JP2001085203A - Ptc組成物 - Google Patents
Ptc組成物Info
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- JP2001085203A JP2001085203A JP26182299A JP26182299A JP2001085203A JP 2001085203 A JP2001085203 A JP 2001085203A JP 26182299 A JP26182299 A JP 26182299A JP 26182299 A JP26182299 A JP 26182299A JP 2001085203 A JP2001085203 A JP 2001085203A
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- JP
- Japan
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- weight
- parts
- ptc
- composition
- conductive filler
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y30/00—Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Composite Materials (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Thermistors And Varistors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 繰り返し使用に対して安定で、かつ再現性の
良好なPTC効果を有するPTC組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 結晶性高分子100重量部に対して金属
系導電性フィラー300〜550重量部、架橋剤0.0
1〜100重量部、フラーレン(C60)0.01〜1
00重量部を配合する。
良好なPTC効果を有するPTC組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 結晶性高分子100重量部に対して金属
系導電性フィラー300〜550重量部、架橋剤0.0
1〜100重量部、フラーレン(C60)0.01〜1
00重量部を配合する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PTC(Positive
Temperature Coefficient;正温度係数)を有する導電
性組成物(以下、PTC組成物という)に関し、詳しく
は、電池、電子機器の異常発生時に流れる過電流を防止
する過電流保護素子に用いられるPTC組成物に関する
ものである。
Temperature Coefficient;正温度係数)を有する導電
性組成物(以下、PTC組成物という)に関し、詳しく
は、電池、電子機器の異常発生時に流れる過電流を防止
する過電流保護素子に用いられるPTC組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、二次電池を使用した携帯電話機を
はじめ、電気機器、電子機器に用いられている過電流保
護素子としては、BaTiO3等の無機導電性組成物及
びカーボン系導電性フィラーや金属系導電性フィラーを
結晶性高分子マトリックスに分散させた有機導電性組成
物が知られている。
はじめ、電気機器、電子機器に用いられている過電流保
護素子としては、BaTiO3等の無機導電性組成物及
びカーボン系導電性フィラーや金属系導電性フィラーを
結晶性高分子マトリックスに分散させた有機導電性組成
物が知られている。
【0003】しかし、無機導電性組成物は、室温ー高温
の繰り返しによる素子動作後の抵抗率の低下はみられな
いが、定常状態での抵抗率が、100Ω・cm程度と高
いために、数A程度の比較的大きな電流を流すことがで
きない。このことは、無機導電性組成物は、電子機器等
の異常発生時に流れる過電流を防止する過電流保護素子
として用いることができないことを意味している。
の繰り返しによる素子動作後の抵抗率の低下はみられな
いが、定常状態での抵抗率が、100Ω・cm程度と高
いために、数A程度の比較的大きな電流を流すことがで
きない。このことは、無機導電性組成物は、電子機器等
の異常発生時に流れる過電流を防止する過電流保護素子
として用いることができないことを意味している。
【0004】一方、有機導電性組成物は、結晶性高分子
マトリックスの結晶融点よりも低い温度にある間は、導
電性フィラーが結晶性高分子マトリックスの非結晶領域
のみに存在し、連鎖状構造をとるため、導電性フィラー
を通して電子が移動する導電機構により低い抵抗率を示
す。温度が上昇し、結晶性高分子マトリックスが融解し
始めると、結晶性高分子マトリックスの体積が増加する
ため、結晶性高分子マトリックス中の導電性フィラー間
の距離が広がり、その結果、導電経路の破壊が進み抵抗
が上昇する。
マトリックスの結晶融点よりも低い温度にある間は、導
電性フィラーが結晶性高分子マトリックスの非結晶領域
のみに存在し、連鎖状構造をとるため、導電性フィラー
を通して電子が移動する導電機構により低い抵抗率を示
す。温度が上昇し、結晶性高分子マトリックスが融解し
始めると、結晶性高分子マトリックスの体積が増加する
ため、結晶性高分子マトリックス中の導電性フィラー間
の距離が広がり、その結果、導電経路の破壊が進み抵抗
が上昇する。
【0005】以上の動作原理を応用し、室温で低抵抗で
