JP4263314B2 - ゴルフクラブ用のシャフト及びゴルフクラブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴルフクラブ用のシャフト及びこのシャフトが用いられたゴルフクラブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、スチールシャフトに代えて繊維強化樹脂製シャフトが装着されたゴルフクラブが好んで用いられており、ゴルフクラブの主流となりつつある。繊維強化樹脂製シャフトは軽量であるため、これを用いるゴルファーはヘッドスピードを速めることができ、打球の飛距離を高めることができる。
【0003】
いわゆるアベレージゴルファーの中には、打球が上がりにくく、このためヘッドスピードに応じた飛距離が得られずに悩んでいる者が多い。速いヘッドスピードでスイングできることとともに、打球が上がりやすいことも、アベレージゴルファーがゴルフクラブに要求する重要な性能である。一般的に、先調子率が大きなゴルフクラブほど打球が上がりやすく、このため打球感がソフトとなってアベレージゴルファーに好まれる。従来、シャフトの先調子率について種々の提案がなされてきている(例えば特開平10−305121号公報参照)。
【0004】
ゴルフクラブの性能を左右する他の要素として、シャフトの重心距離が挙げられる。重心距離が小さなゴルフクラブ、すなわち重心が比較的前端寄りにあるゴルフクラブでは、ゴルファーはヘッドの重みを感じやすく、従ってスイングのタイミングをとりやすい。逆に、重心距離が大きなゴルフクラブ、すなわち重心が比較的後端寄りにあるゴルフクラブでは、ゴルファーはゴルフクラブを重く感じ、また、ヘッドの重みを感じにくい。アベレージゴルファーは、重心距離が小さなゴルフクラブを好む傾向が見られる。従来、シャフトの重心距離についても種々の提案がなされてきている(例えば特開平9−131422号公報及び実開平4−70061号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前端部分の補強繊維の積層数が少なくされて逆式フレックスが比較的大きくされることにより、シャフトの先調子率が大きくされ得る。しかし、この手法で先調子率が大きくされたシャフトでは、前端近傍が軽量となり、重心距離が大きくなってしまう。一方、前端部分の補強繊維の積層数が多くされて前端近傍が重くされることにより、重心距離が小さくされ得る。しかし、この手法で重心距離が小さくされたシャフトでは、逆式フレックスが小さくなって先調子率が小さくなってしまう。
【0006】
このように、積層数の調節によって先調子率を大きくすることと、積層数の調節によって重心距離を小さくすることとは、相反する事項である。アベレージゴルファーに好適な、先調子率が大きくて重心距離が小さなシャフトは、未だ得られていないのが実状である。
【0007】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、先調子率が大きくて重心距離が小さなシャフト及びこのシャフトが用いられたゴルフクラブの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた発明は、
ヘッド前端から始まり、シャフト全長の3%以上40%以下の長さを有する前端補強繊維層を備え、該前端補強繊維層の補強繊維の弾性率が15000kgf/mm 2 以下3000kgf/mm 2 以上とされ、
上記ヘッドが装着される側の端である前端から重心までの距離である重心距離の全長に対する比率である重心距離率がGとされ、逆式フレックスの順式フレックスと逆式フレックスとの合計に対する比率である先調子率がPとされたとき、下記数式(1)によって算出される値Xが19以上23以下であるゴルフクラブ用のシャフト、である。
X=G−0.54×P −−−(1)
【0009】
このシャフトでは、上記式(1)によって算出される値Xは、19以上23以下と従来のシャフトに比して小さく設定されている。値Xが小さくされるには、重心距離率Gが比較的小さくされ、先調子率Pが比較的大きくされる必要がある。これにより、シャフトがいわゆる先調子となり、重心距離が小さくなる。従って、このシャフトが用いられたゴルフクラブでは打球が上がりやすく、また、このゴルフクラブはゴルファーにとってスイングしやすい。
【0010】
