明するための説明図である。
【図13】免震装置に外力が加わったときの変位状態を
説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…シールドトンネル、2…床部、3…天井部、10…
中柱、11…コンクリート柱、12…鋼管、13…端
板、20…免震装置、21…中柱側部材、22…基盤
部、23…接触部、23a…接触面、31…地下構造部
側部材、32…基盤部、33…接触部、33a…接触
面、34…円環板、34a…貫通孔、34b…摩擦低減
部材、35…摩擦低減部材、36…復元力部材、36
A,B…シール部材、36C…凹部、36D…潤滑材、
38…固定板、40…免震装置、41…中柱側部材、4
2…基盤部、45…復元力部材、46…ストッパ部材、
51…地下構造部側部材、52…基盤部、61…拘束部
材、62…止め具、70…免震装置、71…中柱側部
材、72…基盤部、73…接触部、74…凹部、75,
76…平面部、75a,76a…係止凹部、81…地下
構造物側部材、82…基盤部、83…接触部、83a…
接触面、85…摺動部材。
フロントページの続き (72)発明者 田代 ▲のぼる▼ 東京都新宿区津久戸町2丁目1番地 株式 会社熊谷組内 (72)発明者 鈴木 猛康 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪字下山1043番1 株式会社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 金子 誉 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪字下山1043番1 株式会社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 勝川 藤太 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪字下山1043番1 株式会社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 鄭 志誠 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪字下山1043番1 株式会社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 佐々木 輝男 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 (72)発明者 松本 達治 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 (72)発明者 丸喜 繁雄 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 山田 博 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2D046 DA12 2D055 BB04 EB03 LA19

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下構造物の床部と天井部との間に立設
    されて該床部と天井部間を支持する中柱の上端部及び/
    または下端部に取り付けられて、中柱側部材と地下構造
    物側部材とが重ね合わされて構成された地下構造物の中
    柱用免震装置であって、 前記中柱側部材と地下構造物側部材が、それぞれ基盤部
    と、各基盤部から互いに対向して突出して互いの接触面
    が密着可能な湾曲形状に形成された接触部とを有すると
    共に、少なくとも該接触部同士の摺動可能方向の両側に
    て該各基盤部間に配設された復元力部材を有することを
    特徴とする地下構造物の中柱用免震装置。
  2. 【請求項2】 前記復元力部材が、前記各接触部の周囲
    を囲む環状に形成されたものであることを特徴とする前
    記請求項1に記載の地下構造物の中柱用免震装置。
  3. 【請求項3】 前記復元力部材は、JIS K7312
    に基づく硬度が90〜98であることを特徴とする前記
    請求項1または請求項2に記載の地下構造物の中柱用免
    震装置。
  4. 【請求項4】 前記復元力部材の前記基盤部に対する少
    なくとも一方の接触面が摺動面であることを特徴とする
    前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の地下
    構造物の中柱用免震装置。
  5. 【請求項5】 前記復元力部材の摺動面に、潤滑剤自動
    供給手段を設けたことを特徴とする前記請求項4に記載
    の地下構造物の中柱用免震装置。
  6. 【請求項6】 前記復元力部材の摺動面の接触する前記
    基盤部の表面に摩擦低減部材の層を設けたことを特徴と
    する前記請求項4または請求項5に記載の地下構造物の
    中柱用免震装置。
  7. 【請求項7】 前記接触部を含めて前記復元力部材の外
    側を囲む環状のシール部材を設けたことを特徴とする前
    記請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の地下構
    造物の中柱用免震装置。
  8. 【請求項8】 前記復元力部材が、前記各基盤部に加硫
    接着により形成されたものであることを特徴とする前記
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の地下構造
    物の中柱用免震装置。
  9. 【請求項9】 前記各接触部の接触面に摩擦低減部材を
    設けたことを特徴とする前記請求項1から請求項8のい
    ずれか1項に記載の地下構造物の中柱用免震装置。
  10. 【請求項10】 前記摩擦低減部材が硬質ウレタンであ
    り、前記接触面の加工精度を下げることができることを
    特徴とする前記請求項9に記載の地下構造物の中柱用免
    震装置。
  11. 【請求項11】 前記復元力部材の外側にて、前記中柱
    側部材及び地下構造物側部材のいずれか一方に前記中柱
    の回転変位を制限するストッパ部材を設けたことを特徴
    とする前記請求項1から請求項10のいずれか1項に記
    載の地下構造物の中柱用免震装置。
  12. 【請求項12】 前記中柱側部材及び地下構造物側部材
    のいずれか一方の接触部の接触面を平坦面に形成するこ
    ととし、かつ、該中柱側部材及び地下構造物側部材の他
    方の接触部の接触面の一部に摺動方向に沿ってかまぼこ
    形に湾曲した凹部を設けると共に該凹部の摺動方向の外
    側に該凹部に連続してわずかに凹んだ係止凹部を設け、
    さらに前記凹部と前記平坦面との間に摺動部材を介装さ
    せたことを特徴とする前記請求項1から請求項11のい
    ずれか1項に記載の地下構造物の中柱用免震装置。
  13. 【請求項13】 前記中柱側部材及び地下構造物側部材
    のいずれか一方の周縁部に、該中柱側部材及び地下構造
    物側部材の水平方向への移動を拘束する拘束部材を設け
    ると共に、所定以上の大きさの水平方向への外力が加わ
    ったときに該拘束部材による拘束状態を自動的に解除す
    る拘束解除手段を設けたことを特徴とする前記請求項1
    から請求項12のいずれか1項に記載の地下構造物の中
    柱用免震装置。
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