JP2001079293A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストを抑え、メインテナンス性も考慮した
排水浄化装置を搭載した洗濯機を提供すること。 【解決手段】 洗濯槽３と連通している排水管１２中
に、濾過膜で形成され、滑らかな表面を有する第１フィ
ルター１３を設け、排水中の汚れをこし取る。こし取ら
れた汚れは、給水管８から洗濯排水方向とは逆方向に圧
力を加えて給水を行うことによって、容易に除去され
る。これによって排水浄化は、勿論のこと、優れたフィ
ルター性能を維持するとともに寿命も延伸できる。また
汚れを含んだ排水は、排水管１６を通り、目が細かい第
２フィルター１７に吸着され、清浄化された排水が機外
に排出される。第２フィルター１７の下流に設けられた
流量センサー１８によって第２フィルター１７が目詰ま
り状態であると判定されるとフィルターの掃除または交
換を使用者に促すために報知を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機に関し、特
に排水浄化装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、洗濯槽からの排水流路中に汚
水浄化装置を備え、排水中に含まれた界面活性剤、浮遊
物質、有機物質などの汚染物質を電気分解を利用して除
去する洗濯機が知られている。（例えば、特開平１０−
１１８３９０号浩公報参照）。

【０００３】また、洗濯機とは関係のない一般的な排水
浄化装置については、ろ過、ばっ気処理、薬剤処理など
により、排水浄化を行っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
排水浄化装置は、大型であるうえに、非常に高価で、さ
らにはメインテナンス性も悪く、一般家庭用の洗濯機に
は到底利用できるものではなかった。

【０００５】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、コンパクトで簡易な構造とすることによっ
てコストを抑え、メインテナンス性も考慮した排水浄化
装置を搭載した洗濯機を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１に記載の洗濯機は、洗濯槽と、該洗濯槽と
連通している排水流路と、該排水流路に設けられ、異物
が付着し難い滑らかな表面を有するとともに異物の通過
を阻止する第１フィルターとを備えたことを特徴とす
る。

【０００７】この構成によれば、汚れ粒子を含む洗濯排
水は排水流路を通過する際に、第一フィルターで汚れ粒
子をこし取られてきれいになる。したがって、下水処理
場や河川における水質汚染の原因のひとつである家庭か
らの汚水の排出を抑えることが可能となる。

【０００８】請求項２に記載の洗濯機は、請求項１にお
いて、前記第１フィルターを洗浄するために駆動され、
前記第１フィルターの前記排水流路下流側から排水方向
とは逆方向に前記排水流路に圧力を加えて水を流す給水
装置を設け、運転終了後に前記給水装置を駆動すること
を特徴とする。この構成によれば、第１フィルターを清
浄水にて洗浄し、汚れ粒子を除去するため、長期にわた
って優れたフィルター性能を維持でき、洗濯排水の浄化
が可能となる。

【０００９】請求項３に記載の洗濯機は、請求項２にお
いて、前記第１フィルターの前記排水流路上流側に連結
され、前記給水装置の駆動時に前記排水流路を逆流して
きた水を排水する他の排水流路を設け、更に、該他の排
水流路に第二フィルターを設けたことを特徴とする。

【００１０】この構成によれば、第２フィルターを設け
た他の排水路を備えたことによって第１フィルターを洗
浄した際の汚水をも浄化可能となる。

【００１１】請求項４に記載の洗濯機は、請求項３にお
いて、前記第２フィルターの目詰まり検知を行う流量検
知手段を、前記他の排水流路中の前記第２フィルターの
下流側に設け、前記流量検知手段の検知結果に応じて前
記第２フィルターの掃除または交換時期を報知すること
を特徴とする。

【００１２】この構成によれば、第２フィルターの目詰
まりを使用者に報知し、第２フィルターの掃除または交
換を行うことによって、第２フィルター目詰まりによる
第２フィルターの洗浄行程への影響を防止するととも
に、優れたフィルター性能を維持し、円滑に排水浄化を
行うことが可能となる。

【００１３】請求項５に記載の洗濯機は、請求項３にお
いて、前記第２フィルターは汚れを内部に吸着するもの
であり、前記第２フィルターの目の粗さは、前記第１フ
ィルターの目の粗さと比較して同等か細かくしたことを
特徴とする。

【００１４】この構成によれば、第２フィルターの目を
細かくし、汚れを吸着させることによって第１フィルタ
ー洗浄時の排水の浄化が可能となる。尚、第２フィルタ
ーを大容量化することによって頻繁にメインテナンスを
行う必要がなくなり、メインテナンスに関わる労力およ
び時間を節減できる。

【００１５】請求項６に記載の洗濯機は、請求項４にお
いて、前記第２フィルターを着脱可能とするとともに洗
濯機本体外装近傍に配置し、且つ前記第２フィルターの
着脱時に取外されるサービス蓋を前記洗濯機本体外装に
設けたことを特徴とする。

【００１６】この構成によれば、第２フィルターのメイ
ンテナンスが容易となり、メインテナンス性を良好にす
るとともに優れたフィルター性能の維持が図れる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、
添付図面を参照して詳細に説明する。

