JP2001080488A - 車輌の制動力制御装置 - Google Patents

車輌の制動力制御装置

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JP2001080488A
JP2001080488A JP26025599A JP26025599A JP2001080488A JP 2001080488 A JP2001080488 A JP 2001080488A JP 26025599 A JP26025599 A JP 26025599A JP 26025599 A JP26025599 A JP 26025599A JP 2001080488 A JP2001080488 A JP 2001080488A
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pressure
wheel
control valve
vehicle
wheels
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Hiroyuki Kato
博之 加藤
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い制動圧が要求される車輪のホイールシリ
ンダ内圧力を容易に且つ確実に一定に制御し得るように
する。 【解決手段】 挙動制御のための各車輪の目標制動力F
btiが演算され(S20、目標制動力Fbtiに基づき各車
輪の目標制動圧Pbtiが演算され(S50)、挙動制御
が必要であるときには(S80)、オイルポンプ42F
及び42Rが駆動されると共に、開閉弁52F、52R
及び開閉弁56F、56Rが開弁位置に切り換えられ又
は維持され(S80)、高圧側の制動圧がポンプより吐
出されたオイルの圧力をリニア制御弁22F、22Rに
よって調圧することにより目標制動圧に制御され、他の
車輪の制動圧は高圧側の目標制動圧を増減圧制御弁によ
って調圧することにより目標制動圧に制御される(S1
00)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
制動力制御装置に係り、更に詳細には車輌が所定の状態
にあるときには液圧源の圧力を利用して所定の車輪の制
動圧を制御する制動力制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】車輌が所定の状態にあるときには液圧源
の圧力を利用して所定の車輪の制動圧を制御する制動力
制御装置の一つとして、例えば特開平9−109861
号公報には、車輌が通常の状態にあるときにはマスタシ
リンダと少なくとも二つの車輪のホイールシリンダとを
連通接続すると共に車輌が所定の状態にあるときには液
圧源より少なくとも二つの車輪のホイールシリンダに対
し高圧の作動液を給排可能な切換え弁と、該切換え弁と
各ホイールシリンダとの間に設けられた増減圧制御弁と
を有する車輌の制動力制御装置が記載されている。
【0003】かかる制動力制御装置によれば、少なくと
も二つの車輪のうち高い制動圧が要求される車輪のホイ
ールシリンダ内圧力は液圧源の圧力を一つの切換え制御
弁によって調圧することにより制御可能であり、高い制
動圧が要求されない車輪のホイールシリンダ内圧力は切
換え制御弁によって調圧された圧力を増減圧制御弁によ
って調圧することにより制御可能であるので、全ての車
輪のホイールシリンダ内圧力が対応する増減圧制御弁に
より制御される構造の場合に比して、制御する弁の数を
低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
の制動力制御装置に於いては、切換え制御弁はオン−オ
フ式の弁であるので、例えば高い制動圧が要求される車
輪の目標制動圧が一定の状況に於いては、切換え制御弁
を連続的に繰り返し開閉制御しなければならず、高い制
動圧が要求される車輪のホイールシリンダ内圧力を一定
に制御することが困難である。
【0005】本発明は、車輌が通常の状態にあるときに
はマスタシリンダと少なくとも二つの車輪のホイールシ
リンダとを連通接続すると共に車輌が所定の状態にある
ときには液圧源より少なくとも二つの車輪のホイールシ
リンダに対し高圧の作動液を給排可能なオン−オフ式の
切換え弁と、該切換え弁と各ホイールシリンダとの間に
設けられた増減圧制御弁とを有する従来の制動力制御装
置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の主要な課題は、切換え制御弁を必要に応じ
て所望の開弁状態に制御し得るよう構成することによ
り、高い制動圧が要求される車輪のホイールシリンダ内
圧力を容易に且つ確実に一定に制御し得るようにするこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、車輌が通常の状態にあるときには
マスタシリンダと少なくとも二つの車輪のホイールシリ
ンダとを連通接続すると共に車輌が所定の状態にあると
きには液圧源より前記少なくとも二つの車輪のホイール
シリンダに対し高圧の作動液を給排可能な切換え制御弁
と、前記切換え制御弁と各ホイールシリンダとの間に設
けられた増減圧制御弁とを有する車輌の制動力制御装置
に於いて、前記切換え制御弁はリニア制御弁を含み、前
記少なくとも二つの車輪のうち高い制動圧が要求される
車輪のホイールシリンダ内圧力は前記液圧源の圧力を前
記リニア制御弁によって調圧することにより制御され、
高い制動圧が要求されない車輪のホイールシリンダ内圧
力は前記リニア制御弁によって調圧された圧力を前記増
減圧制御弁によって調圧することにより制御されること
を特徴とする車輌の制動力制御装置(請求項1の構
成)、又は車輌が通常の状態にあるときにはマスタシリ
ンダと少なくとも二つの車輪のホイールシリンダとを連
通接続すると共に車輌が所定の状態にあるときには液圧
源より前記少なくとも二つの車輪のホイールシリンダに
