JP3753900B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指定された注目画素についてのモアレ発生予測情報を求めて表示する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に従来より、画像処理は、CCDなどの画像入力器で原稿または対象物体を光学的に読み取り、デジタル化することによってデジタル画像を取得し、そのデジタル画像に対して種々の処理を施すことにより行われる。
【0003】
例えば、画像の鮮鋭度を向上させる場合には取得したデジタル画像にシャープネス処理が施される。また、シャープネス処理以外にも、画像中の画素の階調値を変換する階調変換処理等が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、例えば、デジタル画像に対してシャープネス処理などの画像処理を行った場合、処理後の画像にモアレが発生することがあった。
【0005】
本発明者は、このようなモアレの発生状態や発生原因を調査した。その結果、まず、このようなモアレは、画像内に布地や網模様、格子パターンなどの周期性を有する画像パターンが存在する画像領域で発生することが判明した。
【0006】
このようなモアレは、以下のような原因で発生すると考えられる。例えば、原稿内に図23に示すような周期性を有する画像パターン(白黒の縞模様)GPTが存在し、この原稿を画像入力器で読み取ってデジタル画像を得る場合を考える。このとき、原稿の画像パターンGPTと画像入力器の光学読み取り素子(光電素子)IDとの位置関係によって、得られたデジタル画像の各画素の階調値は変化する。
【0007】
例えば、原稿の画像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が図23(a)に示す状態であれば、得られたデジタル画像の各画素の階調値は、図24(a)の階調プロファイルに示すように、白黒が明確に分かれる「INフェイズ状態」となる。また、原稿の画像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が図23(b)に示す状態であれば、得られたデジタル画像の各画素の階調値は、図24(b)の階調プロファイルに示すように、白黒の中間値が発生する「OUTフェイズ状態」となる。
【0008】
図24に示す各階調プロファイルは「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで相違するが、各々の平均階調値AKIN、AKOUTは略等しい。
【0009】
しかしながら、デジタル画像に、例えば、シャープネス処理を施すと、「INフェイズ状態」で読み取られた画像と「OUTフェイズ状態」で読み取られた画像とで平均階調値AKIN、AKOUTに違いが生じる。例えば、図24(a)、(b)に示す各画像にそれぞれシャープネス処理を施すと、計算上、各画素の階調値は各々図25(a)、(b)に示すようになる。ここで、計算上、階調値が階調レンジKR(図では、0〜255)から外れるサチレーションが起きると、その階調値は、強制的に階調レンジKRの上下限値に修正される。すなわち、図24(a)、(b)に示す各画像にそれぞれシャープネス処理を施すと、処理後の各画素の階調値は各々図26(a)、(b)の実線に示すようになる。
【0010】
ここで、この例の画像パターンGPTは、デジタル画像上で4画素周期の周期性を有しているが、1周期ごとに、図26(a)では、白2画素だけにサチレーションSRが起き、図26(b)では、白1画素と黒1画素とにサチレーションSRが起きている。その結果、図26(a)(「INフイズ状態」)の平均階調値AKINは、図26(b)(「OUTフイズ状態」)の平均階調値AKOUTに比べて低くなる。
【0011】
ところで、図23では、画像パターンGPTの白黒の幅が、光電素子IDの幅の整数倍である場合を示したが、画像パターンGPTの白黒の幅が、光電素子IDの幅の整数倍でない場合、原稿の画像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が周期的にずれるので、得られた画像上では、画像パターンGPTは、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで読み込まれる状態が周期的に繰り返されることになる。この場合、このデジタル画像にシャープネス処理を施すと、平均階調値が周期的に変動する状態が生じる。この平均階調値が周期的に変動する状態が、モアレとなって現れるものと考えられる。
【0012】
この周期変動は、原稿や対象物体には無い画像であるため、画像の品質が著しく低下することになる。
【0013】
上記ではデジタル画像に対してシャープネス処理を施した場合について説明したが、例えば、図27に示すようなルックアップテーブルによって各画素の階調値を変換するような階調変換処理など、サチレーションに偏りが生じるような画像処理を施した場合にも上記のような平均階調値が周期的に変動する状態が発生し、その結果、処理後の画像にモアレが発生すると考えられる。
【0014】
さらに、例えば、図28に示すようなルックアップテーブルによって各画素の階調値を変換する階調変換処理などでも、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで平均階調値に違いが生じ、上記のような平均階調値が周期的に変動する状態が発生する結果、処理後の画像にモアレが発生すると考えられる。
【0015】
モアレの発生原因は以上のようなものであるが、従来においては、モアレの発生に関する予測情報、すなわちシャープネス処理等の画像処理の結果、平均階調値が周期的に変動する状態となるのを予測する情報を定量的にオペレータに知らせる技術はなかった。従って、従来においては、オペレータの経験と目視による以外にモアレの発生を予測することはできず、モアレの発生を何人にも容易に予測することができる技術が望まれていた。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、モアレの発生を容易に予測することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、画像処理装置であって、画像内の注目画素を指定する注目画素指定手段と、前記注目画素について、前記画像に所定の画像処理を行った後のモアレの発生の予測に関するモアレ発生予測情報を算出するモアレ発生予測情報算出手段と、算出された前記モアレ発生予測情報を表示する表示手段と、を備え、前記モアレ発生予測情報算出手段に、前記注目画素を含む前記画像内の注目領域と当該注目領域以外の周辺領域との相関特性に基づいて画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周期性指標を算出する周期性指標算出手段と、前記画像パターンの繰り返しの周期を算出する周期算出手段と、前記画像パターンの繰り返しの方向を算出する方向算出手段と、を含ませ、前記モアレ発生予測情報に、前記周期性指標、前記周期および前記方向を含ませている。
