JPH0819174A - Ptc素子を有する保護回路 - Google Patents

Ptc素子を有する保護回路

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JPH0819174A
JPH0819174A JP7139568A JP13956895A JPH0819174A JP H0819174 A JPH0819174 A JP H0819174A JP 7139568 A JP7139568 A JP 7139568A JP 13956895 A JP13956895 A JP 13956895A JP H0819174 A JPH0819174 A JP H0819174A
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    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K63/00Receptacles for live fish, e.g. aquaria; Terraria
    • A01K63/06Arrangements for heating or lighting in, or attached to, receptacles for live fish
    • A01K63/065Heating or cooling devices
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C7/00Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material
    • H01C7/02Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material having positive temperature coefficient
    • H01C7/027Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material having positive temperature coefficient consisting of conducting or semi-conducting material dispersed in a non-conductive organic material

Abstract

(57)【要約】 【目的】 PTC素子(PTCポリマー物質を用いて構
成した素子)を備え、たとえ小さな寸法のものであると
しても比較的高電流を取り扱い得る改良した保護回路を
提供する。 【構成】 電力源と、PTC素子を含む回路保護器と、
上記PTC素子に直列に接続されかつインピーダンスR
Lオームを有する他の回路素子とを備えた保護回路であ
って、該保護回路は通常の動作状態を有し、上記回路保
護器の周囲が過剰温度となるかまたは該保護回路に過剰
の電流が流れる時に高温安定動作状態に変換される。P
TC素子はポリマーに導電性充填材を分散させたPTC
導電性ポリマーであり、かつ25℃にて10オーム・c
mの抵抗率を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、PTC導電性ポリマ
ー物質で構成した素子からなる回路保護器を備えた電気
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの導電性物質の固有抵抗は温度にし
たがって変化することはよく知られており、特定の温度
範囲以上において固有抵抗が急激に増大するようなこれ
等の導電物質は、通常、正性の温度係数(以降、PTC
と称す)物質として称されている。
【0003】PTC物質の例として、チタン酸バリウム
のようにドープされたセラミック材とか、導電性のポリ
マー材、たとえば、特殊な導電性を有するフイラーを散
在させて成るポリマー材等がある。近来利用されている
PTCセラミック材は、非常に安定した電気的特性を有
する。他方、比較的高い電界、たとえば、2ボルト(V)
/mil において、これ等のPTCセラミック材の固有抵
抗は不都合にも最高値に達した後に急激に低下する傾向
がある。ここで、さらに重要なことは、25℃での最小
固有抵抗率は比較的大きく、一般に40オームcm以上も
あり、このため、低抵抗値の小形の抵抗体としては使用
することができない。さらには、これ等PTCセラミッ
ク材は、もろくかつ成形しにくいものである。導電性の
PTCポリマー材は、一般に比較的に可撓性を有しかつ
成形容易であり、つい最近までは物理および電気の分野
での有用性が限定されていたが、最近の研究は、より広
帯域特性を有する導電性ポリマー(特に低温域で低固有
抵抗を示し高温域で高固有抵抗を示すように結合された
もの)がどのようにして提供されるか或いは導電性ポリ
マーを含む改良された装置がいかにして製造されるかを
開示した。
【0004】この種の装置の参考例としては、たとえ
ば、米国特許、No.3,858,144,ドイツ国特許公
開公報No.P2,543,314.1、P2,755,07
7.2、P2,755,076.1、P2,821,799.
4、および、P2,903,422.2,並びに、本願米国
特許出願と同時提出の米国出願に対応する、特公昭64
−3322号公報および特公平1−51041号公報等
がある。PTCセラミック材料は、既に、ヒータや、回
路保護器{たとえば、“PTC抵抗器(“The PTC
Resistor"の表題の文献で、西暦1971年、電子部品
会議におけるR.F.Blaha による論稿を参照)}など
に使用されている。しかしながら、たとえば、1/2ア
ンペアもしくはそれ以上の比較的高い安定度の電流を扱
う回路においては、PTCセラミック材を基礎とする回
路保護器は、(該PTCセラミック材は高い固有抵抗を
有するために)不要に大形のものとなる。導電性のPT
Cポリマー材はヒータとして広く使用されている。さら
には、文献、たとえば、米国特許;No.2,978,66
5(バーネット・エト・アルVernet et al)およびN
o.3,243,753(コーラ,Kohler)に提案されている
ように、上記PTC導電性ポリマー材が回路保護器に使
用されている。しかしながら、満足できる結果が得られ
ると考えられるPTC導電性ポリマーを含む特有の回路
保護装置は一般的には上記文献にも開示されていない。
これに対して、たとえこの種の特定の回路保護器を実際
に作ることができることを上記文献が示唆しているにし
てもこれらの示唆は不充分かつ誤ったものであり、以下
のPTC導電性ポリマーが適するものであることが我々
の研究によって証明されるに至った。
【0005】すなわち、PTC素子が有機ポリマー材料
に導電性カーボンブラックを分散させたPTC導電性ポ
リマーからなり、 (a)25℃にて5オーム・cmより小さいの抵抗率を有し、 (b)(i)ポリマー成分の結晶融点が少なくとも118℃で
あり、(ii)カーボンブラックの量は、カーボンブラック
のポリマー成分に対する体積比が少なくとも0.25に
なる量であり、 (c)ポリマー成分が溶融し、少なくとも180℃に達する
機械的剪断工程に固体ポリマー成分およびカーボンブラ
ックの混合物を付すことにより調製されると再現性に優
れることを見いだした。
【0006】この発明の目的は従来のセラミックPTC
材料を用いた装置における欠点を除き、新規PTCポリ
マー材料を使用して小形でかつ構造的に強く、電流の遮
断特性もすぐれた回路保護器を備えた電気回路と提供す
ることにある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、PTC素
子(すなわち、PTCポリマー組成物を用いて構成した
素子である)を備え、たとえ小さな寸法のものであると
しても比較的高電流を取扱い得る改良した電気回路を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の一態様におい
ては、つぎのような電気回路を提供するものであり、す
なわち、電力源と、PTC素子を含む回路保護器と、上
記PTC素子に直列に接続されかつインピーダンスRL
オームを有する他の回路素子とを備えた電気回路であっ
て、該電気回路は通常の動作状態を有し、上記回路保護
器の周囲が過剰温度となるかまたは該電気回路に過剰の
電流が流れる時に高温安定動作状態に変換され、上記P
TC素子は有機ポリマー材料に導電性カーボンブラック
を分散させたPTC導電性ポリマーからなり、 (a)25℃にて5オーム・cm以下の抵抗率を有し、 (b)
(i)ポリマー成分の結晶融点が少なくとも118℃であ
り、(ii)カーボンブラックの量は、カーボンブラックの
