JP2000295476A - 画像処理方法 - Google Patents

画像処理方法

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JP2000295476A
JP2000295476A JP11094665A JP9466599A JP2000295476A JP 2000295476 A JP2000295476 A JP 2000295476A JP 11094665 A JP11094665 A JP 11094665A JP 9466599 A JP9466599 A JP 9466599A JP 2000295476 A JP2000295476 A JP 2000295476A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モアレの発生を抑制する。 【解決手段】 処理前画像内で周期性を有する画像パタ
ーンが存在する画像領域を抽出し(S1)、その画像領
域を処理対象領域とし、処理対象領域内の各画素のシフ
トデータを決定する(S2)。次に処理対象領域内の画
素を注目画素として、その注目画素に対して決定したシ
フトデータに基づきその注目画素の位置をシフトしたと
仮定したときに、そのシフト後の位置の近傍画素の階調
値に基づき、そのシフト後の位置に応じたその注目画素
の新たな階調値を求め、その新たな階調値を、その注目
画素に対応する処理後画像内の画素の階調値とする処理
(スS3)を処理対象領域内の各画素を順次注目画素と
して行う(S4)。残りの画素の階調値を処理前画像の
まま転写して処理後画像を生成する(S5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル画像に対
して施す画像処理方法に係り、特には、モアレの発生の
抑制などに効果がある画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル画像は、従来、CCDなどの画
像入力器で原稿、または、対象物体を光学的に読み取っ
てデジタル化することで得られる。そして、このデジタ
ル画像に対して、必要に応じて種々の処理が施される。
【0003】例えば、デジタル画像の鮮鋭度を向上させ
る場合にはシャープネス処理が施される。また、デジタ
ル画像を印刷する場合には網点化処理を行って網点画像
に変換される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
例えば、デジタル画像に対してシャープネス処理などの
画像処理を行った場合、処理後の画像にモアレが発生す
ることがある。
【0005】本発明者は、このようなモアレの発生状態
や発生原因を調査した。その結果、まず、このようなモ
アレは、デジタル画像内に布地や網模様、格子パターン
などの周期性を有する画像パターンが存在する画像領域
で発生することが判明した。
【0006】また、このようなモアレは、以下のような
原因で発生すると考えられる。例えば、原稿内に図19
に示すような周期性を有する画像パターン(白黒の縞模
様)GPTが存在し、この原稿を画像入力器で読み取っ
てデジタル画像を得る場合を考える。このとき、原稿の
画像パターンGPTと画像入力器の光学読み取り素子
(光電素子)IDとの位置関係によって、得られたデジ
タル画像の各画素の階調値は変化する。
【0007】例えば、原稿の画像パターンGPTと光電
素子IDとの位置関係が図19(a)に示す状態であれ
ば、得られたデジタル画像の各画素の階調値は、図20
(a)の階調プロファイルに示すように、白黒が明確に
分かれる「INフェイズ状態」となる。また、原稿の画
像パターンGPTと光電素子IDとの位置関係が図19
(b)に示す状態であれば、得られたデジタル画像の各
画素の階調値は、図20(b)の階調プロファイルに示
すように、白黒の中間値が発生する「OUTフェイズ状
態」となる。
【0008】図20に示す各階調プロファイルは「IN
フェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」とで相違する
が、各々の平均階調値AKIN、AKOUT は略等しい。
【0009】しかしながら、デジタル画像に、例えば、
シャープネス処理を施すと、「INフェイズ状態」で読
み取られたデジタル画像と「OUTフェイズ状態」で読
み取られたデジタル画像とで平均階調値AKIN、AK
OUT に違いが生じる。例えば、図20(a)、(b)に
示す各デジタル画像にそれぞれシャープネス処理を施す
と、計算上、各画素の階調値は各々図21(a)、
(b)に示すようになる。ここで、計算上、階調値が階
調レンジKR(図では、0〜255)から外れるサチレ
ーションが起きると、その階調値は、強制的に階調レン
ジKRの上下限値に修正される。すなわち、図20
(a)、(b)に示す各デジタル画像にそれぞれシャー
プネス処理を施すと、処理後の各画素の階調値は各々図
22(a)、(b)の実線に示すようになる。
【0010】ここで、この例の画像パターンGPTは、
デジタル画像上で4画素周期の周期性を有しているが、
1周期ごとに、図22(a)では、白2画素だけにサチ
レーションSRが起き、図22(b)では、白1画素と
黒1画素とにサチレーションSRが起きている。その結
果、図22(a)(「INファイズ状態」)の平均階調
値AKINは、図22(b)(「OUTファイズ状態」)
の平均階調値AKOUTに比べて低くなる。
【0011】ところで、図19では、画像パターンGP
Tの白黒の幅が、光電素子IDの幅の整数倍である場合
を示したが、画像パターンGPTの白黒の幅が、光電素
子IDの幅の整数倍でない場合、原稿の画像パターンG
PTと光電素子IDとの位置関係が周期的にずれるの
で、得られたデジタル画像上では、画像パターンGPT
は、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」と
で読み込まれる状態が周期的に繰り返されることにな
る。この場合、このデジタル画像にシャープネス処理を
施すと、平均階調値が周期的に変動する状態が生じる。
この平均階調値が周期的に変動する状態が、モアレとな
