JP2001079527A - オープン式発酵処理装置 - Google Patents

オープン式発酵処理装置

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JP2001079527A JP26084699A JP26084699A JP2001079527A JP 2001079527 A JP2001079527 A JP 2001079527A JP 26084699 A JP26084699 A JP 26084699A JP 26084699 A JP26084699 A JP 26084699A JP 2001079527 A JP2001079527 A JP 2001079527A
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    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 オープン式発酵処理装置P′のロータリー式
撹拌機5′により往復動撹拌を繰り返4すときオープン
式発酵槽1の長尺開放側面2側の堆積物の外端部が外方
へ拡散して堆積物高さが低下する不都合を解消する。 【解決手段】 堆積物を経時投入し堆積する長尺広幅の
面域aの1側に長尺壁1aを設け、他側を2とした1を
設け、1aの上面に設けたレール3上と2側の床面a′
上を転動走行する車輪4を前後左右に具備し1の幅方向
に横設した正,逆自在の回転軸5aの長さ方向と周面に
配設した多数本パドル5b,…とから成る5′を備えた
台車6を長さ方向に往復動自在に設けたP′において、
5′の回転軸5aに配設した5bのうち長尺開放側面2
側に指向する5aの外端部の最外端の又は数本のパドル
を、保持筒50と50に回動自在に保持した先端杆部5
1と51の先端の板状の掬い上げ部材5cとから成り、
5cは取付部から内方への内側板部5c1の面積を取付
部から外方への外側板部5c2よりも大きくした回動式
パドル5b′とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オープン式発酵処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の発酵処理装置は、ピット式発酵槽
とピットの両側の平行する長尺壁の上面に敷設したレー
ルを転動走行する車輪を前後左右に配設され且つロータ
リー式撹拌機を具備した台車を、その長さ方向に往復動
走行自在に設けて成り、家畜糞、有機質汚泥、家庭や食
品製造工場などから廃棄される生ゴミなどの有機質廃物
を経時的にピット内に投入堆積し、長期間発酵処理し堆
肥を生産するに使用されるが、かゝるピット式発酵槽で
は、処理すべき有機質廃物は、そのピットの一端から投
入するには、その所要量の有機質廃物を投入しようとす
る度に、それ以前にピットの一端に投入したその堆積物
を、台車を往復動させ、そのロータリー式撹拌機により
ピットの奥の方へ移動させ、そのピットの一端に所要の
空間を形成しなければならない不便があり、また、その
投入の都度、ピット内の堆積物は撹拌移動されるため、
発酵中の堆積物の温度が上がらず、好ましい高温発酵が
行われない嫌いがあり、生産された堆肥中に突出や病原
菌が死なずに残っており、堆肥の品質が低下するなどの
課題があった。そこで、かゝるピット式発酵処理装置の
課題を解決し、有機質廃物の発酵槽への経時的に投入、
堆積し、所要期間発酵せしめて、発酵済みの生産された
堆肥の取り出しを容易にし、被処理物の投入毎に台車を
往復動させ、ロータリー式撹拌機でピットの一端の堆積
物をピットの奥の方へ移動させる煩わしい作業をなくし
且つ消費電力を著しく節約できるようにしたオープン式
発酵処理装置を開発し、特願平11−222212号と
して出願した。(以下これを先願の発明と略称する)。
この先願の発明は、有機質廃物を経時的に投入堆積発酵
処理する長尺広幅の面域の長さ方向の1側に長尺壁を設
け、その他側は長尺壁のない長尺開放側面として成る大
容積のオープン式発酵槽を構成すると共に、該長尺壁の
上端面にレールを敷設し、該レール上と該長尺開放側面
側の面域上を回転走行する車輪を配設されて具備すると
共に堆積物を往復動撹伴する正,逆回転自在のロータリ
ー式撹拌機を具備した台車を該オープン式発酵槽の長さ
方向に往復動走行自在に設けたことを特徴とするオープ
ン式発酵処理装置に存する。その好ましい実施例は、そ
の明細書及び添付図面に詳述した通りであるが、その添
付図面の図7に示す装置を、以下の説明の便宜上、本願
の添付図面の図14として転記した。図14において、
a,a′は長尺広幅の面域のコンクリートなどの施工床
面、1はオープン式発酵槽、1aは長尺壁、1bはその
両端の壁、2はオープン式発酵槽1の長尺開放側面、3
は長尺壁1a上面に全長に敷設されたレール、4は台車
6の車輪、5はロータリー式撹拌機、5aはその回転
軸、5bはパドル、5cは板状の掬い上げ部材、5dは
パドルの基杆部を嵌合結着する取付用嵌合基部、7はロ
ータリー式撹伴機駆動用モータ、8,8′は車輪駆動用
モータ、9はコントロールボックス、10はケーブル、
11はケーブルリール、12は伝導装置、13は脚部、
14,14′は伝導装置、15a,15bは梁、17は
側壁、19は金属蓋板、20は垂直壁、31はガイドリ
ミットスイッチを示す。該コントロールボックス9は夫
々前記のロータリー式撹伴機駆動用モータ7、車輪駆動
用モータ8、台車6の始動、停止、台車6の往復動走行
における夫々の反転リミットスイッチ、全停止リミット
スイッチ、蛇行走行防止用リミットスイッチなどの種々
の電気、電子機器を駆動、制御を行っている。而してこ
の先願の発明に係るオープン式発酵処理装置により、下
記に列挙した効果を奏する。 容易且つ安価に構築できる。 被処理物を、オープン式発酵槽の長尺開放側面2を介
してその長さ方向の所望の個所からでもショベル車など
で投入堆積とその堆積物の発酵済みの堆肥の取り出しを
長尺開放側面2を介し容易に行うことができる。 水分調整材を、その長尺開放側面2のいずれの個所か
らでも堆積物の水分調整のために投入できる。 1日に投入すべき大量の被処理物はもとより、例え
ば、15日分の極めて大量の被処理物をその長尺開放側
面2を介して一度に投入できる。 水分調整材を、そのオープン式発酵槽内のその長さ方
向に堆積され発酵中の被処理物の上に水分調整を必要と
する個所に投入できる。 新たな堆積物の投入は、該長尺開放側面を介して、未
だ空いている空間に直接投入できるので、従来のような
新たな堆積物の投入を必要とする度に、ピット内の一端
を移動用台車を往復動走行して投入に必要な容積空間を
空ける必要がないので、作業が容易となると同時に、台
車を運転する消費電力が著しく節約される。 投入された堆積物は、台車のロータリー式撹伴機で撹
伴する場合は、往復動撹伴であるので、投入された位置
で撹伴混合が終了すると共に所要期間の発酵が行われ発
酵終了後は、投入場所と同じ所から取り出すことがで
き、その取り出した跡に、新たな被処理物の投入堆積を
行うことができ、堆肥の連続生産が容易に且つ低コスト
で行うことができる。従来の撹拌用台車により、ピット
の他端の方向へ堆積物を移動させ、その発酵済みの堆肥
をその他端から取り出す面倒を解消できる。 堆肥の生産管理が容易でランニングコストが低下し、
安価に生産し得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、この先願で
提案したオープン式発酵処理装置は、ロータリー式撹拌
