JP3714820B2 - 画像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像に対して施す画像処理方法に係り、特には、モアレの発生の抑制などに効果がある画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル画像は、従来、CCDなどの画像入力器で原稿、または、対象物体を光学的に読み取ってデジタル化することで得られる。そして、このデジタル画像に対して、必要に応じて種々の処理が施される。
【0003】
例えば、デジタル画像の鮮鋭度を向上させる場合にはシャープネス処理が施される。また、デジタル画像を印刷する場合には網点化処理を行って網点画像に変換される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、例えば、デジタル画像に対してシャープネス処理などの画像処理を行った場合、処理後の画像にモアレが発生することがある。
【0005】
本発明者は、このようなモアレの発生状態や発生原因を調査した。
その結果、まず、このようなモアレは、デジタル画像内に布地や網模様、格子パターンなどの周期性を有する画像パターンが存在する画像領域で発生することが判明した。
【0006】
また、このようなモアレは、以下のような原因で発生すると考えられる。
例えば、原稿内に図19に示すような周期性を有する画像パターン(白黒の縞模様)GPTが存在し、この原稿を画像入力器で読み取ってデジタル画像を得る場合を考える。このとき、原稿の画像パターンGPTと画像入力器の光学読み取り素子(光電素子)IDとの位置関係によって、得られたデジタル画像の各画素の階調値は変化する。
【0007】
例えば、原稿の画像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が図19(a)に示す状態であれば、得られたデジタル画像の各画素の階調値は、図20(a)の階調プロファイルに示すように、白黒が明確に分かれる「INフェイズ状態」となる。また、原稿の画像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が図19(b)に示す状態であれば、得られたデジタル画像の各画素の階調値は、図20(b)の階調プロファイルに示すように、白黒の中間値が発生する「OUTフェイズ状態」となる。
【0008】
図20に示す各階調プロファイルは「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで相違するが、各々の平均階調値AKIN、AKOUT は略等しい。
【0009】
しかしながら、デジタル画像に、例えば、シャープネス処理を施すと、「INフェイズ状態」で読み取られたデジタル画像と「OUTフェイズ状態」で読み取られたデジタル画像とで平均階調値AKIN、AKOUT に違いが生じる。例えば、図20(a)、(b)に示す各デジタル画像にそれぞれシャープネス処理を施すと、計算上、各画素の階調値は各々図21(a)、(b)に示すようになる。ここで、計算上、階調値が階調レンジKR(図では、0〜255)から外れるサチレーションが起きると、その階調値は、強制的に階調レンジKRの上下限値に修正される。すなわち、図20(a)、(b)に示す各デジタル画像にそれぞれシャープネス処理を施すと、処理後の各画素の階調値は各々図22(a)、(b)の実線に示すようになる。
【0010】
ここで、この例の画像パターンGPTは、デジタル画像上で4画素周期の周期性を有しているが、1周期ごとに、図22(a)では、白2画素だけにサチレーションSRが起き、図22(b)では、白1画素と黒1画素とにサチレーションSRが起きている。その結果、図22(a)(「INファイズ状態」)の平均階調値AKINは、図22(b)(「OUTファイズ状態」)の平均階調値AKOUT に比べて低くなる。
【0011】
ところで、図19では、画像パターンGPTの白黒の幅が、光電素子IDの幅の整数倍である場合を示したが、画像パターンGPTの白黒の幅が、光電素子IDの幅の整数倍でない場合、原稿の画像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が周期的にずれるので、得られたデジタル画像上では、画像パターンGPTは、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで読み込まれる状態が周期的に繰り返されることになる。この場合、このデジタル画像にシャープネス処理を施すと、平均階調値が周期的に変動する状態が生じる。この平均階調値が周期的に変動する状態が、モアレとなって現れるものと考えられる。
【0012】
この周期変動は、原稿や対象物体には無い画像であるため、画像の品質が著しく低下することになる。
【0013】
上記ではデジタル画像に対してシャープネス処理を施した場合について説明したが、例えば、図23に示すようなルックアップテーブルによって各画素の階調値を変換するような階調変換処理など、サチレーションに偏りが生じるような画像処理を施した場合にも上記のような平均階調値が周期的に変動する状態が発生し、その結果、処理後の画像にモアレが発生すると考えられる。
【0014】
さらに、例えば、図24に示すようなルックアップテーブルによって各画素の階調値を変換する階調変換処理などでも、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで平均階調値に違いが生じ、上記のような平均階調値が周期的に変動する状態が発生する結果、処理後の画像にモアレが発生すると考えられる。