対し高圧の作動液を給排可能な切換え制御弁と、前記切
換え制御弁と各ホイールシリンダとの間に設けられた増
減圧制御弁とを有する車輌の制動力制御装置に於いて、
前記切換え制御弁はリニア制御弁を含み、前記少なくと
も二つの車輪のうち高い制動圧が要求される特定の車輪
のホイールシリンダ内圧力は車輌の運動状態に基づいて
演算される第一の目標制動圧と、前記特定の車輪の目標
車輪速度と実際の車輪速度との偏差に基づいて演算され
る第二の目標制動圧とに基づき、前記液圧源の圧力を前
記リニア制御弁によって調圧することにより制御される
ことを特徴とする車輌の制動力制御装置(請求項2の構
成)によって達成される。
【0007】上述の請求項1の構成によれば、切換え制
御弁はリニア制御弁を含み、少なくとも二つの車輪のう
ち高い制動圧が要求される車輪のホイールシリンダ内圧
力は液圧源の圧力をリニア制御弁によって調圧すること
により制御され、高い制動圧が要求されない車輪のホイ
ールシリンダ内圧力はリニア制御弁によって調圧された
圧力を増減圧制御弁によって調圧することにより制御さ
れるので、リニア制御弁の開弁量を一定に維持すること
により高い制動圧が要求される車輪のホイールシリンダ
内圧力が一定に制御される。
【0008】また上述の請求項2の構成によれば、切換
え制御弁はリニア制御弁を含み、少なくとも二つの車輪
のうち高い制動圧が要求される特定の車輪のホイールシ
リンダ内圧力は車輌の運動状態に基づいて演算される第
一の目標制動圧と、特定の車輪の目標車輪速度と実際の
車輪速度との偏差に基づいて演算される第二の目標制動
圧とに基づき、液圧源の圧力をリニア制御弁によって調
圧することにより制御されるので、特定の車輪のホイー
ルシリンダ内圧力が過剰に高くなり、該車輪がロック状
態になることが確実に防止される。
【0009】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、
液圧源は作動液のリザーバと該リザーバより作動液を汲
み上げて高圧の作動液を吐出するポンプとを含み、ポン
プは車輌が所定の状態にあるときに駆動されるよう構成
される(好ましい態様1)。
【0010】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、切換え制御弁
はリニア制御弁と連通制御弁とを含み、連通制御弁は車
輌が通常の状態にあるときにはリザーバとマスタシリン
ダ及び少なくとも二つの車輪のホイールシリンダとの連
通を遮断し、車輌が所定の状態にあるときにはリザーバ
とマスタシリンダ及び少なくとも二つの車輪のホイール
シリンダとを連通接続し、リニア制御弁はポンプより吐
出され連通制御弁を経てリザーバへ還流する作動液の流
量を制御することにより液圧源の圧力を調圧するよう構
成される(好ましい態様2)。
【0011】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記少なくと
も二つの車輪に要求される制動圧が同圧であるときには
それらの車輪のホイールシリンダ内圧力は液圧源の圧力
をリニア制御弁によって調圧することにより制御される
よう構成される(好ましい態様3)。
【0012】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、車輌の運動状態に基
づいて演算される第一の目標制動圧は車輌の挙動を安定
化させるための特定の車輪の目標制動圧であるよう構成
される(好ましい態様4)。
【0013】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様4の構成に於いて、特定の車輪の
目標車輪速度は車輌の挙動を安定化させるための特定の
車輪の目標車輪速度であるよう構成される(好ましい態
様5)。
【0014】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様5の構成に於いて、車輌の挙動状
態に基づいて各車輪の目標制動力が演算され、第一の目
標制動圧及び特定の車輪の目標車輪速度は特定の車輪の
目標制動力に基づいて演算されるよう構成される(好ま
しい態様6)。
【0015】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1又は2の構成に於いて、制動力制御装
置は二つの車輪が左右前輪である前輪系統と二つの車輪
が左右後輪である後輪系統とよりなるよう構成される
(好ましい態様7)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0017】図1は挙動制御装置に適用された本発明に
よる制動力制御装置の一つの実施形態の油圧回路及び電
気式制御装置を示す概略構成図である。尚図1に於いて
は、電磁的に駆動される各弁のソレノイドの図示は省略
されている。
【0018】図1に於て、10は油圧式の制動装置を示
しており、制動装置10は運転者によるブレーキペダル
12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送す
るマスタシリンダ14を有している。マスタシリンダ1
4はその両側の圧縮コイルばねにより所定の位置に付勢
されたフリーピストン16により画成された第一のマス
タシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bと
を有している。
【0019】第一のマスタシリンダ室14Aには前輪用
のブレーキ油圧制御導管18Fの一端が接続され、ブレ
ーキ油圧制御導管18Fの他端には左前輪用のブレーキ
油圧制御導管20FL及び右前輪用のブレーキ油圧制御導
管20FRの一端が接続されている。ブレーキ油圧制御導
管18Fの途中にはリニア制御弁22Fが設けられてお
り、リニア制御弁22Fはその図には示されていないソ
レノイドに印加される制御電圧の増大につれて漸次閉弁
する常開型のリニアソレノイド弁である。
