JP2001079399A - 酢酸メチルおよび酢酸合成用触媒、その製造方法並びに該触媒による酢酸メチルおよび酢酸の合成法 - Google Patents

酢酸メチルおよび酢酸合成用触媒、その製造方法並びに該触媒による酢酸メチルおよび酢酸の合成法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、液相反応において簡略化された工程
により酢酸メチルおよび酢酸を合成し得る触媒、その製
造方法並びに該触媒を用いる酢酸メチルおよび酢酸の合
成法を提供する。 【解決手段】塩基性化合物からなる担体にロジウムを担
持した酢酸メチルおよび/または酢酸合成用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタノールおよび
/またはジメチルエーテルと一酸化炭素とを反応させて
酢酸メチルおよび/または酢酸を合成し得る触媒、該触
媒の製造方法並びに該触媒による酢酸メチルおよび/ま
たは酢酸の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタノールのカルボニル化による酢酸メ
チルおよび酢酸の合成方法としては、加圧下において、
ヨウ化物およびロジウム錯体の存在下において行われる
液相合成法(いわゆるモンサント法)が実用化されてい
る。
【0003】しかし、この液相合成法ではロジウム触媒
が液中に溶解しており、蒸留などの方法による生成物か
らの触媒分離が必要であるので、反応工程が複雑となる
という問題点がある。
【0004】一方、活性炭等の担体にニッケル等の金属
を担持した触媒の存在下に、気相でメタノール或いはメ
タノールの脱水生成物であるジメチルエーテルおよびヨ
ウ化物を流通させて、酢酸メチルおよび酢酸を合成する
方法が提案されている。
【0005】しかしながら、この気相合成法では、原料
を気化させる工程などが必要なことから、モンサント法
などの液相合成法に比べて反応工程がより一層複雑とな
るという大きな問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液相合成法
において簡略化された工程により、酢酸メチルおよび酢
酸を合成し得る触媒、その製造方法並びに該触媒を用い
る酢酸メチルおよび酢酸の合成法を提供することを主な
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、塩基性化合物を担体とし、これにロジウム
を触媒金属として担持させた触媒を液相反応による酢酸
メチルおよび/または酢酸の合成用触媒として使用する
場合には、反応工程を簡略化し得ると共に、高い触媒活
性および高い反応選択性を発揮することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記の酢酸メチルおよび
/または酢酸の合成用触媒、その製造方法並びに該触媒
を用いた酢酸メチルおよび/または酢酸の合成方法に係
るものである。 1.塩基性化合物からなる担体にロジウムを担持した酢
酸メチルおよび/または酢酸合成用触媒。 2.塩基性化合物が、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、
酸化セリウム、酸化ジルコニウムおよびアルミナからな
る群から選択される少なくとも一種である上記1に記載
の酢酸メチルおよび/または酢酸合成用触媒。 3.担持されたロジウムの平均粒子径が、5nm以下であ
る上記1〜2のいずれかに記載の酢酸メチルおよび/ま
たは酢酸合成用触媒。 4.酢酸メチルおよび/または酢酸の合成用触媒の製造
方法であって、(1)pH2〜8の条件下において、ロジウム
化合物溶液に塩基性化合物を浸漬し、塩基性化合物に水
酸化ロジウムを析出させ触媒前駆体を得る工程、および
(2)得られた触媒前駆体を加熱する工程を有することを
特徴とする酢酸メチルおよび/または酢酸の合成用触媒
