JP2001083741A - 電子写真用カラートナー及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用カラートナー及びその製造方法

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JP2001083741A JP25551199A JP25551199A JP2001083741A JP 2001083741 A JP2001083741 A JP 2001083741A JP 25551199 A JP25551199 A JP 25551199A JP 25551199 A JP25551199 A JP 25551199A JP 2001083741 A JP2001083741 A JP 2001083741A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電立ち上がり性および帯電安定性に優れ、
画像濃度の低下、キメの悪化およびカブリの発生を長期
にわたって防止する電子写真用カラートナーおよびその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂および着色剤を含む
トナー粒子表面に帯電制御剤が平均粒径0.15μm以
下で存在していることを特徴とする電子写真用カラート
ナー。少なくとも結着樹脂および着色剤を、帯電制御剤
を溶解し得る有機溶剤に溶解・分散してなる油性相から
なる液状粒子を水性相中に形成した後、液状粒子から有
機溶剤を除去することを含む電子写真用カラートナーの
製造方法であって、帯電制御剤を、油性相からなる液状
粒子を水性相中に形成した後、有機溶剤の除去が完了す
る前に、分散系に添加することを特徴とする電子写真用
カラートナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用カラート
ナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー電子写真式複写機やプリンタが広
く普及されるにつれ、写真印刷に近い粒状性(キメ)お
よび解像度を有する高品位画像が求められ、トナーは近
年小径化が図られている。しかし、一般にトナーは小径
になるほど単位重量当たりの帯電量が高くなり、現像性
が悪くなるため、長期間安定した画像を維持・再現させ
るのが難しい。このため、現像剤設計上、トナー組成お
よび粒子形状等により帯電量レベルを制御し、シャープ
な帯電量分布になるよう工夫することが必要である。
【0003】トナーの製法としては、樹脂や顔料等を機
械的に混練した後、粉砕するいわゆる粉砕法が一般的で
ある。しかし、粉砕法により得られたトナーは、小粒径
になるほど、所望のトナーを得るまでの設備工程が繁雑
で、コスト面で割高になるばかりでなく、粉砕によるた
め形状が不定形で、かつトナー表面に凹凸が多く機械的
ストレスを受けるとトナー微紛を発生しやすい欠点を有
していた。平均粒径10μm以下の小径のトナーでは数
μmのトナー微紛が多く存在し、当該微粉は付着力が強
いため、キャリアや帯電付与部材の凹部に付着して、ト
ナーの帯電量変動を引き起こし、画質の低下が起こると
いう問題が生じていた。特に、光沢を出すため低分子量
で柔らかい樹脂を用いたカラートナーの製造において
は、耐久性の面から、現像器内の機械的ストレスでトナ
ー微紛やそこに含まれる成分が脱落してキャリアや帯電
付与部材等に移行するのを防止することが要求されてい
る。
【0004】一方、小径化に適したトナーの製法とし
て、結着樹脂または結着樹脂を形成し得るモノマー、着
色剤および帯電制御剤等の所望の添加剤を溶解・分散し
てなる油性相を水性相中に添加し、造粒を行う乳化分散
法、乳化重合法、懸濁重合法等の方法が多く提案されて
いる。しかしながら、これらの湿式法により製造したト
ナーは微粉の発生が抑制されるものの、一般に形状は球
形ゆえに摩擦帯電しにくく、帯電立ち上がりが悪いとい
う欠点があった。また、トナー成分では特に汚染すると
帯電量変動を引き起こしやすい帯電制御剤の脱落・移行
を低減する必要があった。以上の点から湿式法による小
径のカラートナーにおいて、帯電性能及び耐汚染面か
ら、帯電制御剤を脱落させることなく、いかにトナー表
面に分散させるかが課題である。しかしながら、粉砕
法、湿式法ともに従来から行われている通り造粒前に他
のトナー成分とともに帯電制御剤を内部添加すると、帯
電制御剤を有効にトナー表面に存在させるのは困難であ
った。
【0005】そこで、上記課題を克服するため、下記の
ような検討がなされている。特開平7−199535号
公報では重合トナー化法において帯電制御剤が分散され
た水性相中、重合性単量体、重合開始剤および着色剤を
含む油性相を添加し造粒することで、帯電制御剤をトナ
ー粒子表面に均一に固定させ、帯電性能を改善する試み
がなされている。このようにして得られるトナーは表面
に帯電制御剤が存在するため初期の帯電性能は優れてい
る。しかしながら、ここで使用される金属錯体系帯電制
御剤は水性相中微分散しにくく、トナー表面で存在する
帯電制御剤の粒径は粉砕法や従来の油性相添加法による