【0020】またリニア制御弁22Fはそれが閉弁位置
にあるときに左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FL及
び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20FRより第一のマ
スタシリンダ室14Aへ向かうオイルの流れのみを許す
逆止弁を内蔵している。更にリニア制御弁22Fの両側
のブレーキ油圧制御導管18Fには第一のマスタシリン
ダ室14Aよりブレーキ油圧制御導管20FL及び右前輪
用のブレーキ油圧制御導管20FRへ向かうオイルの流れ
のみを許す逆止バイパス導管24Fが接続されている。
【0021】左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FL及
び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20FRの他端にはそ
れぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシ
リンダ26FL及び26FRが接続されており、左前輪用の
ブレーキ油圧制御導管20FL及び右前輪用のブレーキ油
圧制御導管20FRの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉
弁(増圧弁)28FL及び28FRが設けられている。電磁
開閉弁28FL及び28FRの両側のブレーキ油圧制御導管
20FL及び20FRにはそれぞれブレーキ油圧制御導管1
8Fよりホイールシリンダ26FL及び26FRへ向かうオ
イルの流れのみを許す逆止バイパス導管30FL及び30
FRが接続されている。
【0022】電磁開閉弁28FLとホイールシリンダ26
FLとの間のブレーキ油圧制御導管20FLにはオイル排出
導管32FLの一端が接続され、電磁開閉弁28FRとホイ
ールシリンダ26FRとの間のブレーキ油圧制御導管20
FRにはオイル排出導管32FRの一端が接続されている。
オイル排出導管32FL及び32FRの途中にはそれぞれ常
閉型の電磁開閉弁(減圧弁)34FL及び34FRが設けら
れており、オイル排出導管32FL及び32FRの他端は接
続導管36Fにより前輪用のバッファリザーバ38Fに
接続されている。
【0023】接続導管36Fは接続導管40Fによりオ
イルポンプ42Fの吸入側に接続されており、接続導管
40Fの途中には接続導管36Fよりオイルポンプ42
Fへ向かうオイルの流れのみを許す二つの逆止弁が設け
られている。オイルポンプ42Fの吐出側は接続導管4
4Fによりブレーキ油圧制御導管20FLの一部を介して
ブレーキ油圧制御導管18Fに接続されており、接続導
管44Fにはオイルポンプ42Fよりブレーキ油圧制御
導管18Fへ向かうオイルの流れのみを許す逆止弁が設
けられている。
【0024】二つの逆止弁の間の接続導管40Fには接
続導管46Fの一端が接続されており、接続導管46F
の他端は共通の接続導管48によりマスタシリンダリザ
ーバ50に接続されている。接続導管46Fの途中には
常閉型の電磁開閉弁52Fが設けられている。更に電磁
開閉弁52Fより接続導管40Fの側の接続導管46F
は接続導管54Fにより第一のマスタシリンダ室14A
とリニア制御弁22Fとの間のブレーキ油圧制御導管1
8Fに接続されており、接続導管54Fの途中には常閉
型の電磁開閉弁56Fが設けられている。
【0025】同様に、第二のマスタシリンダ室14Bに
は後輪用のブレーキ油圧制御導管18Rの一端が接続さ
れ、ブレーキ油圧制御導管18Rの他端には左後輪用の
ブレーキ油圧制御導管20RL及び右後輪用のブレーキ油
圧制御導管20RRの一端が接続されている。ブレーキ油
圧制御導管18Rの途中には常開型のリニア制御弁22
Rが設けられており、リニア制御弁22Rもその図には
示されていないソレノイドに印加される制御電圧の増大
につれて漸次閉弁する常開型のリニアソレノイド弁であ
る。
【0026】またリニア制御弁22Rはそれが閉弁位置
にあるときに左後輪用のブレーキ油圧制御導管20RL及
び右後輪用のブレーキ油圧制御導管20RRより第二のマ
スタシリンダ室14Bへ向かうオイルの流れのみを許す
逆止弁を内蔵している。更にリニア制御弁22Rの両側
のブレーキ油圧制御導管18Rには第二のマスタシリン
ダ室14Bよりブレーキ油圧制御導管20RL及び右後輪
用のブレーキ油圧制御導管20RRへ向かうオイルの流れ
のみを許す逆止バイパス導管24Rが接続されている。
【0027】左後輪用のブレーキ油圧制御導管20RL及
び右後輪用のブレーキ油圧制御導管20RRの他端にはそ
れぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシ
リンダ26RL及び26RRが接続されており、左後輪用の
ブレーキ油圧制御導管20RL及び右後輪用のブレーキ油
圧制御導管20RRの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉
弁(増圧弁)28RL及び28RRが設けられている。電磁
開閉弁28RL及び28RRの両側のブレーキ油圧制御導管
20RL及び20RRにはそれぞれブレーキ油圧制御導管1
8Rよりホイールシリンダ26RL及び26RRへ向かうオ
イルの流れのみを許す逆止バイパス導管30RL及び30
RRが接続されている。
【0028】電磁開閉弁28RLとホイールシリンダ26
RLとの間のブレーキ油圧制御導管20RLにはオイル排出
導管32RLの一端が接続され、電磁開閉弁28RRとホイ
ールシリンダ26RRとの間のブレーキ油圧制御導管20
RRにはオイル排出導管32RRの一端が接続されている。
オイル排出導管32RL及び32RRの途中にはそれぞれ常
閉型の電磁開閉弁(減圧弁)34RL及び34RRが設けら
れており、オイル排出導管32RL及び32RRの他端は接
続導管36Rにより後輪用のバッファリザーバ38Rに
接続されている。
