JP2001087435A - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents

ゴルフクラブ用シャフト

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JP2001087435A
JP2001087435A JP27093899A JP27093899A JP2001087435A JP 2001087435 A JP2001087435 A JP 2001087435A JP 27093899 A JP27093899 A JP 27093899A JP 27093899 A JP27093899 A JP 27093899A JP 2001087435 A JP2001087435 A JP 2001087435A
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shaft
grip
fiber
golf club
point
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JP27093899A
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Hitoshi Oyama
仁志 尾山
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 打撃時にゴルファーに「しなり感」と共に
「しっかり安定感」を与えると共に、飛距離の増大と飛
球方向の安定性を両立させる。 【解決手段】 繊維強化樹脂よりなるゴルフクラブ用シ
ャフトであって、引張弾性率が40000kg/mm2
以上の炭素繊維層からなり、該炭素繊維層のシャフト軸
線に対する繊維角度が0以上15度以下であるグリップ
強化繊維層を、グリップ端のA点と、該A点からヘッド
側へ100mm以上350mm以下の範囲にあるB点の
間に配置して、グリップ部分の剛性を高めている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブ用シャ
フトに関し、特に、スイング時にゴルファーが感じる
「しなり感」と「しっかりした安定感」の両方を得られ
るようにしたゴルフクラブ用シャフトに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブ用シャフトは、スイング中
のゴルファーの打撃動作に従って撓み、その撓み量の大
きさや撓む部分よって、硬く感じたり、軟らかく感じた
りゴルファーのフィーリングに影響を与えると共に、ボ
ールの飛びにも大きな影響を与える。
【0003】一般的には、シャフトが軟らかく、スイン
グ中の撓み量を大きくすると、ゴルファーはシャフトの
しなりを感じ、軟らかい打球感をえることが出来ると共
に、撓んだシャフトの復元力によりボールの飛距離が大
きくなる利点がある。しかしながら、ゴルファーが逆に
頼りなさを感じると共に、撓み量が大きいために飛球方
向が安定しないといった欠点がある。
【0004】一方、シャフトを硬く、スイング中の撓み
量を小さくすると、ゴルファーはしっかりした安定感を
感じ、安心して強振りすることが出来ると共に、飛距離
および飛球方向も安定する利点がある。しかしながら、
逆にしなりを感じにくくなるために硬く感じると共に、
シャフトを十分に撓ませることができないため飛距離を
ロスするといった欠点がある。
【0005】上記のように、シャフトを軟らかくして
「しなり感」を与えると共に、飛距離を大きくすること
と、シャフトを硬くして「しっかりした安定感」を与え
ると共に飛球方向を安定させることとは相反することと
なる。このため、この相反する「しなり感」と「しっか
りした安定感」、「飛距離の増大」と「飛球方向の安
定」を両立するために、従来種々の提案がなされてい
る。
【0006】例えば、特開平7−213658号で開示
された第一の従来例にゴルフクラブ用シャフトでは、シ
ャフトの中央部分に柔軟な領域を設け、残余部分を曲げ
剛性が50N.m2またはそれ以上としている。特開平
9−234256号で開示された第二の従来例のゴルフ
クラブ用シャフトでは、ねじり剛性が高い領域を手元部
分および先端部分に有すると共に、曲げ剛性が高い領域
を中央部分に設けている。特開平10−127838号
に開示された第三の従来例のゴルフクラブ用シャフトで
は、握り部よりも先端部側に曲げ剛性が最大となる部分
