JP3143745B1 - 酢酸メチルおよび酢酸合成用触媒並びに該触媒による酢酸メチルおよび酢酸の合成法 - Google Patents

酢酸メチルおよび酢酸合成用触媒並びに該触媒による酢酸メチルおよび酢酸の合成法

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Abstract

【要約】 【課題】本発明は、液相反応において用いることができ
る酢酸メチルおよび酢酸合成用触媒並びに該触媒を用い
た反応効率の高い酢酸メチルおよび酢酸の合成方法を提
供する。 【解決手段】ニッケルおよび/または銅を含有し、ハイ
ドロタルサイト構造を有する化合物からなる酢酸メチル
および/または酢酸合成用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタノールおよび
/またはジメチルエーテルと一酸化炭素とを反応させて
酢酸メチルおよび/または酢酸を合成させるための触媒
並びに該触媒による酢酸メチルおよび/または酢酸の合
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタノールのカルボニル化による酢酸メ
チルおよび酢酸の合成方法としては、加圧下において、
ヨウ化物およびロジウム錯体の存在下において行われる
液相合成法(いわゆるモンサント法)が実用化されてい
る。
【0003】しかし、この液相合成法ではロジウム触媒
が液中に溶解しており、蒸留などの方法による生成物か
らの触媒分離が必要であるので、反応行程が複雑となる
という問題点がある。また、ロジウムは高価であるの
で、コスト高の原因となる。
【0004】一方、活性炭等の担体にニッケル等の金属
を担持した触媒の存在下に、気相でメタノール或いはメ
タノールの脱水生成物であるジメチルエーテルおよびヨ
ウ化物を流通させて、酢酸メチルおよび酢酸を合成する
方法が提案されている。
【0005】しかしながら、この気相合成法では、原料
を気化させる工程などが必要なことから、モンサント法
などの液相合成法に比べて反応行程がより一層複雑とな
るという大きな問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液相合成法
において簡略化された工程により、酢酸メチルおよび酢
酸を合成し得る触媒並びに該触媒を用いた反応効率の高
い酢酸メチルおよび酢酸の合成法を提供することを主な
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、ニッケルおよび/または銅を含有し、ハイ
ドロタルサイト構造を有する化合物を、液相反応による
酢酸メチルおよび/または酢酸の合成用触媒として使用
する場合には、反応工程を簡略化し得ると共に、高い触
媒活性および高い反応選択性を発揮することを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記の酢酸メチルおよび
/または酢酸の合成用触媒、並びに該触媒を用いた酢酸
メチルおよび/または酢酸の合成方法に係るものであ
る。 1.ニッケルおよび/または銅を含有し、ハイドロタル
サイト構造を有する化合物からなる酢酸メチルおよび/
または酢酸合成用触媒。 2.ニッケルおよび/または銅の含有量が、ハイドロタ
ルサイト構造を有する化合物中、10〜60wt%である上記
1に記載の触媒。 3.錫、亜鉛、コバルト、クロムおよび鉄からなる群か
ら選択される少なくとも一種を更に含む上記1〜2のい
ずれかに記載の触媒。 4.錫、亜鉛、コバルト、クロムおよび鉄からなる群か
ら選択される少なくとも一種の含有量が、ハイドロタル
サイト構造を有する化合物中、30wt%以下である上記3
に記載の触媒。 5.メタノールおよび/またはジメチルエーテルと一酸
化炭素とを液相において反応させて酢酸メチルおよび/
または酢酸を合成する方法において、ニッケルおよび/
または銅を含有し、ハイドロタルサイト構造を有する化
合物からなる触媒およびヨウ化物の存在下において合成
反応を行わせることを特徴とする方法。 6.副生したジメチルエーテルと未反応のメタノールと
を分離回収し、原料に添加することを特徴とする上記5
に記載の方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、ニッケルおよび/また
は銅を含有し、ハイドロタルサイト構造を有する化合物
からなる酢酸メチルおよび/または酢酸合成用触媒に係
る。
【0010】ハイドロタルサイト構造は、天然鉱物の一
種であるハイドロタルサイト(例えば、Mg6Al2(OH)16CO3
・4H2O)に見られるような金属の水酸化物がなす層状構
造である。このような金属水酸化物としては、例えば、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを挙げる