【0029】接続導管36Rは接続導管40Rによりオ
イルポンプ42Rの吸入側に接続されており、接続導管
40Rの途中には接続導管36Rよりオイルポンプ42
Rへ向かうオイルの流れのみを許す二つの逆止弁が設け
られている。オイルポンプ42Rの吐出側は接続導管4
4Rによりブレーキ油圧制御導管20RLの一部を介して
ブレーキ油圧制御導管18Rに接続されており、接続導
管44Rにはオイルポンプ42Rよりブレーキ油圧制御
導管18Rへ向かうオイルの流れのみを許す逆止弁が設
けられている。
【0030】二つの逆止弁の間の接続導管40Rには接
続導管46Rの一端が接続されており、接続導管46R
の他端は共通の接続導管48によりマスタシリンダリザ
ーバ50に接続されている。接続導管46Rの途中には
常閉型の電磁開閉弁52Rが設けられている。更に電磁
開閉弁52Rより接続導管40Rの側の接続導管46R
は接続導管54Rにより第二のマスタシリンダ室14B
とリニア制御弁22Rとの間のブレーキ油圧制御導管1
8Rに接続されており、接続導管54Rの途中には常閉
型の電磁開閉弁56Rが設けられている。
【0031】尚オイルポンプ42F及び42Rは共通の
電動機58により駆動され、電動機58が所定の駆動電
圧にて駆動されると、予め設定された一定の吐出圧Pp
にてオイルを吐出する。
【0032】この実施形態に於いては、通常時には各リ
ニア制御弁及び各開閉弁のソレノイドには駆動電流が通
電されず、また電動機58にも駆動電流は通電されず、
従って各弁は図1に示された非制御位置に設定され、こ
れによりホイールシリンダ26FL及び26FRには第一の
マスタシリンダ室14A内の圧力が供給され、ホイール
シリンダ26RL及び26RRには第二のマスタシリンダ室
14B内の圧力が供給され、各輪のホイールシリンダ内
の圧力、即ち制動力はブレーキペダル12の踏力に応じ
て増減される。
【0033】これに対し挙動制御時には、電動機58に
駆動電流が通電されることによってオイルポンプ42F
及び42Rが駆動されると共に、開閉弁52F、52R
及び開閉弁56F、56Rが開弁位置に切り換えられ、
これによりオイルポンプ42F及び42Rにより吐出さ
れた高圧のオイルを必要に応じて各ホイールシリンダへ
供給し得るようになる。
【0034】特に左右前輪及び左右後輪の目標制動圧が
高い方の車輪については、該車輪の開閉弁が図1に示さ
れた位置に維持され、リニア制御弁22F、22Rの開
弁量が制御されることによってその差圧ΔPf及びΔPr
が制御されることにより、対応するホイールシリンダへ
それぞれPp−ΔPf、Pp−ΔPrの圧力が供給され、こ
れにより各ホイールシリンダ内の圧力が目標制動圧に制
御される。
【0035】また左右前輪及び左右後輪の目標制動圧が
低い方の車輪については、該車輪の開閉弁が目標制動圧
に応じたデューティ比にて開閉されることにより、それ
ぞれPp−ΔPf、Pp−ΔPrを基準圧力として対応する
ホイールシリンダ内の圧力が低減調圧され、これにより
該車輪のホイールシリンダ内の圧力が目標制動圧に制御
される。
【0036】この場合、各ホイールシリンダ内の圧力
は、開閉弁28FL〜28RR及び開閉弁34FL〜34RRが
図1に示された非制御位置にあるときには増圧され(増
圧モード)、開閉弁28FL〜28RRが閉弁位置に切り換
えられ且つ開閉弁34FL〜34RRが図1に示された非制
御位置にあるときには保持され(保持モード)、開閉弁
28FL〜28RR及び開閉弁34FL〜34RRが開弁位置に
切り換えられると減圧される(減圧モード)。
【0037】かくしてオイルポンプ42F及び42R、
バッファリザーバ38F及び38R、マスタシリンダリ
ザーバ50は互いに共働して高圧の作動液としてのオイ
ルを供給する液圧源を構成しており、リニア制御弁22
F及び22R、開閉弁56F及び56R、開閉弁52F
及び52Rは互いに共働して通常時にはマスタシリンダ
14と対応する二つの車輪のホイールシリンダとを連通
接続すると共に挙動制御時には液圧源より対応する二つ
の車輪のホイールシリンダに対し高圧のオイルを給排可
能な切換え制御弁を構成している。
【0038】特にリニア制御弁22F及び22Rは液圧
源の一部としてのオイルポンプ42F及び42Rの吐出
圧Ppを基準圧力として左右前輪及び左右後輪の目標制
動圧が高い方の車輪の制動圧を制御する。また開閉弁2
8FL〜28RR及び開閉弁34FL〜34RRはそれぞれ互い
に共働して対応するホイールシリンダ内の圧力を増圧し
保持し減圧する増減圧制御弁を構成している。尚これら
の開閉弁はそれぞれ上記増圧モード、保持モード、減圧
モードに対応する増圧位置、保持位置、減圧位置を有す
る一つの切換え弁に置き換えられてもよい。
【0039】リニア制御弁22F及び22R、開閉弁2
8FL〜28RR、開閉弁34FL〜34RR、開閉弁52F及
び52R、開閉弁56F及び56Rは、後に詳細に説明
する如く電気式制御装置60により制御される。電気式
制御装置60もマイクロコンピュータ62と駆動回路6
4とよりなっており、マイクロコンピュータ62は図1
には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニット
(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置と
を有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接
続された一般的な構成のものであってよい。
【0040】マイクロコンピュータ62の入出力ポート
装置には車速センサ66より車速Vを示す信号、横加速
度センサ68より車体の横加速度Gy を示す信号、ヨー
レートセンサ70より車体のヨーレートγを示す信号、
操舵角センサ72より操舵角θを示す信号、車輪速度セ
ンサ74FL〜74RRよりそれぞれ左右前輪及び左右後輪
の車輪速度(周速)Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す
