JP2001078039A - 画像処理装置および記録媒体 - Google Patents

画像処理装置および記録媒体

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JP2001078039A
JP2001078039A JP25436799A JP25436799A JP2001078039A JP 2001078039 A JP2001078039 A JP 2001078039A JP 25436799 A JP25436799 A JP 25436799A JP 25436799 A JP25436799 A JP 25436799A JP 2001078039 A JP2001078039 A JP 2001078039A
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JP25436799A
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Itaru Furukawa
至 古川
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モアレの発生の抑制などに効果がある画像処
理技術を提供する。 【解決手段】 画像は、周期画像領域抽出部10に与え
られ、画像から周期的な画像パターンの繰り返しが存在
する周期画像領域が抽出される。また、このときに周期
性指標算出部20が画像パターンの繰り返しの有無の程
度を示す周期性指標を算出する。一方、画像は、差分画
像作成部30にも与えられて差分画像が作成される。そ
の差分画像に基づいてコントラスト量算出部50が明暗
比を示す指標であるコントラスト量を算出する。その
後、ぼかし量決定部60およびシフト量決定部70が周
期性指標およびコントラスト量に基づいてそれぞれぼか
し処理の程度であるぼかし量およびシフト処理の程度で
あるシフト量を決定する。そして、決定されたぼかし量
およびシフト量に従ってそれぞれぼかし処理部95が画
像のぼかし処理を行い、シフト処理部90がシフト処理
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像に対して処理
を施す画像処理装置に係り、特には、モアレの発生の抑
制などに効果がある画像処理装置およびその処理をコン
ピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に従来より、画像処理は、CCDな
どの画像入力器で原稿または対象物体を光学的に読み取
り、デジタル化することによってデジタル画像を取得
し、そのデジタル画像に対して種々の処理を施すことに
より行われる。
【0003】例えば、画像の鮮鋭度を向上させる場合に
は取得したデジタル画像にシャープネス処理が施され
る。また、シャープネス処理以外にも、画像中の画素の
階調値を変換する階調変換処理等が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
例えば、デジタル画像に対してシャープネス処理などの
画像処理を行った場合、処理後の画像にモアレが発生す
ることがあった。
【0005】本発明者は、このようなモアレの発生状態
や発生原因を調査した。その結果、まず、このようなモ
アレは、画像内に布地や網模様、格子パターンなどの周
期性を有する画像パターンが存在する画像領域で発生す
ることが判明した。
【0006】このようなモアレは、以下のような原因で
発生すると考えられる。例えば、原稿内に図22に示す
ような周期性を有する画像パターン(白黒の縞模様)GP
Tが存在し、この原稿を画像入力器で読み取ってデジタ
ル画像を得る場合を考える。このとき、原稿の画像パタ
ーンGPTと画像入力器の光学読み取り素子(光電素子)
IDとの位置関係によって、得られたデジタル画像の各
画素の階調値は変化する。
【0007】例えば、原稿の画像パターンGPTと光電
素子IDとの位置関係が図22(a)に示す状態であれ
ば、得られたデジタル画像の各画素の階調値は、図23
(a)の階調プロファイルに示すように、白黒が明確に
分かれる「INフェイズ状態」となる。また、原稿の画
像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が図22
(b)に示す状態であれば、得られたデジタル画像の各
画素の階調値は、図23(b)の階調プロファイルに示
すように、白黒の中間値が発生する「OUTフェイズ状
態」となる。
【0008】図23に示す各階調プロファイルは「IN
フェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで相違する
が、各々の平均階調値AKIN、AKOUTは略等しい。
【0009】しかしながら、デジタル画像に、例えば、
シャープネス処理を施すと、「INフェイズ状態」で読
み取られた画像と「OUTフェイズ状態」で読み取られ
た画像とで平均階調値AKIN、AKOUTに違いが生じ
る。例えば、図23(a)、(b)に示す各画像にそれ
ぞれシャープネス処理を施すと、計算上、各画素の階調
値は各々図24(a)、(b)に示すようになる。ここ
で、計算上、階調値が階調レンジKR(図では、0〜2
55)から外れるサチレーションが起きると、その階調
値は、強制的に階調レンジKRの上下限値に修正され
る。すなわち、図23(a)、(b)に示す各画像にそ
れぞれシャープネス処理を施すと、処理後の各画素の階
調値は各々図25(a)、(b)の実線に示すようにな
る。
【0010】ここで、この例の画像パターンGPTは、
デジタル画像上で4画素周期の周期性を有しているが、
1周期ごとに、図25(a)では、白2画素だけにサチ
レーションSRが起き、図25(b)では、白1画素と
黒1画素とにサチレーションSRが起きている。その結
果、図25(a)(「INファイズ状態」)の平均階調値
AKINは、図25(b)(「OUTファイズ状態」)の平
均階調値AKOUTに比べて低くなる。
【0011】ところで、図22では、画像パターンGP
Tの白黒の幅が、光電素子IDの幅の整数倍である場合
を示したが、画像パターンGPTの白黒の幅が、光電素
子IDの幅の整数倍でない場合、原稿の画像パターンG
PTと光電素子IDとの位置関係が周期的にずれるの
で、得られた画像上では、画像パターンGPTは、「I
Nフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで読み込
まれる状態が周期的に繰り返されることになる。この場
合、このデジタル画像にシャープネス処理を施すと、平
均階調値が周期的に変動する状態が生じる。この平均階
調値が周期的に変動する状態が、モアレとなって現れる
ものと考えられる。
【0012】この周期変動は、原稿や対象物体には無い
画像であるため、画像の晶質が著しく低下することにな
る。
【0013】上記ではデジタル画像に対してシャープネ
ス処理を施した場合について説明したが、例えば、図2
6に示すようなルックアップテーブルによって各画素の
階調値を変換するような階調変換処理など、サチレーシ
ョンに偏りが生じるような画像処理を施した場合にも上
記のような平均階調値が周期的に変動する状態が発生
し、その結果、処理後の画像にモアレが発生すると考え
られる。
【0014】さらに、例えば、図27に示すようなルッ
クアップテーブルによって各画素の階調値を変換する階
調変換処理などでも、「INフェイズ状態」と「OUT
フェイズ状態」とで平均階調値に違いが生じ、上記のよ
うな平均階調値が周期的に変動する状態が発生する結
果、処理後の画像にモアレが発生すると考えられる。
【0015】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、モアレの発生の抑制などに効果がある画像処理
技術を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、画像に対して処理を施す画像処
理装置において、画像から周期的な画像パターンの繰り
返しが存在する周期画像領域を抽出する周期画像領域抽
出手段と、前記周期画像領域における注目画素につい
て、当該注目画素を含む注目領域と当該注目領域以外の
周辺領域との相関特性に基づいて画像パターンの繰り返
しの有無の程度を示す周期性指標を算出する周期性指標
算出手段と、前記画像における注目画素とその周辺画素
との明暗比を示す指標であるコントラスト量を算出する
コントラスト量算出手段と、前記周期性指標および前記
コントラスト量に基づいて、前記画像における注目画素
についてのぼかし処理の程度であるぼかし量を決定する
ぼかし量決定手段と、前記周期性指標および前記コント
ラスト量に基づいて、前記画像における注目画素につい
てのシフト処理の程度であるシフト量を決定するシフト
量決定手段と、前記ぼかし量決定手段により決定された
ぼかし量に基づいて、前記画像における注目画素につい
てのぼかし処理を行うぼかし処理手段と、前記シフト量
決定手段により決定されたシフト量に基づいて、前記画
像における注目画素についてのシフト処理を行うシフト
処理手段と、を備えている。
【0017】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
に係る画像処理装置において、前記画像の高濃度領域を
拡張した高濃度領域拡張画像と前記画像の高濃度領域を
縮小した高濃度領域縮小画像との差分である差分画像を
作成する差分画像作成手段を備え、前記差分画像から前
記コントラスト量を算出させている。
【0018】また、請求項3の発明は、請求項1または
請求項2の発明に係る画像処理装置において、前記ぼか
し処理を、前記注目画素を含む所定領域に含まれる画素
の階調値の加重平均を前記注目画素の階調値として出力
する加重平均処理とし、前記ぼかし量決定手段に、前記
周期性指標と前記コントラスト量との積であって前記ぼ
かし量を規定するためのぼかし量規定値に基づいて前記
加重平均処理に使用する加重平均フィルタを選択するフ
ィルタ選択手段を含ませている。
【0019】また、請求項4の発明は、請求項1ないし
請求項3のいずれかの発明に係る画像処理装置におい
て、前記周期性指標算出手段に、前記注目領域と前記周
辺領域との前記相関特性を複数のしきい値を用いて判定
することにより前記周期性指標を算出させている。
【0020】また、請求項5の発明は、請求項2から請