ことができる。これらの中では、水酸化アルミニウムが
好ましい。ハイドロタルサイト構造を構成する金属水酸
化物は、単独であってもよいし、二種以上であってもよ
い。
【0011】ハイドロタルサイト構造は、X線回折パタ
ーンの測定により確認することができる。ハイドロタル
サイト構造を有する化合物をX線回折測定した場合の主
なピークとして、例えば、11-12°、23-24°、34-35
°、39-40°などが挙げられる。
【0012】本発明で触媒として使用する化合物は、ハ
イドロタルサイト構造を有し、且つニッケルおよび/ま
たは銅を含有することを必須とする。ニッケルおよび/
または銅の含有量は、所定の効果を得られる限り特に制
限されないが、ハイドロタルサイト構造体を有する化合
物中、通常10〜60wt%程度、好ましくは20〜50wt%程度
である。
【0013】本発明で使用する触媒の粒度は、所定の効
果が得られる限り特に制限されないが、通常10〜100メ
ッシュ程度、好ましくは30〜70メッシュ程度である。
【0014】本発明で使用する触媒の形状は特に制限さ
れず、例えば、粉末状、粒状、細片状などを例示するこ
とができる。
【0015】本発明の触媒は、ペレット状、ハニカム
状、円筒状などに成形して使用してもよい。成形方法
は、自体公知の方法を用いることができ、例えば、反応
に悪影響を与えない公知のバインダー(例えば、シリカ
ゲルなど)と混合し成形する方法、反応に悪影響を与え
ない公知のバインダー(例えば、シリカゲルなど)との混
合物を基材に塗布する方法などが挙げられる。成形後の
触媒の大きさは、特には制限されないが、通常0.5〜5mm
程度、好ましくは1〜2mm程度である。
【0016】本発明の触媒は、必要に応じて、更に錫、
亜鉛、コバルト、クロム、鉄などの遷移金属を含んでい
てもよい。これらのなかでは、錫、亜鉛が好ましい。こ
のような遷移金属を含有することにより、より触媒活性
を向上することができる。
【0017】この様な遷移金属の含有量は、所定の効果
を得られる限り特に制限されないが、ハイドロタルサイ
ト構造を有する化合物中、通常30wt%以下程度、好まし
くは20wt%以下程度である。
【0018】本発明の触媒は、例えば、以下の工程を有
する製造方法などにより製造することができる。 (1)(a)ニッケル化合物および/または銅化合物、並びに
金属水酸化物の原料となる化合物を溶解させた溶液に、
(b)アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の水酸化
物を溶解させた溶液を加え、触媒前駆体を結晶化させる
工程、および (2)得られた触媒前駆体を酸化雰囲気下で加熱する工
程。
【0019】工程(1)では、(a)ニッケル化合物および/
または銅化合物、並びに金属水酸化物の原料となる化合
物を溶解させた溶液(以下、「溶液(a)」ということがあ
る)に、(b)アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の
水酸化物を溶解させた溶液(以下、「溶液(b)」ということ
がある)を加え、触媒前駆体を結晶化させる。
【0020】溶液(a)に溶解させるニッケル化合物は、
溶液中でNi2+を解離する化合物であれば特に制限されな
い。この様な化合物として、例えば、硝酸ニッケル、塩
化ニッケル、酢酸ニッケルなどを挙げることができる。
ニッケル化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。
【0021】溶液(a)に溶解させる銅化合物は、溶液中
でCu2+を解離する化合物であれば特に制限されない。こ
の様な化合物として、例えば、硝酸銅、硫酸銅、塩化
銅、酢酸銅などを挙げることができる。銅化合物は、単
独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】金属水酸化物の原料となる化合物は、溶液
中で所望の金属イオンを解離する化合物であれば特に制
限されない。この様な化合物として、例えば、所望の金
属(例えば、アルミニウム、マグネシウムなど)の塩化
物、硝酸塩、硫酸塩などを挙げることができる。これら
のなかでは、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなど
が好ましい。金属水酸化物の原料となる化合物は、単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】溶液(a)の溶媒は、特に制限されないが、
例えば、水、メタノール、これらの混合溶媒などが例示
できる。これらの中では、水が好ましい。
【0024】溶液(a)は、溶媒に、ニッケル化合物およ
び/または銅化合物、並びに金属水酸化物の原料となる
化合物を溶解させることにより調製することができる。