信号が入力されるようになっている。尚横加速度センサ
68及びヨーレートセンサ70等は車輌の左旋回方向を
正として横加速度等を検出するようになっている。
【0041】またマイクロコンピュータ62のROMは
後述の制御フローに従ってスピン状態及びドリフトアウ
ト状態の程度を示す値を演算し、その結果に基づき車輌
の旋回挙動を判定すると共に、車輌がスピン状態又はド
リフトアウト状態にあるときには、その程度に応じて旋
回挙動を安定化させるための各車輪の目標制動圧Pbti
(i=fl、fr、rl、rr)を演算すると共に各車輪の目標
車輪速度Vwti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、リニア
制御弁22F及び22R等を制御して各車輪の制動圧を
目標制動圧に制御し、これにより車輌にスピン抑制方向
のヨーモーメントを与え又はドリフトアウト抑制方向の
ヨーモーメント及び減速度を与えて挙動を安定化させ
る。
【0042】次に図2乃至図4に示されたフローチャー
トを参照して図示の実施形態に於ける挙動制御ルーチン
について説明する。尚図2に示されたフローチャートに
よる制御は図には示されていないイグニッションスイッ
チの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行さ
れる。
【0043】まずステップ10に於いては車速センサ6
6より検出された車速Vを示す信号等の読み込みが行わ
れ、ステップ20に於いては図3に示されたルーチンに
従って挙動制御のための各車輪の目標制動力Fbti(i=
fl、fr、rl、rr)が演算される。
【0044】ステップ50に於いては目標制動力Fbti
に基づき図には示されていないマップより各車輪の目標
制動圧Pbti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステッ
プ60に於いては目標制動力Fbtiに基づき図には示さ
れていないマップより各車輪の目標スリップ率Rsti(i
=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ70に於いて
は目標スリップ率Rstiに基づき各車輪の目標車輪速度
Vwti(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【0045】ステップ80に於いては例えば目標制動圧
Pbti又は目標スリップ率Rstiの少なくとも何れかが正
の値であるか否かの判別により挙動制御が必要であるか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはその
ままステップ10へ戻り、肯定判別が行われたときには
ステップ90へ進む。
【0046】ステップ90に於いてはオイルポンプ42
F及び42Rが駆動されると共に、開閉弁52F、52
R及び開閉弁56F、56Rが開弁位置に切り換えられ
又は維持され、ステップ100に於いては図4に示され
たルーチンに従ってリニア制御弁22F及び22R等が
制御されることにより左右前輪及び左右後輪の制動力が
目標制動力Fbtiになるよう制御され、しかる後ステッ
プ10へ戻る。
【0047】図3に示された目標制動力演算ルーチンの
ステップ22に於いては、横加速度Gyと車速V及びヨ
ーレートγの積γVとの偏差Gy−γVとして横加速度
の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算され、横
すべり加速度Vydが積分されることにより車体の横すべ
り速度Vyが演算され、更に車体の前後速度Vx(=車速
V)に対する車体の横すべり速度Vyの比Vy/Vxとし
て車体のスリップ角βが演算される。
【0048】ステップ24に於いてはK1及びK2をそれ
ぞれ正の定数として車体のスリップ角β及び横すべり加
速度Vydの線形和K1β+K2Vydとしてスピン量SVが
演算され、ステップ26に於いてはヨーレートγの符号
に基づき車輌の旋回方向が判定され、スピン状態量SS
が車輌の左旋回時にはSVとして、車輌の右旋回時には
−SVとして演算され、演算結果が負の値のときにはス
ピン状態量は0とされる。尚スピン量SVは車体のスリ
ップ角β及びその微分値βdの線形和として演算されて
もよい。
【0049】ステップ28に於いては操舵角θに基づき
前輪の実舵角δが演算され、HをホイールベースとしK
hをスタビリティファクタとして下記の式1に従って目
標ヨーレートγeが演算されると共に、Tを時定数とし
sをラプラス演算子として下記の式2に従って車速V及
び操舵角θに基づく車輌の推定ヨーレートγtが演算さ
れる。尚目標ヨーレートγeは動的なヨーレートを考慮
すべく車輌の横加速度Gyを加味して演算されてもよ
い。 γe=Vδ/(1+KhV2)H ……(1) γt=γe/(1+Ts) ……(2)
【0050】ステップ30に於いては下記の数3に従っ
てドリフトバリューDVが演算される。尚ドリフトバリ
ューDVは下記の数4に従って演算されてもよい。 DV=(γt−γ) ……(3) DV=H(γt−γ)/V ……(4)
【0051】ステップ32に於いてはヨーレートγの符
号に基づき車輌の旋回方向が判定され、ドリフトアウト
状態量DSが車輌の左旋回時にはDVとして、車輌の右
旋回時には−DVとして演算され、演算結果が負の値の
ときにはドリフトアウト状態量は0とされる。
【0052】ステップ34に於いてはスピン状態量SS
に基づき図5に示されたグラフに対応するマップより旋
回外側前輪の目標制動力Fssfoが演算され、ステップ3
6に於いてはドリフトアウト状態量DSに基づき図6に
示されたグラフに対応するマップより車輌全体の目標制
動力Fsallが演算される。
【0053】ステップ38に於いてはKsriを旋回内側
後輪の分配率(一般的には50よりも大きい正の定数)
として下記の式5に従って旋回外側前輪、旋回内側前