【0015】
また、従来、デジタル画像に対して網点化処理を施して網点画像を印刷したときにも、周期性を有する画像パターンが存在する画像領域で、印刷された網点画像上にモアレが発生することがある。
【0016】
本発明者の調査の結果、この場合のモアレは以下のような原因によって発生するものと考えられる。
【0017】
すなわち、網点化処理は、各網点に対応した多数のしきい値が平面的に展開されたしきい値群を用いて、デジタル画像の各画素を、その階調値に応じた網点濃度の網点群に変換する処理である。
【0018】
そして、デジタル画像上の周期性を有する画像パターンと、上記しきい値群とが周期的にずれると、網点画像上で再現される画像パターンの網点濃度は周期的に変動することになり、このような網点濃度が周期的に変動する状態が、モアレとなって現れるものと考えられる。
【0019】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、モアレの発生の抑制などに効果がある画像処理方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、デジタル画像に対して施す画像処理方法であって、前記デジタル画像の少なくとも一部の画像領域を処理対象領域とし、前記処理対象領域内の画素を注目画素として、その注目画素に対してシフト方向とシフト量とをランダムに決定したシフトデータに基づきその注目画素の位置をシフトしたと仮定したときに、そのシフト後の位置の近傍画素の階調値に基づき、そのシフト後の位置に応じたその注目画素の新たな階調値を求める処理を、前記処理対象領域内の各画素を順次注目画素として行い、前記処理対象領域内の各画素の階調値を前記新たな階調値に置き換えた処理後のデジタル画像を得ることを特徴とするものである。
【0022】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の画像処理方法において、各画素に対する前記シフトデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定するに際して、初期値の規定をランダムに行った周期関数を用いて決定することを特徴とするものである。
【0024】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の画像処理方法において、前記デジタル画像内で周期性を有する画像パターンが存在する画像領域を抽出し、抽出した画像領域を前記処理対象領域とすることを特徴とするものである。
【0025】
請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の画像処理方法において、2次元のデジタル画像内で互いに直交する2つの画素列方向それぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存在を調べて前記処理対象領域を抽出することを特徴とするものである。
【0028】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
デジタル画像の少なくとも一部の画像領域を処理対象領域として、以下のような画像処理を施して、処理対象領域内の各画素の階調値を変更したデジタル画像を得る。
【0029】
すなわち、処理対象領域内の画素を注目画素として、その注目画素に対してシフト方向とシフト量とをランダムに決定したシフトデータに基づきその注目画素の位置をシフトしたと仮定したときに、そのシフト後の位置の近傍画素の階調値に基づき、そのシフト後の位置に応じたその注目画素の新たな階調値を求める処理を、処理対象領域内の各画素を順次注目画素として行う。そして、処理対象領域内の各画素の階調値を上記で求めた新たな階調値に置き換えた処理後のデジタル画像を得る。
【0030】
なお、処理対象領域は、デジタル画像の全領域であってもよいし、デジタル画像内の一部の画像領域であってもよい。
【0032】
請求項2に記載の発明によれば、各画素に対するシフトデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定するに際して、初期値の規定をランダムに行った周期関数を用いて決定する。
【0034】
請求項3に記載の発明によれば、モアレが発生する可能性がある周期性を有する画像パターンが存在する画像領域を抽出し、この抽出した画像領域を処理対象領域として、上記請求項1または2のいずれかに記載の発明に係る画像処理を施す。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、2次元のデジタル画像内で互いに直交する2つの画素列方向それぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存在を調べて処理対象領域を抽出する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る画像処理方法を実現するための一実施例に係る画像処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0039】