の製造方法。 5.メタノールおよび/またはジメチルエーテルと一酸
化炭素とを液相反応させて酢酸メチルおよび/または酢
酸を合成する方法において、塩基性化合物にロジウムを
担持した触媒およびヨウ化物の存在下に合成反応を行わ
せることを特徴とする方法。 6.副生したジメチルエーテルと未反応のメタノールと
を分離回収し、原料に添加することを特徴とする上記5
に記載の方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、塩基性化合物からなる
担体にロジウムを担持した酢酸メチルおよび/または酢
酸合成用触媒に係る。
【0010】本発明触媒において使用される担体は、塩
基性化合物であれば特に制限されない。塩基性化合物
は、化合物表面に塩基点を有し、二酸化炭素などの酸性
化合物を吸着する。このような化合物としては、例え
ば、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸
化ジルコニウム、アルミナなどを例示することができ
る。これらの中では、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、
酸化セリウムなどが好ましい。これらの化合物は、単独
で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
【0011】ハイドロタルサイトとは、天然に存在する
層状鉱物の一つであり、天然ハイドロタルサイトは、例
えばMg6Al2(OH)16(CO3)・4H2Oなどの組成式で表される。
本発明では、天然ハイドロタルサイトの他に、Mg4Al2(O
H)12CO3などの合成ハイドロタルサイト、CO3アニオンを
他のアニオン(例えば、NO3 -、SO4 2-など)で置換したハ
イドロタルサイトなども使用できる。
【0012】本発明の触媒に担持されているロジウムの
平均粒子径は、所定の効果が得られる限り特に制限され
ない。ロジウムの平均粒子径は、水素吸着法による測定
値として、通常5nm以下程度ある。ロジウムの平均粒子
径は、X線回折パターンにおいて、2θ=41.1°付近にあ
るロジウム由来のピークが観察されない程度、即ち3nm
以下程度であることが好ましい。特に好ましいロジウム
の平均粒子径は、水素吸着法による測定値として、1〜
2.5nm程度である。なお、ロジウムの平均粒子径は、3nm
以下程度になるとロジウム由来のピークが観察されなく
なり、一方、ロジウムの平均粒子径が3nm以上程度にな
ると、2θ=41.1°付近に、半値幅が3°未満のピークが
観測される。
【0013】本発明の触媒におけるロジウム担持量は、
使用する担体の種類等に応じて適宜設定することができ
るが、ロジウムと担体との合計重量に対して、通常0.1
〜5wt%程度、好ましくは0.2〜3wt%程度である。ロジ
ウムの担持量が小さいほどロジウムの分散度が高くな
る、即ちロジウムの粒子径を小さくできるので、ロジウ
ム当たりの触媒活性を高めることができる。一方、ロジ
ウムの担持量が小さすぎると、十分な触媒活性が得られ
ない。
【0014】本発明による触媒の形状は特に制限され
ず、例えば、粉末状、粒状、細片状などを例示すること
ができる。触媒の粒度は、所定の効果が得られる限り特
に制限されないが、通常10〜100メッシュ程度、好まし
くは30〜80メッシュ程度である。触媒は、所望の粒度を
有する担体を用いて製造しても良いし、或いは、担体に
ロジウムを担持後、所望の粒度となるように粉砕しても
良い。前者の方が、より好ましい。
【0015】本発明の触媒は、常法に従って、ペレット
状、円筒状などに成形して使用してもよい。成形方法
は、自体公知の方法を用いることができ、例えば、反応
に悪影響を与えない公知のバインダー(例えば、シリカ
ゲルなど)と混合し成形する方法などが挙げられる。成
形後の触媒の大きさは、特には制限されないが、通常0.