輪、旋回外側後輪、旋回内側後輪の目標制動力Fsfo、
Fsfi、Fsro、Fsriが演算される。尚目標制動力の演
算結果が負の値である場合には、当該目標制動力は0に
設定される。 Fsfo =Fssfo Fsfi =0 Fsro =(Fsall−Fssfo)(100−Ksri)/100 Fsri =(Fsall−Fssfo)Ksri/100 ……(5)
【0054】ステップ40に於いてはヨーレートγの符
号に基づき車輌の旋回方向が判定されることにより旋回
内外輪が特定され、その特定結果に基づき各車輪の挙動
制御の目標制動力Fbsi(i=fr、fl、rr、rl)が演算
される。即ち目標制動力Fbsiが車輌の左旋回の場合及
び右旋回の場合についてそれぞれ下記の数6及び数7に
従って求められる。 Fbsfl=Fsfi Fbsfr=Fsfo Fbsrl=Fsri Fbsrr=Fsro ……(6) Fbsfl=Fsfo Fbsfr=Fsfi Fbsrl=Fsro Fbsrr=Fsri ……(7)
【0055】また図4に示された制動力制御ルーチンの
ステップ102に於いては、左前輪の目標制動力Fbtfl
が正の値であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行わ
れたときにはステップ104へ進み、否定判別が行われ
たときにはステップ110へ進む。
【0056】ステップ104に於いてはKを正の一定の
係数として下記の式8に従って左前輪の補正後の目標制
動圧Pbtflが演算される。 Pbtfl=Pbtfl+K(Vwtfl−Vwfl) ……(8)
【0057】ステップ106に於いては左前輪の開閉弁
28FL及び34FLが図1に示された位置に維持され、リ
ニア制御弁22Fの差圧ΔPfをオイルポンプ42Fの
吐出圧Ppと目標制動圧Pbtflとの差Pp−Pbtflにする
ためのリニア制御弁22Fのソレノイドに対する制御電
圧Vfが図には示されていないマップより演算され、リ
ニア制御弁22Fが制御電圧Vfにて制御されることに
より左前輪の制動圧Pbflが目標制動圧Pbtflに制御さ
れる。
【0058】ステップ108に於いては右前輪の開閉弁
28FRが閉弁され又は閉弁位置に維持され、開閉弁34
FRが開弁され又は開弁位置に維持されることにより右前
輪の制動圧Pbfrが0に制御される。
【0059】ステップ110に於いては右前輪の目標制
動力Fbtfrが正の値であるか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ112に於いて左右前
輪の制動圧が0に制御され、肯定判別が行われたときに
はステップ114へ進む。
【0060】ステップ114に於いては下記の式9に従
って右前輪の補正後の目標制動圧Pbtfrが演算される。 Pbtfr=Pbtfr+K(Vwtfr−Vwfr) ……(9)
【0061】ステップ116に於いては右前輪の開閉弁
28FR及び34FRが図1に示された位置に維持され、リ
ニア制御弁22Fの差圧ΔPfをオイルポンプ42Fの
吐出圧Ppと目標制動圧Pbtfrとの差Pp−Pbtfrにする
ためのリニア制御弁22Fのソレノイドに対する制御電
圧Vfが図には示されていないマップより演算され、リ
ニア制御弁22Fが制御電圧Vfにて制御されることに
より右前輪の制動圧Pbfrが目標制動圧Pbtfrに制御さ
れる。
【0062】ステップ118に於いては左前輪の開閉弁
28FLが閉弁され又は閉弁位置に維持され、開閉弁34
FLが開弁され又は開弁位置に維持されることにより左前
輪の制動圧Pbflが0に制御される。
【0063】ステップ122に於いては、左後輪の目標
制動力Fbtrlが右後輪の目標制動力Fbtrrよりも大きい
か否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはス
テップ130へ進み、肯定判別が行われたときにはステ
ップ124へ進む。
【0064】ステップ124に於いては下記の式10に
従って左後輪の補正後の目標制動圧Pbtrlが演算され
る。 Pbtrl=Pbtrl+K(Vwtrl−Vwrl) ……(10)
【0065】ステップ126に於いては左後輪の開閉弁
28RL及び34RLが図1に示された位置に維持され、リ
ニア制御弁22Rの差圧ΔPrをオイルポンプ42Rの
吐出圧Ppと目標制動圧Pbtrlとの差Pp−Pbtrlにする
ためのリニア制御弁22Rのソレノイドに対する制御電
圧Vrが図には示されていないマップより演算され、リ
ニア制御弁22Rが制御電圧Vrにて制御されることに
より左後輪の制動圧Pbrlが目標制動圧Pbtrlに制御さ
れる。
【0066】ステップ128に於いては左後輪の目標制
動圧Pbtrlを基準圧力として右後輪の開閉弁28RR及び
34RRのデューティ比が図には示されていないマップよ
り演算され、右後輪の開閉弁28RR及び34RRがそのデ
ューティ比にて制御されることにより右後輪の制動圧P
brrが目標制動圧Pbtrrに制御される。
【0067】ステップ130に於いては右後輪の目標制
動力Fbtrrが左後輪の目標制動力Fbtrlよりも大きいか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステ
ップ132に於いて左右後輪の制動圧が0に制御され、
肯定判別が行われたときにはステップ134へ進む。
【0068】ステップ134に於いては下記の式11に
従って右後輪の補正後の目標制動圧Pbtrrが演算され
る。 Pbtrr=Pbtrr+K(Vwtrr−Vwrr) ……(11)
【0069】ステップ136に於いては右後輪の開閉弁
28RR及び34RRが図1に示された位置に維持され、リ
ニア制御弁22Rの差圧ΔPrをオイルポンプ42Rの
吐出圧Ppと目標制動圧Pbtrrとの差Pp−Pbtrrにする
ためのリニア制御弁22Rのソレノイドに対する制御電
圧Vrが図には示されていないマップより演算され、リ
ニア制御弁22Rが制御電圧Vrにて制御されることに