って現れるものと考えられる。
【0012】この周期変動は、原稿や対象物体には無い
画像であるため、画像の品質が著しく低下することにな
る。
【0013】上記ではデジタル画像に対してシャープネ
ス処理を施した場合について説明したが、例えば、図2
3に示すようなルックアップテーブルによって各画素の
階調値を変換するような階調変換処理など、サチレーシ
ョンに偏りが生じるような画像処理を施した場合にも上
記のような平均階調値が周期的に変動する状態が発生
し、その結果、処理後の画像にモアレが発生すると考え
られる。
【0014】さらに、例えば、図24に示すようなルッ
クアップテーブルによって各画素の階調値を変換する階
調変換処理などでも、「INフェイズ状態」と「OUT
フェイズ状態」とで平均階調値に違いが生じ、上記のよ
うな平均階調値が周期的に変動する状態が発生する結
果、処理後の画像にモアレが発生すると考えられる。
【0015】また、従来、デジタル画像に対して網点化
処理を施して網点画像を印刷したときにも、周期性を有
する画像パターンが存在する画像領域で、印刷された網
点画像上にモアレが発生することがある。
【0016】本発明者の調査の結果、この場合のモアレ
は以下のような原因によって発生するものと考えられ
る。
【0017】すなわち、網点化処理は、各網点に対応し
た多数のしきい値が平面的に展開されたしきい値群を用
いて、デジタル画像の各画素を、その階調値に応じた網
点濃度の網点群に変換する処理である。
【0018】そして、デジタル画像上の周期性を有する
画像パターンと、上記しきい値群とが周期的にずれる
と、網点画像上で再現される画像パターンの網点濃度は
周期的に変動することになり、このような網点濃度が周
期的に変動する状態が、モアレとなって現れるものと考
えられる。
【0019】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、モアレの発生の抑制などに効果がある
画像処理方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、デジタル画像に対して施
す画像処理方法であって、前記デジタル画像の少なくと
も一部の画像領域を処理対象領域とし、前記処理対象領
域内の画素を注目画素として、その注目画素に対して決
定したシフトデータに基づきその注目画素の位置をシフ
トしたと仮定したときに、そのシフト後の位置の近傍画
素の階調値に基づき、そのシフト後の位置に応じたその
注目画素の新たな階調値を求める処理を、前記処理対象
領域内の各画素を順次注目画素として行い、前記処理対
象領域内の各画素の階調値を前記新たな階調値に置き換
えた処理後のデジタル画像を得ることを特徴とするもの
である。
【0021】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の画像処理方法において、各画素に対する前記シフ
トデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定す
ることを特徴とするものである。
【0022】請求項3に記載の発明は、上記請求項1に
記載の画像処理方法において、各画素に対する前記シフ
トデータのシフト方向とシフト量とを周期関数を用いて
決定することを特徴とするものである。
【0023】請求項4に記載の発明は、上記請求項1に
記載の画像処理方法において、各画素に対する前記シフ
トデータのシフト方向とシフト量とを固定することを特
徴とするものである。
【0024】請求項5に記載の発明は、上記請求項1な
いし4のいずれかに記載の画像処理方法において、前記
デジタル画像内で周期性を有する画像パターンが存在す
る画像領域を抽出し、抽出した画像領域を前記処理対象
領域とすることを特徴とするものである。
【0025】請求項6に記載の発明は、上記請求項5に
記載の画像処理方法において、2次元のデジタル画像内
で互いに直交する2つの画素列方向それぞれに沿った周
期性を有する画像パターンの存在を調べて前記処理対象
領域を抽出することを特徴とするものである。
【0026】請求項7に記載の発明は、上記請求項5ま
たは6に記載の画像処理方法において、前記処理対象領
域内の画像パターンの周期性に応じて前記シフトデータ
を決定することを特徴とするものである。
【0027】請求項8に記載の発明は、上記請求項5ま
たは6に記載の画像処理方法において、前記処理対象領
域内の画像パターンの周期方向だけに注目画素の位置が
シフトされるように前記シフトデータのシフト方向を決
定することを特徴とするものである。
【0028】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。デジタル画像の少なくとも一部の画像領域を処理対
象領域として、以下のような画像処理を施して、処理対
象領域内の各画素の階調値を変更したデジタル画像を得
る。
【0029】すなわち、処理対象領域内の画素を注目画
素として、その注目画素に対して決定したシフトデータ
に基づきその注目画素の位置をシフトしたと仮定したと
きに、そのシフト後の位置の近傍画素の階調値に基づ
き、そのシフト後の位置に応じたその注目画素の新たな
階調値を求める処理を、処理対象領域内の各画素を順次
注目画素として行う。そして、処理対象領域内の各画素
の階調値を上記で求めた新たな階調値に置き換えた処理
後のデジタル画像を得る。
【0030】なお、処理対象領域は、デジタル画像の全
領域であってもよいし、デジタル画像内の一部の画像領
域であってもよい。
【0031】請求項2に記載の発明によれば、各画素に
対するシフトデータのシフト方向とシフト量とをランダ
ムに決定する。
【0032】請求項3に記載の発明によれば、各画素に
対するシフトデータのシフト方向とシフト量とを周期関
数を用いて決定する。
【0033】請求項4に記載の発明によれば、各画素に
対するシフトデータのシフト方向を一定方向に固定する
とともに、シフト量を固定値とする。
【0034】請求項5に記載の発明によれば、モアレが
発生する可能性がある周期性を有する画像パターンが存
在する画像領域を抽出し、この抽出した画像領域を処理
