JP2001080205A - インクジェット用記録媒体、これを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用記録媒体、これを用いたインクジェット記録方法

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JP2001080205A
JP2001080205A JP25747199A JP25747199A JP2001080205A JP 2001080205 A JP2001080205 A JP 2001080205A JP 25747199 A JP25747199 A JP 25747199A JP 25747199 A JP25747199 A JP 25747199A JP 2001080205 A JP2001080205 A JP 2001080205A
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Yoshiyuki Shino
義之 志野
Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
Hiroshi Komata
宏志 小俣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 とりわけ記録後、画像を高温高湿下に長期間
放置した場合の画像保存性とインク受容層の透明性が良
好であり、併せて、画像の耐水性、インク吸収性、イン
ク定着性、顔料適性に優れたインクジェット用記録媒
体、及びこれを用いたインクジェット記録方法を提供す
ること。 【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に、架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂を主成分とするインク受容層を
設けた記録媒体において、該インク受容層が、カチオン
性樹脂と、D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮
合生成物とを含むことを特徴とするインクジェット用記
録媒体、及びこれを用いたインクジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に好適に用いられる記録媒体、これを用いたインクジ
ェット記録方法に関する。更に詳しくは、本発明は、画
像保存性とインク受容層の透明性に優れると共に、耐水
性、インク吸収性、インク定着性、顔料適性に優れたイ
ンクジェット用記録媒体、及びこれを用いたインクジェ
ット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々のイン
ク吐出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いて
インクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを加
熱して発泡させ、その圧力を利用する方式等により、画
像信号に応じてインクの小滴を発生及び飛翔させ、それ
らの一部若しくは全部を、紙、或いは、インク受容層が
塗工されたプラスチックフィルム等の記録媒体に付着さ
せて記録を行なうものであるが、騒音の発生が少なく、
高速記録、多色記録を行うことが可能な記録方式として
注目されている。
【0003】近年、記録の高速化や多色化等、インクジ
ェット記録装置性能の向上に伴い、インクジェット用記
録媒体に対しても、より高度で広範な特性が要求されて
いる。中でも、次に挙げる12項目は特に要求が高いも
のであり、これらの特性を同時に満足する記録媒体であ
ることが要求される。 (1)高温高湿下に置かれた記録画像が、長期保存に安
定で画像に変化がないこと。 (2)印刷画像の記録部が、耐光性に優れていること。 (3)インクの吸収能力が高いこと(吸収容量が大き
く、吸収時間が速い)。 (4)ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼけない
こと。 (5)インク受容層及び記録部が、耐水性に優れている
こと。 (6)インク受容層と基材が、密着性に優れているこ
と。 (7)ドット形状が、真円に近く、その周辺が滑らかで
あること。 (8)記録媒体が、温度変化及び湿度変化での特性の変
化が小さく、カールを起こさないこと。 (9)記録媒体が、ブロッキングを起こさないこと。 (10)記録媒体自体が長期保存に安定で変質しないこ
と(特に、高温高湿環下)。 (11)インク受容層が、透明性に優れていること。 (12)顔料適性に優れていること(顔料インクを使用
して記録した場合に、記録部がひび割れたりしないこ
と)。
【0004】これらの諸特性は、しばしばトレードオフ
の関係にあり、従来公知の技術では、これらを同時に全
てを満足するインクジェット用記録媒体はなかった。と
りわけ、インクジェット技術の汎用化が進み、様々な場
所や環境下で、印刷、保管、掲示等される機会が増加し
てきているため、印刷記録した画像が、温度や湿度の影
響で滲んだりすること(画像保存性)が深刻な問題とな
っている。例えば、特開平10−77422号公報で提
案されている架橋ポリエチレンオキシドと特定のカチオ
ン性樹脂を含むインクジェット記録材用樹脂組成物をイ
ンク受容層として使用した記録媒体は、優れた耐水性及
びインク定着性を有するものであるが、画像保存性や、
インク受容層の透明性については、充分に満足できるも
のとは言い難かった。
【0005】又、特開平10−095164号公報で提
案されている水溶性樹脂及びメタクリレート系カチオン
性樹脂をインク受容層に含む記録媒体では、優れた画像
保存性を有するものの、画像の耐水性、インク定着性に
ついては不十分であり、特に、顔料インクを使用した場
合には、その顔料インクの種類によっては記録部がひび
割れてしまうという、という欠点もある。又、特願平6
−274596号で提案されているカチオン性樹脂と水