ものに比べても大きくなりがちであるため、現像器内で
脱落しやすく、キャリアや帯電付与部材を汚染し、耐久
時の帯電性能が低下し易い。帯電性能が低下すると、画
像濃度が変化したり、得られる画像上においてキメが悪
化したり、カブリが発生する。一方、水性相中分散容易
な帯電制御剤を用いると高湿環境および低湿環境での帯
電量変動が大きくなるという問題点があった。
【0006】また、特開平6−234863号公報で
は、湿式法で造粒したトナーの固体粒子と帯電制御剤微
粒子を水あるいは水/アルコール混合溶媒中分散させ、
機械的せん断によりトナー表面に微粒子を固着させる技
術が報告されている。しかしながら、ここで用いられる
溶媒により微分散できる帯電制御剤は限定され、しかも
溶解までできるものはほとんど見られない。この結果、
機械的せん断を加えても表面に存在する帯電制御剤粒子
の粒径は大きいため、キャリアや帯電付与部材の汚染に
よる帯電性能の低下の点で好ましくない。また、表面改
質の工程が必要なため製造コストのアップに繋がる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、帯電立ち上がり性および帯電安
定性に優れ、画像濃度の低下、キメの悪化およびカブリ
の発生を長期にわたって防止する電子写真用カラートナ
ーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂および着色剤を含むトナー粒子表面に帯電制御剤
が平均粒径0.15μm以下で存在していることを特徴
とする電子写真用カラートナーに関する。
【0009】本発明はまた、少なくとも結着樹脂および
着色剤を、帯電制御剤を溶解し得る有機溶剤に溶解・分
散してなる油性相からなる液状粒子を水性相中に形成し
た後、液状粒子から有機溶剤を除去することを含む電子
写真用カラートナーの製造方法であって、帯電制御剤
を、油性相からなる液状粒子を水性相中に形成した後、
有機溶剤の除去が完了する前に、水性相中の液状粒子か
らなる分散系に添加することを特徴とする電子写真用カ
ラートナーの製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明の電子写真用カラートナー
は、少なくとも結着樹脂および着色剤からなるトナー粒
子表面に、帯電制御剤が平均粒径0.15μm以下、好
ましくは0.10μm以下、より好ましくは0.08μ
m以下で存在してなる。本発明においては帯電制御剤が
このように小粒径でトナー粒子表面に存在し、当該帯電
制御剤の脱落が抑制されるため、帯電立ち上がり性およ
び帯電安定性が向上し、画像濃度の低下、キメの悪化お
よびカブリの発生を長期にわたって有効に防止すること
ができる。トナー粒子表面に存在する帯電制御剤の平均
粒径が0.15μmを越えると、繰り返して複写する
際、帯電制御剤の脱落が顕著になるため、帯電安定性の
低下による画像濃度の低下、キメの悪化およびカブリの
発生等の問題が生じる。
【0011】帯電制御剤のトナー粒子表面での存在量は
一般的に結着樹脂100重量部に対して0.02〜1重
量部、好ましくは0.05〜0.5重量部であることが
望ましい。
【0012】本発明において好ましくは、帯電制御剤は
トナー粒子表面に固着されている。固着により、帯電制
御剤の脱落がさらに抑制されるため、帯電安定性がより
向上する。より好ましくは、帯電制御剤は存在深さ(ト
ナー粒子への埋没深さ)が帯電制御剤粒径の1/4〜4
/4、好ましくは2/4〜3/4でトナー粒子に固着さ
れている。固着とは、帯電制御剤粒子の少なくとも一部
がトナー粒子に埋没し、当該帯電制御剤がトナー粒子に
固定化されることをいう。
【0013】本明細書中、トナー粒子表面に存在する帯
電制御剤の平均粒径は当該粒子表面を電子顕微鏡観察
(倍率15万倍)することにより測定された帯電制御剤
粒径(最大長)の平均値を用いている。帯電制御剤がト
ナー粒子表面に固着されている場合、上記平均粒径は、
帯電制御剤の見掛け平均粒径を指すものとする。帯電制
御剤の見掛け平均粒径とは、一部が埋没された帯電制御
剤を真正面から見たとき、帯電制御剤の埋没していない
部分が示す輪郭の径(最大長)の平均値をいう。
【0014】本発明のカラートナーは重合過程を含まな
い湿式法、または重合過程を含む湿式法、いずれの湿式
法においても、少なくとも結着樹脂または結着樹脂を形
成し得るモノマー、および着色剤を、帯電制御剤を溶解
し得る有機溶剤に溶解・分散してなる油性相からなる液
状粒子を水性相中に形成した後、有機溶剤の除去が完了
する前に、帯電制御剤を前記液状粒子の分散している分
散系に添加することによって得られる。このように、湿
式法におけるトナー成分が含まれる油性相中に、帯電制
御剤を溶解し得る有機溶剤を添加しておき、かつ油性相
を分散剤の入った水性相中混合撹拌し油性相の液状粒子
(エマルジョン)を形成した後、有機溶剤の除去が完了
する前に、帯電制御剤を上記液状粒子が分散してなる分
散系中に添加することにより、トナー粒子表面に帯電制
御剤が小粒径で存在するトナーを得ることができる。
【0015】このような湿式法によって製造され得る本
発明のカラートナーは、微粉の発生は抑制され、小粒径