【0019】
また、請求項の発明は、請求項の発明に係る画像処理装置において、前記モアレ発生予測情報算出手段に、前記注目画素について、前記注目画素とその周辺画素との明暗比を示す指標であるコントラスト量を算出するコントラスト量算出手段、をさらに含ませ、前記モアレ発生予測情報に、前記コントラスト量をさらに含ませている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
<1.背景となる技術>
本発明者は、調査・解明したモアレの発生原因に基づいて、モアレの発生を抑制する技術について案出した。この技術について簡単に説明すると以下のようなものである。
【0022】
原稿または対象物体をデジタル画像として読み込み、その画像から周期的な画像パターンの繰り返しが存在する周期画像領域を抽出する。また、このときに後述する相関特性に基づいて、画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周期性指標を算出する。
【0023】
一方、これとは別に、読み込まれたデジタル画像から差分画像を作成する。差分画像を加工した後、その差分画像に基づいて明暗比を示す指標であるコントラスト量を算出する。
【0024】
その後、上記の周期性指標およびコントラスト量に基づいてぼかし処理の程度であるぼかし量を決定し、また、シフト処理の程度であるシフト量を決定する。そして、決定されたぼかし量に従って画像のぼかし処理を行い、決定されたシフト量に従ってシフト処理を行う。
【0025】
このようなぼかし処理またはシフト処理を行うことによって、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とが周期的に繰り返される状態が崩されるため、ぼかし処理またはシフト処理後の画像に対してシャープネス処理等を施したとしても、平均階調値が周期的に変動する状態は生じず、モアレの発生を抑制することができる。なお、画像のコントラストが高い場合には主としてぼかし処理を行い、コントラストが低い場合には主としてシフト処理を行うことにより画質が劣化するのを防止している。
【0026】
かかる技術においては、画像から周期性指標およびコントラスト量を算出し、それらに基づいて自動的にぼかし量やシフト量を決定している。ここで例えば、周期性指標は、シャープネス処理等を施したときに平均階調値が周期的に変動する状態が生じる原因(モアレ発生の原因)となる画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す指標であり、いわばモアレの発生を予測するための指標である。従って、このような周期性指標等を表示すれば、オペレータはモアレの発生を予測する情報を定量的に把握することができるのである。
【0027】
本発明は、このような周期性指標等を表示することによって、モアレの発生を予測する情報を定量的に示すものであり、以下詳細に説明する。
【0028】
<2.画像処理装置の全体構成>
図1は、本発明に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。この画像処理装置はいわゆるコンピューターシステムを用いて構成されている。CPU1は、内部メモリ2に記憶された処理プログラムに従って、本発明に係るモアレ発生予測情報を算出する処理の他、上述したモアレの発生を抑制する処理やシャープネス処理などの画像処理も実行する。CPU1と内部メモリ2とはバスラインBLを介して接続されている。内部メモリ2には、上述した処理プログラムを記憶するプログラム記憶部2a以外にも、少なくとも処理を施す前のデジタル画像(以下、「処理前画像」とも言う)を記憶する処理前画像記憶部2bや処理を施した後のデジタル画像(以下、「処理後画像」とも言う)を記憶する処理後画像記憶部2cを有する。
【0029】
また、CPU1は、入出カインターフェイスIFを介して、記録媒体用ドライバ3、外部記憶装置4、表示装置5、入力装置6、画像入力器7などにも接続されている。
【0030】
記録媒体用ドライバ3には、上述した各処理をCPU1に実行させるための処理プログラムが記録されている記録媒体8が装填される。記録媒体8から読み出された処理プログラムは内部メモリ2内のプログラム記憶部2aに記憶され、CPU1によって実行される。
【0031】
ハードディスクや光磁気ディスクなどで構成される外部記憶装置4は、処理前画像や処理後画像などの画像の保存などに用いられる。また、CRTなどで構成される表示装置5は、モアレ発生予測情報の表示の他、処理前画像や処理後画像、シャープネス処理後の画像などの表示などに用いられる。さらに、キーボードやマウスなどで構成される入力装置6は、オペレータからの注目画素の指定の他、各種の指示や処理に必要なデータの設定などに用いられる。
【0032】
入力スキャナなどで構成される画像入力器7によって読み込まれたデジタル画像(処理前画像)は、内部メモリ2内の処理前画像記憶部2bに記憶され、この処理前画像に対して、後述するようなモアレ発生予測情報の算出に関する各処理が施される。
【0033】
図2は、図1の画像処理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この画像処理装置は機能的に、周期性データ演算部10と、差分画像作成部30と、コントラスト量算出部50と、周期性データ加工部80とを備えている。さらに、周期性データ演算部10は、周期性指標算出部20と、周期方向算出部60と、周期値算出部70と含み、差分画像作成部30は、加工部40を含んでいる。これらの処理部はいずれも、CPU1内において、上記処理プログラムによって実現される手段であり、それぞれの機能および処理内容については後に詳述する。