対象領域として、上記請求項1ないし4のいずれかに記
載の発明に係る画像処理を施す。
【0035】請求項6に記載の発明によれば、2次元の
デジタル画像内で互いに直交する2つの画素列方向それ
ぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存在を調べ
て処理対象領域を抽出する。
【0036】請求項7に記載の発明によれば、上記請求
項5または6に記載の画像処理方法により抽出した処理
対象領域内の画像パターンの周期性に応じて、例えば、
請求項2ないし4のいずれの方法でシフトデータを決定
するかを選択するなど、処理対象領域内の画像パターン
に応じた最適なシフトデータを決定する。
【0037】請求項8に記載の発明によれば、上記請求
項5または6に記載の画像処理方法により抽出した処理
対象領域内の画像パターンの周期方向だけに注目画素の
位置がシフトされるようにシフトデータのシフト方向を
決定する。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明に係る画像処理方法
を実現するための一実施例に係る画像処理装置のハード
ウエア構成を示すブロック図である。
【0039】この実施例装置はコンピューターシステム
で構成されている。CPU1は、内部メモリ2に記憶さ
れた処理プログラムに従って、本発明に係る処理対象領
域を抽出する処理(以下、処理対象領域抽出処理とも略
す)やモアレの発生を抑制する画像処理(以下、モアレ
抑制処理とも略す)の他、シャープネス処理などの画像
処理や網点化処理などの処理を実行する。CPU1と内
部メモリ2とはバスラインBLを介して接続されてい
る。内部メモリ2には、上述した処理プログラムを記憶
するプログラム記憶部2a以外にも、少なくともモアレ
抑制処理を施す前のデジタル画像(以下、処理前画像と
も言う)を記憶する処理前画像記憶部2bやモアレ抑制
処理を施した後のデジタル画像(以下、処理後画像とも
言う)を記憶する処理後画像記憶部2cを有する。
【0040】また、CPU1は、入出力インターフェイ
スIFを介して、記憶媒体用ドライバ3、外部記憶装置
4、表示装置5、入力装置6、画像入力器7などにも接
続されている。
【0041】記憶媒体用ドライバ3には、上述した各処
理をCPU1に実行させるための処理プログラムが記憶
されている記憶媒体8が装填される。記憶媒体8から読
み出された処理プログラムは内部メモリ2内のプログラ
ム記憶部2aに記憶され、CPU1に実行される。
【0042】ハードディスクや光磁気ディスクなどで構
成される外部記憶装置4は、処理前画像や処理後画像な
どの画像の保存などに用いられる。また、CRTなどで
構成される表示装置5は、処理前画像や処理後画像、シ
ャープネス処理後の画像などの表示などに用いられる。
さらに、キーボードやマウスなどで構成される入力装置
6は、オペレータからの各種の指示や処理に必要なデー
タの設定などに用いられる。
【0043】画像入力器7によって読み込まれたデジタ
ル画像(処理前画像)は、内部メモリ2内の処理前画像
記憶部2bに記憶され、この処理前画像に対して、後述
するような処理対象領域抽出処理やモアレ抑制処理が施
される。
【0044】図2は本発明に係る画像処理方法を実現す
るための画像処理装置の機能ブロック図であり、図3は
本発明に係る画像処理方法の一手順を示すフローチャー
トである。
【0045】図2に示すように、この画像処理装置は機
能的に、処理対象領域抽出処理を実行する処理対象領域
抽出部10と、モアレ抑制処理を実行するモアレ抑制処
理部20とに分けられる。また、図2では、モアレ抑制
処理部20は、さらに、処理対象領域内の各画素に対す
るシフトデータを決定するシフトデータ決定部21と、
処理対象領域内の各画素の新たな階調値を求めて処理後
画像記憶部2cに記憶するとともに、処理前画像の内の
処理対象領域外の各画素の階調値を処理前画像記憶部2
bから処理後画像記憶部2cにそのまま転写する処理後
画像生成部22とに分けられている。
【0046】処理の手順は、図3に示すように、まず、
処理対象領域抽出部10が、処理前画像内においてモア
レ抑制処理を施す処理対象領域(モアレが発生する可能
性がある画像領域)である、周期性を有する画像パター
ンが存在する画像領域を抽出する(ステップS1)。こ
の抽出された処理対象領域に関する情報は、モアレ抑制
処理部20内のシフトデータ決定部21と処理後画像生
成部22とに与えられ、また、この処理対象領域内の画
像パターンの周期性を示す周期性データ(詳細は後述す
る)が、シフトデータ決定部21に与えられる。
【0047】次に、シフトデータ決定部21が、与えら
れた周期性データや、入力装置6から与えられた指示や
設定値などに基づき、ステップS1で抽出された処理対
象領域内の各画素に対するシフトデータを決定する(ス
テップS2)。
【0048】そして、処理後画像生成部22が、ステッ
プS1で抽出された処理対象領域内の画素を注目画素と
して、その注目画素に対して決定したシフトデータに基
づきその注目画素の位置をシフトしたと仮定したとき
に、そのシフト後の位置の近傍画素の階調値に基づき、
そのシフト後の位置に応じたその注目画素の新たな階調
値を求め、その新たな階調値を、その注目画素に対応す
る処理後画像記憶部2c内の画素の階調値として記憶す
る処理(ステップS3)を、処理対象領域内の各画素を
順次注目画素として行う(ステップS4)。最後に、処
理後画像生成部22は、処理前画像の内の処理対象領域
外の各画素の階調値を処理前画像記憶部2bから処理後
画像記憶部2cにそのまま転写し、処理後画像を処理後
画像記憶部2cに生成する(ステップS5)。
【0049】次に、図3のステップS1〜S3の処理内
容を詳細に説明する。
【0050】〔ステップS1〕周期性を有する画像パタ
ーンが存在する画像領域の抽出は、処理前画像の自己相
関特性を調べることで行う。
【0051】すなわち、処理前画像の画素を中心画素(x
c,yc) として、以下の式(1)によって中心画素(xc,y
c) の周辺領域の自己相関データS(a,b) を求める。