を設けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記第一乃至第三従来
例のシャフトでは、人間が直接握るグリップ部には配慮
がなされず、グリップ部よりヘッド側の比較的変形量の
大きな部分にのみ着眼した改良が加えられており、か
つ、各従来例には下記の問題点がある。
【0008】即ち、第一の従来例のシャフトでは、製造
上の制約が大きくなると共に、急激な剛性変化部分を設
けているため、タイミングが取り辛く、また、曲げ剛性
を低くした部分が応力集中により破損が生じ易くなる問
題がある。さらに、曲げ剛性をひくくした柔軟な区域よ
りも先端側に剛性の高い区域があるため十分なしなり感
が得られにくくなっている。第二の従来例のシャフトで
は、中央部分の曲げ剛性が大きいため、十分なしなり感
が得られないと共に、スイング中のシャフトの挙動が従
来の一般的なシャフトと異なるためタイミングが取り辛
くなる。さらに、第三の従来例のシャフトでは、シャフ
トを構成する繊維強化プリプレグの積層構造の具体的な
開示がないが、握り部よりも先端部側に曲げ剛性が最大
となる部分を得るには複雑な繊維強化プリプレグの積層
構成、あるいは製造工程が必要となり、製造上の制約が
大きくなる問題がある。
【0009】このように、従来提案されているゴルフク
ラブ用シャフトでは、製造上の制約が大きい、タイミン
グが取り辛い等の問題点があり、特に、ゴルファーが直
接握るグリップ部ではなく、グリップ部よりヘッド側の
部分を改良しているために、ゴルファーに「しっかりし
た安定感」と「しなり感」とを感じさせにくい問題があ
る。
【0010】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、打撃時にゴルファーが「しなり感」と「しっかり
した安定感」の両方が感じられると共に、飛距離の増大
と飛球方向の安定性を両立できるゴルフクラブ用シャフ
トを提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、ゴルファーが直接ゴルフクラブと接す
るグリップ部分に着眼し、しなりの良いシャフトのグリ
ップに改良を加えることにより、「しなり感」に加えて
「しっかりした安定感」を与えるものである。
【0012】即ち、本発明では、繊維強化樹脂よりなる
ゴルフクラブ用シャフトであって、引張弾性率が400
00kg/mm2以上の炭素繊維層からなり、該炭素繊
維層のシャフト軸線に対する繊維角度が0以上15度以
下であるグリップ強化繊維層を、グリップ端のA点と、
該A点からヘッド側へ100mm以上350mm以下の
範囲にあるB点の間に配して、グリップ部分の剛性を高
めていることを特徴とするゴルフクラブ用シャフトを提
供している。
【0013】上記引張弾性率が40000kg/mm2
以上となる高弾性率の炭素繊維層は、炭素繊維を一方向
に引き揃えてマトリクス樹脂で固着してシート状とした
炭素繊維強化プリプレグとして用いている。該炭素繊維
強化プリプレグからなるグリップ強化繊維層は、グリッ
プ端から350mm以下の範囲のグリップ部分におい
て、シャフト全長に配置する他の繊維強化プリプレグに
巻き付けて積層配置し、かつ、その炭素繊維をシャフト
軸線に対して略平行となるストレート層として配置して
いる。
【0014】このように、ゴルファーが握って直接的に
接触するグリップ部分に、高弾性率の炭素繊維強化プリ
プレグをストレート層として配置すると、グリップ部分
の剛性が高まり、グリップ部の変形量を押さえられるた
め、しっかりした安定感をゴルファーに与えることがで
きる。このように、しっかりした安定感を得られるため
に、ゴルファーは安心してスイングが出来、変形を押さ
えるためにグリップ部分を強く握りしめる「力み」を生
じさせないため、スイングが安定し、飛球方向の安定性
を高めることができる。しかも、グリップ部分よりヘッ
ド側のシャフト部分ではグリップ部分よりは剛性を低く
して軟らかくしているため、打撃時に十分に撓み、ゴル
ファーにしなり感を与えると共に飛距離の保持もでき、
上記「しなり感」と「しっかりした安定感」の両立、お
よび「飛距離の確保」と「飛球方向の安定性」を両立さ
せることができる。
【0015】上記引張弾性率が40000kg/mm2
以上の高弾性炭素繊維を用いた繊維強化樹脂シート(繊
維強化プリプレグ)は、圧縮強度および曲げ方向の強度
が低く、また、繊維の破断伸度が小さい。よって、グリ
ップ部分以外のシャフト部分に、配向角(シャフト軸線
に対する繊維角度)を0〜15度のストレート層として