【0025】溶液(a)におけるニッケル化合物および/銅
化合物の濃度は、所定の効果を得られる限り特に制限さ
れないが、通常0.1〜2mol/l程度、好ましくは0.3〜1mol
/l程度である。
【0026】溶液(a)における金属酸化物の原料となる
化合物の濃度は、所定の効果を得られる限り特に制限さ
れないが、通常0.05〜1mol/l程度、好ましくは0.1〜0.5
mol/l程度である。
【0027】溶液(a)には、必要に応じて、更に遷移金
属化合物を添加してもよい。用いる遷移金属化合物は、
溶媒中において所望の遷移金属イオンを解離する限り特
に制限されない。この様な遷移金属化合物としては、例
えば、所望の遷移金属(例えば、錫、亜鉛、コバルト、
クロム、鉄など)の塩化物、臭化物などのハロゲン化
物;酢酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩;硝酸塩、硫酸塩な
どの無機酸塩などを例示することができる。これらのな
かでは、塩化錫、ギ酸錫、臭化錫、硝酸亜鉛、塩化亜
鉛、酢酸亜鉛等が好ましい。
【0028】溶液(a)における遷移金属化合物の濃度
は、所定の効果を得られる限り特に制限されないが、通
常0.05〜1mol/l程度、好ましくは0.1〜0.5mol/l程度で
ある。
【0029】溶液(b)は、水などの溶媒に、アルカリ金
属の炭酸塩およびアルカリ金属の水酸化物を溶解させる
ことにより調製することができる。アルカリ金属の炭酸
塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムな
どが挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げら
れる。
【0030】溶液(b)の溶媒は、特に制限されないが、
例えば、水、メタノール、これらの混合溶媒などが例示
できる。これらの中では、水が好ましい。
【0031】溶液(b)におけるアルカリ金属の炭酸塩の
濃度は、所定の効果を得られる限り特に制限されない
が、通常0.1〜2mol/l程度、好ましくは0.3〜1mol/l程度
である。
【0032】溶液(b)におけるアルカリ金属の水酸化物
の濃度は、所定の効果を得られる限り特に制限されない
が、通常0.2〜3mol/l程度、好ましくは0.4〜1.5mol/l程
度である。
【0033】このように調製した溶液(a)に溶液(b)を徐
々に加える。溶液(a)と溶液(b)との混合比は、特に制限
されないが、(a)/(b)の値(体積比)は、通常0.2〜4程
度、好ましくは、0.5〜1程度である。或いは、溶液(a)
と溶液(b)との混合液のpHが、9〜11程度となるように溶
液(a)に溶液(b)を徐々に加えてもよい。
【0034】溶液(a)と溶液(b)との混合溶液を放置する
ことにより、触媒前駆体を結晶化させる。結晶化の温度
は、特に制限されないが、通常20〜120℃程度、好まし
くは50〜100℃程度である。結晶化にかかる時間は、特
に制限されないが、通常5〜40時間程度、好ましくは10
〜30時間程度である。
【0035】得られた触媒前駆体を、ろ過などの公知の
方法により単離する。得られた触媒前駆体を、必要に応
じて、洗浄したり、乾燥したりしてもよい。
【0036】工程(2)では、工程(1)において得られた
触媒前駆体を酸素雰囲気下において加熱することにより
所望の触媒を得る。
【0037】加熱は、空気などの酸化雰囲気下において
行う。加熱温度は、特に制限されないが、通常200〜500
℃程度である。加熱時間は、特に制限されないが、通常
0.5〜10時間程度である。
【0038】本発明の触媒は、メタノールと一酸化炭素
とを液相反応させて酢酸メチルおよび/または酢酸を合
成する方法において、例えば、以下の反応条件下で、触
媒活性を発揮する。
【0039】本発明の触媒の使用量は、所定の効果を得
られる限り特に制限されないが、原料となるメタノール
に対して、重量比で、通常0.1〜30%倍程度、好ましく
は1〜10%程度である。
【0040】反応の促進剤として少量のヨウ化物を添加
する。この様なヨウ化物として、ヨウ化メチル、ヨウ化
エチル、ヨウ化プロピルなどが挙げられる。これらの中
では、ヨウ化メチルが好ましい。ヨウ化物の添加量は、
特に制限されず、使用する担体の種類や触媒の量などに
より適宜設定することができるが、原料となるメタノー
ルに対してモル比で、通常0.01〜0.1倍程度、好ましく
は0.02〜0.05倍程度である。
【0041】本発明の触媒を用いて酢酸を合成する場合
には、反応系に更に水を添加するとより反応効率が高ま
るので好ましい。水の添加量は、特に制限されないが、
原料となるメタノールに対して、重量比で、通常1以下
程度、好ましくは0.2〜0.6程度である。
【0042】反応圧力は、特に制限されないが、通常0.