ポリマー成分に対する体積比が少なくとも0.25にな
る量であり、 (c)ポリマー成分が溶融し、少なくとも180℃に達する
機械的剪断工程に固体ポリマー成分およびカーボンブラ
ックの混合物を付すことにより調製され、 (2)上記回路保護器は一定厚みtのPTC素子の両側に
金属平板電極を配して直接PTC素子と接触させてな
り、PTC素子を流れる電流の範囲の等価直径をdとす
るとき、d/tが少なくとも10である範囲内で電流が
流れるようになっており、 (3)回路保護器は25℃で抵抗値が1オーム以下で、か
つ0.5RLオーム以下であり、 (4)少なくとも上記回路保護器の周囲の過剰温度によっ
て上記保護回路が高温安定動作状態に変換される時に
は、高温安定動作状態下の電気回路の電力に対する通常
動作状態下の電気回路の電力比、即ちスイッチング比は
少なくとも8であることを特徴とする電気回路にある。
【0009】上記の構成を有する電気回路において、電
源から電流が回路保護器を介して回路素子に流れると、
PTC素子は回路電流により加熱される。そして、周囲
温度が所定の温度よりも高くなるか回路電流が異常に上
昇してPTC素子を流れる電流が増加してPTC素子の
温度が上昇するとPTC素子は遮断状態となり回路電流
を抑制する。これによって回路を保護する。
【0010】この発明の回路を決定する場合において、
上記回路は、回路保護素子を通じる電流の緩慢な増加分
に応答しあるいは該回路を取り囲む媒体の温度の緩慢な
増加分に応答するように基準が設けられている。しかし
ながら、この発明の回路は、やがて臨界的な作動状態に
変更され、そしてこのときから、同時に、電流および温
度の両方の増加により高温度での作動状態に変更される
ことが明らかに理解できることになるであろう。また、
温度および/又は電流の増加は必ずしも緩慢なものでな
くともよい(確かに、一般に予想される故障状態、たと
えば、短絡とか異常電圧とかが発生するときには、電流
の増加は緩慢なものではないであろう)ことも明らかに
理解できよう。
【0011】上述のごとく定義される種々の回路におい
ては、回路保護器は、他の回路素子、当該回路を取り囲
む媒体、および、当該回路で熱が回路保護器から上記媒
体へ放散し得る割合に応じて決定されることに留意しな
ければならない。なお、多くの目的に有用なる回路保護
器は、標準的な回路中に、かつ、標準的な熱的環境中に
置かれるときにふるまう機能を参照することによって決
定することができる。
【0012】この発明は1個のPTC回路保護素子を備
える回路として述べるが、互いに異なった故障条件で開
閉動作し得る2個又はそれ以上の回路保護器を備えた回
路をも含むことは理解し得るであろうし、そして、この
回路保護器という用語は、それぞれ、所望の保護効果を
発揮するように、直列および/又は並列に接続された2
個もしくはそれ以上の多数個の回路構成部品を含む場合
にも使用するものであることも理解できる。
【0013】また、この発明は、上述のごとく定義され
た電気回路および回路構成部品を含むものであり、たと
え、各電気回路もしくは各回路構成素子自体が、意図さ
れたすべての要求を同時的に満足しなければならないも
のでもなく、たとえば、回路構成部品の電気的特性が製
作された初期には満足し得ないものであっても製作以降
におけるエージング処理によって、該回路構成部品が上
述のごとく定義したものに該当するようになるものであ
ればよい。
【0014】この新規なる回路保護器においては、複数
の電極およびPTC素子は、該素子の平均行程長さをt
等価直径dとして、比d/t が好ましくは少なくとも1
0、さらに好ましくは20とする該素子の領域に電流が
通じるように調整されている。この“等価直径"という
用語は、上記素子の電流の通過する領域に相当する円形
面積の直径をいうものである;ここでいう領域とは、一
般的に容易に製造できるという見地から円形又は方形と
なっているが、上記素子の形状はどのようなものであっ
てもよい。一般的には、一定の厚みで平坦状のPTC素
子板の両側にそれぞれ互いに対向するように、2枚の互
いに同等面積の板状の電極が配設されるようになってい
る。
【0015】PTC素子は、一般に、均質的な組成物体
ではあるが、たとえば、異なる固有抵抗および/又は種
々のスイッチング温度を有する2以上の層を有するもの
でもよい。複数の電極は、直接的にPTC素子に取り付
けられ、あるいは、それ等の電極のうち、1つもしくは
それ以上のものがPTC素子と、他の導電材、たとえ
ば、それぞれ一定の電力容量の導電性ポリマー組成物に
てなる層を介して、電気的に接続されるようにしてもよ
い。上記回路保護器の製作にあたっては、余分な接触抵
抗がないように注意する必要がある。
【0016】複数の電極は、一般に、低い固有抵抗率、
たとえば、1×10-4オーム・cmよりも小さい固有抵抗
で、当該素子の動作中に顕著な熱量が発生しないような
厚さになっている。これ等の電極は、典型的には、金
属、好ましくは、ニッケル製のものとか、ニッケル製の
板状のものである。これ等の電極における接着性の改善
とか、接触抵抗の低減化のために、各電極には複数個の
開口部を設けることが好ましく、各開口部は、開口設定
領域を含む電極の全表面に亘って実質的に均等電位とな
るように、十分に小さいものとする。伸展された網目状
の金属或いは溶接された線状網目電極を用いるのが好ま
しく、この網目部の開口領域は、各開口が0.13cm2
りも小さい、好ましくは、0.06〜0.013cm2程の
ものとして占有率が50%から80%程のものとし、こ
のようにすれば電極の全体の面積がPTC素子中への電
流の流入領域とみなされ、上記開口群の存在を無視し得
るものである。
【0017】上記PTC素子は、通常の条件での当該回
路の作動時において各組成物の固有抵抗率が好ましく
は、5オーム・cmより小さく、さらに好ましくは1オー
ム・cmよりも小さいもので構成するようにする。この種
のほとんどの回路における通常の作動条件では、当該素
子の温度T dn は約25℃以上で、25℃におけるこの
PTC素子の固有抵抗率は、好ましくは3オーム・cmよ
りも小さく、さらに好ましくは1オーム・cmより小さい
ものが用いられる。好ましくはPTC素子の組成物とし
ては導電性を有するポリマー材で、好ましくは導電性の
カーボンブラックを含む導電性の充填材を含有するもの
とする。特に、PTC組成物として有用なものは、上述
の米国特許願No.965,343号(特公昭64−33
22号公報)の明細書に開示されており、そのPTC組
成物の概略は、有機ポリマー材料に導電性カーボンブラ
ックを分散させたPTC導電性ポリマーからなり、 (a)25℃にて5オーム・cm以下の抵抗率を有し、 (b)
(i)ポリマー成分の結晶融点が少なくとも118℃であ
り、(ii)カーボンブラックの量は、カーボンブラックの
ポリマー成分に対する体積比が少なくとも0,25にな
る量であり、 (c)ポリマー成分が溶融し、少なくとも180℃に達する
機械的剪断工程に固体ポリマー成分およびカーボンブラ
ックの混合物を付すことにより調製されることを特徴と
している。かかる具体例については以下に実施例の後に
具体的に例示する。
【0018】この種のPTC素子の厚みが薄いものとな
ればなる程、それだけ素子が耐えなければならない電圧
応力は大きいものとなる。それ故、上記PTC素子材
は、少なくとも、電界50ボルト/ミリメートルの電圧
応力、特に、高い温度で安定した熱平衡状態となるもの
にあっては少なくとも200ボルト/ミリメートルの電
圧応力に耐えられるものとし、かつ、PTC素子は、少
なくとも0.05cmの厚さが必要である。
【0019】上記回路保護器の通常の回路作動条件での
抵抗値、いいかえれば、値R dn は、2個の金属電極を
当該PTC素子と接触させて構成したような単純な構成
のものにあっては、主として当該PTC素子の抵抗率で
決定されるものであり、上記値R dn は1オームより小
さい、好ましくは0.2オームよりも小さい、さらには
0.1オームよりも小さいものが好ましい。
【0020】保護対象の回路における電源装置からの電
圧が、たとえば、50ボルトもしくはそれ以下、特に、
30ボルトもしくはそれ以下、さらには、12ボルトも
しくはそれ以下であるように低いものである場合には、
それだけ回路保護器の抵抗値は小さいものとすることが
好ましい。上述のことに鑑みて、PTC素子は、一般的
には厚み0.05ないし1cm、好ましくは0.1ないし
0.5cmであり、また等価直径寸法は0.6ないし5cm、
好ましくは1.5ないし3.3cmとし、実質的には、該素
子の厚みおよび/又は等価直径がより大きい素子を使用
し得る。また、上記回路保護器が使用されている回路に
おいて、上記R dn は0.5×RL オームよりも小さい