求項4のいずれかの発明に係る画像処理装置において、
前記差分画像作成手段に、前記差分画像内を複数の領域
に分割し、前記複数の領域のそれぞれに含まれる画素の
階調値を平均化して1つの画素の階調値として出力する
ことにより、前記差分画像をバイリニア縮小する縮小手
段と、前記バイリニア縮小によって得られた縮小画像に
対してメディアンフィルタによるフィルタ操作を施すフ
ィルタ手段と、前記フィルタ操作後の縮小画像に含まれ
る画素の階調値を補間しつつ、当該縮小画像を前記差分
画像と同等の大きさに拡大することにより、加工後の差
分画像を得る拡大手段と、を含ませている。
【0021】また、請求項6の発明は、請求項3から請
求項5のいずれかの発明に係る画像処理装置において、
前記ぼかし量規定値によって表現されたぼかし対象画像
および前記シフト量を規定するためのシフト量規定値に
よって表現されたシフト対象画像を表示するための表示
手段をさらに備え、前記ぼかし量決定手段に、前記ぼか
し対象画像の中の所定領域を指定するための第1領域指
定手段と、前記第1領域指定手段によって指定された第
1指定領域内であってそのぼかし量規定値が第1のしき
い値以上である画素についてのぼかし量規定値を修正す
る第1修正手段と、を含ませ、前記シフト量決定手段
に、前記シフト対象画像の中の所定領域を指定するため
の第2領域指定手段と、前記第2領域指定手段によって
指定された第2指定領域内であってそのシフト量規定値
が第2のしきい値以上である画素についてのシフト量規
定値を修正する第2修正手段と、を含ませている。
【0022】また、請求項7の発明は、請求項1から請
求項6のいずれかの発明に係る画像処理装置において、
前記周期画像領域抽出手段に、前記画像に対してシャー
プネス処理を施した後に前記周期画像領域を抽出させて
いる。
【0023】また、請求項8の発明は、コンピュータ
に、画像から周期的な画像パターンの繰り返しが存在す
る周期画像領域を抽出する手順と、前記周期画像領域に
おける注目画素について、当該注目画素を含む注目領域
と当該注目領域以外の周辺領域との相関特性に基づいて
画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周期性指標
を算出する手順と、前記画像における注目画素とその周
辺画素との明暗比を示す指標であるコントラスト量を算
出する手順と、前記周期性指標および前記コントラスト
量に基づいて、前記画像における注目画素についてのぼ
かし処理の程度であるぼかし量を決定する手順と、前記
周期性指標および前記コントラスト量に基づいて、前記
画像における注目画素についてのシフト処理の程度であ
るシフト量を決定する手順と、決定された前記ぼかし量
に基づいて、前記画像における注目画素についてのぼか
し処理を行う手順と、決定された前記シフト量に基づい
て、前記画像における注目画素についてのシフト処理を
行う手順と、を実行させる画像処理プログラムを記録し
たコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0025】<第1実施形態> <1.画像処理装置の全体構成>図1は、本発明に係る
画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック
図である。この画像処理装置はいわゆるコンピューター
システムを用いて構成されている。CPU1は、内部メ
モリ2に記憶された処理プログラムに従って、モアレの
発生を抑制する画像処理(後述する周期画像領域の抽出
処理やコントラスト量算出を含む一連の処理であり、以
下「モアレ抑制処理」とも略す)の他、シャープネス処
理などの通常の画像処理も実行する。CPU1と内部メ
モリ2とはバスラインBLを介して接続されている。内
部メモリ2には、上述した処理プログラムを記憶するプ
ログラム記憶部2a以外にも、少なくともモアレ抑制処
理を施す前のデジタル画像(以下、「処理前画像」とも
言う)を記憶する処理前画像記憶部2bやモアレ抑制処
理を施した後のデジタル画像(以下、「処理後画像」と
も言う)を記憶する処理後画像記憶部2cを有する。
【0026】また、CPU1は、入出カインターフェイ
スIFを介して、記録媒体用ドライバ3、外部記憶装置
4、表示装置5、入力装置6、画像入力器7などにも接
続されている。
【0027】記録媒体用ドライバ3には、上述した各処
理をCPU1に実行させるための処理プログラムが記録
されている記録媒体8が装填される。記録媒体8から読
み出された処理プログラムは内部メモリ2内のプログラ
ム記憶部2aに記憶され、CPU1に実行される。
【0028】ハードディスクや光磁気ディスクなどで構
成される外部記憶装置4は、処理前画像や処理後画像な
どの画像の保存などに用いられる。また、CRTなどで
構成される表示装置5は、処理前画像や処理後画像、シ
ャープネス処理後の画像などの表示などに用いられる。
さらに、キーボードやマウスなどで構成される入力装置
6は、オペレータからの各種の指示や処理に必要なデー
タの設定などに用いられる。
【0029】入力スキャナなどで構成される画像入力器
7によって読み込まれたデジタル画像(処理前画像)は、
内部メモリ2内の処理前画像記憶部2bに記憶され、こ
の処理前画像に対して、後述するような周期画像領域の
抽出処理やコントラスト量算出等の各処理が施される。
【0030】図2は、図1の画像処理装置の機能的構成
を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この
画像処理装置は機能的に、周期画像領域抽出部10と、
周期性指標算出部20と、差分画像作成部30と、コン
トラスト量算出部50と、ぼかし量決定部60と、シフ
ト量決定部70と、シフト量生成部80と、シフト処理
部90と、ぼかし処理部95とを備えている。さらに、
差分画像作成部30は、加工部40を含んでいる。これ
らの処理部はいずれも、CPU1内において、上記処理
プログラムによって実現される手段であり、それぞれの
機能および処理内容については後に詳述する。
【0031】<2.画像処理の手順>図3は、画像処理
装置における画像処理の処理手順の概要を示すフローチ
ャートである。画像処理に先立って、原稿または対象物
体が画像入力器7によってデジタル画像として読み込ま
れ、処理前画像記憶部2bに記憶される。そして、読み
込まれたデジタル画像は、周期画像領域抽出部10に与
えられ、画像から周期的な画像パターンの繰り返しが存
在する周期画像領域が抽出される(ステップS1)。ま
た、このときに後述する相関特性に基づいて、周期性指
標算出部20が画像パターンの繰り返しの有無の程度を
示す周期性指標を算出する(ステップS2)。
【0032】一方、読み込まれたデジタル画像は、差分
画像作成部30にも与えられ、処理前画像から差分画像
が作成される。差分画像は加工部40によって加工さ
れ、その加工後の差分画像に基づいてコントラスト量算
出部50が明暗比を示す指標であるコントラスト量を算
出する(ステップS3)。なお、ステップS1,S2の
処理とステップS3の処理とはその処理順序が逆であっ
ても良い。
【0033】その後、ぼかし量決定部60が上記の周期
性指標およびコントラスト量に基づいてぼかし処理の程
度であるぼかし量を決定する(ステップS4)。また、
シフト量決定部70が上記の周期性指標およびコントラ
スト量に基づいてシフト処理の程度であるシフト量を決
定する(ステップS5)。なお、ステップS4の処理と
ステップS5の処理とはその処理順序が逆であっても良
い。
【0034】そして、決定されたぼかし量に従ってぼか
し処理部95が読み込まれた画像のぼかし処理を行い
(ステップS6)、決定されたシフト量に従ってシフト
処理部90がシフト処理を行う(ステップS7)。
【0035】以上のような概略手順に従って画像処理は
行われる。なお、ステップS1からステップS7の処理
は画像中の画素単位で行われるものであり、原則として
読み込まれた画像の全画素について行われる。また、処
理が終了した画像は処理後画像記憶部2cに記憶され
る。
【0036】以下、図3の各処理手順についてさらに詳
細に説明する。
【0037】<2−1.周期画像領域の抽出および周期
性指標の算出>周期性を有する画像パターンが存在する
画像領域、すなわちモアレの発生が予測される周期的な
画像パターンの繰り返しが存在する周期画像領域の抽出
は、周期画像領域抽出部10が処理前画像の自己相関特
性を調べることにより行われる。
【0038】具体的には、まず、処理前画像のある画素
を注目画素(xc,yc)として、以下の数1によって注目画
素(xc,yc)の周辺領域の自己相関データS(a,b)を求め
る。
【0039】
【数1】
【0040】但し、ABS{}は絶対値を求める関数、
P(x,y)は処理前画像の画素(x,y)の階調値、m,nは差
分積算領域Eを決める定数、a,bは自己相関を比較す
るズラシ量、wx,wyは1つの中心画素(xc,yc)に対し
て自己相関特性を調べる範囲Wを決める定数である。
【0041】(xc,yc)=(4,4)、m=n=1(差分積算領域:3
×3)、wx=xy=2(a=b=-2〜+2)とした場合において、a=b=
+2のときの自己相関データS(a,b)の算出形態を図4に
示す。
【0042】なお、m,n,wx,wyは予め設定された
固定値として処理するようにしてもよいし、入力装置6
からオペレータによって適宜に変更可能に構成してもよ
い。
【0043】ところで、上記の数1では、自己相関デー
タを2次元的に求めているので処理量が多くなる。そこ
で、例えば、2次元の処理前画像内で互いに直交する2
つの画素列方向であるx方向、y方向それぞれに沿った
周期的な画像パターンの繰り返しの存在を調べて周期画
像領域を抽出するために、x方向、y方向それぞれに沿
った自己相関データH(a)、V(b)を以下の数2、数3に
よって求めて、処理の高速化を図るようにしてもよい。
【0044】
【数2】
【0045】
【数3】
【0046】(xc,yc)=(4,4)、m=1(差分積算領域:3×
1)、wx=2(a=-2〜+2)とした場合において、a=+2のとき
のx方向に沿った自己相関データH(a)の算出形態を図
5に、また、(xc,yc)=(4,4)、n=1(差分積算領域:1×
3)、wy=2(b=-2〜+2)とした場合において、b=+2のとき
のy方向に沿った自己相関データV(b)の算出形態を図