であっても低コストで製造され得る。また、湿式法によ
ると得られるトナー粒子の形状はほぼ球形であり、粒子
表面に凹凸は少ないため、実機内での機械的ストレスに
よるトナー微紛の発生を回避できる。
【0016】好ましくは重合過程を含まない湿式法、例
えば、乳化分散法を採用する。乳化分散法を採用する場
合、本発明のカラートナーは、詳しくは、少なくとも結
着樹脂および着色剤を、帯電制御剤を溶解し得る有機溶
剤に溶解・分散してなる油性相からなる液状粒子を水性
相中に形成し、その液状粒子が分散した分散系から有機
溶剤を除去することを含む電子写真用カラートナーの製
造方法であって、帯電制御剤を、油性相からなる液状粒
子を水性相中に形成した後、有機溶剤の除去が完了する
前に、水性相中の液状粒子からなる分散系に添加するこ
とを特徴とする電子写真用カラートナーの製造方法によ
って製造され得る。
【0017】具体的には、まず、少なくとも結着樹脂お
よび着色剤を、帯電制御剤を溶解し得る有機溶剤に溶解
・分散し、油性相を調製する。
【0018】結着樹脂としては、電子写真用カラートナ
ーの分野で使用され得る公知のいかなる樹脂も使用可能
であり、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、
(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル
系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢
酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。上記の
樹脂を1種または2種以上用いてもよい。カラートナー
用結着樹脂として定着性の面からポリエステル樹脂を主
成分樹脂として用いることが好ましい。
【0019】着色剤としては、公知のいかなる顔料・染
料も使用可能である。黒色顔料としては、例えば、カー
ボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラ
ック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マ
グネタイトなどが挙げられる。黄色顔料としては、例え
ば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、
ミネルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ベ
ンジジンイエローG、などが挙げられる。橙色顔料とし
ては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマ
ネントオレンジGTR、パラゾロンオレンジ、バルカン
オレンジなどが挙げられる。
【0020】赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、カ
ドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマ
ネントレッド4R、リゾールレッド、ピラゾロンレッ
ド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッド
C、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6Bなどが
挙げられる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバル
トブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアルブルー
レーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニン
ブルー、フタロシアニンブルーなどが挙げられる。体質
顔料としては、例えば、バライト粉、炭酸バリウム、ク
レー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホ
ワイトなどが挙げられる。これらの着色剤は、単独ある
いは複数組み合せて用いることができる。
【0021】着色剤は、通常、上記結着樹脂100重量
部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜15重量
部使用することが望ましい。2種以上組み合わせて用い
る場合は合計量が上記範囲内になればよい。
【0022】油性相にはさらに、所望により、帯電制御
剤以外の公知のトナー成分、例えば、離型材、磁性粉等
を溶解または分散させてもよい。
【0023】離型材としては、公知の離型材が使用可能
であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン系等の
オレフィンワックス、エステル、酸、モンタンロウ等の
モンタンロウ系ワックス、カルナバ、木ろう、ホホバ等
の植物系ワックスや脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族
金属塩類、シリコーン化合物等が挙げられる。離型材
は、通常、上記結着樹脂100重量部に対して、1〜1
