JP2001081310A - 安定化ポリウレタン組成物 - Google Patents

安定化ポリウレタン組成物

Info

Publication number
JP2001081310A
JP2001081310A JP26239799A JP26239799A JP2001081310A JP 2001081310 A JP2001081310 A JP 2001081310A JP 26239799 A JP26239799 A JP 26239799A JP 26239799 A JP26239799 A JP 26239799A JP 2001081310 A JP2001081310 A JP 2001081310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piperidyl
pentamethyl
polyurethane composition
group
triazine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26239799A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Miyazawa
文雄 宮澤
Junichi Onogawa
潤一 小野川
Takashi Suzuki
隆史 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Spinning Co Ltd
Original Assignee
Fuji Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Spinning Co Ltd filed Critical Fuji Spinning Co Ltd
Priority to JP26239799A priority Critical patent/JP2001081310A/ja
Publication of JP2001081310A publication Critical patent/JP2001081310A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐光性、耐NOx性に優れた安定性を有する
ポリウレタン組成物。 【解決手段】 ポリマージオール、有機ジイソシアネー
ト、イソシアネート基と反応しうる活性水素基を2個以
上有する鎖伸長剤、イソシアネート基と反応しうる活性
水素基を1個有する末端停止剤を反応してなるポリウレ
タン組成物に、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5トリアジン−
2,4−ジイル基を有する分子量1200以上の光安定
剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、金属酸化物の
紫外線遮蔽剤をポリウレタン組成物の全固形分に対して
それぞれ0.3〜5.0重量%含有せしめる。光安定剤
は、ポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,
4−ジイル)[(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ]]
などを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光性、耐NOx
性に優れた安定性を有するポリウレタン組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリマージオール、有機ジイソシ
アネート、イソシアネート基と反応しうる活性水素基を
2個以上有する鎖伸長剤、イソシアネート基と反応しう
る活性水素基を1個有する末端停止剤を反応してなるポ
リウレタン組成物は、弾性特性、耐摩耗特性、接着特
性、加工特性等に優れるため、フォーム、エラストマ
ー、接着剤、塗料、合成皮革、弾性繊維等の広範囲の用
途に利用されている。中でも4,4'−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等の芳香族系有機ジイソシアネート
を用いたポリウレタン組成物は力学的特性に優れている
ことから、最も一般的に利用されている。しかし、芳香
族系有機ジイソシアネートを用いたポリウレタン組成物
は、自然光、人工光、酸化窒素ガス、燃焼ガスの暴露に
より黄色く変色したり、基本糸物性の強伸度等が劣化し
てしまうという欠点がある。また、鎖伸長剤にエチレン
ジアミン等のジアミン類を用いたポリウレタン組成物
は、主鎖に尿素結合が導入されることから優れた弾性特
性を有するが、前記した芳香族系有機ジイソシアネート
を用いたポリウレタン組成物と同様の欠点がある。
【0003】この問題を解決する方法としては、ヒンダ
ードアミン系の光安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、サリチル酸系の紫外線吸収剤、金属酸化
物等の紫外線遮蔽剤、ヒンダードフェノール系の一次酸
化防止剤、リン系の二次酸化防止剤等の添加剤をポリウ
レタン組成物に添加することが知られている。例えば、
特開昭63−199261号公報には、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合により紫外線