用いた場合、シャフトに折れが発生する懸念があり、グ
リップ部分にのみ用いている。グリップ部分では、スイ
ング時における歪みが小さく、また、ショット時に受け
る衝撃も小さいことから、グリップ部分に引張弾性率は
大きいが圧縮および曲げ強度が低く且つ破断伸度が小さ
い上記高弾性炭素繊維強化樹脂シートを配置しても問題
はない。
【0016】グリップ強化繊維層の炭素繊維の引張弾性
率(繊維メーカ公表値)は、上記のように、40000
kg/mm2以上、さらに好ましくは50000kg/
mm2以上である。この引張弾性率は大きい程良いが、
材料の入手上の理由また材料コストの観点から、この引
張弾性率の上限については200000kg/mm2
下、さらに100000kg/mm2以下と規定するこ
とができる。
【0017】また、グリップ強化繊維層の炭素繊維の延
在方向が、シャフト軸線となす角度を0度〜15度とし
ているのは、0度とするのが最も好ましいが、製造上あ
る程度角度が付くため0度から15度の範囲、このまし
くは0〜10度、さらに好ましくは0〜5度としてい
る。即ち、図7に示すように、製造時において、炭素繊
維を一方向に引きそろえた炭素繊維強化プリプレグから
なるシート10を芯金20に巻き付けていくが、芯金2
0にテーパが付いているため、シート10の巻始め10
a側では0度として巻き付けても、巻終わり部10bで
は芯金20に対して角度がついてしまし、その角度は芯
金20のテーパとシート10の巻回数により異なること
となる。しかしながら、上限は15度としているのは、
15度を越えると、グリップの曲げ剛性を高める効果が
不十分となるからである。
【0018】シャフトのグリップ部分は、グリップ端の
A点から100mm以上350mm以下の範囲であり、
上記のように、グリップ端のA点からヘッド側へ100
mm以上350mm以下の範囲にあるB点の間にグリッ
プ強化繊維層を配置することは、グリップ部分にグリッ
プ強化繊維層を配置していることを規定している。
【0019】グリップ強化繊維層の配置位置をグリップ
端Aより350mm以下としているのは、350mm以
上ヘッド側の位置まで配置すると、シャフトの撓み量が
小さくなり、しなり感を生じにくく、かつ、シャフトを
十分に撓ませることが出来ないため飛距離が伸びないこ
とによる。なお、上記ヘッド側のB点はグリップ端Aか
ら150mm〜250mmの範囲の位置が最も好適であ
る。
【0020】よって、グリップ強化繊維層のシャフト長
手方向における長さは、100mm以上350mm以下
であり、150mm〜250mmが好適である。即ち、
グリップ部が最も短い場合が100mmとなり、100
mm未満となるとゴルファーが握る部分よりも短くな
り、ゴルファーが握る部分にグリップ強化繊維層を配置
する本発明の目的が達成しなくなる。グリップ部が最も
長い場合は350mmとなり、グリップ部を越えてヘッ
ド側まで配置すると、上記したように、シャフトの撓み
量が小さくなる問題が生じる。
【0021】グリップ強化繊維層以外の繊維強化樹脂層
の強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アモルフ
ァス、ポロン、チタン、タングステン、ステンレス等の
金属繊維、および、アラミカ、ケプラー、ポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)等の有機繊維
等を用いることができる。そのうち、炭素繊維が好適で
あり、グリップ強化繊維層以外で用いる炭素繊維の引張
弾性率は、シャフト軸線に対して略平行のストレート層
として配置する場合には10000〜30000kg/
mm2、シャフト軸線に対して傾斜角度となすバイアス
層として配置する場合には、24000〜80000k
g/mm2としている。
【0022】上記のように、グリップ強化繊維層および
該グリップ強化繊維以外の繊維層とも強化繊維を一方向
に引き揃えマトリクス樹脂で固着した繊維強化プリプレ
グが用いられる。マトリクス樹脂としては、エポキシ、
不飽和ポリエステル、フェノール、ビニルエステル等が
用いられるが、特にエポキシが最も好適に用いられる。
【0023】本発明に関わるゴルフクラブ用シャフト
は、その全長が860mm〜1220mm、シャフト径
がヘッド取付側端が8〜10mmでグリップ取付端が1
2〜25mm、シャフト重量が35g〜120gとする
のが好適である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1および図2(A)(B)は本発
