JP2001084839A - 透明導電性薄膜易接着フィルム - Google Patents
透明導電性薄膜易接着フィルムInfo
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Abstract
れ、且つ透明導電性フィルムとして従来の液晶表示装置
のタッチパネルに適用した際にニュートンリングの発生
を防止することができると共に、カラーの液晶表示装置
のタッチパネルに適用した際においてもカラー画面がぎ
らついて見えるということがなく、モノクロ以外のカラ
ー液晶表示装置のタッチパネルにも対応可能な透明導電
性フィルムとすることができる透明導電性薄膜易接着フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 透明高分子フィルム2上に、少なくとも
電離放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バイン
ダー、及び2以上の異なる平均粒径のマット化剤から構
成される易接着膜3を設ける。
Description
に好適な透明導電性フィルムに用いられる基材フィルム
であって、基材フィルムに対するインジウム−スズ酸化
物等の透明導電性薄膜の密着性等の耐久性が改良され、
且つカラー液晶表示装置のタッチパネルにも対応可能な
透明導電性フィルムとすることができる易接着フィルム
に関する。
が注目され、その用途の一つとして、携帯用の電子手
帳、情報端末などへの応用が期待されている。これらの
携帯用の電子手帳、情報端末などの入力装置としては、
液晶表示素子の上に透明なタッチパネルを載せたもの、
特に価格などの点から抵抗膜方式のタッチパネルが一般
に用いられている。
透明導電性フィルムと透明導電性薄膜付ガラスが適当な
ギャップで隔てられた構造のものが一般に用いられてお
り、従来、この透明導電性フィルムとしては、透明高分
子フィルム上にインジウム−スズ酸化物(以下、「IT
O」という。)等の透明導電性薄膜を形成したものが一
般に用いられている。
使用される透明高分子フィルムとしては、タッチパネル
のタッチ(押圧)時に生じるニュートンリングを防止す
るために、その表面にエンボス加工を用いて中心線平均
粗さ及び最大高さをある特定の範囲とした微細な凹凸を
無数に賦形したもの等が用いられている(特開平8−7
7871号公報)。
とする透明導電性フィルムでは、透明高分子フィルムと
透明導電性薄膜との密着性が十分ではないために、前記
タッチパネルに適用した場合に、透明導電性薄膜が剥離
したり、摩耗したりする等の耐久性に乏しいという欠点
があり、透明導電性薄膜を設けたときの耐久性が高く
て、ニュートンリング防止性を備えた透明導電性薄膜を
設けるのに好適なフィルムは得られていなかった。
晶表示装置のカラー化が進むと共に、カラーの高精細化
が進んだ結果、従来のニュートンリング防止のための表
面凹凸処理が施された透明導電性フィルムをタッチパネ
ルに使用すると、高精細化されたカラー画面の特に白色
部分がぎらついて見えるという問題が発生するようにな
ってきた。
とするところは、透明導電性薄膜を設けたときの耐久性
に優れ、且つ、透明導電性フィルムとして従来の液晶表
示装置のタッチパネルに適用した際にニュートンリング
の発生を防止することができると共に、カラーの液晶表
示装置のタッチパネルに適用した際においてもカラー画
面がぎらついて見えるということがなく、モノクロ以外
のカラー液晶表示装置のタッチパネルにも対応可能な透
明導電性フィルムとすることができる透明導電性薄膜易
接着フィルムを提供するところにある。
性薄膜易接着フィルムは、透明高分子フィルム上に、少
なくとも電離放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹
脂バインダー、及び2以上の異なる平均粒径のマット化
剤から構成される易接着膜を形成したことを特徴とする
ものである。
ルムは、マット化剤が少なくとも平均粒径1〜15μm
と平均粒径5〜50nmの2種のマット化剤であること
を特徴とするものである。
ィルム1について、更に詳細に説明する。
は、透明高分子フィルム2上に易接着膜3を形成したも
のであり、当該易接着膜3は、少なくとも電離放射線硬
化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダー、及び2
以上の異なる平均粒径のマット化剤から構成されてなる
ものである。
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アク
リル、アセチルセルロース、塩化ビニル等の光透過性を
阻害しないものが使用でき、延伸加工、特に二軸延伸加