6にそれぞれ示す。
【0047】次に、上記で求めた自己相関データ(S(a,
b)、または、H(a)、V(b))に基づき、画像中における
周期的な画像パターンの繰り返しの有無を調べる。
【0048】すなわち、周期的な画像パターンの繰り返
しが存在すると、その画像パターンの周期ごとに自己相
関が高くなり、上記数1、数2、数3で求まる自己相関
データは規則的に小さくなる。従って、まず、(A)自
己相関データの極小値を検索し、(B)それら極小値が
所定レベル以下で、かつ、(C)それら極小値が規則的
に存在していることを調べる。
【0049】図7は(xc,yc)=(7,3)、m=1、wx=5(a=-5〜+
5)とした場合のP(x,y)、H(a)の一例を示すデータとそ
のH(a)をグラフ化した図である。すなわち、同図は注
目画素(xc,yc)=(7,3)について、当該注目画素を含む注
目領域と当該注目領域以外の周辺領域との相関特性を示
すものである。なお、a=0は、同じ画素同志の自己相関
であるので、H(0)=0となり極小値になる。
【0050】自己相関データH(a)について、上記
(A)の処理は、〔(H(k-1)>H(k))and(H(k)<H(k+
1))〕の条件を満たすkを+側と−側とで求める。この条
件を満たすkについてのH(k)の値が極小値となる。
【0051】上記(B)の処理は、上記(A)の条件を
満たすH(k)、すなわち極小値となるH(k)が所定のしき
い値以下となるか否かで判定する。このしきい値は、予
め入力装置6等によって複数が設定されており、例えば
図7においては、”SL1=7.5”、”SL2=5”の2つ
が設定されている。そして、極小値となるH(k)が少な
くとも最も高い値のしきい値SL1以下となっていれ
ば、上記(B)の処理において、所定レベル以下である
と判定される。
【0052】なお注目領域のコントラストが高いほど、
H(a)の全体レベルが上がるため、しきい値は固定値で
はなく、H(a)の最大値に対する比率(SLK1=58
%,SLK2=38%)で規定してもよい。
【0053】上記(C)の処理では、例えば、上記
(A)の条件を満たす+側のkをkp、−側のkをkmとした
とき(ABS{kp+km}≦1)を満たすか否かで規則性の有無
を判定する。また、例えば、上記(A)の条件を満たす
各極小値に対して、隣接する各極小値間の幅の相互の差
分の絶対値が各々1以下であるか否か、すなわち、ABS
{D(d+1)−D(d)}≦1(d=0,1,2,・・・:図7では、d=O)
によって規則性の有無を判定することもできる。後者の
判定によれば、例えば、極小値が+側、−側にそれぞれ
2個以上存在する場合にも適用できる。
【0054】H(a)に極小値が存在しても、ある程度大
きかったり(最も高い値のしきい値SL1を越えていた
り)、それら極小値が不規則に存在しているような場合
は周期性が有るとは言い難いが、上記(B)によりレベ
ル判定が行え、上記(C)により極小値の規則性が判別
でき、周期性の有無を確実に判定できる。
【0055】従って、上記(A)、(B)、(C)の条
件を全て満たす場合、注目画素(xc,yc)の周囲の範囲W
内の画像に周期的な画像パターンの繰り返しが存在する
ことになる。このことは換言すれば、注目画素(xc,yc)
の周囲の範囲W内の画像が周期画像領域として抽出され
たことを意味する。例えば、図7に示す自己相関データ
H(a)には周期性が有るため、注目画素(xc,yc)の周囲の
範囲W内の画像が周期画像領域として抽出される。これ
に対して、図8に示すような自己相関データH(a)には
周期性が無く、周期画像領域として抽出されることもな
い。
【0056】ところで、図7において、x方向の周期値
Thは((kp一km)/2))または(D(d))である。
【0057】また、上記ではx方向に沿った周期性の有
無や周期値(Th)について説明したが、y方向に沿った周
期性の有無や周期値(Tv)も同様の処理により求めること
ができる。
【0058】図9に示すように、x方向の周期値(Th)と
y方向の周期値(Tv)が判れば、周期方向θは(arctan(Tv
/Th))であり、処理前画像上の実際の周期値(周期方向
に沿った周期値)Tは(Th×sinθ)(または、Tv×cosθ)
により求めることができる。
【0059】自己相関データS(a,b)を用いた場合に
は、上記と同様の処理を2次元的に行うことで、周期性
の有無や処理前画像上の実際の周期方向及び周期値を得
ることができるが、上述したようにx方向、y方向それ
ぞれに沿った自己相関データH(a)、V(b)を用いても同
様の結果を高速に得ることができる。なお、自己相関デ
ータS(a,b)を用いた場合、実際の画像パターンの周期
を種々の方向から調べることになるが、このとき、周期
値が最小となる方向がその画像パターンの周期方向とな
る。
【0060】また、周期画像領域抽出部10が上記
(A)、(B)、(C)の処理を行う過程において、図
7に示したような相関特性に基づいて、周期性指標算出
部20が画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周
期性指標Mを算出する。自己相関データH(a)は、周期
性の度合い(画像パターンの繰り返しの有無の程度)を
示すものであるため、極小値となるH(k)がより低い値
のしきい値以下となっている場合には、周期性の度合い
が大きいと言える。例えば、図7において、極小値H(-
3)はしきい値SL1としきい値SL2との間であるのに
対して、極小値H(+3)はしきい値SL2よりも小さい。
つまり、極小値H(+3)の方が周期性の度合いが大きいこ
とを示している。従って、極小値H(k)がいずれのしき
い値以下となっているかを判定することによって、画像
パターンの繰り返しの有無の程度を判別することができ
るのである。
【0061】具体的には、以下のようにして周期性指標
算出部20が周期性指標Mを算出する。周期性指標Mの
算出に関与するのは、上記(A)の処理において極小値
と判定され、上記(B)の処理において最高しきい値S
L1以下と判定され、かつ上記(C)の処理において規
則性有りと判定された極小値H(k)のみである。但し、
H(0)は、注目画素自身との相関であって、必ず0にな
る値であるため、周期性指標Mの算出には関与しない。
従って、例えば、図7においては、しきい値SL1以下
の極小値H(-3)および極小値H(+3)がいずれのしきい値
以下となっているかによって周期性指標Mは算出され
る。なお、上記(A)、(B)、(C)の条件を満たす
H(k)が存在しない場合には、その注目画素(xc,yc)につ
いての周期性指標M(xc,yc)=0とすることにより、周
期性は存在しないものされる。
【0062】複数のしきい値のそれぞれには周期性指標
Mの値が0から1の範囲にて規定されており、例えば図
7の例では、しきい値SL1に”M=0”、しきい値S
L2に”M=1”が規定されている。そして、しきい値
SL2以下の極小値H(k)については”M(k)=1”とす
る。一方、しきい値SL1としきい値SL2との間の極
小値H(k)については、しきい値SL1としきい値SL
2との間において周期性指標Mが線形的に変化するもの
とみなして、算出する。例えば、図7の場合、以下の数
4に従って算出する。
【0063】
【数4】
【0064】そして、複数の極小値H(k)について算出
されたM(k)の平均値が注目画素(xc,yc)についての周期
性指標M(xc,yc)となる。例えば、図7においては、極
小値H(+3)はしきい値SL2よりも小さいため、M(+3)
=1となる。また、極小値H(-3)はしきい値SL1とし
きい値SL2との間であるため、数4に従い、M(-3)=
(7.5-6)/(7.5-5)=0.6となる。よって、注目画素(xc,yc)
=(7,3)についての周期性指標M(7,3)=(1+0.6)/2=0.8
となる。
【0065】なお、周期性指標Mの算出に使用するしき
い値は2つに限定されるものではなく、3つ以上であっ
ても良い。最高しきい値と最低しきい値との間において
周期性指標Mが線形的に変化する場合は、2つで十分で
あるが、非線形的に変化する場合は3つ以上のしきい値
を設定した方が好ましい。
【0066】また、上記のしきい値とは別に、自己相関
データH(a)の最大値について判定するためのしきい値
を設けるようにしても良い。自己相関データH(a)の最
大値が所定のしきい値よりも小さい場合は、均一な画像
中にノイズが存在している場合が多いと考えられ、この
ような場合は周期的な画像パターンの繰り返しであると
は言えない。従って、自己相関データH(a)の最大値が
所定のしきい値よりも小さい場合は、注目画素(xc,yc)
についての周期性指標M(xc,yc)=0とすることによ
り、周期性は存在しないものと判定するのである。
【0067】上述したような周期画像領域抽出部10お
よび周期性指標算出部20による一連の処理を、処理前
画像内の全ての画素(または、一定間隔ごとの画素でも
よい)を順次注目画素(xc,yc)として行うことにより、処
理前画像内において周期性を有する画像パターンが存在
する画像領域、すなわち周期的な画像パターンの繰り返
しが存在する周期画像領域を全て抽出することができる
とともに、注目画素(xc,yc)についての周期性の度合い
(画像パターンの繰り返しの有無の程度)である周期性
指標M(xc,yc)を算出することができる。
【0068】なお、上記処理で随時説明した周期性指標
と周期方向と周期値とを周期性データとする。
【0069】<2−2.コントラスト量の算出>次に、
コントラスト量の算出について説明する。既述したよう
に、処理前画像は差分画像作成部30にも与えられ、差
分画像作成部30、加工部40およびコントラスト量算
出部50による処理を経て注目画素(xc,yc)についての
コントラスト量C(xc,yc)が算出される。注目画素(xc,y
c)についてのコントラスト量とは、注目画素(xc,yc)と
その周辺画素との明暗比を示す指標である。
【0070】図10は、コントラスト量算出の手順を示
すフローチャートである。図10に示した各処理のう
ち、ステップS31〜ステップS33の処理は差分画像
作成部30によって、ステップS34〜ステップS36
の処理は加工部40によって、ステップS37の処理は
コントラスト量算出部50によって実行されるものであ
り、以下これらについて順に説明する。
【0071】まず、差分画像作成部30が高濃度領域拡