5〜5mm程度、好ましくは1〜2mm程度である。
【0016】本発明の触媒は、例えば、以下の工程を有
する製造方法によって製造することができる。 (1)pH2〜8の条件下において、ロジウム化合物溶液に塩
基性化合物を浸漬させ、塩基性化合物に水酸化ロジウム
を析出させ触媒前駆体を得る工程、および(2)得られた
触媒前駆体を加熱する工程。
【0017】工程(1)は、pHが2〜8の条件下において、
ロジウム化合物溶液に塩基性化合物を浸漬させ、塩基性
化合物に水酸化ロジウムを析出させ触媒前駆体(以下、
単に「前駆体」ということがある)を得る工程である。
【0018】工程(1)において用いるロジウム化合物
は、水溶液中でRh3+を解離する化合物であれば特に制限
されない。この様な化合物として、例えば、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウム、塩化ロジウム、酢酸ロジウムなどを
挙げることができる。
【0019】ロジウム化合物溶液は、これらの化合物を
水、メタノール、アセトン、これらの混合溶媒などの溶
媒に溶解させることにより調製することができる。これ
らの中では、水が好ましい。
【0020】調製したロジウム化合物溶液のpHが2〜8の
範囲にない場合には、pHが2〜8になるように調整する。
pH調整は、公知の方法、例えばpHが所望の値よりも小さ
い場合にはアルカリ性化合物溶液を添加する方法などに
より行うことができる。用いるアルカリ性化合物は、特
に制限されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアなど
を例示することができる。pHが8を越えると水酸化ロジ
ウムが析出するので、pHが8を越えないようにpHを調節
するのが好ましい。
【0021】溶液のpH調整は、ロジウム化合物溶液に塩
基性担体を浸漬させる前に行ってもよく、或いは塩基性
担体を浸漬させてから行ってもよい。
【0022】工程(1)では、水酸化ロジウムを塩基性化
合物上に析出させたのち、必要に応じて、析出した水酸
化ロジウムを1〜24時間程度、溶液中においてそのまま
熟成させてもよい。熟成時のpHは、通常8〜11程度であ
る。pH調整は、公知の方法、例えばpHが所望の値よりも
小さい場合には、アルカリ性化合物溶液を添加する方法
などにより行うことができる。用いるアルカリ性化合物
は、特に制限されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニ
アなどを例示することができる。
【0023】熟成を行う場合の温度は、特に制限されな
いが通常20〜60℃程度である。
【0024】得られた前駆体は、ろ別などの公知の方法
により、単離することができる。前駆体は、必要に応じ
て、水洗し、乾燥などをしてもよい。
【0025】工程(2)は、工程(1)において得られた前
駆体を加熱する工程である。
【0026】具体的には、工程(1)において得られた前
駆体を、200〜500℃程度において、3〜10時間程度、空
気などの酸化雰囲気下において加熱する。
【0027】本発明の触媒は、必要に応じて、更に還元
処理を行うことにより、触媒の活性度をより高めること
ができる。この様な還元処理として、例えば、水素、一
酸化炭素などの還元ガス雰囲気下における気相還元処
理、メタノール、ホルムアルデヒドなどの還元剤を用い
る液相還元処理などを挙げることができる。水素還元処
理としては、具体的には、ロジウム触媒を、水素雰囲気
下、200〜500℃程度において、3〜10時間程度加熱する
方法を例示することができる。
【0028】本発明の触媒は、一旦使用した後、必要に
応じて、水素などの還元雰囲気下において加熱処理する
ことなどにより、再生することができる。
【0029】本発明の触媒製造方法は、塩基性担体上に
水酸化ロジウムを析出させることによって担持させるの
で、大きな比表面積を有するロジウム、即ち小さな粒子
径を有するロジウムを担持させた触媒を製造することが
できる。
【0030】本発明の触媒は、メタノールと一酸化炭素
とを液相反応させて酢酸メチルおよび/または酢酸を合
成する方法において、例えば、以下の反応条件下で、触
媒活性を発揮する。
【0031】本発明の触媒の使用量は、所定の効果が得
られる限り特に制限されないが、原料となるメタノール
に対して、重量比で、通常0.1〜10%程度、好ましくは
0.5〜5%程度である。
【0032】反応の促進剤として少量のヨウ化物を添加
する。この様なヨウ化物として、ヨウ化メチル、ヨウ化
エチル、ヨウ化プロピルなどが挙げられる。これらの中
では、ヨウ化メチルが好ましい。ヨウ化物の添加量は、
特に制限されず、使用する担体の種類や触媒の量などに