工されたものは、機械的強度、寸法安定性が向上される
ので好ましい。厚みは適用される材料に対して適宜選択
することができるが、一般に20〜500μmであり、
好ましく50〜200μmである。
明にかかる易接着膜3は、耐摩耗性に優れ、且つITO
等の透明導電性薄膜5との密着性に優れることにより、
透明導電性薄膜5の耐久性を向上させると共に、透明導
電性薄膜5を製膜して得られた透明導電性フィルム6の
用途であるタッチパネル等に適用した場合に問題となる
ニュートンリングの発生を防止する役割を担うものであ
る。
導電性薄膜5を製膜して得られた透明導電性フィルム6
をカラーの液晶表示装置のタッチパネルに適用した場合
においても、カラー画面のぎらつきの発生を防止でき、
モノクロの液晶表示装置のタッチパネルのみならずカラ
ー液晶表示装置のタッチパネルにも好適に対応できる透
明導電性フィルム6を得ることができるものである。
型樹脂、熱可塑性樹脂をバインダー主成分として、2以
上の異なる平均粒径のマット化剤を混合してなる組成物
を塗工製膜し、電離放射線(紫外線若しくは電子線)を
照射して架橋硬化させる等することにより得ることがで
きる。
は、電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によっ
て架橋硬化することができる光重合性プレポリマーを用
いることができ、この光重合性プレポリマーとしては、
1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化
することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポ
リマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレ
ポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステ
ルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアク
リレート等が使用できる。
易接着膜3に、耐摩耗性を付与すると共に、後述するよ
うに、マット化剤と組み合わせたときに生じる光透過性
を備えたニュートンリング防止性を付与するための役割
を担うことができる。
しては、易接着膜3を構成する全バインダー成分中の7
0〜97重量%であることが好適である。97重量%以
下とすることにより、易接着膜3と透明導電性薄膜5と
の密着性を阻害しなくなり、70重量%以上とすること
により、易接着膜3の耐摩耗性が十分なものとなると共
に、マット化剤を混合したときに優れた光透過性を備え
たニュートンリング防止性が発揮される。
ルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセル
ロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセル
ロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニ
ル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体
等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその
共重合体、メタアクリル樹脂及びその共重合体等のアク
リル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
カーボネート樹脂等が挙げられる。
3に、透明導電性薄膜5との密着性を向上するという役
割を担うものであり、特にアセタール樹脂バインダーが
好適である。
易接着膜3を構成する全バインダー成分中の3〜30重
量%であることが好適である。3重量%以上とすること
により、易接着膜3と透明導電性薄膜5との密着性が十
分なものとなり、30重量%以下とすることにより、易
接着膜3の耐摩耗性を阻害しなくなる。
導電性薄膜5との密着性、耐摩耗性、光透過性等を阻害
しない範囲で、他の熱硬化性樹脂等を混合することも可
能である。
ナ、二酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、酸化ジルコニウム、クレイ、アルミニウムステア
レート、カルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、
スチレン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の公知
の無機及び有機樹脂微粒子の1種又は2種以上のうち、
平均粒径の異なるものを2以上混合使用する。