ものとする必要がある;ここで、RL とは、当該回路保
護器と直列接続されている残部のインピーダンスであ
る;値R dn は、好ましくは0.1×RL オームよりも小
さい、特に0.04×RL オームよりも小さい、さらに
は、0.001×RL オームよりも小さいものにする。
このRL は、好ましくは、実質的に一定のもの、すなわ
ち、当該回路が作動する温度範囲内で±25%の範囲以
上には超えないものを使用する。RL は一般的には抵抗
性の負荷であるが、その負荷の全体もしくは一部が、容
量性もしくは誘導性のものであってもよい。しかしなが
ら、負荷RL が、実質的に作動温度範囲内を超えて作動
するようなものである場合には、回路保護器は、抵抗R
L が減少することによる過剰電流に対する保護作用、お
よび/又は抵抗RL が増加することによる過剰熱発生に
対する保護作用により、抵抗RL の過剰な変化に対して
回路を保護する。
【0021】上述のことから解るように、上記回路の通
常の作動条件における電力容量は非常に小さいものであ
り、よって、即座に周囲に消失されるであろう。他方、
回路に事故が発生したときには、当該回路保護器の電力
容量は、最初、急激に増大してこの電力の周囲への消失
を成し得ず、その後、高温度での安定した熱平衡の作動
状態に達するまで減少するのであり、この高温度におい
て、当該電力容量は消失され得るとともに、回路保護器
の抵抗値は、確実に回路が“閉じる"ように大きな値と
なり、即ち、回路中の電流が適宜な低レベルに減じられ
る。この回路保護器の電力容量は、それ自体の抵抗値
(この抵抗値は、回路保護素子自体の温度に依存してい
る)、および、それ自体を通過する電流に依存している
から、この回路保護器は、それ自体の周囲の過剰温度、
或いは回路中の過剰電流(或いは、勿論、両者の組み合
せ)に応答して回路を遮断する。我々は、実際に適用す
る場合において要求されるレベルまでに電流を減少させ
るためには、上述したスイッチング比、すなわち、高温
度での安定な作動条件での電力容量に対する通常の作動
条件での回路における電力容量の比は少なくとも8とし
なければならず、一般的には少なくとも10とし、好ま
しくは実質的により高く、たとえば、少なくとも20、
好ましくは少なくとも40、さらには少なくとも100
とすることが好ましいことを見い出した。
【0022】過剰な周囲温度および過剰電流の両者に対
して回路を保護するためにこの発明に係る装置を多く使
用することができる。一方、最適な動作をするために
は、上記装置の詳細な要件および当該装置の熱的環境要
件が、予想される事故状態に応じて選択されるべきであ
り、そして、与えられた当該装置が電流中の増加分に応
じてこの発明に従って機能する反面、周囲温度における
不要な増加分に応じては機能することのないような或い
はこれと逆の動作をするいくつかの回路構成とか環境と
かが存在するものである。上記装置は、通常の作動条件
において電流が0.5アンペアよりも大きい、たとえ
ば、0.5〜4アンペア、好ましくは0.5〜2.5アン
ペアであるような回路において、特に有用なものであ
り、また、15アンペアもしくはそれよりも大きい定常
電流を通過し得るように設計できるものである。
【0023】
【作用】以下に、上記装置の作用を、添付の図1乃至図
4に従って説明する。図1は、代表的な装置の抵抗と温
度との関係を示すものである。図2は電源、抵抗負荷R
L ,および1個のPTC回路保護素子Rd を備えたこの
発明に係る代表的な回路例を示す。図3は、周囲温度に
おける変化および抵抗発熱I2Rの変化結果にしたがっ
て回路保護器の抵抗が変化する以外は電気回路が変化し
ないときの当該装置の電力とその温度との関係を示す。
また、この図3には、それぞれ異なった条件における熱
放散により上記装置が消散し得る電力を表わす代表的な
負荷線群、A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3およびB4が示
されている。これ等の各負荷線の頻度(一般的に起り得
るように上記装置の温度と、この装置を取り囲む媒体の
温度間の差が、100℃よりも小さいときには、ほぼ、
直線となっている)は、当該装置を取り囲む媒体の熱伝
導率、媒体および回路保護器の表面の変動(もし、いく
らかでもあれば)に従属したものであり、各負荷線の位
置は、当該回路保護器を取り囲む媒体の温度に従属した
ものとなっている。これ等負荷線A1,A2,A3およびA4
は、第1媒体における第1回路保護器のものを、該媒体
の温度T1,T2,T3,T4の増加順に示されている。一
方、各負荷線B1,B2,B3,およびB4は、たとえば、(a)
第1媒体よりも低い熱伝導率を有する第2媒体中におけ
る同一の回路保護器、もしくは(b)、第1回路保護器と
同一の電力・温度曲線を有し、しかしながら、第1回路
保護器よりも小さい表面領域を有し、第1媒体中におけ
る第2回路保護器のものを示している。
【0024】上記回路保護器が負荷線A1,A2,A3およ
びA4を有し、媒体の温度に関する限り温度T3以下にあ
る限り、当該回路保護器は安定した平衡状態にあるであ
ろう。
【0025】しかしながら、媒体の温度が臨界温度T
3(温度T crit として示すもの)に到達すると、この温
度T3の点で回路保護器は温度Td tripA となってお
り、 平衡状態が不安定なものとなり、さらに、媒体の温
度がさらにいくらか上昇すると、該回路保護器の電力容
量を、高温度での安定した平衡点に到達されるまで電力
容量対温度P/Tの曲線の頂点を越えさせる。
【0026】もし、たとえば、媒体の温度が非常にゆっ
くり上昇し、よって、安定した平衡状態は、負荷線A3
が電力容量−温度曲線に、電力容量曲線の頂点を越えて
交わる点で到達する。即ち、回路保護器が温度Td latc
h に到達する時である。もし、媒体の温度が温度T4
で上昇すると、このとき、平衡状態は、回路保護器が高
温度Td latch となるときに達成される。上記回路保護
器が、一旦、高抵抗、高温度、安定した平衡状態となる
ように強制されたとすると、このとき、もし、媒体の温
度が温度T2以下に低下して、実質的に、回路保護器を
第1の位置に移行させる媒体の温度T crit 以下となら
ない限り、低抵抗状態(すなわち、回路中での実質的に
電流の流れの防止を続行することができなくなる)に復
帰することができなくなることは明らかであろう。以
降、回路保護器が“拘束された(latched)"状態にあると
称する。上記回路保護器が、再び、リセット、すなわ
ち、該回路保護器が、その周囲への熱消失率を大巾に高
めることにより、低抵抗状態に戻らしめることができ
る。しかしながら、一般に、この発明の回路保護器は、
もし、回路保護器のラッチングが発生すると、電流を遮
断するとともに回路保護器を冷却することによりリセッ
トされるようになっている。
【0027】負荷線B1,B2,B3およびB4を有する回路
保護器の動作が、同様に説明される。これ等の負荷線に
対して、回路保護器を包囲する媒体の温度が温度T2(実
質的にT3以下である)となったとき、この回路保護器が
作動され、この状態における該回路保護器の温度はTd
tripB (実質的に温度T tripA 以下である)となってい
る。
【0028】図4は代表的な電力対温度曲線、Pと
1、および、この発明の典型的な回路保護装置の負荷
線AとBを示す。
【0029】Pは、電気回路が、周囲温度の変化および
/又は抵抗発熱I2Rによる回路保護器の抵抗が変化す
る以外は変化しないときにおける該回路保護器の電力/
温度曲線である。周囲温度Tで定常の作動状態のものと
では、回路保護器の温度は、もし、回路保護器が負荷線
Aを有するものとするとT dA となり、また、負荷線
Bを有するものとするとT dB となる。P1は、定常の
作動状態時の電流より大きい電流が回路に流れたときの
回路保護器の電力/温度の曲線である。もし、電気的事
故、たとえば、抵抗RL の短絡や電圧サージ等が発生し
て回路保護器を流れる電流が急激に増加すると、この回
路保護器の電力は、ほとんど瞬間的に、もし、この保護
器が負荷線Aを有する場合にはPA になり、また、もし
負荷線Bを有する場合にはPB になる。このように、回
路保護器の電力が非常に高いレベルに増大するととも
に、この回路保護器の温度(したがって、その抵抗値)に
応じて傾きが大きくなり、この負荷線が電力/温度曲線
と交わる時点で平衡状態となる。もし、この回路保護器
が負荷線Aを有するものであるならば、この回路保護器
が温度T dA となって、当該回路から短絡事故を解消さ
せて、以前の定常作動状態に復帰し、一方、この回路保
護器が負荷線Bを有するものであるならば、この回路保
護器は、ラッチされ、即ち、温度T dB とされて、当該