この実施例装置はコンピューターシステムで構成されている。CPU1は、内部メモリ2に記憶された処理プログラムに従って、本発明に係る処理対象領域を抽出する処理(以下、処理対象領域抽出処理とも略す)やモアレの発生を抑制する画像処理(以下、モアレ抑制処理とも略す)の他、シャープネス処理などの画像処理や網点化処理などの処理を実行する。CPU1と内部メモリ2とはバスラインBLを介して接続されている。内部メモリ2には、上述した処理プログラムを記憶するプログラム記憶部2a以外にも、少なくともモアレ抑制処理を施す前のデジタル画像(以下、処理前画像とも言う)を記憶する処理前画像記憶部2bやモアレ抑制処理を施した後のデジタル画像(以下、処理後画像とも言う)を記憶する処理後画像記憶部2cを有する。
【0040】
また、CPU1は、入出力インターフェイスIFを介して、記憶媒体用ドライバ3、外部記憶装置4、表示装置5、入力装置6、画像入力器7などにも接続されている。
【0041】
記憶媒体用ドライバ3には、上述した各処理をCPU1に実行させるための処理プログラムが記憶されている記憶媒体8が装填される。記憶媒体8から読み出された処理プログラムは内部メモリ2内のプログラム記憶部2aに記憶され、CPU1に実行される。
【0042】
ハードディスクや光磁気ディスクなどで構成される外部記憶装置4は、処理前画像や処理後画像などの画像の保存などに用いられる。また、CRTなどで構成される表示装置5は、処理前画像や処理後画像、シャープネス処理後の画像などの表示などに用いられる。さらに、キーボードやマウスなどで構成される入力装置6は、オペレータからの各種の指示や処理に必要なデータの設定などに用いられる。
【0043】
画像入力器7によって読み込まれたデジタル画像(処理前画像)は、内部メモリ2内の処理前画像記憶部2bに記憶され、この処理前画像に対して、後述するような処理対象領域抽出処理やモアレ抑制処理が施される。
【0044】
図2は本発明に係る画像処理方法を実現するための画像処理装置の機能ブロック図であり、図3は本発明に係る画像処理方法の一手順を示すフローチャートである。
【0045】
図2に示すように、この画像処理装置は機能的に、処理対象領域抽出処理を実行する処理対象領域抽出部10と、モアレ抑制処理を実行するモアレ抑制処理部20とに分けられる。また、図2では、モアレ抑制処理部20は、さらに、処理対象領域内の各画素に対するシフトデータを決定するシフトデータ決定部21と、処理対象領域内の各画素の新たな階調値を求めて処理後画像記憶部2cに記憶するとともに、処理前画像の内の処理対象領域外の各画素の階調値を処理前画像記憶部2bから処理後画像記憶部2cにそのまま転写する処理後画像生成部22とに分けられている。
【0046】
処理の手順は、図3に示すように、まず、処理対象領域抽出部10が、処理前画像内においてモアレ抑制処理を施す処理対象領域(モアレが発生する可能性がある画像領域)である、周期性を有する画像パターンが存在する画像領域を抽出する(ステップS1)。この抽出された処理対象領域に関する情報は、モアレ抑制処理部20内のシフトデータ決定部21と処理後画像生成部22とに与えられ、また、この処理対象領域内の画像パターンの周期性を示す周期性データ(詳細は後述する)が、シフトデータ決定部21に与えられる。
【0047】
次に、シフトデータ決定部21が、与えられた周期性データや、入力装置6から与えられた指示や設定値などに基づき、ステップS1で抽出された処理対象領域内の各画素に対するシフトデータを決定する(ステップS2)。
【0048】
そして、処理後画像生成部22が、ステップS1で抽出された処理対象領域内の画素を注目画素として、その注目画素に対して決定したシフトデータに基づきその注目画素の位置をシフトしたと仮定したときに、そのシフト後の位置の近傍画素の階調値に基づき、そのシフト後の位置に応じたその注目画素の新たな階調値を求め、その新たな階調値を、その注目画素に対応する処理後画像記憶部2c内の画素の階調値として記憶する処理(ステップS3)を、処理対象領域内の各画素を順次注目画素として行う(ステップS4)。最後に、処理後画像生成部22は、処理前画像の内の処理対象領域外の各画素の階調値を処理前画像記憶部2bから処理後画像記憶部2cにそのまま転写し、処理後画像を処理後画像記憶部2cに生成する(ステップS5)。
【0049】
次に、図3のステップS1〜S3の処理内容を詳細に説明する。
【0050】
〔ステップS1〕
周期性を有する画像パターンが存在する画像領域の抽出は、処理前画像の自己相関特性を調べることで行う。
【0051】
すなわち、処理前画像の画素を中心画素(xc,yc) として、以下の式(1)によって中心画素(xc,yc) の周辺領域の自己相関データS(a,b) を求める。
【0052】
【0053】
但し、
ABS { }は、絶対値を求める関数
P(x,y) は、処理前画像の画素(x,y) の階調値
m,n は、差分積算領域Eを決める定数
a,b は、自己相関を比較するズラシ量
wx,wy は、1つの中心画素(xc,yc) に対して自己相関特性を調べる範囲Wを決める定数
である。
【0054】
(xc,yc)=(4,4) 、m=n=1 (差分積算領域:3×3)、wx=xy=2 (a=b=-2〜+2)とした場合において、a=b=+2のときの自己相関データS(a,b) の算出時の形態を図4に示す。
【0055】
なお、m,n,wx,wy は固定値として処理するようにしてもよいし、入力装置6からオペレータによって適宜に変更可能に構成してもよい。
【0056】