張画像および高濃度領域縮小画像を作成する(ステップ
S31,S32)。図11は、高濃度領域の拡張または
縮小について説明する図である。同図に示すように、白
地中に黒地の四角形の図形(斜線を付した部分)が描か
れた処理前画像の高濃度領域を拡張または縮小する場合
を例として説明する。
【0072】図11において、白地部分が階調値P=”
255”の高濃度領域であり、黒の図形部分が階調値P
=”0”の低濃度領域である。高濃度領域を拡張すると
きには、この画像に対して3×3の画素行列で構成され
るフィルタF1によるフィルタ操作を行う。フィルタF
1は、その構成画素(3×3=9画素)の階調値のうち
の最大値を中央画素の出力値とするフィルタである。そ
して、このフィルタF1を、画像に対して順次に走査さ
せることによって高濃度領域の拡張を行う。すなわち、
フィルタF1が黒の図形の周辺部分を走査するときに
は、高濃度(高階調値)である白地部分の階調値(P=
255)が出力され、当該周縁部分が黒から白地に置換
される。このことは、高濃度領域(白地)が拡張される
ことを意味しており、いわゆる太らせ処理が行われてい
ることとなる。
【0073】図12は、図11の画像の高濃度領域が拡
張された高濃度領域拡張画像を示す図である。高濃度領
域(白地)が拡張され、黒の図形部分が処理前画像より
も小さくなっている。
【0074】一方、高濃度領域を縮小するときにも上記
と同様に、処理前画像に対して3×3の画素行列で構成
されるフィルタF2によるフィルタ操作を行う。フィル
タF2は、その構成画素(3×3=9画素)の階調値の
うちの最小値を中央画素の出力値とするフィルタであ
る。従って、上記拡張と同様に、フィルタF2を処理前
画像に対して順次に走査させると、黒の図形の周辺部分
において、低濃度(低階調値)である黒の階調値(P=
0)が出力され、当該周辺部分が白地から黒に置換され
る。このことは、高濃度領域(白地)が縮小されること
を意味しており、いわゆる細らせ処理が行われているこ
ととなる。
【0075】図13は、図11の画像の高濃度領域が縮
小された高濃度領域縮小画像を示す図である。高濃度領
域(白地)が縮小され、黒の図形部分が処理前画像より
も大きくなっている。
【0076】次に、差分画像作成部30が高濃度領域拡
張画像と高濃度領域縮小画像との差分である差分画像を
作成する(ステップS33)。本実施形態における差分
画像とは、高濃度領域拡張画像の画素の階調値から当該
画素に対応する高濃度領域縮小画像の画素の階調値を減
算して得られる画像である。すなわち、以下の数5によ
って得られる画像である。
【0077】
【数5】
【0078】数5において、Pdif(x,y)は差分画像の画
素(x,y)の階調値、Pmax(x,y)は高濃度領域拡張画像の
画素(x,y)の階調値、Pmin(x,y)は高濃度領域縮小画像
の画素(x,y)の階調値である。
【0079】図14は、作成された差分画像を示す図で
ある。図11に示した処理前画像と比較すると明らかな
ように、処理前画像においてコントラストが高い領域、
すなわち、ある画素とその周辺との明暗比が大きい領域
が差分画像においては大きな階調値を有している。この
ことは、差分画像とは、処理前画像からコントラストが
高い領域を抽出した画像であることを意味しており、差
分画像の作成とは高コントラスト領域の抽出処理である
と言える。
【0080】本実施形態においては、後述のように、高
コントラスト領域にぼかし処理を施すことによってモア
レの発生を抑制している。ある程度面積の大きな高コン
トラスト領域(例えば、エアコンのフロントパネルにつ
いての画像領域)であれば、ぼかし処理が有効なのであ
るが、高コントラストであっても面積の小さな領域(例
えば、エアコンのスイッチについての画像領域)にぼか
し処理を施すと鮮鋭度を喪失するため適当ではない。そ
こで、本実施形態においては、加工部40によって上記
差分画像を加工し、高コントラストであっても面積の小
さな領域やノイズ部分を除去している(コントラストを
低下させている)。
【0081】加工部40による加工は、ステップS34
〜ステップS36の3段階の工程によって行われる。ま
ず、ステップS33にて作成された差分画像について、
加工部40がバイリニア縮小を行う(ステップS3
4)。バイリニア縮小とは、例えば、差分画像を1つの
領域が8×8の画素群で構成される複数の領域に分割
し、複数の領域のそれぞれに含まれる64の画素の階調
値を平均して1つの画素の階調値として出力する画像縮
小処理である。このようなバイリニア縮小によって、差
分画像は縦横ともに1/8に縮小されるとともに、差分
画像の階調値が平滑化されることとなる。
【0082】次に、バイリニア縮小によって得られた縮
小画像に対して加工部40がメディアンフィルタによる
フィルタ操作を行う(ステップS35)。メディアンフ
ィルタは、その構成画素(例えば、3×3=9画素)の
階調値のうちの中央値(メディアン)を中央画素の出力
値とするフィルタであり、画像中のノイズ部分を除去す
るためのフィルタである。メディアンフィルタを上記縮
小画像に対して順次に走査させると、当該縮小画像中の
ノイズ部分が除去される。縮小画像中においてノイズ部
分となるのは、元の処理前画像中における面積の小さな
高コントラスト領域やノイズ領域である。
【0083】また、縮小画像に対して3×3のメディア
ンフィルタによるフィルタ操作を行うことは、元の差分
画像に対して24×24のメディアンフィルタによるフ
ィルタ操作を行うことと実質的に等価である。フィルタ
操作は、フィルタのサイズが小さいほどCPU1の負担
が軽く、高速に実行することができる。すなわち、バイ
リニア縮小を行った後に小さなフィルタによるフィルタ
操作を行うことで、大きなフィルタによるフィルタ操作
を行ったのと同様の効果を高い処理効率にて得ることが
できるのである。
【0084】次に、フィルタ操作後の縮小画像に対して
加工部40がバイリニア拡大を行い、加工後の差分画像
を得る(ステップS36)。バイリニア拡大とは、フィ
ルタ操作後の縮小画像に含まれる画素の階調値を補間し
つつ、当該縮小画像を元の差分画像と同等の大きさに拡
大する処理である。
【0085】図15は、バイリニア拡大を概念的に説明
するための図である。フィルタ操作後の縮小画像におい
て、図15(a)に示すように、階調値P=255、P
=0、P=255の順に並ぶ画素列が存在していたとす
る。これを縦に8倍に拡大すると、図15(b)に示す
ような元の差分画像と同等の大きさの画像が得られるの
であり、このときに階調値P=255の画素と階調値P
=0の画素との間に生成された画素列L1および画素列
L2については階調値P=255と階調値P=0との間
にて直線近似にて補間(バイリニア補間)した階調値を
付与する。このようにすれば、フィルタ操作後の縮小画
像において隣接する画素の階調値が大きく異なっていた
としても、拡大後の差分画像においては階調値が滑らか
に変化する状態(いわゆる「なじむ」状態)となる。こ
のことは、後述するコントラスト量の急激な変化を抑制
して、ぼかし処理の程度の急激な変化による画質低下の
防止につながるのである。
【0086】以上のようにして、加工部40による加工
が実行されるのであり、バイリニア縮小とバイリニア拡
大との組み合わせによって差分画像に対する一種のぼか
し処理を行うとともに、メディアンフィルタによるフィ
ルタ操作を行うことによって、高コントラストであって
も面積の小さな領域やノイズ部分が十分に除去された加
工後の差分画像を取得することができる。
【0087】なお、ステップS34〜ステップS36の
加工処理は必須の処理ではなく、処理前画像中に高コン
トラストであっても面積の小さな領域等がほとんど存在
しないような場合は、省略可能な処理である。
【0088】次に、ステップS37に進み、コントラス
ト量算出部50が差分画像(加工後の差分画像または加
工を行っていない差分画像)から注目画素の階調値を検
出することによって、当該注目画素についてのコントラ
スト量を算出する。ここでの注目画素とは、既述した周
期性指標の算出時の注目画素(xc,yc)と同じである。
【0089】差分画像は、処理前画像からコントラスト
が高い領域を抽出した画像であり、その階調値が大きい
ということは、処理前画像においてコントラストが高い
ことを意味している。従って、差分画像における注目画
素(xc,yc)の階調値は、そのまま注目画素(xc,yc)とその
周辺との明暗比を示す指標となり、すなわち注目画素(x
c,yc)についてのコントラスト量C(xc,yc)となるのであ
る。
【0090】<2−3.ぼかし量の決定>以上のように
して、注目画素(xc,yc)についての周期性指標M(xc,yc)
およびコントラスト量C(xc,yc)が算出された後、ぼか
し量決定部60がそれらに基づいてぼかし処理の程度で
あるぼかし量を決定する(図3のステップS4)。本実
施形態において、ぼかし処理とは、平滑化処理のことで
あり、注目画素(xc,yc)を含む所定領域に含まれる画素
の階調値の加重平均を注目画素(xc,yc)の階調値として
出力する加重平均処理である。
【0091】ぼかし処理の具体的な手法については後述
するが、加重平均フィルタ(いわゆる平滑化フィルタ)
を用いたフィルタ操作により行っている。そして、本実
施形態では、平滑化処理に使用する加重平均フィルタを
予め複数用意しておき、それらから加重平均フィルタを
選択することによってぼかし処理の程度であるぼかし量
を決定している。
【0092】図16は、ぼかし量の決定手法を説明する
ための図である。本実施形態においては、注目画素(xc,
yc)についての周期性指標M(xc,yc)とコントラスト量C
(xc,yc)との積に基づいて加重平均フィルタを選択して
いる。すなわち、周期性指標Mとコントラスト量Cとの
積をぼかし量を規定するためのぼかし量規定値(C×
M)とする。そして、ぼかし量規定値(C×M)に基づ
き、図16に示すようなルックアップテーブル(LU
T)を用いて加重平均フィルタのID番号を決定する。
同図に示すように、ID番号として64段階(ID=0
〜63)が設定されており、ぼかし量規定値(C×M)
の値が大きくなるほど、決定される加重平均フィルタの
ID番号も大きくなる。
【0093】図17は、加重平均フィルタの例を示す図
である。図17(a)に示す最も大きなID番号の加重