【0034】
<3.画像処理の手順>
図3は、画像処理装置における画像処理の処理手順の概要を示すフローチャートである。画像処理に先立って、原稿または対象物体が画像入力器7によってデジタル画像として読み込まれ、処理前画像記憶部2bに記憶される。そして、読み込まれたデジタル画像は、表示装置5に処理前画像として表示される(ステップS1)。
【0035】
次に、オペレータが表示された処理前画像を確認しつつ、モアレ発生予測情報を知りたい領域の注目画素を指定する(ステップS2)。この指定は、入力装置6を使用して行われる。
【0036】
次に、上記の指定された注目画素について、周期性データ演算部10が処理前画像から周期性データの算出を行う(ステップS3)。周期性データとは、周期性指標と周期方向と周期値とを含む総称であり、これについてはさらに後述する。得られた周期性データは、周期性データ加工部80によって加工され(ステップS4)、その加工後の周期性データをもって、周期性データ演算部10が注目画素についての最終的な周期性データを確定させる(ステップS5)。
【0037】
一方、読み込まれたデジタル画像は、差分画像作成部30にも与えられ、処理前画像から差分画像が作成される。差分画像は加工部40によって加工され、その加工後の差分画像に基づいてコントラスト量算出部50が明暗比を示す指標であるコントラスト量を算出する(ステップS6)。
【0038】
その後、注目画素について得られた周期性データおよびコントラスト量がモアレ発生予測情報として表示装置5に表示される(ステップS7)。
【0039】
なお、ステップS3〜ステップS5の処理とステップS6の処理とはその処理順序が逆であっても良い。また、モアレ発生予測情報を表示させた後に、上述したようなモアレの発生を抑制する処理を行わせるようにしても良い。
【0040】
以下、図3の各処理手順についてさらに詳細に説明する。
【0041】
<3−1.周期性データの算出>
入力装置6を介して指定された注目画素(xc,yc)についての周期性データは、周期性データ演算部10が処理前画像における周期的な画像パターンの繰り返しを調べることにより算出される。
【0042】
具体的には、まず、以下の数1によって注目画素(xc,yc)の周辺領域の自己相関データS(a,b)を求める。
【0043】
【数1】
Figure 0003753900
【0044】
但し、ABS{}は絶対値を求める関数、P(x,y)は処理前画像の画素(x,y)の階調値、m,nは差分積算領域Eを決める定数、a,bは自己相関を比較するズラシ量、wx,wyは1つの中心画素(xc,yc)に対して自己相関特性を調べる範囲Wを決める定数である。
【0045】
(xc,yc)=(4,4)、m=n=1(差分積算領域:3×3)、wx=xy=2(a=b=-2〜+2)とした場合において、a=b=+2のときの自己相関データS(a,b)の算出形態を図4に示す。
【0046】
なお、m,n,wx,wyは予め設定された固定値として処理するようにしてもよいし、入力装置6からオペレータによって適宜に変更可能に構成してもよい。そして、周期性データ演算部10は、m,n,wx,wyによって規定される範囲Wの周囲をさらにα画素分だけ拡張した領域を予め切り出して、処理前画像記憶部2bに展開し、その切り出した画像領域に対して数1の演算を行う。αの値についても、予め設定された固定値として処理するようにしてもよいし、入力装置6からオペレータによって適宜に変更可能に構成してもよい。
【0047】
ところで、上記の数1では、自己相関データを2次元的に求めているので処理量が多くなる。そこで、例えば、2次元の処理前画像内で互いに直交する2つの画素列方向であるx方向、y方向それぞれに沿った周期的な画像パターンの繰り返しの存在を調べて周期画像領域を抽出するために、x方向、y方向それぞれに沿った自己相関データH(a)、V(b)を以下の数2、数3によって求めて、処理の高速化を図るようにしてもよい。
【0048】
【数2】
Figure 0003753900
【0049】
【数3】
Figure 0003753900
【0050】
(xc,yc)=(4,4)、m=1(差分積算領域:3×1)、wx=2(a=-2〜+2)とした場合において、a=+2のときのx方向に沿った自己相関データH(a)の算出形態を図5に、また、(xc,yc)=(4,4)、n=1(差分積算領域:1×3)、wy=2(b=-2〜+2)とした場合において、b=+2のときのy方向に沿った自己相関データV(b)の算出形態を図6にそれぞれ示す。
【0051】
次に、上記で求めた自己相関データ(S(a,b)、または、H(a)、V(b))に基づき、画像中における周期的な画像パターンの繰り返しの有無を調べる。
【0052】
すなわち、周期的な画像パターンの繰り返しが存在すると、その画像パターンの周期ごとに自己相関が高くなり、上記数1、数2、数3で求まる自己相関データは規則的に小さくなる。従って、まず、(A)自己相関データの極小値を検索し、(B)それら極小値が所定レベル以下で、かつ、(C)それら極小値が規則的に存在していることを調べる。
【0053】
図7は(xc,yc)=(7,3)、m=1、wx=5(a=-5〜+5)とした場合のP(x,y)、H(a)の一例を示すデータとそのH(a)をグラフ化した図である。すなわち、同図は注目画素(xc,yc)=(7,3)について、当該注目画素を含む注目領域と当該注目領域以外の周辺領域との相関特性を示すものである。なお、a=0は、同じ画素どうしの自己相関であるので、H(0)=0となり極小値になる。
【0054】
自己相関データH(a)について、上記(A)の処理は、〔(H(k-1)>H(k))and(H(k)<H(k+1))〕の条件を満たすkを+側と−側とで求める。この条件を満たすkについてのH(k)の値が極小値となる。
【0055】
上記(B)の処理は、上記(A)の条件を満たすH(k)、すなわち極小値となるH(k)が所定のしきい値以下となるか否かで判定する。このしきい値は、予め入力装置6等によって複数が設定されており、例えば図7においては、”SL1=7.5”、”SL2=5”の2つが設定されている。そして、極小値となるH(k)が少なくとも最も高い値のしきい値SL1以下となっていれば、上記(B)の処理において、所定レベル以下であると判定される。
【0056】
なお、注目領域のコントラストが高いほど、H(a)の全体レベルが上がるため、しきい値は固定値ではなく、H(a)の最大値に対する比率(SL1=58%,SL2=38%)で規定してもよい。