化剤の好適な態様としては、少なくとも一方の平均粒径
が1〜15μmの比較的大きな粒子のマット化剤であ
り、他方の平均粒径が5〜50nmの比較的小さな粒子
のマット化剤を組み合わせることが好ましい。これらの
混合割合としては、上述全樹脂バインダー100重量部
に対して、平均粒径が1〜15μmの比較的大きな粒子
のマット化剤は1〜8重量部、好適には2〜6重量部で
あることが望ましく、平均粒径が5〜50nmの比較的
小さな粒子のマット化剤は1〜8重量部、好適には2〜
6重量部であることが望ましい。
ト化剤は、前述した電離放射線硬化型樹脂バインダーと
組み合わされることにより、粒状物を含有した電離放射
線硬化型樹脂塗膜の表面に特有に生じる波状の凹凸を利
用することで、粒状物であるマット化剤の混合量を少な
くして高い透明性を維持しつつ、十分なニュートンリン
グ防止性が発揮されるようになる。また、これに透明導
電性薄膜5を製膜した透明導電性フィルム6をカラー液
晶表示装置のタッチパネルに適用した場合においても、
カラー画面のぎらつきの発生を防止でき、モノクロの液
晶表示装置のタッチパネルのみならずカラー液晶表示装
置のタッチパネルにも好適に対応できる透明導電性フィ
ルム6を得ることができるようになる。
のタッチパネルに使用される透明導電性フィルム6の透
明導電性薄膜5を形成する面の表面凹凸形状とその際に
発生するカラー画面のぎらつきの関係を鋭意研究し、表
面凹凸形状が規則的で滑らかなものの表面凹凸のレンズ
作用によって、カラー表示の元になっているRGBの発
光点が拡大して強調されることでカラー画面がぎらつい
て見えていることを突き止めた結果、採用するに至った
ものである。
脂をバインダー主成分として2以上の異なる平均粒径の
マット化剤を混合してなる組成物には、易接着膜3と透
明導電性薄膜5との密着性や耐摩耗性、及び透明性を備
えるニュートンリング防止性等の性能を阻害しない範囲
で、光重合性モノマー、光重合性開始剤、紫外線増感
剤、レベリング剤、溶剤等を適宜添加することもでき
る。
述する性能を満たす範囲内であれば限定されるものでは
ないが、2〜15μm、好ましくは3〜8μmの範囲内
で適宜調整可能である。
る紫外線としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水
銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い
た50〜300kcal/molのエネルギーを有する
100〜400nm、好ましくは200〜400nmの
波長領域のものを使用する。
テン型の電子線加速器を用い、加速電圧1000keV
以下、好ましくは100〜300keVのエネルギーを
有する100nm以下の波長領域のものを使用する。
尚、「部」「%」は特記しない限り、重量基準である。
ンテレフタレートフィルム2(コスモシャインA430
0:東洋紡績社)の一方の表面に、表1の組成の易接着
膜塗布液aを塗布、乾燥し、高圧水銀灯で紫外線を1〜
2秒照射することにより約5μmの易接着膜3を形成し
て、実施例1の透明導電性薄膜易接着フィルム1を作製
した。
着膜塗布液aを易接着膜塗布液b〜eに変更して、易接
着膜を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1
〜4の透明導電性薄膜易接着フィルムを作製した。
射線硬化型樹脂(ダイヤビームUR6530:三菱レイ
ヨン社)、バインダーBは熱可塑性アセタール樹脂(エ
スレックBL−S:積水化学工業社)、マット化剤Cは
多孔質シリカ(サイリシア446〈平均粒径4.5μ
m〉:富士シリシア化学社)、マット化剤Dは微粉末シ
リカ(アエロジル50〈平均粒径30nm〉:日本アエ
ロジル社)、添加剤Eは光重合開始剤(イルガキュア6
51:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社)を用い
た。
導電性薄膜易接着フィルム1及び比較例1〜4の透明導
電性薄膜易接着フィルムの、易接着膜3が設けられてい
る面の裏面に表1の組成のハードコート膜塗布液を塗
布、乾燥し、高圧水銀灯で紫外線を1〜2秒照射するこ
とにより約5μmのハードコート膜4を形成して、透明
性を評価すると共に、スパッタリング法により易接着膜
3上に厚み約25nmのITO膜を透明導電性薄膜5と
して形成して透明導電性フィルム6を作製し、その易接
着膜3と透明導電性薄膜5との密着性を評価した。それ
ぞれ透明性と密着性の評価は次のように行い、その評価
結果を表2に示す。
M−2K(スガ試験機社)を用いてヘーズ値「%」を測
定して透明性を評価した(JIS−K7105)。
400)を用いて評価を行い、易接着膜3から透明導電