溶性樹脂とを併有するインク受容層が基材上に設けられ
ているインクジェット記録媒体は、優れた画像保存性を
有するものの、使用する水溶性樹脂の種類やカチオン樹
脂の添加比率によっては、インク受容層の透明性やイン
ク定着性に劣り、画像品位を低下させる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記の諸課題を解決するためになされたものであ
り、とりわけ、記録後、画像を高温高湿下に長期間放置
した場合の画像保存性とインク受容層の透明性が良好で
あり、併せて、画像の耐水性、インク吸収性、インク定
着性、顔料適性に優れたインクジェット用記録媒体、及
びこれを用いたインクジェット記録方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。即ち、本発明は、基材の少なくと
も一方の面に、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を主成
分とするインク受容層を設けた記録媒体において、該イ
ンク受容層が、カチオン性樹脂と、D−ソルビトールと
ベンズアルデヒドとの縮合生成物とを含むことを特徴と
するインクジェット用記録媒体、及びこれを用いたイン
クジェット記録方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
態様を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明者ら
は、上記した従来のインクジェット用記録媒体における
技術的課題を解決することを目的として鋭意研究した結
果、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂に、カチオン性樹
脂と、D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生
成物とを添加することにより、特に、特定のカチオン性
樹脂と、D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合
生成物とを特定の比率で添加することにより、画像保存
性とインク受容層の透明性が良好で、併せて、画像の耐
水性、インク吸収性、インク定着性及び顔料適性に優れ
たインクジェット用記録媒体が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。即ち、上記構成を有する本
発明のインクジェット用記録媒体においては、架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂のもつ良好なインク吸収特性、
及び、形成画像の優れた耐水性、カチオン性樹脂もつ良
好な画像保存性、及び、優れたインク定着性と、D−ソ
ルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生成物のもつ優
れた透明性とが、これらを併用した場合においても互い
の長所を損なうことなく、相乗効果を発揮するものと考
えられる。
【0009】本発明のインクジェット用記録媒体で使用
するカチオン性樹脂としては、下記一般式(1)で示さ
れる、(a)ベンジル基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキル第4級アンモニウム塩、或いは、(b)ベンジル
基を有する(メタ)アクリルアミドアルキル第4級アン
モニウム塩を骨格とする重合物を有効成分とするカチオ
ン性樹脂が特に好ましい。
【0010】
【化2】 (上記式中、Rは水素又はメチル基を表し、R1及びR2
は同一又は異なって、水素、或いは、C1〜C18の脂肪
族アルキル基を表し、R3はC1〜C4のアルキレン基、
若しくは、CH2CH(OH)CH2を表す。X-は陰イオ
ンを表し、ハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキル硫酸
イオン、アルキル或いはアリールスルホン酸イオン、酢
酸イオンである。YはO又はNHを表す。)
【0011】上記した一般式(1)で示されるカチオン
性樹脂を使用すると、特に優れた画像保存性が達成され
るが、その理由は、上記構造式に示されているように、
染料と反応し得る4級化カチオン基が高密度に存在し、
しかも、その周囲には、湿度の影響を受け難いベンジル
基が存在するためと考えられる。即ち、ベンジル基の立
体障害により、4級化カチオン基と反応している染料が
湿度の影響を受けにくくなり、染料が解離しにくくなる
ために画像保存性が向上するものと考えられる。更に、
ベンジル基の立体障害により、染料同士の凝集も防止さ
れるので、染料の集合状態を長期にわたり変化させるこ
とがないので、優れた発色性が保たれるものと考えられ
る。
【0012】このカチオン性樹脂の画像保存性を左右す
る疎水性の程度は、カチオン性樹脂の分子量によっても
変化する。即ち、カチオン性樹脂の分子量が低いとイン
ク受容層の疎水性が低くなり、水分子が染料分子に容易
に近づくことができるようになるため、画像保存性が低
下し易い。一方、カチオン性樹脂の分子量があまり高い
と、インク受容層の疎水性が高くなり過ぎてインクがは
じかれたり、画像保存性が低下したりする。これらを考
慮すると、本発明のインクジェット用記録媒体のインク
受容層を構成するカチオン性樹脂としては、その重量平
均分子量(Mw)が、好ましくは20万〜200万の範
囲内のもの、より好ましくは100万〜200万の範囲
内のものを用いるとよい。更に、染料と、上記したよう
なカチオン性樹脂のカチオン基との反応のし易さの点か
ら、一般式(1)中のカチオン基に連結しているR1
びR2は、水素原子或いは炭素原子数1〜18の脂肪族
アルキル基であることが好ましく、特に、炭素原子数1
〜3の脂肪族アルキル基であることがより好ましい。
【0013】又、本発明の目的を達成するためには、上
記したようなカチオン性樹脂の添加比率を、インク受容
層の主成分である後述する架橋ポリアルキレンオキシド