などによる樹脂の劣化または黄変をしにくくしたポリア
ミノ酸ウレタン樹脂組成物が開示され、特開平2−22
360号公報には、特定構造のフェノール系化合物と、
ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系の
紫外線吸収剤、特定構造のセミカルバジド系化合物の配
合により耐光性、耐NOx性、耐塩素性、耐熱性に優れ
た安定化したポリウレタンが開示されている。
【0004】しかし、いずれの方法においても、自然
光、人工光、酸化窒素ガス、燃焼ガスの暴露に対する抵
抗力には偏りがあり、いずれかの暴露に対しては優れた
耐性を有するものの、これら全てに十分な効果をもたら
す技術は得られていない。
【0005】また、ウレタン樹脂に添加して有効な耐光
性、耐NOx性を発現させる添加剤の提案も多くなされ
ており、例えば、特開平2−14227号公報には、2
−ヒドロキシ3,5−ジ置換−フェニル−ベンゾトリア
ゾールの紫外線安定剤が、特開平10−46135号公
報には、平均粒径0.1μm以下の燐酸チタンからなる
紫外線遮蔽剤が、特開平2−199189号公報には、
ネオジムの有機酸塩あるいは錯塩を有効成分とする酸化
防止剤が、特開平4−126764号公報には、N,N
−ジアルキルセミカルバジド末端基を有する分子量1,
000〜5,000の光安定剤がそれぞれ開示されてい
る。しかし、これらの添加剤は、紫外線吸収効果、紫外
線遮蔽効果、酸化防止効果等の個々の効果を向上させる
もので、総合的に優れたポリウレタン組成物を得ること
はできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自然光、人
工光、酸化窒素ガス、燃焼ガスのいずれに対しても優れ
た耐性を有し、耐光性、耐NOx性に優れた安定性を有
するポリウレタン組成物を提供することを目的とする。
更に詳しくは、本発明は、特定構造の光安定剤を使用す
ると共に他の添加剤を併用することによって、該光安定
剤とその他の添加剤との相乗的効果を引き出し、優れた
安定性を有するポリウレタン組成物を得ることを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、ポリウレタン組成物
に、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)イミノ基と1,3,5トリアジン−2,4−ジイ
ル基を有する分子量1200以上の光安定剤、ベンゾト
リアゾ−ル系紫外線吸収剤、金属酸化物の紫外線遮蔽剤
をそれぞれ0.3〜5.0重量%含有せしめると、単純
に各成分の組み合わせによる相加効果に留まらず、相乗
的に耐光性、耐NOx性が改善されることを見出し本発
明に至った。即ち本発明は、ポリマージオール、有機ジ
イソシアネート、イソシアネート基と反応しうる活性水
素基を2個以上有する鎖伸長剤、イソシアネート基と反
応しうる活性水素基を1個有する末端停止剤を反応して
なるポリウレタン組成物に、(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5ト
リアジン−2,4−ジイル基を有する分子量1200以
上の光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、金
属酸化物の紫外線遮蔽剤をポリウレタン組成物の全固形
分に対してそれぞれ0.3〜5.0重量%含有せしめた
安定化ポリウレタン組成物であり、また、(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ基
と1,3,5トリアジン−2,4−ジイル基を有する分
子量1200以上の光安定剤がポリ[(6−モルフォリ
ノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ]
−ヘキサメチレン[(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ]]、またはN,N’−ビス
(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビ
ス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,
3,5−トリアジン縮合物である安定化ポリウレタン組
成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリウレタン組成物は、
ポリマージオール、有機ジイソシアネート、イソシアネ
ート基と反応しうる活性水素基を2個以上有する鎖伸長
剤、イソシアネート基と反応しうる活性水素基を1個有
する末端停止剤を反応してなるものであれば、特に限定
されるものではなく、該組成物を用いてフィルム状、繊
維状等の成形体を得ることが出来る。
【0009】本発明で用いるポリマージオール成分とし
ては、例えばポリエーテルジオール、ポリエステルジオ
ール、ポリエーテルポリエステルジオール、ポリラクト
ンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステル
ポリカーボネートジオール等の1種または2種以上から
なる数平均分子量500〜20,000のポリマージオ