2〜15MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度である。一酸化
炭素分圧は、特に制限されないが、通常0.1〜5MPa程
度、好ましくは0.5〜1MPa程度である。一酸化炭素は、
アルゴンなどの希ガス、窒素などの不活性ガスなどによ
り希釈したものを用いてもよい。不活性ガスによる希釈
を行わない場合、反応圧力は、ほぼメタノール分圧と一
酸化炭素分圧の和に等しい。
【0043】反応温度は、特に制限されないが、通常13
0〜300℃程度、好ましくは150〜250℃程度である。
【0044】反応温度が低すぎる場合には、触媒活性が
低下し、一方、反応温度が高すぎる場合には、原料であ
るメタノールの分圧が上昇するので、反応圧力が高くな
りすぎる。
【0045】反応時間は、使用する原料の種類や組成
比、目的とする組成物の種類などにより適宜設定するこ
とができる。酢酸メチルを得る場合は、通常1〜30時間
程度、好ましくは5〜20時間程度である。反応時間が長
すぎると、水が副生するので、酢酸が生成し始める。反
応系に水を添加せずに酢酸を得る場合の反応時間は、通
常30〜60時間程度、好ましくは40〜50時間程度である。
反応系に水を添加し酢酸を得る場合の反応時間は、通常
1〜30時間程度、好ましくは5〜20時間程度である。
【0046】本発明の触媒は、ジメチルエーテルと一酸
化炭素とを反応させて酢酸メチルおよび/または酢酸を
合成する方法においても触媒活性を発揮する。本発明の
触媒は、ジメチルエーテルを反応原料とする合成方法に
おいても、メタノールを反応原料とする合成方法と同様
の反応条件において、使用することができる。
【0047】本発明の触媒下に、メタノールを原料とし
て酢酸メチルおよび/または酢酸を合成すると、ジメチ
ルエーテルが副生する。本発明の合成方法においては、
副生したジメチルエーテルと未反応メタノールとを共に
分離回収し、原料に添加することにより循環再利用し
て、酢酸メチルおよび/または酢酸を合成することがで
きる。
【0048】
【発明の効果】本発明の触媒は、生成物である酢酸メチ
ルおよび酢酸から容易に分離できる。
【0049】本発明の触媒は、酢酸メチルおよび酢酸の
合成において、液相で高い触媒活性を示す。
【0050】本発明の触媒は、ロジウムなどの貴金属を
使用しないので、コスト的に有利である。
【0051】本発明の触媒は、水や酢酸が反応系中に共
存しても高い触媒活性を発揮する。
【0052】本発明触媒の存在下に、メタノールを原料
として酢酸メチルおよび/または酢酸を合成した際に副
生するジメチルエーテルは、軽油の代替燃料として有用
である。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
【0054】実施例1 硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)37.5mmol、塩化スズ(SnCl4)12.