より適宜設定することができるが、原料となるメタノー
ルに対してモル比で、通常0.01〜0.1倍程度、好ましく
は0.02〜0.05倍程度である。
【0033】本発明の触媒を用いて酢酸を合成する場合
には、反応系に更に水を添加すると、より反応効率が高
まるので好ましい。添加する水の量は特には制限されな
いが、原料となるメタノールに対して、重量比で通常1
以下程度、好ましくは0.2〜0.6程度である。
【0034】反応圧力は、通常1〜10MPa程度、好ましく
は3〜7MPa程度である。一酸化炭素分圧は、通常0.1〜5M
Pa程度、好ましくは0.5〜1MPa程度である。一酸化炭素
は、アルゴンなどの希ガス、窒素などの不活性ガスによ
り希釈したものを用いても良い。不活性ガスによる希釈
を行わなかった場合の反応圧力は、ほぼメタノール分圧
と一酸化炭素分圧の和に等しい。
【0035】反応温度は、通常130〜300℃程度、好まし
くは150〜250℃程度である。反応温度が低すぎる場合に
は、触媒活性が低下し、一方、反応温度が高すぎる場合
には、原料であるメタノールの分圧が上昇し、反応圧力
が高くなりすぎる。
【0036】反応時間は、使用する原料の種類や組成
比、目的とする生成物の種類などにより適宜設定するこ
とができる。酢酸メチルを得る場合には、通常1〜24時
間程度、好ましくは2〜10時間程度である。反応時間が
長くなりすぎると、水が副生するので酢酸が生成し始め
る。反応系に水を添加せずに酢酸を得る場合の反応時間
は、通常24〜72時間程度、好ましくは30〜50時間程度で
ある。反応系に水を添加し酢酸を得る場合の反応時間
は、通常1〜24時間程度、好ましくは2〜10時間程度であ
る。
【0037】本発明の触媒は、ジメチルエーテルと一酸
化炭素とを反応させて酢酸メチルおよび/または酢酸を
合成する方法においても触媒活性を発揮する。本発明の
触媒は、ジメチルエーテルを反応原料とする合成方法に
おいても、メタノールを反応原料とする合成方法と同様
の反応条件において、使用することができる。
【0038】本発明触媒の存在下に、メタノールを原料
として酢酸メチルおよび/または酢酸を合成すると、ジ
メチルエーテルが副生する。本発明の合成方法において
は、副生したジメチルエーテルと未反応メタノールとを
共に分離回収し、原料に添加することにより循環再利用
して、酢酸メチルおよび/または酢酸を合成することが
できる。
【0039】
【発明の効果】本発明による触媒は、生成物から極めて
容易に分離できる。本発明の触媒は、酢酸メチルおよび
酢酸の合成において、液相で高い触媒活性を示す。本発
明の触媒は、水や酢酸が反応系中に共存しても高い触媒
活性を発揮する。
【0040】本発明触媒の存在下に、メタノールを原料
として酢酸メチルおよび/または酢酸を合成した際に副
生するジメチルエーテルは、軽油の代替燃料として有用
である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
【0042】実施例1 硝酸ロジウム(Rh(NO3)3)0.13gを200mlの蒸留水に溶解さ
せて硝酸ロジウム溶液を調整した。この溶液のpHは3で
あった。この溶液にハイドロタルサイト粉末(Mg 4Al2(O
H)12CO3、粒度:30〜50メッシュ)2gを加え、ロジウム水酸
化物をハイドロタルサイトに析出させた。
【0043】水酸化ロジウムを析出させた後、0.5規定
の水酸化ナトリウムを加え、溶液のpHを10に調整した。
この溶液を5時間攪拌熟成して、前駆体を得た。得られ
た前駆体をろ別し、十分に水洗して乾燥させた。更に、
前駆体を400℃で5時間空気中で加熱し、触媒を得た。得
られた触媒を400℃で2時間水素還元することにより、触
媒の活性化を行った。
【0044】得られた触媒は、ロジウムがハイドロタル
サイトに高分散担持されたものであり、ロジウムの担持
量は3.0wt%であった。得られた触媒のX線回折パターン
においてロジウム由来のピークは認められなかったの
で、ロジウムの平均粒子径は3nm以下であった。
【0045】実施例2 硝酸ロジウムの量を0.04gとした以外は、実施例1と同
様の方法を用いて触媒を製造した。
【0046】得られた触媒はロジウムがハイドロタルサ
イトに高分散担持されたものでありロジウムの担持量は
0.8wt%であった。試料のX線回折パターンにおいて、ロ
ジウム由来のピークは認められなかったので、ロジウム
の平均粒子径は3nm以下であった。
【0047】実施例3 硝酸ロジウムの量を0.09gとした以外は、実施例1と同
様の方法を用いて触媒を製造した。
【0048】得られた触媒はロジウムがハイドロタルサ
イトに高分散担持されたものであり、ロジウムの担持量