樹脂に対して1〜30重量%とすることが好ましい。添
加比率が、1重量%未満の場合は、画像保存性の効果が
得られ難い。一方、30重量%を超えてカチオン性樹脂
の含有量が多くなると、カチオン性樹脂にはインク吸収
能が無いために、インクジェット用記録媒体のインク受
容層全体のインク吸収量を低下させる。この結果、画像
品位の均一性が低下し、インク溢れによる画像滲みが生
じる場合がある。又、インク成分の染料がカチオン性樹
脂に凝集することが生じ、画像濃度が低下することが生
じる場合がある。更に、インク受容層の透明性の低下を
生じる場合がある。
【0014】本発明のインクジェット用記録媒体のイン
ク受容層を構成するD−ソルビトールとベンズアルデヒ
ドとの縮合生成物は、D−ソルビトールとベンズアルデ
ヒドとの縮合反応により合成されるが、D−ソルビトー
ルとベンズアルデヒドとの縮合生成物は、モル比が、
1:1、1:2及び1:3のものが合成可能である。本
発明においては、モル比が、1:2又は1:3のものを
使用するのが好適であり、特に、1:2のものを使用す
るのが最適である。
【0015】D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの
縮合生成物は、モル比が1:2のものは、ジベンジリデ
ンソルビトール(例えば、商品名ゲルオールD、新日本
理化(株)製)と呼ばれており、モル比が1:3のもの
は、トリベンジリデンソルビトール(例えば、商品名ゲ
ルオールT、新日本理化(株)製)と呼ばれている。
【0016】ジベンジリデンソルビトールは、化学的に
中性の化合物であり、N−メチルピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶剤
には溶解性(20重量%程度)を示すが、大多数の溶
剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキシルアミン、
アニリン、ピリジン等に対する溶解性は小さく、加熱溶
解後冷却すると、溶液がゲル化する性質がある。
【0017】更に、本発明においては、上記したような
D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生成物の
縮合生成物も同様に使用することができる。該縮合生成
物は前記縮合生成物に、公知の方法により種々の置換基
を導入するか、或いは、ベンズアルデヒドの代わりにベ
ンズアルデヒドの縮合生成物を用いてD−ソルビトール
と縮合反応させることによって得られる。これらの縮合
生成物は、単独で、又は、複数を組合わせて使用するこ
とができる。
【0018】前記した本発明の目的達成のためには、上
記したD−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生
成物の添加比率を、インク受容層の主成分である架橋ポ
リアルキレンオキシド樹脂に対して、0.05〜10重
量%にすることが好ましい。添加比率が、0.05重量
%未満の場合は、インク受容層の透明性向上の効果が得
られ難い。又、添加比率が10重量%超えて、D−ソル
ビトールとベンズアルデヒドとの縮合生成物の含有量が
多くなると、インク受容層の主成分である架橋ポリアル
キレンオキシド樹脂をゲル化させ、架橋ポリアルキレン
オキシド樹脂の持つインク定着性を低下させてしまう恐
れがある。
【0019】次に、本発明のインクジェット用記録媒体
のインク受容層の主成分である架橋ポリアルキレンオキ
シド樹脂について説明する。本発明で用いる架橋ポリア
ルキレンオキシド樹脂としては、例えば、特開平8−1
08618号公報に記載されているものを好適に用いる
ことができる。架橋ポリアルキレンオキシド樹脂は、ポ
リアルキレンオキシドとジオールとをイソシアネート化
合物で反応させて適宜に得られるが、本発明において
は、例えば、170℃、50kg/cm2加重下での溶
融粘度が2,000〜20万ポイズであり、且つ、吸水
能(g純水/g樹脂)が10〜45g/gの樹脂が好適
に用いられる。即ち、溶融粘度が2,000ポイズ未満
の場合、及び、吸水能が45g/gを超える場合は、形
成された記録画像の画像保存性及び耐水性を低下させる
傾向があるので、好ましくない。又、溶融粘度が20万
ポイズを超える場合、及び、吸水能が10g/g未満の
場合には、溶媒に対する溶解度が低下し、インク受容層
を加工した後の塗布表面状態が悪化する等の問題が生じ
るので、好ましくない。
【0020】上記のような架橋ポリアルキレンオキシド
樹脂を構成するための材料であるポリアルキレンオキシ
ドとしては、重量平均分子量が500〜50万のものが
好適に用いられる。ポリアルキレンオキシドとしては、
具体的には、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシ
ド共重合体、ポリブチレンオキシド及びこれらの混合物
等を挙げることができる。本発明においては、これらの
中でも特に、重量平均分子量が2,000〜10万のポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレ
ンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、又は、これ
らの混合物が好適に用いられる。使用するポリアルキレ
ンオキシドの重量平均分子量が500未満の場合には、
得られる架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の吸水能が高
過ぎるので好ましくなく、一方、重量平均分子量が50
万を超えると溶媒に対する溶解度が低下するので好まし
くない。
【0021】又、上記したポリアルキレンオキシドと共
に、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を形成するのに用
いるジオールとしては、同一分子内に水酸基(−OH)
を2個有する有機化合物、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,