平均フィルタによれば、フィルタ内の全画素の階調値が
均等に平均化され、平滑化の程度が大きい(ぼかし量が
大きい)といえる。一方、図17(b)に示す最も小さ
なID番号の加重平均フィルタによれば、フィルタ内の
中心画素の階調値がそのまま出力されることとなり、こ
れは全く平滑化が行われない(ぼかし量が0)ことを意
味する。これら以外のID番号の加重平均フィルタは、
そのID番号の大きさに応じて上記2つの加重平均フィ
ルタによる平滑化の程度の間の平滑化を行うフィルタで
あり、換言すれば、ID番号の大きな加重平均フィルタ
ほど平滑化の程度が大きくなる。
【0094】従って、ぼかし量規定値(C×M)の値が
大きくなるほど、ルックアップテーブルによって決定さ
れる加重平均フィルタのID番号が大きくなり、選択さ
れる加重平均フィルタの平滑化の程度が大きく、すなわ
ちぼかし量が大きくなるのである。
【0095】なお、ぼかし量の決定手法は、上述した手
法に限定されるものではなく、ぼかし量規定値(C×
M)の値が大きくなるほど加重平均フィルタの平滑化の
程度が大きくなるような手法であれば良い。
【0096】<2−4.シフト量の決定>次に、シフト
処理の程度であるシフト量の決定について説明する(図
3のステップS5)。シフト量の決定は、シフト量生成
部80が生成したシフト量を基準にして、シフト量決定
部70が注目画素(xc,yc)についての周期性指標M(xc,y
c)およびコントラスト量C(xc,yc)に基づいて決定す
る。
【0097】まず、シフト量生成部80が生成するシフ
ト量について説明する。処理前画像の各画素(x,y)のシ
フト量は、図18に示すように、x方向のシフト量dx
(x,y)と、y方向のシフト量dy(x,y)とにより規定され
る。なお、図18では格子状の交点部分が各画素位置で
あり、処理前画像の注目画素(xc,yc)に対するx方向の
シフト量dx(xc,yc)と、y方向のシフト量dy(xc,yc)とに
より規定されるシフト方向とシフト量とを示している。
このように、シフト量生成部80は、シフト量とともに
シフト方向(以下、これらを総称して「シフトデータ」
とする)も決定する。このようなシフトデータの決定に
は以下のような方法を採用できる。
【0098】次の数6に従って、ランダムに決定す
る。
【0099】
【数6】
【0100】但し、R(-1.0〜+1.0)は、-1.0〜+1.0の間
の乱数を発生する関数で、kmは最大シフト量(通常は0
<km≦1)である。なお、dx(x,y)を決定する際のR(-
1.0〜+1.O)とdy(x,y)を決定する際のR(-1.0〜+1.0)と
は別個であり、決定されたdx(x,y)の値とdy(x,y)の値と
は必ずしも同じではない。
【0101】このようにdx(x,y)とdy(x,y)とをランダム
に決定することにより、シフト方向とシフト量とをラン
ダムに決定することができる。生成されたシフト量は、
-1.0〜+1.0の間の値になる。
【0102】次の数7に従って、周期関数を用いて決
定する、
【0103】
【数7】
【0104】但し、kmは最大シフト量(通常は0<km≦
1)で、Fは周期関数の周波数(通常は、0<F≦1)、
R(O.0〜+1.O)はO.0〜+1.Oの間の乱数を発生する関数、
RR(x)はx座標における周期関数の初期値を規定する
データ、RR(y)はy座標における周期関数の初期値を
規定するデータである。
【0105】この周期関数は、決定しようとするシフト
方向と直交する方向に周期性を有する関数であり、dx
(x,y)の決定においてはx座標が同じdx(x,y)は全て同じ
周期関数によって決定し、dy(x,y)の決定においてはy
座標が同じdy(x,y)は全て同じ周期関数によって決定す
る。周期関数を用いた場合であっても、生成されたシフ
ト量は、-1.0〜+1.0の間の値になる。
【0106】なお、周期関数としてはsin関数に限らずc
os関数など他の周期性を有するdx(x,y)、dy(x,y)が決定
できる関数を用いることができる。
【0107】固定する。
【0108】[dx(x,y),dy(x,y)]を常に、例えば、[+0.
5,+0.5]や[+0.5,-0.5]、[-0.5,+0.5]、[-0.5,-0.5]など
に固定する。この場合、生成されたシフト量は、固定さ
れた[dx(x,y),dy(x,y)]によって規定される値となる。
【0109】以上、シフトデータの決定に関して3つの
方法を述べたが、シフト量生成部80がシフトデータを
決定するに際して上記いずれの方法を採用するかは、既
述した周期性データ、より具体的には周期値T(図9)
を参照して決定しても良い。例えば、画像パターンが2
画素周期の周期性(周期値T=2)を有するときにはの
方法を選択するのが有効である。また、本発明者の実験
により、画像パターンが所定の周期値の場合にの方法
でシフトデータを決定すると良好な結果が得られないこ
とがあったので、例えば、周期値Tが2以外で、かつ、
上記所定の周期値以外の場合はの方法を選択し、上記
所定の周期値の場合はの方法を選択することなども考
えられる。
【0110】また、の方法における周波数Fは固定値
として処理してもよいし、入力装置6からオペレータに
より設定されたデータを用いて処理してもよいし、さら
に、周期性データに基づき決定してもよい。例えば、周
期関数の周期と、画像パターンの周期とが干渉するのを
避けるような周波数Fを決定することが好ましい。
【0111】また、乱数を発生する関数R(乱数発生範
囲)による乱数の発生頻度は乱数発生範囲内で均一にし
てもよいし、例えば、0.0付近の乱数を発生し易くした
り、+1.O付近の乱数を発生し易くしたりするなど、乱数
の発生頻度を偏重させるようにしてもよい。この乱数の
発生頻度の設定は、入力装置6からオペレータにより設
定可能に構成してもよい。
【0112】また、例えば、画像パターンの周期方向が
x方向と一致していれば、dy(x,y)=0として、dx(x,y)だ
けでシフトデータを決定したり、画像パターンの周期方
向がy方向と一致していれば、dx(x,y)=0として、dy(x,
y)だけでシフトデータを決定したりすることにより、画
像パターンの周期方向だけに注目画素の位置がシフトさ
れるようにシフトデータのシフト方向を決定してもよ
い。
【0113】以上のようにして、シフト量生成部80が
シフトデータを決定し、シフト量が生成される。そし
て、生成されるシフト量は、上記いずれの方法によった
としても、−km〜+kmの間の値になる。
【0114】一方、シフト量決定部70は、後述するシ
フト処理時における実際のシフト量を規定するためのシ
フト量規定値を算出する。シフト量規定値は、上述した
ぼかし量規定値(C×M)に基づいてルックアップテー
ブルにより求められた値に周期性指標Mを乗じて得られ
る値である。
【0115】図19は、シフト量規定値の算出に用いら
れるルックアップテーブルを示す図である。ぼかし量規
定値(C×M)は上述のぼかし量決定に用いたものと同
じであり、注目画素(xc,yc)についての周期性指標M(x
c,yc)とコントラスト量C(xc,yc)との積である。図19
に示すように、ぼかし量規定値(C×M)が所定の値よ
りも小さいときは、ルックアップテーブルにより求めら
れる値は1.0である。そして、ぼかし量規定値(C×
M)が所定の値よりも大きいときは、ぼかし量規定値
(C×M)が大きくなるに従ってルックアップテーブル
により求められる値は小さくなり、ある値以上になると
ルックアップテーブルにより求められる値が0.0にな
る。すなわち、このルックアップテーブルの特性を定性
的に表現すれば、ぼかし量規定値(C×M)が大きくな
るに従って、小さな値を出力するものであると言える。
【0116】シフト量決定部70は、上記ルックアップ
テーブルにより求められる値に周期性指標Mを乗じてシ
フト量規定値Sを得る。シフト量規定値Sも注目画素ご
とに算出されるものであり、注目画素(xc,yc)について
シフト量規定値S(xc,yc)が決定されるのである。な
お、周期性指標Mは0以上1以下の値であり、図19の
ルックアップテーブルにより求められる値も0以上1以
下の値であるため、それらの積であるシフト量規定値S
も0以上1以下の値となる。
【0117】シフト量決定部70は、さらに、シフト量
生成部80が生成したシフト量にシフト量規定値Sを乗
ずることによって、最終的なシフト量、すなわちシフト
処理時における実際のシフト量を算出する。なお、最終
的なシフト量の算出も注目画素(xc,yc)ごとに行われる
ものである。また、シフト量生成部80が生成するシフ
ト量は−km以上+km以下の値であり、シフト量規定値S
は0以上1以下の値であるため、最終的なシフト量は−
km以上+kmの値となる。
【0118】以上のようにして、注目画素(xc,yc)につ
いてのシフト量が算出され、シフト方向も決定されるの
である。
【0119】<2−5.ぼかし処理およびシフト処理>
注目画素(xc,yc)についてのぼかし量およびシフト量が
上述の如く算出され、シフト方向が決定された後、その
ぼかし量に従ってぼかし処理部95が処理前画像のぼか
し処理を行い、そのシフト量およびシフト方向に従って
シフト処理部90がシフト処理をこの順序で行う(図3
のステップS6,S7)。
【0120】まず、ぼかし処理部95が行うぼかし処理
とは、ぼかし量決定部60が選択した加重平均フィルタ
(図17参照)を用いたフィルタ操作による処理であ
る。このフィルタ操作自体は、一般的なフィルタリング
処理であり、ぼかし量決定部60が選択した加重平均フ
ィルタを処理前画像の注目画素(xc,yc)に対して作用さ
せるものである。具体的には、ぼかし量決定部60が選
択した図17の如き加重平均フィルタを構成する各画素
の係数を図20のように表すとすると、この加重平均フ
ィルタからの出力Qb(xc,yc)は、次の数8に従って算
出され、この値が注目画素(xc,yc)の新たな階調値とな
る。
【0121】
【数8】
【0122】なお、P(xc,yc)が処理前画像の注目画素
(xc,yc)であることは上述の通りである。例えば、図1
7(a)に示す加重平均フィルタが選択されたとする
と、注目画素(xc,yc)を中心とする5×5画素の領域内
の各画素の階調値のそれぞれに1/25を乗じ、これら
を積算した値がフィルタの出力Qb(xc,yc)であり、注
目画素(xc,yc)の新たな階調値となる。
【0123】次に、上記ぼかし処理後にシフト処理部9