回路から短絡事故を解消しても、この回路保護器の温度
はわずかに低下し、したがって、この回路保護器の電力
がわずかに低下し、以前の定常の作動状態に復帰しなく
なるということに留意しなければならない。
【0030】本発明にかかる回路保護器の多くの用途に
おいて、この回路保護器は、たとえ高抵抗、高温度状態
下でエージングが生起した場合でも、多少の長い期間に
亘って、実質的に同じ状態で動作し続けるようにするこ
とが重要である。この発明の好ましい回路においては、
保護器が既述の高温度平衡点で10時間動作し、電流を
遮断し、保護器を実質的にT dn 以下に冷却し、媒体温
度を実質的にTn 以下に低下せしめる。というエージン
グ処理をした後において、この回路が既述の正常作動状
態となり、媒体が温度Tn からゆっくり加熱された時、
回路が(T crit−20)℃と(Tcrit+10)℃の間、好
ましくは(T crit−5)℃と(T crit+5)℃の間にある
不安定平衡点に達し、さらに媒体がT crit/10以上
に加熱された時、高温度安定点に到達するような、(電
力/温度)関係を回路保護器が持つようになっている。
また回路保護器は上記エージング処理後には、エージン
グされた回路の正常作動状態において0.5×R dn と
3×R dn 、好ましくは0.7×R dn と1.5×R dn
の間にある抵抗値R dn/10を持つようにする。回路
保護器が長期間トリップ状態とされる場合には、上述の
ように特定されたエージングを100時間行った後でも
保護器が同一状態を維持できるようにすべきである。
【0031】回路保護器を10時間、好ましくは100
時間高温度平衡点に設定し、電流をしゃ断し、実質的に
T dn 以下に回路保護器を冷却するエージング処理を行
なった場合において、Rをオームで表わした保護器の抵
抗、Tを保護器の温度とすると、温度がTn とTd trip
の間にあるとき量
【数1】 が±50%以上、好ましくは±25%以上には変化しな
いようにすることによって回路保護器の動作の均一性が
改良されることを我々は見出した。
【0032】回路保護器が動作する態様は、部分的には
熱を当該回路保護器から消失させる割合に依存してい
る。この割合は回路保護器の熱伝達係数に依存してお
り、静止空気中での回路保護器の平均全表面に関して測
定したとき、熱伝達係数が2.5ないし6ミリワット/
℃・cm2、好ましくは2.5ないし5ミリワット/℃/cm
2の間にあるべきであることを我々は見出した。回路保
護器の最適の熱的設計は、保護対象の故障条件に依存す
る。大抵の場合保護器は故障に対して出来るだけ早く応
答する必要がある。したがって、回路を熱的過負荷から
保護する場合には、回路保護器を包囲する媒体と回路保
護器とができるだけ良好に接触すべきであり、一方回路
を過剰電流から保護する場合には、回路保護器は熱的に
絶縁されるべきである。熱的過負荷に対して保護する場
合には、回路保護器は過剰な熱が発生する場所と保護器
とが熱的に連結されるべきである。
【0033】この発明にかかる回路保護装置は、通常、
PTC素子と複数個の電極を包囲する電気絶縁用ジャケ
ットを備え、このジャケットはリード線を電極まで挿通
している。このジャケットは、また、この回路保護装置
の熱特性に影響を与えるものであり、このジャケットの
厚みは適宜選定されている。この回路保護装置は、好ま
しくは酸素遮蔽層を設けることが好ましい。
【0034】この発明の回路は、もう1つの回路保護機
器、たとえば、簡便形のサーモスタットもしくはバイメ
タルスイッチ等を備えており、この回路保護機器は、P
TC回路保護器とかその他のものと同様、同一事故に対
して回路を保護するためのものである。簡便形の回路保
護機器およびPTC回路保護器は同一の事故に対して保
護作用するようになっており、PTC回路保護器は、通
常、他の機器あるいは保護器が故障したときにのみ動作
するようになっている。電源装置は、たとえば、直流用
のもので、たとえば、12Vを出力する1個又は数個の
バッテリとか、交流用の110Vとか220Vを出力す
るものである。
【0035】この発明に係る装置の断面図が、図5およ
び図6に示される。図5に示す回路保護器は、円板状の
PTC素子1を有しており、このPTC素子1の対向す
る両側面には丸形のメッシュ電極2が取り付けられてい
る;リード4は、電極2と接続されている;酸素遮蔽層3
はPTC素子1および電極2を包み込んでおり、リード
4が該遮蔽層3を貫通している。酸素遮蔽層3とPTC
素子1との境界面は、実質的に大きな空間を有しないよ
うになっている。図6の回路保護器は、図5の回路保護
器とは、各電極は、適宜電力許容値を有する導電性のポ
リマー組成材製の層5内に埋め込まれていることを除い
て、同様のものとなっている。
【0036】この発明に係る回路保護装置を構成する水
槽ヒータおよび該水槽ヒータの回路図が、それぞれ、図
7および図8に示される。図5に示される回路保護器1
1は巻線ヒータ12と直列に接続されており、この巻線
ヒータ12は、中空状のセラミックコア122にヒータ
用抵抗線121を巻回して構成されている。バイメタル
のサーモスタット13は、その周りの空気の温度が25
℃から45℃までの範囲を越えるときに、ナールドノブ
131により開くようになっている。キャパシタ132
は、サーモスタット13と並列に接続されている。プラ
グ15は、ヒータ12を作動すべく120Vの交流電源
装置(図示しない)と接続するようになっている。ランプ
16および抵抗17(第7図中には図示しない)は、ヒー
タ12と回路保護器11とに並列に接続されており、ラ
ンプ16はプラグ15を介して交流電力が供給されて点
灯するようになっている。ランプ18および抵抗19
は、回路保護器11と並列に接続されて、該回路保護器
11が高温度での平衡状態にあるときに点灯される一
方、水槽ヒータが定常作動状態にあるときには、点灯さ
れないようになっている。
【0037】上述の種々の構成部品は、下方に延在する
フレーム部材201を有する成形されたプラスチック製
のキャップ20に固定され、これ等構成部品は、ガラス
管ケース21に挿入されている。このガラス管ケース2
1の先端には、成形されたプラスチック部材22が取り
付けられ、このプラスチック部材22はキャップ20と
組み合わさるようになっており、そしてこのガラス管ケ
ース21の底部にはガラス繊維14が入っている。ま
た、このガラス管ケース21は成形されたプラスチック
リング23により補強されている。図7および図8に示
す水槽ヒータは、付設される回路保護器11、ランプ1
8、および抵抗19を除いて、公知のものと同一のもの
である。上記水槽ヒータの底部が水中に浸されると、こ
のとき、120Vの交流電源装置と接続され、ヒータ1
2により発生された熱が水に放散され、この結果、サー
モスタット13は、その周りの空気の温度に応じて開い
たり閉じたりし、また、回路保護器11は低抵抗状態と
なっている。もし上記水槽ヒータが水から取り出される
と、ガラスケース内の空気が急速に加熱されて、サーモ
スタット13が正しく作動する。このサーモスタット1
3が開くと、電流は、最早、回路中を流れることができ
ず、回路保護器11は、低抵抗状態のままとなる。しか
しながら、バイメタルのサーモスタットは全く信頼性に
乏しいので、このサーモスタットが故障でもして、サー
モスタットが閉じることがしばしばある。このことから
解るように、上記水槽ヒータは、回路保護器11と共働
せずに、もし、サーモスタットが故障すると、ガラスケ
ースが過熱されることになり、この結果、この水槽ヒー
タが再び水に浸されると、該水槽ヒータのガラスケース
が割れ、場合によっては発火する。しかしながら、図7
および図8の水槽ヒータにおいては、たとえバイメタル
のサーモスタットが故障しても、このときには、ケース
内の空気は、回路保護器11が作動するまで温度上昇
し、よって、回路電流は非常に低いレベルまで減じら
れ、このようなレベルでは、ヒータ12は多量の熱を発
生しない。
【0038】
【実施例】この発明を、以下の例にしたがって説明す
る。 実施例1 図5に示した回路保護器は、前述した特公平1−510
41号公報の例に記載した方法で製作したものである。
回路保護器は、直径(d)1.91cmで、厚み2.03
mmインチの円板に形成したPTC素子を有するもの
で、このPTC素子の両面に、それぞれ、ニッケル板に
銅メッシュを有する電極が埋め込まれており、両電極間
隔は約1.52mm程に適宜形成されている(すなわち、
比d/t は約12となっている)。上記PTC素子は、高
密度のポリエチレンとエチレン/アクリル酸コポリマー
との混合体にカーボンブラックを分散させて構成したも
のである。この回路保護器の抵抗値は、25℃で約0.