より右後輪の制動圧Pbrrが目標制動圧Pbtrrに制御さ
れる。
【0070】ステップ138に於いては右後輪の目標制
動圧Pbtrrを基準圧力として左後輪の開閉弁28RL及び
34RLのデューティ比が図には示されていないマップよ
り演算され、左後輪の開閉弁28RL及び34RLがそのデ
ューティ比にて制御されることにより左後輪の制動圧P
brlが目標制動圧Pbtrlに制御される。
【0071】かくして図示の実施形態によれば、ステッ
プ22〜26に於いて車輌のスピンの程度を示すスピン
状態量SSが演算され、ステップ28〜32に於いて車
輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量
DSが演算され、ステップ34に於いてスピン状態量S
Sに基づきスピン抑制のための旋回外側前輪の目標制動
力Fssfoが演算され、ステップ36に於いてドリフトア
ウト状態量DSに基づきドリフトアウトを抑制するため
の車輌全体の目標制動力Fsallが演算され、ステップ3
8及び40に於いてスピン抑制のための目標制動力Fss
fo及びドリフトアウトを抑制するための目標制動力Fsa
llに基づき挙動制御のための各車輪の目標制動力Fbti
が演算される。
【0072】そしてステップ50に於いて目標制動力F
btiに基づき各車輪の目標制動圧Pbtiが演算され、ステ
ップ60に於いて目標制動力Fbtiに基づき各車輪の目
標スリップ率Rstiが演算され、ステップ70に於いて
目標スリップ率Rstiに基づき各車輪の目標車輪速度Vw
tiが演算され、ステップ80に於いて挙動制御が必要で
ある旨の判別が行われたときにはステップ90に於いて
オイルポンプ42F及び42Rが駆動されると共に、開
閉弁52F、52R及び開閉弁56F、56Rが開弁位
置に切り換えられ又は維持され、ステップ100に於い
てリニア制御弁22F及び22R等が制御されることに
より左右前輪及び左右後輪の制動力が目標制動力Fbti
になるよう制御される。
【0073】従って車輌がスピン状態にあるときには、
旋回外側前輪に制動力が付与され車輌にスピン抑制方向
のヨーモーメントが与えられることによってスピンが抑
制され、車輌がドリフトアウト状態にあるときには、左
右の後輪に制動力が付与され車輌が減速されると共に車
輌に旋回補助方向のヨーモーメントが付与されることに
よってドリフトアウトが抑制される。
【0074】特に図示の実施形態に於いては、スピン制
御時の左右前輪の一方の制動力は0であるので、旋回外
側前輪の制動圧はステップ106又は116に於いてリ
ニア制御弁22Fの開弁量を制御することによって目標
制動圧に制御され、旋回内側前輪の制動圧はステップ1
08又は118に於いて増圧弁としての開閉弁28FL又
は28FRが閉弁され、減圧弁としての開閉弁34FL又は
34FRが開弁されることにより0に制御される。尚この
場合の左右後輪の目標制動力は何れも0であるので、こ
れらの車輪の制動圧は旋回内側前輪と同様に0に制御さ
れる。
【0075】またドリフトアウト制御時の左右後輪の制
動力は何れも正の値であり、旋回内側後輪の制動圧は旋
回外側後輪の制動圧よりも高い。従って旋回内側後輪の
制動圧はステップ126又は136に於いてリニア制御
弁22Rの開弁量を制御することによって制御され、旋
回外側後輪の制動圧はステップ128又は138に於い
て旋回内側後輪の目標制動圧を基準に増圧弁としての開
閉弁28RL又は28RR及び減圧弁としての開閉弁34RL
又は34RRがデューティ比制御されることにより目標制
動圧に制御される。尚この場合の左右前輪の目標制動力
は何れも0であるので、これらの車輪の制動圧は0に制
御される。
【0076】特に図示の実施形態によれば、ステップ1
04及び114に於いてそれぞれ上記式8及び9に従っ
て左前輪の補正後の目標制動圧Pbtfl及び右前輪の補正
後の目標制動圧Pbtfrが演算され、ステップ124及び
134に於いてそれぞれ上記式10及び11に従って左
後輪の補正後の目標制動圧Pbtrl及び右後輪の補正後の
目標制動圧Pbtrrが演算され、これにより補正後の目標
制動圧は車輌の挙動に基づく制動圧のフィードフォワー
ド成分と車輪速度フィードバック成分との和として演算
される。
【0077】従って目標制動圧が補正されない場合に比
して、制動圧が過剰になることに起因して左右の車輪の
うち制動圧が高い方の車輪がロック状態になる虞れを低
減し、これにより車輌の挙動を確実に安定化させること
ができる。
【0078】例えば図7に示されている如く、左前輪の
目標車輪速度Vwtflが上段の如く変化する状況に於いて
実際の車輪速度Vwflが図示の如く変化したとすると、
目標車輪速度Vwtflと実際の車輪速度Vwflとの偏差Δ
Vwflは中段に示されている如く変化する。従って図7
の下段に示されている如く、補正前の目標制動圧Pbtfl
が一定(一点鎖線)であるとしても補正後の目標制動圧
Pbtfl(実線)は車輪速度偏差ΔVwflに基づくフィー
ドバック成分Pbfbfl(破線)を含み、これによりフィ
ードバック成分Pbfbflは車輪速度に基づく一種の油圧
サーボとしての機能を果たすので、制動圧の過不足を低
減して車輌の挙動を確実に安定化させることができる。
【0079】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0080】例えば上述の実施形態に於いては、各車輪
の目標制動力は車輌のスピン状態量SS及びドリフト状
態量DSに基づき演算れさるようになっているが、各車
輪の目標制動力は任意の態様にて演算されてよく、また
本発明による制動力制御装置は例えばトラクション制御
装置の如く車輌の任意の制動力の制御に適用されてよ
い。
【0081】また上述の実施形態に於いては、制動力制
御装置は挙動制御装置に適用され、左右の車輪の目標制
動圧が同圧になることがないようになっているが、左右
の車輪の目標制動圧が同圧になることがある制動力制御