機5の回転軸5aにその軸方向に且つその周面に螺旋状
に多数本のパドル5b,5b,…を配設し、その各パド
ル5bの先端に長矩形板状の掬い上げ部材5cを台車6
の走行方向に対し直交して取り付けたものである。尚、
パドル5bの要部の構成を明らかにするべく、図15及
び図16にその正面図と側面図で示した。かゝる掬い上
げ部材5cを長杆5b1の先端に具備したパドル5bを
具備したロータリー式撹拌機5を台車6の往復動走行に
伴いロータリー式撹拌機を正転及び逆転させ、これらの
パドルの台車6の走行方向に直交する掬い上げ部材5c
により長尺開放側面2に形成したオープン式発酵槽1内
の堆積物を往復動撹拌するに用いられるが、その往復動
撹拌が繰り返されることにより、図17,図18に示す
ように、当初、実線示のように堆積されていた堆積物T
は、その往復動撹拌の回数が多くなるにつれ、一点鎖線
示、二次鎖線示に示すように、そのオープン式発酵槽1
の長尺開放側面2側において堆積物Tの開放端面側が外
方に拡散が増大すると共に堆積物Tの高さが低くなる傾
向があり、当初の好ましい高さで安定良好な高温発酵が
得られない不都合を生じ、更には、その堆積物の崩れ
は、長尺開放側面2側の床面を走行する台車の車輪の軌
道上にも達し、円滑な走行を阻害することがある。その
結果、適時、頻繁に、その外方へ崩れた拡散分を人手に
よりスコップなどで掬い上げ、堆積物の頂面へ積み上げ
る面倒な作業を要する。従って、ロータリー式撹拌機に
よる往復動撹拌を行ったとき、堆積物の長尺開放側面側
において外方へ崩れ、堆積物の所望の高さが低くならな
いようにし、人手によるスコップによる掬い積み上げ作
業を要せず、当初の高さの堆積状態で発酵処理ができる
オープン式発酵処理装置の開発が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の先願の
オープン式発酵処理装置の課題を解決し、上記の要望を
満足したオープン式発酵処理装置を提供するもので、有
機質廃物を経時的に投入堆積発酵処理する長尺広幅の面
域の長さ方向の1側に長尺壁を設け、その他側は長尺壁
のない長尺開放側面として成る大容積のオープン式発酵
槽を構成すると共に、該長尺壁の上端面にレールを敷設
し、該レール上と該長尺開放側面側の面域上を転動走行
する車輪を配設されて具備すると共に堆積物を往復動撹
伴する正,逆回転自在のロータリー式撹拌機を具備した
台車を該オープン式発酵槽の長さ方向に往復動走行自在
に設け、更に該ロータリー式撹拌機は、該台車の幅方向
に水平に延びる回転軸と、該回転軸の周面に且つその軸
方向に配設された多数本の長杆の先端に板状の掬い上げ
部材を具備するパドルとから成るオープン式発酵処理装
置において、これらのパドルのうち、該オープン式発酵
槽の該長尺開放側面側に位置する該回転軸の外端から少
なくとも1本乃至数本のパドルは、その先端の板状の掬
い上げ部材を所定角度範囲回動自在に構成すると共に、
該台車の往復動走行時に、正,逆回転する回転軸に伴い
正,逆回転する板状の掬い上げ部材により堆積物を掬い
上げる際に、該板状の掬い上げ部材の内側板部は外側板
部より大きい堆積物の負荷を受けて該板状の掬い上げ部
材は、常に内側に向いて所定角度回動し堆積物の掬い上
げが行われるようにした回動式パドルに構成する一方、
その他の残る各パドルは、その先端に、該台車の走行方
向に対し直交して板状の掬い上げ部材を取り付けた固定
式パドルに構成したことを特徴とする。 更に、上記本
発明のオープン式発酵処理装置において、該回動式パド
ルの該板状の掬い上げ部材の回動角度は、台車の走行方
向に対し直交する線に対し10°〜80°、好ましくは
20°〜70°の範囲であることを特徴とする。更に、
上記本発明のオープン式発酵処理装置において、該回動
式パドルは、保持筒と、該保持筒に回動自在に保持され
且つ先端に該板状の掬い上げ部材を具備した先端杆部材
と、該板状の掬い上げ部材の回動を所定角度範囲に阻止
するストッパーとを具備したことを特徴とする。更に、
上記本発明のオープン式発酵処理装置において、該回転
式ロータリーの該回転軸の中間域部に配設された固定式
パドルのうち、複数本の固定式パドルを互いに一定の間
隔を存して配設された回動式パドルに代えたことを特徴
とする。更に、上記本発明のオープン式発酵処理装置に
おいて、該回転式パドルの回転自在の先端杆部の先端に
取り付けられる板状の掬い上げ部材として長矩形の板状
のものを用意し、これを、該回転自在の先端杆部の先端
に、その取り付け部から内方に延びる内側板部の面積が
その取り付け部から外方に延びる外側板部の面積より大
きい面積となるように取り付け部位を偏位させて取り付
けたことを特徴とする。更に、上記本発明のオープン式
発酵処理装置において、該回動式パドルの回転自在の先
端杆部の先端に取り付けられる板状の掬い上げ部材とし
て、大面積の板部と小面積の板部とから成る板状の掬い
上げ部材を用意し、これをその中央部位でパドルの回転
自在の先端杆部の先端にその大面積の板部がその取り付
け部から内方に延びる内側板部となり、その小面積の板
部がその取り付け部から外方に延びる外側板部となるよ
うに配設したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の好ま
しい実施例を添付図面の図1〜図13に基づいて説明す
る。図において、先願のオープン式発酵処理装置の実施
例の構成部材と同じ構成部材には同じ参照符号を用いて
説明する。図1〜図5において、該オープン式発酵槽1
は、長棟(図示しない)内の所定個所に、畜糞、家庭廃
棄物、汚泥、活性汚泥など所望の有機質廃物を水分調整
材と共に経時的に、例えば毎日投入堆積し、その夫々の
堆積物を所要期間発酵処理するに足る所望の長尺広幅の
面域a、例えば長さ30〜100m、幅7〜8mの長尺
広幅面域aと、その長さ方向の1側に、例えば長さ10
0m、高さ1〜2mのコンクリート製の長尺壁1aと、
該長尺壁1aと対向する他側には、長尺壁を構築するこ
となく長尺開放側面2とから成る。本発明は、かゝるオ
ープン式発酵槽1を構成すると共に、その該長尺壁1a
の上端面にその全長に亘りレール3を敷設し、該レール
3上と該長尺開放側面2側の面域a側にその床面a上を
回転走行する車輪4を左右前後に配設して具備すると共
に、該オープン式発酵槽1内に投入堆積された被処理物
を撹伴する正,逆回転自在のロータリー式撹伴機5を具
備した台車6を該オープン式発酵槽1の長さ方向に、即
ち、該長尺広幅面域aの長さ方向に往復動走行自在に設
けることにより、オープン式発酵処理装置を構成する。
該ロータリー式撹伴機5は、正,逆回転自在の可逆モー
タ7により、台車6の往動走行時には正転方向に回転
し、台車6の復動走行時には逆転回転せしめられる。該
撹拌機5は、その幅方向に延びる回転軸5aにその長さ
方向に亘り且つその周面に多数のパドルが配設されてい
る。
【0006】先願の発明によれば、その配設された全て
のパドルを、5bで示すパドルで構成していた。即ち、
そのパドル5bは、図15、図16に示すように、横断
面Tの先端が、広幅帯状面域aの底面に略達する長さを
有する長杆5b1の先端に、台車6の走行方向に対し直
交して長矩形の板状の掬い上げ部材5cを溶接などによ
り取り付けて構成したものである。かゝるパドル5bで
該回転軸5aに配設するパドルの全てを構成し、その往
復動撹拌を繰り返すときは、上記したような不都合を生
ずることが判ったので、この不都合を解消するため、本
発明のオープン式発酵処理装置P′では、図1及び図2
に示すように、先願と同じ上記構成のパドル5bの配設
を、少なくとも回転軸5aの該オープン式発酵槽1の長
