JP2002192131A - 廃棄物分解処理装置 - Google Patents

廃棄物分解処理装置

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JP2002192131A JP2000397449A JP2000397449A JP2002192131A JP 2002192131 A JP2002192131 A JP 2002192131A JP 2000397449 A JP2000397449 A JP 2000397449A JP 2000397449 A JP2000397449 A JP 2000397449A JP 2002192131 A JP2002192131 A JP 2002192131A
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Sakae Okada
栄 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生ゴミ、糞尿等である有機廃棄物を攪拌し
て、発酵、分解する構成の処理装置にあっては、(1)
有機廃棄物の収容量の増大、(2)攪拌する有機廃棄物
の滞留、偏在等を解消する調整作業の効率化、(3)脱
臭の簡易化・低コスト化のための技術の開発が求められ
ていた。 【解決手段】 有機廃棄物Mが貯留される廃棄物処理領
域3は、貯留用壁部3aによって塞がれた一側部に対し
て、他側部が作業用開放部3cとして開放されており、
有機廃棄物Mの搬入や均し作業等に利用できる。貯留用
壁部3a上の上部レール9aと作業用開放部3cの下部
レール9bとに跨って走行する走行フレーム10の架設
フレーム10cに、軽量のスクリュー攪拌機2を支持し
た構成により、架設フレーム10cを大スパン化できる
廃棄物分解処理装置1を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家畜から排出され
る糞尿、家庭から排出される生ごみ、下水の汚泥等の有
機廃棄物を発酵分解処理するための廃棄物分解処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図10、図11において、廃棄物分解処
理装置60は、平面視円形の貯留槽50(以下「円形槽
50」と称する場合がある)内に貯留した有機廃棄物M
を、前記円形槽50の中心軸線回りに移動する攪拌機5
1によって掻き揚げ攪拌して発酵、分解するようになっ
ている。前記円形槽50に貯留される有機廃棄物Mとし
ては、家畜から排出される糞尿、生ごみ等である。この
有機廃棄物Mは、搬入コンベア61によって円形槽50
の中央部に立設された中央塔62上のホッパ63から、
前記中央塔62と円形槽50の外壁50a上縁部との間
に架け渡すようにして設けられた分配コンベア64に受
け渡され、この分配コンベア64によって円形槽外壁5
0a近傍に搬送されて円形槽50内に搬入される。前記
分配コンベア64は、円形槽外壁50a上を車輪64a
によって走行することで、前記中央塔62を中心として
回転移動しつつ、円形槽50内に有機廃棄物Mを分配、
搬入するようになっている。図10、図11中、斜線で
示すように、分配コンベア64からの有機廃棄物Mの搬
入位置50cは、円形槽外壁50aの内面に沿って延在
する領域である。
【0003】図12に示すように、前記攪拌機51は、
上下に対向配置したスプロケット52、53間に巻き掛
けたチェーン等の無端条体54を回転駆動することで、
無端条体54の外側に突設されているフライト部材55
によって円形槽50内の有機廃棄物Mを掻き揚げ(図1
1中黒塗り矢印)、攪拌する構成である。前記攪拌機5
1は、円形槽外壁50aの上縁部と中央塔62との間に
架け渡すようにして設けられた攪拌機支持フレーム56
から吊り下げ状態に設けられており、円形槽外壁50a
の上縁部の図示しないレール上での攪拌機支持フレーム
56の走行によって前記攪拌機51が円形槽50内を前
記中央塔62を中心として回転移動(図11中白抜き矢
印)することで、円形槽50内の有機廃棄物Mが満遍無
く掻き揚げ攪拌される。また、前記攪拌機51では、進
行方向前側では上昇、進行方向後側では下降するよう
に、前記無端条体54を回転駆動することが一般的であ
る。なお、分配コンベア64は、攪拌機支持フレーム5
6や攪拌機51よりも上方に位置しており、これら攪拌
機支持フレーム56や攪拌機51と干渉すること無く、
単独で移動することができる。また、円形槽外壁50a
の上縁部には、攪拌機支持フレーム56の走行するレー
ルとは別に、分配コンベア64の移動用の走行移動用の
レールも設けられる。
【0004】図10および図11に示すように、有機廃
棄物Mは、攪拌機51による掻き揚げ攪拌の度に、若
干、円形槽50の中央部側に移動され、最終的に、この
有機廃棄物Mが発酵、分解されてなる堆肥等の製品が、
中央塔62の近傍にて円形槽50の底部50bに開口さ
れた取り出し口66から搬出コンベア67によって搬出
される。
【0005】円形槽50の外側は、円形槽外壁50aの
外側を覆うようにして設けられた円筒状の貯留用壁部6
5aとその上部を覆う屋根部65bとからなる外装構造
物65によって全体が覆われ、有機廃棄物Mから発生す
る臭気が外に放出されないようになっている。前記搬入
コンベア61は、外装構造物65を貫通して中央塔62
上に到達される。外装構造物65内側の空間65c内の
空気は、前記空間65a上部に配置されたダクト68を
介して脱臭装置69(脱臭槽)へ強制排気され、前記脱
臭装置69にて脱臭処理された後、大気中に放出され
る。なお、外装構造物65内側の空間65c内には、円
形槽底部50bに布設状態に設けられた空気供給装置
(図示せず)等から空気が供給される。円形槽底部50
bの空気供給装置から供給される空気は、円形槽50内
に貯留されている有機廃棄物Mに接触して、有機廃棄物
Mを発酵分解する微生物の活動を活性化し、有機廃棄物
Mの発酵、分解を促進する。
【0006】有機廃棄物Mを貯留する貯留槽としては、
前記円形槽50に限定されず、各種構成が採用可能であ
る。また、攪拌機51の移動は、貯留槽の構造に関わら
ず、貯留槽の外壁上部に配置したレール上の攪拌機支持
フレーム56の走行によって行われる。図13(a)、