【００１８】図１は、本発明の一実施形態にかかる洗濯
機の概略構成図である。

【００１９】洗濯機１は、外装２に図示しない方法によ
って固定された洗濯槽３と、洗濯槽３の上方に設けられ
て洗濯槽３内に給水するとともに排水流路Ａ（後述す
る）に圧力をかけて給水するための給水装置４と、洗濯
機１内の下部に設けられた排水装置９とを有している。

【００２０】洗濯槽３は、底部に攪拌翼１９を備えてお
り、該攪拌翼１９は、モーター等を含む駆動機構２０に
よって駆動され、洗いおよびすすぎ時に一方向または両
方向に回転する。

【００２１】給水装置４は、水道等の外部の給水設備
（図示せず）に接続された給水管５、を有し、該給水管
５は、電磁弁からなる給水弁６を介して二方に分岐して
いる。一方の給水管７は洗濯槽へ給水し、他方の給水管
８は排水流路Ａ（後述する）に連通している。

【００２２】排水装置９は、排水管１０、１２、１５か
らなり排水管１０が洗濯槽３に連なった排水流路Ａと、
電磁弁からなる排水弁１１、１４と、排水流路Ａを流れ
る排水中の汚れ粒子を除去するために排水管１２中に設
けられた第１フィルター１３と、排水弁１１を介して排
水流路Ａに連なる排水管１６からなる他の排水流路Ｂ
と、他の排水流路Ｂを流れる排水中の汚れ粒子を除去す
るために排水管１６中に設けられた第２フィルター１７
と、第２フィルターの目詰まりを検知する流量センサー
１８とによって構成されている。

【００２３】以下、詳細に説明する。

【００２４】洗濯槽３に投入された衣類に対し、給水弁
６を切替え、給水管７より洗濯槽３内の所定の水位まで
給水し、洗いおよびすすぎ等の行程運転を行う。運転を
終了すると汚れ粒子を含む洗濯排水は、排水管１０およ
びＡ１方向に切替え開栓された排水弁１１を通過し、第
１フィルター１３によって汚れ粒子および異物等を除去
され、浄化された後、Ａ２方向に切替え開栓された排水
弁１４から排水管１５を通り、機外へ排出される。

【００２５】第１フィルター１３は、例えば、不織布等
の通水性を有する支持体の表面にフッ素含有ポリイミド
樹脂からなる膜部をコーティングにより形成したもので
あり、排水中に溶解している界面活性剤等の洗剤の洗浄
成分粒子および水等の通過を許容する一方、汚れ粒子、
洗剤のビルダーの一つであるゼオライト、溶け残った塊
状の洗剤等の通過を阻止するものである。

【００２６】また、第１フィルター１３の表面は、多孔
性の膜であり、コーティングにより形成された膜部によ
って表面の凹凸が少なく、滑らかに形成されており、表
面には粒子が付着し難くなっている。それゆえ、第１フ
ィルター１３の通過を阻止された粒子が表面に溜まった
としても内部に吸着されず、その結果、排水方向とは逆
方向に圧力を加えて給水することにより容易に除去でき
る。

【００２７】第１フィルター１３によって除去され、該
第１フィルター１３表面に滞留している汚れ粒子は、積
層すると水の通過を阻害し、排水能力を著しく低下させ
る。そのため、運転終了後に給水弁６を給水管８へ切替
えるように開栓し、給水管８から排水流路Ａに第１フィ
ルター１３の下流側から排水方向とは逆方向に圧力を加
えて給水を行い（事前に排水弁１４をＢ１方向に水が流
れるように開栓する）、第１フィルター１３の洗浄を行
う。その後、汚れ粒子を含む排水は、事前にＢ２方向に
水が流れるように開栓された排水弁１１を通過し、第２
フィルター１７に汚れ粒子を吸着させて、浄化された状
態で機外に排出される。

【００２８】図２は、第２フィルター１７の目詰まり検
知動作を示すフローチャートである。使用者により洗濯
槽３に洗濯物が投入され、操作部（図示せず）を介して
運転開始の指示が与えられると、所望の行程運転を開始
する（ステップＳ１）。

【００２９】運転が終了すると（ステップＳ２）、第１
フィルター１３の汚れの如何に関わらず、給水弁６、排
水弁１１、１４を切替えるとともに洗濯排水方向とは逆
方向に圧力を加えて給水を行い、第１フィルター１３の
洗浄を行う（ステップＳ３）。

【００３０】第１フィルター１３を洗浄した、汚れ粒子
を含む排水は、排水流路Ａを洗濯排水方向とは逆方向に
流れそして他の排水流路Ｂ中を流れる。即ち、排水管１
６に流れ込む。その後、汚れを含んだ水は、排水管１６
内に備えられた第２フィルター１７に汚れを吸着させ
て、清浄化し、機外に排出される。その際に他の排水流
路Ｂ中の第２フィルター１７下流に設けられた流量セン
サー１８により、予め設定されている流量データとの比
較を行い（ステップＳ４）、初期流量の１／３未満であ
る場合には第２フィルター１７が目詰まりしていると判
定し、操作部上にＬＥＤ等によるフィルターの目詰まり
表示を行い、使用者にフィルターの掃除あるいは交換時
期であることを報知する。