ールが挙げられる。有機ジイソシアネートとしては、例
えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3’−ジクロロー4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の1
種または2種以上の組み合わせが挙げられる。鎖伸長剤
としては、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジア
ミン、1,3−プロピレンジアミン、m−キシリレンジ
アミン、p−キシリレンジアミン、4,4’−ジフェニ
ルメタンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、2,4
−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ヒドラジン、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール等の1種または2種以上の
組み合わせが挙げられる。末端停止剤としては、ジメチ
ルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチ
ル−n−プロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n
−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等が挙げら
れる。これらの成分を反応させる方法については特に限
定されないが、例えば、プレポリマ−法、ワンショット
法等が採用でき、通常用いられる条件にて実質的に上記
物質および反応生成物に対して不活性な極性溶媒、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド等の中で反応させ
ればよい。
【0010】本発明で用いる(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5−
トリアジン−2,4−ジイル基を有する分子量1200
以上の光安定剤としては、ポリ[(6−モルフォリノ−
s−トリアジン−2,4−ジイル)[(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘ
キサメチレン[(1,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)イミノ]]や、N,N’−ビス(3−アミ
ノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブ
チル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリ
アジン縮合物等が挙げられる。光安定剤の分子量が12
00に満たないと、得られたポリウレタン成形物を成形
もしくは加工するときの高温処理における耐揮散性や、
溶液処理における耐溶出性に劣るため好ましくない。ま
た、本発明で用いる光安定剤はピペリジル基のN位にメ
チル基が結合した(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)イミノ構造を有するものであり、ピ
ペリジル基のN位に水素が結合した(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ構造を有するも
のは、耐NOx性において相乗的な効果が得られないた
め好ましくない。
【0011】本発明のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、2
−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,
α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール等の1種または2種以上を用いればよい。
【0012】本発明の金属酸化物の紫外線遮蔽剤として
は、特に限定されるものではなく、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等が通常用い
られるが、耐NOx性の点から酸化亜鉛を用いることが
好ましい。
【0013】本発明の安定化ポリウレタン組成物は、
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ基と1,3,5トリアジン−2,4−ジイル
基を有する分子量1200以上の光安定剤、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤、金属酸化物の紫外線遮蔽剤を
ポリウレタン組成物の全固形分に対してそれぞれ0.3
〜5.0重量%含有せしめて得る。各成分の含有量は、
ポリウレタン組成物の組成にあわせて適宜選定すればよ
いが、含有せしめる各成分の割合が0.3重量%に満た
ないと十分な効果が得られず、逆に5.0重量%を超え
ると得られるポリウレタン成形物の基本物性が低下する
ので好ましくない。含有せしめる方法は特に限定され
ず、これらの添加剤は同時に添加しても良く、また別々
に添加しても良い。また、添加するタイミングは、ポリ
ウレタンの製造及び成形の如何なるタイミングであって