(b)は、平面視長方形状の貯留槽71を備えて構成さ
れた廃棄物分解処理装置72を示す。この廃棄物分解処
理装置72では、貯留槽71の幅方向(図13(a)中
上下)両側の外壁73(貯留槽71の1対の長辺を構成
する外壁73)上に設置したレール74を、両レール7
4間に架設された攪拌機支持フレーム56が走行するこ
とで、貯留槽71の長手方向に沿って攪拌機51が移動
される。回転駆動した攪拌機51を貯留槽71内に移動
させることで、貯留槽71内の有機廃棄物Mが掻き揚げ
攪拌され、貯留槽71の長手方向一端(図13(a)、
(b)中、右側)の搬入位置75に搬入された有機廃棄
物Mが、順次、貯留槽71の長手方向他端(図13
(a)、(b)中、左側)の取り出し位置76に移動さ
れ、最終的に堆肥等として取り出し位置76から取り出
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
廃棄物分解処理装置60、72では、攪拌機51は構造
が複雑であり、小型化、低コスト化が困難であるといっ
た不満があった。また、攪拌機支持フレーム56は、重
量が大きい攪拌機51を安定支持でき、しかも、有機廃
棄物Mの掻き揚げ攪拌時に振動が発生しても安定な支持
状態を確保できる必要があるから、大スパン化(長方形
貯留槽にあっては両側のレール間に対する架設スパンの
長大化、円形槽にあっては内外のレール間に対する架設
スパンの長大化)に限界があり、現実的にはスパンは1
0m程度が限界であった。廃棄物分解処理装置にあって
は、近年のゴミの埋め立て制限や焼却処理の制限等に鑑
みて、より大量の生ゴミの発酵分解処理が求められてお
り、貯留槽の容量の大型化が要求されているが、前述の
ように攪拌機支持フレームの大スパン化が困難であるた
め、貯留槽の大型化が不可能であり、容量を増大できな
いといった問題があった。また、有機廃棄物M中に埋没
状態の攪拌機51を貯留槽内の任意の位置に移動させる
には、有機廃棄物Mを掻き揚げ攪拌しつつ移動させるこ
とになり、攪拌機51の移動が不自由であるといった問
題もあった。これに鑑みて、例えば攪拌機51を上昇さ
せて、任意の位置に移動させることも考えられるが、こ
れでは、攪拌機支持フレームとしてさらに強固な大型の
ものが必要となる上、大型で高価な昇降装置を用いるこ
とになるから、現実的ではない。
【0008】ところで、円形、長方形状のいずれの貯留
槽でも、貯留槽内での有機廃棄物Mの滞留、偏在、発酵
分解の異常等が生じた場合は、バックホー等の重機を用
いて、貯留槽内の有機廃棄物Mの強制移動、強制排除等
を行うことが一般的である。しかしながら、貯留槽外側
に配置した重機による有機廃棄物Mの移動や排除等の作
業は、効率が悪く、時間が掛かり、場合によっては有機
廃棄物Mの攪拌を停止する必要が生じるため、攪拌効率
が低下するといった問題があった。また、貯留槽内に重
機を搬入することも可能であるが、この場合も、搬入、
作業後の搬出に手間と時間が掛かるため、前記問題の解
決にならない。
【0009】また、外壁によって取り囲まれた内側に有
機廃棄物Mを貯留する構造の貯留槽では、有機廃棄物M
の搬入が、該貯留槽の上方からの投入になるため、貯留
槽上に搬入作業用のスペースを確保しておく必要があ
る。このため、外装構造物の高さを(例として図10の
符号Hを参照)低くすることには限界があり、外装構造
物内の空間が大きくなってしまうため、外装構造物内の
臭気の処理を充分に行うためには、外装構造物内の空間
から脱臭装置への送風量(排気量)が非常に大きくな
り、脱臭装置として、大型でコストの高いものを採用せ
ざるを得ないといった問題があった。特に、図10〜図
12に例示した廃棄物分解処理装置60のように、貯留
槽への有機廃棄物Mの搬入用の搬入コンベア、分配投入
用の分配コンベアを、攪拌機支持フレームや攪拌機の移
動軌跡よりも上方に配置せざるを得ない構成では、外装
構造物の高さの縮小は非常に困難であり、脱臭装置の大
型化、コスト上昇が不可避になっていた。
【0010】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、(1)軽量化、小型化が容易なスクリュ
ー攪拌機を採用したことで、有機廃棄物が攪拌処理され
る廃棄物処理領域の対向する両側に跨るようにして設け
られて前記スクリュー攪拌機を支持する架設フレームの
大スパン化が可能となり、廃棄物処理領域の大型化、有
機廃棄物の収容量の増大を実現できる、(2)廃棄物処
理領域の貯留用壁部によって塞がれた一側部に対する他
側部の作業用開放部を利用して、廃棄物処理領域内へ
の、有機廃棄物や重機の搬入、搬出等の作業を効率良く
行える(3)作業開放部を介して有機廃棄物の搬入を廃
棄物処理領域の側部から行えることで、廃棄物処理領域
上を覆う上部覆い材を廃棄物処理領域に接近させること
ができ、臭気処理の簡略化、低コスト化を図ることがで
きる、廃棄物分解処理装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
家畜から排出される糞尿、家庭から排出される生ごみ、
下水の汚泥等の有機廃棄物を発酵分解処理する廃棄物分
解処理装置であって、立設して水平方向に延在された貯
留用壁部に沿ってその一方の側に、床部上に有機廃棄物
が積んだ状態に置かれる廃棄物処理領域が延在され、こ
の廃棄物処理領域内の有機廃棄物が、攪拌機移動機構に
より前記廃棄物処理領域内に移動されるスクリュー攪拌
機によって攪拌されるように構成され、前記攪拌機移動
機構は、前記貯留用壁部上部にて該貯留用壁部に沿って
延在された上部レール上を走行する上走行手段と、前記
廃棄物処理領域の前記貯留用壁部に対向する側部である
作業用開放部にて前記床部の床面とほぼ同じ高さで前記
上部レールと平行に延在設置された下部レール上を走行
する下走行手段との間を、ほぼ水平な架設フレームによ
って連結した構造の走行フレームに、前記スクリュー攪
拌機を支持して前記架設フレームに沿って走行移動する
可動フレームが搭載され、前記スクリュー攪拌機は、前
記可動フレームに支持された攪拌機本体から突出状態に
設けられた長尺のスクリューの回転駆動により、前記廃
棄物処理領域内の有機廃棄物を攪拌するようになってい
ることを特徴とする。請求項2記載の発明は、家畜から
排出される糞尿、家庭から排出される生ごみ、下水の汚