尺開放側面2側に位置する外端から少なくとも1本又は
数本のパドルは、上記構成の先願の発明で用いたパドル
5bの使用を廃し、これに代え、その先端の板状の掬い
上げ部材5cを所定角度範囲回動自在に構成すると共
に、該台車6の往復動走行時に、正,逆回転する回転軸
に伴い正,逆回転する板状の掬い上げ部材により堆積物
を掬い上げる際に、該板状の掬い上げ部材5cの内側板
部5c1は外側板部5c2より大きい堆積物の負荷を受
けて該板状の掬い上げ部材5cは、常に内側に向いて所
定角度回動し堆積物の掬い上げが行われるようにした回
動式パドル5b′を用いるようにした。更に詳細には、
本発明の上記の回動式パドル5b′を例えば1〜5本を
回転軸5aの外端側に具備し、その他の残る全てのパド
ルを上記の先願と同じ形式のパドル、即ち、長杆5bの
先端に、台車6の走行方向に対し直交して取り付けられ
た板状の掬い上げ部材5cを具備したパドル5b,5
b,…(以下、この形式のパドルを固定式パドルと称す
る。)を配設した本発明のロータリー式撹拌機5′を具
備した台車6によりオープン式発酵槽1内に堆積した堆
積物を撹拌するべく、台車6を往復動走行させるが、そ
の往動走行時に該回転軸5aは正回転し、堆積物を掬い
上げ台車6の後方へ移動撹拌し、台車6の復動走行時に
該回転軸5aは逆回転し、台車6の後方へ、即ち一旦移
動撹拌された堆積物をもとの位置に移動撹拌する往復動
撹拌を行うときは、その回転式パドル5b′の掬い上げ
部材5cはこれに対応する堆積物の外端部を常に内側に
向いて堆積物を掬い上げるので、常にその外側への放散
を防止することができる。
【0007】更に、本発明のオープン式発酵処理装置
P′の該台車6に具備したロータリー式撹拌機5′の回
転軸5aの外端部に配設した1〜5本の回動式パドル5
b′の実施の1例につき、更に詳述する。図1〜図10
に示すように、その各回動式パドル5b′は、その長杆
の基端部を該回転軸5aに設けた凹嵌合基部5dにボル
トナットにより交換自在に取り付け、その先端部に円筒
から成る保持筒50を設けると共に、該保持筒50内に
円柱状の先端杆部51を回動自在に保持せしめ、更にそ
の先端杆部51の先端に長矩形の板状の掬い上げ部材5
cを、その取り付け部から内方に延びる、即ちオープン
式発酵槽1の長尺壁1a側に延びる内側板部5c1の面
積が、その取り付け部から外方に延びる、即ちオープン
式発酵槽1の長尺開放側面側に延びる外側板部5c2の
面積より大きくなるようにその取り付け部位を偏位させ
て取り付け配設した構成として該掬い上げ部材5cを回
動自在とした。該先端杆部51は、円柱状の鋼鉄製材と
し、その下端に嵌合溝を設け、該嵌合溝51a内に肉厚
の鋼鉄製の長矩形の板状の掬い上げ部材5cの上縁を嵌
着し、溶接して安定堅牢に固設した。回動式パドル5
b′は、その長杆5b1とその先方の保持筒50とを、
図示のように、夫々の上下端に溶接したフランジ52,
52を重ね合わせ、ボルトナットなどの連結具53によ
り交換自在に連結した。回動パドル5b′の長杆5b1
には、図6、図9に明らかなように、十字状の補強板5
4に構成し、該保持筒50と先端杆部51と板状の掬い
上げ部材5cを安定堅牢に支持するようにした。
【0008】該保持筒50には、次のように回動自在の
先端杆部51を保持した。即ち、該保持筒50は、図8
に明示のように、その円形の貫通孔55をその基端側の
円孔を先端部の円孔に比し大径とし、その大径の円孔と
小径の円孔との境界にその保持筒50の内周面に円環状
の段差50aを形成し、該大径の円孔55内に円柱状の
先端杆部51の基端膨出部51aを収容し且つ該円環状
段差50aにより抜けないように保持筒50内に保持す
るようにした。該貫通孔55内には、該筒状保持部50
の側壁に貫通した螺孔56よりグリースなどの潤滑剤を
注入し、該先端杆部51が円滑に回動すると共に酸化が
防止されるようにした。57は、螺孔56に螺着封口し
た栓体を示す。保持筒50内に先端杆部51を回動自在
に保持するには、上記の構成に代え、図示しないが、単
純な保持筒と短銃名円柱状の先端杆部との相互嵌合対向
面との間にベアリングを介在させる構成としても良い。
【0009】かくして、回動式パドル5b′の先端杆部
51は、該保持筒50に回動自在に保持されて設けられ
ているが、その回動角度は、所定の角度範囲に制限する
ことが必要である。そのため、図示の例では、図7、図
8、図10から明らかなように、該先端杆部51の左右
両側面に直径線上にストッパ58a,58bを溶接など
により突設せしめる一方、該保持筒50の周壁面の下端
にその左右両側にストッパ58a,58bを夫々の所定
の回転角度を許容する扇形状の切欠孔59a,59bを
設け、その先端杆部が正回動又は逆回動したとき、これ
に伴いストッパ58a,58bは回動し、その夫々の扇
形状の切欠孔59a,59bを規制する夫々の対向壁面
60a,60a及び60b,60bの左右の壁面60
a,60b夫々に当接し、その回動が阻止されるように
し、その結果、板状の掬い上げ部材5cの所定角度範囲
の回動をもたらすようにした。図示の例では、ストッパ
58a,58bは鋼製のブロックとし、その夫々該先端
杆部51の両側に設けた嵌合用凹溝にその内端を嵌着
し、溶接により固設した。その径方向の長さは、該保持
筒50の径と略同じで外周壁面から殆ど突出しないもの
とし、その厚さは、板状の掬い上げ部材5cの厚さと同
厚とした。図示の例では、台車6の走行方向に対し直交
する方向の左右に扇形状の切欠孔59a,59bと左右
のストッパ58a,58bを設け、その扇形状の切欠孔
59a,59bは、その夫々の対向壁面60a,60a
間及び60b,60b間を例えば60°とし、台車6の
走行方向に直交する中心軸線に対し上方に位置する左右
のストッパ58a,58bが先端杆部51の回動時正逆
方向に夫々30°回動したとき、図10に仮想線で示す
ように、夫々の対向壁面60a,60bに当接してその
回動が阻止され、かくして、板状の掬い上げ部材5c
は、30°回動で回動が阻止されるようにした。
【0010】台車6の往動走行及び復動走行において、
そのロータリー式撹拌機5′の回転軸5aが正,逆回転
したとき、該板状の掬い上げ部材5cが、常にその所定
の台車6の走行方向に対し所定角度内側に向いた状態で
傾斜した状態となるように取り付けることが必要であ
る。そのためには、本発明者は、該板状の掬い上げ部材
5cにより堆積物を掬い上げる際に、該板状の掬い上げ
部材5cの内側板部5c1が受けるその前方の堆積物の
負荷が外側板部5c2より大きくかゝるようにすれば良
い。而して、そのために、例えば、その前方の堆積物に
当たる内側板部5c1の面積を外側板部5c2の面積よ
り大きくすれば良いことを知見した。
【0011】例えば、その各回動自在の先端杆部51の
先端に、実施例で示すように、長矩形の板状の掬い上げ
部材5cを走行方向に対し直交するように溶接などによ
り取り付けるに当たり、その取り付け部から内方に延び
る長さが外側に延びる長さが長くなるように偏位させて
取り付けた。図示の例では、その長さ150mm、幅
(高さ)25mm、厚さ16mmの板状の掬い上げ部材
5cを、その長辺の全長の長さの3分の2が、即ち、そ
の取り付け部51aである先端杆部51の中心軸から1
00mm内方に延び、その3分の1である50mmが外
方に延びるように取り付け、内方に延びる内側板部5c
1の堆積物に対向する面積が外方に延びる外側板部5c
2の堆積物に対向する面積に比し著しく大きくなるよう
に配設した場合を示す。
【0012】次に、本発明の上記実施例のロータリー式