も良いが、ポリウレタンの製造後、成形前が好ましく、
例えば、ポリウレタン組成物の溶液に、これと同じ溶媒
に本発明で用いる光安定剤、紫外線吸収剤、金属酸化物
の紫外線遮蔽剤を添加し、予め高速攪拌して分散或は溶
解させた溶液を所定量加え、攪拌することにより本発明
のポリウレタン組成物を得、その後にフィルム状、繊維
状等の成形体を得ることができる。
【0014】本発明による安定化ポリウレタン組成物
は、その中に一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、染料、
顔料、活性剤、艶消剤、油剤等を適宜含有していてもよ
い。
【0015】以上の如く本発明は、ポリウレタン組成物
に特定構造の光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤、金属酸化物の紫外線遮蔽剤をポリウレタン組成物
の全固形分に対してそれぞれ0.3〜5.0重量%含有
せしめることにより、単純に各成分の組み合わせによる
相加効果以上に、相乗的に耐光性および耐NOx性を向
上させることができ、自然光、人工光、酸化窒素ガス、
燃焼ガス等の暴露のいずれに対ししても黄変することな
く、基本糸物性の劣化を起こしにくくすることが出来
る。また、エラストマーやフォーム、合皮製造時の成形
性や弾性繊維の紡糸時における紡調を阻害することがな
く、優れた安定性を有する安定化ポリウレタン組成物で
ある。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこの範囲に限定されるものではない。なお、部は
すべて重量部を示す。強度及び伸度は、ポリウレタン組
成物をフィルム、繊維に成形した際の破断時の強度を示
し、フィルムの場合は単位[kg/cm2]、繊維の場
合は単位[g/De]で記載し、伸度は単位[%]で記
載した。モジュラスは300%伸長時におけるフィル
ム、繊維の抗張力を示し、フィルムの場合は単位[kg
/cm2]、繊維の場合は単位[g/De]で記載し
た。また、耐NOx性、耐光性は以下の方法により評価
した。
【0017】〈耐NOx性〉試料をJIS L 085
5「酸化窒素ガスに対する染色堅ろう度試験方法」の方
法にて酸化窒素ガスに一定時間暴露させた後、黄変の度
合を次の5段階で目視にて評価し、また、酸化窒素ガス
に暴露する前後のモジュラスを測定し、暴露前の測定値
に対する暴露後の測定値の割合を計算して強力保持率
(%)とした。 1:褐変した 2:黄変した 3:やや黄変した 4:ほとんど変化しなかった 5:全く変化なかった
【0018】〈耐光性〉試料を太陽光が直接当たる場所
に東向きに平面から45°の角度で固定し、塩化ビニル
製フィルムで外気を遮断して、2ヶ月間放置して太陽光
に暴露させた後、黄変の度合を次の5段階で目視にて評
価し、また、太陽光に暴露する前後のモジュラスを測定
し、暴露前の測定値に対する暴露後の測定値の割合を計
算して強力保持率(%)とした。 1:褐変した 2:黄変した 3:やや黄変した 4:ほとんど変化しなかった 5:全く変化なかった
【0019】〔実施例1〕数平均分子量1935のポリ
オキシテトラメチレングリコール431.6部、1,4
−ブタンジオール55.4部、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート213.0部をN,N−ジメチル
ホルムアミド1300.0部に加え、90℃にて360
分間反応させて、固形分35.0%のポリウレタン組成
物3500部を得た。ここで得たポリウレタン組成物を
12等分し、光安定剤の分子量1500±10%のポリ
[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイ
ル)[(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ]](サイテ
ック社製、商品名:CEC−UV3529)、紫外線吸
収剤の2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール(チバ・ガイギー社製、
商品名:TINUVIN327)、金属酸化物の粒子径
0.01〜0.03μmの酸化亜鉛(住友大阪セメント
(株)製、商品名:ZnO−305)をポリウレタン組
成物の全固形分に対して表1に示した含有率となるよう
に夫々添加し、均一に混合して添加剤を含有したポリウ
レタン組成物を12種類製造した。それぞれの添加剤を
含有したポリウレタン組成物を、ポリエチレンテレフタ
レートシート上に厚さが0.5mmになるように流延
し、20℃の温湯浴に60分間浸漬した後、80℃にて
60分間乾燥して12種類のポリウレタンフィルムを成
形し、それぞれを試料No.1〜No.12とした。得
られた各試料の強度、伸度、モジュラスを測定し、耐N
Ox性、耐光性を評価し、結果を表1にあわせて示し
た。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかな如く、試料No.1は、
光安定剤、紫外線吸収剤、金属酸化物をいずれも含まな
いため耐NOx性、耐光性に劣っている。また、試料N
o.2〜No.4は、光安定剤、紫外線吸収剤、金属酸
化物のうちいずれか1種の添加剤しか含有していないた