泥等の有機廃棄物を発酵分解処理する廃棄物分解処理装
置であって、リング状に立設された貯留用壁部に沿って
その外側に、床部上に有機廃棄物が積んだ状態に置かれ
る廃棄物処理領域が延在され、この廃棄物処理領域内の
有機廃棄物が、攪拌機移動機構により前記廃棄物処理領
域内に移動されるスクリュー攪拌機によって攪拌される
ように構成され、前記攪拌機移動機構は、前記貯留用壁
部上部にて該貯留用壁部に沿ってリング状に延在された
上部レール上を走行する上走行手段と、前記廃棄物処理
領域の外縁部である作業用開放部にて前記床部の床面と
ほぼ同じ高さで前記上部レールに沿って延在設置された
下部レール上を走行する下走行手段との間を、ほぼ水平
な架設フレームによって連結した構造の走行フレーム
に、前記スクリュー攪拌機を支持して前記架設フレーム
に沿って走行移動する可動フレームが搭載され、前記ス
クリュー攪拌機は、前記可動フレームに支持された攪拌
機本体から突出状態に設けられた長尺のスクリューの回
転駆動により、前記廃棄物処理領域内の有機廃棄物を攪
拌するようになっていることを特徴とする。請求項3記
載の発明は、請求項1または2記載の廃棄物分解処理装
置において、前記廃棄物処理領域上を覆う上部覆い材
と、前記作業用開放部の側部を覆うカーテンとが、それ
ぞれ、前記攪拌機移動機構の駆動による走行フレーム、
可動フレーム、スクリュー攪拌機の移動軌跡と干渉しな
い位置に設けられ、前記作業用開放部を含んで前記廃棄
物処理領域を外側から覆う外装構造物の内部に、前記上
部覆い材と前記カーテンとを含む覆い材によって廃棄物
処理領域を囲むようにした空間が画成されていることを
特徴とする。
【0012】スクリュー攪拌機は、廃棄物処理領域を介
して対向する両側のレール(上部レールと下部レール)
に沿った走行フレームの走行と、スクリュー攪拌機を支
持した可動フレームの前記架設レールに沿った走行移動
とにより、廃棄物処理領域内に自在に移動される。回転
駆動したスクリュー攪拌機を廃棄物処理領域内で移動し
て、廃棄物処理領域内の有機廃棄物を攪拌することで、
発酵分解を促進する。廃棄物処理領域内の有機廃棄物の
局所的な滞留、偏在等の解消のための均し作業等の調整
作業は、作業用開放部を介した廃棄物処理領域への作業
員や重機の搬入、搬出によって、効率良く行うことがで
きる。廃棄物処理領域への有機廃棄物の搬入は、作業用
開放部を介して行うことができる。このため、廃棄物処
理領域の上方に、有機廃棄物の搬入用のコンベア等を設
置する必要が無く、廃棄物処理領域上を覆う上部覆い材
を、廃棄物処理領域に接近させた低い位置に設置できる
ため、脱臭装置への導入空気量を減少させることがで
き、脱臭装置を小型化、低コスト化できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の有機
物分解処理装置を図面を参照して説明する。
【0014】(第1実施形態)まず、本発明に係る第1
実施形態の廃棄物分解処理装置の概略構成を説明する。
図1〜図3において、廃棄物分解処理装置1は、家畜か
ら排出される糞尿、家庭から排出される生ごみ、下水の
汚泥等である有機廃棄物Mが貯留される平面視長方形状
の廃棄物処理領域3と、この廃棄物処理領域3内に貯留
された有機廃棄物Mを長尺のスクリュー2aの回転駆動
によって攪拌するスクリュー攪拌機2と、このスクリュ
ー攪拌機2を支持して前記廃棄物処理領域3内に移動さ
せる攪拌機移動機構4とを備えて構成されている。ま
た、図中、符号20は、廃棄物分解処理装置1の外装構
造物であり、前記廃棄物処理領域3並びに攪拌機移動機
構4等を外側から覆う。
【0015】廃棄物処理領域3は、平面視長方形状の一
方の長辺に沿って立設して水平方向に延在された貯留用
壁部3aに沿ってその一方の側に床部3bを延在構築し
た構成であり、前記床部3b上に有機廃棄物Mが積んだ
状態に貯留され、この有機廃棄物Mが、攪拌機移動機構
4により前記廃棄物処理領域3内に移動されるスクリュ
ー攪拌機2によって攪拌されるようになっている。前記
床部3bは、例えば小石の敷き込み等により構成した通
気層3fの下に、複数箇所にエア噴射孔3gが形成され
たエア供給配管3hを配置して構成され、エアレーショ
ンブロア3iによってエア供給配管3hに圧送されて前
記エア噴射孔3gから噴射された空気3jが、前記通気
層3fを介して床部3b上の有機廃棄物Mに供給され、
微生物による有機廃棄物Mの発酵分解を促進するように
なっている。
【0016】この廃棄物処理領域3の一側部(平面視長
方形状の一方の長辺の側)は、前記貯留用壁部3aによ
って塞がれているため、有機廃棄物Mがこぼれ出ないよ
うになっているが、前記一側部に対向する他側部には貯
留用壁部は存在せず、開放状態になっている(この他側
部を以下「作業用開放部3c」と称する)。また、この
廃棄物処理領域3の延在方向両端部(長手方向両端部)
も、端部壁3d、3eによって塞がれており、有機廃棄
物Mがこぼれ出ないようになっている。前記作業用開放
部3cでは、廃棄物処理領域3の他側部に沿って、つま
り、この廃棄物処理領域3の平面視長方形状の他方の長
辺に沿って延在された下部レール9bが前記床部3b上
に固定されている他は、壁等の障害物は存在せず、廃棄
物処置領域3外側の床Tが前記床部3bとほぼ面一に連
続されているため、車両、重機、作業員等の廃棄物処理
領域3への出入りを自由に行える。例えばバックホー等
の重機も、鋼材等で下部レール9bを跨ぐような簡易な
斜路を形成すること等により、廃棄物処理領域3への搬
入、搬出を容易に行える。
【0017】前記攪拌機移動機構4は、前記貯留用壁部
3a上部にて該貯留用壁部3aに沿って延在された上部
レール9a上を走行する上走行手段10aと、前記作業
用開放部3cにて前記床部3bの床面とほぼ同じ高さで
前記上部レール10aと平行に延在設置された下部レー
ル9b上を走行する下走行手段10bとの間を、ほぼ水
平な架設フレーム10cによって連結した構造の走行フ
レーム10に、前記スクリュー攪拌機2を支持して前記
架設フレーム10cに沿って走行移動する可動フレーム
11を搭載して構成されている。
【0018】走行フレーム10は、該走行フレーム10
に搭載された駆動モータ10eの駆動力によって、上下
の走行手段10a、10bの駆動輪10fが同期駆動さ