【0057】
上記(C)の処理では、例えば、上記(A)の条件を満たす+側のkをkp、−側のkをkmとしたとき(ABS{kp+km}≦1)を満たすか否かで規則性の有無を判定する。また、例えば、上記(A)の条件を満たす各極小値に対して、隣接する各極小値間の幅の相互の差分の絶対値が各々1以下であるか否か、すなわち、ABS{D(d+1)−D(d)}≦1(d=0,1,2,・・・:図7では、d=O)によって規則性の有無を判定することもできる。後者の判定によれば、例えば、極小値が+側、−側にそれぞれ2個以上存在する場合にも適用できる。
【0058】
H(a)に極小値が存在しても、ある程度大きかったり(最も高い値のしきい値SL1を越えていたり)、それら極小値が不規則に存在しているような場合は周期性が有るとは言い難いが、上記(B)によりレベル判定が行え、上記(C)により極小値の規則性が判別でき、周期性の有無を確実に判定できる。
【0059】
従って、上記(A)、(B)、(C)の条件を全て満たす場合、注目画素(xc,yc)の周囲の範囲W内の画像に周期的な画像パターンの繰り返しが存在することになる。これに対して、図8に示すような自己相関データH(a)には周期性が無く、周期的な画像パターンの繰り返しが存在しないこととなる。
【0060】
ところで、図7において、x方向の周期値Thは((kp−km)/2))または(D(d))である。
【0061】
また、上記ではx方向に沿った周期性の有無や周期値(Th)について説明したが、y方向に沿った周期性の有無や周期値(Tv)も同様の処理により求めることができる。
【0062】
図9に示すように、x方向の周期値(Th)とy方向の周期値(Tv)が判れば、周期方向算出部60がそれらに基づいて画像パターンの繰り返しの方向である周期方向θを(arctan(Tv/Th))として算出する。
【0063】
また、周期値算出部70がx方向の周期値(Th)とy方向の周期値(Tv)とに基づいて、処理前画像上の実際の周期値(周期方向に沿った画像パターンの繰り返しの周期)Tを(Th×sinθ)(または、Tv×cosθ)として算出する。
【0064】
自己相関データS(a,b)を用いた場合には、上記と同様の処理を2次元的に行うことで、周期性の有無や処理前画像上の実際の周期方向及び周期値を得ることができるが、上述したようにx方向、y方向それぞれに沿った自己相関データH(a)、V(b)を用いても同様の結果を高速に得ることができる。なお、自己相関データS(a,b)を用いた場合、実際の画像パターンの周期を種々の方向から調べることになるが、このとき、周期値が最小となる方向がその画像パターンの周期方向となる。
【0065】
また、上記(A)、(B)、(C)の処理が実行される過程において、図7に示したような相関特性に基づいて、周期性指標算出部20が画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周期性指標Mを算出する。自己相関データH(a)は、周期性の度合い(画像パターンの繰り返しの有無の程度)を示すものであるため、極小値となるH(k)がより低い値のしきい値以下となっている場合には、周期性の度合いが大きいと言える。例えば、図7において、極小値H(-3)はしきい値SL1としきい値SL2との間であるのに対して、極小値H(+3)はしきい値SL2よりも小さい。つまり、極小値H(+3)の方が周期性の度合いが大きいことを示している。従って、極小値H(k)がいずれのしきい値以下となっているかを判定することによって、画像パターンの繰り返しの有無の程度を判別することができるのである。
【0066】
具体的には、以下のようにして周期性指標算出部20が周期性指標Mを算出する。周期性指標Mの算出に関与するのは、上記(A)の処理において極小値と判定され、上記(B)の処理において最高しきい値SL1以下と判定され、かつ上記(C)の処理において規則性有りと判定された極小値H(k)のみである。但し、H(0)は、注目画素自身との相関であって、必ず0になる値であるため、周期性指標Mの算出には関与しない。従って、例えば、図7においては、しきい値SL1以下の極小値H(-3)および極小値H(+3)がいずれのしきい値以下となっているかによって周期性指標Mは算出される。なお、上記(A)、(B)、(C)の条件を満たすH(k)が存在しない場合には、その注目画素(xc,yc)についての周期性指標M(xc,yc)=0とすることにより、周期性は存在しないものされる。
【0067】
複数のしきい値のそれぞれには周期性指標Mの値が0から1の範囲にて規定されており、例えば図7の例では、しきい値SL1に”M=0”、しきい値SL2に”M=1”が規定されている。そして、しきい値SL2以下の極小値H(k)については”M(k)=1”とする。一方、しきい値SL1としきい値SL2との間の極小値H(k)については、しきい値SL1としきい値SL2との間において周期性指標Mが線形的に変化するものとみなして、算出する。例えば、図7の場合、以下の数4に従って算出する。
【0068】
【数4】
Figure 0003753900
【0069】
そして、複数の極小値H(k)について算出されたM(k)の平均値が注目画素(xc,yc)についての周期性指標M(xc,yc)となる。例えば、図7においては、極小値H(+3)はしきい値SL2よりも小さいため、M(+3)=1となる。また、極小値H(-3)はしきい値SL1としきい値SL2との間であるため、数4に従い、M(-3)=(7.5-6)/(7.5-5)=0.6となる。よって、注目画素(xc,yc)=(7,3)についての周期性指標M(7,3)=(1+0.6)/2=0.8となる。
【0070】
なお、周期性指標Mの算出に使用するしきい値は2つに限定されるものではなく、3つ以上であっても良い。最高しきい値と最低しきい値との間において周期性指標Mが線形的に変化する場合は、2つで十分であるが、非線形的に変化する場合は3つ以上のしきい値を設定した方が好ましい。
【0071】
また、上記のしきい値とは別に、自己相関データH(a)の最大値について判定するためのしきい値を設けるようにしても良い。自己相関データH(a)の最大値が所定のしきい値よりも小さい場合は、均一な画像中にノイズが存在している場合が多いと考えられ、このような場合は周期的な画像パターンの繰り返しであるとは言えない。従って、自己相関データH(a)の最大値が所定のしきい値よりも小さい場合は、注目画素(xc,yc)についての周期性指標M(xc,yc)=0とすることにより、周期性は存在しないものと判定するのである。