【0052】 S(a,b) =Σi Σj ABS {P(xc+a+i,yc+b+j) −P(xc+i,yc+j) }…(1) 〔i=-m〜+m〕,〔j=-n〜+n〕 〔a=-wx 〜+wx 〕,〔b=-wy 〜+wy 〕
【0053】但し、 ABS { }は、絶対値を求める関数 P(x,y) は、処理前画像の画素(x,y) の階調値 m,n は、差分積算領域Eを決める定数 a,b は、自己相関を比較するズラシ量 wx,wy は、1つの中心画素(xc,yc) に対して自己相関特
性を調べる範囲Wを決める定数 である。
【0054】(xc,yc)=(4,4) 、m=n=1 (差分積算領域:
3×3)、wx=xy=2 (a=b=-2〜+2)とした場合におい
て、a=b=+2のときの自己相関データS(a,b) の算出時の
形態を図4に示す。
【0055】なお、m,n,wx,wy は固定値として処理する
ようにしてもよいし、入力装置6からオペレータによっ
て適宜に変更可能に構成してもよい。
【0056】ところで、上記式(1)では、自己相関デ
ータを2次元的に求めているので処理量が多くなる。そ
こで、例えば、2次元の処理前画像内で互いに直交する
2つの画素列方向であるx方向、y方向それぞれに沿っ
た周期性を有する画像パターンの存在を調べて処理対象
領域を抽出するために、x方向、y方向それぞれに沿っ
た自己相関データH(a) 、V(b) を以下の式(2)、式
(3)によって求めて、処理の高速化を図るようにして
もよい。
【0057】 H(a) =Σi ABS {P(xc+a+i,yc) −P(xc+i,yc) }…(2) 〔i=-m〜+m〕,〔a=-wx 〜+wx 〕 V(b) =Σj ABS {P(xc,yc+b+j) −P(xc,yc+j) }…(3) 〔j=-n〜+n〕,〔b=-wy 〜+wy 〕
【0058】(xc,yc)=(4,4) 、m=1 (差分積算領域:3
×1)、wx=2(a=-2〜+2)とした場合において、a=+2の
ときのx方向に沿った自己相関データH(a) の算出時の
形態を図5に、(xc,yc)=(4,4) 、n=1 (差分積算領域:
1×3)、wy=2(b=-2〜+2)とした場合において、b=+2
のときのy方向に沿った自己相関データV(b) の算出時
の形態を図6にそれぞれ示す。
【0059】次に、上記で求めた自己相関データ(S
(a,b) 、または、H(a) 、V(b) )に基づき、画像の周
期性の有無を調べる。
【0060】すなわち、周期性を有する画像パターンが
存在すると、その画像パターンの周期ごとに自己相関が
高く、すなわち、上記式(1)、(2)、(3)で求ま
る自己相関データは小さくなる。従って、まず、(A)
自己相関データの極小値を検索し、(B)それら極小値
が所定レベル以下で、かつ、(C)それら極小値が規則
的に存在していることを調べる。
【0061】図7は(xc,yc)=(7,3) 、m=1 、wx=5(a=-5
〜+5)とした場合のP(x,y) 、H(a) の一例を示すデー
タとそのH(a) をグラフ化した図である。なお、a=0
は、同じ画素同志の自己相関であるので、H(0) =0と
なり極小値になる。
【0062】自己相関データH(a) について、上記
(A)の処理は、〔(H(k-1) >H(k))and (H(k)
<H(k+1) )〕の条件を満たすk を+側と−側とで求め
る。
【0063】上記(B)の処理は、上記(A)の条件を
満たすH(k) が、(H(k) <SL)の条件を満たす否か
で判定する。SLは判定レベルであり、例えば、H(a)
の最大値Hmax のZ%(例えば、Z=50:SL=Hma
x ×0.5 )と決める。H(a)の最大値Hmax は、全ての
H(a) 中の最大値であってもよいし、次のように選定し
てもよい。例えば、k=0 から+側にk の値を変えながら
上記(A)の処理を行いつつ、+側の最初の極小値まで
のH(a) の最大値を検索し、そのH(a) の最大値を、+
側の最初の極小値に対するレベル判定に用いる。すなわ
ち、隣接する極小値の間のH(a) の最大値をその極小値
のレベル判定に用いる。
【0064】なお、SLの採り方により周期性度合い
(周期性が強いか弱いか)を調べることもできる。すな
わち、上記(B)の条件を満たすSLの値が小さければ
それだけ周期性度合いが高い(周期性が強い)ことにな
る。従って、SLの値を段階的に変化させて上記(B)
の判定を行って、どの程度の周期性度合いがあるかを調
べるようにしてもよい。
【0065】上記(C)の処理では、例えば、上記
(A)の条件を満たす+側のk をkp、−側のk をkmとし
たとき( ABS{kp-km }≦1)を満たすか否かで判定す
る。また、例えば、上記(A)の条件を満たす各極小値
に対して、隣接する各極小値間の幅の相互の差分の絶対
値が各々1以下であるか否か、すなわち、 ABS{D(d+1)
-D(d) }≦1(d=0,1,2,…:図7では、d=0 )によって
判定することもできる。後者の判定によれば、例えば、
極小値が+側、−側にそれぞれ2個以上存在する場合に
も適用できる。
【0066】H(a)に極小値が存在しても、ある程度
大きかったり(レベルSLを越えていたり)、それら極
小値が不規則に存在しているような場合は周期性が有る
とは言い難いが、上記(B)によりレベル判定が行え、
上記(C)により極小値の規則性が判別でき、周期性の
有無を判定できる。
【0067】従って、上記(A)、(B)、(C)の条
件を全て満たす場合、中心画素(xc,yc) の周囲の範囲W
内の画像に周期性がある画像パターンが存在することに
なる。例えば、図7に示すH(a) には周期性が有り、図
8に示すようなH(a) には周期性が無いことになる。
【0068】また、x方向の周期値Thは((kp-km)/2))
または(D(d))である。
【0069】上記ではx方向に沿った周期性の有無や周
期性度合い、及び周期値(Th)について説明したが、y
方向に沿った周期性の有無や周期性度合い、及び周期値
(Tv)も同様の処理により求めることができる。
【0070】図9に示すように、x方向の周期値(Th)
とy方向の周期値(Tv)が判れば、周期方向θは(arct
an(Tv/Th) )であり、処理前画像上の実際の周期値(周