撹拌機5′に、該回転軸5aに配設した上記の最外端に
位置する回動式パドル5b′の作動を図11を参照し説
明する。台車6が往動走行するとき、正回転するロータ
リー式撹拌機5′の回転軸5aは、図11(a)に示す
ように、矢示のように正回転し、これに伴い正回転する
パドル5a′は正回転し、従ってその回動自在の先端杆
部51の先端の掬い上げ部材5cは、台車6の走行方向
に直交した状態で、その前方に堆積する堆積物Tの長尺
開放側面側の外端堆積部に当接し、これを掬い上げよう
とする。然るときは、その掬い上げ部材5cの内側板部
5c1の面積は、外側板部5c2の面積より予め大きく
構成されているので、その大面積の内側板部5c1は、
その小面積の外側板部5c2に比しその前方のこれに対
向する堆積物Tの著しく大きい負荷を受けるので、該板
状の掬い上げ部材5cは、矢示のように扇形状の切欠部
59a,59b内をその内側板部5c1が内側に向くよ
うに回動し、30°回転したとき、その左右のストッパ
58a,58bがその対向する制御壁面60a,60b
に当接するので、その回動を阻止され、かくして、該掬
い上げ部材5cは、当初の台車6の走行方向に対し直交
する方向に対し、即ち、オープン式発酵槽1の横断方向
に対し30°内側に傾斜した角度で堆積物Tを内側に向
かって掬い上げる。かくして、従来のような堆積物Tの
外端が外側に拡散することが防止される。次に、台車6
が反転し復動走行する場合は、図11(b)に示すよう
に、ロータリー式撹伴機5の回転軸5aは、矢示のよう
に逆回転し、これに伴い逆回転するパドル5a′の先端
杆部51は、その前方に堆積する堆積物Tに当接し、前
記と同様に該堆積物Tの負荷を受ける。即ち、その大面
積の内側板部5c1がその小面積の外側板部5c2より
大きい堆積物Tの負荷圧を受けるので、矢示のように内
側に30°回動し、その傾斜した角度で該掬い上げ部材
5cにより堆積物Tは掬い上げられるので、従来のよう
な堆積物Tの外端が外側に拡散することが防止される。
かくして、かゝる台車6の往復動走行による本発明のパ
ドル5a′による往復動撹拌を何回繰り返し行っても、
常に堆積物Tの外側への飛散は防止され、所望の好まし
い高さを維持して、良好な発酵作用を維持することがで
きる。
【0013】かくして、回転軸5aに配設したパドルの
うち、少なくとも最外端のパドルを回動式パドル5b′
にすれば上記の防止効果をもたらすが、図示の実施例の
ように、その外端から数本のパドルを、図示の例では、
5本のパドルを回動式パドル5b′に構成するときは、
内方への掬い上げを高能率に行うことができ、また更に
確実に上記の防止効果をもたらす。また、これら数本の
回動式パドル5b′を配設するとき、堆積物Tの傾斜面
の端縁より僅かに外側に位置して最外端の回動式パドル
5b′を設け、その内側の残りの回動式パドル5b′
は、その堆積物の傾斜面の裾野下部に対応する位置に設
けることが好ましい。
【0014】尚、ロータリー式撹拌機5の回転軸5に配
設した多数本のパドルのうち、長尺開放側面2側に位置
するその最外端パドルのみ又はその最外端を含めて端か
ら1〜数本のパドルを本発明の回動式パドル5b′で構
成し、その他の残る全てのパドルは、前記の固定パドル
5bで構成し、これにより堆積物Tの往復動撹拌を繰り
返すときは、上記のように、回動式パドル5b′により
堆積物Tの外端部は、常に内側に向かって掬い上げられ
るので、従来の外方への拡散は防止することができ、本
発明の目的は達成されるが、同時に、図12に示すよう
に、堆積物Tの頂面が、当初、実線のように概して平坦
面であったものが、1〜数本の回動式パドル5b′によ
り積み上げられた部分は、仮想線示のように山形になる
傾向がある。これに鑑み、ロータリー式撹拌機5′によ
り往復動撹拌を繰り返しても、堆積物Tはかゝる山形部
のない常に概して平坦な頂面を維持するようにすること
が望まれる。
【0015】更に、本発明は、かゝる要望を満足するロ
ータリー式撹拌機5′をも提供するもので、図1及び図
2に明示のように、その回転軸5aの中間域部に配設さ
れるパドルのうち、その複数本を間隔を存して、好まし
くは、一定間隔を存して回動式パドル5b′で構成し、
その他のものは図15、図16に示す回動しない固定式
パドル5bで構成する。図示の例では、4本の固定式パ
ドル5b,5b,…を存して5本目毎に回動式パドル5
b′を5本、回転軸5aの中間域部に配設したものを示
す。かくして、このロータリー式撹拌機5′を使用すれ
ば、回転軸5aの外端に設けた1〜5本の回動式パドル
により形成された上記図12に示す堆積物Tの頂面外端
部の山形の部分は、その内側に位置する本発明の中間域
に一定間隔で配設された夫々の回動式パドル5b′,5
b′,…により堆積物Tは、順次内側に向かい跳ね上げ
堆積拡散されるので、前記の山形状の堆積部は消失し、
堆積物Tの頂面は概して平坦面にならされ、略同じ高さ
に維持される。回転軸5aの内端部、即ち長尺壁1aに
近い内端部に配設された最内端から複数本のパドルは、
全て通常の固定式パドル5bで構成する必要がある。な
ぜならば、そのうちの1本でも回動式パドル5b′とす
るときは、長尺壁1aに近い側の堆積物Tの上面が山形
に盛り上がったり、跳ね上げられた堆積物が長尺壁1a
の近傍に山形の堆積が形成され、或いは長尺壁1aをこ
えて外方に放り出されるなどの不都合を生ずるからであ
る。
【0016】図13は、本発明の回動式パドル5b′の
変形例を示し、前記の長矩形状の板状の掬い上げ部材5
cに代え、内側板部5c1′を外側板部5c2′に比し
大面積とした板状の掬い上げ部材5c′を用い、これ
を、その中央部で該回動自在の先端杆部51に取り付け
たもので、その取り付け部51aは、その円柱状の先端
杆部51の下端に形成した嵌合凹溝にその板状の掬い上
げ部材5c′の該内側板部5c1′の基部を嵌着し、溶
接して安定堅牢に取り付けたものである。その寸法は、
例えば、該板状の掬い上げ部材5cは、長さ150m
m、厚さ16mmは、先の実施例の板状の掬い上げ部材
と変わりないが、その長さの中心から内端までの内側半
部の高さは50mm、その外側半部の高さは25mmと
し、その内側板部5c1の面積は、その外側板部の面積
の2倍の大きさとしたものである。かくして、この変形
例の回動式パドル5b′も、先の実施例と同様に、該回
転軸5aにその回動自在の先端杆部51の先端の板状の
掬い上げ部材5c′が台車6の走行方向に対し直角に配
置し、大面積の内側板部5c1′、小面積の外側板部5
c2′として配設するときは、台車6の往復動走行時の
往復動撹拌において、その板状の掬い上げ板部5c′
は、常に内側に傾動して所定の傾斜角度で堆積物を掬い
上げることができることは先の実施例と同様である。
【0017】尚、該板状の掬い上げ部材5c(又は5
c′)の回動角度は、図示の例では、台車6の走行方向
に直交する線に対し、換言すれば、回転軸5aの中心軸
線に対し30°回動傾動するようにしたが、その回動角
度は、一般に20°〜70°の範囲が好ましく、これに
より内側に向けて堆積物を良好に掬い上げることができ
るが、これに限定する理由はなく、要するに、内側に傾
斜した状態で掬い上げることができる回転角度であれば
良く、一般に10°〜80°の範囲を採用する。
【0018】上記の2つの実施例の板状の掬い上げ部材
5c又は5c′は、一枚から形成されたものを該回動自
在の先端杆部5b2に取り付けるようにしたが、始めか
ら、大面積の内側とする板部5c1(又は5c1′)と
小面積の外側とする板部5c2(又は5c2′)とを各
別に作成しておき、その夫々を該先端杆部51の先端