あり、温度上昇とともに抵抗が増大して電流を制限する
素子、特に所望のスイッチング温度(抵抗が急激に上昇
する温度)で急激に抵抗が大きくなるPTC特性を利用
し、過電流保護素子に用いられている。
あり、温度上昇とともに抵抗が増大して電流を制限する
素子、特に所望のスイッチング温度(抵抗が急激に上昇
する温度)で急激に抵抗が大きくなるPTC特性を利用
し、過電流保護素子に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、繰り返しスイ
ッチング動作を行ううちに抵抗率が大きくなるという問
題がある。即ち、金属系導電性フィラーを用いたPTC
組成物が良好な導電性を有する素子を得るためには、金
属系導電性フィラーの高充填化を行わなければならない
が、高充填化を行うと、マトリックスである結晶性高分
子の物性の安定性が低くなり、繰り返しスイッチング動
作を行ううちに抵抗率が大きくなってしまい、繰り返し
使用に対する信頼性がなくなるという問題がある。
ッチング動作を行ううちに抵抗率が大きくなるという問
題がある。即ち、金属系導電性フィラーを用いたPTC
組成物が良好な導電性を有する素子を得るためには、金
属系導電性フィラーの高充填化を行わなければならない
が、高充填化を行うと、マトリックスである結晶性高分
子の物性の安定性が低くなり、繰り返しスイッチング動
作を行ううちに抵抗率が大きくなってしまい、繰り返し
使用に対する信頼性がなくなるという問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、繰り返し使用に
対して安定で、かつ、再現性の良好なPTC効果を有す
るPTC組成物を提供することにある。
対して安定で、かつ、再現性の良好なPTC効果を有す
るPTC組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、結晶性
高分子と金属系導電性フィラーを含む導電性組成物であ
り、20℃における抵抗率が1Ω・cm以下であり、ス
イッチング温度以上で105Ω・cm以上の抵抗率を示
すPTC組成物が得られる。また、金属系導電性フィラ
ーにチタネート化合物カップリング剤で表面処理を施す
ことにより、充分に均一な分散状態化を図ると共に、ト
リップサイクル試験後の抵抗率が著しく安定なPTC組
成物が得られる。
高分子と金属系導電性フィラーを含む導電性組成物であ
り、20℃における抵抗率が1Ω・cm以下であり、ス
イッチング温度以上で105Ω・cm以上の抵抗率を示
すPTC組成物が得られる。また、金属系導電性フィラ
ーにチタネート化合物カップリング剤で表面処理を施す
ことにより、充分に均一な分散状態化を図ると共に、ト
リップサイクル試験後の抵抗率が著しく安定なPTC組
成物が得られる。
【0009】即ち、本発明は、結晶性高分子100重量
部に対して金属系導電性フィラー300〜550重量
部、架橋剤0.01〜100重量部、フラーレン(C
60)0.01〜100重量部が配合されてなることを
特徴とするPTC組成物である。
部に対して金属系導電性フィラー300〜550重量
部、架橋剤0.01〜100重量部、フラーレン(C
60)0.01〜100重量部が配合されてなることを
特徴とするPTC組成物である。
【0010】また、本発明は、結晶性高分子100重量
部に対して金属系導電性フィラー300〜550重量
部、架橋剤0.01〜100重量部、カーボンブラック
0.01〜100重量部が配合されてなることを特徴と
するPTC組成物である。
部に対して金属系導電性フィラー300〜550重量
部、架橋剤0.01〜100重量部、カーボンブラック
0.01〜100重量部が配合されてなることを特徴と
するPTC組成物である。
【0011】また、本発明は、前記金属系導電性フィラ
ーがチタネート化合物カップリング剤で表面処理されて
いることを特徴とする上記のPTC組成物である。
ーがチタネート化合物カップリング剤で表面処理されて
いることを特徴とする上記のPTC組成物である。
【0012】また、本発明は、前記結晶性高分子が1種
類の熱可塑性高分子もしくは2種類以上の高分子をブレ
ンドした高分子アロイであることを特徴とする上記のP
TC組成物である。
類の熱可塑性高分子もしくは2種類以上の高分子をブレ
ンドした高分子アロイであることを特徴とする上記のP
TC組成物である。
【0013】本発明のPTC組成物にて、上記のように
トリップサイクル試験後の抵抗率が安定し、増大しにく
くなった理由は、十分解明されていないが、以下の現象
が複合して効果を発揮しているものと考えられる。
トリップサイクル試験後の抵抗率が安定し、増大しにく
くなった理由は、十分解明されていないが、以下の現象
が複合して効果を発揮しているものと考えられる。
【0014】即ち、従来の金属系導電性フィラーを用い
たPTC組成物は、結晶性高分子100重量部に対して
金属系導電性フィラーを200〜350重量部添加した
組成物であり、金属系導電性フィラーは結晶性高分子に
対し限界高導電領域に達する程度の添加量となってい
る。
たPTC組成物は、結晶性高分子100重量部に対して
金属系導電性フィラーを200〜350重量部添加した
組成物であり、金属系導電性フィラーは結晶性高分子に
対し限界高導電領域に達する程度の添加量となってい
る。
【0015】これは、限界高導電領域に達した後、それ
以上、導電性フィラーを添加しても導電性が著しく上昇
することがないことからきている。繰り返しトリップ試
験等により繰り返し通電させると、結晶性高分子の物性
は劣化しやすくなり、限界高導電領域に達する程度の添
加量では、繰り返しトリップ試験等により繰り返し通電
させると、結晶性高分子の物性が劣化した影響が大きく