5重量部、好ましくは2〜10重量部使用することが望
ましい。
【0024】磁性粉としては、公知の磁性粉が使用可能
であり、例えば、鉄、ニッケル、銅等の合金、酸化物、
フェライト、マグネタイト等が挙げられる。磁性粉は、
通常、上記結着樹脂100重量部に対して、0.5〜1
0重量部、好ましくは1〜5重量部使用することが望ま
しい。
【0025】本発明において、上記のようなトナー成分
が溶解または分散される有機溶剤として、後の工程で使
用される帯電制御剤を溶解し得る有機溶剤を用いる。こ
のような有機溶剤としては後の工程で使用される帯電制
御剤に依存し、例えば、公知の芳香族系溶剤、エステル
系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤およびハロゲ
ン系溶剤等が例示できる。これらの具体例として、芳香
族系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙
げられる。エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等が挙げられる。ケトン系溶剤として
は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げら
れる。アルコール系溶剤としては、例えば、イソプロピ
ルアルコール、n−ブタノール、エタノール等が挙げら
れる。ハロゲン系溶剤としては、例えば、クロロホル
ム、四塩化炭素等が挙げられる。上記有機溶剤は単独で
または2種以上組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の
使用量は水性相中における油性相の分散性に悪影響を及
ぼさなければ特に制限されず、一般に油性相全重量に対
して50〜95重量%とすることが望ましい。
【0026】本明細書中、「帯電制御剤を溶解し得る有
機溶剤」とは、有機溶剤(2種以上組み合わせて用いる
場合は混合有機溶剤)100g(25℃)に対して、使
用される帯電制御剤が3g以上、好ましくは9g以上溶
解できればよいことを意味する。有機溶剤に対する帯電
制御剤溶解量が少ないと、トナー表面で帯電制御剤が上
記のように微分散されたトナーが得られない。
【0027】次いで、得られた油性相を水性相中に分散
させて、水性相中に油性相からなる液状粒子が分散され
た分散系(O/Wエマルジョン)を調製する。
【0028】水性相は水に、分散剤および/または分散
助剤等の添加剤を添加してなる。分散剤としては、水性
分散剤中で親水性コロイドとなるものが好ましく、特に
ゼラチン、アラビアゴム、寒天、セルロース誘導体(例
えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等)、合成高分子(例えば、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩(ポリ
アクリル酸ナトリウム等)、ポリメタクリル酸塩等)、
難溶性無機塩(例えば燐酸カルシウム等)、親水性シリ
カなどが挙げられる。
【0029】分散助剤としては、通常界面活性剤が用い
られ、アポニンなどの天然界面活性剤、アルキレンオキ
サイド系、グリセリン系あるいはグリシドール系などの
ノニオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン
酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含
むアニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0030】水性相中における分散剤および分散助剤の
濃度は特に制限されず、公知の乳化分散法において採用
され得る範囲で選択され、一般に、それぞれ0.1〜1
0重量%、0.001〜2重量%が好適である。
【0031】油性相の水性相中への分散に際しては、得
られるトナー粒子が所望粒径になるよう、油性相の液状
粒子の径を撹拌によって制御することが好ましい。油性
相と水性相との混合体積比(油性相/水性相)は、水性
相中に油性相からなる液状粒子が分散できれば特に制限
されないが、液状粒子の形成しやすさとその安定性の面
から(通常)1以下が好ましい。
【0032】分散系を調製した後は、上記有機溶剤の除
去が完了する前に、帯電制御剤を当該分散系に添加す
る。すなわち、帯電制御剤は、分散系を調製した直後に
系中に添加してもよいし、または分散系を調製した後、
有機溶剤を除去する間に系中に添加してもよい。例え
ば、分散系の調製直後から有機溶剤を20時間かけて除
去する場合、帯電制御剤は分散系の調製直後から15時
間経過するまでの間に添加することが好ましく、より好
ましくは分散系の調製直後から10時間経過するまでの
間に添加し、さらに好ましくは分散系の調製直後から5
時間経過するまでの間に添加する。
【0033】分散系を調製した後、すなわち水性相中に
油性相の液状粒子を形成した後、有機溶剤の除去が完了
する前に、帯電制御剤を系中に添加すると、帯電制御剤
は液状粒子に接触したとき液状粒子に吸着し、液状粒子
中の有機溶剤によって当該粒子表面において溶解される
ため、分散系から当該溶剤を除去して当該粒子を固化さ