1オーム程であり、また、この回路保護器の最大通過電
流値(Imax)は約2.5アンペア(この回路保護器の25
℃の静止気体中での値である)。
【0039】本装置は図7に示すように養魚用水槽に使
用され、水中に設置され120ボルトの交流電源に接続
した。巻線抵抗形ヒータの抵抗値は144オームであっ
た。水槽中のヒータの底部、すなわち正常な動作条件の
もとでは回路電流は0.83アンペアであり装置の温度
(T dn )は50℃以下であり装置の抵抗(R dn )は0.
2オーム以下であった。水槽用ヒータは水中から取り出
されて空気中に置かれ故障をシュミレートするためにサ
ーモスタットは常に閉じる位置に設定した。巻線形ヒー
タから生じた熱によって、ガラスケース内の温度は急速
に80℃(T crit )に上昇し、その点で装置の抵抗(Rd
trip )は0.3オームとなった。装置の温度(Td trip
)は約90℃となり、I2R加熱によって装置が発生す
る熱の割合は装置が消費できる熱の割合を越えた。そし
て装置の温度はI2R加熱によって生じる熱の消費する
高温の平衡状態になるまで急速に上昇した。この点で装
置の温度(Td latch )は約125℃で、抵抗値(Rd lat
ch )は約7,200オーム、回路電流は約0.02アンペ
アとなり巻線形ヒータはもはや顕著な熱を発生しなかっ
た。スイッチング比は約50であった。そして装置は拘
束状態となり巻線形ヒータは発熱しないにもかかわら
ず、回路電流は極端に低下した。電流を遮断して装置を
室温に低下させることによって水槽用ヒータは元の状態
に復帰した。
【0040】実施例2 例1に述べた装置と、この装置に直列接続した144オ
ームの抵抗および120ボルトの交流電源にてなる回路
に本装置を設置した。この回路は実質的に例1の回路と
同じ電気回路であり、同様の正常作動条件を備えるよう
にした。抵抗の近傍に短絡回路を設置して本装置と直列
の負荷を1オームとして電流を約120アンペアに増加
させた。本装置の電力はほぼ瞬間的に約1500ワット
に上昇し装置が高温となり抵抗値が増加するにしたがっ
て高温度の均衡点に達するまで電力が減少した。例1と
同様にスイッチング比は約50で本装置は拘束状態とな
った。
【0041】以上詳述したように、この発明によればP
TC素子は通常時においては低抵抗であるので電力消費
が従来のものに比して低くなり、かつ寸法が小さく熱的
容量も低いから外部からあるいは内部から発生する熱に
対する応答を早くすることができる。さらに本発明の導
電ポリマーPTC素子を有する回路は小寸法でありなが
ら大電流をも流すことができるという利点もある。さら
にPTC素子は導電性有機ポリマーにカーボンブラック
を分散したものを使用したからPTC素子に割れなどが
生じ難く、したがって種々の形状でのかつ小形でも製造
が容易となり、その結果バッテリや集積回路装置などに
も組み込める。
【0042】上述した本発明で使用する有用なPTC組
成物について具体的に説明する。
【0043】従来から、結晶性ポリマーに適当な量の微
粉末電導性充填材を分散すれば電気伝導性を与えること
ができることは知られている。ある種の電導性ポリマー
はPTC(positive temperature coefficient、正温
度係数)挙動として知られる性質を示す。これまで、P
TCという語は種々の意味で用いられてきたが、本明細
書においては「PTC挙動を示す組成物」や「PTC組成
物」という表現は、R14値が少くとも2.5およびR100
値が少くとも10、さらに好ましくはR30値が少くとも
6である組成物を表わすのに用いる。ここで、R14値は
14℃範囲における終りと始めの比抵抗の比、R100
は100℃範囲における終りと始めの比抵抗の比および
30値は30℃範囲における終りと始めの比抵抗の比で
ある。本明細書で用いられる「PTC素子」は、上述のP
TC組成物で構成された要素を表わす。PTC素子(す
なわちPTC組成物で構成された要素)の抵抗を温度に
対して対数プロットすると、しばしば組成物が少くとも
10のR100値を有する温度範囲の一部にわたって急激
な変化が見られる。「スイッチング温度」(通常、Tsと略
記される)は、本明細書では傾きに急激な変化が見られ
る部分の両側にある実質的に直線である線を延長して得
られる交点に対応する温度で表わす。「ピーク比抵抗」
は、本明細書ではTs以上で組成物が示す最大比抵抗を
表わし、「ピーク温度」は、組成物がピーク比抵抗を有す
る温度を表わす。
【0044】電導性ポリマーに関する最近の研究は、た
とえば米国特許第3,858,144号、西独特許公開第
P2543314.1,P2755077.2,P2755
076.1,P2821799.4およびP290344
2.2ならびに本出願と同時に出願された米国特許出願
第965,344号および第965,345号に対応する
出願に記載されている。
【0045】特に有用な既知のPTC組成物は、カーボ
ンブラックが分散されている結晶熱可塑性ポリマーから
成るものである。使用されるポリマーは、ポリエチレン
の様なポリオレフィン類およびオレフィンと極性コモノ
マーのコポリマーを包含する。一般に、組成物はTs以
上の温度での安定性を増すために好ましくは室温での放
射線照射により架橋されている。自己調整(self−regul
ating)ヒーターに用いられる組成物は、室温において比
較的高い比抵抗、通常少くとも103オームを有してい
なければならない。ところで、非常に低い比抵抗を有す
るPTC電導性ポリマー組成物も重要な用途があること
が知られているが、この様な組成物の調製には非常に重
大な問題が伴う。たとえば、PTC電導性ポリマー組成
物の比抵抗を減少させる為に該組成物中の電導性充填材
含量を増加させるに従ってPTC効果の強さが急速に減
少することが見い出されている[たとえば、エム・ナー
キス(M.Narkis)ら、ポリマー・エンジニアリング・ア
ンド・サイエンス(Poly.Eng・and Sci)第18巻6
49頁(1978年)参照。]。さらに、PTC電導性ポ
リマー組成物を高温にさらすと比抵抗が急激に増すこと
も見い出されている[たとえば、ジエイ・メヤー(J.Me
yer)、ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエン
ス(Poly.Eng.and Sci.)第14巻706頁(1974
年)参照。]。
【0046】本発明者らは、0℃以上のスイッチング温
度(Ts)を伴うPTC挙動を示し、7 ohm・cm以下の比
抵抗を有し、かつ結晶性ポリマー成分に分散されたカー
ボンブラックから成る組成物を製造するには、ポリマー
成分は少くとも10%の結晶化度を有し、カーボンブラ
ックは20〜150ミリミクロンの粒径Dを有し、表面
積S(m2/g)とDの比S/Dが10を越えないことが必