期方向に沿った周期値)T は(Th×sin(θ) )(また
は、Tv×cos θ)により求めることができる。
【0071】自己相関データS(a,b) を用いた場合に
は、上記と同様の処理を2次元的に行うことで、周期性
の有無や周期性度合い、処理前画像上の実際の周期方向
及び周期値を得ることができるが、上述したようにx方
向、y方向それぞれに沿った自己相関データH(a) 、V
(b) を用いても同様の結果を高速に得ることができる。
なお、自己相関データS(a,b) を用いた場合、実際の画
像パターンの周期を種々の方向から調べることになる
が、このとき、周期値が最小となる方向がその画像パタ
ーンの周期方向となる。
【0072】上述したような一連の処理を、処理前画像
内の全ての画素(または、一定間隔ごとの画素でもよ
い)を順次中心画素(xc,yc) として行うことで、処理前
画像内において、周期性を有する画像パターンが存在す
る画像領域を全て抽出することができる。
【0073】なお、上記処理で随時説明した周期性度合
いと周期方向と周期値とを周期性データとする。
【0074】〔ステップS2〕処理前画像の各画素(x,
y) のシフトデータは、図10に示すように、x方向の
シフト量dx(x,y) と、y方向のシフト量dy(x,y) とによ
り規定する。なお、図10では格子状の交点部分が各画
素位置であり、処理前画像の画素(xu,yu) に対するx方
向のシフト量dx(xu,yu) と、y方向のシフト量dy(xu,y
u) とにより規定されるシフト方向とシフト量とを示し
ている。このようなシフトデータの決定には以下のよう
な方法を採用できる。
【0075】 ランダムに決定する。 dx(x,y) =K×R(-1.0〜+1.0) dy(x,y) =K×R(-1.0〜+1.0)
【0076】但し、 Kは、最大シフト量(通常は、0<K≦1) R(-1.0〜+1.0)は、-1.0〜+1.0の間の乱数を発生する
関数 である。
【0077】なお、dx(x,y) を決定する際のR(-1.0〜
+1.0)とdy(x,y) を決定する際のR(-1.0〜+1.0)とは
別個であり、決定されたdx(x,y) の値とdy(x,y) の値と
は必ずしも同じではない。
【0078】このようにdx(x,y) とdy(x,y) とをランダ
ムに決定することにより、シフト方向とシフト量とをラ
ンダムに決定することができる。
【0079】 周期関数を用いて決定する。 dx(x,y) =K×sin {2πF×y+2π×RR(x) } dy(x,y) =K×sin {2πF×x+2π×RR(y) } RR(x) =R(0.0〜+1.0) RR(y) =R(0.0〜+1.0)
【0080】但し、 Kは、最大シフト量(通常は、0<K≦1)であり、こ
こでは周期関数の振幅 Fは、周期関数の周波数(通常は、0<F≦1) R(0.0 〜+1.0)は、 0.0〜+1.0の間の乱数を発生する
関数、 RR(x) はx座標における周期関数の初期値を規定する
データ RR(y) はy座標における周期関数の初期値を規定する
データ である。
【0081】dx(xu,y0〜y0+5) を図11に、 dy(x0〜x0
+5,yu)を図12にそれぞれ示す。この周期関数は、決定
しようとするシフト方向と直交する方向に周期性を有す
る関数であり、dx(x,y) の決定においてはx座標が同じ
dx(x,y) は全て同じ周期関数によって決定し、dy(x,y)
の決定においてはy座標が同じdy(x,y) は全て同じ周期
関数によって決定する。なお、図11においてxuは処理
対象領域内の任意のx座標、y0は処理対象領域のy方向
(−)側の境界のy座標であり、また、図12において
x0は処理対象領域のx方向(−)側の境界のx座標、yu
は処理対象領域内の任意のy座標である。
【0082】なお、周期関数としてはsin 関数に限らず
cos 関数など周期性を有するdx(x,y) 、dy(x,y) が決定
できる関数を用いることができる。
【0083】 固定する。 [dx(x,y),dy(x,y)] を常に、例えば、[+0.5,+0.5] や[+
0.5,-0.5] 、[-0.5,+0.5] 、[-0.5,-0.5] などに固定す
る。この方法でシフトデータを決定したとき、後述する
ように、画像パターンが2画素周期の周期性を有すると
きに効果がある。
【0084】周期性データにより、上記のいずれの方法
でシフトデータを決定するかを決めてもよい。例えば、
画像パターンが2画素周期の周期性を有する(周期値が
2の)ときにはの方法を選択することが考えられる。
また、本発明者の実験により、画像パターンが所定の周
期値の場合にの方向でシフトデータを決定すると良好
な結果が得られないことがあったので、例えば、周期値
が2以外で、かつ、上記所定の周期値以外の場合はの
方法を選択し、上記所定の周期値の場合はの方法を選
択することなども考えられる。
【0085】また、上記KやFは固定値として処理して
もよいし、入力装置6からオペレーターにより設定され
たデータを用いて処理してもよいし、さらに、周期性デ
ータに基づき決定してもよい。例えば、画像パターンの
周期性度合いが高ければそれだけモアレの発生が起き易
く、一方で、シフトデータのシフト量が大きければそれ
だけモアレの抑制効果が高いので、周期性度合いに応じ
てKの値を決定することが好ましい。また、の方法で
は周期関数の周期と、画像パターンの周期とが干渉する
のを避けるようなFを決定することが好ましい。
【0086】乱数を発生する関数R(乱数発生範囲)に
よる乱数の発生頻度は乱数発生範囲内で均一にしてもよ
いし、例えば、0.0 付近の乱数を発生し易くしたり、+
1.0付近の乱数を発生し易くしたりするなど、乱数の発
生頻度を偏重させるようにしてもよい。この乱数の発生
頻度の設定は、入力装置6からオペレーターにより設定
可能に構成してもよい。
【0087】また、例えば、画像パターンの周期方向が
x方向と一致していれば、dy(x,y)=0として、dx(x,y)
だけでシフトデータを決定したり、画像パターンの周期
方向がy方向と一致していれば、dx(x,y) =0として、dy
