JP2692181B2 - メタノール分解触媒の製法 - Google Patents
メタノール分解触媒の製法Info
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Description
素を製造する為のメタノール分解用触媒の製法に関する
ものである。
ることができ、且つ輸送が容易であることから石油代替
のエネルギー源、及び化学工業用原料源として注目され
ている。メタノールの接触分解により得られる水素と一
酸化炭素の混合ガスは、各種内燃機関の燃料や各種合成
化学工業の原料ガスとして用いられる。又、この混合ガ
スから水素と一酸化炭素を分離し、水素は燃料電池用や
各種化合物の水素添加用等に、又一酸化炭素は各種化合
物のカルボニル化用等に用いられる。
を含有する触媒の使用が良く知られている。例えば、In
dustrial&Engineering Chemistry,40,583〜586(194
8)では銅−ニッケル担持型触媒を使用すること、又日
化誌、64,423〜430(1942)では酸化亜鉛触媒を使用す
ることが記載されている。また日化誌、92,659〜669(1
971)では、ニッケルがメタノール分解能を有すること
が記載されている。又、特開昭57−68140には、貴金属
触媒を使用することが開示されている。
び貴金属系の3種類に大別できる。
く、又ニッケル系触媒の場合にはメタンが副生し易いこ
と等の問題がある。貴金属触媒の場合には工業的に触媒
費が嵩むこと等の問題がある。
いる。例えば、銅及びニッケル成分をアルミナやシリカ
等に担持させた触媒等が検討されている。又、特開昭62
−176545では、銅−ニッケル−シリカの共沈澱触媒が開
示されている。
ウムの水溶性塩の混合溶液に水酸化アルカリを添加して
得られる共沈澱触媒や更にアルミニウムのリン酸塩を混
合した触媒が開示されている。
つ水素及び一酸化炭素への選択率が高いこと、及び触媒
の強度も含めて長寿命であること、更には安価であるこ
と等が要求されるが、これらの点で公知の触媒では未だ
不充分である。
は、水素及び一酸化炭素への選択率は比較的高いが活性
が低く、又触媒強度も不充分である為、工業的に使用す
ることはできない。
は、強度的には充分であるが、アルミナの酸性点により
ジメチルエーテルが生成し易く、水素及び一酸化炭素へ
の選択率が低い欠点がある。
には、触媒性能が低く実用に供し得ない。例えば、特開
昭62−176545には銅−ニッケル−シリカの共沈澱触媒が
開示されているが、低温での触媒活性が低いことに加え
て、メタンの副生が多く水素及び一酸化炭素への選択率
も充分ではない。
より、銅−ニッケル−アルミニウムの3成分共沈澱触
媒、及びこの3成分に更にアルミニウムのリン酸塩を添
加した触媒を調製して検討した結果、これらの触媒は常
圧下の反応では優れた活性及び選択性を示すが、加圧下
ではメタノール反応率と、水素及び一酸化炭素への選択
率とが共に大きく低下するものであった。
ガスからの水素及び一酸化炭素の分離、更にはそれに続
く各ガスの合成化学への適用等を考慮し、メタノール分
解反応を加圧下で行うことが好ましく、加圧下での活性
及び選択性に優れた触媒の開発が要求される。
ル分解反応用の銅−ニッケル系改良触媒の開発を行っ
た。即ち、銅塩の水溶液と塩基性沈澱剤とを混合して得
られる沈澱物とニッケル塩の水溶液と塩基性沈澱剤とを
混合して得られる沈澱物との混合物、又は銅塩及びニッ
ケル塩の混合水溶液と塩基性沈澱剤とを混合して得られ
る共沈澱物に対して、アルミニウムのリン酸塩を添加す
る方法で調製した触媒は、加圧下においても高い水素及
び一酸化炭素選択性を示すことができることを見出して
いる。
性能を示すものであるが、より高圧領域で使用する場合
には水素及び一酸化炭素への選択性が低下し、高純度の
水素と一酸化炭素の混合ガスを得る為には未だ不充分で
あった。
意検討を続けた結果、銅塩の水溶液と塩基性沈澱剤とを
混合して得られる沈澱物とニッケル塩の水溶液と塩基性
沈澱剤とを混合して得られる沈澱物との混合物、又は銅
塩及びニッケル塩の混合水溶液と塩基性沈澱剤とを混合
して得られる共沈澱物に対して、アルミニウムのリン酸
塩と共にアルカリ金属化合物を加えると言う触媒調製法
を採ることにより、活性、選択性、及び強度に優れ且つ
又加圧下においても高性能を有するメタノール分解触媒
が得られることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
塩基性沈澱剤とを混合することにより、水に不溶性の銅
化合物及び/又はニッケル化合物を沈澱物として析出さ
せ、その共沈澱物又は各沈澱の混合物にアルミニウムの
リン酸塩とアルカリ金属化合物を加えることから成るメ
タノール分解触媒の製法である。
溶性の塩であり、例えば硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸
塩等が挙げられる。又沈澱生成に用いられる塩基性沈澱
剤は、従来知られいる沈澱剤、例えばアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、及びアンモニアの水酸化物、炭酸塩、