れることで、廃棄物処理領域3の延在方向に沿って走行
に走行移動されるようになっている。ここでは、ギアボ
ックス10gや回転シャフト10h等を連結してなる駆
動力伝達機構によって、駆動モータ10eの駆動力を各
走行手段10a、10bの駆動輪10fに伝達するよう
になっているが、駆動力伝達機構としては、これに限定
されず、例えばベルトとプーリを用いたもの等、各種構
成が採用可能である。
【0019】上下の走行手段10a、10bは、それぞ
れレール10a、10bを走行する台車状に構成されて
おり、前記架設フレーム10cは、下走行手段10b上
に立設された支柱10i上部と上走行手段10aとの間
に架設するようにして、ほぼ水平な状態で両走行手段1
0a、10b間を連結するようになっている。
【0020】スクリュー攪拌機2を支持した可動フレー
ム11は、該可動フレーム11に搭載されたモータ(図
示略)の駆動力によって、架設フレーム10cに設けら
れたレール(図示略)を走行移動(以下「横移動」と称
する場合がある)することで、スクリュー攪拌機2を架
設フレーム10cに沿った方向に自在に移動するように
なっている。この可動フレーム11には、具体的には、
スクリュー攪拌機2の攪拌機本体2bが支持される。
【0021】前記スクリュー攪拌機2は、前記可動フレ
ーム11に搭載、支持された攪拌機本体2bと、この攪
拌機本体2bから2本平行に突出状態に設けられたスク
リュー2aとを備えて構成されている。前記攪拌機本体
2bは、該攪拌機本体2bに搭載されたモータ2c(図
7〜図9参照)の回転駆動力を2本のスクリュー2aに
伝達するギアボックスを兼ねており、2本のスクリュー
2aは、前記攪拌機本体2bを介して伝達されるモータ
2cの回転駆動力によって同期して回転駆動される。図
4(a)〜(c)に示すように、2本のスクリュー2a
は、螺旋羽根2dを互いに噛み合わせるようにして近接
配置されている。各スクリュー2aの螺旋羽根2dは、
螺旋の巻き方向が丁度逆向きである。また、この2本の
スクリュー2aは、前記攪拌機本体2bを介して伝達さ
れる前記モータ2cの回転駆動力によって正逆回転可能
であるが、正逆いずれの回転でも、その回転方向は互い
に逆向きの関係になっている。したがって、例えば、こ
の2本のスクリュー2aを廃棄物処理領域3内に降下さ
せて有機廃棄物M中で回転させる場合、両スクリュー2
aがいずれも有機廃棄物Mを各スクリュー2aの先端か
ら基端側(攪拌機本体2b側)に掻き出すような回転
(これを正回転とする。図4(b)参照)と、逆に、基
端側から先端に向けて押し出すような回転(これを逆回
転とする。図4(c)参照)とを選択できる。正回転の
場合、有機廃棄物Mを2本のスクリュー2aの間に巻き
込むようにしてスクリュー2aの基端側へ効率良く搬送
できる。
【0022】図1〜図3に示すように、この廃棄物分解
処理装置1では、攪拌機本体2bから下向きにしたスク
リュー2aを回転駆動させたスクリュー攪拌機2を、攪
拌機移動機構4の走行フレーム10の走行と、可動フレ
ーム11の横移動とによって移動することで、廃棄物処
理領域3の有機廃棄物Mを攪拌し、発酵分解する。図2
中点線28は、スクリュー攪拌機2のスクリュー2aの
移動軌跡の一例であり、スクリュー攪拌機2の廃棄物処
理領域3に沿った方向への繰り返し往復移動により有機
廃棄物Mを攪拌する縦攪拌領域28aと、スクリュー攪
拌機2の廃棄物処理領域3の延在方向に対して垂直な方
向(つまり、貯留用壁部3aに垂直の方向)への繰り返
し往復移動により有機廃棄物Mを攪拌する横攪拌領域2
8bとが、廃棄物処理領域3の延在方向に沿って交互に
形成している。そして、各攪拌領域28a、28b毎
に、有機廃棄物Mの発酵、分解させ、その進行に対応し
て、発酵、分解した有機廃棄物Mの搬出、新規の有機廃
棄物Mの搬入等を行う。廃棄物処理領域3に対する有機
廃棄物Mの搬入、搬出は、作業用開放部3cを介してバ
ックホー等の重機を用いて行ったり、廃棄物処理領域3
に引き込むようにして配設した搬入コンベアや搬出コン
ベア等によって行うなど、各種手法が採用可能である。
【0023】この廃棄物分解処理装置1に適用されたス
クリュー攪拌機2は、図10〜図13(a)、(b)に
例示した攪拌機51に比べて小型、軽量に構成できるか
ら、これにより、攪拌機移動機構4の走行フレーム10
の架設フレーム10cの大スパン化が可能になり(例え
ば20m以上にすることも可能)、走行フレーム10が
走行する上下のレール9a、9b間の距離を拡張でき
る。その結果、廃棄物処理領域3の延在方向に垂直の方
向の寸法である幅方向寸法を大型化できる。廃棄物処理
領域3の延在方向の寸法を増大させることなく、廃棄物
処理領域3の有機廃棄物Mの収容量を増大できる。
【0024】また、廃棄物処理領域3は、貯留用壁部3
aに対する他側部の作業用開放部3cを介して廃棄物処
理領域3への重機や作業員の出入りが容易であるため、
廃棄物処理領域3での有機廃棄物Mの移動、搬出等を簡
単に効率良く行える。有機廃棄物Mの局所的な滞留や、
発酵分解の局所的な遅れ等の不都合箇所の解消のため
に、有機廃棄物Mを移動したり、搬出したりする調整作
業を効率良く短時間で行え、スクリュー攪拌機2による
有機廃棄物Mの攪拌スケジュールに影響を与えない。大
量の有機廃棄物Mを移動する場合であっても、攪拌スケ
ジュールに影響を与えることを避けることができるた
め、攪拌効率を向上できる。なお、作業用開放部3cを
介した廃棄物処理領域3への重機や作業員の出入りは、
走行フレーム10の下走行手段10bが存在しない箇所
であれば、どこでも可能である。
【0025】ところで、廃棄物処理領域3の上側と、前
記作業用開放部3c側の側部とは、それぞれカーテン2
1、22によって覆われ、有機廃棄物Mから発生する臭
気の放出が、これらカーテン21、22と、カーテン2
1の周囲に存在する外装構造物20の側壁20aや貯留
用壁部3a等によって囲まれる内側の空間23に限定さ
れるようになっている。カーテン21、22、外装構造
物20の側壁20aや貯留用壁部3a等は、外装構造物
20の内側に前記空間23を画成する覆い材として機能
する。
【0026】廃棄物処理領域3上を覆うカーテン21
は、上部覆い材として機能するものであり(以下「上部
覆い材21」と称する場合がある)、外装構造物20の