せると、帯電制御剤はトナー粒子表面において均一に微
分散された状態で析出すると考えられる。帯電制御剤を
分散系の調製前に水性相に添加すると、帯電制御剤は分
散系の調製時に油性相からなる液状粒子に取り込まれ、
当該液状粒子表面で溶解されなくなるため、有機溶剤を
除去しても、トナー粒子表面に帯電制御剤がほとんど析
出しない。一方、帯電制御剤を有機溶剤の除去が完了し
た後で添加すると、帯電制御剤は液状粒子表面で溶解さ
れないため、帯電制御剤が表面で均一に微分散されたト
ナーが得られない。
【0034】帯電制御剤の析出後の平均粒径は、帯電制
御剤の上記有機溶剤への溶解度、有機溶剤の除去速度、
および帯電制御剤の添加時期等の諸条件を適宜選択する
ことにより、帯電制御剤粒子の大きさとともに、制御さ
れ得る。すなわち、帯電制御剤の有機溶剤への溶解度が
大きいほど、帯電制御剤の上記平均粒径は小さくなる。
溶解度が大きいほど帯電制御剤は液状粒子表面において
溶解し易いことから、得られるトナー粒子の表面に、溶
解されずに残った大径帯電制御剤が存在する確率が小さ
くなるためである。また、有機溶剤の除去速度が大きい
ほど帯電制御剤の平均粒径は小さい。有機溶剤の除去速
度が大きいほど、結晶成長していくための結晶核は一般
に形成されにくいためである。また、帯電制御剤の分散
系への添加時期が前記範囲内で早いほど帯電制御剤の平
均粒径は小さくなる。液状粒子中の有機溶剤への帯電制
御剤の溶解が充分に行われ、得られるトナー粒子の表面
に、溶解されずに残った大径帯電制御剤が存在する確率
が小さくなるためである。
【0035】また、帯電制御剤の分散系への添加時期を
上記範囲内で適宜選択することにより、トナー表面から
の帯電制御剤の存在深さ(トナー粒子への埋没深さ)と
その量を制御することができる。油性相の液状粒子から
の有機溶剤の除去による固化は当該液状粒子内部から起
きるため、添加時期が早いほど帯電制御剤の存在深さは
大きくなり、帯電制御剤はトナー粒子に、より強固に固
着されると同時にトナーへの含有量は増加する。
【0036】本発明で用いる帯電制御剤(CCA)とし
ては、油性相に使用された有機溶剤に溶解できれば特に
制限されることはなく、従来から電子写真の分野で使用
されている、摩擦帯電により正または負の荷電を与え得
る公知の負帯電制御剤および正帯電制御剤が使用可能で
ある。また、カラー化の観点からはカラートナーの色調
を損なうことのない透明色から白色の帯電制御剤が好ま
しく、本発明においては、高湿および低湿環境下におけ
るトナーの帯電量の変動を極力抑えるため水分の吸着・
脱着のしにくい、すなわち水に対して難溶性の帯電制御
剤がより好ましい。
【0037】負帯電制御剤としては、例えば、含金属錯
塩ボントロンE81、E84(オリエント化学社製)、
LR147(日本カーリット社製)、チオインジゴ系顔
料、カリックスアレーン系化合物ボントロンE89(オ
リエント化学社製)、含フッ素化合物コピーチャージN
X VP434(ヘキスト社製)、FT−310(ネオ
ス社製)等が挙げられる。正帯電制御剤としては、例え
ば、第4級アンモニウム塩P−51(オリエント化学社
製)、コピーチャージPX VP435(ヘキスト社
製)等が挙げられる。これらを1種あるいは2種以上用
いてもよい。
【0038】帯電制御剤は、油性相中の上記有機溶剤へ
の溶解容易性の観点から、平均粒径100μm以下、好
ましくは50μm以下に粉砕して用いることが好まし
い。
【0039】帯電制御剤の分散系への添加量は特に制限
されないが、先に使用された水性相100重量部に対し
て0.1〜4重量部が好適である。
【0040】有機溶剤の除去は、分散系を加熱あるいは
減圧し蒸発させることによって行う。加熱温度は水性相
中に分散された液状粒子中の有機溶剤を、粒子同士が凝
集しないように一般には、油性相中の結着樹脂のガラス
転移点以下で除去するのが好ましい。また加熱時間、減
圧度は有機溶剤の種類(沸点等)、有機溶剤使用量等に
よって適宜選択され得る。具体的には、例えば、常圧で
有機溶剤を除去するには有機溶剤としてトルエン/メチ
ルエチルケトン(8/2)を360g用いている場合、
35〜55℃で10〜70時間かけて上記有機溶剤を除
去することが好ましい。
【0041】有機溶剤の除去が完了した後は、冷却後、
ろ過/水洗を数回繰り返し行い、乾燥・解砕を行い、本
発明のトナーを得ることができる。
【0042】また、本発明のカラートナーは、重合過程
を含む湿式法、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、乳化
重合凝集法、シード重合法、界面重合法等を採用して得
てもよい。以下、懸濁重合法を採用して本発明のカラー
トナーを得る場合について説明するが、特記しない限
り、上記の乳化分散法を採用する場合と同様とする。
【0043】懸濁重合法を採用する場合、本発明のカラ
ートナーは、詳しくは、少なくとも結着樹脂を形成し得
るモノマーおよび着色剤を、帯電制御剤を溶解し得る有
機溶剤に溶解・分散してなる油性相からなる液状粒子を
水性相中に形成した後、モノマーを重合させ、液状粒子
から有機溶剤を除去することを含む電子写真用カラート