重炭酸塩等である。一般に、沈澱剤として炭酸塩と重炭
酸塩を使用した場合には、最終的に調製される触媒が脆
いと言う性質を有しているが、本発明方法の場合にはこ
れらの沈澱剤も問題なく使用できる。
ニッケル0.01〜2原子、好ましくは0.05〜1.5原子であ
る。ニッケル量を2原子より多くするとメタンが生成し
易くなり、逆に0.01原子より少なくするとギ酸メチル、
ジメチルエーテルが生成し易くなる。
は、沈澱物生成に必要な等量よりも僅か過剰に用いる。
銅及びニッケルの沈澱物を得る方法としては、同時に共
沈澱物として得る方法と、別個に得た沈澱物を混合する
方法とがあり、何れの方法をも適用できるが、両者を共
沈澱物として得る方法が効果的である。
は、リン酸アルミニウム、リン酸一水素アルミニウム、
及びリン酸二水素アルミニウム等であるが、結晶水の有
無、及び結晶構造等には制限はなく、両成分を含有する
ものであればよい。
合計量の金属1原子に対して、アルミニウム金属として
0.01〜1原子であり、好ましくは0.05〜0.5原子であ
る。アルミニウムのリン酸塩の添加量が、この範囲より
も少ない場合には触媒活性が低く触媒強度も悪くなり、
逆に多い場合にはジメチルエーテル、メタン等の副生成
物が生成し易くなり目的反応への選択性が低下する。
塩と共に添加するアルカリ金属化合物は、水酸化物、塩
化物、硫化物、酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、リン酸塩、酢酸塩、及びシュウ酸塩等が使用さ
れ、特にナトリウム、カリウム、リチウムの水酸化物、
酸化物、炭酸塩、硝酸塩、及びリン酸塩等が好ましい。
量の金属1原子に対して、アルカリ金属として1原子以
下であり、好ましくは0.01〜0.5原子の範囲である。ア
ルカリ金属化合物の添加量が、この範囲よりも少ない場
合には効果が現れず、逆に多い場合には触媒活性が低下
する。
ニウムのリン酸塩に不純物としてアルカリ金属化合物が
含まれる場合には、その分を勘案して決められる。
酸塩及びアルカリ金属化合物の添加法は、沈澱物と各添
加成分が均一に混合される方法であれば良く、擂潰、混
練攪拌等の方法で行うことができる。又、沈澱物への各
成分の添加順序には特に制限はない。
り高い温度、好ましくは80〜130℃で乾燥し、200〜800
℃で焼成した後、実施態様に応じて成型し、本発明の触
媒として使用する。
程度にケイソウ土、シリカ、グラファイト等のフィラー
を混合することができる。これらフィラーは、銅及びニ
ッケルの沈澱物生成時に加えても、又は沈澱物とアルミ
ニウムのリン酸塩及びアルカリ金属化合物との混合時に
加えてもよい。
し活性化してから反応に供してもよいが、反応系内にお
いてメタノール又はメタノール分解で生成する水素及び
一酸化炭素により活性化される為、未還元状態で使用を
開始しても支障はない。
した分解反応に適用できるものであり、少量の水やエタ
ノール等の混入も許容される。
m2であり、好ましくは0〜50Kg/cm2である。
℃である。
あり、好ましくは200〜10,000Hr-1である。
ムのリン酸塩とアルカリ金属化合物を添加して調製した
ものであり、加圧下のメタノール分解反応においても、
ジメチルエーテル、メタン、及び二酸化炭素の副生も殆
ど認められない。
ウムのリン酸塩のみを添加した触媒の場合に見られる加
圧下での触媒性能低下を略完全に抑制することができ
る。
明する。各実施例において調製した触媒の性能評価方法
は以下の通りである。
混合ガスで還元後、市販メタノールを原料としてメタノ
ール分解反応を行った。
ノールの供給速度GHSV1,000Hr-1の条件下で行った。反
応器出口ガス中のジメチルエーテル(DME)、ギ酸メチ
ル(MF)、メタノール及び生成ガス中のH2,CO,CH4,CO2
の分析は、ガスクロマトグラフィーにより行った。
各副生物への選択率は、以下の式により産出した。なお
式中の各量は(mol/Hr)とする。
モルをステンレス製容器に採り純水1.2lを加えて溶解さ
せ、ケイソウ土1.2gを加えて40℃に保った。別のステン
レス製容器に重炭酸アンモニウム1.2モルを採り純水1.2
lを加えて溶解させ40℃に保った。次に攪拌下におい
て、内容物の温度を40〜45℃に保ちつつ、重炭酸アンモ
ニウム水溶液全量を注入した後、75℃に昇温した。
ルミニウム0.1モルと硝酸ナトリウム0.1モルを均一に混
合し、115℃で乾燥し、350℃にて焼成した。次に、グラ
ファイト3wt%を加えて3mmφ×3mmHに成型し触媒とし
た。
ルをステンレス製容器に採り、純水2lを加えて溶解さ
せ、ケイソウ土2.2gを加えて40℃に保った。別のステン
レス製容器に重炭酸アンモニウム2.1モルを採り、純水2
lを加えて溶解させ40℃に保った。次に攪拌下におい
て、内容物の温度を40〜45℃に保ちつつ、重炭酸アンモ
ニウム水溶液全量を注入した後、75℃に昇温した。
ウム0.5モルと硝酸カリウム0.1モルを均一に混合し、11
5℃で乾燥し、350℃にて焼成した。次に、実施例1と同
様に成型し触媒とした。
えて炭酸ナトリウム0.6モルとし、リン酸アルミニウム
の量を0.5モル用い、更に硝酸ナトリウム0.1モルに代え