この発明において、重心距離率G(%)は、前端(ヘッドが装着される側の端)から重心までの距離である重心距離がL1(mm)とされ、前端から後端(グリップが装着される側の端)までの距離である全長がL2(mm)とされたとき、下記数式(2)によって算出される。
G=(L1/L2)×100 −−−(2)
【0011】
また、この発明において先調子率P(%)は、順式フレックスがF1(mm)とされ、逆式フレックスがF2(mm)とされたとき、下記数式(3)によって算出される。
P=(F2/(F1+F2))×100 −−−(3)
なお、順式フレックスは、シャフトの前端から後端に向かって129mmの箇所が荷重点とされ、この荷重点から後端に向かって824mmの箇所が第一支点とされ、この第一支点から後端に向かって140mmの箇所が第二支点とされ、第一支点において下方から、そして第二支点において上方から、軸方向が水平となるようにシャフトが固定され、荷重点に2.7kgの錘が吊り下げられたときの荷重点の撓み量である。また、逆式フレックスは、シャフトの前端から後端に向かって12mmの箇所が第二支点とされ、この第二支点から後端に向かって140mmの箇所が第一支点とされ、この第一支点から後端に向かって776mmの箇所が荷重点とされ、第一支点において下方から、そして第二支点において上方から、軸方向が水平となるようにシャフトが固定され、荷重点に1.3kgの錘が吊り下げられたときの荷重点の撓み量である。
【0012】
値Xが19以上23以下であるシャフトは、上記ヘッド前端から始まり、シャフト全長の3%以上40%以下の長さを有する前端補強繊維層を備え、該前端補強繊維層の補強繊維の弾性率が15000kgf/mm 2 以下3000kgf/mm 2 以上とされている。前端補強繊維層によって、シャフトの前端近傍が重くなり、重心距離率Gが小さくなる。また、この前端補強繊維層は弾性率が15000kgf/mm2以下である繊維からなるので、前端近傍の剛性がさほど大きくはならず、大きな先調子率Pが維持される。特に好適な繊維は、ピッチ系炭素繊維である。
【0013】
また、上記値Xが19以上23以下であるシャフトは、上記前端補強繊維層の比重が4g/cm3以上の繊維からなる。この繊維は比重が大きいので、前端近傍に配される量が少量であっても前端近傍が重くなり、重心距離率Gが小さくなる。また、前端近傍に配される繊維の量が少量であれば、前端近傍の剛性がさほど大きくはならず、大きな先調子率Pが維持される。比重が4g/cm3以上の繊維としては、金属繊維が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、本発明の実施形態が説明される。
図1は、本発明の一実施形態にかかるゴルフクラブが示された斜視図である。このゴルフクラブは、ヘッド1、シャフト3及びグリップ5から構成されている。ヘッド1は、シャフト3の前端がホーゼル7に挿入されることにより、シャフト3に装着されている。グリップ5は通常ゴム又は皮革からなり、シャフト3の後端近傍の外周面に装着されている。
【0015】
シャフト3は、繊維強化樹脂製である。シャフト3は、通常は、マンドレルにプリプレグシートを複数枚巻き付けて合成樹脂を硬化させ、マンドレルを抜き取ってシャフト母材を形成し、このシャフト母材を所定寸法にカットして作製される。従って、シャフト3では複数の補強繊維層が積層されている。シャフト3の長さは特には制限されないが、通常は1095mm以上1300mm以下程度である。また、シャフト3の重量は、通常は35g以上100g程度である。
【0016】
図2は、図1のシャフト3のプリプレグシートが示された模式的展開図である。この図において、右側がシャフト3の前端側であり、左側がシャフト3の後端側である。このシャフト3には、第1プリプレグシート9、第2プリプレグシート11、第3プリプレグシート13、第4プリプレグシート15、第5プリプレグシート17、第6プリプレグシート19、第7プリプレグシート21、第8プリプレグシート23、第9プリプレグシート25、第10プリプレグシート27及び第11プリプレグシート29が用いられている。
【0017】
第1プリプレグシート9、第8プリプレグシート23、第9プリプレグシート25、第10プリプレグシート27及び第11プリプレグシート29は、シャフト3の前端近傍のみに配設されたプリプレグシートであり、その補強繊維は前端補強繊維層を形成している。一方、第2プリプレグシート11、第3プリプレグシート13、第4プリプレグシート15、第5プリプレグシート17、第6プリプレグシート19及び第7プリプレグシート21は、シャフト3の全長に渡って配設されたプリプレグシートである。前端補強繊維層の補強繊維の弾性率は、15000kgf/mm2以下である。これに対し、全長に渡って配設されたプリプレグシートの補強繊維の弾性率は、15000kgf/mm2を超えている(例えば30000kgf/mm2程度)。