3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、l,5−ペンタンジオール、へキシ
レングリコール、オクチレングリコール、グリセリルモ
ノアセテート、グリセリルモノブチレート、1,6−ヘ
キサンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスフェノ
ールA等を挙げることができる。本発明においては、こ
れらの中でも、特に、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,9−ノナンジオール等がを用いること
が好ましい。
【0022】更に、上記のようなポリアルキレンオキシ
ドとジオールとを架橋して架橋ポリアルキレンオキシド
樹脂を形成するのに用いるイソシアネート化合物として
は、同一分子内にイソシアネート基を2個有する有機化
合物、例えば、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8
−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)や、TD
Iの3量体、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、トリメチロールプロパン等のポリオールに、その活
性水素の数に対応するモル数のジイソシアネートを反応
させて得られるウレタンイソシアネート化合物、ポリイ
ソシアネートアダクト等を挙げることができる。これら
の中でも、特に好ましくは、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TD
I)等を用いるとよい。
【0023】上記のポリアルキレンオキシド、ジオール
及びイソシアネート化合物の使用割合は、ポリアルキレ
ンオキシドの末端水酸基とジオールの有する水酸基の数
の和と、イソシアネート化合物の有するイソシアネート
基の数の比(R値=−NCO基/−OH基)が0.5〜
2.0となる範囲、好ましくは、0.8〜1.7となる
範囲で選択すればよい。R値が0.5未満の場合には、
架橋密度が低くなり、十分な溶媒吸収性を有する架橋ポ
リアルキレンオキシド樹脂が得られず、一方、R値が
2.0を超えると、架橋密度が高くなると共に溶融粘度
が高くなり、成形の際の加工性が悪くなるため、好まし
くない。
【0024】ポリアルキレンオキシドのモル数は、その
重量を重量平均分子量で割ることにより求めることがで
きる。又、ジオールを添加する場合は、ポリアルキレン
オキシドとイソシアネート化合物との架橋反応時に添加
するのがよい。ジオールを添加することにより、得られ
る架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の溶融粘度の低下を
図ることができ、加工性を向上させることができる。
【0025】架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を形成す
る場合の上記したイソシアネート化合物の使用量は、イ
ソシアネート化合物の種類及び反応条件によっても異な
るが、一般に、ポリアルキレンオキシド100重量部に
対して、好ましくは0.5〜80重量部、より好ましく
は1〜50重量部の範囲とするとよい。即ち、0.5重
量部より少ない量では、得られる架橋ポリアルキレンオ
キシド樹脂の架橋密度が低くなって十分なフィルム強度
が得られず、一方、80重量部を超えて用いた場合に
は、得られる架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の架橋密
度が高くなり過ぎて溶媒に対する溶解度が低下し、造膜
性が低下するため、好ましくない。
【0026】ポリアルキレンオキシドとジオールとをイ
ソシアネート化合物によって架橋させる方法は、適当な
溶媒を用いた溶液状で反応させる方法が一般的である。
分散状で反応させる方法や、粉末状又は固体状で両者を
均一に混合した後に所定の温度に加熱して反応させるこ
ともできるが、工業的実施の見地から、各原料を溶融状
態で連続的に供給し、多軸押出機中で混合、反応させる
方法が好ましい。上記反応の反応温度は、通常50〜2
10℃である。尚、この反応系にトリエチルアミン、ト
リエタノールアミン、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、トリエチレ
ンジアミン等を少量添加することにより、反応を促進さ
せることもできる。
【0027】又、本発明のインクジェット用記録媒体の
インク受容層中には、上記した成分の他、本発明の目的
達成を妨げない範囲において各種添加剤を併用すること
ができる。これらの添加剤の具体的な一例としては、例
えば、各種界面活性剤、各種フィラー、染料固着剤(耐
水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸
収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防カビ剤、可
塑剤が挙げられる。これらの添加剤については、従来公
知の化合物から、目的に応じて適宜に選択すればよい。
又、これらの添加剤は、複数を同時に用いることも可能
である。
【0028】本発明のインクジェット用記録媒体を作製
するに当たっては、先ず、少なくとも、ポリアルキレン
オキシド、ジオール及びイソシアネート化合物からなる
組成物を、必要に応じて他の添加剤と共に、アルコー
ル、アルコール/水、有機溶媒等の溶剤に溶解してイン
ク受容層を形成するための組成物(塗工液)を作製した
後、該塗工液を紙又は透明プラスチックフィルムやセル
ロース縮合生成物等の基材に塗布することによって、イ
ンク受容層を形成することができる。この際、架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂とカチオン性樹脂とを、夫々溶
剤で溶解した後に混合するか、両者を、押出機、ニーダ