側壁20a上部のカーテン固定部24と、外装構造物2
0の屋根部20bの前記作業用開放部3c上方位置に設
けられた巻き取り装置25との間にわたって架設状態に
設けられている。但し、このカーテン21は、攪拌機移
動機構4の駆動に伴う走行フレーム10、架設フレーム
10c、スクリュー攪拌機2等の移動に干渉しないよう
になっている。巻き取り装置25から巻き出されたカー
テン21の端部は、前記カーテン固定部24に着脱可能
に固定されるようになっており、この端部の前記カーテ
ン固定部24に対する固定を解除し、前記巻き取り装置
25を駆動することでカーテン21を巻き取れば、廃棄
物処理領域3上を開放できる。
【0027】前記作業用開放部3c側の側部を覆うカー
テン22は、前記上部覆い材21の前記作業用開放部3
c上方に位置する端部近傍、つまり、巻き取り装置25
近傍から下方に吊り下げ状態に設けられている。このカ
ーテン22は、上部覆い材21にほぼ連続されているか
ら、これにより、貯留用壁部3a、貯留用壁部3a上の
外装構造物20の側壁20a、カーテン21、22によ
って、その内側に、廃棄物処理領域3を取り囲んで臭気
の放出を防止する空間23が構成される。但し、このカ
ーテン22は、攪拌機移動機構4の駆動に伴う走行フレ
ーム10、架設フレーム10c、スクリュー攪拌機2等
の移動軌跡の外側に配置され、干渉しないようになって
いる。また、このカーテン22は、作業用開放部3cの
延在方向全体にわたって設けられているが(図2、図3
参照)、作業用開放部3cに沿った延在方向複数箇所で
分割されており、この分割された単位毎に捲り上げるこ
とで部分的に開閉できる。必要部分だけ捲り上げること
で、空間23内の臭気を殆ど外部に漏らすこと無く、廃
棄物処理領域3に対する作業員や重機等の出入りが可能
である。
【0028】空間23内の臭気は、該空間23内に開口
したダクト26から吸引されて脱臭装置27に導入さ
れ、脱臭処理された後、大気放出される。空間23内の
空気(臭気)のみを脱臭装置27に導入して脱臭する構
成では、例えば外装構造物20の内部全体の空気を脱臭
装置25に導入して処理する場合に比べて、臭気の処理
に必要な空気導入量が少なくて済む。しかも、空気導入
量の減少によって、脱臭装置25の小型化、低コスト化
を図ることができるといった利点もある。空間23内の
空気の脱臭装置27への吸引、導入は、常時連続的に行
われるため、例えば、空間23を構成するカーテン2
1、22間に隙間が存在したり、カーテン22の一部を
開放した場合でも、空間23から外部への臭気の漏出が
極力抑えられる。
【0029】(第2実施形態)図5、図6に示す廃棄物
分解処理装置30は、平面視リング状に立設された貯留
用壁部31に沿ってその外側に、床部32上に有機廃棄
物Mが積んだ状態に置かれる廃棄物処理領域33が延在
され、この廃棄物処理領域33内の有機廃棄物Mが、攪
拌機移動機構34により前記廃棄物処理領域33内に移
動されるスクリュー攪拌機2によって攪拌されるように
構成されている。
【0030】前記攪拌機移動機構34は、前記貯留用壁
部31上部にて該貯留用壁部31に沿ってリング状に延
在された上部レール35a上を走行する上走行手段36
aと、前記廃棄物処理領域33の外縁部である作業用開
放部33aにて前記床部32の床面とほぼ同じ高さで前
記上部レール35aに沿って同心円状に延在設置された
下部レール35b上を走行する下走行手段36bとの間
を、ほぼ水平な架設フレーム37によって連結した構造
の走行フレーム38に、前記スクリュー攪拌機2を支持
して前記架設フレーム37に沿って走行移動(以下「横
移動」と称する場合がある)する可動フレーム11を搭
載した構造になっている。上下の各走行手段36a、3
6bは台車状であり、前記架設フレーム37は、下走行
手段36bに立設された前記支柱36c上部と上走行手
段36aとの間にほぼ水平として架設される。
【0031】走行フレーム38は、該走行フレーム38
に搭載された駆動モータ38aの駆動力によって、上下
の走行手段36a、36bの駆動輪(図示略)が駆動さ
れることで、貯留用壁部31を中心として旋回するよう
にして、廃棄物処理領域3の延在方向に沿って走行移動
する。但し、上下の走行手段36a、36bの移動速度
は、上下のレール35a、35bの周長差に対応して、
走行フレーム38の貯留用壁部31を中心とする旋回動
の安定を維持できるように調整される。ここでは、ギア
ボックス38bと回転シャフト38cとからなる駆動力
伝達機構によって、駆動モータ38aの駆動力を各走行
手段36a、36bの駆動輪に伝達するようになってい
るが、駆動力伝達機構としては、これに限定されず、例
えばベルトとプーリを用いたもの等、各種構成が採用可
能である。
【0032】可動フレーム11は、スクリュー攪拌機2
を支持した可動フレーム11が、該可動フレーム11に
搭載されたモータ(図示略)の駆動力によって、架設フ
レーム37に設けられたレール(図示略)を走行移動す
ることで、スクリュー攪拌機2を架設フレーム37に沿
った方向に自在に移動するようになっている。この可動
フレーム11には、具体的には、スクリュー攪拌機2の
攪拌機本体2bが支持される。
【0033】貯留用壁部31、廃棄物処理領域33、攪
拌機移動機構34は、この廃棄物分解処理装置30の外
装構造物20A内に設けられている。廃棄物処理領域3
3の上側は上部覆い材41としてのカーテン(以下「カ
ーテン41」と称する場合がある)によって覆われ、作
業用開放部33aの側部は、前記外装構造物20内側に
設けられたカーテン42によって覆われている。廃棄物
処理領域33に貯留された有機廃棄物Mから放出された
臭気は、前記カーテン41、42によって取り囲まれる
内側の空間43内に開口されたダクト26を介して吸引
され、外装構造物20の外側に配置された脱臭装置27
へ導入され、脱臭処理後、大気中に放出される。カーテ
ン41、42は、いずれも、外装構造物20A内に空間
43を画成する覆い材として機能するものであり、走行
フレーム41、可動フレーム11、スクリュー攪拌機2
の移動軌跡と干渉しない位置に設けられる。
【0034】廃棄物処理領域33上を覆うカーテン41
は、外装構造物20や別途廃棄物処理領域33の外側に
設けられる支持構造物等を利用して(図5では外装構造