須であることを見い出した[ここで、結晶化度はX線結
晶学的に測定される。表面積の値Sは周知の窒素吸着法
により測定される。DおよびSの測定の詳細については
シュバート(Schubert)、フォード(Ford)およびリヨン
(Lyon)著、アナリシス・オブ・カーボン・ブラック(A
nalysis of Carbon Black)、エンサイクロぺデイア
・オブ・インダストリアル・ケミカル・アナリシス(En
cyclopaedia of IndustrialChemical Analysis)第
8巻179頁(1969年)、ジョン・ワイレー・アンド
・サン(John Wiley and Son)(ニュー・ヨーク在)
刊を参照されたい。]。
【0047】また、ポリマーに対する充填材(すなわ
ち、カーボンブラックおよび組成物中に存在するすべて
の他の粒状充填材)の体積比は電気特性に重要な影響を
及ぼし、この比は好ましくはS/D比と関連した
【数2】 (以下、この値をS/D体積比という)が1以下、好まし
くは0.5以下、より好ましくは0.4以下、特に0.3
以下でなければならないことを見い出した。
【0048】本発明者らは、さらにカーボンブラックを
ポリマー中に分散させる際および組成物を成形する際に
消費される仕事が組成物の電気特性に重大な影響を有し
ており、これらの工程で消費される仕事は9.5〜29
00Kg・m・cc-1(1〜300hp.hr.ft-3)が好ましく、
さらに9.5〜970Kg・m・cc-1、特に9.5〜485
Kg・m・cc-1、最も9.5〜240Kg・m・cc-1が好ま
しいことを見い出した。もし、仕事消費が大きすぎると
組成物はTs以下の温度で高すぎる比抵抗を有し、かつ
/または高温で劣化させた場合の電気安定性が不充分と
なる傾向にある。一方、仕事消費が小さすぎると組成物
のPTC挙動が不満足なものとなる。
【0049】本発明で用いられるポリマー成分は、単一
ポリマーまたは二種もしくはそれ以上の異種ポリマーの
混合物であって、結晶化度が好ましくは20%以上、特
に40%以上のものである。好ましいポリマーとして
は、ポリオレフィン類、特に1種またはそれ以上のα−
オレフィンのポリマー、たとえばポリエチレン、ポリプ
ロピレンおよびエチレン/プロピレンコポリマー;1種
またはそれ以上のα−オレフィン(たとえばエチレン)と
1種またはそれ以上の極性コモノマー(たとえば酢酸ビ
ニル、アクリル酸、アクリル酸エチルならびにアクリル
酸メチル)とのコポリマー;ポリアリーレン類、たとえば
ポリアリーレンエーテルケトンならびにスルホンおよび
ポリフェニレンスルフイド;ポリラクトンを含むポリエ
ステル類、たとえばポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレートおよびポリカプロラクトン;ポ
リアミド類;ポリカーボネート類およびフルオロカーボ
ンポリマー類、すなわち少くとも10重量%、好ましく
は20重量%のフッ素を含有するポリマー類、たとえば
ポリビニリデンフルオリド、ポリテトラフルオロエチレ
ン、フッ素化エチレン/プロピレンコポリマーおよびエ
チレンとフッ素含有コモノマー(たとえばテトラフルオ
ロエチレン)要すれば第三のコモノマーから成るコポリ
マーが挙げられる。就中、ポリエチレンの混合物、特に
高密度ポリエチレンおよびエチレンと極性コモノマー、
好ましくはアクリル酸とのコポリマーを用いれば優れた
結果が得られる。特に好ましいポリマー成分は、高密度
ポリエチレン25〜75重量%およびエチレン/アクリ
ル酸コポリマー2〜75重量%から成り、コポリマー中
にアクリル酸を好ましくは4〜10重量%含むものであ
る。
【0050】比較的結晶化度の低いポリマーを用いた場
合、強いPTC効果を得るには比較的粒径が大きく、比
較的S/D値が低いカーボンブラックを用いるのが好ま
しい。けれども、多くのポリマーでは、粒径20〜75
ミリミクロンのカーボンブラックで満足すべき結果が得
られる。カーボンブラックの粒径は30ミリミクロンよ
り大きいことが好ましく、特に結晶化度が40%以下の
ポリマーの場合には60ミリミクロン以上が好ましい。
カーボンブラックの粒径が大きくなるにつれて、PTC
挙動を満足させながら比抵抗の低い組成物を得るのはよ
り困難になる。そこで、粒径約100ミリミクロン以下
のカーボンブラックを用いるのが好ましい。
【0051】組成物中のカーボンブラックの量は、組成
物が7 ohm・cm以下、好ましくは5ohm・cm以下、より
好ましくは2 ohm・cm以下、特に2 ohm・cm以下の比抵
抗を−40℃〜Tsの温度、好ましくは20℃で有する
範囲でなければならない。この様な比抵抗を所望のPT
C挙動と共に得る為に必要な量は、ポリマー成分、カー
ボンブラックならびに存在する他の粒状充填材および組
成物の調製ならびに成形方法に依存する。カーボンブラ
ックのポリマー成分に対する体積比は、一般に少くとも
0.15、好ましくは少くとも0.25であるが、実質的
により多く、たとえば少くとも0.40または0.50に
することができる。
【0052】組成物にはカーボンブラックに加えて他の
粒状充填材、たとえば非電導性無機または有機充填材
(たとえば、酸化亜鉛、三酸化アンチモンまたは粘土)な
どを含有させることができる。本明細書では「充填材成
分」とは、組成物中のすべての粒状充填材をいう。充填
材成分は好ましくは酸化防止剤または組成物を劣化(た
とえば熱一酸化劣化)に対して安定化する他の添加物を
含有する。この様な添加物の量は、ポリマー重量を基準
にして一般に0.005〜10、好ましくは0.5〜4重
量%である。好ましい添加剤としては有機酸化物、たと
えば米国特許第3,986,981号(発明者:リヨンズ
(Lyons)に開示されているヒンダード・フェノール(hin
dered phenol)および商品名イルガノックス(Irganox)
としてチバ・ガイギー(Ciba Geigy)により製造され
ているヒンダード・フェノールが挙げられる。酸化防止
剤の選択はポリマーに依存していることはもちろんであ
るが、ポリマーの酸化防止剤として一般に有用である物
質のいくつかは、組成物の電気的性質を、高温にさらし
た場合に不安定化することにも注意しなければならな
い。
【0053】組成物を架橋しなければならない場合に
は、組成物に、加熱により分解して架橋を開始する化合
物または組成物の放射線照射により架橋を開始する化合
物を加えることもできる。
【0054】本発明の組成物は、少くとも1000 ohm
・cm、好ましくは少くとも5000ohm・cm、より好ま
しくは少くとも10000 ohm・cm、特には少くとも5
0000 ohm・cmのピーク比抵抗を有していなければな
らない。さらに、組成物を、外部加熱することによりそ
の比抵抗が100 ohm・cmとピーク比抵抗の間にある温