に、その対向する内端を突き合わせて配設し、且つ互い
に溶接するなどにより取り付けるようにしても良い。
【0019】上記の図示の実施例では、回動式パドル5
b′の先端杆部51を保持する保持筒50は、パドル5
b′の長杆5b1の先端側に設けたが、該回転軸5aに
直接固設し、これに先端に板状の掬い上げ部材5c(又
は5c′)を取り付けた長手の円柱状先端杆部51を回
動自在に保持せしめるようにしてもよい。この場合、そ
の長杆の中間部を断面T字状又は十字状にパドルの作用
を有するように形成しても良い。
【0020】本発明の上記のオープン式発酵処理装置
P′は、上記の回動式パドル5b′を具備したロータリ
ー式撹拌機5′を除いたその他の構成並びにこれに関連
する事項は、先願の発明で開示したものと同じである
が、念のため、茲に繰り返し添付図面を参考に詳述す
る。
【0021】該長尺広幅面域aは、好ましくは、その面
域aにコンクリート製など施工床面a′に形成し、台車
6の長尺開放側面2側の車輪4,4がその平坦な施工床
面a′上を走行するようにすることが好ましく一般であ
る。また、該長尺広幅面域aの長さ方向の両端は開放端
面のまゝでも差支えないが、例えば、該長尺壁1の両端
から該長尺壁1に対し直角に幅方向に所望長さ延びる例
えば、幅7〜8m延び且つ高さ1.5〜2mのコンクリ
ートの両端壁1b,1bを構築し、堆積物の両端の崩れ
を防止し、該長尺広幅面域a上に囲壁1a,1b,1b
で囲まれ、その他側の開放側面2を介して経時的に投入
堆積される極めて大量の被処理物をコ字状に区劃収容す
るに足る大容積の長尺コ字状のオープン式発酵槽1とす
ることが好ましく一般である。被処理物の投入堆積され
る堆積物は、高さ1.4〜1.9m、その幅は6〜7m
程度まで堆積するのが一般である。
【0022】長尺壁1の長さは、例えば、飼育する家畜
の頭数や排出される家畜の生糞を毎日投入堆積し、30
日程度の長期間に亘りその堆積物を発酵処理し、順次取
り出し連続的に堆肥を生産するには100m以上でも差
支えないが、一般に30〜100mの範囲で足りる。1
00mの長尺壁を処理棟内に構築するには、極めて長手
の処理棟を要し、相当長手の設置面積を要するので、た
とえば、30〜50mの比較的短い長尺壁のオープン式
発酵槽を2つ又はそれ以上の数を1つの作業場内に配設
するようにすることが好ましい。また、長尺壁や両端壁
の高さは、ショベル車で被処理物を1〜2mの高さまで
投入堆積し得られる1〜2mの範囲とし、一般に、1.
5m程度が好ましい。
【0023】尚、肉牛の飼育場では、オガ屑の寝床に生
糞が堆積して汚れた寝床を掻き集めたものは、水分含有
率は発酵に適した60%程度となっているため、オガ
屑、モミ殼などの水分調整材を改めて添加して水分調整
を行う必要がないから、そのまゝショベル車でオープン
式発酵槽1内に投入することができる。乳牛、豚などの
生糞や汚泥などの多くの有機質廃物の含水率は一般に、
約80%又はそれ以上と高いので、これに水分調整剤を
添加して被処理物の含水率を60%程度又はそれ以下に
調整して発酵処理する必要がある。例えば、乳牛の生糞
を発酵処理する場合は、生糞1m3 に対し水分調整材3
3 の割合で添加して水分60%以下の被処理物とする
が、ショベル車により生糞をオープン式発酵槽内に投入
した後、その上から水分調整材として、例えば3倍の例
えばオガ屑を投入し、台車の往復動道走行に伴うロータ
リー式撹拌機により生糞とオガ屑を往復動撹伴すること
により混合堆積物とする必要がある。
【0024】その投入された堆積物は、毎日撹伴する
と、温度が低下し、生糞に含まれる病原菌などの微生
物、ウジなどの害虫が死なずに残るおそれがある。特
に、栄養分の少ない有機質廃物の処理では、毎日撹伴す
ることは好ましくない。70℃以上の高温発酵を行うに
は、例えば1〜5日間程度撹伴することなくそのまゝ静
置することにより、その放置期間において、高温発酵が
確保される。その放置期間後、撹伴することにより、内
部の水分は蒸発し、動時に外気が混入し好気的条件が良
くなる。このような放置と撹拌を繰り返すことにより、
比較的栄養分の少ない有機質廃物も高温発酵が確保さ
れ、25〜30日間程度の発酵期間が経過すれば、殺
虫、殺菌された良質の堆肥として得られる。
【0025】長棟内の処理場に施工したコンクリート製
床面a′上に、例えば、長さ100メートル、高さ1.
5メートル、肉厚170mmのコンクリート製の長尺壁
1aとその両端に夫々該長尺壁1に対し直角に幅方向に
7.7メートル延び、高さ1.5メートル、肉厚170
mmのコンクリート製の端壁1a,1aを構築し、この
長尺壁1aとその両端壁(図示省略)とによって囲ま
れ、その長尺壁1と対向する側は、長さ100メートル
の高さ方向及び側面が開放された長尺開放側面2を有す
る長尺コ字状のオープン式発酵槽1を形成した。即ち、
コ字状囲壁1,1a,1aで三辺を囲まれた大容積空間
を有し、且つ1側面が長尺開放側面2に形成されたオー
プン式発酵槽1が得られる。尚、該コンクリート施工床
面a′は、図示しないが、その開放側面2側の床面a′
をその全長100メートルに亘り緩やかに下降する傾斜
面に形成し、これによりショベル車での搬入、搬出を楽
に円滑に行うようにすることが好ましい。該長尺壁1a
の上端面には、その全長に亘りレール3を敷設する。該
レール3の敷設は、例えば、該レール3の下端に一体に
成形された断面コ字状の長尺枠体3aを該長尺壁1の上
端部に嵌合し、セメントその他の接着剤などを介して固
着せしめることにより敷設するようにした。
【0026】このようにオープン式発酵槽1を構成した
ので、その全長100メートル、高さ1.5メートルに
より囲まれた大容積の内部空間には、極めて大量の各種
の有機質廃物から成る被処理物を大量に毎日投入堆積し
得られ、その夫々の堆積物が長期間に亘り発酵処理する
に足り、而もその長尺の開放側面2を介して、その長さ
方向の所望の場所に、その被処理物をショベル車により
搬送し、投入とその発酵処理済みの堆積物、即ち堆肥の
取り出しを行うことができるばかりでなく、また、発酵
中の多数個所の堆積物のうち、例えば、その中間の所定
の個所の堆積物に水分調整材を投入することができるな
どの便利をもたらす。
【0027】このように構成したオープン式発酵槽1内
にその開放側面2を介して、所望の場所に有機質廃物と
水分調整材を順次投入堆積せしめたものを、例えば、幅
約6メートル、長さ約3.2メートルの方形の囲枠基台
6aから成る台車6をその1側の前後の車輪4,4を該
レール3上をその他側の前後の車輪4,4を該施工床面
a′上を転動走行するように配置し、該台車6を該オー
プン式発酵槽1の長さ方向に往復動走行させて、この往
動走行、復動走行に合わせてロータリー式撹伴機5の回
転軸5aを正回転、逆回転させて、その往動走行で後方
へその復動走行で前方へ、即ち、もとの位置に移動し、
その間、有機質廃物と水分調整材とを撹拌混合する。即
ち、往復動撹拌して混合堆積物とし、この状態で発酵が
行われる。発酵終了後、かくして、その堆肥をその投入
時と同じ位置から取り出すようにし、必要に応じ、その
取り出した跡に、新しい被処理物を投入し、引続き連続
して発酵処理を行えるようにした。また、かくして、オ
ープン式発酵槽1内に、有機質廃物水分調整材を順次投
入する場合、その長尺開放側面2を介しての長さ方向の
所望の空所に投入でき、従来のような、投入の毎に、以
前にピットの一端に投入した堆積物を撹拌移動用台車の
往復動走行によりピットの奥の方へ移動させてピットの
一端を空ける煩わしい作業と大きな電力消費の課題を解