5mmol、硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)16.5mmolを含有す
る100mlの水溶液に、炭酸ナトリウム(Na2CO3)50mmol、
水酸化ナトリウム(NaOH)150mmolを含有する150mlの水溶
液を室温で徐々に加えた後、90℃で24時間放置して触媒
前駆体を結晶化させた。得られた触媒前駆体を濾過、洗
浄、乾燥し、400℃で5時間空気中で加熱することによ
り、ニッケル含有ハイドロタルサイト構造触媒を得た。
【0055】得られた触媒のニッケル含有量は、ハイド
ロタルサイト構造体中、29wt%であった。触媒の錫含有
量は、ハイドロタルサイト構造中、20wt%であった。得
られた触媒の粒度は、40〜60メッシュ程度であった。試
料のX線回折パターンには、12°、24°、35°および39
°にピークがみられたので、試料がハイドロタルサイト
構造を有していることが確認された。
【0056】実施例2 硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)49.5mmol、硝酸アルミニウム(A
l(NO3)3)16.5mmolを含有する100mlの水溶液に、炭酸ナ
トリウム(Na2CO3)50mmol、水酸化ナトリウム(NaOH)150m
molを含有する150mlの水溶液を室温で徐々に加えた後、
90℃で24時間放置して触媒前駆体を結晶化させた。得ら
れた触媒前駆体を濾過、洗浄、乾燥し、400℃で5時間空
気中で加熱することにより、ニッケル含有ハイドロタル
サイト構造触媒を得た。
【0057】得られた触媒のニッケル含有量は、ハイド
ロタルサイト構造中、48wt%であった。得られた触媒の
粒度は、40〜60メッシュ程度であった。試料のX線回折
パターンには、12°、24°、35°および39°にピークが
みられたので、試料がハイドロタルサイト構造を有して
いることが確認された。
【0058】実施例3 硝酸銅(Cu(NO3)2)37.5mmol、硝酸亜鉛(Zn(NO3)2)12.5mm
ol、硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)16.5mmolを含有する10
0mlの水溶液に炭酸ナトリウム(Na2CO3)50mmol、水酸化
ナトリウム(NaOH)150mmolを含有する150mlの水溶液を室
温で徐々に加えた後、90℃で24時間放置して触媒前駆体
を結晶化させた。得られた触媒前駆体を濾過、洗浄、乾
燥し、400℃で5時間空気中で加熱することにより、銅含
有ハイドロタルサイト構造触媒を得た。
【0059】得られた触媒の銅含有量は、ハイドロタル
サイト構造体中、37wt%であった。触媒の亜鉛含有量
は、ハイドロタルサイト構造中、13wt%であった。得ら
れた触媒の粒度は、40〜60メッシュ程度であった。試料
のX線回折パターンには、12°、24°、35°および40°
にピークがみられたので、試料がハイドロタルサイト構
造を有していることが確認された。
【0060】実施例4 実施例1で得られた触媒0.2gを、200mlのオートクレー
ブ中に入れ、これにメタノール780mmolおよびヨウ化メ
チル35mmolを加え、反応容器中を一酸化炭素で置換し
た。一酸化炭素雰囲気下(1.2MPa:108mmol)、200℃で12
時間加熱した。反応後、触媒は、反応容器下部に沈降す
るので、反応溶液は容易に触媒から分離できた。
【0061】結果、酢酸メチル32mmolおよびジメチルエ
ーテル(28mmol)を得た。反応後、ヨウ化メチルはほぼ定
量的に回収された。
【0062】実施例5 実施例2で得られた触媒を、200mlのオートクレーブ中
に0.2g入れ、これにメタノール780mmolおよびヨウ化メ
チル35mmolを加え、一酸化炭素で反応容器内を置換し
た。一酸化炭素雰囲気下(1.2MPa:108mmol)、200℃で12
時間加熱した。反応後、触媒は、反応容器下部に沈降す
るので、反応溶液は容易に触媒から分離できた。
【0063】結果、酢酸メチル22mmolおよびジメチルエ
ーテル40mmolを得た。反応後、ヨウ化メチルはほぼ定量
的に回収された。
【0064】実施例6 実施例3で得られた触媒を、200mlのオートクレーブ中
に0.2g入れ、これにメタノール780mmolおよびヨウ化メ
チル35mmolを加え、反応容器内を一酸化炭素で置換し
た。一酸化炭素雰囲気下(1.2MPa:108mmol)、200℃で12
時間加熱した。反応後、触媒は、反応容器下部に沈降す
るので、反応溶液は容易に触媒から分離できた。
【0065】結果、酢酸メチル15mmolおよびジメチルエ
ーテル74mmolを得た。反応後、ヨウ化メチルはほぼ定量
的に回収された。
【0066】実施例7 実施例1で得られた触媒0.2gを、200mlのオートクレー
ブ中に入れ、これにメタノール780mmol、水200mmolおよ