物20のみに固定)して廃棄物処理領域33上に架設状
態に設けられ、作業用開放部33aを覆うカーテン42
は、前記作業用開放部33aの上方にて、前記廃棄物処
理領域33上を覆うカーテン41の外縁部にほぼ連続さ
れて、そこから吊り下げるようにして設けられている。
但し、カーテン42は、作業用開放部33aの延在方向
全体にわたって設けられているが、作業用開放部33a
に沿った延在方向複数箇所で分割されており、この分割
された単位毎に捲り上げることで部分的に開閉できる。
必要部分だけ捲り上げることで、空間43内の臭気を殆
ど外部に漏らすこと無く、廃棄物処理領域33に対する
作業員や重機等の出入りが可能になっている。また、作
業用開放部33aには、下部レール35b以外に大きい
突出物が無く、周囲の床とほぼ面一になっているから、
この作業用開放部33aから廃棄物処理領域33に対す
る作業員や重機等の出入りは非常に容易であり、廃棄物
処理領域33内の有機廃棄物Mの局所的な滞留や偏在を
解消する均し作業を、発酵分解の異常箇所の有機廃棄物
Mの搬出等の作業を、効率良く短時間で行うことができ
る。
【0035】この廃棄物分解処理装置30では、廃棄物
処理領域3の延在方向に沿った走行フレーム38の走行
移動と、架設フレーム37に沿った可動フレーム11の
走行(横移動)とによって、スクリュー攪拌機2を廃棄
物処理領域3に自在に移動することで、有機廃棄物Mを
攪拌し、発酵分解を促進できる。この廃棄物分解処理装
置30でも、軽量、小型のスクリュー攪拌機2を架設フ
レーム37に支持する構成であることから、架設フレー
ム37の大スパン化(架設フレーム37の長さ寸法の増
大。例えば20m以上)が可能であり、廃棄物処理領域
33の幅寸法、すなわち、平面視リング状の貯留用壁部
31から作業用開放部33aまでの距離を増大すること
ができ、廃棄物処理領域33の有機廃棄物Mの収容量の
増大を図ることができる。
【0036】いずれの実施形態の廃棄物分解処理装置
1、30でも、廃棄物処理領域3、33は、一方の側部
のみ貯留用壁部によって塞がれ、他側部が開放された構
造であるので、建設コストを大幅に低減できることはい
うまでも無い。
【0037】(攪拌機移動機構の具体例)前記各実施形
態の廃棄物分解処理装置1、30に適用される攪拌機移
動機構4、34としては、スクリュー攪拌機2を傾動、
旋回、俯仰自在に支持する構成を採用することがより好
ましい。図7、図8に示す攪拌機移動機構4、34は、
走行フレーム10、38の架設フレームに沿って移動自
在に設けられた可動フレーム11に、前記スクリュー攪
拌機2を傾動自在に支持する機構(以下「傾動機構」と
称する)を設けたものである。なお、可動フレーム11
は、架設フレーム10c、37上に設けられたレール1
5上を走行することで、架設フレームに沿った方向に自
在に移動できる。
【0038】前記傾動機構は、前記可動フレーム11
に、上に凸に湾曲された湾曲フレーム5と、この湾曲フ
レーム5の頂部5bに対応する位置で上下に延在する上
下フレーム6とを固定し、前記スクリュー攪拌機2に設
けられたフレーム移動部7を前記湾曲フレーム5に沿っ
て移動可能に支持し、前記フレーム移動部7よりも該前
記スクリュー2a先端側で前記スクリュー攪拌機2に設
けられた枢軸8を前記上下フレーム6に上下動自在に支
持し、前記フレーム移動部7が前記湾曲フレーム5に沿
って移動されることにより、前記スクリュー攪拌機2が
枢軸8を中心としてほぼ水平な軸線まわりに回転し、こ
のスクリュー攪拌機2の傾動角度が変更されるようにな
っている。
【0039】この傾動機構についてさらに具体的に説明
すると、走行フレーム10、38の移動方向に沿って延
在された前記湾曲フレーム5と、スクリュー攪拌機2に
設けられている前記枢軸8を上下動自在に支持する前記
上下フレーム6と、スクリュー攪拌機2の前記フレーム
移動部7を前記湾曲フレーム5に沿って移動する駆動機
構2eとを備えて構成されている。ここでは、前記駆動
機構2eはスクリュー攪拌機2に搭載されたモータであ
り、前記フレーム移動部7は前記湾曲フレーム5に沿っ
て設けられたラック5aにそれぞれ噛み合わされたギア
である。前記スクリュー攪拌機2は、前記可動フレーム
11の対向する両側に互いに平行として設けられた一対
の湾曲フレーム5間にて前記可動フレーム11に形成さ
れた開口部12に設けられている。前記フレーム移動部
7は、スクリュー攪拌機2の攪拌機本体2bの対向する
両側に設けられており、それぞれ前記湾曲フレーム5の
ラック5aに噛み合わされている。フレーム移動部7で
ある各ギアは、ギアボックスである攪拌機本体2bを介
して伝達される駆動機構2eの駆動力によって、同期し
て回転駆動される。前記枢軸8はスクリュー攪拌機2の
対向する両側に突出されており、それぞれ、両側の各湾
曲フレーム5の頂部に対応してそれぞれ設けられた上下
フレーム6に上下に延在形成された長穴6aに上下に移
動自在に挿入されている。
【0040】この傾動機構では、フレーム移動部7と枢
軸8との位置関係によってスクリュー攪拌機2の傾斜角
度が決まるようになっている。駆動機構2eの駆動によ
って前記フレーム移動部7であるギアを回転駆動し、こ
のフレーム移動部7の前記湾曲フレーム7の長手方向で
の位置が変更することで、スクリュー攪拌機2の傾斜角
度が変更される。この傾動機構により、前記スクリュー
攪拌機2を傾動して前記スクリュー2aを垂直下方に垂
下された状態から対向する両側へそれぞれ90度程度、
傾斜させることができる。
【0041】つまり、前記湾曲フレーム5は、湾曲され
た頂部5bから両側に可動フレーム11上面まで延びる
一対の傾斜部5c間が、前記頂部5bから離間するに従
って次第に開く形状になっており、フレーム移動部7が
前記傾斜部5cにあるときは、枢軸8が、上下フレーム
6における図7における長穴6aの左右両側の内側面6
bの一方に、スクリュー攪拌機2の自重によって押し付
けられるようにして当接し、この枢軸8と前記フレーム
移動部7との位置関係によって、スクリュー攪拌機2が
傾斜支持される。傾斜部5cに沿ってフレーム移動部7
が移動すると、枢軸8と前記フレーム移動部7との位置
関係が変化し、スクリュー攪拌機2の傾斜角度が変化す
る。また、フレーム移動部7が、湾曲フレーム5の頂部