明の実施形態に関わるゴルフクラブシャフトを示し、シ
ャフト10は繊維強化プリプレグを積層して構成してお
り、小径側先端にヘッド4が取り付けられ、大径端側に
グリップ6が取り付けられる。シャフト10のグリップ
6が取り付けられるグリップ部分Xは200mm〜35
0mmである。このグリップ部分Xにはグリップ端A点
からヘッド側のB点までの間に高弾性炭素繊維を強化繊
維とするプリプレグからなるグリップ強化繊維層13を
配置している。本実施形態ではB点はA点から300m
mの位置とし、よって、グリップ強化繊維層13のシャ
フト軸線方向Cの長さは300mmとしている。
【0025】上記シャフト10は、図2(A)に示す繊
維強化樹脂シートの繊維強化プリプレグ11、12、1
3、14、15、16、17を芯金(図示せず)に内周
側から図2(B)に示すように内周側から巻き付けて積
層している。これら繊維強化プリプレグ11〜17の強
化繊維F1〜F7はいずれも炭素繊維を用い、マトリク
ス樹脂としてエポキシを用いている。
【0026】繊維強化プリプレグ11、12の長さL
1、L2はシャフト全長に沿って巻き付ける長さに設定
し、本実施形態では990mmに設定している。大幅側
の幅S1、S2は2回巻きするように設定し、かつ、強
化繊維F1、F2がシャフト軸線Cに対してなす配向角
を45度に傾斜させてバイアス層を構成するようにして
いる。本実施形態では繊維強化プリプレグ11、12と
して東レ製M30Sを用いている。
【0027】高弾性炭素繊維を強化繊維とするプリプレ
グからなるグリップ強化繊維層13は、強化繊維の高弾
性炭素繊維F3の引張弾性率を40000kg/mm2
以上としたものを用いており、本実施形態では引張弾性
率が80000kg/mm2の日本グラファイトファイ
バー(株)製のYS−80を用いている。繊維F3の角
度はシャフト軸線に対して0〜15度以下とし、ストレ
ート層を構成するようにしている。該グリップ強化繊維
層13はシャフト10のグリップ部分Xに配置する長さ
L3とし、具体的には、シャフト10のグリップ端のA
点と、該A点からヘッド側へ100mm以上350mm
以下の範囲にあるB点の間に配置するようにし、よっ
て、長さL3は100mm以上350mm以下とし、前
記したように、本実施形態では300mmとしている。
幅S3は1回巻きするように設定している。
【0028】繊維強化プリプレグ14、15の長さL
4、L5はシャフト全長に沿って巻き付ける長さに設定
し、本実施形態では990mmに設定している。また、
強化繊維F4、F5をシャフト軸線に対して0〜15度
以下とし、ストレート層を構成するようにしている。繊
維強化プリプレグ14の幅S4は2回巻きするように設
定し、繊維強化プリプレグ15の幅S5は1回巻きする
ように設定している。本実施形態では繊維強化プリプレ
グ14、15として東レ製T800Hを用いている。
【0029】繊維強化プリプレグ16、17はシャフト
のヘッド取付側に巻き付けるものであり、ヘット取付端
D点から長さL6、L7を250mmと設定している。
強化繊維F6、F7がシャフト軸線に対して0〜15度
以下とし、ストレート層を構成するようにしている。繊
維強化プリプレグ16、17の幅S6、S7は5回巻す
るように設定している。本実施形態では繊維強化プリプ
レグ16、17として東レ製T700Sを用いている。
【0030】上記繊維強化プリプレグとして用いる東レ
製M30S、T800H、T700SおよびYS−80
の引張弾性率を下記の表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】上記繊維強化プリプレグ11〜17は図2
(B)の積層状態の断面模式図に示すように、芯金(図
示せず)に巻き付けた後、ポリエチレンテレフタレート
樹脂製のテープでラッピングしてオーブン中で加熱加圧
して樹脂を硬化させて一体的に成形し、その後、芯金を
引き抜いてシャフト10を形成している。なお、図2
(B)はグリップ部分における断面模式図である。即
ち、まず、芯金に、繊維強化プリプレグ11と12とを
180度位相させて巻き付けた後、グリップ部分Xに当
たる部分にグリップ繊維強化層13のプリプレグを巻き
付ける。其の外周に繊維強化プリプレグ14と15と巻
き付け、最後にシャフトのヘッド取付側に繊維強化プリ
プレグ16、17を巻き付けている。
【0033】成形されたゴルフクラブ用シャフト10
は、その全長が860mm〜1220mm(本実施形態