びヨウ化メチル35mmolを加え、反応容器内を一酸化炭素
で置換した。一酸化炭素雰囲気下(1.2MPa:108mmol)、20
0℃で12時間加熱した。反応後、触媒は、反応容器下部
に沈降するので、反応溶液は容易に触媒から分離でき
た。
【0067】結果、酢酸メチル6mmol、酢酸11mmolおよ
びジメチルエーテル24mmolを得た。反応後、ヨウ化メチ
ルはほぼ定量的に回収された。
【0068】比較例1 ニッケルや銅を含有しないマグネシウム、アルミニウム
の水酸化物からなる市販のハイドロタルサイト(富田製
薬製、HT5-6)0.2gを200mlのオートクレーブ中に入れ、
これにメタノール780mmolおよびヨウ化メチル35mmolを
加え、反応容器内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素
雰囲気下(1.2MPa:108mmol)、200℃で12時間加熱した。
反応生成物は得られなかった。
【0069】比較例2 含浸法で調製したニッケル5wt%、スズ5wt%をアルミナに
担持したハイドロタルサイト構造を有さない触媒0.2g
を、200mlのオートクレーブ中に入れ、これにメタノー
ル780mmolおよびヨウ化メチル35mmolを加え、反応容器
内を一酸化炭素で置換した。一酸化炭素雰囲気下(1.2MP
a:108mmol)、200℃で12時間加熱した。反応後、触媒
は、反応容器下部に沈降するので、反応溶液は容易に触
媒から分離できた。
【0070】結果、酢酸メチル0.4mmolおよびジメチル
エーテル1.5mmolを得た。反応後、ヨウ化メチルはほぼ
定量的に回収された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平5−301840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C07B 61/00 300

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタノールおよび/またはジメチルエーテ
    ルと一酸化炭素とを液相において反応させる酢酸メチル
    および/または酢酸合成用触媒であって、ニッケルおよ
    び/または銅が、ハイドロタルサイト構造の一部を構成
    する化合物からなることを特徴とする触媒。
  2. 【請求項2】ニッケルおよび/または銅の含有量が、ハ
    イドロタルサイト構造を有する化合物中、10〜60wt%で
    ある請求項1に記載の触媒。
  3. 【請求項3】更に、錫、亜鉛、コバルト、クロムおよび
    鉄からなる群から選択される少なくとも一種が、ハイド
    ロタルサイト構造の一部を構成する請求項1〜2のいず
    れかに記載の触媒。
  4. 【請求項4】錫、亜鉛、コバルト、クロムおよび鉄から
    なる群から選択される少なくとも一種の含有量が、ハイ
    ドロタルサイト構造を有する化合物中、30wt%以下であ
    る請求項3に記載の触媒。
  5. 【請求項5】ハイドロタルサイト構造を構成する金属水
    酸化物が、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マ
    グネシウムである請求項1〜4のいずれかに記載の触
    媒。
  6. 【請求項6】 メタノールおよび/またはジメチルエーテ
    ルと一酸化炭素とを液相において反応させて酢酸メチル
    および/または酢酸を合成する方法において、ニッケル
    および/または銅が、ハイドロタルサイト構造の一部を
    構成する化合物からなる触媒およびヨウ化物の存在下に
    おいて合成反応を行わせることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】触媒が、更に、錫、亜鉛、コバルト、クロ
    ムおよび鉄からなる群から選択される少なくとも一種が
    ハイドロタルサイト構造の一部を構成する化合物からな
    ることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】触媒のハイドロタルサイト構造を構成する
    金属水酸化物が、水酸化アルミニウムおよび/または水
    酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項6また
    は7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 副生したジメチルエーテルと未反応のメタ
    ノールとを分離回収し、原料に添加することを特徴とす
    る請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
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