【0072】
上述したような周期性データ演算部10による処理のうち、少なくとも周期性指標算出部20による周期性指標Mの算出は、上述した範囲Wの周囲をさらにα画素分だけ拡張して拡大した領域に含まれる全ての画素について行う。指定された注目画素(xc,yc)以外の画素についても周期性指標Mを算出するのは、後述する周期性データ加工部80による加工のためである。なお、指定された注目画素(xc,yc)以外の画素についての周期性指標Mの算出手法は、上述と同様である。
【0073】
以上のようにして、指定された注目画素(xc,yc)について、画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周期性指標Mと、画像パターンの繰り返しの周期値Tと、画像パターンの繰り返しの方向θとが周期性データとして算出されるのである。
【0074】
<3−2.周期性データの加工>
ところで、指定された注目画素(xc,yc)が画像パターンの繰り返しの端部に位置する場合は、上記の周期性データが適切に算出されない場合がある。まず、その理由について以下に説明する。
【0075】
図10に示すような画像に対して、上記と同様の処理を行う場合について考える。なお、図10において、斜線部は黒色領域であり、残余の部分は白色領域であるものとする。
【0076】
注目画素(xc,yc)が、図10に示す黒色領域P2に存在する場合、自己相関データH(a)は図11にて示すようになる。すなわち、黒色領域P2の両隣には、黒色領域P1および黒色領域P3が存在し、画像パターンの繰り返しとなっているため、所定のしきい値以下の極小値H(a)が規則的に存在する。その結果、黒色領域P2には周期的な画像パターンの繰り返しが存在すると判断され、注目画素(xc,yc)には高い値(例えば”1.0”)の周期性指標M(xc,yc)が付与される。注目画素(xc,yc)が黒色領域P3に存在する場合も同様である。
【0077】
一方、注目画素(xc,yc)が、図10に示す黒色領域P1に存在する場合、自己相関データH(a)は図12にて示すようになる。すなわち、黒色領域P1の右隣には黒色領域P2が存在するものの、左隣には黒色領域が存在しないため、所定のしきい値以下の極小値H(a)が1つしか存在しない、つまり規則的に存在しないこととなる。その結果、黒色領域P1には周期的な画像パターンの繰り返しが存在しないと判断され、注目画素(xc,yc)の周期性指標M(xc,yc)は”0”とされる。注目画素(xc,yc)が黒色領域P4に存在する場合も同様である。
【0078】
以上のように処理が行われたとすると、図10に示した画像には図13の斜線部にて示すような画像パターンの繰り返しが存在するものと判断されることとなる。すなわち、図10の処理前画像における実際の周期的な画像パターンの繰り返しよりも狭い画像パターンの繰り返ししか存在しないものと判断されるのである。
【0079】
そして、指定された注目画素(xc,yc)が黒色領域P1や黒色領域P4に存在する場合は、実際には周期的な画像パターンの繰り返しであるにもかかわらず、周期性指標M(xc,yc)=0とされ、周期性データが適切に算出されないのである。
【0080】
そこで、本実施形態においては、上記周期性データ算出処理において画像パターンの繰り返しであると判断された領域を周期性データ加工部80が画像パターンの繰り返しの1周期分、すなわち周期値Tだけ拡張しているのである。
【0081】
具体的には、上記の周期性データ算出処理において画像パターンの繰り返しであると判断された領域内の画素を中心画素として±Tの範囲内に存在する画素の周期性指標Mと当該中心画素の周期性指標Mとを比較し、±Tの範囲内に存在する画素の周期性指標Mの方が小さければ、その画素の周期性指標Mの値を中心画素の周期性指標Mの値に置き換えているのである。例えば、図13において画像パターンの繰り返しであると判断された領域内に含まれる黒色領域P2の画素を中心画素とした±Tの範囲内には、黒色領域P1が含まれる。黒色領域P1内の画素の周期性指標Mは、黒色領域P2の画素の周期性指標Mよりも低いため、黒色領域P1内の画素の周期性指標Mの値が黒色領域P2の画素の周期性指標Mの値に置換されるのである。同様にして、黒色領域P4内の画素の周期性指標Mの値が黒色領域P3の画素の周期性指標Mの値に置換される。なお、周期性データ加工部80がこのような処理を行うために、上記の周期性データ算出処理において範囲Wの周囲をさらにα画素分だけ拡張して拡大した領域に含まれる全ての画素について周期性指標算出部20が周期性指標Mを算出しているのである。
【0082】
その結果、図14の斜線部にてに示すような画像パターンの繰り返しであると判断される領域が取得されることとなる。この領域は、図10の処理前画像における実際の画像パターンの繰り返しの全てを含むものである。そして、このようにして拡張された画像パターンの繰り返しである領域内の画素には、周期性データ算出処理において画像パターンの繰り返しであると判断された領域の画素が有していた周期性指標Mの値と同じ値の周期性指標Mが付与されている。なお、上述においては、説明を簡単にするため、一方向のみに拡張する場合について説明したが、2方向に拡張した後それを合成するようにしても良い。
【0083】
以上のようにして、周期性データ加工部80によって画像パターンの繰り返しが拡張され、算出された周期性データの加工が行われるのである。
【0084】
<3−3.周期性データの確定>
周期性データ加工部80によって周期性データの加工が行われた結果、指定された注目画素(xc,yc)が画像パターンの繰り返しの端部に位置する場合であっても、的確に画像パターンの繰り返しであると判断される。換言すれば、周期性データの加工を行うことによって、指定された注目画素(xc,yc)についての正確な周期性データを得ることができるのである。このため、本実施形態においては、周期性データの加工が行われた後、その加工後の周期性データをもって、周期性データ演算部10が指定された注目画素(xc,yc)についての最終的な周期性データを確定させている。
【0085】
具体的には、上記の加工において拡張された画像パターンの繰り返しである領域内の画素に付与された周期性指標Mの値を周期性指標算出部20が注目画素(xc,yc)についての最終的な周期性指標Mとして確定する。