ー、ロール等で混練した後、溶剤に溶解して塗工液を調
製してもよい。
【0029】上記の溶剤としては、例えば、メタノー
ル、メタノール/水、エタノール、エタノール/水、n
−プロパノール、n−プロパノール/水、イソプロパノ
ール、イソプロパノール/水、トルエン、キシレン、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の溶剤
から、単独若しくは混合溶媒として適宜選択して使用す
ればよい。
【0030】本発明のインクジェット用記録媒体で使用
する基材としては、例えば、上質紙、中質紙、アート
紙、ボンド紙、再生紙、バライタ紙、キャストコート
紙、ダンボール紙、レジンコート紙等の紙や、ポリエチ
レンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、
セロハン、セルロイド、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライ
ド、ポリアクルート、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のプラスチックからなるフィルム、若しくは、板、ガラ
ス板、或いは木綿、レーヨン、アクリル、絹及びポリエ
ステル等の布を使用することができるが、勿論、これら
に限定されるものではない。
【0031】又、上記に挙げた基材の表面は、滑らかな
ものであっても、凹凸のついたものであってもよいし、
透明、半透明、不透明のいずれであってもよい。又、上
記に挙げたような基材の中より2種類以上を互いに張り
合わせたものでもよい。更に、記録面の反対側に、マッ
ト層、剥離粘着層等を設けたものでもよい。又、記録
後、記録面に粘着層等を設けてもよい。記録媒体の記録
目的、記録画像の用途、或いはその上部に被覆される組
成物との密着性等の諸条件に応じて上記基材の中から適
宜選択される。本発明のインクジェット用記録媒体を作
製する場合には、先に述べたようにして得られた塗工液
を、上記に挙げた基材表面に、例えば、ロールコーター
法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲー
トロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス
法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテン
コーター法等により塗工してインク受容層を形成する。
その後、例えば、熱風乾燥炉及び熱ドラム等を用いて乾
燥し、本発明の記録媒体が得られる。更に必要に応じ
て、インク受容層の表面の平滑化或いは表面強度を上げ
るためにスーパーカレンダー処理等を施してもよい。
【0032】インク受容層を形成する場合の塗工量は、
総量で0.2〜50g/m2、より好ましくは1〜30
g/m2の範囲内とすることが好ましい。塗工量が0.
2g/m2に満たない場合には、インク受容層を設けな
かった場合に比べて、インクの吸収容性及びインク定着
性の向上の点で効果が不十分であり、一方、50g/m
2を超えて設けた場合には、特に低温低湿環境下におけ
るカールの発生が著しくなるので好ましくない。又、塗
工量を膜厚で表した場合の塗工量が0.5〜50μmの
厚みになる範囲が好適である。
【0033】本発明のインクジェット記録方法は、以上
のようにして構成された本発明のインクジェット用記録
媒体に、アニオン性基を有する水溶性染料を少なくとも
含有するインクをインクジェット記録方式によって付与
することを特徴とする。以下に、この際に使用するイン
クについて説明する。本発明で使用するインクは、少な
くともアニオン性基を含有する水溶性染料を含み、かか
る染料を溶解するための液媒体として、水、水溶性有機
溶剤を含み、必要に応じてその他の成分、例えば、粘度
調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、及び酸化防
止剤等を含んで構成される。次に、これらの成分につい
て具体的に説明する。
【0034】先ず、本発明で使用されるアニオン性基を
含有する水溶性染料としては、カラーインデックス(C
OLOUR lNDEX)に記載されている水溶性の酸
性染料、直接染料、反応性染料、及び食用染料であれば
特に限定されない。又、カラーインデックスに記載のな
いものでも、アニオン性基、例えば、スルホン基、カル
ボキシル基等を有するものであれば特に制限はない。こ
こで言う水溶性染料の中には、溶解度のpH依存性があ
るものも当然含まれる。
【0035】又、インクに使用される水溶性有機溶剤と
しては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアル
キレングリコール類;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコ
ール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等
のアルキレングリコール類;エチレングリコールメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価ア
ルコールの低級アルキルエーテル類;エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチ
ルアルコール等の1価アルコール類;その他、グリセリ
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホ
ラン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。
【0036】これらの水溶性有機溶剤のインク中におけ
る含有量については特に制限はないが、インク全重量に
対して1〜50重量%、更に好ましくは2〜30重量%
が好適な範囲である。この他必要に応じて、インク中に
粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防