性薄膜5が剥離されない場合には「○」とし、易接着膜
3から透明導電性薄膜5が剥離される場合には「×」と
して評価した。
30nmのITO膜をスパッタリング法により形成して
下部電極基板7を作製し、該下部電極基板7上に高さ5
μm、直径50μmのドットスペーサー8を1.0mm
間隔で形成した。
ィルム1及び比較例1〜4の透明導電性薄膜易接着フィ
ルムから作製した各々の透明導電性フィルム6と上記ド
ットスペーサー8を形成した下部電極基板7を使って、
図1の構造のようなタッチパネルを作製して(尚、図1
はタッチパネルの構造の一部であり、周囲の絶縁や外部
への引き出し回路は省略してある。)、各々得られたタ
ッチパネルのニュートンリング防止性と透明導電性薄膜
5の耐久性の評価を行い、その評価結果を併せて表2に
示す。
ィルム6を下部電極基板7に押し付けたときに、透明導
電性フィルム6と下部電極基板7との間に、全くニュー
トンリングが発生しない場合には「○」とし、ニュート
ンリングが発生している場合には「△」とし、ニュート
ンリングが発生すると共に透明導電性フィルム6と下部
電極基板7の離型性が悪い場合には「×」として評価し
た。
ゴム材を用いた打点耐久試験装置を使用して、荷重30
0g、打点サイクル1万回/時間で10万回打点の後
に、透明導電性薄膜5を観察して、透明導電性薄膜5に
特に異常が見られない場合には「○」とし、透明導電性
薄膜5が摩耗している場合には「×」として評価した。
ィルム1及び比較例1〜4の透明導電性薄膜易接着フィ
ルムから作製した各々の透明導電性フィルム6を用いて
上述のように作製したタッチパネルを、カラー液晶表示
装置(T55A−9513:IBM社)上に積層して、
そのカラー画面のぎらつき発生状態(表2中では「画面
ぎらつき状態」という。)を以下のような目視評価を行
い、その評価結果を併せて表2に示す。
ラー画面のぎらつきが見えない場合には「○」とし、R
GBの発光点が拡大して画面がぎらついて見える場合に
は「×」とした。
1の透明導電性薄膜易接着フィルム1は、透明性、密着
性、ニュートンリング防止性、耐久性、及びカラー画面
のぎらつき発生状態の何れにおいても良好な結果が得ら
れた。
ィルムは、易接着膜に熱可塑性樹脂バインダーが含まれ
ていないために、透明導電性薄膜との密着性が低く、透
明導電性薄膜の耐久性が得られなかった。
は、易接着膜に電離放射線硬化型樹脂バインダーを用い
ておらず、粒状物を含有した電離放射線硬化型樹脂塗膜
の表面に特有に生じる波状凹凸の作用を利用したニュー
トンリング防止効果が寄与しないために、ニュートンリ
ング防止性が不足していた。また、易接着膜の耐摩耗性
が低いために、透明導電性薄膜の耐久性が得られなかっ
た。
は、易接着膜にマット化剤として比較的大きな粒径のも
のが1種類しか含まれていないために、RGBの発光点
による画面のぎらつきを抑えることができなかった。
は、易接着膜にマット化剤として比較的小さな粒径のも
のが1種類しか含まれていないために、十分な表面凹凸
を得ることができず、ニュートンリング防止性を得るこ
とができなかった。
によれば、透明高分子フィルム上に、少なくとも電離放
射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダー、
及び2以上の異なる平均粒径のマット化剤から構成され
る易接着膜を形成することにより、透明導電性薄膜を設
けたときの耐久性に優れ、且つ透明導電性フィルムとし
て従来の液晶表示装置のタッチパネルに適用した際にニ
ュートンリングの発生を防止することができると共に、
カラーの液晶表示装置のタッチパネルに適用した際にお
いてもカラー画面がぎらついて見えるということがな
く、モノクロ以外のカラー液晶表示装置のタッチパネル
にも対応可能な透明導電性フィルムとすることができる
透明導電性薄膜易接着フィルムを得ることができるよう
になる。
用したタッチパネルの一実施例を示す断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】透明高分子フィルム上に、少なくとも電離
放射線硬化型樹脂バインダー、熱可塑性樹脂バインダ
ー、及び2以上の異なる平均粒径のマット化剤から構成
される易接着膜を形成したことを特徴とする透明導電性
薄膜易接着フィルム。 - 【請求項2】前記マット化剤が、少なくとも平均粒径1
〜15μmと平均粒径5〜50nmの2種のマット化剤
であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性薄膜
易接着フィルム。
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