【0018】
このシャフト3では、前端補強繊維層により前端近傍が重くなっており、これによってシャフト3の重心距離率Gが小さく設定されている。また、前端補強繊維層の補強繊維はその弾性率が15000kgf/mm2以下であるので、前端補強繊維層に起因する前端近傍の剛性上昇がさほど大きくなく、大きな先調子率Pが維持されている。従って、上記式(1)によって算出される値Xが、19以上23以下の範囲内となっている。
【0019】
図5は、従来のシャフトの重心距離率Gと先調子率Pとの測定結果が示されたグラフである。この図は、本発明者が市場のシャフトを調査して得たものである。この図から明らかなように、従来の全てのシャフトは、値Xが23である直線よりも上方にプロットされている。すなわち、値Xが19以上23以下であるシャフトは従来存在しておらず、前端補強繊維層が設けられた本発明のシャフトによって初めて19以上23以下の値Xが達成されたのである。値Xが19以上とされることにより、先端部が軟らかくなりすぎて打球方向がばらついてしまうことが防止され、また、重心距離率Gが小さくなりすぎてスイングに悪影響を与えることが防止される。また、値Xが23以下とされることにより、打球が上がりやすくなり、また、アベレージゴルファーにとってスイングが容易となる。この観点から、値Xは21以上23以下が特に好ましい。
【0020】
前端補強繊維層の補強繊維はその弾性率が15000kgf/mm2以下であればよく、その材質は特には制限されない。例えば、炭素繊維、チタン繊維、ガラス繊維、ケブラー等から、弾性率が上記範囲内であるものが適宜選択され得る。特に好ましい補強繊維は、マトリックス樹脂との接着性に優れ、得られるシャフト3の引張強度、圧縮強度及び曲げ強度が高くなり、衝撃吸収性が高まるという理由から、石油ピッチを原料として作られるピッチ系炭素繊維である。
【0021】
値Xがより小さくされ得るとの観点から、前端補強繊維層の補強繊維の弾性率は、10000kgf/mm2以下が特に好ましい。なお、弾性率の下限は特には規定される必要はないが、材料の入手の容易性の観点から、通常は弾性率が3000kgf/mm2以上、特には5000kgf/mm2以上の補強繊維が用いられる。なお、前端補強繊維層の補強繊維の弾性率は、全長に渡って設けられる補強繊維の弾性率の50%以下が好ましい。
【0022】
前端補強繊維層の長さは、シャフト3の全長の3%以上40%以下が好ましく、特に5%以上30%以下が好ましい。長さが上記範囲内とされることにより、値Xが19以上23以下の範囲内に設定されやすくなる。
【0023】
図3は、本発明の他の実施形態にかかるゴルフクラブのシャフト31のプリプレグシートが示された模式的展開図である。この図において、右側がシャフト31の前端側であり、左側がシャフト31の後端側である。このシャフト31には、第1プリプレグシート33、第2プリプレグシート35、第3プリプレグシート37、第4プリプレグシート39、第5プリプレグシート41、第6プリプレグシート43、第7プリプレグシート45、第8プリプレグシート47及び第9プリプレグシート49が用いられている。
【0024】
第1プリプレグシート33、第8プリプレグシート47及び第9プリプレグシート49は、シャフト31の前端近傍のみに配設されたプリプレグシートであり、その補強繊維は前端補強繊維層を形成している。一方、第2プリプレグシート35、第3プリプレグシート37、第4プリプレグシート39、第5プリプレグシート41、第6プリプレグシート43及び第7プリプレグシート45は、シャフト31の全長に渡って配設されたプリプレグシートである。前端補強繊維層の補強繊維の比重は4g/cm3以上である。これに対し、全長に渡って配設されたプリプレグシートの補強繊維の比重は、4g/cm3以下である。
【0025】
このシャフト31では、前端補強繊維層の補強繊維は比較的少量とされている。このように補強繊維が少量であっても、その比重が4g/cm3以上と大きいので、前端近傍の重量が十分に大きくなる。これにより、シャフト31の重心距離率Gが小さく設定されている。また、前端補強繊維層の補強繊維が少量であるので、前端補強繊維層に起因する前端近傍の剛性上昇がさほど大きくなく、大きな先調子率Pが維持されている。従って、上記式(1)によって算出される値Xが、19以上23以下の範囲内となっている。