度で25時間保つことから成る熱劣化処理に付した後に
おいて、該組成物が、(a)PTC挙動を示し、かつ(b)T
sと−40℃の間の少くとも一温度、好ましくはTsと−
40℃の間の全温度における比抵抗が熱劣化前の組成物
の同温度における比抵抗の0.5〜2倍であることが好
ましい。
【0055】組成物がこれらの性質を、前述の熱劣化処
理を40時間、特に50時間行なった後にも有している
ことがより好ましい。加えて、この様な熱劣化処理の後
も、組成物のピーク比抵抗が少くとも1000 ohm・c
m、好ましくは少くとも5000 ohm・cm、より好まし
くは少くとも10000 ohm・cm、特に少くとも500
00 ohm・cmであることが好ましい。
【0056】前述の劣化処理は受動的な処理であるが、
満足すべき抵抗安定性を示す組成物のあるものは、活性
状態、すなわちI2R加熱による高温において劣化され
た時、比較的迅速に性能低下を起こす。従って、組成物
が、その中を流れる電流によりI2R加熱されて25時
間Tsと(Ts+50)℃の間の温度に保持される電圧劣化
処理に付した後において、(a)PTC挙動を示し、かつ
(b)Tsと−40℃の間の少くとも一温度、好ましくはT
sと−40℃の間の全温度における比抵抗が電圧劣化前
の組成物の同温度における比抵抗の0.5〜2倍である
ことが好ましい。
【0057】組成物がこれらの性質を、前述の電圧劣化
処理を40時間、特に50時間行なった後にも有してい
ることがより好ましい。加えて、この様な電圧劣化処理
の後も、組成物のピーク比抵抗が少くとも1000 ohm
・cm、好ましくは少くとも5000 ohm・cm、より好ま
しくは少くとも10000 ohm・cm、特に少くとも50
000 ohm・cmであることが好ましい。
【0058】ポリマー成分に充填材成分を分散させる方
法および得られた分散物を成形する方法としては、いず
れの方法も採用することができる。現在最も実際に有用
な方法は、固体ポリマーおよび充填材成分を機械的な剪
断工程(および要すれば外部加熱)にかけることによりポ
リマーを溶融して溶融ポリマー中に充填材を分散させる
方法である。分散は、たとえばバンバリーミキサー、ロ
ールミルまたは単葉もしくは複葉押出機により行うこと
ができる。分散物は、直接所望の形状に押出成形するこ
とができ、またミキサーから通常の方法で取り出し、小
片に切断した後、たとえば押出成形、モールディング、
シンタリングなどにより溶融成形することができる。こ
の分散および成形工程における総計の仕事消費は、前述
の制限の範囲内でなければならない。カーボンブラック
は、実質的に均一な電気的性質を有する組成物を与える
様に充分分散されなければならないし、また、ある程度
までは仕事消費が増加することによりさらに強いPTC
挙動を示す組成物が得られる。けれども、仕事消費が大
きすぎると、高温で劣化させた場合電気的に不安定な組
成物かつ/またはTs以下の温度で高すぎる比抵抗を有
する組成物しか得られない。
【0059】本発明は、本発明の組成物を成形して得ら
れるPTC素子からなる電気装置、特に回路制御装置を
包含するものである。次に実施例を示し、本発明を更に
詳しく説明する。各実施例については、表1〜表21に
まとめてある。
【0060】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0061】表1〜表8には、各試料に用いられた成分
および製造方法が示されている。表1〜表8では、ポリ
マーは型、商品名、結晶の融点(Tм)および結晶化度
(%)ならびに組成物中の重量割合により表示されてい
る。型の欄で用いられている略号は次の通りである: HDPE 高密度ポリエチレン LDPE 低密度ポリエチレン MDPE 中密度ポリエチレン EAA エチレン/アクリル酸コポリマー PP ポリプロピレン PVF2 ポリビニリデンフルオリド PB ポリ−1−ブテン FEP フッ素化エチレン/プロピレンコポリマー 実施例16,51〜61,72,73および78では、表
1〜表8に示したポリマーに加えて表9のポリマー成分
が含まれている。
【0062】
【表9】
【0063】表1〜表8のこれら実施例の型の欄におい
て「PLUS」とあるのは、上述の添加成分が存在するこ
とを意味する。表1〜表8には、さらに使用されたカー
ボンブラックが、商品名、粒径(D)(ミクロン)、表面積
(S)(m2/g)および組成物中の重量%により表示されて
いる。また、S/D比も与えられている。さらに、ポリ
マーに対するカーボンブラックの体積比(CB/POL
Y比)も示されている。
【0064】表1〜表8には、ポリマーおよびカーボン
ブラックに加えて存在するすべての物質が示されてい
る。これらの添加物は、型および名称ならびに組成物中
の重量%により表示されている。この型の欄で用いられ
ている略号は次の通りである: AO 酸化防止剤、使用される酸化剤は、名称の
欄に特記されていない限り4,4'−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)(平均重合度3〜4)[米
国特許第3,986,981号参照]である。 CXA 架橋剤 Acid 受酸剤 XLA 架橋剤 FR 防炎剤
【0065】名称の欄で用いられている略号は次の通り
である: 130XL 過酸化物架橋剤(ルパーコ(Luperco)130XL) ARD アジエライト(Agerite)樹脂D CaCO3 炭酸カルシウム イルカ゛ノックス(Irganox) テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル− 1010 4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)]メタン TAIC トリアリルイソシアヌレート サントハ゛ーA(Santovar) 2,5−ジ−t−アミルヒドロキノキノン デクロラン(Dechloran) デカクロロビフェノール Sb23 三酸化アンチモン
【0066】表1〜表8には、さらに各成分の混合およ
び成形に用いられた特定の製法、工程温度(℃)、工程時
間(min)および製造中に用いられた全エネルギー量(Kg
・m・cc-1)(Shear History)が示されている。製法の
欄で用いられている略号は次の通りである。
【0067】BAN: 適量の各成分(たとえば、実施例
1Aおよび1Bでは、高密度ポリエチレン1504.8
g、カーボンブラック1208.4gおよび酸化防止剤2
2.8g)を、水冷ロータ付水蒸気加熱バンバリーミキサ
ー中、流動温度で5分間混合する。混合物をミキサーか
ら取り出し、冷却した後、小片に切断する。切断した混
合物の一部を180℃、70Kg/cm2の圧で5分間圧縮
成形して厚さ約0.1cmの平板に加工する。2.5×3.