5b付近を移動するときは、枢軸8は、長穴6aの両側
の内側面6bのいずれにも押し付けられず、長穴6a内
で上下に移動するのみであり、スクリュー攪拌機2は自
重によってフレーム移動部7から垂直下方に吊り下げら
れた状態となる。なお、フレーム移動部7は、スクリュ
ー攪拌機2のスクリュー2a先端に対向する後端部が、
湾曲フレーム5に沿って設けられた図示しない押さえガ
イドによってガイドされることで、ラック5aから離れ
ないように押さえ込まれた状態でラック5aに沿って移
動するようになっている。また、長穴6aには、両内側
面6b間に枢軸8が挟み込まれること無く、円滑に移動
できる程度の充分な幅寸法(内側面6b間の距離)が確
保されている。
【0042】スクリュー攪拌機2によって廃棄物処理領
域3、33内の有機廃棄物Mを攪拌する場合は、フレー
ム移動部7を湾曲フレーム5の頂部5bに移動してスク
リュー攪拌機2を垂直支持するか、あるいは、湾曲フレ
ーム5の傾斜部5cの下端以外、つまり傾斜部5cの長
手方向中央部か上部に移動して、スクリュー攪拌機2を
傾斜支持した状態で、スクリュー2aを回転駆動する。
スクリュー攪拌機2を傾斜支持した状態では、有機廃棄
物Mがスクリュー2aの回転駆動によって掻き揚げられ
ると同時に、スクリュー攪拌機2の後端側、例えば、図
7において実線で記載したスクリュー2aの向きであれ
ば、図7中右側へ搬送されるから、この搬送能力を利用
して、有機廃棄物Mを攪拌の度に順次、廃棄物処理領域
3、33の目的位置に向けて移動させるようにしても良
い。
【0043】また、フレーム移動部7を、湾曲フレーム
5の傾斜部5cの下端に移動すれば、スクリュー攪拌機
2をほぼ水平の向きに回転して、スクリュー2aを廃棄
物処理領域3、33内の有機廃棄物Mと接触しない程度
の高さまで上昇でき、空送り動作、つまり、スクリュー
攪拌機2を、走行フレーム11、38および可動フレー
ム11の移動によって、有機廃棄物Mとの接触無しに目
的位置に移動することが可能である。この空送り動作を
利用して、例えば有機廃棄物Mの滞留、偏在箇所にスク
リュー攪拌機2を移動できるから、有機廃棄物Mの均し
動作等も、簡単かつ迅速に行うことができる。均し動作
後の、スクリュー攪拌機2の退避も、前述の空送り動作
により、有機廃棄物Mとの無用な接触無しに簡単かつ迅
速に行える。
【0044】なお、本発明に係る廃棄物分解処理装置
は、前述の構成に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、平面視リング状以外の廃棄物処理領域として
は、例えば、蛇行して延在された貯留用壁部に沿って延
在された形状等、各種構成が採用可能である。攪拌機移
動機構の構成、すなわち、水平動機構、昇降機構、傾動
機構、旋回機構等の具体的構成は、前記実施の形態に限
定されず、適宜変更可能である。廃棄物処理領域上を覆
う上部覆い材としては、外装構造物内に架設状態に設置
されるカーテンに限定されず、例えば、外装構造物の屋
根部自体等であっても良い。
【0045】また、図9に示すように、外装構造物20
に組み込むようにして廃棄物処理領域3の直上に該廃棄
物処理領域3上を覆うように設置した脱臭装置27a
と、廃棄物処理領域3の作業用開放部3cを覆うカーテ
ン22と、その他、廃棄物処理領域3の側部や周囲に存
在する例えば外装構造物20の側壁20a等からなる覆
い材とによって外装構造物20内に画成した空間23内
の臭気を、前記脱臭装置27aに直接導入して脱臭処理
する構成を採用することも可能であり、この場合には、
脱臭装置27a自体が、廃棄物処理領域上を覆う上部覆
い材としての機能を果たす。図9に示す構成では、空間
23には別途ダクト26を設置する必要が無い。また、
図9では、廃棄物処理領域3の直上に設置した脱臭装置
27aで脱臭処理した臭気を、さらに外装構造物20外
側に設置した脱臭装置27に導入して2重に脱臭処理す
る構成を例示しているが、外装構造物20外の脱臭装置
27は省略することも可能である。図5等に示す廃棄物
分解処理装置30でも、カーテン41に代えて上部覆い
材として脱臭装置を採用することも可能である。なお、
廃棄物処理領域を囲むようにして設けられることで前記
外装構造物内部に空間を画成する覆い材としては、前記
カーテン、外装構造物の側壁、貯留用壁部以外、例え
ば、外装構造物の側壁に設けられたドアや採光窓等も含
まれる。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の廃
棄物分解処理装置によれば、ほぼ水平に延在されて、廃
棄物処理領域の対向する両側のレールを走行する各走行
手段(上走行手段および下走行手段)間を連結し、スク
リュー攪拌機を支持した可動フレームが走行移動される
架設フレームを、軽量かつ小型に形成できるスクリュー
攪拌機の採用によって長大化することができ、これによ
り、廃棄物処理領域を拡張して有機廃棄物の収容量の増
大を図ることができる。また、廃棄物処理領域の一方の
側部が作業用開放部として開放されている構成により、
側壁によって取り囲まれた内側に有機廃棄物を貯留する
構成の従来の貯留層に比べて、建設コストを低減でき
る。前記作業用開放部を介して廃棄物処理領域に対する
作業員や重機等の出入りが自由になることから、廃棄物
処理領域内での有機廃棄物の均しによる局所的な滞留、
偏在の解消等の調整作業を効率良く短時間で行える。さ
らに、一方の側部が作業用開放部として開放されている
構成の廃棄物処理領域では、有機廃棄物の搬入、搬出等
を作業用開放部を介して行える(搬出は廃棄物処理領域
低部からの搬出であっても良い)から、廃棄物処理領域
上への搬入用または搬出用のコンベアの設置が不要にな
り、臭気の放出を防止するために廃棄物処理領域上を覆
う上部覆い材の設置位置を、廃棄物処理領域に接近させ
た低い位置とすることができる。このため、廃棄物処理
領域の有機廃棄物からの臭気の放出範囲が、作業用開放
部を覆うカーテンと上部覆い材とによって廃棄物処理領
域を囲むようにした内側の空間に限定されるから、臭気
を脱臭処理する脱臭装置への空気導入量を減少でき、脱
臭装置の小型化、低コスト化を実現できるといった優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の廃棄物分解処理装置
を示す正断面図である。