反映され、導電性が著しく劣化してしまう。
以上、導電性フィラーを添加しても導電性が著しく上昇
することがないことからきている。繰り返しトリップ試
験等により繰り返し通電させると、結晶性高分子の物性
は劣化しやすくなり、限界高導電領域に達する程度の添
加量では、繰り返しトリップ試験等により繰り返し通電
させると、結晶性高分子の物性が劣化した影響が大きく
反映され、導電性が著しく劣化してしまう。
【0016】これに対して、本発明のPTC組成物は、
結晶性高分子100重量部に対して金属系導電性フィラ
ーを300〜550重量部と限界高導電領域でもかなり
高い添加量とすることにより、繰り返しトリップ試験等
により繰り返し通電による結晶性高分子の物性劣化を相
対的に小さくし、かつ、フラーレンもしくはカーボンブ
ラック0.01〜100重量部を添加することで、結晶
性高分子の物性劣化を極力小さくしている。
結晶性高分子100重量部に対して金属系導電性フィラ
ーを300〜550重量部と限界高導電領域でもかなり
高い添加量とすることにより、繰り返しトリップ試験等
により繰り返し通電による結晶性高分子の物性劣化を相
対的に小さくし、かつ、フラーレンもしくはカーボンブ
ラック0.01〜100重量部を添加することで、結晶
性高分子の物性劣化を極力小さくしている。
【0017】抵抗率が安定化したことによって、熱履歴
によって抵抗が上昇してしまう現象が低減されると同時
に、フラーレン(C60)もしくはカーボンブラックを
添加することで、経時による結晶性高分子の物性劣化が
抑制されている。
によって抵抗が上昇してしまう現象が低減されると同時
に、フラーレン(C60)もしくはカーボンブラックを
添加することで、経時による結晶性高分子の物性劣化が
抑制されている。
【0018】結晶性高分子の物性劣化が抑制される理由
については、詳細は明らかではないが、フラーレン又は
カーボンブラックを添加することにより、高分子中に発
生するラジカルが捕捉され、高分子の架橋反応、分解或
いは切断が起こりずらくなっているためと考えられる。
については、詳細は明らかではないが、フラーレン又は
カーボンブラックを添加することにより、高分子中に発
生するラジカルが捕捉され、高分子の架橋反応、分解或
いは切断が起こりずらくなっているためと考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて具体的に説明する。
いて具体的に説明する。
【0020】(実施の形態1)高密度ポリエチレン樹脂
100重量部(商品名;HY540)とTiCフィラー
525重量部(日本新金属製)および架橋剤5重量部
(商品名;パーヘキシン25B)を加え、均質に分散さ
せて、その後、さらにフラーレン(C60)を10重量
部加え、150℃で15分混練して、本発明の導電性組
成物を製造した。
100重量部(商品名;HY540)とTiCフィラー
525重量部(日本新金属製)および架橋剤5重量部
(商品名;パーヘキシン25B)を加え、均質に分散さ
せて、その後、さらにフラーレン(C60)を10重量
部加え、150℃で15分混練して、本発明の導電性組
成物を製造した。
【0021】次いで、片面を粗面加工した厚さ25μm
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
【0022】PTC抵抗素子は、ニッケル箔に接合され
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
【0023】このPTC抵抗素子の繰り返し電流遮断時
の抵抗変化を測定した。その結果(図1)、本発明で
は、5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.5倍以内と従来品(1.8倍)よりも安定な繰り返し
電流遮断を行えることが確認された。
の抵抗変化を測定した。その結果(図1)、本発明で
は、5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.5倍以内と従来品(1.8倍)よりも安定な繰り返し
電流遮断を行えることが確認された。
【0024】また、素子の経時変化を観察した結果、大
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図2)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.5倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図2)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.5倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
【0025】(実施の形態2)高密度ポリエチレン樹脂
100重量部(商品名;HY540)とTiCフィラー
525重量部(日本新金属製)および架橋剤5重量部
(商品名;パーヘキシン25B)を加え、均質に分散さ
せて、その後、さらにカーボンブラックを15重量部加
え、150℃で15分混練して、本発明の導電性組成物
を製造した。
100重量部(商品名;HY540)とTiCフィラー
525重量部(日本新金属製)および架橋剤5重量部
(商品名;パーヘキシン25B)を加え、均質に分散さ
せて、その後、さらにカーボンブラックを15重量部加
え、150℃で15分混練して、本発明の導電性組成物
を製造した。
【0026】次いで、片面を粗面加工した厚さ25μm
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
【0027】PTC抵抗素子は、ニッケル箔に接合され