(x,y) だけでシフトデータを決定したりして、図3のス
テップS3で画像パターンの周期方向だけに注目画素の
位置がシフトされるようにシフトデータのシフト方向を
決定してもよい。
【0088】〔ステップS3〕シフト後の位置に応じた
注目画素(xu,yu)の新たな階調値Q(xu,yu) は、シフト
後の位置の近傍画素の階調値を補間して求める。この補
間法は、一般的なバイリニア法などを採用することがで
きる。具体的な計算方法を図13に示す。
【0089】なお、図13では、 0.0<dx(xu,yu) <+
1.0で 0.0<dy(xu,yu) <+1.0の場合を示しているが、d
x(xu,yu) 、dy(xu,yu) がその他の値であれば以下のよ
うにQ(xu,yu) を求める。
【0090】0.0<dx(xu,yu) <+1.0で-1.0<dy(xu,yu)
<0.0 の場合は、P(xu,yu),P(xu+1,yu),P(xu,yu-
1),P(xu+1,yu-1) を、-1.0<dx(xu,yu) <0.0 で 0.0
<dy(xu,yu) <+1.0の場合は、P(xu,yu),P(xu-1,yu),
P(xu,yu+1),P(xu-1,yu+1) を、-1.0<dx(xu,yu) <0.
0 で-1.0<dy(xu,yu) <0.0 の場合は、P(xu,yu),P(x
u-1,yu),P(xu,yu-1),P(xu-1,yu-1) を、それぞれ用い
て図13と同様の方法でQ(xu,yu) を求める。
【0091】また、 0.0<dx(xu,yu) <+1.0でdy(xu,y
u)=0.0 の場合は、図14に示すようにQ(xu,yu) を求
め、-1.0<dx(xu,yu) <0.0 でdy(xu,yu)=0.0 の場合
は、P(xu,yu),P(xu-1,yu) を用いて図14と同様の方
法でQ(xu,yu) を求める。
【0092】さらに、dx(xu,yu)=0.0 で 0.0<dy(xu,y
u) <+1.0の場合は、図15に示すようにQ(xu,yu) を
求め、dx(xu,yu)=0.0 で-1.0<dy(xu,yu) <0.0 の場合
は、P(xu,yu),P(xu,yu-1) を用いて図15と同様の方
法でQ(xu,yu) を求める。
【0093】また、dx(x,y) =-1.0または0.0 または+
1.0で、dy(x,y) =-1.0または0.0 または+1.0の場合
は、シフト後の位置は処理前画像の画素位置と一致する
ので、この場合はシフト後の位置の画素の階調値をQ(x
u,yu) とする(図16参照)。
【0094】なお、図3のステップS3〜ステップS5
の処理の状態を図17に模式的に示す。図17中の符号
PAは処理対象領域を示し、PGは処理前画像を、AG
は処理後画像をそれぞれ示す。
【0095】上記画像処理を施すことにより以下のよう
な作用効果が得られる。例えば、処理前画像上で、画像
パターンが、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ
状態」とで読み込まれる状態が周期的に繰り返されてい
る場合、上記モアレ抑制処理を施した結果、「INフェ
イズ状態」と「OUTフェイズ状態」との周期性が崩
れ、「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状態」と
がランダムに分散される。従って、シャープネス処理な
ど、従来、モアレが発生していた画像処理を、上記モア
レ抑制処理を施した後の処理後画像に対して施しても、
平均階調値が周期的に変動する状態が生じず、その結
果、モアレの発生を抑制することができる。
【0096】ここで、処理前画像の画像パターンが2画
素周期である場合、図18に示すように、「INフェイ
ズ状態」では白黒が明確に分かれ、「OUTフェイズ状
態」では全てグレーになる。この場合、「INフェイズ
状態」で読み込まれた画像領域だけが処理対象領域とし
て抽出されるが、この「INフェイズ状態」で読み込ま
れた画像領域だけに上記やの方法でシフトデータを
決定してQ(xu,yu) を求めてもモアレの発生を抑制する
効果はあるが、それよりも、「INフェイズ状態」で読
み込まれた画像領域を、「OUTフェイズ状態」で読み
込まれた画像領域と同等のグレーに変換した方がモアレ
の発生をより確実に抑制することができる。ここで、処
理前画像の画像パターンが2画素周期である場合、白黒
の画素を均等に補間したQ(xu,yu) を得ることができる
シフトデータ(例えば、[dx(x,y),dy(x,y)] =[+0.5,+
0.5] や[+0.5,-0.5] 、[-0.5,+0.5] 、[-0.5,-0.5] な
ど)を特定することができる。従って、「INフェイズ
状態」で読み込まれた画像領域に対して常にそのような
シフトデータに固定してQ(xu,yu) を求めれば、「IN
フェイズ状態」で読み込まれた画像領域を、「OUTフ
ェイズ状態」で読み込まれた画像領域と同等のグレーに
一様に変換することができ、この画像パターン部分を全
て略均一な平均階調値にすることができる。その結果、
シャープネス処理などの画像処理を施しても、モアレの
発生をより確実に抑制することができる。
【0097】また、処理後画像では、画像パターンの周
期性が崩れた状態となっているので、網点化処理を行っ
ても、網点画像上で再現される画像パターンの網点濃度
が周期的に変動することを抑制でき、モアレの発生を抑
制することができる。なお、処理前画像の画像パターン
が2画素周期である場合、の方法でシフトデータを決
定し、この画像パターン部分を全て略均一な平均階調値
にすれば、網点化処理を行っても、網点画像上で再現さ
れる画像パターンの網点濃度が周期的に変動することが
無くなり、モアレの発生をより確実に抑制することがで
きる。
【0098】本発明者による実験の結果、従来、シャー
プネス処理や網点化処理などの処理を施したことにより
モアレが発生していた処理前画像に対して本発明に係る
画像処理(上記モアレ抑制処理)を施した後、シャープ
ネス処理や網点化処理などの処理を施したところ、モア
レの発生が抑制されたことを多種多数のデジタル画像に
ついて確認することができた。
【0099】なお、上記説明では、処理対象領域内の各