ところで、上記式(1)では、自己相関データを2次元的に求めているので処理量が多くなる。そこで、例えば、2次元の処理前画像内で互いに直交する2つの画素列方向であるx方向、y方向それぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存在を調べて処理対象領域を抽出するために、x方向、y方向それぞれに沿った自己相関データH(a) 、V(b) を以下の式(2)、式(3)によって求めて、処理の高速化を図るようにしてもよい。
【0057】
【0058】
(xc,yc)=(4,4) 、m=1 (差分積算領域:3×1)、wx=2(a=-2〜+2)とした場合において、a=+2のときのx方向に沿った自己相関データH(a) の算出時の形態を図5に、(xc,yc)=(4,4) 、n=1 (差分積算領域:1×3)、wy=2(b=-2〜+2)とした場合において、b=+2のときのy方向に沿った自己相関データV(b) の算出時の形態を図6にそれぞれ示す。
【0059】
次に、上記で求めた自己相関データ(S(a,b) 、または、H(a) 、V(b) )に基づき、画像の周期性の有無を調べる。
【0060】
すなわち、周期性を有する画像パターンが存在すると、その画像パターンの周期ごとに自己相関が高く、すなわち、上記式(1)、(2)、(3)で求まる自己相関データは小さくなる。従って、まず、(A)自己相関データの極小値を検索し、(B)それら極小値が所定レベル以下で、かつ、(C)それら極小値が規則的に存在していることを調べる。
【0061】
図7は(xc,yc)=(7,3) 、m=1 、wx=5(a=-5〜+5)とした場合のP(x,y) 、H(a) の一例を示すデータとそのH(a) をグラフ化した図である。なお、a=0 は、同じ画素同志の自己相関であるので、H(0) =0となり極小値になる。
【0062】
自己相関データH(a) について、上記(A)の処理は、〔(H(k-1) >H(k) )and (H(k) <H(k+1) )〕の条件を満たすk を+側と−側とで求める。
【0063】
上記(B)の処理は、上記(A)の条件を満たすH(k) が、(H(k) <SL)の条件を満たす否かで判定する。SLは判定レベルであり、例えば、H(a) の最大値Hmax のZ%(例えば、Z=50:SL=Hmax ×0.5 )と決める。H(a) の最大値Hmax は、全てのH(a) 中の最大値であってもよいし、次のように選定してもよい。例えば、k=0 から+側にk の値を変えながら上記(A)の処理を行いつつ、+側の最初の極小値までのH(a) の最大値を検索し、そのH(a) の最大値を、+側の最初の極小値に対するレベル判定に用いる。すなわち、隣接する極小値の間のH(a) の最大値をその極小値のレベル判定に用いる。
【0064】
なお、SLの採り方により周期性度合い(周期性が強いか弱いか)を調べることもできる。すなわち、上記(B)の条件を満たすSLの値が小さければそれだけ周期性度合いが高い(周期性が強い)ことになる。従って、SLの値を段階的に変化させて上記(B)の判定を行って、どの程度の周期性度合いがあるかを調べるようにしてもよい。
【0065】
上記(C)の処理では、例えば、上記(A)の条件を満たす+側のk をkp、−側のk をkmとしたとき( ABS{kp-km }≦1)を満たすか否かで判定する。また、例えば、上記(A)の条件を満たす各極小値に対して、隣接する各極小値間の幅の相互の差分の絶対値が各々1以下であるか否か、すなわち、 ABS{D(d+1)-D(d) }≦1(d=0,1,2,…:図7では、d=0 )によって判定することもできる。後者の判定によれば、例えば、極小値が+側、−側にそれぞれ2個以上存在する場合にも適用できる。
【0066】
H(a)に極小値が存在しても、ある程度大きかったり(レベルSLを越えていたり)、それら極小値が不規則に存在しているような場合は周期性が有るとは言い難いが、上記(B)によりレベル判定が行え、上記(C)により極小値の規則性が判別でき、周期性の有無を判定できる。
【0067】
従って、上記(A)、(B)、(C)の条件を全て満たす場合、中心画素(xc,yc) の周囲の範囲W内の画像に周期性がある画像パターンが存在することになる。例えば、図7に示すH(a) には周期性が有り、図8に示すようなH(a) には周期性が無いことになる。
【0068】
また、x方向の周期値Thは((kp-km)/2))または(D(d))である。
【0069】
上記ではx方向に沿った周期性の有無や周期性度合い、及び周期値(Th)について説明したが、y方向に沿った周期性の有無や周期性度合い、及び周期値(Tv)も同様の処理により求めることができる。
【0070】
図9に示すように、x方向の周期値(Th)とy方向の周期値(Tv)が判れば、周期方向θは(arctan(Tv/Th) )であり、処理前画像上の実際の周期値(周期方向に沿った周期値)T は(Th×sin(θ) )(または、Tv×cos θ)により求めることができる。
【0071】
自己相関データS(a,b) を用いた場合には、上記と同様の処理を2次元的に行うことで、周期性の有無や周期性度合い、処理前画像上の実際の周期方向及び周期値を得ることができるが、上述したようにx方向、y方向それぞれに沿った自己相関データH(a) 、V(b) を用いても同様の結果を高速に得ることができる。なお、自己相関データS(a,b) を用いた場合、実際の画像パターンの周期を種々の方向から調べることになるが、このとき、周期値が最小となる方向がその画像パターンの周期方向となる。
【0072】