0が行うシフト処理は、上記の決定されたシフト方向お
よびシフト量に従って、注目画素(xc,yc)の位置を移動
(シフト)させる処理である。このときに、シフト後の
位置に応じた注目画素(xc,yc)の新たな階調値Q(xc,yc)
は、シフト後の位置の近傍画素の階調値を補間して求め
る。この補間法は、一般的なバイリニア法などを採用す
ることができる。
【0124】具体的には、例えば、注目画素(xc,yc)が
図18に示すようなシフト方向およびシフト量(シフト
量規定値S=1とする)に従って移動した場合、ぼかし
処理後の階調値Qb(xc,yc)、Qb(xc+1,yc)、Qb(xc,
yc+1)、Qb(xc+1,yc+1)に基づき、これら4つ画素位置
((xc,yc)、(xc+1,yc)、(xc,yc+1)、(xc+1,yc+1))の間
で階調値が線形的に変化しているものと仮定して、移動
後の注目画素(xc+dx(xc,yc),yc+dy(xc,yc))の階調値を
算出する。より具体的には、ぼかし処理後の階調値Qb
(xc,yc)、Qb(xc+1,yc)から階調値Qb(xc+dx(xc,yc),
yc)を直線近似にて算出し、ぼかし処理後の階調値Qb
(xc,yc+1)、Qb(xc+1,yc+1)から階調値Qb(xc+dx(xc,
yc),yc+1)を直線近似にて算出する。その後、これらの
階調値Qb(xc+dx(xc,yc),yc)および階調値Qb(xc+dx
(xc,yc),yc+1)から移動後の注目画素の階調値Qb(xc+d
x(xc,yc),yc+dy(xc,yc))を直線近似にて算出するのであ
る。
【0125】以上のようなぼかし処理およびシフト処理
において、ぼかし量規定値(C×M)が大きい場合に
は、平滑化の程度が大きい加重平均フィルタ(図17
(a)参照)が選択されて大きなぼかし量のぼかし処理
が行われる一方、図19のルックアップテーブルにより
シフト量が0になり、シフト処理が行われないこととな
る。ぼかし量規定値(C×M)が大きい場合とは、注目
画素の周辺において画像パターンの繰り返しの有無の程
度が大きく、かつ高コントラストであることを意味して
おり、例えばエアコンのフロントパネルについての画像
等が該当する。
【0126】このような画像にシフト処理を施すと画像
中の輪郭部分(高コントラストを発生する部分)が乱れ
て画質が劣化するのであるが、本実施形態のようにすれ
ば、大きなぼかし量のぼかし処理のみが行われてシフト
処理は実質的に行われないため、画質の劣化はほとんど
生じない。なぜなら、高コントラスト部分はUSM強調
する必要がなく、ぼかし処理をおこなっても画質が劣化
しないためである。そして、本処理後の画像に対してシ
ャープネス処理等を施したとしても、サチレーションが
抑制もしくは解消されるため、先に説明した平均レベル
の変動すなわち、平均階調値が周期的に変動する状態は
生じず、モアレの発生を抑制することができる。すなわ
ち、画像パターンの繰り返しの有無の程度が大きく、か
つ高コントラストの画像であったとしても、その画質を
劣化させることなくモアレの発生を抑制することができ
るのである。
【0127】一方、注目画素の周辺において画像パター
ンの繰り返しの有無の程度は大きいが、低コントラスト
である場合、例えば衣服の布地についての画像等の場合
は、コントラスト量Cの値が小さくなるため、ぼかし量
規定値(C×M)の値も小さくなる。従って、平滑化の
程度が小さい加重平均フィルタ(図17(b)参照)が
選択されてほとんどぼかし処理が行われない一方、シフ
ト量規定値Sの値は大きくなり、大きなシフト処理が行
われる。
【0128】画像パターンの繰り返しの有無の程度は大
きいが、低コントラストの画像である場合には、大きな
シフト処理を行っても画質が劣化はほとんどない。なぜ
なら、このようなテクスチャ領域は、ぼかし処理ではテ
クスチャが消滅するなどの問題が発生するが、シフト処
理ではテクスチャは消滅しないからである。しかも「I
Nフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」との周期性
が崩れ、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状
態」とがランダムに分散される。従って、本処理後の画
像に対してシャープネス処理等を施したとしても、平均
階調値が周期的に変動する状態は生じず、モアレの発生
を抑制することができる。すなわち、画像パターンの繰
り返しの有無の程度が大きく、かつ低コントラストの画
像であったとしても、その画質を劣化させることなくモ
アレの発生を抑制することができるのである。
【0129】なお、画像パターンの繰り返しの有無の程
度が小さな画像については、周期性指標Mの値が小さく
なるため、そのコントラストの高低の如何に関わらず、
ぼかし量規定値(C×M)の値およびシフト量規定値S
の値ともに小さくなり、ぼかし処理もシフト処理も行わ
れない。画像パターンの繰り返しの有無の程度が小さな
画像についは、そもそもモアレの発生がほとんどないも
のと考えられるため、画質の低下を回避する観点からぼ
かし処理もシフト処理も行わないのが好ましいのであ
る。
【0130】以上を集約すると、本実施形態によれば、
画像の内容に応じてぼかし処理およびシフト処理の程度
を変化させることにより、種々の種類の画像について画
質を劣化させることなくモアレの発生を抑制することが
できるのである。
【0131】<第2実施形態>第1実施形態では、しき
い値の設定等についてはオペレータよって行われるもの
の、コントラスト量Cや周期性指標Mの算出はCPU1
によって自動に行われ、それに基づいてぼかし処理やシ
フト処理が行われる。しかし、ぼかし処理やシフト処理
の程度をオペレータの判断によって変更したい場合もあ
る。例えば、自動演算の結果、エアコンのフロントパネ
ル等についての画像にわずかでもシフト処理が行われる
ような場合は、オペレータの判断によって当該部分のシ
フト量を0にできる方が好ましい。
【0132】そこで、第2実施形態においては、ぼかし
量を規定するぼかし量規定値(C×M)およびシフト量
を規定するシフト量規定値Sを変更可能としており、そ
の具体的な手法について以下に説明する。
【0133】第2実施形態においては、処理前画像をぼ
かし量規定値(C×M)によって表現したぼかし対象画
像およびシフト量規定値Sによって表現したシフト対象
画像を表示装置5に表示するようにしている。
【0134】すなわち、ぼかし量決定部60がぼかし量
規定値(C×M)を算出した後、それをルックアップテ
ーブル(図16)に適合させる前に処理前画像記憶部2
bに一旦記憶させる。ぼかし量規定値(C×M)は処理
前画像の注目画素ごとに算出されるものであるため、処
理前画像をぼかし量規定値(C×M)によって表現した
グレー画像(ぼかし対象画像)が処理前画像記憶部2b
内に作成されることとなる。そして、そのぼかし対象画
像が表示装置5に表示される。ぼかし対象画像において
は、ぼかし量規定値(C×M)が大きな領域、すなわち
ぼかし量が大きな領域ほど高い階調値にて表示されるこ
ととなる。
【0135】一方、シフト量決定部70がシフト量規定
値Sを算出した後、シフト量を乗じる前にシフト量規定
値Sを処理前画像記憶部2bに一旦記憶させる。シフト
量規定値Sも処理前画像の注目画素ごとに算出されるも
のであるため、処理前画像をシフト量規定値Sによって
表現したグレー画像(シフト対象画像)が処理前画像記
憶部2b内に作成されることとなる。そして、そのシフ
ト対象画像が表示装置5に表示される。シフト対象画像
においては、シフト量規定値Sが大きな領域、すなわち
シフト量が大きな領域ほど高い階調値にて表示されるこ
ととなる。
【0136】図21は、表示装置5に表示されたぼかし
対象画像およびシフト対象画像の一例を示す図である。
図21(a)は処理前画像であり、(b)はぼかし対象
画像、(c)はシフト対象画像を示している。なお、
(b)のぼかし対象画像および(c)のシフト対象画像
は、例えば256階調(8ビット)のグレー画像なので
あるが、図21においては図示の便宜上、処理前画像と
同様に描いている。
【0137】処理前画像には、エアコンのフロントパネ
ルについての画像IM1と衣服の布地についての画像I
M2とが含まれている。衣服の布地の画像IM2につい
てはコントラストが低いため、ぼかし量規定値(C×
M)も小さくなり、(b)のぼかし対象画像には表示さ
れない。一方、エアコンのフロントパネルの画像IM1
はコントラストが高いため、ぼかし量規定値(C×M)
も大きくなり、(b)のぼかし対象画像に画像IM1B
として表示される。
【0138】ここで、オペレータが入力装置6を構成す
るマウスなどによってぼかし対象画像内の点を指定する
と、その部分のぼかし量規定値(C×M)が表示装置5
に表示されるように構成されている。これによって、オ
ペレータは所望の領域内のぼかし量規定値(C×M)、
すなわちぼかし量の大きさを認識することができる。
【0139】オペレータが画像IM1B内のぼかし量規
定値(C×M)を確認したところ、この値が低く、エア
コンのフロントパネルについての画像IM1に対してよ
り大きなぼかし処理を施したいと考えたとする。この場
合、オペレータは、ぼかし量規定値(C×M)を変更し
たい領域(ここでは、画像IM1B)を入力装置6によ
って領域指定するとともに、ぼかし量規定値(C×M)
のしきい値を入力装置6から入力する。
【0140】ぼかし量決定部60は、入力装置6によっ
て指定された指定領域内であってそのぼかし量規定値
(C×M)が上記しきい値以上である画素についてのぼ
かし量規定値(C×M)を修正する。この修正は、処理
プログラムによって予め定められているものであり、例
えばぼかし量規定値(C×M)に所定の値を乗じる、ま
たは所定の値を加減するという演算を行う。
【0141】一方、(c)のシフト対象画像には、エア
コンのフロントパネルについての画像IM1および衣服
の布地についての画像IM2がともにそれぞれ画像IM
1Sおよび画像IM2Sとして表示されている。そし
て、上記と同様に、オペレータが入力装置6を構成する
マウスなどによってシフト対象画像内の点を指定する
と、その部分のシフト量規定値Sが表示装置5に表示さ
れるように構成されている。これによって、オペレータ
は所望の領域内のシフト量規定値S、すなわちシフト量
の大きさを認識することができる。