止剤、蒸発促進剤等の添加剤が配合しても構わない。界
面活性剤の選択は、液体の浸透性を調整する上で特に重
要である。又、インクの好適な物性値は、25℃付近
で、pHが3〜12の範囲、表面張力が10〜60dy
n/cmの範囲、粘度が1〜30cpsの範囲である。
【0037】更に、本発明の効果を一層引き出すため
に、上記の成分に加えて、インク中に、アニオン性の界
面活性剤或いはアニオン性の高分子物質を添加してもよ
い。或いは、前記両性界面活性剤をその等電点以上のp
Hに調整して使用してもよい。アニオン性界面活性剤
は、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホ
ン酸塩型、燐酸エステル型等、一般的なものが使用でき
る。又、アニオン性高分子物質の例としては、アルカリ
可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、或
いは高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙
げることができるが、勿論これらに限定されない。
【0038】本発明のインクジェット記録方法に用いる
ことのできるインクジェット記録方式としては、上記の
ような構成を有するインクの小滴を種々の駆動原理を利
用して、オリフィスより吐出して記録を行なわせる従来
公知のインクジェット記録方式がいずれも適用可能であ
る。その代表例として、特開昭54−59936号公報
に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けた
インクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作
用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジ
ェット方式を挙げることができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例に従って本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
わけではない。 <実施例1>下記の組成を有する塗工液をメイヤーバー
によりポリエチレンテレフタレートフィルム(Q−80
D 東レ(株)製、100μm)に塗工し、100℃設定
のオーブンで乾燥し、10μm厚のインク受容層が設け
られた本実施例のインクジェット用記録媒体を得た。
【0040】上記の塗工液の組成は、架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂であるアクアコーク樹脂(住友精化製)
を100重量部(固形分)、下記のようにして得られた
カチオン性樹脂Aを10重量部(固形分)、D−ソルビ
トールとベンズアルデヒドとの縮合生成物(透明化剤)
であるゲルオールD(新日本理化製)のDMF溶液を
0.5部(固形分)含むものである。
【0041】上記のカチオン性樹脂Aは、N,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミドを塩化ベンジルで4
級化したアクリルアミドプロピルジメチルベンジルアン
モニウムクロライドと、メチレンビスアクリルアミドと
をイオン交換水に溶かし、窒素を吹き込みながら70℃
まで加熱し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)ヒドロクロライド0.1%水溶液を加えて、85℃
で2時間反応させて得られた下記式で表される化合物で
あり、固形分が15.5%、重量平均分子量が150万
のものである。
【化3】
【0042】<実施例2>下記の組成を有する塗工液を
メイヤーバーによりポリエチレンテレフタレートフィル
ム(Q−80D 東レ(株)製、100μm)に塗工
し、100℃設定のオーブンで乾燥し、10μm厚のイ
ンク受容層が設けられた本実施例のインクジェット用記
録媒体を得た。
【0043】上記の塗工液の組成は、架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂であるアクアコーク樹脂(住友精化製)
を100重量部(固形分)、下記のようにして得られた
カチオン性樹脂Bを10重量部(固形分)、D−ソルビ
トールとベンズアルデヒドとの縮合生成物(透明化剤)
であるゲルオールD(新日本理化製)のDMF溶液を
0.5重量部(固形分)含むものである。
【0044】上記のカチオン性樹脂Bは、N,N−ジエ
チルアミノエチルアクリルアミドを塩化ベンジルで4級
化したアクリルアミドエチルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライドと、メチレンビスアクリルアミドとをイ
オン交換水に溶かし、窒素を吹き込みながら70℃まで
加熱し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ヒドロクロライド0.1%水溶液を加え、85℃で2時
間反応させて得られた下記式で表される化合物であり、
固形分16.5%、重量平均分子量が130万のもので
ある。
【化4】
【0045】<実施例3>下記の組成を有する塗工液を
メイヤーバーによりポリエチレンテレフタレートフィル
ム(Q−80D 東レ(株)製、100μm)に塗工
し、100℃設定のオーブンで乾燥し、10μm厚のイ
ンク受容層が設けられた本実施例のインクジェット用記
録媒体を得た。
【0046】この際に使用した塗工液の組成は、架橋ポ
リアルキレンオキシド樹脂であるアクアコーク樹脂(住
友精化製)を100重量部(固形分15%)、下記のよ
うにして得られたカチオン性樹脂Cを10重量部(固形
分)、D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生
成物(透明化剤)であるゲルオールD(新日本理化製)
のDMF溶液を0.5重量部(固形分)含むものであ
る。
【0047】上記のカチオン性樹脂Cは、単量体とし