上述したような一連の処理を、処理前画像内の全ての画素(または、一定間隔ごとの画素でもよい)を順次中心画素(xc,yc) として行うことで、処理前画像内において、周期性を有する画像パターンが存在する画像領域を全て抽出することができる。
【0073】
なお、上記処理で随時説明した周期性度合いと周期方向と周期値とを周期性データとする。
【0074】
〔ステップS2〕
処理前画像の各画素(x,y) のシフトデータは、図10に示すように、x方向のシフト量dx(x,y) と、y方向のシフト量dy(x,y) とにより規定する。なお、図10では格子状の交点部分が各画素位置であり、処理前画像の画素(xu,yu) に対するx方向のシフト量dx(xu,yu) と、y方向のシフト量dy(xu,yu) とにより規定されるシフト方向とシフト量とを示している。このようなシフトデータの決定には以下のような方法を採用できる。
【0075】
▲1▼ ランダムに決定する。
dx(x,y) =K×R(-1.0〜+1.0)
dy(x,y) =K×R(-1.0〜+1.0)
【0076】
但し、
Kは、最大シフト量(通常は、0<K≦1)
R(-1.0〜+1.0)は、-1.0〜+1.0の間の乱数を発生する関数
である。
【0077】
なお、dx(x,y) を決定する際のR(-1.0〜+1.0)とdy(x,y) を決定する際のR(-1.0〜+1.0)とは別個であり、決定されたdx(x,y) の値とdy(x,y) の値とは必ずしも同じではない。
【0078】
このようにdx(x,y) とdy(x,y) とをランダムに決定することにより、シフト方向とシフト量とをランダムに決定することができる。
【0079】
▲2▼ 周期関数を用いて決定する。
dx(x,y) =K×sin {2πF×y+2π×RR(x) }
dy(x,y) =K×sin {2πF×x+2π×RR(y) }
RR(x) =R(0.0〜+1.0)
RR(y) =R(0.0〜+1.0)
【0080】
但し、
Kは、最大シフト量(通常は、0<K≦1)であり、ここでは周期関数の振幅
Fは、周期関数の周波数(通常は、0<F≦1)
R(0.0 〜+1.0)は、 0.0〜+1.0の間の乱数を発生する関数、
RR(x) はx座標における周期関数の初期値を規定するデータ
RR(y) はy座標における周期関数の初期値を規定するデータ
である。
【0081】
dx(xu,y0〜y0+5) を図11に、 dy(x0〜x0+5,yu)を図12にそれぞれ示す。この周期関数は、決定しようとするシフト方向と直交する方向に周期性を有する関数であり、dx(x,y) の決定においてはx座標が同じdx(x,y) は全て同じ周期関数によって決定し、dy(x,y) の決定においてはy座標が同じdy(x,y) は全て同じ周期関数によって決定する。なお、図11においてxuは処理対象領域内の任意のx座標、y0は処理対象領域のy方向(−)側の境界のy座標であり、また、図12においてx0は処理対象領域のx方向(−)側の境界のx座標、yuは処理対象領域内の任意のy座標である。
【0082】
なお、周期関数としてはsin 関数に限らずcos 関数など周期性を有するdx(x,y) 、dy(x,y) が決定できる関数を用いることができる。
【0083】
▲3▼ 固定する。
[dx(x,y),dy(x,y)] を常に、例えば、[+0.5,+0.5] や[+0.5,-0.5] 、[-0.5,+0.5] 、[-0.5,-0.5] などに固定する。この方法でシフトデータを決定したとき、後述するように、画像パターンが2画素周期の周期性を有するときに効果がある。
【0084】
周期性データにより、上記のいずれの方法でシフトデータを決定するかを決めてもよい。例えば、画像パターンが2画素周期の周期性を有する(周期値が2の)ときには▲3▼の方法を選択することが考えられる。また、本発明者の実験により、画像パターンが所定の周期値の場合に▲2▼の方向でシフトデータを決定すると良好な結果が得られないことがあったので、例えば、周期値が2以外で、かつ、上記所定の周期値以外の場合は▲2▼の方法を選択し、上記所定の周期値の場合は▲1▼の方法を選択することなども考えられる。
【0085】
また、上記KやFは固定値として処理してもよいし、入力装置6からオペレーターにより設定されたデータを用いて処理してもよいし、さらに、周期性データに基づき決定してもよい。例えば、画像パターンの周期性度合いが高ければそれだけモアレの発生が起き易く、一方で、シフトデータのシフト量が大きければそれだけモアレの抑制効果が高いので、周期性度合いに応じてKの値を決定することが好ましい。また、▲2▼の方法では周期関数の周期と、画像パターンの周期とが干渉するのを避けるようなFを決定することが好ましい。
【0086】
乱数を発生する関数R(乱数発生範囲)による乱数の発生頻度は乱数発生範囲内で均一にしてもよいし、例えば、0.0 付近の乱数を発生し易くしたり、+1.0付近の乱数を発生し易くしたりするなど、乱数の発生頻度を偏重させるようにしてもよい。この乱数の発生頻度の設定は、入力装置6からオペレーターにより設定可能に構成してもよい。
【0087】
また、例えば、画像パターンの周期方向がx方向と一致していれば、dy(x,y) =0として、dx(x,y) だけでシフトデータを決定したり、画像パターンの周期方向がy方向と一致していれば、dx(x,y) =0として、dy(x,y) だけでシフトデータを決定したりして、図3のステップS3で画像パターンの周期方向だけに注目画素の位置がシフトされるようにシフトデータのシフト方向を決定してもよい。