【００３１】第２フィルター１７は、第１フィルターに
比べて非常に目が細かく、例えば通水性を有する不織布
にて形成したものであり、水等の通過を許容する一方、
第一フィルター１３から除去された汚れ粒子、洗剤に含
まれているゼオライト、 溶け残った塊状の洗剤等を内
部に吸着させることによって通過を阻止し、水質汚染に
繋がる物質の機外への流出を防止するものである。ま
た、第２フィルター１７は、外形をコンパクトに維持し
つつも、フィルター表面積とともに容積も大きくするこ
とによってフィルターのメインテナンスを頻繁に行う必
要が無くなり、それに関わる労力および時間を節減でき
る。

【００３２】また第２フィルターは、本体外装に設けら
れたサービス蓋を取り外すことによって容易に手が届く
位置に着脱自在に取り付けられており、メインテナンス
が容易に行え、フィルター性能の維持が図れる。

【００３３】

【発明の効果】請求項１〜３に記載の発明によれば、汚
れ粒子を含む洗濯排水は、第１フィルターで汚れ粒子を
こし取られて、浄化されるため、水質汚染の原因の一つ
である汚染物質を含む家庭排水の排出を抑えることが可
能となる。

【００３４】請求項２に記載の発明によれば、第１フィ
ルターを清浄水にて洗浄することによって、容易に汚れ
粒子を除去し、優れたフィルター性能を維持するととも
に、フィルター寿命も延伸可能となる。

【００３５】請求項３に記載の発明によれば、第１フィ
ルターを洗浄した、汚れ粒子を含む排水も第２フィルタ
ーにて浄化できるため、汚染物質を含む家庭排水の排出
を抑えることが可能となる。

【００３６】請求項４に記載の発明によれば、流量検知
手段によって第２フィルターの目詰まりを検知し、フィ
ルターの掃除および交換時期を使用者に報知することに
より、流路内の排水の滞留を防止するとともに、優れた
フィルター性能を持続し、円滑に排水浄化を行うことが
可能となる。

【００３７】請求項５に記載の発明によれば、第２フィ
ルターの目を細かくすることによって第１フィルターを
洗浄した排水からの汚れ粒子を洩らすことなく吸着で
き、排水を浄化することが可能となるとともに、メイン
テナンスサイクルが大幅に延伸可能となり、メインテナ
ンスに関わる労力および時間を節減できる。

【００３８】請求項６に記載の発明によれば、第２フィ
ルターのメインテナンスが容易になることから、メイン
テナンス性を良好にし、且つ優れたフィルター性能の維
持が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態にかかる洗濯機の概略構成
図である。

【図２】本実施例の洗濯機における第２フィルターの目
詰まり検知動作を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 洗濯機 ２ 外装 ３ 洗濯槽 ８ 給水管 １２、１６ 排水管 １３ 第１フィルター １７ 第２フィルター １８ 流量センサー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 慎 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 Ｆターム(参考） 3B155 AA01 AA03 AA18 AA24 BA06 BA28 BB11 CA05 CB03 CB43 CB56 FA02 FA07 FA15 FA32 FE02 FE03 FE04 FE11 FE13 FE14 FE17 KA17 KA39 KB29 LA14 LA15 LB29 MA02 MA06

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯槽と、該洗濯槽と連通している排水流
   路と、該排水流路に設けられ、異物が付着し難い滑らか
   な表面を有するとともに異物の通過を阻止する第１フィ
   ルターとを備えたことを特徴とする洗濯機。
2. 【請求項２】請求項１において、前記第１フィルターを
   洗浄するために駆動され、前記第１フィルターの前記排
   水流路下流側から排水方向とは逆方向に前記排水流路に
   圧力を加えて水を流す給水装置を設け、運転終了後に前
   記給水装置を駆動することを特徴とする洗濯機。
3. 【請求項３】請求項２において、前記第１フィルターの
   前記排水流路上流側に連結され、前記給水装置の駆動時
   に前記排水流路を逆流してきた水を排水する他の排水流
   路を設け、更に、該他の排水流路に第２フィルターを設
   けたことを特徴とする洗濯機。
4. 【請求項４】請求項３において、前記第２フィルターの
   目詰まり検知を行う流量検知手段を、前記他の排水流路
   中の前記第２フィルターの下流側に設け、前記流量検知
   手段のの検知結果に応じて前記第２フィルターの掃除ま
   たは交換時期を報知することを特徴とする洗濯機。
5. 【請求項５】請求項３において、前記第２フィルターは
   汚れを内部に吸着するものであり、前記第２フィルター
   の目の粗さは、前記第１フィルターの目の粗さと比較し
   て同等か細かくしたことを特徴とする洗濯機。
6. 【請求項６】請求項４において、前記第２フィルターを
   着脱可能とするとともに洗濯機本体外装近傍に配置し、
   且つ前記第２フィルターの着脱時に取外されるサービス
   蓋を前記洗濯機本体外装に設けたことを特徴とする洗濯
   機。