75cmの長方形試料を該平板から切り出す。これらの実
施例では、試料を放射線照射する。線量は表1〜表8に
示されており、詳細は後述する。一定の照射量の照射を
受けた試料は架橋する。次に、0.6×2.5cmの帯状に
銀−エポキシ組成物(エレクトロダグ(Electrodag)50
4)を試料の各端に塗布して銀電極を形成する。試料を
外部加熱により160℃で15分間保って熱処理を行
う。次いで、1℃/分の割合で室温まで冷却する。
【0068】MILL: 適量の各成分を電気的に加熱
した7.6cmのロールミルにより流動温度で混合する。
混合物をミルからシートに形成し、冷却した後、小片に
切断する。切断混合物の一部を、適温、70Kg/cmの
圧で3分間圧縮成形して厚さ約0.06cmの平板に加工
する。2.5×3.75cmの長方形試料を平板から切り出
す。特記されている場合には放射線照射した後、BAN
法と同様にして銀電極を形成する。次いで、試料を外部
加熱により(Tм+30)℃で15分間保って熱処理す
る。この後、1℃/分の割合で室温まで冷却する。
【0069】BRA: 適量の各成分を逆回転式複葉ミ
キサー(ブラベンダー・プラストグラフ(Brabender P
lastograph)により混合し、混合物を押し出して撚り物
とする。これを冷却した後、小片に切断する。この後、
MILL法と同様にして切断混合物から試料を製造し
た。
【0070】表1〜表8には、放射線照射により架橋さ
れた試料に対する放射線量も示されている。放射線量が
20Mradの場合、まず一方の側から10Mrad照射し、
次いで、他方から10Mrad照射する。実施例13およ
び76では、200℃で12分間加熱して試料の架橋を
行なった。
【0071】
【表10】
【表11】
【表12】
【0072】
【表13】
【表14】
【表15】
【0073】表10〜表15には、各試料の
【数3】 で示される値および比抵抗/温度特性値が示されてい
る。表10〜表15に示された比抵抗は、外部加熱して
室温から1℃/分の割合で昇温する間に測定された抵抗
から計算されたものである。表10〜表15で用いられ
ている略号は次の通りである。 ρ20 (ohm.cm)20℃での比抵抗 ρp (ohm.cm)ピーク比抵抗 T2x (℃)比抵抗が20℃の比抵抗の2倍になる温度 Ts (℃)スイッチング温度 Tp (℃)ピーク温度
【0074】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【0075】表16〜表19には、多数の試料につい
て、高温における熱劣化の比抵抗に対する効果が示され
ている。表16〜表19の初期性能の欄には、表10〜
表15のデータを得る為に1℃/分の割合で外部加熱し
た後、20℃に冷却した試料の比抵抗(ρ20)および再び
1℃/分で加熱した際のピーク比抵抗(ρp)が示してあ
る。次いで、試料を室温まで冷却し、表16〜表19に
示す温度Tまで再加熱して測定した(同温度)Tにおける
比抵抗がρтの欄に示されている。試料をこの温度Tで
52または73時間保存し、2時間後、9時間後ならび
に27時間後および73時間処理した試料では46時間
後に試料を20℃まで冷却し、温度Tに再加熱する前に
比抵抗を測定した。各時間劣化した後の20℃における
試料の比抵抗を各時間欄に示す。同時に20℃における
比抵抗の変化率、すなわち(ρ−ρ20/ρ)×100も同
欄に示す。
【0076】
【表20】
【表21】
【0077】表20及び表21には、高温における電圧
劣化の比抵抗に対する効果を示す。これらの試料は、示
された実施例の切断混合物の一部を取り出し、温度18
0℃、圧力70Kg/cm2で5分間圧縮して0.2cm厚の
平板に成形した後、平板から直径1.9cmの円盤を切り
出し、各円盤表面に、ニッケルメッキ銅の展開金網を直
径1.9cmの円形に切り出したものをモールドして電極
を形成し、次いで、20Mradで照射した後、20AW
Gリード線を電極に取り付けて製造する。試料は、外部
加熱して(Tм+30)℃で15分間保って熱処理した
後、1℃/分の割合で室温まで冷却する。そして、20
℃で試料の比抵抗を測定する。次に、装置のリード線を
種々の電圧の交流電源に接続する。電源の電圧は、装置
を電源に初めてまたは再び接続する時、最初の30秒間
は30〜35Vに保ち、次いで2分間にわたり120V
まで昇電圧する時以外は120Vに保たれる。試料はこ
の様な条件下に30または50時間劣化されるが5、1
0、20または30時間後には20℃に冷却され、電圧
を再び加える前に比抵抗を測定する。これらの条件によ
り示された時間劣化処理した後の20℃における試料の
比抵抗を、比抵抗の変化率と共にρ欄に示す。
【0078】同様の電圧劣化試験を、実施例40、5
4、56、63、65、85、91および93の組成物
について行ったところ、実施例54、56および65の
組成物は、電圧劣化に対して安定であり、30時間劣化
後の比抵抗増加が2倍以下であるが、一方、実施例4
0、63、85、91および93の組成物は、安定では
なく、30時間後の比抵抗増加も10倍以上になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 典型的なPTC素子の抵抗/温度の関係を示
すグラフである。
【図2】 この発明の典型的な回路例を示す回路図であ
る。
【図3】 この発明に係る典型的な回路保護器の電力/
温度の関係を示すグラフである。
【図4】 この発明に係る典型的な回路保護器の電力/
温度の関係を示すグラフである。
【図5】 この発明にかかる回路保護器の実施例を示す
断面図である。
【図6】 この発明にかかる回路保護器の実施例を示す
断面図である。
【図7】 図5の回路保護器を備えた水槽用ヒータを示
す図である。
【図8】 図7の水槽用ヒータの電気回路図である。
【符号の説明】
1…PTC素子 2…電極 3…酸素遮蔽層 4…リード 5…層 11…回路保護器 12…巻線ヒータ 13…サーモスタット 14…ガラス繊維 15…プラグ 16…ランプ 17…抵抗 18…ランプ 19…抵抗 20…キャップ 21…ガラス管ケース 22…部材 23…リング 121…ヒータ用抵抗線 122…セラミックコア 131…ナールドノブ 132…キャパシタ 201…フレーム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
フロントページの続き (72)発明者 ジョセフ・ヒル・エバンス アメリカ合衆国94303カリフォルニア、パ ロ・アルト、メトロサークル1096番 (72)発明者 ドナルド・フランク・ペテンジル アメリカ合衆国94306カリフォルニア、パ ロ・アルト、マルガリタ・アベニュー233 番

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力源と、PTC素子を含む第1の回路
    保護器と、上記PTC素子に直列に接続されかつインピ
    ーダンスRLオームを有する他の回路素子とを備えた保
    護回路であって、該保護回路は通常の動作状態を有し、
    上記第1回路保護器の周囲が過剰温度となるかまたは該
    保護回路に過剰の電流が流れる故障が起こった時に高温
    安定動作状態に変換され、 (1)上記PTC素子は、(a)導電性充填材を、ポリ
    マーに分散させる方法によって調製され、かつ(b)2
    5℃にて10オーム・cm以下の抵抗率を有する、PTC
    導電性ポリマーからなり、 (2)上記第1回路保護器は二つの金属平板電極と一定
    厚みtの平板PTC素子からなり、該PTC素子の両側
    に金属平板電極を配してなり、 (3)電極が電力供給源に接続されるときは、行路長さ
    tを有する等価直径dとすると、電流はd/tが少なく
    とも10であるような範囲で上記PTC素子を通して流
    れるようになっており、 (4)上記第1回路保護器は25℃で抵抗値が1オーム
    以下で、 (5)上記回路は第2回路保護器を配し、 (6)少なくとも上記第1回路保護器の周囲の過剰温度
    によって上記保護回路が高温安定動作状態に変換される
    時には、高温安定動作状態下での保護回路の電力に対す
    る通常動作状態下での保護回路の電力比、即ちスイッチ
    比が少なくとも8であることを特徴とする保護回路。
  2. 【請求項2】 上記第1回路保護器がサーモスタットま
    たはバイメタルスイッチである請求項1記載の保護回
    路。
  3. 【請求項3】 上記第1回路保護器および第2回路保護
    器が同様の故障に対して回路を保護しようとする請求項
    1または請求項2に記載の保護回路。
  4. 【請求項4】 上記第2回路保護器が故障した時第1回
    路保護器がスイッチが切り替わり作動する請求項3記載
    の保護回路。
  5. 【請求項5】 上記第1回路保護器および第2回路保護
    器が異なった故障に対して回路を保護しようとする請求
    項1または請求項2に記載の保護回路。
  6. 【請求項6】 スイッチ比が少なくとも40である請求
    項1乃至5のいずれかに記載の保護回路。
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