【0142】オペレータが画像IM1S内のシフト量規
定値Sを確認したところ、この値が高く、エアコンのフ
ロントパネルについての画像IM1に対してシフト処理
を施したくないと考えたとする。この場合、オペレータ
は、シフト量規定値Sを変更したい領域(ここでは、画
像IM1S)を入力装置6によって領域指定するととも
に、シフト量規定値Sのしきい値を入力装置6から入力
する。
【0143】シフト量決定部70は、入力装置6によっ
て指定された指定領域内であってそのシフト量規定値S
が上記しきい値以上である画素についてのシフト量規定
値Sを修正する。この修正は、上記と同様に、処理プロ
グラムによって予め定められているものであり、例えば
シフト量規定値Sに所定の値を乗じる、または所定の値
を加減するという演算を行う。
【0144】以上のようにして修正されたぼかし量規定
値(C×M)およびシフト量規定値Sからぼかし量およ
びシフト量を算出し、そのぼかし量およびシフト量に基
づいてぼかし処理およびシフト処理を行う。この内容に
ついては、上記第1実施形態と同じである。また、ぼか
し量規定値(C×M)およびシフト量規定値Sが修正で
きる点以外についても上記第1実施形態と同じである。
【0145】以上のようにすれば、オペレータの判断に
よってぼかし量規定値(C×M)およびシフト量規定値
Sを修正することができるため、画像の内容に応じてぼ
かし処理およびシフト処理の程度をより適切に変化させ
ることができ、種々の種類の画像についてより確実に画
質を劣化させることなくモアレの発生を抑制することが
できる。
【0146】<変形例>以上、本発明の実施の形態につ
いて説明したが、この発明は上記の例に限定されるもの
ではない。例えば、上記の各実施形態においては、処理
前画像中の全ての画素について一連の処理を行うように
していたが、これを一部の領域内の画素についてのみ行
うようにしても良い。具体的には、一連の処理を行うの
に先立って、処理前画像を表示装置5に表示し、オペレ
ータが入力装置6を構成するマウスなどによって処理を
行うべき領域を指定できるようにする。経験のあるオペ
レータであればモアレが発生しそうな領域を予測するこ
とができ、その領域のみを指定することによって、装置
の処理負担が軽減され、全体としての処理効率を向上さ
せることができる。
【0147】また、処理前画像に文字(特に、規則性を
有する文字)が含まれている場合には、画像パターンの
繰り返しの有無の程度が大きく、かつ高コントラストで
あるため、大きなぼかし量のぼかし処理が施されること
となる。文字にぼかし処理を施すことは好ましくない
が、オペレータが処理を行うべき領域を指定することに
よって文字部分を当該領域から除くことにより、文字に
ぼかし処理が施されることがなくなる。
【0148】また、上記実施形態においては、既述した
ように、画像中のノイズ部分に処理を行うことを防ぐべ
く、自己相関データH(a)の最大値について判定するた
めのしきい値を設けることもあり、自己相関データH
(a)の最大値が所定のしきい値よりも小さい場合は、注
目画素(xc,yc)についての周期性指標M(xc,yc)=0とす
ることにより、周期性は存在しないものと判定してい
る。しかし、画像パターンの繰り返しであるにもかかわ
らず、その画像パターンが極低コントラストである場合
には、自己相関データH(a)の最大値が小さくなり、周
期性が存在しないものと判定されることになる。極低コ
ントラストであっても、画像パターンが周期的に繰り返
される以上、モアレが発生する可能性はある。このた
め、周期画像領域の抽出を行う前に、周期画像領域抽出
部10が処理前画像に対してシャープネス処理を施すよ
うにしても良い。
【0149】シャープネス処理としては、いわゆるUS
M(アンシャープマスキング)等による輪郭強調処理を
適用すれば良い。具体的には、注目画素の信号(主信号
S)および当該注目画素の近傍領域(注目画素を含んで
も良い)の平滑化された信号(アンシャープ信号U)を
画像より取り出し、両者の差信号(S−U)をもって輪
郭強調の基礎信号(アンシャープマスク信号)としてい
る。そして、通常は輪郭強調の強さを適度なものにすべ
く、アンシャープマスク信号に適当な係数kを乗ずる形
で増幅した信号を輪郭強調信号k×(S−U)とし、こ
れを主信号Sに加算して当該注目画素の階調値とするこ
とにより、極低コントラストの画像パターンを強調(コ
ントラストの増幅)する。
【0150】このようにすれば、画像パターンのコント
ラストが大きくなり、自己相関データH(a)の最大値が
大きくなって上記のしきい値以上となるため、周期性は
存在するものと判定され、適当なシフト処理またはぼか
し処理が行われることとなる。その結果、極低コントラ
ストの画像であったとしても、画質を劣化させることな
くモアレの発生を抑制することができる。
【0151】ところで、シャープネス処理によって画像
中のノイズ部分も強調されることとなるが、ノイズ部分
には周期性が存在しないため、これが周期画像領域とし
て抽出されることはない。
【0152】なお、前記した実施例においては、注目画
素についてのコントラスト量を、差分画像から算出する
ように説明したが、例えば次のようにコントラスト量を
算出してもよい。
【0153】注目画素の階調値と周辺画素(例えば、左
右、上下方向の隣接画素)の階調値の差分を求め、求め
た差分値の平均値又は合計値に基づいてコントラスト量
を算出することができる。
【0154】あるいは、注目画素に対する周辺画素(例
えば、左右、上下方向の隣接画素)間の階調値の差分を
求め、求めた差分値の平均値又は合計値に基づいてコン
トラスト量を算出することができる。
【0155】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
によれば、画像から周期的な画像パターンの繰り返しが
存在する周期画像領域を抽出する周期画像領域抽出手段
と、周期画像領域における注目画素について、当該注目
画素を含む注目領域と当該注目領域以外の周辺領域との
相関特性に基づいて画像パターンの繰り返しの有無の程
度を示す周期性指標を算出する周期性指標算出手段と、
画像における注目画素について、注目画素とその周辺画
素との明暗比を示す指標であるコントラスト量を算出す
るコントラスト量算出手段と、周期性指標およびコント
ラスト量に基づいて、画像における注目画素についての
ぼかし処理の程度であるぼかし量を決定するぼかし量決
定手段と、周期性指標およびコントラスト量に基づい
て、画像における注目画素についてのシフト処理の程度
であるシフト量を決定するシフト量決定手段と、ぼかし
量決定手段により決定されたぼかし量に基づいて、画像
における注目画素についてのぼかし処理を行うぼかし処
理手段と、シフト量決定手段により決定されたシフト量
に基づいて、画像における注目画素についてのシフト処
理を行うシフト処理手段と、を備えているため、画像の
内容に応じてぼかし処理およびシフト処理の程度を変化
させることができ、種々の種類の画像について画質を劣
化させることなくモアレの発生を抑制することができ
る。
【0156】また、請求項2の発明によれば、差分画像
作成手段で作成した差分画像からコントラスト量を算出
することができ、請求項1の発明と同様な効果が得られ
る。
【0157】また、請求項3の発明によれば、ぼかし量
決定手段が、周期性指標とコントラスト量との積であっ
てぼかし量を規定するためのぼかし量規定値に基づいて
加重平均処理に使用する加重平均フィルタを選択するフ
ィルタ選択手段を含むため、請求項1の発明と同様の効
果を好適に得ることができる。
【0158】また、請求項4の発明によれば、周期性指
標算出手段が、注目領域と周辺領域との相関特性を複数
のしきい値を用いて判定することにより周期性指標を算
出するため、請求項1の発明と同様の効果を好適に得る
ことができる。
【0159】また、請求項5の発明によれば、差分画像
作成手段が、差分画像内を複数の領域に分割し、複数の
領域のそれぞれに含まれる画素の階調値を平均化して1
つの画素の階調値として出力することにより、差分画像
をバイリニア縮小する縮小手段と、バイリニア縮小によ
って得られた縮小画像に対してメディアンフィルタによ
るフィルタ操作を施すフィルタ手段と、フィルタ操作後
の縮小画像に含まれる画素の階調値を補間しつつ、当該
縮小画像を差分画像と同等の大きさに拡大することによ
り、加工後の差分画像を得る拡大手段と、を含むため、
コントラスト量の算出に際し、高コントラストであって
も面積の小さな領域やノイズ部分を十分に除去すること
ができる。
【0160】また、請求項6の発明によれば、ぼかし量
決定手段が、ぼかし対象画像の中の所定領域を指定する
ための第1領域指定手段と、第1領域指定手段によって
指定された第1指定領域内であってそのぼかし量規定値
が第1のしきい値以上である画素についてのぼかし量規
定値を修正する第1修正手段と、を含み、シフト量決定
手段が、シフト対象画像の中の所定領域を指定するため
の第2領域指定手段と、第2領域指定手段によって指定
された第2指定領域内であってそのシフト量規定値が第
2のしきい値以上である画素についてのシフト量規定値
を修正する第2修正手段と、を含むため、画像の内容に
応じてぼかし処理およびシフト処理の程度をより適切に
変化させることができ、種々の種類の画像についてより
確実に画質を劣化させることなくモアレの発生を抑制す
ることができる。
【0161】また、請求項7の発明によれば、周期画像
領域抽出手段が、画像に対してシャープネス処理を施し
た後に周期画像領域を抽出するため、極低コントラスト
の画像であったとしても、その画像パターンが強調さ
れ、画質を劣化させることなくモアレの発生を抑制する
ことができる。
【0162】また、請求項8の発明によれば、画像から
周期的な画像パターンの繰り返しが存在する周期画像領
域を抽出する手順と、周期画像領域における注目画素に
ついて、当該注目画素を含む注目領域と当該注目領域以
外の周辺領域との相関特性に基づいて画像パターンの繰
り返しの有無の程度を示す周期性指標を算出する手順
と、画像における注目画素について、注目画素とその周
辺画素との明暗比を示す指標であるコントラスト量を算
出する手順と、周期性指標およびコントラスト量に基づ
いて、画像における注目画素についてのぼかし処理の程
度であるぼかし量を決定する手順と、周期性指標および
コントラスト量に基づいて、画像における注目画素につ