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
【0028】このPTC抵抗素子の繰り返し電流遮断時
の抵抗変化を測定した。その結果(図3)、本発明で
は、5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.5倍以内と従来品(1.8倍)よりも安定な繰り返し
電流遮断を行えることが確認された。
の抵抗変化を測定した。その結果(図3)、本発明で
は、5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.5倍以内と従来品(1.8倍)よりも安定な繰り返し
電流遮断を行えることが確認された。
【0029】また、素子の経時変化を観察した結果、大
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図4)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.7倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図4)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.7倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
【0030】(実施の形態3)高密度ポリエチレン樹脂
100重量部(商品名;HY540)とチタネート系カ
ップリン剤(商品名;KR−TTS)でカップリング処
理を施したTiCフィラー525重量部(日本新金属
製)および架橋剤5重量部(商品名;パーヘキシン25
B)を加え、均質に分散させて、その後、さらにカーボ
ンブラックを15重量部加え、150℃で15分混練し
て、本発明の導電性組成物を製造した。
100重量部(商品名;HY540)とチタネート系カ
ップリン剤(商品名;KR−TTS)でカップリング処
理を施したTiCフィラー525重量部(日本新金属
製)および架橋剤5重量部(商品名;パーヘキシン25
B)を加え、均質に分散させて、その後、さらにカーボ
ンブラックを15重量部加え、150℃で15分混練し
て、本発明の導電性組成物を製造した。
【0031】次いで、片面を粗面加工した厚さ25μm
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
【0032】PTC抵抗素子は、ニッケル箔に接合され
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
【0033】このPTC抵抗素子の繰り返し電流遮断時
の抵抗変化を測定した。その結果(図5)、本発明で
は、5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.4倍以内と従来品(1.8倍)およびカップリング処
理をしていないTiC粉末を用いて作製したPTC抵抗
素子(1.5倍)よりも安定な繰り返し電流遮断を行え
ることが確認された。
の抵抗変化を測定した。その結果(図5)、本発明で
は、5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.4倍以内と従来品(1.8倍)およびカップリング処
理をしていないTiC粉末を用いて作製したPTC抵抗
素子(1.5倍)よりも安定な繰り返し電流遮断を行え
ることが確認された。
【0034】また、素子の経時変化を観察した結果、大
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図6)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.5倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図6)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.5倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
【0035】(実施の形態4)高密度ポリエチレン樹脂
60重量部(商品名;HY540)とポリプロピレン樹
脂40重量部とTiCフィラー525重量部(日本新金
属製)および架橋剤5重量部(商品名;パーヘキシン2
5B)を加え、均質に分散させて、その後、さらにカー
ボンブラックを15重量部加え、150℃で15分混練
して、本発明の導電性組成物を製造した。
60重量部(商品名;HY540)とポリプロピレン樹
脂40重量部とTiCフィラー525重量部(日本新金
属製)および架橋剤5重量部(商品名;パーヘキシン2
5B)を加え、均質に分散させて、その後、さらにカー
ボンブラックを15重量部加え、150℃で15分混練
して、本発明の導電性組成物を製造した。
【0036】次いで、片面を粗面加工した厚さ25μm
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
のニッケル箔2枚の粗面間に前記導電性組成物を挟み、
厚さ300μmになるように加圧、延展後、200℃で
15分熱硬化させた。
【0037】PTC抵抗素子は、ニッケル箔に接合され
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
た前記導電性組成物を外径10mmφ:内径6mmφの
リング状に切り出し作製した。
【0038】このPTC抵抗素子の繰り返し電流遮断時
の抵抗変化を測定した。その結果(図7)、本発明で
は、室温における抵抗率が0.6Ωcmとなり、ポリマ
ーブレンドをしていないPTC抵抗素子(抵抗率;0.