【0026】
前端補強繊維層の補強繊維の比重は、7g/cm3以上が特に好ましい。比重は大きいほど好ましいので、その上限は特には制限されないが、実用材料中で繊維化されるものの比重は、通常は25g/cm3以下、特には20g/cm3以下である。補強繊維の好適な材質としては、例えばタングステン(比重:19.3g/cm3)、モリブデン(比重:10.2g/cm3)、ステンレススチール(比重:7.8g/cm3)等の金属が挙げられる。また、比重が上記範囲内にあるアモルファス、炭素鋼(例えば神戸製鋼社の商品名「サイファー」)等も好適に用いられる。なお、前端補強繊維層の補強繊維の比重は、全長に渡って設けられる補強繊維の比重の4倍以上が好ましい。
【0027】
前端補強繊維層の長さは、シャフト31の全長の3%以上40%以下が好ましく、特に5%以上30%以下が好ましい。長さが上記範囲内とされることにより、値Xが19以上23以下の範囲内に設定されやすくなる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではないことはもちろんである。
【0029】
[実施例1]
マンドレルに、図2に示されるような、長さが300mmであり前端幅が80mmであり最大幅部分の幅が90mmである第1プリプレグシート9、前端幅が50mmであり後端幅が130mmである第2プリプレグシート11、前端幅が50mmであり後端幅が130mmである第3プリプレグシート13、前端幅が20mmであり後端幅が55mmである第4プリプレグシート15、前端幅が20mmであり後端幅が55mmである第5プリプレグシート17、前端幅が21mmであり後端幅が56mmである第6プリプレグシート19、前端幅が22mmであり後端幅が57mmである第7プリプレグシート21、長さが200mmであり前端幅が100mmである第8プリプレグシート23、長さが200mmであり前端幅が100mmである第9プリプレグシート25、長さが100mmであり前端幅が80mmである第10プリプレグシート27及び長さが100mmであり前端幅が80mmである第11プリプレグシート29を巻き付け、加熱してマトリックス樹脂を硬化させた。そして、マンドレルを引き抜き、得られたシャフト母材を所定寸法に裁断して、シャフト3を得た。このシャフト3に、ロフトが10゜であり、体積が305ccであり、質量が187gであり、材質がチタン合金(6Al−4V)であるヘッド1を装着した。さらにグリップ5を装着して、実施例1のゴルフクラブ(ドライバー)を得た。このゴルフクラブに用いられた各プリプレグシートの仕様が、下記の表1に示されている。また、このゴルフクラブの仕様が、図4及び下記の表3に示されている。
【0030】
【表1】
【0031】
[実施例2]
マンドレルに、図3に示されるような、長さが300mmであり前端幅が80mmであり最大幅部分の幅が90mmである第1プリプレグシート33、前端幅が80mmであり後端幅が100mmである第2プリプレグシート35、前端幅が80mmであり後端幅が100mmである第3プリプレグシート37、前端幅が24mmであり後端幅が50mmである第4プリプレグシート39、前端幅が24mmであり後端幅が50mmである第5プリプレグシート41、前端幅が25mmであり後端幅が52mmである第6プリプレグシート43、前端幅が26mmであり後端幅が53mmである第7プリプレグシート45、長さが200mmであり前端幅が100mmである第8プリプレグシート47及び長さが200mmであり前端幅が100mmである第9プリプレグシート49を巻き付けた他は実施例1と同様にして、実施例2のゴルフクラブを得た。このゴルフクラブに用いられた各プリプレグシートの仕様が、下記の表2に示されている。また、このゴルフクラブの仕様が、図4及び下記の表3に示されている。
【0032】
【表2】
【0033】
[比較例1から比較例3]
市販のシャフト(住友ゴム工業社の商品名「TOUR BLACK V−10」)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例1のゴルフクラブを得た。また、市販のシャフト(住友ゴム工業社の商品名「TOUR BLACK V−92」)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例2のゴルフクラブを得た。さらに、市販のシャフト(住友ゴム工業社の商品名「TOUR BLACK V−12」)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例3のゴルフクラブを得た。比較例1から比較例3のゴルフクラブの補強繊維は、全てその弾性率が15000kgf/mm2以上であり、比重が4g/cm3以下であった。これらのゴルフクラブの仕様が、図4及び下記の表3に示されている。