【0086】
また、指定された注目画素(xc,yc)が画像パターンの繰り返しの端部に位置する場合には、自己相関データH(a)において片側にしか極小値が存在しない。ここで、上記の加工において画像パターンの繰り返しが拡張され、注目画素(xc,yc)についての最終的な周期性指標Mが”0”から他の値に上昇した場合には、自己相関データH(a)において片側にしか存在しない極小値から周期値Tおよび周期方向θを算出する。例えば、図7において、極小値が+側にしか存在しないとすると、x方向の周期値Thは(kp)または(D(1))となる。y方向の周期値(Tv)も同様にして求められる。
【0087】
そして、周期方向算出部60がそれらに基づいて画像パターンの繰り返しの方向である周期方向θを(arctan(Tv/Th))として算出し、最終的な周期方向として算出する。また、周期値算出部70もx方向の周期値(Th)とy方向の周期値(Tv)とに基づいて、周期方向に沿った画像パターンの繰り返しの周期である周期値Tを(Th×sinθ)(または、Tv×cosθ)として算出し、最終的な周期値として確定する(図9参照)。
【0088】
なお、指定された注目画素(xc,yc)が画像パターンの繰り返しの内部に位置する場合であって、ステップS3の周期性データの算出において周期性指標Mの値が”0”以外であると判断されたものについては、ステップS3にて算出された周期方向θおよび周期値Tの値をそのまま周期方向算出部60および周期値算出部70が最終的な周期方向および周期値として確定させる。
【0089】
<3−4.コントラスト量の算出>
次に、コントラスト量の算出について説明する。既述したように、処理前画像は差分画像作成部30にも与えられ、差分画像作成部30、加工部40およびコントラスト量算出部50による処理を経て、指定された注目画素(xc,yc)についてのコントラスト量C(xc,yc)が算出される。指定された注目画素(xc,yc)についてのコントラスト量とは、注目画素(xc,yc)とその周辺画素との明暗比を示す指標である。
【0090】
図15は、コントラスト量算出の手順を示すフローチャートである。図15に示した各処理のうち、ステップS61〜ステップS63の処理は差分画像作成部30によって、ステップS64〜ステップS66の処理は加工部40によって、ステップS67の処理はコントラスト量算出部50によって実行されるものであり、以下これらについて順に説明する。
【0091】
まず、差分画像作成部30が高濃度領域拡張画像および高濃度領域縮小画像を作成する(ステップS61,S62)。図16は、高濃度領域の拡張または縮小について説明する図である。同図に示すように、白地中に黒字の四角形の図形(斜線を付した部分)が描かれた処理前画像の高濃度領域を拡張または縮小する場合を例として説明する。
【0092】
図16において、白地部分が階調値P=”255”の高濃度領域であり、黒の図形部分が階調値P=”0”の低濃度領域である。高濃度領域を拡張するときには、この画像に対して3×3の画素行列で構成されるフィルタF1によるフィルタ操作を行う。フィルタF1は、その構成画素(3×3=9画素)の階調値のうちの最大値を中央画素の出力値とするフィルタである。そして、このフィルタF1を、画像に対して順次に走査させることによって高濃度領域の拡張を行う。すなわち、フィルタF1が黒の図形の周辺部分を走査するときには、高濃度(高階調値)である白地部分の階調値(P=255)が出力され、当該周縁部分が黒から白地に置換される。このことは、高濃度領域(白地)が拡張されることを意味しており、いわゆる太らせ処理が行われていることとなる。
【0093】
図17は、図16の画像の高濃度領域が拡張された高濃度領域拡張画像を示す図である。高濃度領域(白地)が拡張され、黒の図形部分が処理前画像よりも小さくなっている。
【0094】
一方、高濃度領域を縮小するときにも上記と同様に、処理前画像に対して3×3の画素行列で構成されるフィルタF2によるフィルタ操作を行う。フィルタF2は、その構成画素(3×3=9画素)の階調値のうちの最小値を中央画素の出力値とするフィルタである。従って、上記拡張と同様に、フィルタF2を処理前画像に対して順次に走査させると、黒の図形の周辺部分において、低濃度(低階調値)である黒の階調値(P=0)が出力され、当該周辺部分が白地から黒に置換される。このことは、高濃度領域(白地)が縮小されることを意味しており、いわゆる細らせ処理が行われていることとなる。
【0095】
図18は、図16の画像の高濃度領域が縮小された高濃度領域縮小画像を示す図である。高濃度領域(白地)が縮小され、黒の図形部分が処理前画像よりも大きくなっている。
【0096】
次に、差分画像作成部30が高濃度領域拡張画像と高濃度領域縮小画像との差分である差分画像を作成する(ステップS63)。本実施形態における差分画像とは、高濃度領域拡張画像の画素の階調値から当該画素に対応する高濃度領域縮小画像の画素の階調値を減算して得られる画像である。すなわち、以下の数5によって得られる画像である。
【0097】
【数5】
Figure 0003753900
【0098】
数5において、Pdif(x,y)は差分画像の画素(x,y)の階調値、Pmax(x,y)は高濃度領域拡張画像の画素(x,y)の階調値、Pmin(x,y)は高濃度領域縮小画像の画素(x,y)の階調値である。
【0099】
図19は、作成された差分画像を示す図である。図16に示した処理前画像と比較すると明らかなように、処理前画像においてコントラストが高い領域、すなわち、ある画素とその周辺との明暗比が大きい領域が差分画像においては大きな階調値を有している。このことは、差分画像とは、処理前画像からコントラストが高い領域を抽出した画像であることを意味しており、差分画像の作成とは高コントラスト領域の抽出処理であると言える。
【0100】
ところで、モアレが発生すると考えられるのは、ある程度面積が大きな領域である。そこで、本実施形態においては、加工部40によって上記差分画像を加工し、高コントラストであっても面積の小さな領域やノイズ部分を除去している(コントラストを低下させている)。
【0101】
加工部40による加工は、ステップS64〜ステップS66の3段階の工程によって行われる。まず、ステップS63にて作成された差分画像について、加工部40がバイリニア縮小を行う(ステップS64)。バイリニア縮小とは、例えば、差分画像を1つの領域が8×8の画素群で構成される複数の領域に分割し、複数の領域のそれぞれに含まれる64の画素の階調値を平均して1つの画素の階調値として出力する画像縮小処理である。このようなバイリニア縮小によって、差分画像は縦横ともに1/8に縮小されるとともに、差分画像の階調値が平滑化されることとなる。