ナーの製造方法であって、帯電制御剤を、油性相からな
る液状粒子を水性相中に形成した後、有機溶剤の除去が
完了する前に、分散系に添加することを特徴とする電子
写真用カラートナーの製造方法によって製造され得る。
【0044】具体的には、まず、少なくとも結着樹脂を
形成し得るモノマーおよび着色剤を、帯電制御剤を溶解
し得る有機溶剤に溶解・分散し、油性相を調製する。
【0045】結着樹脂を形成し得るモノマーとしては、
前記のスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチ
レン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂等の原料となり
得る全てのモノマー、例えば、ビニル系モノマー等が使
用可能である。
【0046】油性相には、アゾ化合物系重合開始剤、ハ
イドロパーオキサイド系重合開始剤、レドックス系重合
開始剤等の公知のラジカル重合開始剤を含有さることが
好ましい。油性相にはさらに、所望により、帯電制御剤
以外の公知のトナー成分、例えば、離型材、磁性粉等を
溶解または分散させてもよい。
【0047】帯電制御剤を溶解し得る有機溶剤は水性相
中における油性相の分散性およびモノマーの重合に悪影
響を及ぼさない範囲で、油性相全重量に対して5重量%
以上とすることが望ましい。
【0048】次いで、得られた油性相を水性相中に分散
させて、水性相中に油性相からなる液状粒子が分散され
た分散系を調製する。分散系を調製した後は、有機溶剤
の除去が完了する前に、帯電制御剤を当該分散系に添加
する。すなわち、帯電制御剤は、分散系を調製した直後
に系中に添加してもよいし、または分散系を調製した
後、モノマーを重合させる間および有機溶剤を除去する
間に系中に添加してもよい。
【0049】有機溶剤の除去は、分散系を加熱すること
によって行う。有機溶剤の除去が完了した後は、冷却
後、ろ過/水洗を数回繰り返し行い、乾燥・解砕を行
い、本発明のトナーを得ることができる。
【0050】上記の懸濁重合法を採用する場合におい
て、帯電制御剤が上記のモノマーに溶解できれば、前記
有機溶剤を用いなくてもよい。このとき、モノマー(1
00g、25℃)に対する帯電制御剤溶解量が前記の有
機溶剤に対する帯電制御剤溶解量の範囲内であればよ
い。
【0051】このときにおいて、本発明のカラートナー
は、詳しくは、少なくとも結着樹脂を形成し得るモノマ
ーおよび着色剤を混合してなる油性相からなる液状粒子
を水性相中に形成した後、モノマーを重合させることを
含む電子写真用カラートナーの製造方法であって、帯電
制御剤を、油性相からなる液状粒子を水性相中に形成し
た後、モノマーの重合が完了する前に、分散系に添加す
ることを特徴とする電子写真用カラートナーの製造方法
によって製造され得る。帯電制御剤は、油性相を水性相
中に分散させた直後に系中に添加してもよいし、または
油性相を水性相中に分散させた後、モノマーを重合させ
る間に系中に添加してもよい。
【0052】また、本発明のカラートナーを、上記懸濁
重合法以外の「重合過程を含む湿式法」を採用して得る
場合、油性相が帯電制御剤を溶解し得る有機溶剤を含
み、帯電制御剤の系中への添加が分散系の調製後、有機
溶剤の除去が完了する前に行われれば、公知の各湿式法
に従うものとする。なお、帯電制御剤がモノマーに溶解
し得るとき、上記の懸濁重合法を採用する場合における
帯電制御剤がモノマーに溶解し得るときに準じる。
【0053】以上のような製造方法によって製造され得
る本発明のカラートナーは体積平均粒径10μm以下、
好ましくは4〜9μmに制御されていることが望まし
い。
【0054】また、本発明のカラートナーには、流動
性、帯電性、耐熱性等の向上の観点から、微粒子によっ
て表面処理することが好ましい。微粒子の材料として
は、従来から電子写真の分野でトナーに外添される公知
の微粒子材料が使用可能であり、例えば、金属酸化物、
金属間化合物、樹脂が挙げられる。具体例として、金属
酸化物としては、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミ
ナ、ジルコニア等が挙げられる。金属間化合物として
は、例えば、チタン酸ストロンチウム、炭化ケイ素、窒
化ケイ素等が挙げられる。樹脂としては、例えば、高分
子フッ化物、シリコーン化合物、アクリル系樹脂等が挙
げられる。
【0055】本発明のトナーは、キャリアと共に使用す
る二成分現像用トナーとしても、キャリアを使用しない
一成分現像用トナーとしても使用することができる。
【0056】本発明のカラートナーとともに使用するキ
ャリアとしては、公知のキャリアを使用することがで
き、例えば、鉄粉、フェライト等の磁性粒子よりなるキ
ャリア、磁性粒子表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコー
ト型キャリア、あるいは結着樹脂中に磁性体微粉末を分
散してなる分散型キャリア等いずれも使用可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
【0057】
【実施例】(実施例1)ポリエステル樹脂(NE−38