て炭酸ナトリウム0.2モルとした以外は、実施例1と同
様に触媒を調製した。
えて水酸化ナトリウム2.1モルを用い、硝酸カリウム0.1
モルに代えて水酸化ナトリウム0.4モルを用い、又ケイ
ソウ土を添加しなかった以外は、実施例1と同様に触媒
を調製した。
水酸化リチウム0.1モルを用いた以外は実施例1と同様
に触媒を調製した。
は、実施例1と同様に触媒を調製した。
モル、硝酸アルミニウム0.1モルをステンレス製容器に
採り、純水1.8lを加えて溶解させ、40℃に保った。別の
ステンレス製容器に水酸化ナトリウム1.45モルを採り、
純水1.45lを加えて溶解させ40℃に保った。次に攪拌下
において、内容物の温度を40〜45℃に保ちつつ、水酸化
ナトリウム水溶液全量を注入した後、75℃に昇温した。
ミニウム0.05モルを均一に混合し、115℃で乾燥し、350
℃にて焼成した。次に、グラファイト3wt%を加えて3mm
φ×3mmHに成型した。
験結果を第1表に示す。
ルエーテル、MFはギ酸メチルを表す。
応において、工業的に充分な活性と著しく高い水素及び
一酸化炭素への選択率を達成できる。即ち、本発明の触
媒によれば、より高い圧力下でのメタノール分解による
水素及び一酸化炭素の製造プロセスが実現可能であり、
生成する水素及び一酸化炭素の分離精製工程が簡略化さ
れること、及び加圧状態での水素及び一酸化炭素が得ら
れる為に各種反応への効率的な利用が可能になること
等、本発明の工業的な意義は非常に大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】銅塩及び/又はニッケル塩の水溶液と塩基
性沈澱剤とを混合することにより、水に不溶性の銅化合
物及び/又はニッケル化合物を沈澱物として析出させ、
その共沈澱物又は各沈澱の混合物にアルミニウムのリン
酸塩とアルカリ金属化合物を加えることから成るメタノ
ール分解触媒の製法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27063888A JP2692181B2 (ja) | 1988-10-28 | 1988-10-28 | メタノール分解触媒の製法 |
US07/295,525 US4916104A (en) | 1988-01-13 | 1989-01-10 | Catalyst composition for decomposition of methanol |
EP89300260A EP0324618B1 (en) | 1988-01-13 | 1989-01-12 | Catalyst composition for decomposition of methanol |
DE8989300260T DE68900208D1 (de) | 1988-01-13 | 1989-01-12 | Katalytische zusammensetzung fuer die spaltung von methanol. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27063888A JP2692181B2 (ja) | 1988-10-28 | 1988-10-28 | メタノール分解触媒の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02119941A JPH02119941A (ja) | 1990-05-08 |
JP2692181B2 true JP2692181B2 (ja) | 1997-12-17 |
Family
ID=17488876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27063888A Expired - Lifetime JP2692181B2 (ja) | 1988-01-13 | 1988-10-28 | メタノール分解触媒の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2692181B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101376110B (zh) * | 2007-08-27 | 2010-08-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种加氢催化剂的制备方法 |
-
1988
- 1988-10-28 JP JP27063888A patent/JP2692181B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101376110B (zh) * | 2007-08-27 | 2010-08-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种加氢催化剂的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02119941A (ja) | 1990-05-08 |
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