いてのシフト処理の程度であるシフト量を決定する手順
と、決定されたぼかし量に基づいて、画像における注目
画素についてのぼかし処理を行う手順と、決定されたシ
フト量に基づいて、画像における注目画素についてのシ
フト処理を行う手順と、を実行させる画像処理プログラ
ムを記録した記録媒体をコンピュータに読み取らせ、実
行させることにより請求項1の発明と同様の効果を効率
よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置のハードウェア構成
の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置の機能的構成を示す機能ブ
ロック図である。
【図3】図1の画像処理装置における画像処理の処理手
順の概要を示すフローチャートである。
【図4】自己相関データの算出形態の一例を示す図であ
る。
【図5】x方向に沿った自己相関データの算出形態の一
例を示す図である。
【図6】y方向に沿った自己相関データの算出形態の一
例を示す図である。
【図7】処理前画像の各画素の階調値の一例およびそれ
から得られたx方向に沿った自己相関データを示す図で
ある。
【図8】周期性が無いx方向に沿った自己相関データの
一例を示す図である。
【図9】x方向に沿った周期値およびy方向に沿った周
期値と実際の周期方向及び周期値との関係を示す図であ
る。
【図10】コントラスト量算出の手順を示すフローチャ
ートである。
【図11】高濃度領域の拡張または縮小について説明す
る図である。
【図12】図11の画像の高濃度領域が拡張された高濃
度領域拡張画像を示す図である。
【図13】図11の画像の高濃度領域が縮小された高濃
度領域縮小画像を示す図である。
【図14】作成された差分画像を示す図である。
【図15】バイリニア拡大を概念的に説明するための図
である。
【図16】ぼかし量の決定手法を説明するための図であ
る。
【図17】加重平均フィルタの例を示す図である。
【図18】シフトデータのシフト方向とシフト量とを示
す図である。
【図19】シフト量規定値の算出に用いられるルックア
ップテーブルを示す図である。
【図20】図17の加重平均フィルタの係数を示す図で
ある。
【図21】表示装置に表示されたぼかし対象画像および
シフト対象画像の一例を示す図である。
【図22】従来の問題点を説明するための図であって、
画像パターンと光電素子との位置関係を示す図である。
【図23】デジタル画像の画像パターンが4画素周期で
ある場合の「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状
態」とを示す図である。
【図24】図23のデジタル画像にシャープネス処理を
施した場合の計算上の各画素の階調値を示す図である。
【図25】図23のデジタル画像にシャープネス処理を
施した場合の各画素の最終的な階調値を示す図である。
【図26】モアレが発生し得る階調変換処理を実施する
ルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図27】モアレが発生し得る階調変換処理を実施する
ルックアップテーブルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU 5 表示装置 6 入力装置 7 画像入力器 8 記録媒体 10 周期画像領域抽出部 20 周期性指標算出部 30 差分画像作成部 40 加工部 50 コントラスト量算出部 60 ぼかし量決定部 70 シフト量決定部 80 最大シフト量生成部 90 シフト処理部 95 ぼかし処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB16 CC02 CE02 CE04 CE06 5C077 LL03 LL19 MP01 PP02 PP03 PP05 PP20 PP46 PP47 PP55 PP68 PQ08 PQ18 PQ20 RR14 RR19 SS05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像に対して処理を施す画像処理装置で
    あって、 画像から周期的な画像パターンの繰り返しが存在する周
    期画像領域を抽出する周期画像領域抽出手段と、 前記周期画像領域における注目画素について、当該注目
    画素を含む注目領域と当該注目領域以外の周辺領域との
    相関特性に基づいて画像パターンの繰り返しの有無の程
    度を示す周期性指標を算出する周期性指標算出手段と、 前記画像における注目画素とその周辺画素との明暗比を
    示す指標であるコントラスト量を算出するコントラスト
    量算出手段と、 前記周期性指標および前記コントラスト量に基づいて、
    前記画像における注目画素についてのぼかし処理の程度
    であるぼかし量を決定するぼかし量決定手段と、 前記周期性指標および前記コントラスト量に基づいて、
    前記画像における注目画素についてのシフト処理の程度
    であるシフト量を決定するシフト量決定手段と、 前記ぼかし量決定手段により決定されたぼかし量に基づ
    いて、前記画像における注目画素についてのぼかし処理
    を行うぼかし処理手段と、 前記シフト量決定手段により決定されたシフト量に基づ
    いて、前記画像における注目画素についてのシフト処理
    を行うシフト処理手段と、を備えることを特徴とする画
    像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像処理装置において、 前記画像の高濃度領域を拡張した高濃度領域拡張画像と
    前記画像の高濃度領域を縮小した高濃度領域縮小画像と
    の差分である差分画像を作成する差分画像作成手段を備
    え、前記差分画像から前記コントラスト量を算出するこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の画像処理
    装置において、 前記ぼかし処理は、前記注目画素を含む所定領域に含ま
    れる画素の階調値の加重平均を前記注目画素の階調値と
    して出力する加重平均処理であり、 前記ぼかし量決定手段は、前記周期性指標と前記コント
    ラスト量との積であって前記ぼかし量を規定するための
    ぼかし量規定値に基づいて前記加重平均処理に使用する
    加重平均フィルタを選択するフィルタ選択手段を含むこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の画像処理装置において、 前記周期性指標算出手段は、前記注目領域と前記周辺領
    域との前記相関特性を複数のしきい値を用いて判定する
    ことにより前記周期性指標を算出することを特徴とする
    画像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4のいずれかに記載
    の画像処理装置において、 前記差分画像作成手段は、 前記差分画像内を複数の領域に分割し、前記複数の領域
    のそれぞれに含まれる画素の階調値を平均化して1つの
    画素の階調値として出力することにより、前記差分画像
    をバイリニア縮小する縮小手段と、 前記バイリニア縮小によって得られた縮小画像に対して
    メディアンフィルタによるフィルタ操作を施すフィルタ
    手段と、 前記フィルタ操作後の縮小画像に含まれる画素の階調値
    を補間しつつ、当該縮小画像を前記差分画像と同等の大
    きさに拡大することにより、加工後の差分画像を得る拡
    大手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5のいずれかに記載
    の画像処理装置において、 前記ぼかし量規定値によって表現されたぼかし対象画像
    および前記シフト量を規定するためのシフト量規定値に
    よって表現されたシフト対象画像を表示するための表示
    手段をさらに備え、前記ぼかし量決定手段は、 前記ぼかし対象画像の中の所定領域を指定するための第
    1領域指定手段と、 前記第1領域指定手段によって指定された第1指定領域
    内であってそのぼかし量規定値が第1のしきい値以上で
    ある画素についてのぼかし量規定値を修正する第1修正
    手段と、を含み、前記シフト量決定手段は、 前記シフト対象画像の中の所定領域を指定するための第
    2領域指定手段と、 前記第2領域指定手段によって指定された第2指定領域
    内であってそのシフト量規定値が第2のしきい値以上で
    ある画素についてのシフト量規定値を修正する第2修正
    手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の画像処理装置において、 前記周期画像領域抽出手段は、前記画像に対してシャー
    プネス処理を施した後に前記周期画像領域を抽出するこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】 コンピュータに、 画像から周期的な画像パターンの繰り返しが存在する周
    期画像領域を抽出する手順と、 前記周期画像領域における注目画素について、当該注目
    画素を含む注目領域と当該注目領域以外の周辺領域との
    相関特性に基づいて画像パターンの繰り返しの有無の程
    度を示す周期性指標を算出する手順と、 前記画像における注目画素とその周辺画素との明暗比を
    示す指標であるコントラスト量を算出する手順と、 前記周期性指標および前記コントラスト量に基づいて、
    前記画像における注目画素についてのぼかし処理の程度
    であるぼかし量を決定する手順と、 前記周期性指標および前記コントラスト量に基づいて、
    前記画像における注目画素についてのシフト処理の程度
    であるシフト量を決定する手順と、 決定された前記ぼかし量に基づいて、前記画像における
    注目画素についてのぼかし処理を行う手順と、 決定された前記シフト量に基づいて、前記画像における
    注目画素についてのシフト処理を行う手順と、を実行さ
    せる画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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