消できる。
【0028】次に、図示の台車6の具体的な構成につき
更に詳述する。台車6は、幅6メートル、前後方向の長
さ約3メートルの方形のH鋼などの鋼材から成る堅牢な
方形の囲枠基台6aと、これに配設した車輪4,4,
4,4とから成る。その囲枠基台6aの左右の側枠6a
1,6a2の長さの中間部において、そのいくらか下方
に位置して床面a′から約1.4メートルの高さに位置
して横型ロータリー式撹伴機5の回転軸5aを左右のベ
アリング部を介し回転自在に架設した。該回転軸5a
は、その囲枠基台6aの右側枠6a1より外方へ突出す
る外端に設けた伝導車輪及びベルトから成る伝導装置1
2を介して該囲枠基台6aの後側枠6a3の左端から突
出する支持台上に設けた駆動用可逆モータ7により正,
逆回転自在に駆動されるようにした。該回転軸5aに
は、その長さ方向に且つ周面に多数本のパドル5b,5
b,…を螺旋状に配設した。各パドル5bは、適当に広
幅で板状の長杆から成り、その長さは、床面a′に摺接
するほどに長手であり、その先端には、堆積物を掬い上
げる板状の掬い上げ部材5cを台車6の進行方向に対し
直交するように設け、且つ各相隣るパドル5b,5bの
掬い上げ部材5c,5cの相隣る端側は、台車6の進行
方向において互いに重なるような位置に存し、かくし
て、床面a′上の堆積物をその幅全長に亘り隙間なく掬
い上げることができるようにした。尚、各パドル5b
は、その基部を該回転軸5aに予め螺旋状に配設された
嵌合基部5dに嵌合し、ボルトナットで結着し、必要に
応じ交換し得るように取り付けた。該台車6の囲枠基台
6aの長尺開放側面2側に位置する右側枠6a1には、
その前後に位置して下方に延びる脚部13,13を設
け、その下端に、夫々前後の車輪4,4を回転自在に取
り付け、その前車輪4を車輪駆動用可逆モータ8により
伝導装置14を介して駆動自在とした。また、該台車6
の左側枠6a2上には、これから外方に突設した台上に
車輪駆動用可逆モータ8′を設置し、その伝導装置1
4′を介し、後車輪4を駆動自在とした。各該脚部13
は、図示の例では、H鋼などの鋼材を材料として堅牢に
図示のように組み立てたものである。前後の脚部13,
13間には、鋼材から成る補強用梁15a,15aを上
下に2本張り渡し、その下部の梁15b上には、前記の
車輪駆動用可逆モータ8を設置した。一方、前記の囲枠
基台6aの左側枠6a2は、コ字状の外側枠6bとコ字
状の内側枠6cとで構成され、両内外側枠をその長さ方
向において間隔を存して配設した連結部材6dを介して
相互に溶接して構成した。台車6の囲枠基台6aの右側
枠6a1の下方には、車輪駆動用モータ8を収容する空
間16を外面に形成せしめた屈曲凹板から成る側壁17
をその前後の脚部13,13に溶接して設け、これによ
り、堆積物が撹伴される際に飛散するその粉粒などが該
モータ8にかゝらない保護壁として作用せしめ、該モー
タ8をその飛散物による汚染、損傷から防止するように
した。また、該囲枠基台6aの上面には、その中心に大
きい方形の上面開放面18を残してその前後の開放面を
上面からカバーする傾斜した金属蓋板19,19を前後
の囲枠基台6aの前後側枠6a4,6a3から斜め上方
へ突設せしめた。これにより、高温発酵中の堆積物を往
復動撹伴する時に生ずる飛散による駆動モータなどの機
器の汚染、損傷を防止すると同時に、その上面開口部1
8より水分を蒸散させ、該発酵中の堆積物の水分除去に
よる乾燥をもたらすようにした。尚、前後の対向する傾
斜金属蓋板19,19は、その両端において囲枠基台6
aの左右側枠6a2,6a1から立ち上がる左右の垂直
壁20,20に接続するようにした。
【0029】該囲枠基台6aの左側枠6a2の前端部上
面には、ケーブルリール11を設立し、台車6の往復動
走行に伴い、外部の供給電源よりのケーブル10を揺動
自在の案内杆11aを介して巻き付け巻き解し自在と
し、そのケーブル10の供給端を該囲枠基台6aの前側
枠6a4上面を横切り、その右側枠6a1の側面に取り
付けたコントロールボックス9に接続するようにし、該
コントロールボックス9からは、図示しない多数本のケ
ーブルを介して、ロータリー式撹伴機駆動用モータ7、
車輪駆動用可逆モータ8,8′、後記する反転用リミッ
トスイッチ、全停止リミットスイッチ、蛇行防止用リミ
ットスイッチなどに接続されるようにし、コントロール
ボックス9の内部には、タイマー、変流器、撹伴機起動
用インバータ、メーターリレー、シーケンサー、ノイズ
フィルターなどの各種電気・電子機器が内蔵され、その
開閉扉の外部に電源ランプ、起動ボタン、自動運転用ボ
タン、非常停止ボタン(図示しない)などの所望の操作
用ボタンを外部から操作できるような構成が配備されて
いる。
【0030】該台車6の囲枠基台6aには、更にその左
側枠6a2には、その長さ方向の所望の位置に、例え
ば、その中間部に、その下面に取り付けた基板21から
該長尺壁1aの外壁面に沿って所望の長さ下垂する前後
一対の杆部22a,22bの下端部に前後一対の反転リ
ミットスイッチ23aと23bを配設すると共に、該前
後一対の杆部22a,22bの前面に両杆部22a,2
2b間に跨がり取り付けた横杆24の中央から下垂する
杆部25の全停止リミットスイッチ26を設ける。一
方、該長尺壁1aの両端の該壁面には、反転リミットス
イッチ23a,23bに夫々当接する高さを有する当接
部材27a,27bを前後に配備して固設した。台車6
が往動走行し、該長尺壁1aの一端(図5では右端)に
来たとき、前側反転リミットスイッチ23aが前端の該
当接部材27aに当接して反転し、台車6が復動走行
し、該長尺壁1aの一端(図5では左端)に来たとき、
後側反転リミットスイッチ23bが後端の該当接部材2
7bに当接して台車6が反転走行するようにした。一
方、該全停止リミットスイッチ26は、別個に用意した
可搬当接スタンド28を少なくとも1個用意しておき、
これを該長尺壁1aの外壁面に沿った長さ方向における
所定の位置で台車6の走行を止めると同時に、そのロー
タリー式撹伴機の作動を停止させたい場合、即ち、全停
止させたい場合に、その所定の位置に全停止リミットス
イッチ22の進路内に立てておく。かくして台車6の往
動走行或いは復動走行の過程で、その全停止リミットス
イッチ22が該可搬当接スタンド28に当たったとき、
台車6の全ての駆動装置は停止する。詳細には、車輪駆
動用モータ8,8′及びロータリー式撹伴機駆動用モー
タ7は停止する。即ち、全停止する。また、台車6を、
その該長尺壁1aの長さ方向における所望の長さ間を所
望の複数回往復動せしめる場合には、反転リミットスイ
ッチ23a,23bと当接する高さを有する一対の可搬
当接スタンド29a,29bを、その長尺壁1の外壁面
に沿いその所望の往復動する長さ間隔を存して前後に配
置し、台車6の往動走行においてその前方の反転リミッ
トスイッチ23aが前位の該可搬当接スタンド29aに
当接したとき反転し、復動走行してその後方の後位反転
リミットスイッチ23bが後位の該可搬当接スタンド2
9bに当たったとき反転し、かくして、台車6の所定距
離間の往復動がなし得られ、これによりその間の堆積物
を正,逆回転撹伴混合がなし得られ、所望回数の台車6
の往復動走行が得られる。所望回数の往動撹伴後、全停
止を行う場合には、反転用可搬当接スタンド29a,2
9bのいずれか一方を除き、これに代わり全停止用の可
搬当接スタンド28を所望の位置に設置すれば、その位
置で台車6の全停止が得られる。台車6は、通常、オー
プン式発酵槽1のいずれか一方の端部に、電源を切って
全停止させ、待機させておく。所望量の被処理物をオー