め耐NOx性、耐光性の向上はほとんど認められず、試
料No.5〜No.7は、光安定剤、紫外線吸収剤、金
属酸化物から選ばれる2種類の添加剤を組み合わせて含
有しているが、耐NOx性、耐光性の向上は僅かであ
り、いずれも十分な効果が得られない。また、試料N
o.12は本発明で用いる3種類の添加剤を含有してい
るので耐NOx性、耐光性は優れているが、添加剤の含
有率が多すぎるため基本物性の強度、伸度、モジュラス
が低下するため好ましくない。これに対して、本発明の
試料No.8〜No.11は、(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5
トリアジン−2,4−ジイル基を有する光安定剤、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、金属酸化物の3種類の
添加剤をそれぞれ0.3〜5.0重量%含有しており、
耐NOx性、耐光性が顕著に向上し、3種類の薬剤の相
加効果ではなく相乗効果であることが明らかである。
【0022】〔実施例2〕数平均分子量1512のポリ
オキシテトラメチレングリコール2673部、1,4−
ブタンジオール22部、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート805部を45℃にて混合した後、85
℃にて60分間反応させて、ウレタンプレポリマー35
00部を得た。これとは別に鎖伸長剤のエチレンジアミ
ン46.4部、1,2−プロピレンジアミン28.6部
と末端停止剤のジエチルアミン2.5部を0℃に冷やし
たN,N−ジメチルアセトアミド180.8部に加えて
良く攪拌し、鎖伸長剤と末端停止剤の混合溶液を得た。
次に、先に得たウレタンプレポリマー3400部を0℃
に冷やしたN,N−ジメチルアセトアミド7930部に
加え、良く攪拌した後、ウレタンプレポリマーのイソシ
アネート基に対して、鎖伸長剤と末端停止剤の活性水素
基の合計が等モルとなるように鎖伸長剤と末端停止剤の
混合溶液を添加混合して反応させてポリウレタン組成物
を製造した。
【0023】このポリウレタン組成物を9等分し、光安
定剤の分子量1500±10%のポリ[(6−モルフォ
リノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ]
−ヘキサメチレン[(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ]](サイテック社製、商品
名:CEC−UV3529)、紫外線吸収剤の2−[2
−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(チバ・ガ
イギー社製、商品名:TINUVIN234)、金属酸
化物の平均粒子径0.2μmの酸化亜鉛(三池精錬
(株)製、商品名:Z−NOUVE)をポリウレタン組
成物の全固形分に対して表2に示した含有率となるよう
にそれぞれ添加し、均一に混合して添加剤を添加したポ
リウレタン組成物を9種類製造した。得られたそれぞれ
のポリウレタン組成物を、直径0.2mmのオリフィス
を3個有する紡糸ノズルを用いて乾式紡糸し、600m
/分の速度で120%伸長して捲取り、40デニールの
ポリウレタン弾性糸を成形し、それぞれを試料No.1
3〜No.21とした。各ポリウレタン弾性糸試料の強
度、伸度、モジュラスを測定し、耐NOx性、耐光性を
評価し、結果を表2にあわせて示した。
【0024】
【表2】
【0025】表2から明らかな如く、光安定剤、紫外線
吸収剤、金属酸化物をいずれも含有していない試料N
o.13、及び、光安定剤、紫外線吸収剤、金属酸化物
のうち、いずれか1種または2種しか含有していない試
料No.14〜No.19は、耐NOx性、耐光性のい
ずれについても十分な効果が得られていない。また、試
料No.21は、本発明の3種類の添加剤を含有してい
るが、それぞれの添加量が少なすぎるため耐NOx性及
び耐光性について十分な効果が得られていない。これに
対して本発明の試料No.20は、(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ基と1,
3,5トリアジン−2,4−ジイル基を有する光安定
剤、ベンソトリアゾール系紫外線吸収剤、金属酸化物の
3種類の添加剤をそれぞれ0.3重量%含有しており、
耐NOx性、耐光性が顕著に向上し、3種類の薬剤の相
加効果ではなく相乗効果であることが明らかである。
【0026】〔実施例3〕実施例1と同様にして得たポ
リウレタン組成物に、光安定剤の分子量2000以上の
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミ
ン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物(チバ・ガイ
ギー社製、商品名:CHIMASSORB119F
L)、紫外線吸収剤の2−(3,5−ジ−t−アミル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(チバ・
ガイギー社製、商品名:TINUVIN327)、金属
酸化物の粒子径0.01〜0.03μmの酸化亜鉛(住
友大坂セメント(株)製、商品名:ZnO−305)を
ポリウレタン組成物の全固形分に対してそれぞれが0.