8Ωcm)よりも抵抗値を20%低減させることができ
た。5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.3倍以内と従来品(1.8倍)およびポリマーブレン
ドをしていないPTC抵抗素子(1.5倍)よりも安定
な繰り返し電流遮断を行えることが確認された。
の抵抗変化を測定した。その結果(図7)、本発明で
は、室温における抵抗率が0.6Ωcmとなり、ポリマ
ーブレンドをしていないPTC抵抗素子(抵抗率;0.
8Ωcm)よりも抵抗値を20%低減させることができ
た。5A・30Vを通電すると、4秒でスイッチング
し、繰り返し電流遮断を10回施した場合でも、自然冷
却して室温まで下がったときの抵抗値は、初期抵抗の
1.3倍以内と従来品(1.8倍)およびポリマーブレン
ドをしていないPTC抵抗素子(1.5倍)よりも安定
な繰り返し電流遮断を行えることが確認された。
【0039】また、素子の経時変化を観察した結果、大
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図8)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.4倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
気中放置100日経過後のPTC抵抗素子に繰り返し電
流遮断を10回施した場合(図8)、自然冷却して室温
まで下がったときの抵抗値は、本発明において、初期抵
抗の1.4倍以内と従来品(2.5倍)よりも経時後の繰
り返し電流遮断の安定性が高いことが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したごとく、本発明によれ
ば、繰り返し使用に対して安定で、かつ再現性の良好な
PTC効果を有するPTC組成物を提供することができ
る。
ば、繰り返し使用に対して安定で、かつ再現性の良好な
PTC効果を有するPTC組成物を提供することができ
る。
【図1】実施の形態1による繰り返し電流遮断時の抵抗
率の変化を示す図。
率の変化を示す図。
【図2】実施の形態1による大気中放置100日後の繰
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
【図3】実施の形態2による繰り返し電流遮断時の抵抗
率の変化を示す図。
率の変化を示す図。
【図4】実施の形態2による大気中放置100日後の繰
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
【図5】実施の形態3による繰り返し電流遮断時の抵抗
率の変化を示す図。
率の変化を示す図。
【図6】実施の形態3による大気中放置100日後の繰
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
【図7】実施の形態4による繰り返し電流遮断時の抵抗
率の変化を示す図。
率の変化を示す図。
【図8】実施の形態4による大気中放置100日後の繰
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
り返し電流遮断時の抵抗率の変化を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 結晶性高分子100重量部に対して金属
系導電性フィラー300〜550重量部、架橋剤0.0
1〜100重量部、フラーレン(C60)0.01〜1
00重量部が配合されてなることを特徴とするPTC組
成物。 - 【請求項2】 結晶性高分子100重量部に対して金属
系導電性フィラー300〜550重量部、架橋剤0.0
1〜100重量部、カーボンブラック0.01〜100
重量部が配合されてなることを特徴とするPTC組成
物。 - 【請求項3】 前記金属系導電性フィラーがチタネート
化合物カップリング剤で表面処理されていることを特徴
とする請求項1または2記載のPTC組成物。 - 【請求項4】 前記結晶性高分子が1種類の熱可塑性高
分子もしくは2種類以上の高分子をブレンドした高分子
アロイであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載のPTC組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26182299A JP2001085203A (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | Ptc組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26182299A JP2001085203A (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | Ptc組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001085203A true JP2001085203A (ja) | 2001-03-30 |
Family
ID=17367222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26182299A Pending JP2001085203A (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | Ptc組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001085203A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN110713651A (zh) * | 2019-09-29 | 2020-01-21 | 江苏金洋机械有限公司 | 一种铁路垫板用改性聚乙烯复合材料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-09-16 JP JP26182299A patent/JP2001085203A/ja active Pending
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