て、メタクリルオキシエチルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライド水溶液と、アクリルアミドプロピルジメ
チルベンジルアンモニウムクロライド水溶液と、メチレ
ンビスアクリルアミド水溶液とを用いた以外は実施例1
と同じ条件で重合させて得られた下記式(C−1)及び
(C−2)で表される化合物の共重合体であり、固形分
が16.9%であり、重量平均分子量が120万のもの
である。
【化5】
【0048】<実施例4>下記の組成を有する塗工液を
メイヤーバーによりポリエチレンテレフタレートフィル
ム(Q−80D 東レ(株)製、100μm)に塗工
し、100℃設定のオーブンで乾燥し、10μm厚のイ
ンク受容層が設けられた本実施例のインクジェット用記
録媒体を得た。
【0049】この際に使用した塗工液の組成は、架橋ポ
リアルキレンオキシド樹脂であるアクアコーク樹脂(住
友精化製)を100重量部(固形分)、下記のようにし
て得られたカチオン性樹脂Dを10重量部(固形分)、
D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生成物
(透明化剤)であるゲルオールD(新日本理化製)のD
MF溶液を0.5重量部(固形分)含むものである。
【0050】上記のカチオン性樹脂Dは、単量体とし
て、メタアクリルアミドプロピルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド水溶液と、メチレンビスアクリルア
ミド水溶液とを用いた以外は実施例1と同じ条件で重合
させて得られた下記式で表される化合物であり、固形分
が17.5%、重量平均分子量が100万のものであ
る。
【化6】
【0051】<実施例5>下記の組成を有する塗工液を
メイヤーバーによりポリエチレンテレフタレートフィル
ム(Q−80D 東レ(株)製、100μm)に塗工
し、100℃設定のオーブンで乾燥し、10μm厚のイ
ンク受容層が設けられた本実施例のインクジェット用記
録媒体を得た。
【0052】この際に使用した塗工液の組成は、架橋ポ
リアルキレンオキシド樹脂であるアクアコーク樹脂(住
友精化製)を100重量部(固形分)、下記のようにし
て得られたカチオン性樹脂Eを10重量部(固形分)、
D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生成物
(透明化剤)であるゲルオールD(新日本理化製)のD
MF溶液を0.5重量部(固形分)含むものである。
【0053】上記のカチオン性樹脂Eは、アクリルアミ
ドプロピルジメチルベンジルアンモニウム硫酸塩と、メ
チレンビスアクリルアミドとをイオン交換水に溶かし、
窒素を吹き込みながら70℃まで加熱し、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロ硫酸塩0.1%
水溶液を加えて、85℃で2時間反応させて得られた下
記式で表される化合物であり、固形分が17.5%、重
量平均分子量が160万のものである。
【化7】
【0054】<実施例6>実施例1で、カチオン性樹脂
Aに代えてポリエチレンポリアミン系カチオン性樹脂
(商品名:ネオフィックス RP−70、日華化学製)
を用いた以外は全て同様にして、本実施例のインクジェ
ット用記録媒体を得た。
【0055】<実施例7>実施例1で、カチオン性樹脂
Aに代えてポリアミンスルホン系カチオン性樹脂(商品
名:PAS−880、日東紡績製)を用いた以外は全て
同様にして、本実施例のインクジェット用記録媒体を得
た。
【0056】<実施例8>実施例1で、カチオン性樹脂
Aに代えてメタクリレート系カチオン性樹脂(商品名:
ポリマロン、荒川化学(株)製)を用いた以外は全て同
様にして、本実施例のインクジェット用記録媒体を得
た。
【0057】<実施例9>実施例1で、カチオン性樹脂
Aに代えてビニルベンゾイル系カチオン性樹脂(商品
名:サイダップス、日本化学(株)製)を用いた以外は
全て同様にして、本実施例のインクジェット用記録媒体
を得た。
【0058】<実施例10>実施例1で、カチオン性樹
脂Aに代えてマレイミド系カチオン性樹脂(商品名:レ
オレックス第一工業(株)製)を用いた以外は全て同様
にして、本実施例のインクジェット用記録媒体を得た。
【0059】<比較例1>実施例1で、カチオン性樹脂
Aを添加しなかったことを除いては全て同様にして、本
比較例のインクジェット用記録媒体を得た。
【0060】<比較例2>実施例1で、透明化剤(D−
ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮合生成物)を添
加しなかったことを除いては全て同様にして、本比較例
のインクジェット用記録媒体を得た。
【0061】<実施例11>実施例1で、カチオン性樹
脂Aに代えてポリアクリルアミン塩酸塩(商品名:PA
A−HCl−10L、日東紡績製)を用いた以外は全て
同様にして、本実施例のインクジェット用記録媒体を得
た。
【0062】<比較例3>実施例1で、アクアコーク樹
脂(架橋ポリアルキレンオキシド樹脂)に代えてポリビ
ニルアルコール(商品名:PVA−217、クラレ製)
を用いた以外は全て同様にして、本比較例のインクジェ
ット用記録媒体を得た。
【0063】<比較例4>実施例1で、アクアコーク樹
脂(架橋ポリアルキレンオキシド樹脂)に代えてカチオ
ン変性ポリビニルアルコール(商品名:CM−318、
クラレ製)を用いた以外は全て同様にして、本比較例の
インクジェット用記録媒体を得た。
【0064】<比較例5>実施例1で、アクアコーク樹
脂(架橋ポリアルキレンオキシド樹脂)に代えてアセタ
ール変性ポリビニルアルコール(商品名:KW−1、積
水化学製)を用いた以外は全て同様にして、本比較例の
インクジェット用記録媒体を得た。
【0065】次に、上記で得られた実施例及び比較例の
記録媒体に対して、下記の表1に示した組成の4色のイ
ンクを使用して、熱エネルギーによりインクを発泡させ
てインクを吐出させるバブルジェット方式のインクジェ