プン式発酵槽1の他端側の空所に投入し、通常、長尺壁
1aの高さより僅かに低い高さまで、例えば、長尺壁1
aの高さが1.5mの場合は、1.4m位までに堆積す
る。また、堆積物Mの幅は、台車6のロータリー式撹拌
機5の回転軸5aの長さに略対応するものとする。オー
プン式発酵槽1の他端の空所に在る堆積物を往復動撹拌
する場合は、スイッチオンして台車6を往動走行させ、
その他端の固定反転リミットスイッチ27aに当接させ
て反転させ、その往動走行中に、該長尺壁1aの外側の
床面a′上に、全停止用の可搬当接スタンド28を所定
の位置に立てる。然るときは、往動走行する台車6は、
その全停止用リミットスイッチ26が、該全停止用可搬
当接スタンド28に当たったときに全停止し、堆積物の
1回の往復動撹拌が終了する。複数回の往復動撹拌を行
いたい場合は、該長尺壁1aの外側の床面a′上に、反
転用の可搬当接スタンド29bを立てておけば、往動走
行する台車6は、その後側の反転リミットスイッチ23
bが該反転用の可搬当接スタンド29bに当たり、反転
し再び往動走行する。かくして、所望回数の往復動撹拌
を行うことができる。オープン式発酵槽1の中間部に投
入堆積した堆積物を往復動撹拌するには、該長尺壁1a
の外側の床面a′上に、該堆積物が往復動撹拌できるよ
うな間隔を存して前後一対の反転用の可搬当接スタンド
29a,29bを立てれば良い。1回又は所望回数の往
復動撹拌を行った後、そのオープン式発酵槽1の中間位
置で全停止させるには、いずれか一方の反転用可搬スタ
ンド29a又は29bを除去し、その所望の中間位置に
全停止用の可搬当接スタンド28を立てれば良い。これ
に代え、電源を切って全停止させることもできることは
勿論である。
【0031】上記図示の例では、製作を簡単にするた
め、台車6の左側枠6a2の長さ方向の中間部に前後一
対の反転リミットスイッチ23a,23bとその中間に
全停止用リミットスイッチ26とを一組にまとめて構成
したが、これに限定されない。例えば、前後一対の反転
リミットスイッチ23a,23bは、台車6の左側枠6
a2の中心位置から左右に等距離の位置であればどの位
置でも良く、左側枠6a2の両端部に配置すれば、それ
だけ早く台車6の往動走行及び復動走行における反転を
行うことができる。
【0032】また、前記の台車6には、機械的又は/及
び電気的な蛇行防止装置を設けることが好ましい。即
ち、図5は、台車6に、機械的な蛇行防止装置の1例を
具備した場合を示す。同図に明示したように、台車6の
囲枠基台6aの左側枠6a2の前,後端部に、蛇行防止
装置30を夫々配設して成り、該前後の各蛇行防止装置
30は、基端部を取り付けられて下垂せしめた保持部材
30aとその下端に長尺壁1aの外壁面に対し直角に近
接させてボールベアリングを介し回転自在に水平に保持
されたローラ30bとから成る。一般に、台車6は、往
動走行或いは復動走行のいずれの場合においても、レー
ルに付設した湿気やぬめりなどにより車輪が滑り或いは
回転速度が遅くなるなどによりしばしば台車6は、その
走行中に左右に僅かに蛇行する嫌いがある。台車6が走
行中直線進路に対し左側又は右側に傾動変位しようとす
るときは、その往動走行又は復動走行する台車6の後側
に位置する蛇行防止装置30のローラ30b或いは前側
に位置する蛇行防止装置30のローラ30bのいずれか
一方がレール3の側面に当たり、それ以上の傾動変位を
防止することができ、その転動により良好な円滑な走行
を維持することができる。
【0033】更に、微細な蛇行防止装置として、その台
車6の囲枠基台6aの前,後側枠6a4,6a3に、レ
ール3の側面に近接してガイドリミットスイッチ31
a,31bを配設することができる。台車6が、その台
車6の直進に対し左又は右に偏位しようとするとき、そ
の走行する台車6の後位のガイドリミットスイッチ31
b又は前位のガイドリミットスイッチ31aがレール上
を走行する車輪4,4の例えば前車輪4が滑り、その回
転速度が瞬時床面上を走行する車輪4,4より遅くなる
と、台車6は、直線走行に対しレール3側に偏位し、そ
の前位のガイドリミットスイッチ31aはレール3の側
面に当接してONし、その床面側の車輪4,4を数秒停
止させることにより直線走行を回復するようにし、ま
た、レール上の後車輪4が滑りその回転速度が瞬時遅く
なると、その後位のガイドリミットスイッチ31bはレ
ール3の側面に当たってONし、床面a′上の車輪4,
4を一旦停止させることにより直線走行を回復するよう
にし、かくして、走行中の台車8の蛇行を防止すること
ができる。
【0034】台車6は、通常、長尺壁1のいずれか一方
の端(図面上では右端)に待機している。コントロール
ボックス9に内蔵の自動制御装置により、台車6の自動
運転制御を次に例示する。即ち、起動ボタンONによ
り、ロータリー式撹伴機駆動用モータ7が始動し、該ロ
ータリー式撹伴機5は正回転し、次で1分以内の所定の
タイムラグを存して車輪駆動用モータ8,8′が始動
し、台車6を前進走行即ち往動走行せしめ、長尺壁1の
一端(図面上では左端)に固設の当接部材27aに又は
可搬当接スタンド29aを長尺壁1aの中間の所定位置
に予め立てた場合には、該可搬当接スタンド29aに反
転リミットスイッチ23aが当接したときに駆動用モー
タ8,8′の停止により台車6の往動走行が停止し、3
0秒以内の所定のタイムラグで駆動用モータ8,8′の
停止によりロータリー式撹伴機5は正回転が停止し、次
で30秒以内の所定のタイムラグで駆動用モータ7は始
動してロータリー式撹伴機5を逆回転せしめ、次で60
秒以内の所定のタイムラグで車輪駆動用モータ8,8′
が始動して該台車6を後進走行、即ち往動走行せしめ
る。往動走行する台車6は、長尺壁1aの長さ方向の所
望の位置に予め立てておいた全停止用の可搬当接スタン
ド28に、その全停止リミットスイッチ26が当接した
とき、車輪駆動用モータ8,8′及びロータリー式撹伴
機駆動用モータ7は停止して台車の走行及び撹伴作業は
停止する。かくして、この台車6の所定の長さの往復動
走行の間に、所望の長さ及び位置の堆積物の正,逆回転
撹伴混合が行われる。上記では、便宜上、台車6を長尺
壁1aの左端側へ進行する場合を前進方向としてその作
動を説明したが、長尺壁1aの右端側へ進行する場合を
前進方向として同様にその作動を説明することができる
ことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】このように本発明によるときは、上記し
た先願の発明に係るオープン式発酵処理装置を更に改善
したもので、そのオープン式発酵槽をその長さ方向に往
復動走行する台車に具備したロータリー式撹伴機の回転
軸にその長さ方向に且つその全周に多数本配設したパド
ルのうち、その回転軸の少なくとも最外端部、即ち、オ
ープン式発酵槽の長尺開放側面側の外端部に位置する1
乃至数本のパドルの先端杆部を所定角度範囲で回転自在
とし、回転自在の先端杆部の先端に取り付けた板状の掬
い上げ部材をその取り付け部から内方に延びる内側板部
がその取り付け部から外方に延びる外側板部に比し、掬
い上げるべき堆積物の負荷が大きくかゝるようにした回
動式パドルとしたので、かゝるロータリー式撹伴機で堆
積物を往復動撹拌としたとき、その堆積物の外端部に対
応して位置する回動式パドルの掬い上げ部材は常に内側
に向いて回動傾斜して、その対応する前方の堆積物を内
側に向け掬い上げることができ、従来の堆積物の外側へ
の掬い上げ時の拡散を防止できる。この場合、板状の掬
い上げ部材の内側板部の面積を外側板部の面積より大き