【0034】
[スイングしやすさの評価]
ハンディキャップが5から30のゴルファー11名に、各実施例及び比較例のゴルフクラブにてゴルフボールを打撃させ、スイングしやすさを評価させた。スイングしにくいものを「1」とし、スイングしやすいものを「5」とした。11名の評価点の平均が3.5以上のゴルフクラブを「○」とし、2.5以上3.5未満のものを「△」とし、2.5未満のものを「×」とした。この結果が、下記の表3に示されている。
【0035】
[打球の上がりやすさの評価]
前述のスイングしやすさの評価と同時に、打球の上がりやすさを評価させた。打球が上がりにくいものを「1」とし、上がりやすいものを「5」とした。11名の評価点の平均が3.5以上のゴルフクラブを「○」とし、2.5以上3.5未満のものを「△」とし、2.5未満のものを「×」とした。この結果が、下記の表3に示されている。
【0036】
【表3】
【0037】
図4より明らかなように、実施例1及び実施例2のゴルフクラブでは、シャフトの値Xが19以上23以下の範囲である。また、比較例1から比較例3のゴルフクラブでは、シャフトの値Xが23よりも大きい。表3において、先調子率Pが小さくて値Xが大きな比較例1のゴルフクラブ並びに重心距離率Gが大きくて値Xが大きな比較例2及び比較例3のゴルフクラブは、スイングしやすさ及び打球の上がりやすさのいずれかにおいて、よくない評価となっている。これに対し、値Xが19以上23以下の範囲内である各実施例のゴルフクラブは、スイングしやすさ及び打球の上がりやすさの両方において、良好な評価となっている。以上の評価結果より、本発明の優位性が確認された。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のシャフトは、先調子率が大きくて重心距離が小さい。このシャフトが用いられたゴルフクラブは打球が上がりやすく、またゴルファーにとってスイングしやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるゴルフクラブが示された斜視図である。
【図2】図2は、図1のシャフトのプリプレグシートが示された模式的展開図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施形態にかかるゴルフクラブのシャフトのプリプレグシートが示された模式的展開図である。
【図4】図4は、本発明の実施例及び比較例のゴルフクラブのシャフトの重心距離率Gと先調子率Pとの測定結果が示されたグラフである。
【図5】 図5は、従来のシャフトの重心距離率Gと先調子率Pとの測定結果が示されたグラフである。
【符号の説明】
1 ヘッド
3、31 シャフト
5 グリップ
7 ホーゼル
Claims (4)
- ヘッド前端から始まり、シャフト全長の3%以上40%以下の長さを有する前端補強繊維層を備え、該前端補強繊維層の補強繊維の弾性率が15000kgf/mm 2 以下3000kgf/mm 2 以上とされ、
上記ヘッドが装着される側の端である前端から重心までの距離である重心距離の全長に対する比率である重心距離率がGとされ、逆式フレックスの順式フレックスと逆式フレックスとの合計に対する比率である先調子率がPとされたとき、下記数式(1)によって算出される値Xが19以上23以下であるゴルフクラブ用のシャフト。
X=G−0.54×P −−−(1) - 上記前端補強繊維層を構成する繊維がピッチ系炭素繊維である請求項1に記載のシャフト。
- 上記前端補強繊維層が、その比重が4g/cm 3 以上の繊維から構成されている請求項1に記載のシャフト。
- 上記シャフト全長に渡って設けられる補強層を備え、
上記前端補強繊維層の補強繊維の弾性率は、上記全長に渡って設けられる補強繊維層の補強繊維の弾性率の50%以下とされている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシャフト。
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