【0102】
次に、バイリニア縮小によって得られた縮小画像に対して加工部40がメディアンフィルタによるフィルタ操作を行う(ステップS65)。メディアンフィルタは、その構成画素(例えば、3×3=9画素)の階調値のうちの中央値(メディアン)を中央画素の出力値とするフィルタであり、画像中のノイズ部分を除去するためのフィルタである。メディアンフィルタを上記縮小画像に対して順次に走査させると、当該縮小画像中のノイズ部分が除去される。縮小画像中においてノイズ部分となるのは、元の処理前画像中における面積の小さな高コントラスト領域やノイズ領域である。
【0103】
また、縮小画像に対して3×3のメディアンフィルタによるフィルタ操作を行うことは、元の差分画像に対して24×24のメディアンフィルタによるフィルタ操作を行うことと実質的に等価である。フィルタ操作は、フィルタのサイズが小さいほどCPU1の負担が軽く、高速に実行することができる。すなわち、バイリニア縮小を行った後に小さなフィルタによるフィルタ操作を行うことで、大きなフィルタによるフィルタ操作を行ったのと同様の効果を高い処理効率にて得ることができるのである。
【0104】
次に、フィルタ操作後の縮小画像に対して加工部40がバイリニア拡大を行い、加工後の差分画像を得る(ステップS66)。バイリニア拡大とは、フィルタ操作後の縮小画像に含まれる画素の階調値を補間しつつ、当該縮小画像を元の差分画像と同等の大きさに拡大する処理である。
【0105】
図20は、バイリニア拡大を概念的に説明するための図である。フィルタ操作後の縮小画像において、図20(a)に示すように、階調値P=255、P=0、P=255の順に並ぶ画素列が存在していたとする。これを縦横ともに8倍に拡大すると、図20(b)に示すような元の差分画像と同等の大きさの画像が得られるのであり、このときに階調値P=255の画素と階調値P=0の画素との間に生成された画素列L1および画素列L2については階調値P=255と階調値P=0との間にて直線近似にて補間(バイリニア補間)した階調値を付与する。このようにすれば、フィルタ操作後の縮小画像において隣接する画素の階調値が大きく異なっていたとしても、拡大後の差分画像においては階調値が滑らかに変化する状態(いわゆる「なじむ」状態)となる。
【0106】
以上のようにして、加工部40による加工が実行されるのであり、バイリニア縮小とバイリニア拡大との組み合わせによって差分画像に対する一種のぼかし処理を行うとともに、メディアンフィルタによるフィルタ操作を行うことによって、高コントラストであっても面積の小さな領域やノイズ部分が十分に除去された加工後の差分画像を取得することができる。
【0107】
なお、ステップS64〜ステップS66の加工処理は必須の処理ではなく、処理前画像中に高コントラストであっても面積の小さな領域等がほとんど存在しないような場合は、省略可能な処理である。
【0108】
次に、ステップS67に進み、コントラスト量算出部50が差分画像(加工後の差分画像または加工を行っていない差分画像)から指定された注目画素(xc,yc)の階調値を検出することによって、当該注目画素についてのコントラスト量を算出する。
【0109】
差分画像は、処理前画像からコントラストが高い領域を抽出した画像であり、その階調値が大きいということは、処理前画像においてコントラストが高いことを意味している。従って、差分画像における注目画素(xc,yc)の階調値は、そのまま注目画素(xc,yc)とその周辺との明暗比を示す指標となり、すなわち指定された注目画素(xc,yc)についてのコントラスト量C(xc,yc)となるのである。
【0110】
なお、前記した実施例においては、注目画素についてのコントラスト量を、差分画像から算出するように説明したが、例えば次のようにコントラスト量を算出してもよい。
【0111】
注目画素の階調値と周辺画素(例えば、左右、上下方向の隣接画素)の階調値の差分を求め、求めた差分値の平均値又は合計値に基づいてコントラスト量を算出することができる。
【0112】
あるいは、注目画素に対する周辺画素(例えば、左右、上下方向の隣接画素)間の階調値の差分を求め、求めた差分値の平均値又は合計値に基づいてコントラスト量を算出することができる。
【0113】
<3−5.モアレ発生予測情報の表示>
以上のようにして指定された注目画素(xc,yc)についての周期性データが確定され、コントラスト量C(xc,yc)が算出された後、それらがモアレ発生予測情報として表示装置5に表示される。
【0114】
図21は、表示装置5にモアレ発生予測情報が表示された様子を示す図である。例えば、表示装置5に表示された処理前画像の中の画素DGをオペレータが指定(ステップS2)したとすると、モアレ発生予測情報表示領域MTが処理前画像の上に重ねて表示される。
【0115】
図22は、モアレ発生予測情報表示領域MTの表示内容の一例を示す図である。本実施形態において、モアレ発生予測情報とはモアレ発生の予測に関する情報であり、上述のようにして算出された周期性データおよびコントラスト量、厳密には指定された注目画素についての「周期性指標」、「周期値」、「方向」および「コントラスト量」を含むものである。そして、モアレ発生予測情報表示領域MTには、モアレ発生予測情報として、指定された注目画素についての算出された「周期性指標M」、「周期値T」、「方向θ」および「コントラスト量C」が数値にて表示されるのである。例えば、図22においては、指定された注目画素DGについての周期性指標M、周期値T、方向θおよびコントラスト量Cがそれぞれ「度合」、「周期」、「方向」および「コントラスト量」として数値にて表示される。
【0116】
オペレータは、表示装置5に表示されたモアレ発生予測情報表示領域MTを視認することによって、モアレ発生の原因となる画像パターンの繰り返しに関する情報を数値として得ることができ、指定した画素DGの周辺にてモアレが発生するか否かおよび発生するモアレの程度を定量的に把握することができることとなり、何人であってもモアレの発生を容易に予測することができる。そして、例えば、確認したモアレ発生予測情報に基づいて既述したモアレの発生を抑制する処理のパラメータをオペレータが適宜設定すれば、適切なモアレ発生抑制処理を行うことができる。