【図2】 図1の廃棄物分解処理装置の廃棄物処理領域
並びに攪拌機移動機構を示す平面図である。
【図3】 図1の廃棄物分解処理装置の廃棄物処理領域
並びに攪拌機移動機構を示す側面図である。
【図4】 図1の廃棄物分解処理装置に適用されたスク
リュー攪拌機を示す図であって、(a)はスクリューの
長手方向中央部を示す正面図、(b)はスクリューの正
回転、(c)はスクリューの逆回転を示す図である。
【図5】 本発明の第2実施形態の廃棄物分解処理装置
を示す正断面図である。
【図6】 図5の廃棄物分解処理装置の廃棄物処理領域
とスクリュー攪拌機と攪拌機移動機構とを示す平面図で
ある。
【図7】 図1の廃棄物分解処理装置に搭載されている
スクリュー攪拌機、並びに、このスクリュー攪拌機の傾
動機構を示す側面図である。
【図8】 図7の平面図である。
【図9】 廃棄物処理領域上に設置した脱臭装置と、廃
棄物処理領域の作業用開放部を覆うカーテンとを利用し
て、外装構造物内部に空間を画成した構造の廃棄物分解
処理装置を示す正断面図である。
【図10】 従来例の廃棄物分解処理装置を示す図であ
って、円形槽を備えて構成された廃棄物分解処理装置を
示す正断面図である。
【図11】 図10の廃棄物分解処理装置の円形槽と攪
拌機と分配コンベアとを示す平面図である。
【図12】 図10の廃棄物分解処理装置に適用される
攪拌機の一例を示す断面図である。
【図13】 従来例の廃棄物分解処理装置を示す図であ
って、平面視長方形状の貯留槽を備えて構成された廃棄
物分解処理装置を示す図であり、(a)は平面図、
(b)は側面図である。
【符号の説明】
1…廃棄物分解処理装置、2…スクリュー攪拌機、2a
…スクリュー、2b…攪拌機本体、3…廃棄物処理領
域、3a…貯留用壁部,覆い材、3b…床部、3c…作
業用開放部、4…攪拌機移動機構、9a…上部レール、
9b…下部レール、10…走行フレーム、10a…上走
行手段、10b…下走行手段、10c…架設フレーム、
11…可動フレーム、20…外装構造物、20a…覆い
材(側壁)、20b…覆い材,上部覆い材,(屋根
部)、21…覆い材,上部覆い材(カーテン)、22…
覆い材,カーテン、23…空間、26…ダクト、27…
脱臭装置、27a…脱臭装置,上部覆い材、30…廃棄
物分解処理装置、31…貯留用壁部,覆い材、32…床
部、33…廃棄物処理領域、33a…作業用開放部、3
4…攪拌機移動機構、35a…上部レール、35b…下
部レール、36a…上走行手段、36b…下走行手段、
37…架設フレーム、38…走行フレーム、41…覆い
材,上部覆い材(カーテン)、42…カーテン、43…
空間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家畜から排出される糞尿、家庭から排出
    される生ごみ、下水の汚泥等の有機廃棄物を発酵分解処
    理する廃棄物分解処理装置であって、 立設して水平方向に延在された貯留用壁部に沿ってその
    一方の側に、床部上に有機廃棄物が積んだ状態に置かれ
    る廃棄物処理領域が延在され、この廃棄物処理領域内の
    有機廃棄物が、攪拌機移動機構により前記廃棄物処理領
    域内に移動されるスクリュー攪拌機によって攪拌される
    ように構成され、 前記攪拌機移動機構は、前記貯留用壁部上部にて該貯留
    用壁部に沿って延在された上部レール上を走行する上走
    行手段と、前記廃棄物処理領域の前記貯留用壁部に対向
    する側部である作業用開放部にて前記床部の床面とほぼ
    同じ高さで前記上部レールと平行に延在設置された下部
    レール上を走行する下走行手段との間を、ほぼ水平な架
    設フレームによって連結した構造の走行フレームに、前
    記スクリュー攪拌機を支持して前記架設フレームに沿っ
    て走行移動する可動フレームが搭載され、 前記スクリュー攪拌機は、前記可動フレームに支持され
    た攪拌機本体から突出状態に設けられた長尺のスクリュ
    ーの回転駆動により、前記廃棄物処理領域内の有機廃棄
    物を攪拌するようになっていることを特徴とする廃棄物
    分解処理装置。
  2. 【請求項2】 家畜から排出される糞尿、家庭から排出
    される生ごみ、下水の汚泥等の有機廃棄物を発酵分解処
    理する廃棄物分解処理装置であって、 リング状に立設された貯留用壁部に沿ってその外側に、
    床部上に有機廃棄物が積んだ状態に置かれる廃棄物処理
    領域が延在され、この廃棄物処理領域内の有機廃棄物
    が、攪拌機移動機構により前記廃棄物処理領域内に移動
    されるスクリュー攪拌機によって攪拌されるように構成
    され、 前記攪拌機移動機構は、前記貯留用壁部上部にて該貯留
    用壁部に沿ってリング状に延在された上部レール上を走
    行する上走行手段と、前記廃棄物処理領域の外縁部であ
    る作業用開放部にて前記床部の床面とほぼ同じ高さで前
    記上部レールに沿って延在設置された下部レール上を走
    行する下走行手段との間を、ほぼ水平な架設フレームに
    よって連結した構造の走行フレームに、前記スクリュー
    攪拌機を支持して前記架設フレームに沿って走行移動す
    る可動フレームが搭載され、 前記スクリュー攪拌機は、前記可動フレームに支持され
    た攪拌機本体から突出状態に設けられた長尺のスクリュ
    ーの回転駆動により、前記廃棄物処理領域内の有機廃棄
    物を攪拌するようになっていることを特徴とする廃棄物
    分解処理装置。
  3. 【請求項3】 前記廃棄物処理領域上を覆う上部覆い材
    と、前記作業用開放部の側部を覆うカーテンとが、それ
    ぞれ、前記攪拌機移動機構の駆動による走行フレーム、
    可動フレーム、スクリュー攪拌機の移動軌跡と干渉しな
    い位置に設けられ、前記作業用開放部を含んで前記廃棄
    物処理領域を外側から覆う外装構造物の内部に、前記上
    部覆い材と前記カーテンとを含む覆い材によって廃棄物
    処理領域を囲むようにした空間が画成されていることを
    特徴とする請求項1または2記載の廃棄物分解処理装
    置。
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