では990mm)、シャフト径がヘッド取付側端が8〜
10mm(本実施形態では9.4mm)、グリップ取付
端が12〜25mm(本実施形態では14.8mmまた
は15.0mm)、シャフト重量が35g〜120gと
している。
【0034】上記本実施形態に関わる実施例のゴルフク
ラブ用シャフトと、グリップ部分に強化繊維層を設けて
いない従来例の図3に示すゴルフクラブ用シャフトと、
グリップ強化繊維層13’を設けているが炭素繊維の引
張弾性率が40000kg/mm2以下の23500k
g/mm2である東レ製T700Sの繊維強化プリプレ
グを用いている図4に示す比較例1のゴルフクラブ用シ
ャフトと、炭素繊維の引張弾性率が40000kg/m
2以上のYS−80を用いているが、シャフト全長に
わたって強化樹脂層13”を配置している図5に示す比
較例2のゴルフクラブ用シャフトを作成した。従来例お
よび比較例1、2のシャフトは上記した点だけが実施例
のシャフトと相違し、他の点は実施例のシャフトと同一
としている。
【0035】上記実施例、従来例、比較例1、2のゴル
フクラブ用シャフトの長さ、重量、順式、逆式のフレッ
クス、ヘッド取付先端の外径(TIP径)、グリップ側
先端の外径(BUTT径)は下記の表2に示す通りであ
る。
【0036】
【表2】
【0037】上記順式フレックスとはシャフトのグリッ
プ側(手元側)の硬さの指標であり、図6(A)に示す
ように、先端から799mmの位置を支点P1とし、こ
の支点P1からグリップ端Aよりの140mmの位置を
固定点P2とし、ヘッド取付端Dから64mmの位置に
2.7kgの錘W1を吊り下げ、ヘット取付端Dの撓み
量を測定して得たものである。逆式フレックスはシャフ
トのヘッド取付側の硬さの指標であり、図6(B)に示
すように、ヘッド取付端Dから152mmの位置を支点
P1’とし、この支点P1’からヘッド取付側へ140
mmの位置を固定点P2’とし、ヘッド取付端Dから7
98mmの位置に1.3kgの錘W2を吊り下げて、グ
リップ取付端Aの撓み量を測定して得たものである。
【0038】これら実施例、従来例、比較例1、2の各
ゴルフクラブ用シャフトに対して耐久試験と、ゴルファ
ーが実打して「しなり感」と「しっかり安定感」を評価
する官能テスト、およびゴルファーが実打して飛距離を
測定すると共に方向性の測定をした。
【0039】上記耐久試験は、(株)ミヤマエ製のスイ
ングロボットを使用して、ヘッドスピードを45m/s
ecに設定し、クラブフェースのセンターからトウ寄り
に20mm隔てた点、およびヒール寄りに20mm隔て
た点にて、それぞれ1500回(合計3000回)打撃
し、3000回打撃後にシャフトの折れが無かったもの
については○、シャフトの折れが発生したものについて
は×とした。
【0040】上記官能テストおよび飛距離、方向性の測
定は、テスター12名が行い、官能テストではしなり
感、しっかり安定感が十分にある場合を満点の5点と
し、ない場合を0点として5段階評価し、全テスターの
平均で、3.5以上の場合は○、2.5以下の場合は×
として表示した。飛距離、方向性の測定はテスター12
名が5番アイアンで各5球ずつ打ち、全平均飛距離およ
び目標位置からのズレの平均を表した。なお、目標位置
から右にズレても左にズレても目標からの距離を測定
し、平均した。
【0041】表2に示すように、耐久試験では、実施
例、従来例および比較例1は合格の○であるが、比較例
2のシャフト全長に高弾性炭素繊維を強化繊維とするプ
リプレグをストレート層として配置した場合は×となっ
ていた。このことより、高弾性炭素繊維を強化繊維とす
るプリプレグはグリップ部分のみに配置することが耐久
性の点で好ましいことが確認できた。
【0042】テスターによる官能テストでの「しなり
感」は実施例、従来例、比較例1とも○であったが、比
較例2のシャフト全長に高弾性炭素繊維を強化繊維とす
るプリプレグをストレート層として配置した場合は×と
なっていた。このことより、高弾性炭素繊維を強化繊維
とするプリプレグは「しなり感」の点からもグリップ部
分のみに配置することが好ましいことが確認できた。
【0043】同じく官能テストでの「しっかり安定感」
は、実施例と比較例2が○で、従来例のグリップ繊維強
化層がない場合、比較例1のグリップ繊維強化層はある
が炭素繊維の引張弾性力が小さい場合は、グリップ部分
の剛性が低いため、「しっかり安定感」はなく、×とな
った。このことより、引張弾性率が高い炭素繊維強化層
をグリップ部分に配置することにより、ゴルファーに