【0088】
〔ステップS3〕
シフト後の位置に応じた注目画素(xu,yu)の新たな階調値Q(xu,yu) は、シフト後の位置の近傍画素の階調値を補間して求める。この補間法は、一般的なバイリニア法などを採用することができる。具体的な計算方法を図13に示す。
【0089】
なお、図13では、 0.0<dx(xu,yu) <+1.0で 0.0<dy(xu,yu) <+1.0の場合を示しているが、dx(xu,yu) 、dy(xu,yu) がその他の値であれば以下のようにQ(xu,yu) を求める。
【0090】
0.0<dx(xu,yu) <+1.0で-1.0<dy(xu,yu) <0.0 の場合は、
P(xu,yu),P(xu+1,yu),P(xu,yu-1),P(xu+1,yu-1) を、
-1.0<dx(xu,yu) <0.0 で 0.0<dy(xu,yu) <+1.0の場合は、
P(xu,yu),P(xu-1,yu),P(xu,yu+1),P(xu-1,yu+1) を、
-1.0<dx(xu,yu) <0.0 で-1.0<dy(xu,yu) <0.0 の場合は、
P(xu,yu),P(xu-1,yu),P(xu,yu-1),P(xu-1,yu-1) を、
それぞれ用いて図13と同様の方法でQ(xu,yu) を求める。
【0091】
また、 0.0<dx(xu,yu) <+1.0でdy(xu,yu)=0.0 の場合は、図14に示すようにQ(xu,yu) を求め、-1.0<dx(xu,yu) <0.0 でdy(xu,yu)=0.0 の場合は、P(xu,yu),P(xu-1,yu) を用いて図14と同様の方法でQ(xu,yu) を求める。
【0092】
さらに、dx(xu,yu)=0.0 で 0.0<dy(xu,yu) <+1.0の場合は、図15に示すようにQ(xu,yu) を求め、dx(xu,yu)=0.0 で-1.0<dy(xu,yu) <0.0 の場合は、P(xu,yu),P(xu,yu-1) を用いて図15と同様の方法でQ(xu,yu) を求める。
【0093】
また、dx(x,y) =-1.0または0.0 または+1.0で、dy(x,y) =-1.0または0.0 または+1.0の場合は、シフト後の位置は処理前画像の画素位置と一致するので、この場合はシフト後の位置の画素の階調値をQ(xu,yu) とする(図16参照)。
【0094】
なお、図3のステップS3〜ステップS5の処理の状態を図17に模式的に示す。図17中の符号PAは処理対象領域を示し、PGは処理前画像を、AGは処理後画像をそれぞれ示す。
【0095】
上記画像処理を施すことにより以下のような作用効果が得られる。
例えば、処理前画像上で、画像パターンが、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで読み込まれる状態が周期的に繰り返されている場合、上記モアレ抑制処理を施した結果、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」との周期性が崩れ、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とがランダムに分散される。従って、シャープネス処理など、従来、モアレが発生していた画像処理を、上記モアレ抑制処理を施した後の処理後画像に対して施しても、平均階調値が周期的に変動する状態が生じず、その結果、モアレの発生を抑制することができる。
【0096】
ここで、処理前画像の画像パターンが2画素周期である場合、図18に示すように、「INフェイズ状態」では白黒が明確に分かれ、「OUTフェイズ状態」では全てグレーになる。この場合、「INフェイズ状態」で読み込まれた画像領域だけが処理対象領域として抽出されるが、この「INフェイズ状態」で読み込まれた画像領域だけに上記▲1▼や▲2▼の方法でシフトデータを決定してQ(xu,yu) を求めてもモアレの発生を抑制する効果はあるが、それよりも、「INフェイズ状態」で読み込まれた画像領域を、「OUTフェイズ状態」で読み込まれた画像領域と同等のグレーに変換した方がモアレの発生をより確実に抑制することができる。ここで、処理前画像の画像パターンが2画素周期である場合、白黒の画素を均等に補間したQ(xu,yu) を得ることができるシフトデータ(例えば、[dx(x,y),dy(x,y)] =[+0.5,+0.5] や[+0.5,-0.5] 、[-0.5,+0.5] 、[-0.5,-0.5] など)を特定することができる。従って、「INフェイズ状態」で読み込まれた画像領域に対して常にそのようなシフトデータに固定してQ(xu,yu) を求めれば、「INフェイズ状態」で読み込まれた画像領域を、「OUTフェイズ状態」で読み込まれた画像領域と同等のグレーに一様に変換することができ、この画像パターン部分を全て略均一な平均階調値にすることができる。その結果、シャープネス処理などの画像処理を施しても、モアレの発生をより確実に抑制することができる。
【0097】
また、処理後画像では、画像パターンの周期性が崩れた状態となっているので、網点化処理を行っても、網点画像上で再現される画像パターンの網点濃度が周期的に変動することを抑制でき、モアレの発生を抑制することができる。なお、処理前画像の画像パターンが2画素周期である場合、▲3▼の方法でシフトデータを決定し、この画像パターン部分を全て略均一な平均階調値にすれば、網点化処理を行っても、網点画像上で再現される画像パターンの網点濃度が周期的に変動することが無くなり、モアレの発生をより確実に抑制することができる。