画素のQ(xu,yu) を求める前に、処理対象領域内の各画
素のシフトデータをまとめて決定するようにしたが、処
理対象領域内の各画素のQ(xu,yu) を求めるごとに、現
在の注目画素に対するシフトデータを随時決定するよう
にしてもよい。
【0100】また、上記説明では、処理前画像内で周期
性を有する画像パターンが存在する画像領域を抽出して
処理対象領域を決めたが、その画像領域(処理対象領
域)の抽出を省略し、処理前画像の全領域を処理対象領
域として図3のステップS2〜S4のモアレ抑制処理で
処理前画像の全画素の新たな階調値を求めて処理後画像
を得るようにしてもよい。
【0101】なお、上述したモアレ抑制処理を施すと、
処理前画像の各画素の階調値を変更することになるの
で、若干画質が劣化することもある。従って、上記図3
に示す手順のようにモアレが発生する可能性がある画像
領域だけに対してモアレ抑制処理を施せば、それ以外の
画像領域の画質の劣化は全く起きず、画質が劣化する領
域を最小限にすることができる。
【0102】また、シフトデータのシフト量が小さけれ
ばそれだけ、新たな階調値Q(xu,yu) は、元の注目画素
(xu,yu) の階調値P(xu,yu) が大きく反映されるので、
画質の劣化を小さくすることができる。従って、画像パ
ターンの周期性度合いが低くモアレが発生し難い部分に
は、最大シフト量Kの値を小さくして必要以上の画質の
劣化を抑制しつつモアレの発生を抑制するように処理す
ることが好ましい。
【0103】なお、上記の方法で説明したようにシフ
トデータのシフト方向とシフト量とをランダムに決定す
れば、簡単な演算でシフトデータが得られ、処理量を軽
減することができる。
【0104】一方で、シフトデータのシフト方向とシフ
ト量とをランダムに決定したとき、処理後画像の階調値
分布に偏りが起こることがあり、この階調値分布の偏り
が部分的な画質の劣化として目立つことも考えられる。
これに対して、上記の方法で説明したようにシフトデ
ータのシフト方向とシフト量とを周期関数を用いて決定
すれば、処理後画像の階調値分布は周期的に分散され、
階調値分布の偏りを抑制できるので、階調値分布の偏り
による部分的な画質の劣化を防止することが期待でき
る。
【0105】また、処理対象領域内の画像パターンの周
期性(周期性データ)に応じて、シフトデータを決定す
れば、画像パターンに応じた最適なシフトデータを決定
することができる。
【0106】さらに、処理対象領域内の画像パターンの
周期方向だけに注目画素の位置がシフトされるようにシ
フトデータのシフト方向を決定することにより、特に、
次のような場合に効果が得られる。すなわち、画像パタ
ーンの周期方向がx方向と一致する場合またはy方向と
一致する場合、処理前画像内で直交する他方の画素列方
向(y方向またはx方向)に対するシフトを行わないの
で、モアレ抑制処理を、画像パターンの周期方向(x方
向またはy方向)だけに対して施すことができ、シフト
しない方向への画質の劣化を抑制することができ、不必
要な画質の劣化を抑制することができる。
【0107】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明に係る画像処理をデジタル画像に施せ
ば、その処理後のデジタル画像に対して、従来、モアレ
が発生していたシャープネス処理や網点化処理などの処
理を施してもモアレの発生を抑制することができる。
【0108】請求項2に記載の発明によれば、各画素に
対するシフトデータのシフト方向とシフト量とをランダ
ムに決定するので、各画素に対するシフトデータのシフ
ト方向とシフト量とを簡単な演算により決定することが
できる。
【0109】請求項3に記載の発明によれば、各画素に
対するシフトデータのシフト方向とシフト量とを周期関
数を用いて決定するので、階調値分布の偏りによる部分
的な画質の劣化を防止しつつモアレの発生を抑制するこ
とが可能となる。
【0110】請求項4に記載の発明によれば、各画素に
対するシフトデータのシフト方向とシフト量とを固定す
るので、特に、2画素周期の周期性を有する画像パター
ンに対するモアレの発生を好適に抑制することが可能と
なる。
【0111】請求項5に記載の発明によれば、デジタル
画像内で周期性を有する画像パターンが存在する画像領
域を抽出し、抽出した画像領域を処理対象領域として上
記請求項1ないし4のいずれかに記載の発明に係る画像
処理を施すので、デジタル画像内でモアレが発生する可
能性がある画像領域だけに対してモアレの発生を抑制す
る画像処理を施すことができる。従って、モアレが発生
する可能性がない画像領域の画質の劣化を起こすことが
なく、また、不要な処理が省けて処理量を軽減すること
もできる。
【0112】請求項6に記載の発明によれば、2次元の
デジタル画像内で互いに直交する2つの画素列方向それ
ぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存在を調べ
て処理対象領域を抽出するので、デジタル画像内でモア
レが発生する可能性がある画像領域の抽出処理を高速に
行うことができる。
【0113】請求項7に記載の発明によれば、処理対象
領域内の画像パターンの周期性に応じてシフトデータを
決定するので、画像パターンに応じた最適なシフトデー
タを決定することができる。
【0114】請求項8に記載の発明によれば、処理対象
領域内の画像パターンの周期方向だけに注目画素の位置
がシフトされるようにシフトデータのシフト方向を決定
するので、モアレ発生を抑制する画像処理を、画像パタ
ーンの周期方向だけに対してだけ施すことができ、不必
要な画質の劣化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理方法を実現するための一
実施例に係る画像処理装置のハードウエア構成を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明に係る画像処理方法を実現するための画
像処理装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明に係る画像処理方法の一手順を示すフロ