「しっかり安定感」を与えることができることが確認さ
れた。
【0044】飛距離については、実施例が一番長く、
「しっかり安定感」を与えた場合においてもグリップ部
分以外のシャフト部の撓み量を十分に確保して、飛距離
を延ばすことが出来ることが確認できた。また、方向性
についても実施例のズレが小さく飛球方向の安定性を得
ることが出来ることが確認できた。なお、比較例2も方
向性についてはズレが最も小さかったが、飛距離は最も
短くなり、飛球方向の安定性が図れても飛距離を伸ばす
ことができないことも確認できた。
【0045】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のゴルフクラブ用シャフトでは、ゴルファーが握るグリ
ップ部分の剛性を高めているため、打撃時にしっかりと
した安定感を感じさせることができ、そんため、打撃時
における「力み」なく、スイングが安定し、飛球方向の
安定性も優れたものとなる。
【0046】また、グリップ部分のみ剛性を高めている
ため、グリップ部分を除くヘッド取付側先端までの長尺
なシャフト部分には十分に撓みを発生させて、シャフト
をしならせることができ、ゴルファーに「しなり感」も
与えることが出来ると共に、シャフトのしなりによる飛
距離の増大を図ることができる。
【0047】このように、本発明に係わるゴルフクラブ
用シャフトでは、「しなり感」と「しっかり安定感」、
「飛距離の増大」と「飛球方向の安定性」の従来相反す
る要求を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のゴルフクラブ用シャフト
の概略斜視図である。
【図2】 (A)は実施形態(実施例)のゴルフクラブ
用シャフトに用いる繊維強化プリプレグを示す図面、
(B)は積層状態における断面模式図である。
【図3】 (A)は従来例に用いる繊維強化プリプレグ
を示す図面、(B)は積層状態における断面模式図であ
る。
【図4】 比較例1に用いる繊維強化プリプレグを示す
図面である。
【図5】 比較例2に用いる繊維強化プリプレグを示す
図面である。
【図6】 (A)は順式フレックスの測定方法を示す概
略図、(B)は逆式フレックスの測定方法を示す概略図
である。
【図7】 ストレート層が巻き付けられた時の繊維角度
を説明するための図面である。
【符号の説明】
10 ゴルフクラブ用シャフト 11、12、14、15、16、17 繊維強化プリプ
レグ 13 グリップ補強繊維層 X グリップ部分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂よりなるゴルフクラブ用シ
    ャフトであって、 引張弾性率が40000kg/mm2以上の炭素繊維層
    からなり、該炭素繊維層のシャフト軸線に対する繊維角
    度が0以上15度以下であるグリップ強化繊維層を、グ
    リップ端のA点と、該A点からヘッド側へ100mm以
    上350mm以下の範囲にあるB点の間に配置して、グ
    リップ部分の剛性を高めていることを特徴とするゴルフ
    クラブ用シャフト。
  2. 【請求項2】 上記グリップ強化繊維層のシャフト長手
    方向における長さは100mm以上350mm以下であ
    る請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフト。
  3. 【請求項3】 上記グリップ強化繊維層は、上記高弾性
    炭素繊維を一方向に引き揃えて樹脂で固着した繊維強化
    プリプレグとして用い、シャフトの全長に巻き付ける他
    の繊維強化プリプレグに対して上記グリップ部分にのみ
    巻き付けている請求項1または請求項2に記載のゴルフ
    クラブ用シャフト。
JP27093899A 1999-09-24 1999-09-24 ゴルフクラブ用シャフト Pending JP2001087435A (ja)

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JP2003102883A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフクラブシャフト
JP2012223268A (ja) * 2011-04-18 2012-11-15 Dunlop Sports Co Ltd ゴルフクラブシャフト

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