ット記録装置により下記条件でカラー記録を行った。
【0066】
【表1】
【0067】
【0068】<評価>上記で得られたカラープリントサ
ンプルについて、以下の項目について評価を行った。そ
の評価結果を表2に示した。 (画像保存性)画像の保存性は、それぞれの記録媒体に
上記の記録方法で記録した画像を30℃/80%RHの
環境下に7日間保管した後に、保存前の画像と比較評価
した。評価画像として、ブラック、シアン、マゼンタ、
イエロー、レッド、グリーン、ブルーの正方形(3cm
×3cm)の中に0.3mmの白色の抜き線を作成した
ものを使用した。画像保存性の評価基準は以下の通りで
ある。
【0069】
【0070】(画像品位)評価画像として、ブラック、
シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブル
ーの横縞模様(2cm×15cm/1ライン)を上記の
記録方法で作成し、目視にて、ベタ均一性、異色境界滲
みの2点を評価した。画像品位の評価基準は以下の通り
である。
【0071】
【0072】(画像濃度)上記の記録方法で評価パター
ン(上記に同じ)を記録後、ブラック濃度をマクベス透
過濃度計で測定した。画像濃度の評価は以下の通りであ
る。
【0073】(定着性)25℃/60%の環境下におい
て、ブラックと、イエロー、シアン及びマゼンタの各2
色とのフルドットで上記の記録方法で記録してから2分
間放置した後、ブラック部及びカラー部、即ちイエロ
ー、シアン、マゼンタの各2色のフルドット部のそれぞ
れにPB用紙(キヤノン製)を重ね合わせ、上部から4
kg/cm2の圧力で擦り、用紙のインク転写より定着
性を評価した。定着性の評価基準は以下の通りである。
【0074】
【0075】(耐水性)上記の記録方法で評価パターン
(上記に同じ)を記録後、5分間水に浸漬して色落ち状
態を評価した。耐水性の評価基準は以下の通りである。
【0076】(透明性)記録していない部分のヘイズ値
を直読ヘイズメーター(東洋精機製作所製)にて測定し
た。透明性の評価基準は以下の通りである。
【0077】(顔料適性)インクジェットプリンターB
JF600(キヤノン製)で、評価パターン(上記に同
じ)を記録後、ブラック部のひび割れ状態を評価した。
顔料適性の評価基準は以下の通りである。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特に、記録画像を高温高湿環境下に長時間放置しても変
化せずに画像保存性に優れ、しかも、インク吸収性、イ
ンク定着性、顔料適性に優れ、インク受容層の透明性が
良好で、高い光学濃度と高い耐水性を有する画像形成が
可能なインクジェット用記録媒体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小俣 宏志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FB01 FB03 FB08 FB10 FC02 FC06 2H086 BA02 BA04 BA15 BA31 BA35 BA36 BA37 BA53 BA56 BA59 4D075 CA35 DA04 DB18 DC27 EB13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、架橋ポリ
    アルキレンオキシド樹脂を主成分とするインク受容層を
    設けた記録媒体において、該インク受容層が、カチオン
    性樹脂と、D−ソルビトールとベンズアルデヒドとの縮
    合生成物とを含むことを特徴とするインクジェット用記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 カチオン性樹脂が、下記一般式(1)で
    示される、(a)ベンジル基を有する(メタ)アクリル
    酸アルキル第4級アンモニウム塩、或いは、(b)ベン
    ジル基を有する(メタ)アクリルアミドアルキル第4級
    アンモニウム塩を骨格とする重合物を有効成分とする請
    求項1に記載のインクジェット用記録媒体。 【化1】 (上記式中、Rは水素又はメチル基を表し、R1及びR2
    は同一又は異なって、水素、或いは、C1〜C18の脂肪
    族アルキル基を表し、R3はC1〜C4のアルキレン基、
    若しくは、CH2CH(OH)CH2を表す。X-は陰イ
    オンを表し、ハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキル硫
    酸イオン、アルキル或いはアリールスルホン酸イオン、
    酢酸イオンである。YはO又はNHを表す。)
  3. 【請求項3】 D−ソルビトールとベンズアルデヒドと
    の縮合生成物の添加量が、架橋ポリアルキレンオキシド
    樹脂に対して、0.05〜10重量%である請求項1に
    記載のインクジェット用記録媒体。
  4. 【請求項4】 カチオン性樹脂の添加量が、架橋ポリア
    ルキレンオキシド樹脂に対して、1〜30重量%である
    請求項1に記載のインクジェット用記録媒体。
  5. 【請求項5】 アニオン性基を有する水溶性染料を少な
    くとも含有するインクを、請求項1に記載のインクジェ
    ット用記録媒体に付与することを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。
  6. 【請求項6】 インクが、更にアニオン性を有する化合
    物を含む請求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 インクが、イエロー、シアン、マゼンタ
    及びブラックの4色からなる請求項5又は請求項6に記
    載のインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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