くすることにより、上記の効果を奏することができる。
また、その板状の掬い上げ部材の回転角度を、ストッパ
により所定角度を10〜80°の範囲に制限することに
より、内側に向いた掬い上げ状態で堆積物の内方への掬
い上げ堆積作用を良好にもたらす。更に、上記本発明の
オープン式発酵処理装置において、そのロータリー式撹
伴機の回転軸の中間部に配設される固定式パドルのう
ち、適宜間隔を存してその複数本を回動式パドルに代え
るときは、その往復動撹拌において、堆積物の上面を略
平坦面の全面均一な高さの堆積物に維持することがで
き、良好な高温発酵を維持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の1例のオープン式発酵槽を横
断し、台車の前進方向から見たオープン式発酵処理装置
の正面図。
【図2】 同装置の一部を省略した平面図。
【図3】 長尺開放側面側から見た同装置の一部を省略
した側面図。
【図4】 図1のIV−IV線裁断面図。
【図5】 長尺壁の外側から見た同装置の一部を裁除し
た側面図。
【図6】 本発明のパドルの要部の正面図。
【図7】 同側面図。
【図8】 同パドルの要部の裁断正面図。
【図9】 図6のIX−IX線裁断上面図。
【図10】 図6のX−X線裁断面図。
【図11】 本発明の装置のパドルの往復動撹伴時の作
動状態を説明する横断面図で、図11(a)は台車の往
動走行時の作動状態を示し、図11(b)は台車の復動
走行時の作動状態を示す。
【図12】 本発明の回動式パドルを具備したロータリ
ー式撹拌機の1例による堆積物の掬い上げ堆積状態を説
明する正面図。
【図13】 変形例の回動式パドルの要部の正面図。
【図14】 先行技術のオープン式発酵装置の一部を省
略した正面図。
【図15】 通常の固定式パドルの要部の正面図。
【図16】 同側面図。
【図17】 図14の装置のロータリー式撹伴機により
オープン式発酵槽内の堆積物を往復動撹拌された後の堆
積物の変化を示す裁断正面図。
【図18】 図17示の堆積物の変化を示す平面図。
【符号の説明】
P′ 本発明のオープン式発酵処理装置 1 オープン式発酵槽 1a 長尺壁 2 長尺開放側面、外側 3 レール 4 車輪 5 ロータリー
式撹伴機 5a 回転軸 5b パドル、
固定式パドル 5b′ 回動式パドル 50 保持筒 51 回転自在の先端杆部 5c 板状の掬
い上げ部材 5c′ 板状の掬い上げ部材 5c1 内側板
部 5c1′ 内側板部 5c2 外側板
部 5c2′ 外側板部 6 台車

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質廃物を経時的に投入堆積発酵処理
    する長尺広幅の面域の長さ方向の1側に長尺壁を設け、
    その他側は長尺壁のない長尺開放側面として成る大容積
    のオープン式発酵槽を構成すると共に、該長尺壁の上端
    面にレールを敷設し、該レール上と該長尺開放側面側の
    面域上を転動走行する車輪を配設されて具備すると共に
    堆積物を往復動撹伴する正,逆回転自在のロータリー式
    撹拌機を具備した台車を該オープン式発酵槽の長さ方向
    に往復動走行自在に設け、更に該ロータリー式撹拌機
    は、該台車の幅方向に水平に延びる回転軸と、該回転軸
    の周面に且つその軸方向に配設された多数本の長杆の先
    端に板状の掬い上げ部材を具備するパドルとから成るオ
    ープン式発酵処理装置において、これらのパドルのう
    ち、該オープン式発酵槽の該長尺開放側面側に位置する
    該回転軸の外端から少なくとも1本乃至数本のパドル
    は、その先端の板状の掬い上げ部材を所定角度範囲回動
    自在に構成すると共に、該台車の往復動走行時に、正,
    逆回転する回転軸に伴い正,逆回転する板状の掬い上げ
    部材により堆積物を掬い上げる際に、該板状の掬い上げ
    部材の内側板部は外側板部より大きい堆積物の負荷を受
    けて該板状の掬い上げ部材は、常に内側に向いて所定角
    度回動し堆積物の掬い上げが行われるようにした回動式
    パドルに構成する一方、その他の残る各パドルは、その
    先端に、該台車の走行方向に対し直交して板状の掬い上
    げ部材を取り付けた固定式パドルに構成したことを特徴
    とするオープン式発酵処理装置。
  2. 【請求項2】 該回動式パドルの該板状の掬い上げ部材
    の回動角度は、台車の走行方向に対し直交する線に対し
    10°〜80°、好ましくは20°〜70°の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のオープン式発酵処
    理装置。
  3. 【請求項3】 該回動式パドルは、保持筒と、該保持筒
    に回動自在に保持され且つ先端に該板状の掬い上げ部材
    を具備した先端杆部材と、該板状の掬い上げ部材の回動
    を所定角度範囲に阻止するストッパーとを具備したこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載のオープン式発酵処
    理装置。
  4. 【請求項4】 該回転式ロータリーの該回転軸の中間域
    部に配設された固定式パドルのうち、所定の間隔を存し
    て配設された複数本を回動式パドルに代えたことを特徴
    とする請求項1,2又は3に記載のオープン式発酵処理
    装置。
  5. 【請求項5】 該回転式パドルの回転自在の先端杆部の
    先端に取り付けられる板状の掬い上げ部材として長矩形
    の板状のものを用意し、これを、該回転自在の先端杆部
    の先端に、その取り付け部から内方に延びる内側板部の
    面積がその取り付け部から外方に延びる外側板部の面積
    より大きい面積となるように取り付け部位を偏位させて
    取り付けたことを特徴とする請求項1,2,3又は4に
    記載のオープン式発酵処理装置。
  6. 【請求項6】 該回動式パドルの回転自在の先端杆部の
    先端に取り付けられる板状の掬い上げ部材として、大面
    積の板部と小面積の板部とから成る板状の掬い上げ部材
    を用意し、これをその中央部位でパドルの回転自在の先
    端杆部の先端にその大面積の板部がその取り付け部から
    内方に延びる内側板部となり、その小面積の板部がその
    取り付け部から外方に延びる外側板部となるように配設
    したことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の
    オープン式発酵処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002079213A (ja) * 2000-09-04 2002-03-19 Kishi Eng Kk オープン式発酵処理装置
JP2006116529A (ja) * 2004-09-21 2006-05-11 Hisakazu Ikeda 有機物の乾燥方法、その方法による生産物及びその乾燥装置
JP2010037160A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Tana Tekko Kk 敷料又は堆肥の攪拌装置
CN102898201A (zh) * 2012-10-30 2013-01-30 镇江培蕾基质科技发展有限公司 一种大型槽式物料翻抛机

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