2;花王社製)100gをトルエン/メチルエチルケト
ン(8/2)の混合溶媒360gに溶解後、得られた樹
脂溶液をフタロシアニン顔料5gとともに2リットルの
ポリビンに入れウルトラターラックス(IKA社製)で
30分混合、分散させ、均一混合油性相を得た。次に、
ポリアクリル酸ナトリウム3.5wt%水溶液1000
g中にアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナト
リウム10gを添加しこれを水性相とし、油性相中に混
合し、T.Kオートホモミクサー(特殊機化工業社製)
の回転数を3500rpmに設定し10分間攪拌を行い
乳化させた。直ちにこの乳化液中に帯電制御剤としてL
R147(日本カーリット社製)10gを投入し、更に
1分攪拌した。その後、水を適宜加えながら50℃〜5
5℃の恒温槽中スリーワンモーターで20時間攪拌しト
ルエン/メチルエチルケトンを除去し、冷却後、ろ過/
水洗を数回繰り返し行った。洗浄後のトナーケーキをス
テンレスバットに移し替え、恒温乾燥機にて35℃、4
8時間、乾燥行い、ボールミルを用いて解砕し、90μ
mのメッシュでフルイにかけ、平均径7.2μmのトナ
ー粒子を得た。電子顕微鏡観察(15万倍)の結果、ト
ナー粒子表面に析出した帯電制御剤粒子の平均粒径は約
0.05μmであった。この粒子が帯電制御剤であるこ
とはX線マイクロアナライザでこの帯電制御剤に含まれ
る金属を検出することで確認した。帯電制御剤のトルエ
ン/メチルエチルケトン(8/2)(100g、25
℃)に対する溶解量は約10gであった。
【0058】(実施例2)実施例1と同様にして、水性
相を油性相中に混合し、乳化させた。次いで、乳化液
を、水を適宜加えながら50℃〜55℃の恒温槽中スリ
ーワンモーターで10時間攪拌した後、この乳化液に帯
電制御剤としてLR147(日本カーリット社製)10
gを投入し、更に水を適宜加えながら10時間攪拌して
トルエン/メチルエチルケトンを除去した。その後、実
施例1と同様にして、冷却、水洗、乾燥および解砕を行
い、平均径が7.5μmのトナー粒子を得た。実施例1
と同様にしてトナー粒子表面の電子顕微鏡観察および分
析を行ったところ、トナー表面に析出した帯電制御剤粒
子の平均粒径は約0.07μmであった。
【0059】(実施例3)T.Kオートホモミクサーの
回転数を4500rpmにしたこと、帯電制御剤として
LR147 10gの代わりに含金属錯塩E84(オリ
エント化学社製)20gを用いたこと、およびトルエン
/メチルエチルケトン混合溶媒の代わりにトルエン溶媒
を用いたこと以外、実施例1と同様にして、平均粒径
5.4μmのトナー粒子を得た。実施例1と同様にして
トナー粒子表面の電子顕微鏡観察および分析を行ったと
ころ、トナー表面に析出した帯電制御剤粒子の平均粒径
は約0.08μmであった。帯電制御剤のトルエン(1
00g、25℃)に対する溶解量は約35gであった。
【0060】(比較例1)実施例1において、乳化させ
た後、帯電制御剤を投入せずにトルエン/メチルエチル
ケトン混合溶媒を脱溶し、ろ過/水洗まで行った。実施
例1で用いた帯電制御剤LR147 10gを分散した
水/メタノール(9/1)混合溶媒1000g中に水洗
後のトナーケーキ50gを添加し、T.Kオートホモミ
クサーの回転数7000rpmで5分間攪拌しトナー表
面に帯電制御剤の表面改質を行った。この後、ろ過、乾
燥、解砕を行い平均粒径7.8μmのトナー粒子を得
た。実施例1と同様にしてトナー粒子表面の電子顕微鏡
観察および分析を行ったところ、トナー表面に析出した
帯電制御剤粒子の平均粒径は約0.20μmであった。
【0061】(比較例2)実施例3において、乳化させ
た後、帯電制御剤を投入せずにトルエン溶媒を脱溶し、
ろ過/水洗まで行った。実施例3で用いた帯電制御剤E
84 20gを分散した水/イソプロピルアルコール
(9/1)混合溶媒1000g中に水洗後のトナーケー
キ50gを添加し、T.Kオートホモミクサーの回転数
7000rpmで5分間攪拌しトナー表面に帯電制御剤
の表面改質を行った。この後、ろ過、乾燥、解砕を行
い、平均粒径5.7μmのトナー粒子を得た。実施例1
と同様にしてトナー粒子表面の電子顕微鏡観察および分
析を行ったところ、トナー表面に析出した帯電制御剤粒
子の平均粒径は約0.55μmであった。
【0062】(比較例3)トルエン/メチルエチルケト
ン混合溶媒の代わりにトルエン溶媒を用いたこと以外、
実施例1と同様にして、平均粒径7.5μmのトナー粒
子を得た。実施例1と同様にしてトナー粒子表面の電子
顕微鏡観察および分析を行ったところ、トナー表面に析
出した帯電制御剤粒子の平均粒径は約1.5μmであっ
た。帯電制御剤のトルエン(100g、25℃)に対す
る溶解量は約1.5gであった。
【0063】以上の実施例および比較例で得られたトナ
ー粒子100重量部にシリカ微粒子(R972;日本ア
エロジル社製)1.2重量部を添加し、ヘンシェルミキ
サ(三井金属鉱山社製)で30m/sの速度で3分間混
合して、トナーの表面処理を行った。このトナーと下記
のキャリアをトナー混合比6wt%で混合して2成分非
磁性現像剤とし、実機耐久テスト初期及び複写1万枚で