ーチャートである。
【図4】自己相関データの算出時の一例の形態を示す図
である。
【図5】x方向に沿った自己相関データの算出時の一例
の形態を示す図である。
【図6】y方向に沿った自己相関データの算出時の一例
の形態を示す図である。
【図7】処理前画像の各画素の階調値の一例及びそれか
ら得られたx方向に沿った自己相関データを示すデータ
とその自己相関データをグラフ化した図である。
【図8】周期性が無いx方向に沿った自己相関データの
一例を示す図である。
【図9】x方向に沿った周期値及びy方向に沿った周期
値と実際の周期方向及び周期値との関係を示す図であ
る。
【図10】シフトデータのシフト方向とシフト量とを示
す図である。
【図11】周期関数を用いてx方向のシフト量を決定す
る状態を模式的に示す図である。
【図12】周期関数を用いてy方向のシフト量を決定す
る状態を模式的に示す図である。
【図13】シフト後の位置に応じた注目画素の新たな階
調値の算出方式を示す図である。
【図14】y方向のシフト量が 0.0である場合の新たな
階調値の算出方式を示す図である。
【図15】x方向のシフト量が 0.0である場合の新たな
階調値の算出方式を示す図である。
【図16】シフト後の位置が処理前画像の画素位置と一
致する場合の新たな階調値を示す図である。
【図17】図3のステップS3〜ステップS5の処理の
状態を模式的に示した図である。
【図18】処理前画像の画像パターンが2画素周期であ
る場合の「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状
態」とを示す図である。
【図19】従来の問題点を説明するための図であって、
画像パターンと光電素子との位置関係を示す図である。
【図20】デジタル画像の画像パターンが4画素周期で
ある場合の「INフェイズ状態」と「OUTフェイズ状
態」とを示す図である。
【図21】図20のデジタル画像にシャープネス処理を
施した場合の計算上の各画素の階調値を示す図である。
【図22】図20のデジタル画像にシャープネス処理を
施した場合の各画素の最終的な階調値を示す図である。
【図23】モアレが発生し得る階調変換処理を実施する
ルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図24】モアレが発生し得る階調変換処理を実施する
ルックアップテーブルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
2b:処理前画像記憶部 2c:処理後画像記憶部 10:処理対象領域抽出部 20:モアレ抑制処理部 PG:モアレ抑制処理前の画像 AG:モアレ抑制処理後の画像 PA:処理対象領域 (xu,yu) :注目画素 dx(xu,yu) :注目画素に対して決定したx方向のシフト
量 dy(xu,yu) :注目画素に対して決定したy方向のシフト
量 Q(xu,yu) :シフト後の位置に応じた注目画素の新たな
階調値

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル画像に対して施す画像処理方法
    であって、 前記デジタル画像の少なくとも一部の画像領域を処理対
    象領域とし、 前記処理対象領域内の画素を注目画素として、その注目
    画素に対して決定したシフトデータに基づきその注目画
    素の位置をシフトしたと仮定したときに、そのシフト後
    の位置の近傍画素の階調値に基づき、そのシフト後の位
    置に応じたその注目画素の新たな階調値を求める処理
    を、前記処理対象領域内の各画素を順次注目画素として
    行い、 前記処理対象領域内の各画素の階調値を前記新たな階調
    値に置き換えた処理後のデジタル画像を得ることを特徴
    とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像処理方法におい
    て、 各画素に対する前記シフトデータのシフト方向とシフト
    量とをランダムに決定することを特徴とする画像処理方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像処理方法におい
    て、 各画素に対する前記シフトデータのシフト方向とシフト
    量とを周期関数を用いて決定することを特徴とする画像
    処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の画像処理方法におい
    て、 各画素に対する前記シフトデータのシフト方向とシフト
    量とを固定することを特徴とする画像処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の画
    像処理方法において、 前記デジタル画像内で周期性を有する画像パターンが存
    在する画像領域を抽出し、抽出した画像領域を前記処理
    対象領域とすることを特徴とする画像処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の画像処理方法におい
    て、 2次元のデジタル画像内で互いに直交する2つの画素列
    方向それぞれに沿った周期性を有する画像パターンの存
    在を調べて前記処理対象領域を抽出することを特徴とす
    る画像処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6に記載の画像処理方法
    において、 前記処理対象領域内の画像パターンの周期性に応じて前
    記シフトデータを決定することを特徴とする画像処理方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項5または6に記載の画像処理方法
    において、 前記処理対象領域内の画像パターンの周期方向だけに注
    目画素の位置がシフトされるように前記シフトデータの
    シフト方向を決定することを特徴とする画像処理方法。
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