【0098】
本発明者による実験の結果、従来、シャープネス処理や網点化処理などの処理を施したことによりモアレが発生していた処理前画像に対して本発明に係る画像処理(上記モアレ抑制処理)を施した後、シャープネス処理や網点化処理などの処理を施したところ、モアレの発生が抑制されたことを多種多数のデジタル画像について確認することができた。
【0099】
なお、上記説明では、処理対象領域内の各画素のQ(xu,yu) を求める前に、処理対象領域内の各画素のシフトデータをまとめて決定するようにしたが、処理対象領域内の各画素のQ(xu,yu) を求めるごとに、現在の注目画素に対するシフトデータを随時決定するようにしてもよい。
【0100】
また、上記説明では、処理前画像内で周期性を有する画像パターンが存在する画像領域を抽出して処理対象領域を決めたが、その画像領域(処理対象領域)の抽出を省略し、処理前画像の全領域を処理対象領域として図3のステップS2〜S4のモアレ抑制処理で処理前画像の全画素の新たな階調値を求めて処理後画像を得るようにしてもよい。
【0101】
なお、上述したモアレ抑制処理を施すと、処理前画像の各画素の階調値を変更することになるので、若干画質が劣化することもある。従って、上記図3に示す手順のようにモアレが発生する可能性がある画像領域だけに対してモアレ抑制処理を施せば、それ以外の画像領域の画質の劣化は全く起きず、画質が劣化する領域を最小限にすることができる。
【0102】
また、シフトデータのシフト量が小さければそれだけ、新たな階調値Q(xu,yu) は、元の注目画素(xu,yu) の階調値P(xu,yu) が大きく反映されるので、画質の劣化を小さくすることができる。従って、画像パターンの周期性度合いが低くモアレが発生し難い部分には、最大シフト量Kの値を小さくして必要以上の画質の劣化を抑制しつつモアレの発生を抑制するように処理することが好ましい。
【0103】
なお、上記▲1▼の方法で説明したようにシフトデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定すれば、簡単な演算でシフトデータが得られ、処理量を軽減することができる。
【0104】
一方で、シフトデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定したとき、処理後画像の階調値分布に偏りが起こることがあり、この階調値分布の偏りが部分的な画質の劣化として目立つことも考えられる。これに対して、上記▲2▼の方法で説明したようにシフトデータのシフト方向とシフト量とを周期関数を用いて決定すれば、処理後画像の階調値分布は周期的に分散され、階調値分布の偏りを抑制できるので、階調値分布の偏りによる部分的な画質の劣化を防止することが期待できる。
【0105】
また、処理対象領域内の画像パターンの周期性(周期性データ)に応じて、シフトデータを決定すれば、画像パターンに応じた最適なシフトデータを決定することができる。
【0106】
さらに、処理対象領域内の画像パターンの周期方向だけに注目画素の位置がシフトされるようにシフトデータのシフト方向を決定することにより、特に、次のような場合に効果が得られる。すなわち、画像パターンの周期方向がx方向と一致する場合またはy方向と一致する場合、処理前画像内で直交する他方の画素列方向(y方向またはx方向)に対するシフトを行わないので、モアレ抑制処理を、画像パターンの周期方向(x方向またはy方向)だけに対して施すことができ、シフトしない方向への画質の劣化を抑制することができ、不必要な画質の劣化を抑制することができる。
【0107】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明に係る画像処理をデジタル画像に施せば、各画素に対するシフトデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定するので、各画素に対するシフトデータのシフト方向とシフト量とを簡単な演算により決定することができ、その処理後のデジタル画像に対して、従来、モアレが発生していたシャープネス処理や網点化処理などの処理を施してもモアレの発生を抑制することができ
【0109】
請求項2に記載の発明によれば、各画素に対するシフトデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定するに際して、初期値の規定をランダムに行った周期関数を用いて決定するので、階調値分布の偏りによる部分的な画質の劣化を防止しつつモアレの発生を抑制することが可能となる。
【0111】
請求項3に記載の発明によれば、デジタル画像内で周期性を有する画像パターンが存在する画像領域を抽出し、抽出した画像領域を処理対象領域として上記請求項1または2のいずれかに記載の発明に係る画像処理を施すので、デジタル画像内でモアレが発生する可能性がある画像領域だけに対してモアレの発生を抑制する画像処理を施すことができる。従って、モアレが発生する可能性がない画像領域の画質の劣化を起こすことがなく、また、不要な処理が省けて処理量を軽減することもできる。
【0112】