は1.7wt%であった。試料のX線回折パターンにおいてロジ
ウム由来のピークは認められなかったので、ロジウムの
平均粒子径は3nm以下であった。
【0049】実施例4 硝酸ロジウムの量を0.05gとし、担体として、ハイドロタ
ルサイトの代わりに酸化亜鉛粉末(ZnO、粒度:40〜60メ
ッシュ)2gを用いた以外は、実施例1と同様の方法を用い
て触媒を製造した。
【0050】得られた触媒は、ロジウムが酸化亜鉛に高
分散担持されたものであり、ロジウムの担持量は0.9wt%
であった。試料のX線回折パターンにおいてロジウム由
来のピークは認められなかったので、ロジウムの平均粒
子径は3nm以下であった。
【0051】実施例5 硝酸ロジウムの量を0.01gとし、担体として、ハイドロタ
ルサイトの代わりに酸化セリウム粉末(CeO2、粒度:60
〜80メッシュ)2gを用いた以外は、実施例1と同様の方
法を用いて触媒を製造した。
【0052】得られた触媒は、ロジウムが酸化セリウム
に高分散担持されたものであり、ロジウムの担持量は0.
2wt%であった。試料のX線回折パターンにおいてロジウ
ム由来のピークは認められなかったので、ロジウムの平
均粒子径は3nm以下であった。
【0053】実施例6 実施例1で得られた触媒を、水素雰囲気下、400℃で2時
間還元した。活性化した触媒0.2g(ロジウム量:0.058mm
ol)を、200mlのオートクレープ中に入れ、これにメタノ
ール780mmolおよびヨウ化メチル35mmolを加え、反応容
器内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素雰囲気下(0.5
MPa:45mmol)において、混合物を200℃で4時間加熱し
た。
【0054】結果、酢酸メチル(23mmol)およびジメチル
エーテル(35mmol)を得た。反応後、触媒は反応容器下部
に沈降したので、反応物は触媒から容易に分離できた。
反応後、ヨウ化メチルはほぼ定量的に回収された。
【0055】実施例7 実施例2で得られた触媒を、水素雰囲気下、400℃で2時
間還元した。活性化した触媒0.2g(ロジウム量:0.016mm
ol)を200mlのオートクレーブ中に入れ、これにメタノー
ル780mmolおよびヨウ化メチル35mmolを加え、反応容器
内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素雰囲気下(0.5MP
a:45mmol)において、混合物を200℃で4時間加熱した。
【0056】結果、酢酸メチル21mmolおよびジメチルエ
ーテル29mmolを得た。反応後、ヨウ化メチルはほぼ定量
的に回収された。
【0057】実施例8 実施例3で得られた触媒を、水素雰囲気下、400℃で2時
間還元した。活性化した触媒0.2g(ロジウム量:0.033mm
ol)を、200mlのオートクレーブ中に入れ、これにメタノ
ール780mmol、ヨウ化メチル35mmolおよび水200mmolを加
え、反応容器内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素雰
囲気下(0.5MPa:45mmol)において、混合物を200℃で12時
間加熱した。
【0058】結果、酢酸メチル13mmol、酢酸22mmolおよ
びジメチルエーテル16mmolを得た。反応後、ヨウ化メチ
ルはほぼ定量的に回収された。
【0059】実施例9 実施例4で得られた触媒を、水素雰囲気下、400℃で2時
間還元した。活性化した触媒0.2g(ロジウム量:0.02mmo
l)を200mlのオートクレーブ中に入れ、これにメタノー
ル780mmolおよびヨウ化メチル35mmolを加え、反応容器
内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素雰囲気下(0.5MP
a:45mmol)において、混合物を200℃で4時間加熱した。
【0060】結果、酢酸メチル21mmolおよびジメチルエ
ーテル50mmolを得た。反応後、ヨウ化メチルはほぼ定量
的に回収された。
【0061】実施例10 実施例5で得られた触媒を、水素雰囲気下、400℃で2時
間還元した。活性化した触媒0.2g(ロジウム量:0.004mm
ol)を200mlのオートクレーブ中に入れ、これにメタノー
ル780mmolおよびヨウ化メチル35mmolを加え、反応容器
内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素雰囲気下(0.5MP
a:45mmol)において、混合物を200℃で4時間加熱した。
【0062】結果、酢酸メチル14mmolおよびジメチルエ
ーテル44mmolを得た。反応後、ヨウ化メチルはほぼ定量
的に回収された。