の、帯電量および画質を評価した。用いた実機はフルカ
ラー用電子写真式複写機CF900(ミノルタ社製)で
あった。
【0064】帯電量測定 図1の電界分離方式の帯電量測定装置で、上記現像剤2
gをスリーブ2上にまぶし、−2kvをバイアス電源4
でスリーブ2に印加し、スリーブ2を1000rpm、
1分間回転し円筒電極1にトナー7を分離した。分離さ
れたトナー重量(g)およびトナー分離時に測定用コン
デンサ5に流れ込んだ電荷量(μc)より、帯電量(μ
c/g)を計算した。
【0065】画質評価 画像濃度、粒状性、地肌カブリの推移を評価した。 (画像濃度)CF900による最大濃度のベタ複写画像
における任意の10点の濃度をマクベス濃度計(マクベ
ス社製)により測定し、これらの平均値xを求めて以下
に従って評価した。 ○:1.0<x<1.3 △:0.8<x≦1.0または1.3≦x<1.5 ×:x≦0.8または1.5≦x
【0066】(粒状性)CF900による複写画像を目
視により観察し、以下のランク付けに従って評価した。
なお、粒状性とは特に低濃度のベタ画像均一性(キメの
良悪)をいう。 ○:原稿と遜色なく良好; △:原稿に比べ若干劣るが実用上問題なし; ×:原稿に比べかなり劣り、実用上使用不可。
【0067】(地肌カブリ)CF900による複写画像
を目視により観察し、以下のランク付けに従って評価し
た。なお、地肌カブリとは複写用紙上、本来の画像部以
外に、低帯電・逆帯電のトナーが現像、転写されて発生
するトナーによる汚れをいう。 ○:用紙そのものの色と差がなく良好; △:カブリがあるものの実用上問題なし; ×:カブリがかなり発生し、実用上使用不可。
【0068】評価結果を以下に示す。
【表1】
【0069】キャリア ポリエステル樹脂(バイロン200;東洋紡社製)をト
ルエン、イソプロパノールの混合溶媒に溶解し、平均径
40μmの焼成フェライト粉(F300;パウダーテッ
ク社製)にスピラコータ(岡田精工社製)で塗布、乾燥
した。オーブン中140℃、2時間焼成後、解砕、フル
イを行い、平均径42μmのポリエステル樹脂コートの
フェライトキャリアを調製した。
【0070】
【発明の効果】本発明により、トナーの帯電立ち上がり
性および帯電安定性が向上し、画像濃度の低下、キメの
悪化およびカブリの発生を長期にわたって防止できると
いう優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 帯電量の測定に用いた帯電量測定装置の概略
構成図を示す。
【符号の説明】
1:円筒電極、2:導電性スリーブ、3:磁性ロール、
4:バイアス電源、5:測定用コンデンサ、6:現像
剤、7:分離トナー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 裕樹 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 町田 純二 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 AA21 AB03 AB06 AB10 CA08 DA01 EA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂および着色剤を含む
    トナー粒子表面に帯電制御剤が平均粒径0.15μm以
    下で存在していることを特徴とする電子写真用カラート
    ナー。
  2. 【請求項2】 結着樹脂がポリエステル樹脂であること
    を特徴とする請求項1に記載の電子写真用カラートナ
    ー。
  3. 【請求項3】 少なくとも結着樹脂および着色剤を、帯
    電制御剤を溶解し得る有機溶剤に溶解・分散してなる油
    性相からなる液状粒子を水性相中に形成した後、液状粒
    子から有機溶剤を除去することを含む電子写真用カラー
    トナーの製造方法であって、帯電制御剤を、油性相から
    なる液状粒子を水性相中に形成した後、有機溶剤の除去
    が完了する前に、分散系に添加することを特徴とする電
    子写真用カラートナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂がポリエステル樹脂であること
    を特徴とする請求項3に記載の電子写真用カラートナー
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも結着樹脂を形成し得るモノマ
    ーおよび着色剤を、帯電制御剤を溶解し得る有機溶剤に
    溶解・分散してなる油性相からなる液状粒子を水性相中
    に形成した後、モノマーを重合させ、液状粒子から有機
    溶剤を除去することを含む電子写真用カラートナーの製
    造方法であって、帯電制御剤を、油性相からなる液状粒
    子を水性相中に形成した後、有機溶剤の除去が完了する
    前に、分散系に添加することを特徴とする電子写真用カ
    ラートナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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