請求項4に記載の発明によれば、2次元のデジタル画像内で互いに直交する2つの画素列方向それぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存在を調べて処理対象領域を抽出するので、デジタル画像内でモアレが発生する可能性がある画像領域の抽出処理を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理方法を実現するための一実施例に係る画像処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像処理方法を実現するための画像処理装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明に係る画像処理方法の一手順を示すフローチャートである。
【図4】自己相関データの算出時の一例の形態を示す図である。
【図5】x方向に沿った自己相関データの算出時の一例の形態を示す図である。
【図6】y方向に沿った自己相関データの算出時の一例の形態を示す図である。
【図7】処理前画像の各画素の階調値の一例及びそれから得られたx方向に沿った自己相関データを示すデータとその自己相関データをグラフ化した図である。
【図8】周期性が無いx方向に沿った自己相関データの一例を示す図である。
【図9】x方向に沿った周期値及びy方向に沿った周期値と実際の周期方向及び周期値との関係を示す図である。
【図10】シフトデータのシフト方向とシフト量とを示す図である。
【図11】周期関数を用いてx方向のシフト量を決定する状態を模式的に示す図である。
【図12】周期関数を用いてy方向のシフト量を決定する状態を模式的に示す図である。
【図13】シフト後の位置に応じた注目画素の新たな階調値の算出方式を示す図である。
【図14】y方向のシフト量が 0.0である場合の新たな階調値の算出方式を示す図である。
【図15】x方向のシフト量が 0.0である場合の新たな階調値の算出方式を示す図である。
【図16】シフト後の位置が処理前画像の画素位置と一致する場合の新たな階調値を示す図である。
【図17】図3のステップS3〜ステップS5の処理の状態を模式的に示した図である。
【図18】処理前画像の画像パターンが2画素周期である場合の「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とを示す図である。
【図19】従来の問題点を説明するための図であって、画像パターンと光電素子との位置関係を示す図である。
【図20】デジタル画像の画像パターンが4画素周期である場合の「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とを示す図である。
【図21】図20のデジタル画像にシャープネス処理を施した場合の計算上の各画素の階調値を示す図である。
【図22】図20のデジタル画像にシャープネス処理を施した場合の各画素の最終的な階調値を示す図である。
【図23】モアレが発生し得る階調変換処理を実施するルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図24】モアレが発生し得る階調変換処理を実施するルックアップテーブルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
2b:処理前画像記憶部
2c:処理後画像記憶部
10:処理対象領域抽出部
20:モアレ抑制処理部
PG:モアレ抑制処理前の画像
AG:モアレ抑制処理後の画像
PA:処理対象領域
(xu,yu) :注目画素
dx(xu,yu) :注目画素に対して決定したx方向のシフト量
dy(xu,yu) :注目画素に対して決定したy方向のシフト量
Q(xu,yu) :シフト後の位置に応じた注目画素の新たな階調値
Claims (4)
- デジタル画像に対して施す画像処理方法であって、
前記デジタル画像の少なくとも一部の画像領域を処理対象領域とし、
前記処理対象領域内の画素を注目画素として、その注目画素に対してシフト方向とシフト量とをランダムに決定したシフトデータに基づきその注目画素の位置をシフトしたと仮定したときに、そのシフト後の位置の近傍画素の階調値に基づき、そのシフト後の位置に応じたその注目画素の新たな階調値を求める処理を、前記処理対象領域内の各画素を順次注目画素として行い、
前記処理対象領域内の各画素の階調値を前記新たな階調値に置き換えた処理後のデジタル画像を得ることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1に記載の画像処理方法において、
各画素に対する前記シフトデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定するに際して、初期値の規定をランダムに行った周期関数を用いて決定することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項1または2に記載の画像処理方法において、
前記デジタル画像内で周期性を有する画像パターンが存在する画像領域を抽出し、抽出した画像領域を前記処理対象領域とすることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項3に記載の画像処理方法において、
2次元のデジタル画像内で互いに直交する2つの画素列方向それぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存在を調べて前記処理対象領域を抽出することを特徴とする画像処理方法。
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