装置の場合には、それらの車輪の増減圧制御弁としての
開閉弁が図1に示された位置に維持され、リニア制御弁
22F、22Rの開弁量が制御されることにより、左右
の車輪のホイールシリンダ内の圧力が互いに同一の目標
制動圧に制御されてよい。
【0082】例えば左右の後輪の目標制動圧Vwtfl及び
Vwtfrが同圧になることがある場合には、ステップ13
0に於いて否定判別が行われると、目標制動圧Vwtfl及
びVwtfrが同圧であるか否かの判別が行われ、否定判別
が行われたときにはステップ132へ進み、肯定判別が
行われたときにはステップ124、134と同様の演算
及びステップ126又は136と同様の制御が行われて
よい。
【0083】また図示の実施形態に於いては、制動装置
10は左右前輪の系統と左右後輪の系統とよりなってい
るが、制動装置10は任意の車輪の組合せの系統よりな
っていてよく、四輪全てが一つの系統に属していてもよ
い。
【0084】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、リニア制御弁の開弁量を
一定に維持することにより高い制動圧が要求される車輪
のホイールシリンダ内圧力を容易に且つ確実に一定に制
御することができ、また制御弁を連続的に繰り返し開閉
制御する必要がないので、制御弁の耐久性を向上させる
ことができる。
【0085】また請求項2の構成によれば、特定の車輪
のホイールシリンダ内圧力が過剰に高くなることを防止
することができ、これにより特定の車輪がロック状態に
なることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】挙動制御装置に適用された本発明による制動力
制御装置の一つの実施形態の油圧回路及び電気式制御装
置を示す概略構成図である。
【図2】図示の実施形態に於ける挙動制御のメインルー
チンを示すフローチャートである。
【図3】図示の実施形態に於ける各車輪の目標制動力演
算ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図示の実施形態に於ける各車輪の制動力制御ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図5】スピン状態量SSと旋回外側前輪の目標制動力
Fssfoとの間の関係を示すグラフである。
【図6】ドリフトアウト状態量DSと車輌全体の目標制
動力Fsallとの間の関係を示すグラフである。
【図7】左前輪の目標車輪速度Vwtfl、実際の車輪速度
Vwfl、目標車輪速度Vwtflと実際の車輪速度Vwflとの
偏差ΔVwfl、補正前の目標制動圧Pbtfl、車輪速度フ
ィードバック制御量Pbfbfl(=K(Vwtfl−Vwf
l))、補正後の目標制動圧Pbtflの変化の一例を示す
グラフである。
【符号の説明】
10…制動装置 14…マスタシリンダ 22F、22R…リニア制御弁 26FL、26FR、26RL、26RR…ホイールシリンダ 28FL〜28RR、34FL〜34RR…開閉弁 42F、42R…オイルポンプ 52F、52R、56F、56R…開閉弁 60…電気式制御装置 66…車速センサ 68…横加速度センサ 70…ヨーレートセンサ 72…操舵角センサ 74FL〜74RR…車輪速度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輌が通常の状態にあるときにはマスタシ
    リンダと少なくとも二つの車輪のホイールシリンダとを
    連通接続すると共に車輌が所定の状態にあるときには液
    圧源より前記少なくとも二つの車輪のホイールシリンダ
    に対し高圧の作動液を給排可能な切換え制御弁と、前記
    切換え制御弁と各ホイールシリンダとの間に設けられた
    増減圧制御弁とを有する車輌の制動力制御装置に於い
    て、前記切換え制御弁はリニア制御弁を含み、前記少な
    くとも二つの車輪のうち高い制動圧が要求される車輪の
    ホイールシリンダ内圧力は前記液圧源の圧力を前記リニ
    ア制御弁によって調圧することにより制御され、高い制
    動圧が要求されない車輪のホイールシリンダ内圧力は前
    記リニア制御弁によって調圧された圧力を前記増減圧制
    御弁によって調圧することにより制御されることを特徴
    とする車輌の制動力制御装置。
  2. 【請求項2】車輌が通常の状態にあるときにはマスタシ
    リンダと少なくとも二つの車輪のホイールシリンダとを
    連通接続すると共に車輌が所定の状態にあるときには液
    圧源より前記少なくとも二つの車輪のホイールシリンダ
    に対し高圧の作動液を給排可能な切換え制御弁と、前記
    切換え制御弁と各ホイールシリンダとの間に設けられた
    増減圧制御弁とを有する車輌の制動力制御装置に於い
    て、前記切換え制御弁はリニア制御弁を含み、前記少な
    くとも二つの車輪のうち高い制動圧が要求される特定の
    車輪のホイールシリンダ内圧力は車輌の運動状態に基づ
    いて演算される第一の目標制動圧と、前記特定の車輪の
    目標車輪速度と実際の車輪速度との偏差に基づいて演算
    される第二の目標制動圧とに基づき、前記液圧源の圧力
    を前記リニア制御弁によって調圧することにより制御さ
    れることを特徴とする車輌の制動力制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007030745A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ液圧制御装置
US7658454B2 (en) 2003-07-17 2010-02-09 Advics Co., Ltd. Vehicle motion control apparatus

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