【0063】担体として、ハイドロタルサイトの代わり
に、酸化ジルコニウム或いはアルミナを用いた以外は実
施例1と同様の方法を用いて製造した触媒を用いて、上
記反応条件と同一の条件において酢酸メチルを合成した
場合にも、良好な結果が得られる。
【0064】比較例1 200mlのオートクレーブ中に、塩化ロジウム(RhCl3)0.04
9mmol、メタノール780mmolおよびヨウ化メチル35mmolを
加え、反応容器内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素
雰囲気下(0.5MPa:45mmol)において、混合物を200℃で4
時間加熱した。
【0065】結果、酢酸メチル16mmol、酢酸23mmolおよ
びジメチルエーテル32mmolを得た。
【0066】触媒である塩化ロジウムは反応溶液に溶解
していたので、触媒の反応溶液からの分離は蒸留により
行った。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月28日(2000.7.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 53/08 C07C 67/36 67/36 67/37 67/37 69/14 69/14 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/56 301Z (72)発明者 マヘンドラ カプール 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA05A BA16A BA16B BB04A BB04B BB06A BB06B BC35A BC35B BC43A BC43B BC71A BC71B CB72 DA05 FA06 FB14 FB19 FB20 4H006 AA02 AC46 AC48 BA24 BA37 BA55 BA81 BA85 BC14 BD33 BD34 BD51 BD52 BE40 BS10 KA32 KA33 4H039 CA65 CA66 CC30 CF30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性化合物からなる担体にロジウムを担
    持した酢酸メチルおよび/または酢酸合成用触媒。
  2. 【請求項2】塩基性化合物が、ハイドロタルサイト、酸
    化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウムおよびアルミ
    ナからなる群から選択される少なくとも一種である請求
    項1に記載の酢酸メチルおよび/または酢酸合成用触
    媒。
  3. 【請求項3】担持されたロジウムの平均粒子径が、5nm
    以下である請求項1〜2のいずれかに記載の酢酸メチル
    および/または酢酸合成用触媒。
  4. 【請求項4】酢酸メチルおよび/または酢酸の合成用触
    媒の製造方法であって、(1)pH2〜8の条件下において、
    ロジウム化合物溶液に塩基性化合物を浸漬し、塩基性化
    合物に水酸化ロジウムを析出させ触媒前駆体を得る工
    程、および(2)得られた触媒前駆体を加熱する工程を有
    することを特徴とする酢酸メチルおよび/または酢酸の
    合成用触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】メタノールおよび/またはジメチルエーテ
    ルと一酸化炭素とを液相反応させて酢酸メチルおよび/
    または酢酸を合成する方法において、塩基性化合物にロ
    ジウムを担持した触媒およびヨウ化物の存在下に合成反
    応を行わせることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】副生したジメチルエーテルと未反応のメタ
    ノールとを分離回収し、原料に添加することを特徴とす
    る請求項5に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006095001A1 (en) * 2005-03-09 2006-09-14 Albemarle Netherlands Bv Fluid catalytic cracking additive
JP2007237105A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Osaka Univ 炭素−炭素結合生成反応用触媒及びそれを用いた炭素−炭素結合の生成方法
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