5重量%の含有率となるように添加し、均一に混合し
て、添加剤を含有したポリウレタン組成物を製造した。
続いて実施例1と同様の方法でポリウレタンフィルムを
成形し、試料No.22とした。試料No.22のポリ
ウレタンフィルムの強度、伸度、モジュラスを測定し、
耐NOx性、耐光性を評価し、結果を表3に示した。
【0027】
【表3】
【0028】表3より、(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5トリア
ジン−2,4−ジイル基を有する光安定剤が実施例1と
は異なる化合物を用いても、本発明の試料No.22
は、耐光性、耐NOx性のいずれについても十分に優れ
ていることが明らかである。
【0029】〔比較例〕光安定剤として分子量1500
±10%のポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン
−2,4−ジイル)[(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]
(サイテック社製、商品名:UV3346)を用いた以
外は実施例1の試料9と同様の方法でポリウレタン組成
物を製造してポリウレタンフィルムを成形し、試料N
o.23とした。また、光安定剤として分子量508.
8のビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジニル)セバケート(チバ・ガイギー社製、商品
名:TINUVIN765)を用いた以外は実施例1の
試料9と同様の方法でポリウレタン組成物を製造してポ
リウレタンフィルムを成形し、試料No.24とした。
更に、光安定剤として分子量685.1の2−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n
−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)(チバ・ガイギー社製、商品
名:TINUVIN144)を用いた以外は実施例1の
試料9と同様の方法でポリウレタン組成物を製造してポ
リウレタンフィルムを成形し、試料No.25とした。
得られた各ポリウレタンフィルム試料の強度、伸度、モ
ジュラスを測定し、耐NOx性、耐光性を評価し、結果
を表4に示した。
【0030】
【表4】
【0031】表4より明らかな如く、比較例の試料N
o.23は、本発明の実施例1の試料No.9と比べ、
ピペリジル基のN−メチル基が水素に置換されているた
め、耐光性は優れるものの、耐NOx性が劣る結果とな
っており、比較例の試料No.24、試料No.25は
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル
基を有するものの分子量が低く、また、1,3,5トリ
アジン−2,4−ジイル基を有さないため、耐光性、耐
NOx性が十分でなく、好ましくない。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、ポリウレタ
ン組成物に特定構造の光安定剤、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、金属酸化物の紫外線遮蔽剤をポリウレタ
ン組成物の全固形分に対してそれぞれ0.3〜5.0重
量%含有せしめることにより、単純に各成分の組み合わ
せによる相加効果以上に、相乗的に耐光性および耐NO
x性を向上させることができる。本発明で得られるポリ
ウレタン組成物は、基本糸物性の劣化を引き起こすこと
なく、自然光、人工光、酸化窒素ガス、燃焼ガス等の暴
露のいずれに対しても黄変することがない優れた安定性
を有している。また、エラストマーやフォーム、合皮製
造時の成形性や弾性繊維の紡糸時における紡調を阻害す
ることがなく、優れた安定性を有する安定化ポリウレタ
ン組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CK031 CK041 EU177 EU186 FD046 FD057 GH01 GJ01 GK00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマージオール、有機ジイソシアネー
    ト、イソシアネート基と反応しうる活性水素基を2個以
    上有する鎖伸長剤、イソシアネート基と反応しうる活性
    水素基を1個有する末端停止剤を反応してなるポリウレ
    タン組成物に、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
    4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5トリアジン−
    2,4−ジイル基を有する分子量1200以上の光安定
    剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、金属酸化物の
    紫外線遮蔽剤をポリウレタン組成物の全固形分に対して
    それぞれ0.3〜5.0重量%含有せしめた安定化ポリ
    ウレタン組成物。
  2. 【請求項2】 (1,2,2,6,6−ペンタメチル−
    4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5トリアジン−
    2,4−ジイル基を有する分子量1200以上の光安定
    剤がポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,
    4−ジイル)[(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
    4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(1,2,
    2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミノ]]
    である請求項1記載の安定化ポリウレタン組成物。
  3. 【請求項3】 (1,2,2,6,6−ペンタメチル−
    4−ピペリジル)イミノ基と1,3,5トリアジン−
    2,4−ジイル基を有する分子量1200以上の光安定
    剤がN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
    アミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,
    2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]
    −6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物である請
    求項1記載の安定化ポリウレタン組成物。