【0117】
なお、上記のモアレ発生予測情報のうち周期性指標M、周期値T、方向θは、それぞれ周期的な画像パターンの繰り返しの有無の程度、画像パターンの繰り返しの周期、画像パターンの繰り返しの方向であり、モアレ発生を予測するための直接的な情報であると言える。これに対して、モアレ発生予測情報のうちコントラスト量Cは、注目画素とその周辺との明暗比を示す指標である。コントラスト量Cは、既述したモアレ発生抑制処理のうちのぼかし処理またはシフト処理のいずれの処理に重きを置くかを決定する際に重要な情報であり、モアレ発生の予測という観点からは補助的な情報である。従って、コントラスト量Cについては必ずしも表示する必要はない。
【0118】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、注目画素について、画像に所定の画像処理を行った後のモアレの発生の予測に関するモアレ発生予測情報を算出するモアレ発生予測情報算出手段と、算出されたモアレ発生予測情報を表示する表示手段と、を備えているため、表示手段に表示されたモアレ発生予測情報を確認するだけでモアレの発生を容易に予測することができる。また、モアレ発生予測情報算出手段が注目画素を含む注目領域と当該注目領域以外の周辺領域との相関特性に基づいて画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周期性指標を算出する周期性指標算出手段と、画像パターンの繰り返しの周期を算出する周期算出手段と、画像パターンの繰り返しの方向を算出する方向算出手段と、を含むため、モアレの発生を容易かつ的確に予測することができる。
【0120】
また、請求項の発明によれば、モアレ発生予測情報算出手段は、注目画素について注目画素とその周辺画素との明暗比を示す指標であるコントラスト量を算出するコントラスト量算出手段、を含むため、モアレの発生を容易かつ的確に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1の画像処理装置における画像処理の処理手順の概要を示すフローチャートである。
【図4】自己相関データの算出形態の一例を示す図である。
【図5】x方向に沿った自己相関データの算出形態の一例を示す図である。
【図6】y方向に沿った自己相関データの算出形態の一例を示す図である。
【図7】処理前画像の各画素の階調値の一例およびそれから得られたx方向に沿った自己相関データを示す図である。
【図8】周期性が無いx方向に沿った自己相関データの一例を示す図である。
【図9】x方向に沿った周期値およびy方向に沿った周期値と実際の周期方向及び周期値との関係を示す図である。
【図10】処理前画像の一例を示す図である。
【図11】図10の画像についての自己相関データの一例を示す図である。
【図12】図10の画像についての自己相関データの他の例を示す図である。
【図13】周期性データ算出処理において画像パターンの繰り返しであると判断された領域領域を示す図である。
【図14】拡張された画像パターンの繰り返し領域を示す図である。
【図15】コントラスト量算出の手順を示すフローチャートである。
【図16】高濃度領域の拡張または縮小について説明する図である。
【図17】図16の画像の高濃度領域が拡張された高濃度領域拡張画像を示す図である。
【図18】図16の画像の高濃度領域が縮小された高濃度領域縮小画像を示す図である。
【図19】作成された差分画像を示す図である。
【図20】バイリニア拡大を概念的に説明するための図である。
【図21】表示装置にモアレ発生予測情報が表示された様子を示す図である。
【図22】モアレ発生予測情報表示領域の表示内容の一例を示す図である。
【図23】従来の問題点を説明するための図であって、画像パターンと光電素子との位置関係を示す図である。
【図24】デジタル画像の画像パターンが4画素周期である場合の「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とを示す図である。
【図25】図24のデジタル画像にシャープネス処理を施した場合の計算上の各画素の階調値を示す図である。
【図26】図24のデジタル画像にシャープネス処理を施した場合の各画素の最終的な階調値を示す図である。
【図27】モアレが発生し得る階調変換処理を実施するルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図28】モアレが発生し得る階調変換処理を実施するルックアップテーブルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU
5 表示装置
6 入力装置
7 画像入力器
8 記録媒体
10 周期性データ演算部
20 周期性指標算出部
30 差分画像作成部
40 加工部
50 コントラスト量算出部
60 周期方向算出部
70 周期値算出部
80 周期性データ加工部

Claims (2)

  1. 画像内の注目画素を指定する注目画素指定手段と、
    前記注目画素について、前記画像に所定の画像処理を行った後のモアレの発生の予測に関するモアレ発生予測情報を算出するモアレ発生予測情報算出手段と、
    算出された前記モアレ発生予測情報を表示する表示手段と、
    を備え
    前記モアレ発生予測情報算出手段は、
    前記注目画素を含む前記画像内の注目領域と当該注目領域以外の周辺領域との相関特性に基づいて画像パターンの繰り返しの有無の程度を示す周期性指標を算出する周期性指標算出手段と、
    前記画像パターンの繰り返しの周期を算出する周期算出手段と、
    前記画像パターンの繰り返しの方向を算出する方向算出手段と、
    を含み、
    前記モアレ発生予測情報は、前記周期性指標、前記周期および前記方向を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置において、
    前記モアレ発生予測情報算出手段は、
    前記注目画素について、前記注目画素とその周辺画素との明暗比を示す指標であるコントラスト量を算出するコントラスト量算出手段、
    をさらに含み、
    前記モアレ発生予測情報は、前記コントラスト量をさらに含むことを特徴とする画像処理装置。
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