JP26239799A 1999-09-16 1999-09-16 安定化ポリウレタン組成物 Pending JP2001081310A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26239799A JP2001081310A (ja) 1999-09-16 1999-09-16 安定化ポリウレタン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26239799A JP2001081310A (ja) 1999-09-16 1999-09-16 安定化ポリウレタン組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001081310A true JP2001081310A (ja) 2001-03-27

Family

ID=17375212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26239799A Pending JP2001081310A (ja) 1999-09-16 1999-09-16 安定化ポリウレタン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001081310A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011074622A1 (ja) 2009-12-16 2011-06-23 東レ・オペロンテックス株式会社 ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP2016211138A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 グン リ,サン 複数の独立したガスセルが形成されたガスシートを備える生地
CN109415869A (zh) * 2016-06-29 2019-03-01 东丽株式会社 汽车仪表板表皮材料及其制造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011074622A1 (ja) 2009-12-16 2011-06-23 東レ・オペロンテックス株式会社 ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
US9404199B2 (en) 2009-12-16 2016-08-02 Invista North America S.A.R.L. Polyurethane elastic yarn and method for producing same
JP2016211138A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 グン リ,サン 複数の独立したガスセルが形成されたガスシートを備える生地
CN109415869A (zh) * 2016-06-29 2019-03-01 东丽株式会社 汽车仪表板表皮材料及其制造方法
KR20190022618A (ko) * 2016-06-29 2019-03-06 도레이 카부시키가이샤 자동차 인스트루먼트 패널 표피재 및 그의 제조 방법
US20190323170A1 (en) * 2016-06-29 2019-10-24 Toray Industries, Inc. Automobile instrument panel surface material and method of manufacturing same
KR102376303B1 (ko) 2016-06-29 2022-03-18 도레이 카부시키가이샤 자동차 인스트루먼트 패널 표피재 및 그의 제조 방법
US11629457B2 (en) * 2016-06-29 2023-04-18 Toray Industries, Inc. Automobile instrument panel surface material and method of manufacturing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE112009000463B9 (de) Wässrige Polyurethanharz-Zusammensetzung und durch Beschichtetwerden mit derselben aufgebaute beschichtete Gegenstände
KR20060122907A (ko) 수분산형 폴리우레탄 조성물
DE102009027392A1 (de) Zusammensetzung auf der Basis von Diisocyanaten aus nachwachsenden Rohstoffen
CN109952333B (zh) 聚碳化二亚胺共聚物
US4297472A (en) Method of producing color stable thermoplastic polymethanes and products made thereby
ES2462547T3 (es) Agentes de recubrimiento
US3663506A (en) Stabilization of urethane polymers with substituted ureas
JP2001081310A (ja) 安定化ポリウレタン組成物
JP2625508B2 (ja) 安定化されたポリウレタン
JP2007106797A (ja) ラミネートフィルム用接着剤組成物
JP4665529B2 (ja) ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法
JP4344970B2 (ja) ポリウレタン組成物、ポリウレタン繊維、及びポリウレタン繊維の製造方法
EP1026206B1 (en) Polyurethane composition
JPS59221355A (ja) ポリウレタン組成物
US3379675A (en) Polyether urethane stabilized with a benzotriazole and a tris-phenol
JP2000169700A (ja) ポリウレタン組成物およびポリウレタン弾性糸
JP2835654B2 (ja) ポリウレタンエラストマー組成物
JP2005213710A (ja) ポリウレタン弾性繊維
JP2754217B2 (ja) 安定化されたポリウレタン組成物
JP2017048320A (ja) 耐紫外線吸収剤性ポリウレタン組成物、該組成物を用いたコーティング材
JPS6021187B2 (ja) 安定化されたポリウレタン組成物
JPS59223751A (ja) ポリウレタン組成物
JPS5915446A (ja) ポリウレタン組成物
JP3316247B2 (ja) ポリウレタン組成物
JP2004190198A (ja) ポリウレタン弾性繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061107